7月ガチアクション 7月のザ・シネマは3つの企画でアクションを大量投下

その月のイチオシ作品を週末よる9時からお届けする目玉タイトル枠。4週全部土曜は字幕版、日曜は吹き替え版。 7月は4週全部がガチ・アクション!

放送は終了しております

アウトロー

CSベーシック初

7/18(土) 字幕19(日) 吹き替え よる9時

トム・クルーズが元軍人の孤高の ヒーローを演じ新境地を開拓!肉弾アクション満載のアクション・サスペンス

 世界でもっとも信頼のおけるアクションスター、トム・クルーズの長いキャリアの中でも、本作『アウトロー』で演じたジャック・リーチャーは異色の存在だ。ド派手なアクションではなく、地味に見えがちだが非常に実践的なアクションだけで構成された本作は、70年代のアクション映画のような趣きすら感じさせる傑作である。

 物語の序盤では、鮮やかな観察眼と鋭い推理力を発揮して、淡々と殺人事件の捜査を進めるジャック。ここまではただならぬ雰囲気は感じさせるが、ジャックはあくまでもキレ者としての側面を強調されたキャラクターとして描かれる。しかし中盤、5人のチンピラとのケンカで、ジャックはその戦闘能力をいかんなく発揮する。まず最初にリーダー格の男を瞬殺。敵を4人としてからは相手の立ち位置を上手く利用しながら、同時に複数の相手と戦わないように動き回るステップワークを披露する。攻撃は身体のもっとも固い部分であるヒジを使ってダメージを与え、そして徹底した急所攻撃によって相手の戦意を奪っていく。ジャックの格闘スキルだけでなく、ジャックがケンカ慣れしている男であるという印象を強く与える名シーンだ。

 このジャックの使う格闘術は、キーシ・ファイティング・メソッド(KFM)と呼ばれる、スペインのジプシーたちの格闘術から派生したセルフディフェンス術。まだ誕生してから60年ほどの若い格闘術ではあるが、その徹底したストリートファイトに対応したスタイルと、複数の相手と同時に戦うことを前提とした思想は、本作で非常に効果的に活用されている。ちなみに『ダークナイト』でバットマンが使う格闘術もKFMであり、バランスを失しやすい蹴り技を極力排しているのが特徴だ。

 そんなKFMをもっとも効果的に使っているのが、バットとバールを持った2人の大男を相手にした狭いユニットバス内での格闘シーン。親指で相手の目を突いて戦意を喪失させながら、敵の力を利用してダメージを与え、2人の大男を同時にノックアウトする手際の良さは見事と言うほかない。

 またトム自身がスタントマンを排して演じたカーチェイスシーンも見所のひとつ。マイケル・ベイ監督の登場辺りから、激しくカットを切って画面上で何が起こっているかを明示せずに「雰囲気だけ凄い」カーチェイスばかりの昨今。これほどまでに正面から正攻法でカーチェイスを撮った映画は久々だ。

 そしてラスト、敵のアジトである採石場へと乗り込むジャック。自動車のバックモニタを使いながらバック走行で敵陣に突入したり、ロバート・デュバル演じる銃砲店の店主が跳弾を利用した狙撃をするなど、通常のアクション映画では考えられないようなアイデアがこの最終決戦には散りばめられている。

 それでながら最後のタイマン対決は殴り合いをベースにした非常にオーソドックスなもので、クローズショットを極力排することで“何が起こっているか観客が分かるアクション”となっている。これはまさに作り手がアクションをしっかりと見せようという誠実な思いを持って作っていることの証左だろう。本作は『バットマン』シリーズなどのアクション映画でスタントコーディネーターとして活躍するポール・ジェニングス(本作では第2班監督も兼任)と、カースタントを担当したジョーイ・ボックスの2人の代表作と言って良い。

 『アウトロー』はリアルな格闘術とよく練られたアクション設計、そして突飛なアイデアの組み合わせによって、凡百のアクション映画とは一線を画す画期的なアクション映画となっている。しかしそれだけでなく、古き良きアクション映画のたたずまいを強く残す、懐かしくて新しいアクション映画なのだ。

『アウトロー』のトム・クルーズとクリストファー・マッカリー監督の最強タッグ、最新作!

映画史上最高のスパイ、不可能を可能にする男
イーサン・ハントに、史上最難関なミッションが発令される!

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その他3作品

パリより愛をこめて

7/4(土)字幕5(日)吹き替え よる9時

 リュック・ベッソン率いるヨーロッパコープ社が製作し、演技派俳優リーアム・ニーソンをアクション俳優として開眼させて、全世界で250億円を稼ぎ出すメガヒット作となった『96時間』。その『96時間』の監督であるピエール・モレルが、満を持して送り出したアクション大作が『パリより愛をこめて』だ。

 任務のためには手段を選ばず、街中でも遠慮なく銃を撃ちまくる伝説のエージェント・ワックス捜査官と、人を殺すことのできない新米エージェント・リースのバディムービーである本作。モレル監督の前作『96時間』でのストイックな作風と異なり、本作はコミカルな作品として作られている。しかしアクション度は前作をはるかにしのぎ、パリ全土を銃火の嵐に巻き込むかのような壮絶なものに仕上がっている。  ジョン・トラボルタ演じるワックス捜査官は、パリに到着するなり中華レストランで大銃撃戦を展開し、因縁を付けてきた10人近いチンピラは合気道で撃退。中華系、アラブ系、ストリートギャングといったパリ中の凶悪なアンダーグラウンド組織を相手に、コカインをたしなみながら軽やかに彼らを殲滅していく。

 ジョン・ウー映画ばりに軽やかなステップでサブマシンガンを2丁拳銃で発射し(トラボルタはウー映画の常連俳優)、パリのど真ん中でC4爆弾を使って次々と車を爆発させ、パリ外環道ではスウェーデン製対戦車ミサイルのAT-4を発射(本当に高速道路で車を破壊している)するというワックス捜査官のハチャメチャ具合はお見事。ナンバープレートを付け替えるだけの仕事をしていた、真面目一辺倒のCIA見習い捜査官リース(ジョナサン・リース・マイヤーズ)のコントラストが楽しい。

 本作ではスキンヘッドに髭という魁偉な容貌だけでなく、体重が増えて鈍重となっていたトラボルタが、体重を絞って自ら激しいアクションシーンにも挑戦した久々の作品(『フェイス・オフ』以来なので13年ぶり!)。格闘シーンでも銃撃シーンでも、ダンスでつちかった華麗なステップワークを披露するトラボルタの本気アクションに注目すべき作品だ。

燃えよドラゴン

7/11(土)字幕12(日)吹き替え よる9時

 アクション映画の原点にして頂点、『燃えよドラゴン』はそう評して良い映画だ。

 もともと東洋人版『007』として企画された本作は、公開されて40年近く経つにも関わらず、いまだに多くのフォロワーを生み出し続けるパワフルな作品。ブルース・リーというワン・アンド・オンリーなオリジンが披露する怒涛のアクションは、世代と国を超えて今なお世界の人々に愛され続けている。

 映画は、少林寺の前庭で行われるサモ・ハンとのスパーリングから始まる。このスパーリングのアクションは、後にMMA(総合格闘技)と称され、PRIDEやUFCといった世界で一大ムーブメントを巻き起こす格闘技の源流となるシーンだ。ブルースはサモ・ハン相手に、打ち勝ち、投げて組み伏せ、そして関節技を極めるという、それまで別個の格闘技の技であった打投極を一連の流れとして披露する。またこのシーンで装着されるオープンフィンガーグローブ(指先の割れたグローブ)も、このシーンから世界に広まっていった。

 そして妹の仇敵オハラとの対決シーンでは、バック宙をしながら相手を蹴り上げるサマーソルトキックでオハラを翻弄。さらにハンの地下秘密基地では、フィリピノ・カリと呼ばれる棒術と、全世界に衝撃を与えたヌンチャク技で数十人の敵戦闘員をなぎ倒していく(この戦闘員の中に若き日のジャッキー・チェンがいる)。

 最後は脱走した武術家たちと共に、少林寺の裏切者であるハンたちとのビッグバトルになだれ込んでいくのだが、ブルースが実践性を重視して様々な格闘技のエッセンスをミックスして創始した“ジークンドー”という究極の格闘技をベースにすべての格闘シーンが組み立てられており、けっして荒唐無稽なものとはなっていないのも画期的であった。

 『燃えよドラゴン』はそれまでのアクション映画の定義を根底から覆し、ストーリーはアクションで進み、ブルースはそのアクションシーンの表情だけですべての感情を表現している。本作公開直前にブルースはこの世を去ってしまったわけだが、まるでそれを予感していたかのような鬼気迫るアクションのつるべ打ちは、この映画を観るすべての人々を今なお引きつけてやまない。本作こそ、究極のアクション映画なのだ。

デンジャラスラン

7/25(土)字幕26(日)吹き替え よる9時

 チャールズ・ブロンソンの『狼よさらば』で映画デビューし、様々なジャンルの映画であらゆる役を演じてきたアカデミー賞受賞俳優デンゼル・ワシントン。シリアスなドラマからコメディ、ラブロマンスなどで幅広い演技を見せてきたオスカー俳優デンゼルだが、彼がもっとも輝くのはアクション映画である。

 さらにデンゼルは、『トレーニングデイ』の汚職刑事、元特殊戦闘員のボディガードを演じた『マイ・ボディガード』、世直しのために戦う元CIA工作員の『イコライザー』など、負の側面が強い(性格の悪い)キャラクターを演じさせれば天下一品。その集大成が『デンジャラス・ラン』で演じた、アメリカを裏切り、全世界で指名手配されている元CIA最強の凄腕工作員フロストなのだ。

 セーフハウス(諜報機関の避難用の隠れ家:本作の原題)という密閉された空間での近接戦闘、ケープタウン市街地でのカーチェイス、深夜のスラム街という完全にオープンなロケーションでの追撃戦、そして荒野に建つ一軒家での最終決戦と、本作には考えうるあらゆるシチュエーションでのアクションがこれでもかとぶち込まれ、「世界屈指の犯罪多発地帯である南アフリカ」というスパイスが、凡百のアクション映画とは違う境地へと押し上げている。

 特に、脅しのために耳元で銃を発砲するシーンなど、本作のアクションシーンを一段上のレベルに押し上げているのは「音」であることは注目に値する。絶対に安全なはずのセーフハウスにフロストを追う謎の殺し屋集団が乱入してくる序盤の山場では、不快な跳弾音を特に強調した音響効果の見事さもあって、観ている側に主人公のウェストンが感じる緊張感とストレスを共有させることに成功しているのだ。

 すべてを見通す全能の暗殺者フロストが先手を取り続け、それに翻弄され続けながらも執念でフロストを追跡し、ともに逃亡することになる新人CIA工作員ウェストンとの対比が素晴らしい。

 素手で敵を次々と葬り去る格闘シーンも、難なくこなすデンゼル。老境にさしかかりながらも、アクションスターとして一級品の輝きを放つデンゼルの代表作が、この『デンジャラス・ラン』なのである。

高橋ターヤン
映画ライター、海外格闘技ライター。『映画秘宝』『DROPKICK』や劇場パンフレットなどに寄稿。デスマーチが鳴り響く某文化事業では、中心メンバーとして活動中。

7月のよる9時、ザ・シネマにはアクション・スターたちが連日連夜日替わりで登場!!

7/1(水) 『暴走機関車』
ジョン・ヴォイト
7/2(木) 『勇気ある追跡』
ジョン・ウェイン
7/3(金) 『イングロリアス・バスターズ』
ブラッド・ピット
7/4(土) 『パリより愛をこめて』
ジョン・トラヴォルタ
7/5(日) 『パリより愛をこめて(吹き替え)』
ジョン・トラヴォルタ
7/6(月) 『ヘンゼル&グレーテル』
ジェレミー・レナー
7/7(火) 『メッセンジャー・オブ・デス』
チャールズ・ブロンソン
7/8(水) 『48時間』
エディ・マーフィ
7/9(木) 『RONIN』
ジャン・レノ
7/10(金) 『ワールド・オブ・ライズ』
レオナルド・ディカプリオ
7/11(土) 『燃えよドラゴン』
ブルース・リー
7/12(日) 『燃えよドラゴン(吹き替え)』
ブルース・リー
7/13(月) 『コマンドー[ディレクターズカット版]』
アーノルド・シュワルツェネッガー
7/14(火) 『ブルージーン・コップ』
ジャン=クロード・ヴァン・ダム
7/15(水) 『グリマーマン』
スティーヴン・セガール
7/16(木) 『PARKER/パーカー』
ジェイソン・ステイサム
7/17(金) 『スピード』
キアヌ・リーヴス
7/18(土) 『アウトロー』
トム・クルーズ
7/19(日) 『アウトロー(吹き替え)』
トム・クルーズ
7/20(月) 『X-メン』
ヒュー・ジャックマン
7/21(火) 『ザ・シークレット・サービス』
クリント・イーストウッド
7/22(水) 『RONIN』
ロバート・デ・ニーロ
7/23(木) 『48時間』
ニック・ノルティ
7/24(金) 『デルタ・フォース』
チャック・ノリス
7/25(土) 『デンジャラス・ラン』
デンゼル・ワシントン
7/26(日) 『デンジャラス・ラン(吹き替え)』
デンゼル・ワシントン
7/27(月) 『リディック』
ヴィン・ディーゼル
7/28(火) 『スノーホワイト』
クリス・ヘムズワース
7/29(水) 『パトリオット・ゲーム』
ハリソン・フォード
7/30(木) 『シャンハイ・ヌーン』
ジャッキー・チェン
7/31(金) 『エスケープ・フロム・L.A.』
カート・ラッセル

7/19(日)よる9時~20(月・祝)よる9時24時間ブっとおし、新旧アクション快作11タイトルを吹き替えで一挙放送。

7/19
(日)
21:00 『アウトロー』
23:30 『ワールド・オブ・ライズ [PG-12]』
01:45 『PARKER/パーカー [PG12]』
04:00 『暴走機関車』
7/20
(月・祝)
06:30 『シャンハイ・ヌーン』
08:30 『スノーホワイト』
11:00 『ダーティハリー』
13:00 『デルタ・フォース』
15:00 『デルタフォース2』
17:00 『パリより愛をこめて [R15+]』
19:00 『燃えよドラゴン』

『アウトロー』© 2015 Paramount Pictures. All Rights Reserved『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』© 2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.『パリより愛をこめて』TM & © Warner Bros. Entertainment Inc. 『燃えよドラゴン』TM & © Warner Bros. Entertainment Inc. 『デンジャラス・ラン』©2012 UNIVERSAL STUDIOS. All Rights Reserved.

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