いっや~、当チャンネル、ありがたい賞をいただいちゃいましたよ!
「日本最大のコンテンツの祭典」を公言する「スカパー!アワード2009」で、映画賞にワタクシどもザ・シネマの「マトリックス三部作一挙放送」が選ばれちゃいました!
ちなみに、この「スカパー!アワード2009」っつーのは、
昨年11月から今年10月までの一年にスカパー!、スカパー!e2、スカパー!光、で放送された番組の中からあなた(スカパー!視聴者の皆様)が「もう一度観たい!」、「観てみたい!」と思う番組を選んで投票していただく、まさに日本最大級のコンテンツの祭典です。
だそうです。詳しくはリンク先をご覧ください。
ちなみに、去年は当チャンネル、懐かしの昭和の吹き替え発掘プロジェクトを引っさげて参戦し、見事に玉と砕け散ったのでした。去年のブログはコチラ。にしても、そういやワタクシはまだクビにはなってないな。
でもって今年はリベンジ。マニア狙いの吹き替え企画で勝負かけんのはさすがに無理があったと猛省し、今回は、天下御免のハリウッド超大作を引っさげて雪辱戦に挑み、見事、部門賞に輝いたってワケです。
スカパー!以外でご覧の皆様でも投票できましたので、まさに、こたびの栄冠は、様々なサービスでザ・シネマをご覧いただいている視聴者の皆様にお授けいただいたものだと、感じております。
ここに、ザ・シネマ一同、視聴者様に、三跪九叩頭の礼をとらせていただきます(意味分からん人は山川の世界史用語集で調べよう)。
さて、昨日11月12日の木曜日、東京は後楽園遊園地そばのJCBホールにて、授賞式が催されました。
ザ・シネマからは、マトリックスの解説番組でナビゲーターを務めていただいた、女優の川村ゆきえさん、映画史研究者で、番組の解説だけでなく監修までお願いした、早稲田大学大学院・谷川建司教授のお2人と、当チャンネルの関係者らが出席しました。
ここでは速報として、授賞式の模様をリポートします。
映画賞の発表は序盤の方でした。まず、ノミネート作品が次々に紹介されてきます。プレゼンターは何故かジローラモ。寅さん好きとか子連れ狼はイタリアでも大人気とか、ワタクシども的には全然別方向なトークで司会の小倉さんとジローラモがひとしきり盛り上がり、ワタクシども一同、非常にヒヤヒヤさせられたのですが
最終的にはウチが受賞!してやったり!!
川村さんが壇上に上がって、トロフィーを受け取ります。
川村さん「ほんとに光栄で嬉しいです。マトリックスは世界観もすばらしくて、その世界観を崩したくなかったので、衣装も『マトリックス』でキメてきたんです」
とのコメント。う~ん、なるほど素晴らしい衣装だ!
この、ビニールっぽいケミカル系な素材感の、チャコールグレーのローブドソワレと、ディープグリーンでちょい玉虫色がかった光沢感あるオーガンジーのショール、まさに、まさに、『マトリックス』の世界そのものじゃないっすか!なんつーか、バーチャルっぽい感じ?
ただ黒と緑の服を持ってくりゃマトリっぽくなる、ってもんでもありません。スタイリストさん、ナイスジョブっす!
いやはや、もっと生でジーーーーーーーッと眺めさせてもらえば一生の眼福になったんすけど(控え室とかで)、川村さんご本人を前にすると、あまりのセレブ感と圧倒的ナイスバディさに、ワタクシのような穢れ多き身の者は、太陽光にさらされたゴブリンさながらにどうしたって恐れ入っちゃうんですなぁ。
目は泳ぎ、あらぬ方向をキョロキョロ見回し、もったいなくて直視ができない 。実に惜しいことをした!が、まぁ、独自に撮影した写真を社用PCのデスクトップピクチャに設定することで、良しとしときましょう。
続けます。
司会の小倉さんに、
「もともと『マトリックス』は好きな作品だったんですか?」
と質問されると、
川村さん「SF映画は実は苦手な分野なんですけれども、『マトリックス』は恋愛もあるんですよ。なので、女性も見やすい作品でした」
とのこと。川村さんは、この夏、『マトリックス』で特番を作ろうと決めて、最初に打ち合わせに来ていただいた時から、ラブストーリーとしての『マトリックス』、アクションと特撮だけじゃない、間口の広い『マトリックス』に魅せられた、と、一貫して話されてました。
『マトリックス』は、深い哲学性を持ったSF映画でもあります(哲学を描いたSFって、実はすごく多いんです)。ただ、究極的には、『マトリックス』って、川村さんの言う通り、まさしく“愛”についての映画なんです!
意外かもしれませんが、そうなんです(少なくとも、ウチのチャンネルはそういう見解です)。
なぜ『マトリックス』が“愛”の映画なのか、は、川村さんがナビゲーターを務めるコチラの解説番組で触れられてますんで、ぜひご覧ください。
川村さん「初めて見る方にもわかりやすいようにナビゲートをしました。それも12月に再放送されるので(映画三部作も再放送します)、ぜひ初めて見る方はご覧くださぃ。いちど見た方も、いろんな発見が何度もある作品だと思うので、皆さんまた見ていただけたら嬉しいです」
そうそう、見るたびにいろんな発見がある映画ですよねぇ、『マトリックス』って。1回目よりも2回目見た時の方が確実に楽しい。どんどんハマっちゃう。つまり、奥が深い。上っツラだけの娯楽作じゃないんです。
だから、SF映画の最高傑作、って言われるんですねぇ(別にウチだけが言ってるワケじゃないですよ)。
過去に(夏の当チャンネルでの放送も含めて)見て、「なんだか難しい映画だな 」、と若干ひき気味になっちゃった人も、ぜひ、もう1回ご覧ください!1回目よりも2回目見た時の方が楽しい、このポイントは、『マトリックス』に関しては、徹底的に強調しときたい点なんです!!
なんせ、今では「『マトリックス』は映画史上最高のSFである!」と断言しているワタクシ、仕事で三部作を8回連続で見るハメになるまで、『マトリックス』って、大っっっっっっキライでしたから!
そこらへんの話は、次回書かせていただきましょう。
(編成部 飯森盛良)
誰もが大抵のものごとに関して趣味嗜好、言い換えれば好きな傾向というものを持っている。よく言う"ほにゃららフェチ"も同じようなものだが、これを映画にあてはめてみると、「SFが好き」とか、「とにかくドンパチするやつ」とか、「誰が何と言おうとラブストーリーが最高よ」など、人それぞれ好きなジャンルやテーマを持っていることが多い。
で、僕はと言うと「現代のおとぎ話」的要素を持った「現実にありそうだけど、まあないだろう」という性質の映画に惹かれるらしい。
今月の特集「映画で見る冷戦時代」の一本としてお送りする『グッバイ、レーニン!』は、そんな僕のツボに見事にはまった作品。
舞台は今からちょうど20年前の1989年。ベルリンの壁が崩壊する直前の東ドイツ。
ダニエル・ブリュール演じるアレックスは、母、姉、その娘と4人で暮らす心優しき青年。彼の母親は10年前、夫が家族を捨てて西側に亡命したのがきっかけで、社会主義に忠誠を尽くすようになった愛国主義者である。
そんな母の元で育ったアレックスだが、建国40周年を祝う盛大な記念式典が行なわれた夜、改革を求めるデモで逮捕されてしまう。そして、さらに悪いことに、その姿を偶然見かけた彼の母親がショックで倒れ、昏睡状態に陥ってしまうのだ。
母が倒れたことに責任を感じたアレックスの看病の甲斐あってか、8ヶ月後にようやく目を覚ます母。しかし、彼女が目覚めたときすでにベルリンの壁は崩壊しており、東ドイツには資本主義が怒濤の勢いでなだれ込んでいたのである。
そこでアレックスは「もう一度強いショックを受けたら、命取りになる」と言われた母のために、“東ドイツ体制が続いているフリ”をすることになるのだが、今作はここからが本当の始まり。
体制が変わったことを隠すために、手に入りにくくなった東ドイツ時代のピクルス探しに奔走し、家の窓から見える資本主義の象徴とも言えるコカ・コーラの看板を隠し、本当の情報を伝えないために、友人と偽のニュース番組まで作ってそれを本物のニュースと偽って見せたりと、四苦八苦して“東西ドイツ体制が続いているフリ”を続ける。
その姿は懸命で滑稽で微笑ましく、そしてどこか切ない。
でも、母のために嘘をつくアレックスを見て切なく感じるのは、一体どうしてなのだろう? 映画をご覧になればわかっていただけると思うのだけど、その姿はユーモア混じりに描かれていて、悲しみを誘う行動には映らない。
でも、たしかにどこか切ないのだ。
それはたぶん、アレックスの母をはじめ、けして少なくない人々が信じていたものが、あっという間に崩れてしまったからではないかと僕は思う。
今まで母親の心を支えていたはずの社会主義と、その象徴であるベルリンの壁がなくなったことで、アレックスは懸命にその代わりになろうとしている。
ほんの少し目をそらしていただけなのに、信じていたものがまるっきり変わってしまった。そのことに、僕はおとぎ話的な要素を感じて、ちょっと切なくなるのである。
さて、この健気なアレックスと母の行方は、映画をご覧頂くとして、知っておくとより映画を楽しめる豆知識をここで少し。
『グッバイ、レーニン!』は、当時のドイツの様子や社会主義のなんたるかをあまり知らない人でも十分に楽しめる作品だが、知っているとより楽しめる知識もある。
まず「ドイツのことなんてなーんも知らん」という方への基礎知識として、ベルリンの場所をご説明します。意外と、東ドイツと西ドイツを分けるドイツの中央あたりにあるんだろ!と思いこんでいる方いませんか?
いえいえ、中央どころか、ベルリンは東ドイツのど真ん中にあったのです。しかも、街の西側は資本主義エリアで、東側は東ドイツの首都だった社会主義エリア。つまり社会主義の中にあって、ぽつんと陸の孤島のごとく自由な西ベルリンが存在していたわけです。
でもそのまま放っておくと、社会主義に嫌気がさした東ドイツ人が、ベルリン経由でどんどん西ドイツに移ってしまう。そこで流出を防ぐために西ベルリンを囲む形で、ベルリンの壁は作られることになったのです。
続いては額入りのポートレートなどで何度か登場する白髪頭のメガネをかけた男ですが、彼の名はエーリッヒ・ホーネッカー。ベルリンの壁崩壊の直前まで君臨していた東ドイツの指導者です。いわば東ドイツにおける社会主義の象徴で、劇中では壁が崩壊した後、当時の東ドイツ人が彼をどう評価していたのかを示唆するシーンがたびたび見られます。
さらに個人的には『グッバイ、レーニン!』は、音楽もじっくり聴いてほしい作品です。手がけているのは、『アメリ』の音楽を担当したことで一躍有名になったヤン・ティルセン。幻想的でセンチメンタリズムが漂う音楽が映画の雰囲気とぴったりで、僕は思わずサントラも買ってしまいました。
そうそう、最後になりましたが、『グッバイ、レーニン!』で注目を集めたダニエル・ブリュールは、11月20日から公開される、タランティーノ×ブラピの話題作『イングロリアス・バスターズ』にも出演しています。この映画でダニエルファンになった方は、ぜひ劇場にも足を運んでみて下さい。
ベルリンの壁が崩壊してはや20年。一つの節目となる時期に、ザ・シネマでは「映画で見る冷戦時代」特集として冷戦時代を描いた傑作を5作品お送りするわけですが、『グッバイ、レーニン!』はそのなかでも、いわばファミリードラマ担当。
笑いと涙もいいけれど、冷戦時代の緊張感をもっと味わいたい方には『駆逐艦ベッドフォード作戦』、シュールな映画に惹かれる方には、キューブリックの名作『博士の異常な愛情』など、多様な趣味嗜好ならびに傾向とフェチにあわせて作品をご用意していますので、ピクルスでもかじりながらぜひご覧下さい。
(映画ライター 奥田高大)
©X Filme creative pool GmbH 2003
【11月放送日】
『グッバイ、レーニン!』 7日、9日、20日、29日










