月の
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 土曜の深夜は、アートフィルムやカルトムービーの傑作を、ヨーロッパはじめ世界から厳選してお届けする、映画ファン垂涎枠。7
月のラインナップは…
(文/映画ライター 高橋諭治)

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7/6『リアル・ブロンド
 売れない役者ジョーとヘアメイクアーティスト、メアリーは同棲中のカップル。倦怠期に陥った彼らのトラブル続きの日々を、シニカルなユーモア満載で綴るコメディだ。

 主演のM・モディン、C・キーナーが、何をやっても空回りしてしまう男女を絶妙なコミカル演技で体現。ダメ人間たちの切実な奮闘ぶりが笑いと共感を呼び起こす。

 監督はジム・ジャームッシュらと親交が深く、米国インディーズ界で活動するT・ディチロ。昼メロ撮影現場などの芸能界の内幕を見せる、軽妙なギャグ・センスに注目。

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 かつて薬物問題で保護観察処分を受けたR・ダウニーJr.が、その復帰作として主演した異色コメディ。英国製のTVドラマ「The Singing Detective」の映画化である。

 主人公は謎の皮膚病に冒された小説家ダン・ダーク。そんな彼が病院でセラピーを受ける現実と、“歌う探偵”として活躍する妄想の中の出来事がシュールに錯綜していく。

 ノワールとミュージカルの要素をはらむ映像世界は遊び心たっぷり。不気味な特殊メイクを施したダウニーJr.と、意外な役柄に扮したM・ギブソンの共演も見ものだ。





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7/20『エビータ
 アンドリュー・ロイド=ウェバーの大ヒット・ミュージカルの映画化。アルゼンチン国民の絶大な支持を得た実在のファーストレディ、エバ・ペロンの生き様を描く。

 数々の音楽映画の秀作を手がけてきた名匠A・パーカーが、その実力を遺憾なく発揮。セリフを排除し、楽曲のメロディとリズムを前面に押し出した映像世界は圧巻である。

 大物女優たちを押しのけて大役を射止めたマドンナが、A・バンデラスとともに見事な歌唱力を披露。とりわけマドンナが歌う「アルゼンチンよ泣かないで」は感動的だ。

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7/27『幻の女
 『光年のかなた』『白い町で』などで世界的に注目されたスイスの映画作家アラン・タネール。1980年代末のミニシアター隆盛期に日本公開された味わい深い小品である。

 創作意欲を失った映画監督が若い助手を雇い、新作の女優探しを始める。スイスからイタリアの港町へ。そのあてどもない旅は、映画と人生をめぐる“製作日誌”のよう。

 主人公の情熱を呼び覚ます“幻の女”役は『息子の部屋』などのイタリア人女優ラウラ・モランテ。その端正な貌立ちと、謎めいた美しさは一度見たら忘れられない。

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『リアル・ブロンド』© 1997 Lakeshore Entertainment Corp. All Rights Reserved 『歌う大捜査線』TM & Copyright © 2013 by Paramount Classics, a division of Paramount Pictures. All Rights Reserved  『エビータ』COPYRIGHT © 2013 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED. 『幻の女(1987)』1987 Filmograph/MK2 Productions

洋画専門チャンネル ザ・シネマの編成部スタッフが、1人1本、きわめて個人的にオススメしたい作品をご紹介!

 

アレクサンドリア.jpg単なる歴史スペクタクルにとどまらない、必見の超問題作

 

『アレクサンドリア』
【7月放送日】7日、13日、19日
© 2009 MOD Producciones,S.L.ALL Rights Reserved.

 

  アレクサンドリアは古代のエジプトの学芸都市だ。この映画の舞台となる4世紀にはローマ文化圏に組み込まれていた。その街に実在した女性天文学者が本作の主人公。だがその頃、街では狂信的な宗教勢力による、彼女たち知識人への大弾圧が始まろうとしていた…。

 この映画では初期キリスト教団が恐ろしげに描かれるが、逆に「ローマ帝国に弾圧され虐殺される初期キリスト教徒たち」の物語は、欧米文化圏では繰り返し描かれてきた経緯があり、「彼らは気の毒な被害者だ」という前提がすでに十分共有されている。我々日本人もこの前提を共有しておかないと、偏った映画の受け取り方をしてしまう恐れがある。その上で本作は、「一方的な被害者というだけではない、加害者としての彼ら(キリスト教圏の先祖)の側面」を新鮮に描いているのだ。


 また、あえて現代のテロリストと意図的に似たいでたちに初期キリスト教徒を描いているように見えたが、「今日のテロリストと同様の行為を、かつては我々キリスト教徒も行っていたのだ」と、欧米キリスト教文化圏に向けて訴えるような作りも、たいへん挑戦的に思えた。人類は、共通の欠点を持っている、と言いたいのだろう。重厚な歴史スペクタクルであるだけにとどまらない、必見の超問題作である。

飯森盛良

 

 

がんばれ!ベアーズ.jpg

野球好きはもちろん、野球オンチの人でも笑って泣ける傑作コメディ

 

『がんばれ!ベアーズ』
【7月放送日】13日、16日、23日
COPYRIGHT © 2013 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

 

 飲んだくれの元プロ野球選手バターメーカーが率いる少年野球ダメ・チームが這い上がって、彼らをバカにしてきたエリート・チームと遂に対戦するという王道のストーリーに、世代や、国を超えて絶対にダメ・チームとダメ男に共感してしまう。少年野球チームベアーズのダメ少年たちは、チビ、デブ、メガネ、双子と、水島慎二のマンガのようなわかりやすさで笑えるし、紅一点のピッチャー、アマンダが女とバカにするエリートたちをねじ伏せる快投ぶりには胸がすく。そして、教える立場のダメ男コーチ、バターメーカーが子供たちから逆に生きる力を得ていく姿に胸が熱くなる。
 この作品は、野球をモチーフにしているけど、本当に普遍的な、みんなが楽しめる作品。アマンダを演じた当時絶大な人気を誇ったアイドル、テイタム・オニールの可愛らしさは今見ても圧倒的です。そして、テーマ曲の「カルメン」が絶妙なマッチング。これを合わせた音楽担当はすごいな。

招きネコ

 

トゥルーマン・ショー.jpgあなたの毎日は“本物”ですか?


『トゥルーマン・ショー』
【7月放送日】6日、8日、17日、21日
TM & COPYRIGHT © 2013 BY PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

 

 毎日の生活が、周到に仕込まれた巨大ロケセットの中のものだったら?もしも全てがメディアに作られた人生だったら?ジム・キャリー演じるトゥルーマンが住む小さな島シーヘブン。ここは実は巨大なロケセットで、トゥルーマン以外の全ての人はエキストラ。生まれた時から5,000台の隠しカメラがトゥルーマンを追いかけ、彼の生活が24時間TV放送される様を描いた異色コメディ。
 コメディ作品ながら、近い将来、このような“本物”を追い求めるドキュメント番組が生まれることも有り得るのではないかと妙な予感を感じさせる本作。暗にメディア倫理的な問題の提起をしますが、エキストラの失言や失態に番組製作者目線でハラハラしたり、反対に周囲に不自然さを感じ始めるトゥルーマンの気持ちを察したりと、とても上手く作られた映画で楽しめますのでオススメ。自分の周りの生活が“本物”かどうかを確かめる機会にいかがでしょうか?

銀輪次郎

 

スクール・オブ・ロック.jpg短パン!SG!ジャック・ブラック!

 

『スクール・オブ・ロック』
【7月放送日】11日、21日、24日、26日
TM & COPYRIGHT © 2013 BY PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

 

 「ハイ・フィデリティ」でのエキセントリックな音楽オタク役がハマりまくっていたジャック・ブラック。本作でも、どうしようもない(でも愛すべき)ロック馬鹿を演じ、エネルギッシュかつハイテンションな魅力が爆発!随所に散りばめられた小ネタに、特にクラシック・ロック周辺がお好きな人はニヤつくこと間違いなし。部屋に貼られたポスターに始まり、生徒に教えるギターリフやフレーズ、教材として使われるライブ映像から、一時停止して確認したくなる、黒板に書かれた”ロック相関図”。そして要所要所で流れる名曲の数々。王道過ぎるベタな展開に、笑えて泣ける!一人で観ても家族で観ても、ロック好きでもそうでなくても、最高に楽しめる1本!

 山田

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