『ファイト・クラブ』&ブラッド・ピット記者会見!
世界にはいろんな種類の痛みがある。
と、こんな書き出しにすると、ちょっと文芸的な話が始まりそうですが、そういったシリアスなのではなく、今日取り上げる"痛み"は、もっと馴染みのある痛みのことです。
まあ、馴染みある"痛み"といっても「あの人、ちょっとイタくない?」とコソコソ言われる種類の痛みでもなく、はたまた美人とご飯を食べに行ったときに、つい見栄を張ってご馳走してしまったときの、財布の痛みでもありません。
映画『ファイト・クラブ』にでてくるのは、もっと単純で、野蛮で、肉体的な痛み。つまり殴られる"痛み"です。
ではなぜ彼らが殴り合うのかというと、恐怖や死、痛みと直面することで、「生」を感じたいという、極めてマゾ的理由。
エドワード・ノートンが演じるのは、小綺麗なマンションに住み、何不自由なく暮らすサラリーマン。しかしいくらそんな生活をおくってみても、気持ちは満たされず、原因不明の不眠に悩まされるばかり。
そんなときに出会うのが、ブラッド・ピット扮するタイラー・ダーデンという男。タイラーは、エドワード・ノートンとはまるで正反対。男らしく、リーダーシップに溢れていて、エドワード・ノートン(が演じる男)の価値観を180度変えてしまいます。
つまり痛みを感じることで、生を感じ、喜びを見出すことになるのですが、いつしかそれがエスカレートしていき・・・というお話。
さて、『ファイト・クラブ』は、バーチャルな痛みを体験したい!という妙な嗜好を持つ方もたしかに必見ですが、たんなるマゾ映画、もしくは闘う男達によるマッチョ映画か? と訊かれると、それも違うような気がします。たしかに殴り合いという原始的な人間の行動を、物語を推し進めるエンジンとして中心に据えています。
しかしそれは暴力の賛美ではなく、暴力へのアンチテーゼであり、成熟しすぎた今の社会がもたらす、物質至上主義へのアンチテーゼでもある、と僕は解釈しました。
ただ、前述したようにとっても"痛い"映画なので、好き嫌いは分かれるところではありますが、食わず嫌いはもったいない!と断言できる作品です。はい。
さて、ここからは番外編。
当チャンネルではデビット・フィンチャーとブラッド・ピットが、『セブン』『ファイト・クラブ』に続いてコンビを組んだ、超話題作『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』の公開に合わせ、2月11日に『ブラッド・ピット』特集を放送します!
『カリフォルニア』『リバー・ランズ・スルー・イット』、そして『ファイト・クラブ』
見逃していたあの作品をご覧になる絶好の機会です。
で、詳しい方はもうご存じかもしれませんが、デビット・フィンチャー監督と、ブラッド・ピットが映画のPRのために、来日しましたので、今回はその様子をちょっとご紹介します。
会見は都内の高級ホテルで行われたのですが、もうとにかくすごいマスコミの数。
そうして会場で待つことしばし。
にこやかに2人が登場!
生ブラピ。カッコイイ!
ホントに僕と同じ「ヒト属ヒト科」の生物なのでしょうか・・・。
二人が席について、簡単な挨拶が終わると、早速記者からの質問タイム。フィンチャー、ブラピ、お互いに気心知れた仲なことも手伝ってか、気の利いたジョークをとばしながら、質問に答えてくれました。
記者「ベンジャミン・バトンは非常にドラマティックな作品ですが、あなた自身の人生はいかがですか?」
ブラピ「僕には子供が6人もいるからね。もう十分ドラマティックだろう?」
フィンチャー「ブラッド・ピットとこうして映画のPRに来ていることが、ドラマティックだよ」
顔を見合わせ、笑う二人。仲いいね。
さらに質問が続きます。
記者「
愛する女性とは反対に、ベンジャミン・バトンはどんどん若返っていきます。もしあなたならどうしますか??
」
ブラピ「んー、男女の愛には必ず終わりが来る。つまり死という形でね。だからこそ、一緒にいられる時間を楽しまなきゃいけないんだ。でも、僕とフィンチャー監督のつながりは永遠だけどね」
『ベンジャミン・バトン』は、80歳(の容姿と知能)で生まれ、年をとるごとに、若返っていく男の生涯を描いた物語。アカデミー賞でも作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、脚色賞など最多の13部門でノミネートされていますので、その行方も気になりますね。
そして最後にブラピから記者に「今回は家族で来てるんだけど、母親も、父親も、子供も楽しめる場所をおしえてくれないか? それと美味しい日本食レストランもね」と逆質問。そう、ブラッド・ピットは今回、アンジョリーナ・ジョリーと子供達、総勢8名という大家族でやってきたのです。
それを受けて会見からは「ハラジュク」「メイジシュライン」「キディランド」などなど、次々にお勧めスポットがあがっていました。
こんな具合で和やかな雰囲気のまま、あっという間に終了した1時間弱の記者会見。
しっかり日本を楽しんで、また近いうちに来てください!
(映画ライター 奥田高大)
©1999 Twentieth Century Fox.








