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 もうすでにテレビやウェブやらでご覧になっている方も多いかと思いますが、ついに第22回東京国際映画祭が始まりました!

 

 六本木ヒルズをメイン会場に10月17日から25日まで開催される今回の映画祭。ザ・シネマを代表して・・・というわけではありませんが、僕も行って参りました。

 

 映画祭初日はあいにくの曇り空。しかし六本木ヒルズは映画ファンから、たまたま買い物に来ていた方々まで大勢の人が集まる盛況ぶり。

 

 そんななか、夕方から始まったのが初日の目玉とも言えるレッドカーペットならぬグリーンカーペットです。

 

 「Action! For Earht」をキーメッセージにした東京国際映画祭では、約200メートルに及ぶグリーンカーペットの上を300人を超えるスター達が歩きます。その豪華な顔ぶれは以下に掲載する写真を見ていただくだけで、納得していただけるでしょう。

 

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 しかもこのカーペット。単純にエコイメージをアピールするためのものじゃありません。カーペットにはペットボトルリサイクル素材が使用されており、約23,000本相当がリサイクルされたことになるらしいです。くれぐれも、

 

「カーペットを使わないほうがエコなんじゃない?」

 

 なんて野暮はナシでお願いします。

 

 たくさんの人が見守るなかグリーンカーペットは木村佳乃さん、杏さんからの二人からスタート。鮮やかなカーペットの上を俳優・女優たちが歩いてゆく華やかな姿は、まさに映画祭ならでは。

 

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 気になるハリウッドスター陣では、ジェームズ・キャメロン監督の待望の新作『アバター』に出演するサム・ワーシントン、シガーニー・ウィーバーが参加。12月18日の公開を前に、映画祭では30分弱のプレゼンテーション版が公開されただけですが、3Dを駆使した驚異の映像がとにかくスゴイです。

 

 そしてグリーンカーペットの最後を飾ったのは、鳩山首相夫妻と『WATARIDORI』のジャック・ペラン監督によるオープニング作品『オーシャンズ』チーム。宮沢りえさんがナレーションを担当する話題作とあって、会場はひときわ盛り上がりました。

 

 余談ですが、このとき鳩山首相が

 

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「エコがテーマの映画祭だから、グリーンカーペット・・・というわけでもないでしょうが、歩いていて非常に楽しかったです」

 

 みたいなお話しをされたんですが、そのコメントを聴いた記者陣はやや困惑気味。いやいや首相! エコがテーマだから、グリーンカーペットなんですよ!と心のなかでツッコミをいれたのはきっと僕だけではないはずです。

 

 で、グリーンカーペットの興奮冷めやらぬ映画祭初日に僕が観たのは、各国の映画祭で大きな話題を集めているという、メキシコ・スペインの合作『人魚と潜水夫』

 

 東京国際映画祭はグランプリを選ぶ「コンペティション」作品や劇場公開前の大作が観られる「特別招待作品」などいくつかの部門に分かれているのですが、今作は「natural TIFF」部門。その名の通り「自然と人間の共生」をテーマにした作品が並びます。

 

 今作はニカラグアに暮らす原住民ミスキート族の生活を映し出しながら、「死んだ人間の魂が人魚の手によって蘇る」という伝説を、ドキュメンタリーともドラマともつかないタッチで描いた寓話劇。

 

 劇中にはほとんど台詞がなく、たまに話している言葉も字幕がでないためさっぱりわかりません。

 

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 物語を知る手がかりは、それぞれの章の冒頭で流れるごく簡単な説明だけ。あとはただただ、ミスキート族の日々の暮らしを追っていきます。しかし、不思議とそれでも映画として成立しているのです。

 

 映画の冒頭で一人のダイバーが溺死し、葬式の様子が映し出されます。そして式の後に村の人々は捕まえてきた海亀を料理してみんなで食べはじめる。おそらくそれはミスキート族にとって死者を弔う儀式なのでしょう。

 

 その後、入れ替わるようにシンドバッドという一人の男の子が生まれるのですが、映画は彼が成長して、ダイバーになるまでを描きます。

 

 前述したように、『人魚と潜水夫』では台詞らしい台詞はほとんどなく、まるでドキュメンタリーとして撮った映像に、あとから物語を載せて作り上げたような印象を受けます。

 

 スクリーンに映し出される映像の一つひとつは人々の生活を映しているだけで、物語を語るためのものではない(ような印象を受ける)のに、それらをつなぎ合わせることで、物語になってしまうという非常に不思議な作品です。もし日本で公開された際には、ぜひご覧になってみて下さい。

 

 ところで、映画ファンなら一度は頭をよぎるのが「映画祭だ映画祭だ!」って言うけど、東京国際映画祭はどんな位置づけなの? ということでしょう。

 

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 私見ですが、三大国際映画祭やアカデミー賞などと比べると、格といいワールドプレミアの作品数といい、歴然とした差がありますし、同じくアジア圏で開催される釜山国際映画祭にも、半歩から一歩、リードされている感もあります。

 

 しかし東京国際映画祭は、日本で活躍するトップクラスの俳優・女優たちが一堂に集まる貴重な場所であるのもまた事実。とくに邦画の話題作がいち早く見られるのも大きな魅力でしょう。今年は作家でもある辻仁成とアントニオ猪木の異色コラボが実現した『ACACIA』や、角川晴樹の渾身作『笑う警官』など、ラインナップも充実しています。

 

 加えて今回ご紹介した『人魚と潜水夫』のように、日本で公開されるかどうかわからない、一風変わった映画を観ることができるのも醍醐味です。

 

 とにもかくにも、せっかく日本で毎年開催されている国際的な映画祭なのですから、東京近郊にお住まいの方はぜひ一度訪れてみてください。きっと気になる作品が見つかりますから!

 

(映画ライター 奥田高大)

『人魚と潜水夫』(c)PRODUCCIONES AMARANTA, LA ZANFON~A PRODUCCIONES

 先日、米フォーブス誌のウェブサイトが行った「スターの価値」という調査で、ウィル・スミスが「最も金になる男」に選ばれた。日本でもヒットした『ハンコック』では2億ドルという興行収入を記録したのが記憶に新しいが、これに限らず、最近の出演作はことごとく大ヒット。とにもかくにも、出れば当たる「ドル箱俳優」として確固たる地位を築いているのだという。

 映画『7つの贈り物』はそんなウィル・スミスの最新作である。

 監督は、ウィル自身もアカデミー賞主演男優賞にノミネートされた映画『幸せのちから』で一緒に組んだガブリエル・ムッチーノ。この組み合わせを聞いただけで、そそられる人も少なくなさそうだ

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 で、簡単にストーリーを説明すると、何かのきっかけで心に深い傷を負った男が、「ある計画」を進めている。その途中で、ロザリオ・ドーソン演じるエミリーと出会い、恋に落ちるのだが・・・というあらすじ。

 こうなると気になるのは、「ある計画」って「どんな計画?」 ということになる。ところが、『7つの贈り物』ではそれが何なのか、観客に知らされるのは、エンディングまで残り30分ばかりとなった頃なのである。

 つまり、観ている側はぼんやりとした手探り状態のまま、物語の大半を観ることになる。物語が進行していく合間に、ところどころ、ベンの過去を映し出すシーンが入ったりはする。でもそれもヒントというよりは、事実の説明といった感じで、それを観たからといって、謎が解けるタイプのものではない。

 映画でこういった手法は頻繁まではいかなくとも、たまにはある。上手くはまれば、非常に効果的なのだけれど、ある意味ではとても危険な方法でもある。

 最初の30分ぐらいまでなら、たいていの人は我慢できるけど、1時間30分ずーっと「何なにナニ?」みたいな状態だと、途中で席を立つ人が出てきても仕方ない。そんなリスクを抱えながら、物語は進行していくわけである。

 だが幸いにも、僕が観た試写会場では途中で飽きて帰っちゃった人は1人もおらず、(試写会で途中で帰る人は、そもそもほとんどいないけど)それはきっと映画館でも同じだろう。つまり観客は謎で惹きつける作戦にまんまとひっかかってしまったのだ。

 それはストーリーの持つ力もさることながら、やはりウィル・スミスとロザリオ・ドーソン、さらに出演時間はそれほど長くないものの、ウディ・ハレルソンの演技によるところが大きい。 

 そんなわけで、この映画のストーリーそのものは、これからご覧になる人のためにも、詳しく説明するのはやめておきたい。というか、一つを説明すると、それが、ほとんどの答えになってしまう。

 でもさすがにこれだとさすがに消化不良なので、来日記者会見の様子をご紹介したい。

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 ここ1年で3度も訪れているウィル・スミス、登場した途端に冒頭から飛ばしまくる。

 席に着くなりマイクを手に取り、

「監督に伺いましょう。ウィル・スミスほどの有名人と仕事をするのはどんな気分ですか?」と会見を自らリード。

 ところがそれにも監督は慣れた様子で

「3年間、ずっとこんな調子なんだよ」と記者に向かって笑いながらコメント。

 さらにロザリオ・ドーソンとのラブシーンについて質問が及び、ドーソンが「ウィルはあのときすごく神経質になってたの。意外だったわ」と暴露するも、

「ラブシーンってのぎこちないものさ。だって、僕がいまここで、翻訳の女性といきなりラブシーンを始めたらびっくりするでしょう? でも撮影現場ではやるんだよ、そりゃ戸惑うでしょう? それに僕はおばあちゃんから、女性には敬意を払うようにと教え込まれた。だからあのときいは神経質だったんじゃなくて、敬意を払ってたんだよ」

 と、なかなかインテリジェントな応対。

 とくに面白かったのは、通訳の人が彼のコメントを通訳していると、どこからともなく、ドゥーワップ的サウンドが聞こえてきたとき。

 一瞬、映画のサントラでも流しているのかと思ったら、よくよく聞くとウィル・スミスがマイクを使って、BGMを作っていたのだ。これには通訳の方も大ウケ。

 さらにフォトセッションが始まる前には、自分の名前が書かれたネームプレートにサインして、ホテルマンにプレゼントして、「これ、eBayで売るといいよ」と親切(?)なアドバイス。

 と、こんな具合で会見は楽しく進んだのだが、『7つの贈り物』はどちらかというと地味な映画ではある。もちろん、ウィル・スミスの出演作であれば、「地味」という言葉もそれほど説得力がないのだけれど、それでもやはり「地味」な映画である。

 本人もその辺をちゃんと意識していて、会見の最後をこんな言葉で締めくくった。

「エイリアンも出てこない、爆発もない、特殊効果にも頼らない映画に出ることは、僕にとってすごく怖い体験だった。でもそのかわりに、僕らは素晴らしい役者達と心を動かす演技を差し出したんだよ」

 んー、気の利いた台詞。やりますね。

 それにしても、なぜウィル・スミスはこうもハリウッドで成功したのか?

 黒人俳優といえば、シドニー・ポワチエにはじまり、モーガン・フリーマンやデンゼル・ワシントン、サミュエル・L・ジャクソン、ジェイミー・フォックス、ローレンス・フィッシュバーンなど、多くの名優・人気俳優が並ぶのだが、シリアスとコメディの両方を、しかも主役級で演じられる人物というとぐっと少なくなる。

 たとえばモーガン・フリーマンなんかが、脇を固めると物語がピッと締まる。どことなくフワフワとした、今ひとつリアリティに欠ける映画であっても、彼が出てくると、それだけで映画に深みがでる。

 ただ、モーガン・フリーマンやデンゼル・ワシントンが主演となると、どうしてもシリアスものの気配がしてしまうし(もちろん、シリアス作以外にもでてるのだけど)、"スター"というよりは、"演技派"といった言葉がしっくりくる。

 ところがウィル・スミスの場合、SFからポップなもの、シリアスまで、どうにでも物語を振れるのと、華やかさという点でもヒケをとらないのが、ここまで売れっ子になった理由だと思う。

 でもウィル・スミス人気はそれだけではない、というのを今回の記者会見で確信した。

 とにかく、ウィル・スミスは人を惹きつける術を知り尽くした、エンターテイナーなのである。だからきっと、「あー、ここんとこ気むずかしい大物役者と一緒にやったけど、気疲れしたし、しかも収入はコケてスポンサーと映画会社から怒られるし。今度はハズレのない役者と撮りてえなあ」とプロデューサーや監督が思ったときに、彼らが選ぶのはウィル・スミスなのだ。

 そうそう、『7つの贈り物』のなかで、ベンが「MIT(マサチューセッツ工科大学出身」という設定が出てくるのだが、実際のウィル・スミスもMITの推薦を得ていたのに、それを蹴って音楽デビューを果たしたという、すごい経歴を持っている。MITといえば、毎年タケノコのようにノーベル賞受賞者が出てくる超名門大学!

 まだまだ、「麻薬ブローカー」のように、ステレオタイプな役を黒人が演じることの多いハリウッドにあって、そういった目に見えない壁を簡単に破ってくれるウィル・スミスのような役者が増えると、ハリウッド映画はもっと面白いものになるはずである。

 次の作品も期待してますよ!
 
(映画ライター 奥田高大)

配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2月21日(土)より丸の内ピカデリーほか全国ロードショー
'08年米 123分 監督/ガブリエル・ムッチーノ 出演/ウィル・スミス、ロザリオ・ドーソン、ウディ・ハレルソンほか

 いやいやーアメコミヒーロー映画の公開、夏の間じゅう立て続きましたなぁ。『インクレディブル・ハルク』『ダークナイト』『ハンコック』(アメコミじゃないけど、それ風のスーパーヒーロー映画ではある)ときて、さぁ、いよいよ、『アイアンマン』ですよ!

 

 特に『ダークナイト』『アイアンマン』の2作って、本国で興収ウン億ドルを記録したとか、それが歴代興収ナン位とか、数字で語られちゃうぐらいの物凄いヒットの仕方だったらしいですな。数字が嫌いな僕的には、何億で何位とか、まるっきし興味ないのですが、とにかく、面白いということだけは、この目で確かめたんで分かった!(と言いながらマイベストは『ハンコック』だったりしますが)

 

 で、その『アイアンマン』なんですが、これも、個人的にはいたく気に入りましたねぇ。いや、スーパーヒーローものなので、クライマックスはセオリー通りの硬いラスボスが出てきて、そいつと我らがヒーロー・アイアンマンがガチな死闘を演じるワケですが、そこに至るまでの中盤ですよ、僕がいたく気に入ったのは!

 

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 アイアンマンの正体は、軍事企業の社長のオッサンです。しかも、一昔前に流行った“ちょいワルおやじ”系な。商才あってリッチでメカに明るくて頭良いけど、軽薄でスケベでニキータな女をお持ち帰りしてはコマす(誰なんだよニキータってのは)、っていうような輩です。

 

 あ、ちなみにこの写真はおやじランニング姿ですが、普段はちょいワルルックでキメてて、ギラギラした感じがジローラモ級にかっこよいです。

 

 このオッサンが冒頭、新兵器のデモンストレーションのためアフガンに飛びます。軍産複合体の一翼を担う大企業の社長とあって、現地米軍の方でも、下にも置かない接待っぷりです。

 

 しかし、米軍のHMMWV(と書いて「ハンビー」と読む)に乗っけてもらって悪ノリしながら移動中に、案の定、テロリストが仕掛けたIEDが炸裂!同乗してた護衛の米兵たちは銃撃してきたテロリストどもに殺され、社長だけが拉致られ、アジトに連行されます。

 

 で、テロリストのボス(これ中ボス)から、大量破壊兵器を製造するよう脅迫されるのです。アジトには彼の会社の兵器のパーツが山積みで、社長は技術畑の人なんで、これだけ材料がありゃ作ろうと思えば何でも作れちゃうんですな。

 

 そこで社長は、テロリストどもの目をごまかしながら、大量破壊兵器じゃない、別の物を作っちゃうのです。それがアイアンマンのパワードスーツ(の言うなりゃ零号機)。で、テロリストにバレる寸前にこれを完成させ、蒸着!

 

 ここからです、いたく気に入ったのは!いやー気持ちいいのなんのって!! テロリストをやっつけるやっつける!それも超一方的に!! 連中がAK(と書いて「アーカー」と読む)とかでパラパラ撃ってきても、屁のツッパリにもならない。で、手製火炎放射器で倍返し!痛快だわーこれ!!

 

 連中のアジトを完膚なきまでにブッ潰し(はぁースカっとした)、無事、アメリカに生還。そこで、自分のビジネスが世界を平和にするどころかますます危険にしてると遅まきながら悟り(早く悟れよアメリカ人)、アイアンマン・スーツの改良を重ね、初号機、弐号機とバージョンアップさせていきます。

 

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 で、いよいよテロとの戦いを個人で開催。満を持して弐号機、赤射! 今度はわざわざ好きこのんで紛争地帯まで飛び(空飛べます)、武装勢力を徹底的にブチのめし(またワンサイドゲーム)、避難民を助けます。

 

 このように、ラスボスが出てくるまでは、常にアイアンマンのワンサイドゲームなのです。『ロボコップ』でラスボスED-209が出てくるまでの、ロボコップが町にはびこる犯罪者どもを片っ端から退治しまくった中盤、あの痛快感と相通ずるものがありますな。

 

 我が心の師・セガール親爺が、その高邁なる作品群を通じて教えてくださったことのひとつに、敵キャラが強い必要はない、正義のヒーローだけが強けりゃいい、敵キャラは、ヒーローが繰り出すセガール拳でただ叩きのめされてりゃそれでいいんだ、という映画の真理があります。そういう構造を持った映画って、たしかに、見ててムっチャクチャ気持ちいいんですよね!

 

 しかも本作の悪党(ラスボス以外)というのは、あの、人質のクビ切ってビデオで流しちゃうような鬼畜テロ集団。情状酌量の余地もない絶対悪ですからね。21世紀の現代を生きる人なら誰もが許せないと思ってる連中が、バッタバッタと斃されるワケですから、見てて血沸き肉踊るのですよ。

 

 ということで、映画見ててこんなに痛快感を覚えたのは、かなり久しぶり。個人的にはいたく気に入りましたねー。

 

 さてさて。主役のちょいワルCEOを演じたロバート・ダウニーJr.が、公開を前に来日しましたんで、先に本編をマスコミ試写で見て興奮冷めやらぬ僕は、彼の会見の取材にもノコノコ行ってきました。ここからはその模様をお伝えしましょう。

 

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 ロバート・ダウニーJr.、『チャーリー』以来、実に15年ぶりの来日なんですなぁ。まず、15年ぶりの日本の感想を求められ、

 

…別に。前回と変わらない」

 

 と、エリカ様ばりのコメント。しかし、目が笑ってるのでシャレと分かり、報道陣もひと安心。

 

 『アイアンマン』大ヒットの秘訣について聞かれると、

 

「こんな映画なのに女性にもウケたってのが勝因だな。いやホント、これがオレの回りの女たちにウケてるんだって。なんだっけ、SATCだっけ?あれにも男客が入ってるみたいだけど、あの男どもは、ただ女に引っぱり出されたきただけだろ

 

 と、のっけから飛ばしまくり(そういやあんた、むかしSJPと付き合ってなかったか!?)。もう止まりませんぞこのオッサンは!エリカ様も、こういうブラックユーモアを学ばないとね。でも、こういう人、どっかで見たことあるな…

 

「いゃー、最近のオレってノッてるよね。25年この商売やってて今が一番いい。これまで、つまんねー映画ばっか出てたからなー。ここ数年はなんか冴えてるよ。ま、冴えてたこと自体が25年間で初なんだけどな

 

 などとますます舌も滑らかに自虐トークをかまし、ここらへんからは報道陣も大ウケ!たしかにアンタにゃこれまでいろいろありましたよねぇ…。ちょいワルどころか大ワルおやじでしたよねぇ…深くは書きませんけど。にしても、ますます見たことあるぞ、こういうキャラのオッサンを。

 

 オッサンと言えば、アイアンマンってのも、普段はスーツ着たただのオッサンです。で、そのスーツ(背広)脱いで、パワードスーツ(メカ)を装着すると、一個の戦闘兵器と化し、マッハで空飛んで、アメリカ様がウチの国の自衛隊には売ってくれないF-22ラプター(しかも2機)とも互角に渡り合えちゃうし、旧東側の兵器で固めたテロリストどももギッタンギッタンのバッタンバッタンにのせちゃえる。パワードスーツ脱いだら、なんの超能力も無いただの中年なんですけどね。

 

「そこらへんの設定に男も燃えるのさ。クモに噛まれてスーパーパワーとか、そんなもんありえないだろ。こちとらテクノロジーなんだよ、テ・ク・ノ・ロ・ジ・ー!」

 

 確かにスーパーパワーをゲットする過程がアメコミにしてはリアルなので、オトナの男性客も自己投影とか感情移入をしやすいですし、男だけでなく女性にウケたってのも、男子感ただよう突拍子もない変身方法じゃなかった点が大きいのかも。

 

「最後に最近元気ない日本のオッサンにエールを送ってくれってか?…40歳なんてまだまだ人生半分。これからだよ、これから!昔の映画とかだと、オッサンのスターが自分の半分ぐらいの年頃の娘と恋に落ちたりとか、普通にあったぐらいだし。もっとも今あれやったら完璧ペドだけどな。まぁ、とりあえず頑張れや」

 

 あーなんか思い出してきたぞ…この人、日本で言うと陣内孝則なんだ!あの人も軽口でドラマの会見とか完全にさらっていきますね。「どうせ脇役の私のコメントはあまり載らないでしょうから、こうなったら好きなことを適当に喋ります!」って公言して会見をワンマントークショーにしたりとか。ハンパな若手芸人が同席しててもそっちより全然トークが面白い!あの人も報道陣ウケはいいですな(で、肝心の主役の人のコメントが少なくて、後で大いに困ったりする)。

 

 決定! 今後、ロバート・ダウニーJr.は「ハリウッドの陣内孝則」ということで。報道関係者はまた来日してくれるのを楽しみに待ってますぞ。15年も間を空けずにチョイチョイ来て下さい。

(編成部 飯森盛良)

 

アイアンマン題.jpg配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
9月27日(土)より日劇3ほか全国ロードショー

'08米 125分 製作総指揮・監督/ジョン・ファヴロー 出演/ロバート・ダウニーJr.、テレンス・ハワード、ジェフ・ブリッジス、グウィネス・パルトローほか

© 2008 MVLFFLLC. TM & © 2008 Marvel Entertainment. All Rights Reserved.

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 みなさん暑いですねぇ、『インクレディブル・ハルク』、もう見ました? この夏から秋にかけて、アメコミ・ヒーロー映画が波状攻撃的にやっくるワケですが、その最初を飾るのがこの『インクレディブル・ハルク』なのです。

 

 映画史的に見て、「2008年ってのはアメコミ・ヒーロー映画大豊作の年だったね」と言われること、もはや確実な情勢(今後も続々と公開されますが、それについては近日また書きます)。

 

 将来、「あの夏、私はその熱きムーヴメントの真っ只中にいて、すべてを体験し、目撃したのだ」と、遠くを見るまなざしで子孫に語り継ぐイカした年寄りになるためには、まずこの『インクレディブル・ハルク』を見なきゃ始まりませんよ。

 

 今回、僕はこの映画に出演したエドワード・ノートンとリヴ・タイラーの2人にインタビューする栄光に浴しました。その模様のダイジェスト版がすでに当チャンネルでは流れておりますが、例によって、ここでは文字起こしして全文を掲載しましょう。

 

 せっかちにも早速インタビューを始めようとする僕。その、常人には計り知れないハイセンスな横山やすし師匠か『ケープ・フィアー』のデニーロ風なファッションを見たリヴ・タイラーから、「あなたの服キュートね。ベリー・スタイリッシュよ。私もメイン州に住んでた小さい頃、そんなような靴(デッキ・シューズ)履いてよく遊んだわ」との、み、み、み言葉が!

 

 Let’s 小躍り!夕星(ゆうづつ)姫アルウェン様にキュートって言われちった!! 嗚呼、かたじけなやもったいなや。前の夜、『魅せられて』DVDを見てギンギンにモチベーション高めてのぞんだ甲斐があったというもんだ。

 

 …と、浮かれてばかりもいられません。限られた取材時間が惜しくて、リヴがせっかく気を使ってくれた“場なごませコメント”をあえて拾いには行かずに、いきなり本題に入る僕。しかもリヴを無視してまず主演のエドワード・ノートン相手に(リヴ・タイラーさんごめんなさい、そしてアイラブユー)。

 

 で、早速ですがノートンさん。あなたは演技派、実力派、スゴい役者、というイメージが日本では定着してて、アメコミ・アクションの娯楽映画に出るって聞いた時はちょっと意外だったんですけど。

 

「だろうね。っていうか自分がいちばん意外。でもこのテの映画に出るってことは、自分的にかつてない経験なので、いつもと違うことができて良かったと思ってるよ。それに、ガキの頃にハマってた話に出られたのは、役者としてハッピーなことだしね」

 

(エドワード・ノートンでも子供の頃はハルクにハマってたんだ…) でも、あの天下のエドワード・ノートン主演ときたら、普通のアメコミ・アクションじゃないんでしょ? ハルクっていったら過去に何度も映像化されてるけど、やっぱり今作はちゃんとノートン印になってんでしょ?

 

そりゃそうさ。ただのアメコミ映画じゃない。いろんな人に楽しんでもらえる作品に仕上がったと思うよ。それと、あれだね、言ってみりゃこれってシェイクスピアみたいなもんでさ、むかしっから何度となく再演されてるけど、そのつど何らか新しい要素が加わって生まれ変わり、次の時代に伝えられていく。ハルクの物語もそうやって伝えていきたいと思ってね。それに、世間でよく知られた作品をまた新たな創造世界に導くってことも、これまた役者としてはハッピーなことだしね」

 

 なるほど。まさに、この人をして言わしめる、ってトコですな。

 

 さて、お待たせしてすいませんリヴ・タイラーさん。どうも貴女が演じたベティって役のおかげで、今回のこの『インクレディブル・ハルク』はずいぶんとLOVEの要素が濃くなってると聞いてますが。

 

「そうね。たとえばTVシリーズのハルクって、根は優しいんだけど、すっごく孤独な存在で、独りぼっちで闘っているキャラだったでしょ?社会と関わっていきたいのに、自分がモンスターになってしまうって引け目があって、ジレンマを抱え込んでた。でもこの映画では、ベティの愛・ベティへの愛によって、そんなハルクが変わっていくの」

 

 そうそう、肝心のストーリーを書き忘れてました。ブルース(エドワード・ノートン)は科学者で、アメリカ軍ロス将軍が指揮する人体強化薬の極秘開発プロジェクトにたずさわってたんだけど、自分自身に人体実験したその薬をオーバードーズしてしまい、モンスター化(このモンスターがハルクと呼ばれる)。緑の巨人に変身してバーサークし、秘密研究所をぶっ壊したあげくのはてに、同僚で恋人で将軍の娘でもあるベティ(リヴ・タイラー)にもケガを負わせた上、脱走してしまう。

 

 一定時間たつと変身は解けて元のブルースに戻れるんですけど、体質的には永久に変わってしまって、以降、心拍数が特定値をこえるとハルク化する体になっちゃったんですねぇ。とくに、怒るのが一番よくない。心拍数が上がってヤバい事態になる。

 

 そこでブラジルに渡って、怒りをコントロールするためヒクソン・グレイシーに呼吸法を習う、というかなり飛躍した思いつきを実行に移し、400戦無敗の男に横っツラを張られながらも必死に怒りをこらえる、というお笑いウルトラクイズすれすれな特訓をつうじて精神修養を積みます。

 

 ただ研究プロジェクトをつぶされたロス将軍も黙ってません(娘をモノにした男ということで必要以上にブルースを目のカタキにしている模様)。ブルース=ハルクを生け捕ろうと特殊部隊をブラジルに送り込み、ブルースはその追っ手から逃げ回りながら「早く人間になりたーい」とばかりにキレイな体に戻るための科学的方法を研究しつづけ、ついに、結局はアメリカの大学で教鞭をとってるベティと再会することになるんですねぇ。

 

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 ブルースとベティ、焼けボックイについた火はメラメラと燃えあがり、一方でロス将軍の執拗な追跡は2人を着実に追い詰め、そのうえ将軍の部下の特殊部隊隊長が「おら、ハルクより強くなりてぇ。おらは宇宙いち強くなりてぇ」とドラゴンボール(しかもZ)的嫉妬にかられて暴走しだす。と、いよいよもって物語はドラマチックかつジェットコースターのような展開を見せていくのであります!

 

 さて、リヴ・タイラーのコメントを再開しますと、

 

「原作では、ベティとブルースを結婚させようって試みも何度かあったらしいの。それは悲恋に終わったんだけど、今回の映画では、そんな悲しいカップルをなんとか一緒にして、美しい物語に作ってあげたい、という気持ちがこめられていると思うわ」

 

 そんなLOVE要素、そして、たたみかけるがごときアクション要素、そのうえ、クスっと笑わせるコメディ要素も案外ふんだんに盛り込まれていて、笑って、泣けて、手に汗握る、ありとあらゆる娯楽の要素をテンコ盛りにした、これぞエンターテインメント幕の内弁当状態なのですな、この映画は。

 

 まさに、“2008年アメコミ・ヒーロー映画の夏”の口火を切るのにふさわしいトップ・バッター『インクレディブル・ハルク』。みなさん、ぜひ劇場に足を運びましょう!

 

 ああ、それと、この映画のプレスシート(マスコミ向け資料)をドドンとジャンボに10名様にプレゼントしますぞ。非売品です。貴重です。ご応募はコチラ(〆切8/29)。

 

(編成部 飯森盛良)

 

ハルク題.jpg配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
8月1日(金)より有楽町スバル座ほか全国夏休みロードショー'08米 112分 監督/ルイ・レテリエ 出演/エドワード・ノートン、リヴ・タイラー、ティム・ロス、ウィリアム・ハートほか
©2008 MVLFFLLC. TM&©2008 Marvel Entertainment. All Rights Reserved.

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