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 世界にはいろんな種類の痛みがある。


 と、こんな書き出しにすると、ちょっと文芸的な話が始まりそうですが、そういったシリアスなのではなく、今日取り上げる"痛み"は、もっと馴染みのある痛みのことです。


 まあ、馴染みある"痛み"といっても「あの人、ちょっとイタくない?」とコソコソ言われる種類の痛みでもなく、はたまた美人とご飯を食べに行ったときに、つい見栄を張ってご馳走してしまったときの、財布の痛みでもありません。


 映画『ファイト・クラブ』にでてくるのは、もっと単純で、野蛮で、肉体的な痛み。つまり殴られる"痛み"です。


 人が殺されるシーンを含む映画は、世の中に星の数ほどありますが、こんなに人が拳で殴られる映画は、ボクシング映画とヤクザ映画を除けば、あまり思いつかない。


 そのせいか今作でエドワード・ノートンやブラッド・ピット、その他マッチョな男たちが、殴り、殴られまくるのを観ていると、「あっ」とか「うぅ」とか、声にならない声がついついでてしまう。言うなれば『ファイト・クラブ』は痛みの疑似体験映画です。


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 ではなぜ彼らが殴り合うのかというと、恐怖や死、痛みと直面することで、「生」を感じたいという、極めてマゾ的理由。

 エドワード・ノートンが演じるのは、小綺麗なマンションに住み、何不自由なく暮らすサラリーマン。しかしいくらそんな生活をおくってみても、気持ちは満たされず、原因不明の不眠に悩まされるばかり。


 そんなときに出会うのが、ブラッド・ピット扮するタイラー・ダーデンという男。タイラーは、エドワード・ノートンとはまるで正反対。男らしく、リーダーシップに溢れていて、エドワード・ノートン(が演じる男)の価値観を180度変えてしまいます。
つまり痛みを感じることで、生を感じ、喜びを見出すことになるのですが、いつしかそれがエスカレートしていき・・・というお話。


 さて、『ファイト・クラブ』は、バーチャルな痛みを体験したい!という妙な嗜好を持つ方もたしかに必見ですが、たんなるマゾ映画、もしくは闘う男達によるマッチョ映画か? と訊かれると、それも違うような気がします。たしかに殴り合いという原始的な人間の行動を、物語を推し進めるエンジンとして中心に据えています。

 しかしそれは暴力の賛美ではなく、暴力へのアンチテーゼであり、成熟しすぎた今の社会がもたらす、物質至上主義へのアンチテーゼでもある、と僕は解釈しました。

 ただ、前述したようにとっても"痛い"映画なので、好き嫌いは分かれるところではありますが、食わず嫌いはもったいない!と断言できる作品です。はい。


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 そうそう、ついでに言うと、ブラッド・ピットにはタイラー・ダーデンという役名がちゃんとありますが、エドワード・ノートンは主役でありながら、名前は最後まで一切でてきません。エンドロールのクレジット部分でも、Narrator(ナレーター)と記されているだけ。それにはもちろん、深い理由があるのですが、それは映画のオチと関係しますので、ココでは触れません。これから映画を観る方は、そのへんも気にしてご覧になってみて下さい。 


 さて、ここからは番外編。

 当チャンネルではデビット・フィンチャーとブラッド・ピットが、『セブン』『ファイト・クラブ』に続いてコンビを組んだ、超話題作『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の公開に合わせ、2月11日に『ブラッド・ピット』特集を放送します!


 『カリフォルニア』『リバー・ランズ・スルー・イット』、そして『ファイト・クラブ』

 見逃していたあの作品をご覧になる絶好の機会です。


 で、詳しい方はもうご存じかもしれませんが、デビット・フィンチャー監督と、ブラッド・ピットが映画のPRのために、来日しましたので、今回はその様子をちょっとご紹介します。


 会見は都内の高級ホテルで行われたのですが、もうとにかくすごいマスコミの数。

 そうして会場で待つことしばし。


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 にこやかに2人が登場!


 生ブラピ。カッコイイ!
 ホントに僕と同じ「ヒト属ヒト科」の生物なのでしょうか・・・。


 二人が席について、簡単な挨拶が終わると、早速記者からの質問タイム。フィンチャー、ブラピ、お互いに気心知れた仲なことも手伝ってか、気の利いたジョークをとばしながら、質問に答えてくれました。


記者「ベンジャミン・バトンは非常にドラマティックな作品ですが、あなた自身の人生はいかがですか?」


ブラピ「僕には子供が6人もいるからね。もう十分ドラマティックだろう?」

フィンチャー「ブラッド・ピットとこうして映画のPRに来ていることが、ドラマティックだよ」

 顔を見合わせ、笑う二人。仲いいね。


 さらに質問が続きます。


記者「 愛する女性とは反対に、ベンジャミン・バトンはどんどん若返っていきます。もしあなたならどうしますか?? 」 

ブラピ「んー、男女の愛には必ず終わりが来る。つまり死という形でね。だからこそ、一緒にいられる時間を楽しまなきゃいけないんだ。でも、僕とフィンチャー監督のつながりは永遠だけどね」


『ベンジャミン・バトン』は、80歳(の容姿と知能)で生まれ、年をとるごとに、若返っていく男の生涯を描いた物語。アカデミー賞でも作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、脚色賞など最多の13部門でノミネートされていますので、その行方も気になりますね。

 そして最後にブラピから記者に「今回は家族で来てるんだけど、母親も、父親も、子供も楽しめる場所をおしえてくれないか? それと美味しい日本食レストランもね」と逆質問。そう、ブラッド・ピットは今回、アンジョリーナ・ジョリーと子供達、総勢8名という大家族でやってきたのです。 
 それを受けて会見からは「ハラジュク」「メイジシュライン」「キディランド」などなど、次々にお勧めスポットがあがっていました。
こんな具合で和やかな雰囲気のまま、あっという間に終了した1時間弱の記者会見。
しっかり日本を楽しんで、また近いうちに来てください!

 
(映画ライター 奥田高大)

©1999 Twentieth Century Fox.


【2月放送日】11日13日24日28日

ジオからはクロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤングや、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルが流れ、ウッドストックではジミヘンがギターを燃やし、ビートルズが「ゲット・バック」と歌っていた1969年、1970年。
ロックミュージシャンは若者たちの声なき声をメロディに乗せて歌い、多くの若者たちは、自分たちの代弁者として彼らの音楽を熱狂的に受け容れた。

 

ちょうど同じ頃、ジャック・ニコルソンは『イージー・ライダー』で飲んだくれの弁護士を演じ、『ファイブ・イージー・ピーセス』で、音楽一家に生まれたことを窮屈に感じて、家出する若者を演じた。
若かりし頃のジャック・ニコルソンもまた、ジミヘンやビートルズと同じように、若者の声を代弁して、スターダムへと駆け上ったのである。

 

は流れて世紀末。60歳になったジャック・ニコルソンが『恋愛小説家』で演じたのは、神経質で、潔癖症で、偏屈で、(こんな性格なために)独身で、恋愛小説家のメルヴィンという男。

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『シャイニング』で小説家志望の男を演じ、雪深いホテルで発狂してから約30年後に、今度は一転して売れっ子小説家を演じることになった。

 

メルヴィンの神経質は、控えめに言っても度を過ぎている。
手を洗うごとに石けんを2個使い、道に敷かれたタイルの継ぎ目は避ける。(でもこのおかげで後々やっかいな目に遭う)食事は決まった時間に、決まったカフェでとるが、店の衛生環境が信用できないからと、フォーク&ナイフを持参する。いつも座っている席を「オレの指定席」と言い張り、座っていた客に立ち退きを迫るワガママっぷり。

 

そんなメルヴィンの心をほんの少しずつ変化させていく女性が、ヘレン・ハント演じるウェイトレスのキャロル。彼女はメルヴィンの悪態もひょうひょうとかわして応戦する美しきシングルマザーである。

 

『恋愛小説家』のストーリーは極めてシンプルだ。

 

偏狭男+美しい女性+恋or愛系タイトル=上質な恋愛映画という黄金の方程式に倣って、大部分の人が想像するとおりの展開を見せてくれる。

 

でも、だからといってこの映画が非個性的で、退屈で、見る価値がないということにはならない。

 

なぜなら、ジャック・ニコルソンがいるからである。

 

メルヴィンとキャロルの恋(正確に言えば恋への過程)はひどく遠回りで、そのほとんどの原因はメルヴィンの屈折した態度にある。しかし、普通の役者がここまでヤラシイ性格の男を演じると、拒否反応がでて感情移入できなくなりそうなのだが、ジャック・ニコルソンが演じると、不思議とアレルギー反応はない。

 

ぜか。
人は年を重ねるごとに強情になる。不器用になる。素直になれなくなる。変化を嫌い、習慣を愛するようになる。打算と経験が邪魔して、純粋に恋することが難しくなる。上手く年を重ねることの難しさを、年をとるほど強く意識するようになる。
ジャック・ニコルソンは、そう感じている人の胸の内を、極端に誇張した形であるにせよ、きっちり代弁しているのである。
何十年も前、若者の気持ちを代弁したのと同じように。

 

そんなわけで、偏屈ぶりが多少行き過ぎではあるけれど、見ているこちらは、いつの間にか「まあオレもいつかはこうなるかもしれないな」とか「いまのオレも似たようなモンだな」とメルヴィンに共感さえ抱いてしまうのだ。
かつて若者の声を代弁していたジャック・ニコルソンは、いまや押しも押されぬ大俳優となった。 
しかし、彼は今も多くの人の声なき声を代弁し、勇気づけているのである。

 

さてここからは余談と蛇足をひとつずつ。

 

今作でメルヴィンは、極めて神経質な男として描かれているが、これは「強迫性障害」(OCD)という精神障害を抱える人に見られる症状。ちょうど『アビエイター』でレオナルド・ディカプリオが演じたハワード・ヒューズも同様の障害をもっていたことで知られている。

 

ところがメルヴィンが「強迫性障害」であることと、これが改善されていく過程を深くは描写していないために、一見、恋に落ちたことで彼の心境が変化したようにも見える。
だが実際は、メルヴィンが徐々に変化するのは「キャロルのために変わりたい」と思って飲み始めた薬の効果が現れているのである。
 個人的には、この問題に触れるか触れないかをもう少しハッキリさせたほうが良かった気もするが、その辺は好みがわかれるところ。
 上質な恋愛映画に深みを与えるスパイスとして、少し効いていればいいのかもしれない。

 

そして続いての蛇足は男性諸氏にぜひとも読んでいただきたい、ジャック・ニコルソンの話。

 

昨年、映画『最高の人生の見つけ方』のプロモーションで14年ぶりに来日した際、ジャック・ニコルソンから驚きの発言があった。
それは棺桶に入るまでの”やりたいことリスト”のなかに、「もう一度大恋愛したい!」を書きたいねと言い放ったこと。

 

いまだに水着姿で若いおねーちゃんとバカンスしているところを撮られたり、バイアグラユーザーであることを公言したりしているジャック・ニコルソンだけに、この発言は相当にリアル。
映画のメルヴィンはとても恋愛上手とは言えないが、それを演じた当のジャック・ニコルソンはまだまだ現役バリバリなのだ。

 

(映画ライター 奥田高大)

Copyright © 1997 TriStar Pictures, Inc. All Rights Reserved.

 

【2月放送日】 4日15日19日

 何事においても組み合わせは大事である。


 ダンナと奥さん、ビールとツマミ、見た目と中身。


 一方が良くて、一方がイマイチという組み合わせは大抵の場合よろしくない。

 

 もっとも男女においては「美女と野獣」な組み合わせが、世間の嫉妬の目をかわしてすくすくと愛を育むことも多いようですが、古今東西、衣食住、ヒト・モノ・コト、何にせよお互いの能力を引き出す組み合わせが世の中にはあります。

 

 映画監督も同じ。監督と俳優ならクロサワとミフネ。監督とカメラマンならトリュフォーとネストール・アルメンドロス。監督と女優なら、今年6月に公開予定の『それでも恋するバルセロナ』で三度タッグを組む、ウディ・アレンとスカヨハの組み合わせを最近の例として挙げたい。なんせウディ・アレンはスカヨハを「僕のミューズ」と呼んでるぐらいですから。

 

 で、本題は監督と脚本家の組み合わせ。

 

 映画『ワン、ツー、スリー/ラブハント作戦』は、ビリー・ワイルダー監督、I・A・L・ダイアモンド脚本の作品。まあ彼らの場合、正確には共同脚本なのですが、傑作にそんな細かいツッコミは野暮ってもんなので、気にしないようにしましょう。

 

 とにかく、二人による作品をあげていくと、まばゆいばかりの名作がこれでもかと並びます。
『アパ鍵』『お熱いのがお好き』『昼下がりの情事』などなど、ほかにもワンサとある。

 

 夏の暑い夜に「今日はビールじゃなくて、コブ茶にしとくか」なんて法則が成り立たないのと同じで、『ワン、ツー、スリー/ラブハント作戦』も面白くないワケがない。

 

 上方の漫才芸人が出演してるんじゃないかと思うほど、とにかく喋りまくります

 

 ことの始まりは、コカ・コーラのベルリン支社長として働くオジさんに、アメリカ本社の重役からかかってきた一本の電話。

 

 用件を訊くと、可愛い愛娘が2週間ほどベルリンに行くので、世話ならびに、遊びまわらないように監視してくれとのこと。


 ベルリンおじさんとしては、面倒だし、奥さんがちょうど旅行に行く時期なので愛人とマッタリ過ごす予定を立てていたんですが、「昇進」という名のニンジンをちらつかされては、断れるはずもない。


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 そうして面倒を見るハメになった娘というのが、去年、日本中を笑いと涙に巻き込んだ新人類「おバカ系」女子だったのです。その実力たるやハンパではなく、17歳にして、すでに4回の婚約経験。スーツをシワシワにして氷河期時代の就活を抜け出たと思ったら、今度はそれ以上に厳しい「婚活」が待っていた我々の世代に、どうかその技を伝授してください。

 

 で、そんなおバカ系娘に出世の足を引っ張られてはイカンと、娘を丁重に扱いつつも、速攻監視役をつけたオジさん。甲斐あってか、2週間の予定だった滞在期間がミョーに延びたものの、意外にも重役令嬢はお利口に過ごしていたのです。


 そしてようやく両親が迎えに来る日程も決まり、オジさんもほっと胸をなで下ろした直後、ついに悪魔がおバカぶりを発揮したのです。

 

「おじさま。ワタシ、実は6週間前に結婚しちゃったのーー!!フフフ。彼は革命を夢見るイカシた男なの」

 

 絶句。


 婚約どころか、結婚! しかも相手はどこの馬のホネともわからん、バリバリのサヨク! あ、説明遅れましたが、この映画は1961年公開のモノクロ。もちろん東西ドイツ時代でございます。

 

 そしてここから怒濤の1時間が始まります。

 

 寝耳に水のオジさんは異常な段取りの良さで、二人を別れさせる方法を画策。

 

 手始めに婚約者をアメリカのスパイに仕立てて逮捕させ、それがすんだら結婚証明書を役所から盗ませる作業を完了。これでお馬鹿娘は、キレイさっぱり未婚の17歳・・・と安心していたのですが、人生に悲劇はつきもの。

 

 男を逮捕させた直後に、今度はおバカ娘が妊娠していることが判明。こうなっては結婚を白紙にするわけにもいかなくなり、急遽、男を救出して名門貴族に変身させる『マイ・フェア・レディ』もしくは『プリティ・ウーマン』作戦に変更。

 

 ただ、オードリー・ヘプバーンやジュリア・ロバーツと違うのは、「オレは私利私欲に走るブタにはならんぞぉ!」みたいなことを言って男が反抗しまくること。だが、そんな抵抗もオジさんの出世欲(というか、このときは転落を恐れる危機感)には太刀打ちできず、だんだんと資本主義に染められていく様子がやたらと面白い。

 

 変身の指南役も、もちろんすべてオジさん。

 

 貧乏くさいヘアスタイルを美容師にカットさせている間に、高級テーラーを呼びつけて、名門貴族に見える服装を用意。休むヒマもなく宝石店に指輪を手配して、伯爵の身分もウサンクサイ男から買収。

 

 男が小綺麗になったら、次はフルコースを食べながら、テーブルマナーの躾。その合間に新婚用のスイートルームを予約して、与えた高級車に家紋を入れさせる念の入れよう。で、肩書きがないと話にならないので、仕上げに自社(コカ・コーラ)の工場長に任命して、重役令嬢に相応しい名門貴族が一丁上がり。


 と、ここまで息つく暇もなく、オジサンが喋りまくります。

 

 そうしてベルリンへ降り立つ両親を迎えに行くのですが、この後も気の利いたオチがありますので、それは自分の目で確かめて下さい。

 

 『ワン・ツー・スリー ラブ・ハント作戦』が名作と呼ばれる理由には、中盤以降の勢いもさることながら、やっぱりワイルダーとI・A・L・ダイアモンドの、皮肉交じりに社会を見つめる視点にあるのです。オジさんの一生懸命さが、自己利益追求のためだけで、いかにも資本主義的なのと同じくらい、婚約者が崇拝する共産主義も、ワイルダーとダイアモンドは皮肉たっぷりに描いています。どちらの思想の欠点も見事に言いあてている。これが古くさく感じない所以でしょう。

 

 それにしても、ベルリンの壁をストーリーの軸にした映画って面白いものが多い。


 同じくコカ・コーラが資本主義の象徴として登場した映画『グッバイ、レーニン』もそうだし、『ベルリン・天使の歌』もいい。文芸路線では『善き人のためのソナタ』なんかもヨカッタです。

 

 気づけばベルリンの壁が崩壊して今年で20年。

 

 今を逃して、『ワン・ツー・スリー ラブ・ハント作戦』を見る時なし! とまではいかないまでも、何となく節目の年ではありますので、どーぞチェックしてみて下さい。
 

(映画ライター 奥田高大)

©1961 METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC. All Rights Reserved.
 

【1月放送日】 24日26日

 「あなたの大好きなイケメン俳優にチョコレートを贈ろう!」と書かれたバレンタイン特集の企画書がロサンゼルスのオフィスに届いたのは11月上旬のこと。

 

 実は、ザ・シネマには米国オフィスがあります。ビバリーヒルズとハリウッドに挟まれたところに位置し、6階のパティオから眺めるロサンゼルスの街並は絶景!

 

 すぐご近所の“Urth Caffé”ではブラピがブランチ、ロバート・デニーロの経営するイタリアンレストラン“AGO”ではレオ様がディナーと、流石は映画の街!気をつけて見ていれば、スクリーンのイケメン達とばったり遭遇の嬉しいチャンスが街のあちこちに転がっています!

 

 と、ここまで書いたら

 

「おぉ!そんなに簡単に会えるなら、是非チョコレートを本人に手渡してくれないか?」

 

 と東京スタッフからの無謀な(?)指令。

 

 まぁ何事もダメもとです。というわけで大手タレント事務所に片っ端から電話攻撃しました。そして見事に砕け散りました。

 第一アメリカではバレンタインは男性から女性に贈るというのが一般的。日本の乙女たちが俳優にチョコレートを贈りたいということ自体、説明しても、なんだそりゃ?という反応でございました。

 

 ま、そうですよね。

 

 というわけで、その想いはセレブには届けられないけれど、せめてハリウッドセレブの気分だけでも味わって頂こうじゃあないか!と強引に路線を変更し「ハリウッド直送便でお届けします」企画が決行されることとなりました。

 

 

ハリウッド・セレブ賞の賞品買い出しリポート

 何かセレブ感のあるものが手に入るといいなぁと思いを巡らしながら、ハリウッドの街をぶらり。まずはウィンドウショッピングで下見へ。

 

 最初に向かったのはカップケーキ店“Sprinkles Cupcakes”。2005年にオープンと比較的新しいお店で、奥様のケイティーの大好物と知ったサービス精神旺盛なトム(クルーズ)が頻繁に買いにくることでも有名(家庭でもトムはスィートなんですね〜)。

 メディアでも度々取り上げられ、45分待ちの長蛇の列ということも。一度食べたら病み付きとジェシカ・アルバルーシー・リュー州知事のシュワちゃんまでがここのカップケーキの大ファンだとか。

 オスカーパーティーにも登場で何かと話題のカップケーキ。そのお値段、手のひらに乗っかる小さめサイズで1個$3.25とお高め。某庶民派店の2倍のお値段でサイズは半分。特別な時のご褒美カップケーキです。

 

 同じ通り沿いに目立たなく店舗を構えるのはチョコレート店“K CHOCOLATIER”。こちらもエンターテイメント業界では知る人ぞ知る有名店です。

 1970年代にニューヨークでご主人と一緒に手作りチョコレート店を始めたオーナーのダイアンさん。当時の顧客リストには、キャサリーン・ヘップバーングレゴリー・ペックジャックリーン・ケネディーなど聞いただけでキラキラと目映いばかりのゴージャスなお名前ばかり。

 現在はビバリーヒルズと高級住宅地マリブのみで店舗展開。手作りで一つずつ丁寧に作られたトリュフは絶品です。

 ハリウッドの映画スタジオやイケメン俳優達が所属する大手タレント事務所などがお土産用に大量購入することもあるのだとか。

 お店にいくと「試食していいわよ〜」と、とても感じよく迎えてくれるダイアンさん。これまた庶民には痛いお値段ばかりで、毎回試食だけして「また来るね」と言いながら笑顔でそっと後ろ歩きで退散します。

 

 と、甘いものに目がないわたしの下見の旅は食べ物ばかり。でもこれらギフトが日本に届く頃には賞味期限切れ、なんてことになっても、ね。

 

 何か他にもプレゼント候補はないかしらん、とキーワードの“セレブ”を呪文の様に何度も唱えながら次に向ったのは今一番ホットなストリートとして知られるロバートソン・ブルーバード。

 中でもセレクトショップ、“kitson”の人気と勢いは留まることを知らず。次々にチェーン展開中で来年にはお洒落スポットで知られるメルローズアベニューにも店をオープンするようです。

 ここ、パリス・ヒルトンニコール・リッチが度々出没することでも知られています。スパンコールが散りばめられたオリジナルのコスメバックやパーカーを始め、話題のジャンク・フードのTシャツなども並んでいます。「こんな可愛いものがあるよ!」と東京のスタッフに教えてあげようとデジカメを持ち込んだら、セキュリティーの兄ちゃんが速攻飛んできて「撮影禁止!」と怒られてしまいました。

 

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 セレブ御用達ショップと言えば、忘れてはいけないのが老舗“Fred Segal”

 こちらもセレクトショップですが、比較的若い世代向けの“kitson”に比べると、落ち着いた高級感溢れる商品が多いのが特徴。

 オープンは1960年と意外にも歴史が長いのだけど、コンサバティブなところがなく半歩先をゆく感じが今も人気の秘訣なのでしょう。

 ベン・アフレックジョージ・クルーニーレオナルド・ディカプリオとイケメン達も訪れるというのだから、頻繁に通えばいつか出会えてしまうかも、と密かに期待を抱きつつ。

 ちなみにジュリア・ロバーツグィネス・パルトローニコール・キッドマンなどオスカー女優もここの常連です。

 

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 コスメコーナーの扉を押すと最初に目に入ってきたのがスタイリッシュなデザインのボディーウォッシュ。

 ボトルは全8種。“Fred Segal”の元オーナーが立ち上げたブランドなのだとか。バーニーズ・ニューヨークなど一部の高級デパートとここでしか手に入らないのよ、と言われたら、何だかとっても欲しくなってしまいました。

 

 そしてもう一つ一目惚れしてしまったのがアロマキャンドル。何と言っても傘をひっくり返したようなデザインの器が可愛い!!

 柑橘系とサンダルウッドをブレンドした香りはストレスを和らげる効果があるそうです。薄暗くしたバスルームでこのキャンドルを灯してゆっくりお湯につかった後はボディーウォッシュで女に磨きをかける!なんだか想像しただけでセレブな気分になってきました。

 

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 さて、今回はバレンタイン企画。セレブ感だけでなく、何か“バレンタイン”というテーマに沿ったものも探したいなぁとウンウン考えていたら浮かんできたのがランジェリー。

 先にも書きましたが、嬉しいことにアメリカでは男性から女性へというのが一般的。日本でOLをしていた頃は、義理チョコばかりを買い漁っていたわたしも、ロスで暮らすようになってからは、会社の男の子から義理チョコをもらうようになりました(嬉)。なんていい国なんでしょう。

 こちらの本命パターンはチョコレートとバラの花束を贈るというのが王道ですが、中にはジュエリーやランジェリーを添える男性も多いようです。

 

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 というわけで、バレンタイン前には男性客で一杯になる下着の専門店“VICTORIA'S SECRET”へ足を運ぶことに。

 アメリカ人女性定番の人気ブランドなだけに、赤やピンクと派手な色ばかり。セクシーランジェリーにしよう!と声を大にして東京のスタッフにお勧めしましたが、サイズや好みもあるしねぇ、、、どうやら渋い反応。ならば、なかなか日本では手にしないと思われるバスローブの赤をあえて選んでみようということになりました。

 

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 ギフトはどれもワタシが欲しいくらいです、本当に。贅沢なセレブセットをハリウッドから直送便であなたのご自宅にお贈りしますので、大好きなあの人の映画で心ときめいた後は、ちょっぴりセレブな気分でバスタイムを演出して頂けたら嬉しいですね。Happy Valentine’s Day!

 

 

〜イケメン・スター賞の裏話〜
 当初ギフトは写真集にしたい!という熱〜い要望があり

 

「あ、そんなのすぐ見つかりますよ、余裕。余裕。」

 

 と気軽に引き受けてしまった年の瀬。

 大手書店を歩いて、歩いて、更に歩いて。

 小さな書店だって覗きました。

 飲み屋ならず、本屋のハシゴ。

 ところが、これが見当たらないのです。驚くことに1冊も。

 それらしきしょぼい雑誌の様なものはあっても、立派な装丁のそれが見つからない。

 どうやら日本で言うところの「写真集」というもの自体がほとんど出版されていない様子。

 気にしたこともなかったけれど、言われてみれば日本の書店で必ず目にする写真集コーナーの一角、アメリカで見たことがない!

 そこでアメリカ人スタッフにも聞いてみたところ「へ?そんなものが日本にはあるのね?」と感心の声。

 そうか、見つけられないわけだ。。。ああああ困った。

特注額.jpg
 というわけで、結局代替案としてポスターにしましょうということに決まったわけですが、「高級感を忘れないでね」との指令再び。イケメンナンバー1が決定した暁には、カスタムメイド発注のフレームに入れて、こちらもハリウッドから直送便でお届けします!

 お部屋のインテリアとしてもきっと素敵だと思いますよ。

 

 ※イケメンへの投票はコチラ

 

(ザ・シネマ LAオフィス S.K.)

※写真は賞品イメージのため、実物と異なる場合がございます。ご了承ください。

 

 

地図 .jpg

【紹介した店のアドレス】

Urth Caffe
8565 Melrose Ave. West Hollywood, CA 90069

 

Ago Restaurant
8478 Melrose Ave.West Hollywood, CA 90069

 

kitson
115 S. Robertson Blvd. Los Angeles, CA 90048

 

FRED SEGAL
8100 Melrose Ave. West Hollywood, CA 90046

 

K Chocolatier
9606 Little Santa Monica Blvd. Beverly Hills, CA 90209

 

Victoria’s Secret (Beverly Hills)
328 N Beverly Dr. Beverly Hills, CA 90210

 

Sprinkles Cupcakes (Beverly Hills)
9635 Little Santa Monica Blvd. Beverly Hills, CA 90210

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