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『終身犯』:脱走するのはおなかいっぱい

 白黒映画だし、タイトルは重々しいし、なんか食指が動かない人達も多いと思います。

 

 でも、これが良くできた作品なんですよ。

 

 タイトル通りでこの作品は刑務所でのお話。この刑務所ものとか、捕虜ものって、とかく主人公は脱走するのが好きですよね。中で人生を謳歌しようとしません。

 

 規律が極端に厳しくて、嫌な性格の刑務官がいて、ホモの先輩に犯されて、たまにケンカして。そのケンカのきっかけは大体ご飯中に足引っ掛けられたからだったり。

 

 好きな映画ランキングの上位にやってくる常連さん『ショーシャンクの空に』でもそうだし、ジャック・ベッケルの『穴』(大傑作!祈・再DVD化)でもそう。『アルカトラズからの脱出』とか、『パピヨン』なんかもそう。


 収容所とか病院ものなんかも含めてしまうと『大脱走』とか、『カッコーの巣の上で』なんかもだし、例を挙げていったらキリがありません。

 

 とにかく、檻の外に出よう出ようとしますよね。

 

 でもね、もういい加減逃げすぎだと思いませんか?

 

 脱走ルートの確保に躍起になっている画はもうお腹一杯だと思いませんか?

 

 そんなあなたにお勧めしたいのが、この映画『終身犯』です。

 

 この映画、実話を基にしたお話です。かいつまんでお話しますとこうなります。

 

 終身刑の主人公が刑務所内を散歩中に小鳥を見つけて独房で飼い始めます。

 

 仲間から借りたもう一羽の小鳥とツガイで世話をしているうちにさあ大変、孵化してどんどん独房内に小鳥が増えていきます。


 遂には独房に入っているのか大きめの鳥小屋に入っているのかわからなくなってくるほど増えていきます。小鳥の飼育や繁殖にのめり込んで、ついには小鳥の生態の研究も始め病気の治療法まで発見し、鳥類学の権威にまで登りつめるというお話。


 どれがどの鳥かわかるんでしょうね。一羽一羽愛情たっぷりに飼育をしていきます。

 

 僕のおじいちゃんも小鳥を100匹位飼っていた時期がありました。おじいちゃんは区別がつかず、全ての小鳥の名前を『ピーちゃん』で統一していたのとは愛の深さが大違いです。

 

 それを、監督ジョン・フランケンハイマー、主演バート・ランカスターでじっくり見せる作品に仕上げています。ランカスターはこの作品で、ヴェネチアの主演男優賞もとったほど。なにしろ刑務所内での50年分を描いた作品なのですが、デ・ニーロと
一緒で、メイク次第でどの年齢でも演じ別ける名演技を見せてくれます。

 

 余談ですが、刑務所もので他におすすめな作品を一本だけ。『グリーン・フィンガーズ』っていう映画があります。今をときめくクライヴ・オーウェン主演なんですけれど、この映画は脱走なんか考えず、刑務所内の仲間とガーデニングに勤しみます。
「あ、ガーデニングしようかな」そんなことを思わせてくれる佳品です。

 

 脱走ものとは一線を画した実話ものドラマ『終身犯』、おすすめです。


【5月放送日】 24日27日

【6月放送日】  5日7日10日28日

 

(しじみ)
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