4月の
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 土曜の深夜は、アートフィルムやカルトムービーの傑作を、ヨーロッパはじめ世界から厳選してお届けする、映画ファン垂涎枠。4月のラインナップは…
(文/映画ライター 高橋諭治)

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4/6『テンペスト
 シェイクスピアの同名戯曲を『クィーン』のオスカー女優H・ミレン主演で映画化。原作の男性主人公プロスペロを、プロスペラという女性に置き換えた愛憎劇である。

 監督は、映画&演劇界で独創的な演出力を発揮しているJ・テイモア。原作のセリフを忠実に採用する一方、孤島の風景をダイナミックに捉え、大胆にCGを導入した。

 復讐に燃えるプロスペラ役のH・ミレンが、気迫に満ちた演技で怨念と母性を体現。ベン・ウィショー演じる妖精のキャラクターが、幻想的な興趣とユーモアを添えている。


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4/13『さらば、ベルリン
 1945年、ポツダム会談を取材するためにベルリンを訪れたアメリカ人ジャーナリスト、ジェイク。そこで元愛人のレーナと再会した彼は、巨大な陰謀に巻き込まれていく。

 S・ソダーバーグ監督が放ったミステリー劇。古典的なフィルムノワール風のモノクロ映像の中に、『カサブランカ』を彷彿とさせる男女の宿命的なドラマが展開する。

 終戦直後の混沌とした人間模様から浮かび上がってくるのは、複雑な秘密を隠し持つニーナという女性の肖像。C・ブランシェットが罪深くも美しいヒロインを好演した。


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4/20『アルフレード アルフレード』
 “イタリア式コメディ”と呼ばれる艶笑喜劇の快作を多数世に送り出したP・ジェルミ監督の遺作。男性主人公の目線で“結婚”という題材を扱った奇想天外なドラマだ。

 冴えない銀行員アルフレードが、妖艶な美女マリア・ローザに猛アタックされて結婚式を挙げる。ところがその先に待ち受けていたのは、悪夢のような夫婦生活だった!

 D・ホフマンが突然モテ男になった主人公の困惑をコミカルに表現。恐ろしいほど情熱的で気まぐれなヒロインに扮したS・サンドレッリの怪演からも目が離せない。


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4/27『スティック・イット!
 チアリーディングを題材にしたヒット作『チアーズ!』の脚本家J・ベンディンガーの初監督作。女子体操競技の世界にスポットを当てた青春スポーツ・コメディだ。

 反逆児のレッテルを貼られながらも体操界に復帰した17歳の少女の奮闘を、ポップな映像&音楽とともに活写。何とコーチを演じるのはオスカー俳優J・ブリッジス!

 豪快な競技シーンをふんだんに盛り込みつつ、体操界の内幕もちらりと描出。大会に出場したヒロインたちが、審判の採点に猛抗議するという意外な展開にも驚かされる。


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テンペスト』©2010 Touchstone Pictures 『さらば、ベルリン』TM & © Warner Bros. Entertainment Inc. 『アルフレード アルフレード』1972@ MEDIATRADE 『スティック・イット!』© Touchstone Pictures. All rights reserved/© KALTENBACH PICTURES GmbH & Co. All rights reserved
洋画専門チャンネル ザ・シネマの編成部スタッフが、1人1本、きわめて個人的にオススメしたい作品をご紹介


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圧倒的なヘレン・ミレンの存在感!

『テンペスト』
【4月放送日】6日、8日、25日
©2010 Touchstone Pictures

 およそ400年前にシェイクスピアが残した最後の作品を「アクロス・ザ・ユニバース」の監督でも知られる舞台演出家のジュリー・テイモアが大胆な解釈を加えて映画化。大胆な解釈とは、物語の主人公を男から女へ変えてしまうという、これまたあまりにも思い切った演出。そしてその主演に起用されたのがアカデミー賞女優のヘレン・ミレン。このヘレン・ミレンの凄みを秘めた演技がすごい。王位を追われて流れ着いた孤島で魔術を極めた女王を、圧倒的な存在感で演じます。そしてブロードウェイ・ミュージカル「ライオン・キング」の演出を担当したジュリー・テイモアが生み出す個性的なキャラクター達は、どれも魅力に溢れていて、この作品だけの登場ではなんとなく惜しい。個人的には、女王に仕える空気の妖精エアリアルや怪物キャリバンのスピンオフ作品なんかも作れてしまうのではと思った次第。ジュリー・テイモアの次作が待ち遠しい。
銀輪次郎


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レオの社会問題への使命感と映画的醍醐味が合体した傑作!

『ブラッド・ダイヤモンド』
【4月放送日】13日、21日、25日
TM & © Warner Bros. Entertainment Inc.

 ちょうど、この作品の編成を決めた1月に、「レオは映画に疲れて俳優業は無期休業、社会貢献活動に専念するという」報道がありました。アカデミー賞にノミネートさえされなかったことにガッカリしての発言では?と話題に。元々、20代そこそこから環境保護などへの具体的活動で知られる彼なので別に唐突ではありませんがビックリ。俳優としての近年の充実ぶりからとてももったいない。本作も,たぶん取り扱っているテーマ、ストーリーがいかにも彼らしく、レオが自ら選び、全力で取り組んでいることがわかる力作です。タイトルになっている「ブラッド・ダイヤモンド」=血のダイヤモンドとは、アフリカ、シエラレオネ共和国の内戦下で紛争の資金調達のため不法に取引されるダイヤモンド、いわゆる紛争ダイヤモンドのことで、映画は、内戦での殺戮、難民、少年兵、血に染まったダイヤモンドで巨万の富を手にするシンジゲートなど、我々にとっては遠い国の、生々しい現実をモチーフにしています。レオは人間らしい心を取り戻していくダイヤ密売人を好演しアカデミー賞候補に。たくさんの映画を見てきましたが、アパルトヘイトや、パレスチナ問題、北アイルランド紛争など、複雑な歴史や、あまり知られていない国際問題など、映画で知った、映画で興味を持ったことが何度もありました。この作品は私にとってそんな1本。レオには、映画にはそんな力があること、彼にはそれができることを思い出してもらい、ぜひ映画界に戻ってきてもらいたい。
招きネコ


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血湧き肉躍るガチムチ映画!

『300 <スリーハンドレッド>』
【4月放送日】20日、26日、28日
TM & © Warner Bros. Entertainment Inc.

 300人 VS 1,000,000人!それでもスパルタ戦士は戦う!史実に残る“テルモピュライの戦い”を基にしたフランク・ミラーのグラフィック・ノベルをザック・スナイダーが映像化。全編にわたってブルーバック(グリーンバック?)で撮影され、ほぼ全ての背景が合成とのことだが、“作り物”っぽさを微塵も感じさせないのはテクノロジーとセンスの賜物か。スローモーションを多用した、現実離れした圧倒的なヴィジュアルで魅せるガチムチ男たちの華麗な肉弾戦は必見!ちなみに腹筋は本物。この一大スペクタクルに対して、歴史がどうのこうの言うのは野暮というもの。イラン政府をキレさせたという史実無視っぷりはとりあえず置いておいて、最高のエンターテインメント作品に仕上がっている。早くザック・スナイダー版スーパーマン『マン・オブ・スティール』が観たい。
山田


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驚異!顔がクリステン・スチュワートでカラダがグレイス・ジョーンズ!! カナダ奥地に美しきアマゾネス族は実在した!!

『スティック・イット!』
【4月放送日】27日、30日
© Touchstone Pictures. All rights reserved/© KALTENBACH PICTURES GmbH & Co. All rights reserved

 挫折したアスリートが再起を賭け、クライマックスの試合でライバルとガチな真剣勝負を展開。全米が泣いた…って、はいはいどうせその手のパターンっしょ?オレは泣かないけどね、と完全にナメきっていたが、なんじやぁこの展開!? この展開は読めない!ってかこれ禁じ手!! でもOKっす!そこでしっかりカタルシス出してきてるし。もう、降参!お見事!!  あと主演のカナダ人女優ミッシー・ペリグリム、いいね。クリステン・スチュワート+ヒラリー・スワンクなルックスに、グレイス・ジョーンズの肉体美!ケンカしたら間違いなくワタクシが負かされ(秒殺)、泣いて土下座させられるでしょう。堪らん!ゴリマッチョ女優愛好家として、あえて言おう、堪らんちんであると!こういうカラダ持った女優はアクション映画とかでバリっバリに活躍して欲しいっすね。映画界でのさらなる活躍に本気こいて期待!
飯森盛良

2013年3月6日(水)20時50分37秒 - 20時55分53秒の間、「ひかりTV202ch ザ・シネマ」において視聴ができない状態となっておりました。原因はひかりTV映像伝送回線の故障によるものです。障害発生に伴い、ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。

ザ・シネマ編成部

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