『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』に出てくるCubanosことキューバンサンドのレシピに挑む!!!

キューバンサンド.pngキューバンサンド00.jpg
文・作る人・食べる人/ザ・シネマ飯森盛良

写真/studio louise


 今週末『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』やりますので、キューバンサンドのレシピをここに公開します。


 映画チャンネルなのでレシピの前に一応あらすじから。

シェフ 三ツ星フードトラック始めました.jpg とあるレストランシェフ。売れる料理を作れとオーナーからプレッシャーかけられるんだけど、自分としてはもっと創造的でチャレンジングな料理に挑みたい。でもしぶしぶ売れ線料理を作ったところ有名料理評論家から「守りに入ってヲワコン確定」とか酷評され、キレてTwitterでケンカふっかけて炎上。クビに。で、裸一貫、中古トラックをフードトラックに改装し、元妻のゆかりの地であるキューバにインスピレーション受けてオレ流「キューバンサンド」を開発。南部からホームタウンのLA目指し、アメリカ横断でフードトラックをのんびり走らせながら、道すがらご当地グルメを喰い、それを仕事にフィードバックさせ、キューバンサンドを流しで売りつつ、ひと夏かけてあの評論家の待つ因縁のLAに戻る。

 という物語でして、ロードムービーですしグルメ映画ですが、テーマ的には「♪いいな、いいな、お仕事っていいな」という映画。「俺はなぁ、人間としてはそれは問題あるかもしれねえよ。でもなぁ、この仕事だけはなぁ、人生かけてやってんだよ!誰にも負けねえぞこの野郎!!」という、猛烈に燃えてくるCalling映画なのであります。

 この作品の解説番組プラチナ・シネマ トークはコチラ

 でこの映画、必然的にメッチャクチャ美味そうな食い物のオンパレードで、特にメインのキューバンサンドは、公開時に初めて見た時すぐ作りたくなって、その週末にはもう作ってましたからね。当時は食える店もありませんでしたし、今でもどこででも食えるという代物ではありません。今回で作るの3回目です。

 「日本人の口にも合うようにアレンジしました」は要らんお節介だと常々感じているワタクシ。本場の、現地人が食べているのと寸分違わぬものを食いたい!というのが料理に臨む時の基本姿勢。

 なのでこのレシピも、マーサ・スチュワートにかぶれたかなんかでPinterestにせっせとレシピ上げてる料理自慢のアメリカ人のオバチャンのレシピを、何人分かMIXして良いとこ採りしたものです。あちらの方は写真のセンス良くてPinterest見ていても飽きないんですよね。我が日本のクックパッドも見習いたいものです。

 ま、ジョン・ファヴローの味になっているかどうかはともかくとして、間違いなくアメリカの味ではあります。

 では、早速いってみましょう!


【材料】

キューバンサンドの材料.jpg
・豚ブロック(肩でもバラでも)

・ハム
・チーズ(ここだけオレ流アレンジ入れてまして、ひとクセ欲しくてゴルゴンゾーラに!普通はアメリカ料理なんだからホワイトチェダーとかが本当だと思います。常温で柔らかくしておくこと)
・生ローズマリー
・タマネギ1個
・ニンニク2片
・フランスパン(バタールとかバゲットとか。1本で2人分)

 ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 

・ピクルス
・白ワイン
・イエローマスタード
・タバスコ ハラペーニョソース(お好みで)
・あと塩、胡椒、バター、油


【作り方】


[前日の準備] ローストポークの下ごしらえ。豚ブロックに切れ込みを深く薄く入れる。できるだけ薄く!この薄い肉を後で1枚ごと切り離してサンドの具として挟むので。そして、その切れ込みに生ローズマリーの大半(少し残しとく)とニンニク1片を薄くスライスしたものを差し込み、ラップで巻いて冷蔵庫で一晩寝かし肉に香りを移す。
[前日の準備].jpg

本番当日、まずはローストポークから。下ごしらえした肉に油を引いたフライパンAで強火で焦げ目を付け、付いたら横に取り置き、いったん火を消す。
①.jpg

ある程度冷めたフライパンAに、タマネギざく切り、適当に切ったニンニクもう1片、残しておいたローズマリーを敷きつめ、その上からローストポークを置く。下の野菜類がひたひたになるまで1〜2cmほど白ワインを注ぎ、再点火して蓋をし中火〜弱火で煮詰めて1時間蒸し焼きに。

(タマネギは肉の臭み消しなので後で捨ててもいいが、ワタクシは付け合わせとして食べちゃう。ついでに【材料】外だけどジャガイモとかニンジンとかも適当に切ってブチ込んでおけば、豚脂とローズマリー香をまとった良い付け合わせになる。手間もかからないしね!)
②.jpg



この1時間タイムの間にフランスパンをこのように切っておく。この1本で2人前。まず2等分にし、そのそれぞれを上下に切り分けて4分割する。その上下がサンドイッチの“上蓋”と“土台”に。
③.jpg

1時間後、ローストポークの蒸し焼きが完了。ラスト10分は蓋を外して汁気を飛ばして。ローストポークは取り除けて冷まし、他の⑤以下の作業に取り掛かりつつ、手でさわれる程度に冷めたところでニンニクとローズマリーを雑に取り払い(多少残っていても一向に構わない。食べちゃえばいいんだから)、薄いスライスを活かしてそのまま1枚1枚に切り分ける。フライパンAに残ったタマネギ(とジャガイモ)は、後で再加熱するのでこのまま放置しておく。ただしローズマリーだけは廃棄処分。
④.jpg

4分割したパンの内側、白い色した切断面にバターを塗り、フライパンB強火でその面にこんがり焼き色をつける。「ダニエルさん、ワックス掛ける、ワックス取る」運動をしながら押し付けて。火傷に注意! 1分程度やれば十分。それを4つ全部にやり、やり終えたらフライパンBは即・冷ます(裏から水道の水を注げば一瞬で冷める)。そして上下に切り分けた下の方、“土台”となるパンの外側(茶色いパン皮の部分)つまり腹の部分にもバターを塗って、冷めたフライパンBの中央に置く。
⑤-1.jpg⑤-2.jpg⑤-3.jpg⑤-4.jpg

その“土台”の上に具材を乗せていく。下から順番に、
⑥.jpg

[最下層]チーズ…常温で柔らかくしておき、バターみたいに“土台”表面に塗りつける。これが溶けて糊のような役割を果たし具材を固定する。
[第2層]タバスコ ハラペーニョソースをお好みでチーズに垂らす。オレはドバドバいくが!
[第3層]ハム
[第4層]スライスしたピクルス(スライス・ハラペーニョでも美味そうだな。次回ためしてみよ)
[最上層]ローストポーク


 最後に“上蓋”の内側にイエローマスタードを塗る。これが“上蓋”の糊となって具材を固定する。その“上蓋”を具材の上からかぶせ、サンドイッチ状態に整える。
⑥マスタード.jpg

もう数ステップで完成だが、その前に。付け合わせのタマネギ等を入れっぱなしのまま放置しておいたフライパンAをここらで弱火にかけ直し、再加熱し始める。

一方のフライパンBも再び中火で熱し、ジュージューとサンドイッチ“土台”の腹に塗ったバターが溶ける音がし始めたら、写真ぐらいの大きさの、両側に取っ手のある(←これ重要!)鍋を使って、サンドイッチを真上から、ある程度の力をかけて90秒間圧し潰す!取っ手が片方しかないと力がかたよってサンドイッチが斜めにズレたりするので、くれぐれも左右均一に真上から力をかけて真下に向かって潰すこと。
⑧.jpg

バターの圧し揚げ焼きで“土台”がペッシャンコになるが、“上蓋”はバターを塗っていないのでまだフカフカで復元力がある。今度はその“上蓋”の屋根にもバターを塗り、フライ返しとトングを上手に使って上下ひっくり返し(糊でユルくくっ付いているとはいえ、サンドイッチがバラバラに分解しないよう細心の注意を!)、今度は“上蓋”がペッシャンコになるまで⑧と同じ作業をまた繰り返す。
⑨.jpg

 完成!フライパンA、フライパンBどちらも火を止め、皿に盛り付ける。フライパンAの付け合わせのタマネギ(とジャガイモ)にはお好みで塩コショウを。

 あとは、食うべし!
食うべし.jpg


【実食】

 んま〜い!バタくさいアメリカ〜ンな味が広がりますぞ。油っぽさを洗い流すため、この世にはビールという便利な飲み物がある。ビールにさっぱりライムも入れれば、こいつは実に最高だぜ!夏の料理って感じですなぁ!! レッツ・トライ!!!

実食.jpg ご覧のように、もとはバゲットだったものがここまでペッシャンコになり、食感はバリバリと煎餅のよう。バターの圧し揚げ焼きでパンが煎餅状態になっちゃうのです。これぞキューバンサンドの一大特徴でしょう。映画でもこうなっていますので目を凝らしてご覧ください。

 とはいえ、もとはと言えばバゲット半分。もしペシャンコになってなければサブウェイよりデカいサンドイッチになっていたはずです。しかも見た目が潰れたからといって具材の分量もカロリーも減ったわけではありませんから、食うと意外とお腹ふくれます。これ一個でビッグマックより全然食いごたえある。不肖ワタクシ42歳大の男、中肉中背若干の脂肪肝以外はいたって健康体でも、昼飯だったらこれ1個で十分です。

 あと、バゲットの切断面両側だけでなく、外側の屋根と下っ腹の部分、つまり全面にバターを贅沢に塗りたくりまくるという、「こんなもん喰ってたらロクな死に方はせんな…」の超弩級コッテリ料理で、そこにハムと肉をWで挟み込む、良くも悪くも実にアメリカン極まりない食い物なわけです。まぁ毎日食う奴はいないでしょうが各自健康にはご注意を。でも、ピクルス、ゴルゴンゾーラ、ハラペーニョソース、イエローマスタードと、けっこう刺激臭的なひとクセが強烈な“酸”系の材料を多用しているために、意外や意外、しつこかったりもたれたりする食後感はないんです。つまり、わりと“酸”の食材、特にピクルスが隠れたサッパリ系の助演となって、コッテリ感や油っぽさを抑えることで成立しているような料理でして、「ピクルス嫌いなんです、ピクルス抜きで」という人は、そもそもこの食い物は向いてないかもしれません。

 さてさて、食ってから見るか!? 見てから食うか!? 『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』は今週末7月1日(土)に字幕、2日(日)に吹き替えでの放送です。お見逃しなく!

 にしてもこの「男子、厨房に入って散らかす」シリーズにまさかの第2弾がこようとはね…。ちなみに第1弾「『暗い日曜日』に出てくる“ビーフロール”ことルラードを作る!」編はコチラ



© 2014 Sous Chef, LLC. All Rights Reserved.

ロゴ.png

このページの先頭へ