文:尾崎一男

 

 作品そのものには触れたことがなくても、劇中のシチュエーションはやたらと広く知られた映画がある。

 わずかの振動でも爆発をおこす膨大な量のニトログリセリン(高度爆発性液体)を、悪路を眼下にトラックで輸送する--。それを耳にしただけでも、全身の毛が逆立つような身震いをもたらすのが、この『恐怖の報酬』だ。この映画が世に出て、今年で63年。その間、いったいどれほど多くの類似ドラマや引用、パロディが生み出されてきたことだろう。

 だが一度は、それらを生み出したオリジンに触れてみるといい。先に挙げた設定をとことんまで活かした、観る者を極度の緊張へと至らしめる演出と仕掛けが、本作にはたっぷりと含まれている。

「この町に入るのは簡単さ。だが出るのは難しい“地獄の場所”だ」

 アメリカの石油資源会社の介入によって搾取され、スラムと化した南米のとある貧民街。そこは行き場を失ったあぶれ者たちの、終着駅のごとき様相を呈していた。そんな“地獄の場所”へと流れてきたマリオ(イブ・モンタン)を筆頭とする四人の男たちは、貧困がぬかるみのように足をからめとる、この呪われた町から脱出するために高額報酬の仕事に挑む。その仕事とは、爆風で火を消すためのニトログリセリンを、大火災が猛威をふるう山向こうの石油採掘坑までトラックで運ぶことだった。

 舗装されていないデコボコの悪路はもとより、道をふさぐ落石や噴油のたまった沼など、彼らの行く手には数々の難関が待ち受ける。果たしてマリオたちは無事に荷物を受け渡し、成功報酬を得ることができるのかーー?

 仏作家ジョルジュ・アルノーによって書かれた原作小説は、南米グァテマラの油田地帯にある石油採掘坑の爆発と、その消火作業の模様を克明に描いた冒頭から始まる。その後は、

「四人が同じ地に集まる」
「ニトログリセリンを運ぶ」

 と続く[三幕構成]となっているが、監督のアンリ・ジョルジュ・クルーゾはその構成を独自に解体。映画は四人の男たちの生きざまに密着した前半部と、彼らがトラックで地獄の道行へと向かう後半の[二部構成]へと配置換えをしている。そのため、本作が爆薬輸送の物語だという核心に触れるまで、およそ1時間に及ぶ環境描写を展開していくこととなる。

 しかし、この構成変更こそが、物語をどこへ向かわせるのか分からぬサスペンス性を強調し、加えて悠然とした前半部のテンポが、どん詰まりの人生に焦りを覚える男たちの感情を、観る者に共有させていくのだ。

 そしてなにより、視点を火災に見舞われた石油資源会社ではなく、石油採掘の犠牲となった町やそこに住む人々に置くことで、映画はアメリカ資本主義の搾取構造や、極限状態におけるむき出しの人間性を浮き彫りにしていくのである。



■失われた17分間の復活

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 だが不幸なことに、クルーゾによるこの巧みな構成が、フランスでの公開から36年間も損なわれていた時代があったのだ。

 今回ザ・シネマで放送される『恐怖の報酬』は、クルーゾ監督の意向に忠実な2時間28分のオリジナルバージョン(以下「クルーゾ版」と呼称)で、前章で触れた要素が欠けることなく含まれている。

 しかし本作が各国で公開されたときにはカットされ、短く縮められてしまったのだ(以下、同バージョンを「短縮版」と呼称)。

 映画に造詣の深いイラストレーター/監督の和田誠氏は、脚本家・三谷幸喜氏との連載対談「それはまた別の話」(「キネマ旬報」1997年3月01日号)での文中、封切りで『恐怖の報酬』を観たときには既にカットされていたと語り、

「たぶん観客が退屈するだろうという、輸入会社の配慮だと思うんですけど」

 と、短縮版が作られた背景を推察している。確かに当時、上映の回転率が悪い長時間の洋画は、国内の映画配給会社の判断によって短くされるケースもあった。事実、本作の国内試写を観た成瀬巳喜男(『浮雲』(55)監督)が、中村登(『古都』(63)監督)や清水千代太(映画評論家)らと鼎談した記事「食いついて離さぬ執拗さ アンリ・ジョルジュ・クルゾオ作品 恐怖の報酬を語る」(「キネマ旬報」1954年89通号)の中で、試写で観た同作の長さは2時間20分であり、この時点でクルーゾ版より8分短かったという事実に触れている。

 しかし本作の場合、短縮版が世界レベルで広まった起因は別のところにあったのだ。

 1955年、『恐怖の報酬』はアメリカの映画評論家によって、劇中描写がアメリカに対して批判的だと指摘を受けた(同年の米「TIME」誌には「これまでに作られた作品で、最も反米色が濃い」とまで記されている)。そこでアメリカ市場での公開に際し、米映画の検閲機関が反米を匂わすショットやセリフを含むシーンの約17分、計11か所を削除したのである。それらは主に前半部に集中しており、たとえば石油の採掘事故で夫を亡くした未亡人が大勢の住民たちの前で、

「危険な仕事を回され。私たちの身内からいつも犠牲者が出る。死んでも連中(石油資源会社)は、はした金でケリをつける」

 と訴えるシーン(本編37分経過時点)や、石油資源会社の支配人オブライエン(ウィリアム・タッブス)が、死亡事故調査のために安全委員会が来るという連絡を受けて、

「連中(安全委員会)を飲み食いさせて、悪いのは犠牲者だと言え。死人に口なしだ」

 と部下に命じるシーン(本編39分経過時点)。さらにはニトログリセリンを運ぶ任務を負った一人が、重圧から自殺をはかり「彼はオブライエンの最初の犠牲者だ」とマリオがつぶやく場面(本編45分経過時点)などがクルーゾ版からカットされている。

 こうした経緯のもとに生み出された短縮版が、以降『恐怖の報酬』の標準仕様としてアメリカやドイツなどの各国で公開されていったのである。

 なので、この短縮版に慣れ親しんだ者が今回のクルーゾ版に触れると「長すぎるのでは?」と捉えてしまう傾向にあるようだ。それはそれで評価の在り方のひとつではあるが、何よりもこれらのカットによって作品のメッセージ性は薄められ、この映画にとっては大きな痛手となった。本作は決してスリルのみを追求したライド型アクションではない。社会の不平等に対する怒りを湛えた、そんな深みのある人間ドラマをクルーゾ監督は目指したのである。

 1991年、マニアックな作品選定と凝った仕様のソフト制作で定評のある米ボイジャー社「クライテリオン・コレクション」レーベルが、本作のレーザーディスクをリリースするにあたり、先述のカットされた17分を差し戻す復元をほどこした。そしてようやく同作は、本来のあるべき姿を取り戻すことに成功したのである。この偉業によってクルーゾの意図は明瞭になり、以降、このクルーゾ版が再映、あるいはビデオソフトや放送において広められ、『恐怖の報酬』は正当な評価を取り戻していく。



■クルーゾ版の正当性を証明するフリードキン版

 こうしたクルーゾ版の正当性を主張するさい、カット問題と共に大きく浮かび上がってくるのは、1977年にウィリアム・フリードキン監督が手がけた本作の米リメイク『恐怖の報酬』の存在である。

 名作として評価の定まったオリジナルを受けての、リスクの高い挑戦。そして製作費2000万ドルに対して全米配収が900万ドルしか得られなかったことから、一般的には失敗作という烙印を捺されている本作。しかし現在の観点から見直してみると、クルーゾ版を語るうえで重要性を放つことがわかる。

 フリードキンは米アカデミー賞作品賞と監督賞を受賞した刑事ドラマ『フレンチ・コネクション』(71)、そして空前の大ヒットを記録したオカルトホラー『エクソシスト』(73)を手がけた後、『恐怖の報酬』の再映画化に着手した。その経緯は自らの半生をつづった伝記“THE FRIEDKIN CONNECTION”の中で語られている。

 フリードキンは先の二本の成功を担保に、当時ユニバーサル社長であったルー・ワッサーマンに会い「わたしが撮る初のユニバーサル映画は本作だ」とアピールし、映画化権の取得にあたらせたのだ。

 しかし権利はクルーゾではなく、原作者であるアルノー側が管理しており、しかも双方は権利をめぐって確執した状態にあった。だがフリードキン自身は「権利はアルノーにあっても、敬意を払うべきはクルーゾだ」と考え、彼に会って再映画化の支えを得ようとしたのだ。クルーゾは気鋭の若手が自作に新たな魂を吹き込むことを祝福し、『フレンチ・コネクション』『エクソシスト』という二つの傑作をモノした新人にリメイクを委ねたのである。

 こうしたクルーゾとフリードキンとの親密性は、作品においても顕著にあらわれている。たとえば映画の構成に関して、フリードキンはマリオに相当する主人公シャッキー(ロイ・シャイダー)が、ニトログリセリンを輸送する任務を請け負わざるを得なくなる、そんな背景を執拗なまでに描写し、クルーゾ版の韻を踏んでいる。状況を打破するには、命と引き換えの仕事しかないーー。そんな男たちの姿をクローズアップにすることで、おのずとクルーゾーの作劇法を肯定しているのだ。

 しかしラストに関して、フリードキンの『恐怖の報酬』は、シャッキーが無事にニトログリセリンを受け渡すところでエンドとなっていた。そのため本作は日本公開時、このクルーゾ版とも原作とも異なる結末を「安易なオチ」と受け取られ、不評を招く一因となったのである。

 ところがこの結末は、本作の全米興行が惨敗に終わったため、代理店によってフリードキンの承認なく1時間31分にカットされた「インターナショナル版」の特性だったのだ。アメリカで公開された2時間2分の全長版は、クルーゾ版ならびに原作と同様、アレンジした形ではあるがバッドエンドを描いていた。にもかかわらず場面カットの憂き目に遭い、あらぬ誤解を受けてしまったのである。

 そう、皮肉なことにクルーゾもフリードキンも、改ざんによって意図を捻じ曲げられてしまうという不幸を、『恐怖の報酬』という同じ作品で味わうこととなってしまったのだ。

 さいわいにもクルーゾ版は、こうして自らが意図した形へと修復され、本来あるべき姿と評価をも取り戻している。なので、クルーゾ版の正当性を証明するフリードキン版も、多くの人の目に触れ、正当な評価を採り戻してもらいたい。それを期待しているのは、決して筆者だけではないはずだ。


尾崎一男
映画評論家&ライター。現在『チャンピオンRED』(秋田書店)、『映画秘宝』(洋泉社)、『フィギュア王』(ワールドフォトプレス)他、映画の劇場パンフレットやDVD&Blu-rayのライナーノーツなどにて連載、執筆を行う。共著に『市川 崑 大全』(洋泉社)等。また“ドリー・尾崎”の名義でシネマ芸人ユニット[映画ガチンコ兄弟]を組み、TVやトークイベントでも活躍中。日本映像学会(JASIAS)会員。

文:なかざわ ひでゆき


 フェデリコ・フェリーニ監督の『甘い生活』('60)とミケランジェロ・アントニオーニ監督の『情事』('59)が、'60年の第13回カンヌ国際映画祭でそれぞれパルムドールと審査員特別賞を獲得。黄金期を迎えた'60年代のイタリア映画界は、巨匠の芸術映画からハリウッドばりの娯楽映画まで本格的な量産体制に入り、文字通り百花繚乱の様相を呈した。


 そうした中で、戦後イタリア映画の復興を支えたネオレアリスモの精神を、新たな形で高度経済成長の時代へと受け継ぐ新世代の社会派監督たちが台頭する。『テオレマ』('68)や『豚小屋』('69)のピエル・パオロ・パゾリーニ、『悪い奴ほど手が白い』('67)や『殺人捜査』('70)のエリオ・ペトリ、『アルジェの戦い』('66)のジッロ・ポンテコルヴォ、『ポケットの中の握り拳』('65)のマルコ・ベロッキオ、『殺し』('62)や『革命前夜』('64)のベルナルド・ベルトルッチなどなど。権力の腐敗や社会の不正に物申す彼らは、保守的なイタリア社会の伝統や良識に対しても積極的に嚙みついた。

 中でもパゾリーニと並んで特に異彩を放ったのが、当初は『女王蜂』('63)や『歓びのテクニック』('65)といったセックス・コメディで注目された鬼才マルコ・フェレ―リだ。

 美人で貞淑な理想の女性(マリナ・ヴラディ)を嫁に貰った中年男(ウーゴ・トニャッツィ)が、子供を欲しがる嫁や女の親戚たちにプレッシャーをかけられ、頑張ってセックスに励んだ末にポックリ死んじゃう『女王蜂』。

 全身毛むくじゃらの女性(アニー・ジラルド)と結婚した男(ウーゴ・トニャッツィ)が、嫁を見世物にして客から金を取ったり、その処女を物好きな金持ちに売ったりして荒稼ぎした挙句、難産で死んだ後も彼女をミイラにして金を儲けるという『La donna scimma(類人猿女)』('64)。

 イタリア映画お得意のセックス・コメディを装いながら、イタリア社会に蔓延る偽善や拝金主義、さらには家族制度や男尊女卑などの伝統的価値観を痛烈に皮肉りまくったフェレ―リ。

 その後も、女王然とした女(キャロル・ベイカー)が愛人の男たちを足蹴にする『ハーレム』('68)や、逆に男(マルチェロ・マストロヤンニ)が女(カトリーヌ・ドヌーヴ)を犬扱いする『ひきしお』('70)、男尊女卑の男(ジェラール・ドパルデュー)が妻にも恋人にも見捨てられ最後は自分のペニスを切り落とす『L'ultima donna(最後の女)』('76)など、'60年代から'70年代にかけてエキセントリックかつ強烈な反骨映画を撮り続けたフェレーリだが、その最大の問題作にして代表作と呼べるのが、カンヌでも賛否両論を巻き起こした『最後の晩餐』('74)である。

l-1.jpg あらすじを簡単にご紹介しよう。パリのとある大邸宅に4人の裕福な中年男たちが集まって来る。有名レストランの料理長ウーゴ(ウーゴ・トニャッツィ)、テレビ・ディレクターのミシェル(ミシェル・ピッコリ)、裁判官のフィリップ(フィリップ・ノワレ)、国際線機長のマルチェロ(マルチェロ・マストロヤンニ)。美食家の彼らは大量の食料品を屋敷に運び込み、連日連夜に渡って豪華な晩餐会を開くことになる。その目的は、美食三昧の果てに死ぬこと。しかし、食欲だけでは飽き足らなくなった彼らは、たまたま屋敷を訪れた豊満な女教師アンドレア(アンドレア・フェレオル)と3人の娼婦たちを招き、やがて事態は美食とセックスと汚物にまみれた酒池肉林のグロテスクな宴へと変貌していく。

 要するに、人生に悲観したブルジョワたちが快楽の果ての自殺を目論み、飲んで食ってファックしてゲロ吐いて糞尿まき散らして死んでいく姿を赤裸々に描いた、エログロなブラックコメディ。見る者の神経をあえて逆撫でして不愉快にさせるフェレーリ監督の、悪趣味全開な演出が圧倒的だ。今となって見れば性描写もグロ描写もさほど露骨な印象は受けないものの、'70年代当時としては相当にショッキングであったろうことは想像に難くない。

 しかも主人公4人を演じるのは、いずれもイタリアとフランスを代表する一流の大御所スターばかり。そのネームバリューにつられて見に行った観客はビックリ仰天したはずだ。これが一部からは大変なブーイングを受けつつも、カンヌで審査員特別賞を受賞したというのは、やはり'70年代のリベラルな社会気運の賜物だったと言えるのかもしれない。

 面白いのは、主人公たちが自殺をする理由というのが最後まで明確ではないという点だろう。とりあえず、ウーゴが女房の尻に敷かれて頭が上がらない、フィリップは女にモテず独身で年老いた乳母に性処理してもらっているっていうのは冒頭で描かれるが、それ以外の2人が抱えた事情については全く触れられていない。いずれにしても、恐らく取るに足らないような漠然とした理由であることが想像できる。そんな甘ったるいブルジョワ親父たちが、快楽の限りを尽くして死のうとするわけだ。全くもってバカバカしい話なのだが、その根底には行きつくところまで行きついた現代西欧文明の物質主義に対する大いなる皮肉が込められていると見ていいだろう。

 そんな男たちの愚かで滑稽な最期を見届けるのが、プロレタリアートの女教師だというのがまた皮肉だ。しかも、これがフェリーニの映画に出てくるようなアクの強い巨体女。食欲も性欲も底なしの怪物で、終始男たちを圧倒する。それでいて、母性の塊のような優しさで男たちを包み込む。まるで庶民の強さ、女の強さを象徴するような存在だ。演じているアンドレア・フェレオルは、なんと当時まだ20代半ば。いやはや、その若くしての貫録には恐れ入るばかりだ。その後もフォルカー・シュレンドルフやリリアーナ・カヴァーニ、フランソワ・トリュフォーらの巨匠たちに愛され、ヨーロッパ映画を代表する怪女優として活躍していくことになる。ちなみに、舞台となる屋敷の管理人をしている老人を演じているのはアンリ・ピッコリ。そう、ミシェル・ピッコリの実父だ。

 恐らくルイス・ブニュエルの『皆殺しの天使』('62)や『ブルジョワジーの秘かな愉しみ』('72)にインスパイアされたものと思われる本作。マルコ・フェレ―リならではの社会批判や文明批判が、最も極端かつ過激な形で結実した希代の怪作と言えるだろう。その後の彼は酔いどれた詩人(ベン・ギャザラ)の苦悩と再生を描く『町でいちばんの美女/ありきたりな狂気の物語』('81)、自由奔放な母親(ハンナ・シグラ)とその娘(イザベル・ユペール)の複雑な愛憎を描く『ピエラ 愛の遍歴』('83)と、より内省的なテーマへと移行していく。日本ではあまり注目されることなく'97年に他界したフェレーリだが、もっと評価されてしかるべき孤高の映像作家だと思う。

なかざわ ひでゆき
映画&海外ドラマ・ライター。雑誌「スカパー!TVガイド BS+CS」で15年近くに渡ってコラム「映画女優LOVE」を連載するほか、数多くの雑誌やウェブ情報サイトなどでコラムや批評、ニュース記事を執筆。主な著作は。「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。ハリウッドをはじめとする海外の撮影現場へも頻繁に足を運んでいる。

文:鷲巣義明

 意識がなく、四肢や体を自由に動かすことができない植物状態の青年パトリックには、実は意識があって、体を動かせないことで秘かにサイコキネシス(念動力)を身につけていた。彼は唾を吐くことで、好意を抱く担当女性看護師キャシーと意思疎通を図ろうとする……。

 ある種、変態的なラヴストーリーともいえるオーストラリア映画『パトリック』(78)は、79年のアボリアッツ国際ファンタスティック映画祭グランプリを受賞しながらも、日本では劇場未公開。でもSF&ホラー映画ファンの熱い支持を得てきたカルト映画だ。

 監督には、ヒッチコック監督の『トパーズ』(69)で撮影現場を経験したことのある、根っからのヒッチコッキアン、リチャード・フランクリン(1948年生まれ~2007年死去)。『パトリック』では、『サイコ』(60)のように母親にトラウマをもった青年を主軸にし、『疑惑の影』(43)、『ダイヤルMを廻せ!』(54)、『マーニー』(64)等、随所に師匠へのオマージュを盛り込んでサスペンスを盛りあげていた。また1983年には、師匠の大ヒット作の続編『サイコ2』を監督してヒットさせた。

l-2.jpg 今回の作品は、大まかな流れはオリジナル版と似たような展開を見せるが、大胆な脚色を施して全体のムードを変え、結末も異なるリメイク版になっている。監督には、オーストラリア出身で、ジャンル系映画の異色ドキュメンタリー『マッド・ムービーズ~オーストラリア映画大暴走~』(08)で注目された気鋭マーク・ハートリーが務めた。

 そのためか、オリジナル版にあったヒッチ作品へのオマージュの数々が、本作でも異なる形で散見できる。例えば、病院へと連なる断崖沿いの道路を自動車が這うように走行してゆく場面は『断崖』(41)風だし、病院に入る真俯瞰ショットは『北北西に進路を取れ』(59)を彷彿させ、キャシディ婦長の妖しい存在感は『レベッカ』(40)のダンヴァース夫人を匂わせるし、妖しい雰囲気を放ちつつ地下室に秘密が隠されているあたりは『サイコ』のサイコ・ハウスを意識している。オリジナル版が、ヒッチへのリスペクト&オマージュ描写がサスペンスを醸成する一要因を担っているところから、新たにヒッチ・サスペンスの要素を盛り込むことも、リメイクの重要な要素だと考えたのかもしれない。

 とはいえ、オリジナル版との最も大きな違いは、海沿いの崖の上に建つ古びた私立病院ロジェット・クリニック(修道院を改装して再利用した設定)の陰湿なたたずまいと、重度の昏睡状態の患者を実験体にし、電気実験による脳研究を推し進めるロジェット院長の存在だろうか。ロジェット・クリニックは海沿いにあるため、霧が立ち込める時があり、実に怪しげで幻想的な雰囲気を醸しだしている。そのうえ研究で高い電磁波を使っているためか、院内では植物が育たないという(コワッ)。そこの院長ロジェットが、かつて医学界でフランケンシュタインの異名を取り、医学界から追放されたのち、密かにスポンサーの資金力を得、非道な研究をずっと続けている。脳がたとえ損傷した患者であっても、投薬直後に高圧電流を流して刺激し、眠っている神経を呼び覚ましてつなぎ変えようとする驚きの実験だった。


 ロジェットのパトリックに対する見解はこうだ。「24時間、彼の脳電図を観察している。生理現象から神経衰弱まで、脳波の記録を。すべてのパトリックの動作は、意識の有無にかかわらず電流次第。神経中枢を刺激すれば、いいだけ。植物状態とはいえ、彼の脳内には電流が流れている。時々、いずれかが作用して体を動かすだろう。ただそれだけのこと。彼は、73kgの動かぬ肉塊。死んだ脳を抱えたな。すべて私の指示に従え。この扉が開いたら、今までのやり方は忘れろ!」

 ロジェットは、実験体パトリックを治療したいわけでなく、あくまでも持論の証明が欲しいだけ。そのための“生ける屍”だと思っている。その下で“氷の女王”の威厳を漂わせる看護師長ジュリアがいる。彼女はロジェットの娘で、噂では一度ここを出て結婚するが、夫が自殺し戻ってきたといういきさつがある。

 ゴシックホラーのような舞台に、我が道をゆくマッドサイエンティストの凶行は、まるで怪奇映画のたたずまい。そんな異常な世界に、オリジナル版より、だいぶ美少年になったパトリックと、彼が好意を抱くキャシー・ジャカード看護師との奇妙な関係が描かれる。クリニックの地下室は、ロジェットとジュリア以外は立ち入り禁止。

 キャシーは、恋人エド・ペンハリゴン(オリジナル版でキャシー役を熱演したスーザン・ペンハリゴンに敬意を表した役名)との関係が悪化し、ストーカーのような彼から離れるため、ロジェット・クリニックの看護師業務に就くことになった。

 キャシーを演じたのが、ビーチ系映画やホラー映画で活躍してきたスレンダー女優、シャーニ・ヴィンソン。サーフィン系OVA映画『ブルークラッシュ2』(11)ではしなやかなスレンダーボディを充分拝ませてくれたし、『パニック・マーケット3D』(12)では津波によるサメ・パニックに対峙するスクリーム・ヒロインを全身で熱演! 『サプライズ』(11)では、サヴァイバル・スキルを身につけたヒロインが襲撃者たちを相手にキリング・マシーンと化してゆく変貌ぶりがたまらなかったぞ。これらの作品で一気にシャーニのファンになった筆者としては、オリジナル版のキャシー役を演じた癒し系のスーザン・ペンハリゴンとは異なり……ちょっと見、健気に見えそうなシャーニが、白衣(映画では白ではなく水色だけど)に身を包み、恐怖と気丈に対峙していく姿に萌え萌えなのだ。

 そして、シャーニ扮するキャシーが、ロジェット・クリニックで最初に担当を任された患者が、15号室(オリジナル版も同じ15号室。タロットカードで15は、悪魔に属するカードで、拘束・束縛・誘惑・妬みなどの意味がある)のパトリックだった。

 キャシーがベッドに寝たきり状態のパトリックと初接見の日、キャシーがパトリックに顔を近づけた時、彼の口から飛ばされた唾が彼女の顔にかかった。ロジェットやこの病院を“植物園”と揶揄する同僚の看護師は、無意識に筋肉が反応しただけだと言うのだが……。

 キャシーは、同僚の看護師がパトリックのシーツを取り換える際、彼の体をぞんざいに扱っている姿を目撃し内心驚いてしまう。優しいキャシーに対し、パトリック流のあいさつがツバを吐くことだった。でもキャシーにとって、その後もパトリックが彼女の前で唾を吐き続けることから、彼の意識を感じ取るようになる。でもパトリックが意識を伝えてくるのは、キャシーだけ。

 知り合ったばかりの精神科医ブライアンにパトリックのことを相談すると、ブライアンがいきなりキャシーに対しツバを吐いた。驚いたキャシーはブライアンに激怒するが、どうやらパトリックの超能力によって、ブライアンの意識に侵入してやらせた行為だった。パトリックにしてみたら、2人だけの秘密を、他人に、しかも男に話したことが許せなかったらしい。観ているうちに、パトリックが吐く唾にはいろいろな思いが込められているように見え、時にパトリックの想いの一つ……キャシーへの性的な隠喩も込められているように思う。

 キャシーが、パトリックの体をあちこち触り、股間の方に手を伸ばすと股間が膨らんでくるくだりはエロティックだし、パトリックがパソコンを使って、キャシーに「オナニーして欲しい」と伝えてくるところはちょっと怖い。

 パトリックはキャシーを好きになるが、やがてそれが執着へと変化し、脳で思い描いたことを超能力で強引に変えてしまう。でも彼の超能力で大概なものは思い通りにできるが、真に操りたいのは、一人の看護師キャシーの心だが、それがほんとに難しい。

 怪奇幻想的なムードを漂わせながら、拘束されたようなパトリックが超能力という絶大な力を持ってしても、キャシーの女心を拘束できない変態的なラヴストーリー。オリジナル版にとらわれず、新たな要素とオリジナル版の魅力を巧みに融合させたエンタメ・ホラーだと思う。

鷲巣義明
映画文筆家。書籍、雑誌、劇場用パンフレット等で、映画の原稿を執筆。現在は「映画秘宝」「宇宙船」「SFマガジン」等に連載。主な書籍に、「ホラーの逆襲/ジョン・カーペンターと絶対恐怖監督たち」(フィルムアート社)、「恐怖の映画術/ホラーはこうして創られる」(キネマ旬報社)、「東宝特撮総進撃」(一部執筆、洋泉社ムック)などがある。

洋画専門チャンネル ザ・シネマの編成部スタッフが、1人1本、きわめて個人的にオススメしたい作品をご紹介!


ゲーム_4.jpgエロ系だと思って観たら違ったという衝撃 by中学生のアタシ

ゲーム


【1月放送日】6日、15日、24日



© 1997 POLYGRAM FILMED ENTERTAINMENT,INC ALL RIGHTS RESERVED


鬼才デヴィッド・フィンチャーを一流監督へと伸し上げた、『セブン』と並ぶ90年代の代表作。

若くして投身自殺した父親の莫大な遺産を相続して、自身も投資家として成功したニコラス。金はあるけどハートは無いみたいな嫌味な男で、家族とも疎遠だ。そんな彼の誕生日に、弟コンラッドが、あるゲームに参加できるカードをプレゼントする。ところがゲーム会社に行って参加試験を受けた後、ニコラスの周辺で不可解な事件が次々と起きる。これはスリルを味わわせるためのゲームなのか、あるいはゲーム会社を装い金持ちを狙う詐欺なのか。さんざんな目に遭い続け恐怖のドツボにハマッていくニコラスは、もはや誰も信じることができなくなり、父と同じ道を行こうとするのだが・・・。というお話。(いいのかしら。結構ギリギリまで書いてしまった。)

初めて観たのは中学2年生くらいのとき。“エロそうなDVDを夜更かしして観よう!”という趣旨の女子同士のお泊り会にて、なんとなく「これパッケージがエロそうだね!」という理由で選んだのが本作『ゲーム』(今思うと一体どこがエロそうなのか見当もつきませんが)。ドキドキしながら再生するも、全くエロそうな気配が無いと判明したころには、友人たちは既に爆睡。そんな中、続きが気になってひとりで最後まで観てしまったことを今でも覚えているのは、アノ衝撃的なラストがあったからじゃないかと思うのです。

今回ザ・シネマで放送するにあたり、(今となってはもはや有名な)アノ結末をもう一度見てみようと、興味本位でラストシーンだけ見直すことにしたのですが。いや、仕事忙しいんですけどね?でもね、いえね、なんだかんだ、どんどん巻き戻してしまって、結局全編まるごと観てしまいましたよ。

当時J-POPに夢中で洋画情報に超ウトかった私は、マイケル・ダグラスのことはおろか(その後何年も「『ゲーム』のおじさん」と言っていたし)、デヴィッド・フィンチャーのことなんてまるで何も知らなかったけれど(『セブン』を初めて観たのはそれから10年後だし)、まさかエッチそうなビデオだと勘違いしたこの作品が、私にとって一生記憶に残るものになるとは想像だにしていませんでした。

一度目は「一生忘れられない衝撃のラスト」、二度目は「結局最後まで観ちゃった」。三度目はしばらく先にとっておこうと思いますけど、どんな印象が残るんでしょうね?ニコラスと同じ年齢になるまで見るのは待っておこうかな。

(ところで皆さま、長々と読んでいただいてありがとうございます。)

何度観ても面白いとはいえ、あんまり積極的な頻度で見ると飽きてしまうのでね。みなさんがザ・シネマで『ゲーム』に偶然出くわしたときには、ぜひ最後までご覧になっていただきたいなぁと思うのであります。2017年1月から放送します。お楽しみに。

【キャロル】




恐怖の報酬5.jpgカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞した、イヴ・モンタン主演の運び屋サスペンス!

恐怖の報酬


【1月放送日】6日、10日、22日



©1951 - TF1 INTERNATIONAL - PATHE RENN PRODUCTIONS - VERA FILM - MARCEAU CONCORDIA - GENERAL PRODUCTIONS


本作は1953年制作のモノクロ・フランス映画。500キロ離れた油田に火災が発生、消化材として大量のニトログリセリンが必要に。運び手に選ばれたのは、希望のない日々を送る男たち。一獲千金のため、彼らは命を賭けてトラックでニトロを運ぶという超絶シンプルなストーリー。しかし、そのトラック輸送の過程を、世界三大映画祭を制覇したアンリ=ジョルジュ・クルーゾー監督が緻密に練り込んだ演出で見せまくります。

曲がりくねった林道、舗装されていない砂利道、重油の沼に山道…ちょっとした振動でさえ恐怖を感じ、徐々に高まる緊張感で手に汗を握りっぱなし!主演のイヴ・モンタンがインテリ風のヤサ男から、命を張る男へと心情が変化していく様を見事に演じ、その脇を固める俳優陣も味のある演技で答えています。

モノクロ関係なく、一度見たらもう夢中!ハラハラドキドキな気分を存分に味わえる1本ですので、是非ご覧ください!ちなみに1977年にロイ・シャイダー主演で、ハリウッドでリメイクも。興味のある方はこちらもチェックしてみてください!

【うず潮】



フローズン.jpg凍てつくような寒さ。証拠も手掛かりも凍りつく中で犯人を追いつめられるのか!


フローズン・グラウンド



【1月放送日】2日、14日、29日



©2012 GEORGIA FILM FUND FIVE, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.



17歳の娼婦シンディを警察が保護。彼女は監禁されていた。ある男に殺されかけたいう彼女の証言は、その男が地元の名士である事で、取り合ってもらえないまま。時を同じくして、アラスカの凍りついた川の周辺で10代後半から20代前半の少女の白骨死体が発見される。アラスカ州警察のハルコム(ニコラス・ケイジ)は、シンディが証言した男が怪しいと確信。彼を追いつめる為の、戦いが始まる…


というのがあらすじでして、なんと事実も元にした映画。12年間に24人以上の女性が監禁・殺害されたおぞましい事件が元になっています。

ニコラス・刑事、否、ケイジ(すいません。言ってみたかったんです!)扮するアラスカ州警察のハルコム刑事は、職場では「あなた以上のキレ者はいないっす」、「お前が捜査にあたるんだったら大丈夫だろ」的な評価をバンバン受けているキレ者デカなのですが、家に帰ると奥さんから「あんた!いつ転職すんのよ!刑事みたいに安月給でハードワークな仕事続けてもなんにもなんないし、家庭をもっと省みてちょうだいな!キーっ!」的な事を毎日言われて、ちょっと顔色も悪いし、どことなく悲壮感・・・。身を削る思いで捜査にあたり帰宅しても、愛する一人娘に「パパー、ママ、怒って先に寝ちゃったよ~」とか言われて、事件の被害者がティーンエイジャーがほとんどということで、娘を抱きしめ「お前はゆっくり大きくなってちょうだいよ…涙」と抱きしめたりして。

そんなちょっとお疲れ気味のハルコム刑事は、唯一、男の魔の手から逃げ出した娼婦のシンディから当時の様子を聞いたり、彼女の生い立ちを聞いたりしているうちに、彼女の様な女の子をこれ以上増やすわけにはいかない!彼女のことも全力で俺が守るぜ!と静かな闘志を燃やしながら、だんだんと犯人を追いつめ始めます。

アラスカという土地の冬の不毛さ、静けさと歩調を合わせる様に派手な見せ場やドンデン返しが盛りだくさん!というタイプの映画ではありませんが、事実を元にしているということを大事にしている製作者の意図を感じるエンディングまで、見逃せない映画です。シンディ役を演じたヴァネッサ・ハジェンズのハスッパなビッチを気取っても、隠しきれない健気さも◎。そして割と早くから犯人として登場する男役の俳優もこの役にドハマり。奴の黒目を見逃すな!

良く出来映画!!お見逃しなく!!

【にしこ】



「リーサル・ウェポン4」.JPEGバカ娯楽アクションにまぶされた気高いメッセージ。こういう映画に育ててもらえて光栄です。


リーサル・ウェポン4


【1月放送日】3日、20日、28日


© Warner Bros. Entertainment Inc.


今度の敵は中国マフィア“蛇頭”。不法移民密入国の斡旋とその後の奴隷労働を仕切ってる。密航船を見つけ沿岸警備隊に引き渡したリッグス&マータフ刑事。だが沿岸警備隊は移民を即Uターン送還し、その費用をアメリカの税金で賄ってるとボヤく。それを聞いたマータフ(演じる黒人俳優ダニー・グローヴァーは活動家としても有名)が激怒!「自由の女神像に刻まれた“来たれ自由を求める貧しき民よ”の看板はどうなる?」沿岸警備隊「今は満室につきお断りだ」マータフ「あんたの祖先だって移民だろ!」…熱いぜ!こういう映画見て育ってんだよオレたちは!と叫びたい、めっきり“寒い時代だとは思わんか”な今日この頃です。

【飯森盛良】

KIRA.jpg おまっとさんでした、地域密着系都市型…じゃなくて、おまっとさんでした!夏に当チャンネル、『47RONIN』にかこつけた、フザけきったプレキャンを実施したのをご記憶でしょうか?

47RONINは複数形のsが付いてRONINSとならずに、英語の原題でも47RONINのままですが、なぜ複数形のsが付かないのでしょうか?このクイズに頓智の利いた回答をお寄せいただいた方の中から抽選で(※正解でなくて構いません)四十七士に、素敵なプレゼントが当たる。

 というプレキャンでした。おまっとさんでした!夏にやって冬まで寝かせて本日、結果発表と賞品の発送を同時に行います。おそらく明日、討ち入り当日に当選者のお手元にブツが届く、という粋な心配り。当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきますよ。なんせここに個人情報は晒せませんから。

 ああそれと明日12月14日(水)の13:00~は放送もしますよ。またぜひご覧ください。

 さて、まずは本ですね。

モンタヌス.jpg『おかしなジパング図版帖 -モンタヌスが描いた驚異の王国-』
価格:¥2,052
出版社:パイインターナショナル
著者:宮田珠己

 という素晴らしい図録でして、17世紀後半というから江戸前期ですが、その時代に、日本に来たこともないオランダ人モンタヌスが、出島から漏れ伝わってくる情報から想像だけで描いた日本の絵の数々を紹介している。なんだか、眺めてるうちにクラクラめまいがしてくるような、ドラッギィきわまりない一冊。

 あたらなかった方は各自でご購入ください。

 これが当たった方たちの、トンチのきいたご回答の数々がコチラ。

神奈川県の男性 「47才の浪人の話」


 いいっすね40歳の童貞男みたいで。

 次いってみよ。

足立区の男性 「寺坂が持って逃げて泉岳寺に奉納した!」

 意味がわかんなくて好き。

大阪の女性 「図に乗ってないから」

 図ね。sだけにね。ズだからね。上手い!これはいわゆるひとつの山田君座布団一枚ですな。

世田谷の女性 「SONYのwalkmanが47台あってもwalkmenにならないのと一緒。47roninは世界の登録商標」

 これは新しい問題提起がなされましたぞ。ウォークマンが47台あったら、アメリカ人はそれを何と呼ぶのか!? 本当に絶対ウォーク“メン”にはならないの?47walkmanズ、ともならないのか?深い。深すぎる難題だ。高校の英文法でこんなこと習ったか?

 これ以外にも、たくさんの珍回答をお寄せいただきました。良いやつは全部ここで紹介したいぐらいですが、「紹介しといて当てないのかよ!」と怒りを買いそうなので、感謝の念だけお伝えしておきます。ありがとうございました。

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 続いて塩。赤穂の天塩の当選者です。

天塩.jpg「浪人には塩が必用不可欠だったので、思わず題名のS(ソルト)を食べてしまったのだと思います\(^^)/」

 これも山田く~ん。ですな。

「余りにも低学力の人が浪人を英訳したので、複数形のSを落として発表してしまった。そこで、これを逆に使用してあたかも、意図的な物にしようとしてこんなクイズにしたが、応募数が少ないと、責任を取らなくてはならない。故に人助けを兼ねて、清き一票を投じてる!」


 いや私がタイトル付けた訳じゃないですから。ユニバーサル作品なので天下の東宝東和さんじゃないですかね。まさかして、これもまた、バンボロとかサーカムサウンドとかジョギリショックとかの輝かしき伝統に連なる、一種の東和宣伝マジックなのか!? なわきゃねえか。


 サクサクいきましょう。

「キアヌリーヴスがぼっち好きだから」

「ピンクレディーと同じでSを取った方が響きが良いからです。」

「しまりがある」

 いい感じにフザけてますね。好きです。この調子で、皆さん、かなり頓智が利きすぎております。全部は紹介できませんな。

 もっとナメた回答も、今回のプレキャンに限っては全然ウエルカムでした。以下の5つは個人的にはツボにハマった。MAXナメきってた、いっそ清々しいほどの名回答(普段だと普通ハズれますわな、これじゃ…)。

「つけ忘れた」

「たまたま」

「ミスプリント」

「わからない」

「どうでもいい」

 なにかこう、『47RONIN』という映画のもっている謎なバイブスとシンクロしている気もするので、今回に限りまして、これらも大正解とします。

 合計300件ちかいご応募がありまして四十七士に賞品をお送りしますが、300件ってのは凄い!「頓智の利いた回答寄せてくれ」なんてムチャぶりというかハードル高すぎなお題に対して、よくぞまあ300名様もお付き合いくださいました。誰より企画担当者本人が意外の念でいっぱいです。こんだけハードル高い場合、「47件もこないかもしれない。ま、ネタだからいいけど」と、事前には覚悟していたぐらいです。

 最後に、今回フザけた回答を求めたのですが、正解にまったく触れないというのも、気になっちゃって眠れない人が出るかもしれないので、正解らしき回答も一応ご紹介しときます。

「『七人の侍』も ”Seven Samurai”なので、47RONINも同じようにsがつかないのかなと思いました。」
「ronin, yakuza, policeなどは集合名詞なので複数形もsは付かない。複数形にしたい時は、two members of yakuzaなどとして使う。」

 もっともらしいけど、本当なのか?しかし、本当に正解かどうか当局は一切関知しないのでそのつもりで。なおこのテープは自動的に消滅する。と言いたいところですけど別に消滅しないので、かわりにこの決め台詞で〆させていただきましょう。「信じるか信じないかはあなた次第!」

 それでは皆様、良いお年を。We wish you a merry 義士祭!

文/企画担当 ザ・シネマ飯森
© 2013 Universal City Studios

徳川吉宗.jpg

①のコピー.png11/23(水・祝)公開「ハリー・ポッター」新シリーズファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅にあわせ、主演を務めたエディ・レッドメイン、キャサリン・ウォーターストン、アリソン・スドル、ダン・フォグラー、デイビッド・イェーツ監督、プロデューサーのデイビッド・ヘイマンが来日。11/21(月)六本木ヒルズアリーナで開催されたジャパンプレミア、そして22(火)スぺシャル・ファン・ナイト、11/23(水・祝)初日舞台挨拶と3日間連続で集まったファンの前に登場。会場は大勢のファンたちの大歓声に包まれました。


今回、この「ジャパンプレミア」と「スペシャル・ファン・ナイト」の取材にザ・シネマ特派員もち米が行って参りました!「行きたかった!」そんな皆様のために、スペシャル動画写真付レポートで当日の会場の熱気と感動をお届けできたなら幸いです。




11/21(月) ジャパンプレミア≫ ★*.

降り注ぐ雨も、真冬並みの冷たい風も一瞬で吹き飛ばす声が会場にこだましました。


                           「ルーモス!」(光を灯す呪文)


画像3.jpg集まったファンの掛け声で、会場は美しくブルーにライトアップ!遂に、エディ・レッドメインらキャストたちがレッドカーペットに登場しました。「I love you!」「Eddie!」割れんばかりの大歓声の中、傘を片手に登場したのは本作の主人公ニュート・スキャマンダー役のエディ・レッドメイン。

見てください、この姿。雨の中でも絵になる!まさに水も滴るいい男。気品溢れる佇まいに、穏やかな笑顔。さすが、英国紳士。寒空の下、この瞬間を待ちわびていた大勢のファン1人1人の元へと歩み寄り、丁寧にサインするファン想いな姿に会場のファンはもちろん、シャッターを切っていた筆者も思わずうっとりしてしまいました。




キャサリンのコピー.png続いて登場したのは、アメリカ魔法省に務めるティナを演じたキャサリン。

スクリーンで見るよりも、更にスラリと背が高く、美しい!ドレスの上にコートを羽織って登場されたのですが、生まれてこの方、あんなにロングコートの似合う美女を見たことはありません・・!

凛としたオーラが素敵でした。







アリソンジェイコブのコピー.png


最後に登場したのはティナの妹クィニー役のアリソン・スドル。

そして、本作のメインキャラクター4人の中で唯一の「ノーマジ」(いわゆる“マグル”)のジェイコブを演じたダン・フォグラー。

天使のようなニコニコ笑顔のアリソンに、シャッターを切りながら思わず「可愛い!」と叫んでしまった筆者なのでした(笑)。思わず釣られてしまう屈託のない笑顔はずっと見ていたくなるほど超キュート!

そして、ユーモアたっぷりにファン達を盛り上げ一緒に写真撮影に臨むのはダン。映画の中からそのまま出てきたような優しいダンの周りには、笑顔が広がっていました☺










こうして、会場にさっそく笑顔の“魔法”をかけたキャスト一行が次に向かったのは…メインステージ。そこへニュートさながらトランク片手に登場したのは、本作の宣伝大使を務めるDAIGOさん。

DGのコピー.png


そっとトランクをステージの中央に置くと煙が立ちこみ…

トランクの中からエディが再び登場!映画の世界さながらの粋な演出に会場は割れんばかりの大歓声!背後の扉に向けて「アロホモーラ!(開け)」とエディが唱えると次々にキャストが登場!大熱狂のステージの模様はこちらの➡動画でチェックしてみてくださいね✔

これをつかうdekkaiのコピー.png

11/22(火) スペシャル・ファン・ナイト≫ ★*.


前日のジャパン・プレミアの興奮冷めやらぬままザ・シネマ特派員もち米が次に向かったのは、ファンとキャストたちが交流できるという、夢の「スペシャル・ファン・ナイト」!

図1のコピー.png
グリフィンドールやハッフルパフ、「ハリー・ポッター」の寮生に扮する方から、ドビーのお面をかぶった方まで、思い思いの「ハリー・ポッター愛」に溢れたコスチュームで集った色とりどりのファンで会場はいっぱい。大歓声の中、満を持して登場したエディらも、ファンの姿を見るなり大興奮!「こんな熱い応援があるからこそ、次への映画の閃きが生まれます」とデイビット・イェーツ監督からも感謝の言葉が。



キャストたちが、会場のファンからの質問に直接答えるQ&Aコーナーでは、「お子さんにかけたい魔法は?」、「日本のどんな所に魅力を感じましたか?」、「ニュートのトランクに入ったら中で何をしてみたいですか?」など、粋な質問が。そして3人の回答が、これまたとっても素敵なんです☺ なかでもアリソンの回答には日本人として、思わずうるりと来てしまいましたよ・・・詳しくは是非、動画で見てみて下さいね!



イベントもいよいよ終盤になると、キャスト自らが賞品を手渡しする夢の様くじ引きタイム!さらに、写真撮影ではキャスト自らがファンたちに駆け寄り、ハグするという感動的なシーンも。見ていて思わず目頭が熱くなりました。なんて暖かな光景!ファンの皆様にとって、きっと一生忘れらない1日になったことでしょう☺

図2のコピー.png

こうして、笑いあり!涙あり!の熱い、熱いスペシャル・ファン・ナイトは惜しまれつつ幕を閉じました。ファンの皆さんの真っ直ぐな情熱を間近で見ていて、「ハリー・ポッター」がこの世界にかけた魔法の美しさに改めて感動。同時に、「映画」が大勢の人を結びつけることの素晴らしさも改めて感じる2日間でした!



『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』は、間違いなく今年観るべき1本!新しい魔法の始まりを、ぜひぜひ映画館で目撃してください☺ 座席で仰け反ってしまうほどの迫力の映像はファンタスティックな魔法世界に連れて行ってくれるでしょう!★*。<特派員☺もち米>

saigoのコピー.png

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