『俺たちニュースキャスター』:アメリカン・コメディってつまらない?
昔、アメリカ人にジョークをかまされた悲しい経験があります。
米「ヘイYou、ここでUSAのナイスなジョークを披露するぜ。動物園にコアラがいたと思いねぇ。Do you know コアラ? 知ってるって? 日本でも有名? ワーオ! Anyway, そのコアラがピクリとも動かない。観光客が不思議に思って、飼育員に訳を聞いたのさ」
僕「で?」
米「飼育員は答えた、Because, あのコアラは死んでるから!って。ハッハッー!!」
人間、こういうトワイライト・ゾーンの世界に突如として放り込まれると、瞬間的に次のリアクションがとれなくなるんですねぇ。頭の中はまさになぜ?の嵐状態です。
今のがオチだとしたらどこが面白いの? この後で真のオチがつくのでは? でも文化が違うんだから、もしかしてこれでほんとに終わり? とりあえず作り笑いしとこうか? けど、まさかいくらなんでも 。
そんなことをアタフタ考えてるうちにタイミングを逸し、今さら無理やり笑うにも笑えず、結局、沈黙のまま。この日米文化交流は悲劇的な失敗に終わったのです。
彼が帰国後、「日本人ってヤツは付き合いにくい連中だぜ。こちとらがファニーなジョークをかましてやったのにニコリともしない。ヤツらはセンス・オブ・ユーモアってもんがないワーカホリックの真面目人種だね」などと間違ったことを吹聴してないかと、いまだに気が気じゃないです 。
この時、「アメリカン・ジョークはつまらない」という知識を、痛みとともに経験的に学習したワケであります。
ハリウッド映画を見ていると、主人公が妙ちきりんなジョークを飛ばすシーン、あるいは、スタンダップ・コメディアンがアメリカのお客さんをネタで笑かすようなシーンがよく出てきます。
が、日本人感覚だと、あれのどこが面白いのかサッパリ分からない。この“アメリカン・ジョークつまらない説”は、僕の周囲の映画好きの間でも、当時、多くの人が信じていました。
実際、日本はハリウッド映画のマーケットとしては本国に次いで突出して巨大なのですが、コメディだけはウケない。だから本国で初登場1位ヒットを飛ばしたようなコメディ作品がビデオ・スルー(日本では劇場公開されずDVDで初めて紹介される)なんてケースがザラにあるワケです。
僕もハリウッド映画は大好きですが、コメディだけは見ない、という頑なな姿勢を長いこと貫いてきました。
しかし、気が付いてしまったのです。つまらないのはアメリカン・ジョークであって、アメリカン・コメディではないのだ!という事実に。
海外ドラマで某シットコムのシリーズを見たのが、目からウロコが落ちたキッカケです。これがムチャクチャ面白かった!そこで食わず嫌いのコメディ映画も見てみた。これまたムチャクチャ面白かった!
これがクセになると、もう日本の“お笑いブーム”なんかには戻って来れなくなります。なにせ、あのハリウッドがカネと知恵をそそぎ、数多くの才能が結集し、産業として本気で人を笑わしにかかってるんですから、どう考えたって面白くないワケないんです。
ザ・シネマで放送する『俺たちニュースキャスター』なんて、まさにここ数年のマイ・ベスト・ヒットな1本。
主演はウィル・フェレル。本国では、主演したコメディをことごとく大ヒットに導く、稼げる映画俳優のトップ10に入る超大スターです。が、日本での評価は今ひとつ。
嗚呼もったいない 。あんまりにももったいない 。不肖ザ・シネマ、アメリカン・コメディの面白さを布教する役を、及ばずながら買って出ましょう! まずは『俺たちニュースキャスター』を。近々『アダルト♂スクール』も放送します。
ハリウッド映画はけっこう好きなのにアメリカン・コメディだけを食わず嫌いしている人(そういう人けっこう多そう)にこそ、激しくお薦めします。とにかく一ぺん見てください!
(飯森盛良)
TM & © 2008 DreamWorks LLC.All Rights Reserved.








