映画にはさまざまな「バージョン違い」をもつ作品が多い。そして、その存在理由も多様にしてさまざまである。例えば『ゾンビ』のように、公開エリアによって権利保持者が違ったため、各々独自の編集が施されたケースもあれば、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズや『アバター』のように、劇場公開版とは別の価値を持つものとして、DVDやBlu-rayなど制約のないメディアで長時間版を発表する場合もある。
 『ブレードランナー』もそれらのように、いくつもの別バージョンが存在する作品として有名だ。しかし、先に挙げた作品とは「発生の理由」がまったく異なる。いったいどのような経緯によって、同作にはこうしたバージョン違いが生まれたのだろうか?
 なぜバージョン違いが生まれたのか?
 それは最初に劇場公開されたものが「監督の意図に忠実な作品ではなかった」というのが最大の理由だ。
 映画の完成を定める「最終編集権」は、作品を手がけた「監督」にあると思われがちだ。しかし、その多くは作品の「製作者」が握っており、監督が望む形で完成へと到らないケースがある。『ブレードランナー』もまさしくそのひとつで、1982年に劇場公開された「通常版」は、製作者の権利行使によって完成されたものなのだ。
 当然、それに納得いかなかったのが、監督のリドリー・スコットである。醇美にして荘厳な映像スタイルを自作で展開させ「ビジュアリスト」の名を欲しいままにする希代の名匠。そんな完璧主義の鬼が、自らの意図と異なるものに寛容であるはずがない。そう、もともと『ブレードランナー』は、リドリーの意図に忠実に編集されていたのである。しかし製作側が完成前にテスト試写をおこない、参加者にアンケートをとったところ、以下のような驚くべき意見が寄せられてしまったのだ。
 「映画に出てくる単語や用語が難しい。“レプリカント”って何? そもそも“ブレードランナー”って何なの?」
 「ラストが暗すぎる。デッカード(ハリソン・フォード)とレイチェル(ショーン・ヤング)は、あの後どうなったの?」
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 こうした意見に製作側が戦々恐々となったのは言うまでもない。そして収益に響いては困るとばかりに、編集に修正を加えるのである。「用語が難しい」という問題には、劇中にわかりやすいナレーションを入れることで対応し、そして「ラストが暗い」には、「レイチェルには限られた寿命がなく(レプリカントは4年しか生きられない)、ふたりは生き延びて仲良く暮らしました」とでも言いたげなハッピーエンド・シーンを追加した。
 しかし、今となっては考えられないことかもしれないが、こうした製作側の配慮もむなしく、『ブレードランナー』はヒットには到らなかったのである。
 何が問題だったのか? それは懸念された「内容の難解さや暗さ」ではなく、ダークなセンスこそ光る本作を「SFアクション劇」で売ろうとした製作側の大きな宣伝ミスだったのだ。そして皮肉にも、その退廃的な未来図像や哲学的なストーリーが目の利いた映画ファンから絶賛され、『ブレードランナー』は年を追うごとに注目を集め、マスターピースとしてその名を高めていくのである。
「ディレクターズ・カット/最終版」(1992年)の誕生
 商業性を優先した製作側に、作品を曲解されてしまったとリドリー・スコット監督は考えていた。作品の評価が高まるにつれ、彼は今そこにある『ブレードランナー』が、自分の意図どおりのものでないことにジレンマをつのらせたのである。そして「いつか私の『ブレードランナー』を作る」と、来るべき機会をじっと待っていたのだ。
 そして、ついにその祈願が果たされるときがやってくる。1991年、ワーナー・ブラザースが同作のファンの需要に応え、「通常版」の前のバージョンの公開を局地的に展開していた。そう、リドリーの意向に沿った編集版だ。
 それに対してリドリーは、
 「あの編集バージョンはあくまで粗編集で、未完成のものだ。公開を承認することはできない。これはビジネスの問題じゃなくて芸術の問題だ」
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 と、公開にストップをかけたのだ。そしてワーナーに対し、ある代案を呈示したのである。
「監督である私の意図にしたがい、新たに編集したものならば公開してもいい」。
 この代案が受け入れられ、編集権はリドリーに譲渡される形となった。そしてリドリーは自分どおりの、新たな編集による『ブレードランナー』を発表することになったのだ。それが「ディレクターズ・カット/最終版」である。
「通常版」と「ディレクターズ・カット」、ここを見比べよう!
 監督の意図に忠実な「ディレクターズ・カット/最終版」は、「通常版」に入れられたナレーションをすべて取り払い、そして最後に追加されたハッピーエンド・シーンも削除したバージョンだ。そこには監督の「混沌とした未来像をありのままに受け止めてほしい」という演出プランが息づいている。
 こうした点にこだわりながら、改めて両バージョンを見比べてほしい。ナレーションのない「ディレクターズ・カット/最終版」は、耳からくる情報収集で聴覚を奪われないぶん、視覚を集中して働かせられる。そのため、映像が放つインパクトをより強く受け取ることができるのだ。公開当時、革命的で前代未聞といわれたデッドテックな未来像。その視覚的ショックを、監督の思う通りに実感できるという次第だ。
 さらにリドリーは「ディレクターズ・カット/最終版」に新たなショットを付け加えることで、観客がこれまで抱いてきた『ブレードランナー』の固定観念を覆すことに成功している。それが「森を駆けるユニコーン(一角獣)」のイメージ・シーンである。
 デッカードが見る「夢」として挿入されるユニコーンの映像。それは彼の同僚ガフ(エドワード・ジェームズ・オルモス)が捜索現場に残した「折り紙のユニコーン」と重なり合う。デッカードの脳内イメージを第三者であるガフが知っているということは、「デッカード自身もレプリカントなのでは?」という疑念を観る者に抱かせるのだ。そしてその疑念こそが「ディレクターズ・カット/最終版」の、もうひとつの変更点=“ハッピーエンドの否定”へとリンクしていく。
 「ならば『通常版』は、監督の意図と違うからダメなのか?」
 と訊かれれば、それはノーだ。「通常版」固有のナレーションは、1940?50年代に量産された「フィルム・ノワール(犯罪映画)」や「ハードボイルド小説」のスタイルを彷彿とさせる。『マルタの鷹』や『三つ数えろ』『ロング・グッドバイ』など、主人公が自身の行動や考え、感情をストーリーの流れに沿って口述する文体は、フィルム・ノワール、特にハードボイルド小説の「探偵ジャンル」に顕著なものだ。そうした古来の語り口を介することで、『ブレードランナー』もまた「孤独な主人公が犯罪者を追う」古典的な物語であることを認識させてくれるのである。
 そういう観点からすれば「通常版」は“未来版フィルム・ノワール”として独自の価値を持つものであり、監督が思うほど「ディレクターズ・カット/最終版」に劣るものでは決してないのである。
さらに作品を極めたい?そして「ファイナル・カット版」(2007年)へ
 リドリーは紆余曲折を経て、自分の意向に沿った『ブレードランナー』を世に出すことに成功した。だが、それだけでは満足しないのがアーティストの性(さが)だろう。「さらに極めたものを作りたい」という思いは、完璧主義者としての彼の奥底に深く根を張っていたのだ。
 そうした自身の思いと、多くのファンの作品に対する支持はワーナー・ブラザースを動かした。同社は『ブレードランナー』公開から25周年を迎えるにあたり、改めて同作の権利契約を結び、“究極”ともいえる「ファイナル・カット版」の製作にゴーサインを出したのである。
 「ファイナル・カット版」は、基本的には前述の「ディレクターズ・カット/最終版」をアップデートしたものだ。なので「通常版」→「ディレクターズ・カット/最終版」に見られたような大きな違いはなく、下記のようにディテールの修正が主だった変更点である。
【1】撮影・編集ミスによる矛盾の修正
 撮影ミスや編集ミスで、カットごとに違うものが映し出されるシーン(不統一な看板の文字など)や、または矛盾を生じるセリフの修正などが徹底しておこなわれている。特に代表的なのは、ブライアント(M・エメット・ウォルシュ)がレプリカントに言及するセリフで「(6体の逃亡したレプリカントのうち)1匹は死んだ」としゃべっていたものを、「2匹が死んだ」と変えている場面だ。これはデッカードが追う残り4体のレプリカント(ロイ、ゾーラ、リオン、プリス)の数に合致させるための変更である。
 あるいは修正のために、新たに映像素材を撮影したシーンもある。デッカードに撃たれたゾーラが倒れるシーンで、スタントの代役が如実に分かるミスショットがあるが、ゾーラ役のジョアンナ・キャシディを招いて撮ったアップショットを代役にリプレイスメント(交換)することで解決へと導いている。また人口蛇をめぐってデッカードがアブドルと話すシーンでの、声と口の動きが一致していない問題点には、ハリソン・フォードの実子ベンジャミン・フォード(お父さんそっくり!)の口もとを合成し、同様に解決されている。
【2】特殊効果シーンの一部変更ならびに修正
 オプチカル(光学)による合成ショットのブレや、シーンによって左右反転するデッカードの頬傷メイク、あるいはスピナーが浮上するさいに見える、吊り上げるためのワイヤーなど、ミスや製作当時の技術的な限界を露呈した点がデジタル処理で修正されている。またバックプレート(背景画像)が大きく入れ替えられている部分もあり、たとえばロイの死の直後にハトが飛び去るショットは、前カットとの連続性を持たせるために晴天から雨天へとレタッチされ、下部分に写る建造物も新たにデジタル・ペイントされて、違和感をなくしている。
【3】未公開シーンの挿入
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 デッカードがゾーラを訪ねるシークエンスで、繁華街に登場するホッケーマスクのダンサーなど、未公開だったショットが追加されている。またユニコーンのシーンも1ショット追加され、それにともないデッカードのアップにユニコーンのショットがインサートされる編集処理となり、ユニコーンのシーンはディゾルブ(オーバーラップ)でなくなった。
すべてのバージョンが『ブレードランナー』である !
 そう、1982年の『ブレードランナー』初公開から四半世紀の間に、映画の世界には大きな変革が及んだ。「デジタル技術」の導入により、そのメイキング・プロセスや作品の仕上がりに高いクオリティが与えられたのだ。監督とスタッフは「ファイナル・カット版」作成に際し、オリジナルの本編シーン35mmネガ、そして視覚効果シーンの65mmと70mmオリジナルネガをスキャンしてデジタルデータに変換し、すべての編集や修正をコンピュータベースでおこなっている。
 その結果、同バージョンは「ディレクターズ・カット/最終版」と比較(あるいは「通常版」と比較)しても、とにかく映像の美しさという点で勝っている。デジタルによる高解像度のスキャンによって、これまでの別バージョンに較べて画面の隅々までが明瞭に見えるようになったし、照明効果の暗かった場面の光度や輝度をデジタル処理で上げることで、暗部に隠れた被写体の可視化に「ファイナル・カット版」は成功している。
 また映像面だけでなく、サウンドにおいても微細に加工が施されている。セリフ、効果音、スコアそれぞれのトラックからノイズをデジタルで消去し、それらをリミックスして響きのいい音を提供している。またナレーションを排したために、ところどころで音の隙間が出来てしまった場面においても。スピナー飛行時の通信ノイズや街の雑踏など新たなサウンドエフェクトで補っているのだ。
 こうした丹念な修正作業と、リドリー・スコット監督の執念によって、「ファイナル・カット版」は『ブレードランナー』の“完成型”といえるものに仕上がった。とはいえ、デジタルという態勢下で加工された「ファイナル・カット版」に対し、あくまでフィルムベースで存在する「通常版」「ディレクターズ・カット/完全版」の“映画らしい質感”を称揚する者も少なくない。なにより私(筆者)自身、作家性を重んじる立場から「ファイナル・カット版」に感動しつつも、「最初に劇場公開されたものこそオリジナル」という主義でもあるので、すべてのバージョンを観るたびに心が揺れる。だからどの『ブレードランナー』を支持するかは、観る者の嗜好によって一定ではないだろう。
 しかし、誰がいかなるバージョンに触れたとしても、やはり『ブレードランナー』という作品そのものが持つ「魅力」と「偉大さ」を、改めてすべての人が感じるに違いない。
【3月放送日】
『ブレードランナー』…5日、25日
『ディレクターズカット/ブレードランナー 最終版』…11日、29日
『ブレードランナー ファイナル・カット』…20日、26日
『(吹)ブレードランナー ファイナル・カット』…20日、26日
『デンジャラス・デイズ/メイキング・オブ・ブレードランナー』…5日、20日
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尾崎 一男(おざき かずお)
映画評論家&ライター。「映画秘宝」「チャンピオンRED」「フィギュア王」などに 寄稿。最近の共著として「映画監督 市川崑」(洋泉社)がある。また“ドリー・尾崎”の名義でシネマ芸人ユニット[映画ガチンコ兄弟]を組み、TVやトークイベントでも活躍中。日本映像学会 (JASIAS)会員。
参考資料
(文献)『メイキング・オブ・ブレードランナー ファイナル・カット』ポール・M・サモン著(ヴィレッジブックス・刊)
    『日本版シネフェックス2』特集『ブレードランナー』(株式会社バンダイ・刊)
(映像) Blade Runner The Criterion Collection laser video disc
    『デンジャラス・デイズ:メイキング・オブ・ブレードランナー』

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ミーンミーン(セミ)
ただでさえ暑い夏。もう勘弁してほしい…今日の最高気温は36度。アイスより自分のほうが早く溶けるのではないかと危惧しています。
でもみんな思い出してほしい!死ぬほど暑いときに食べる死ぬほど熱いカレーを!!
噴出す汗、しびれる舌…そして、食べ終わったあとの、あの爽快感!!
 
ガチ・アクション祭りはもうね、カレーなんです!あっついときの、あっついカレー!
CGなんかに頼らない俳優たちの体を張った熱演は、暑苦しいほど!暑い夏をさらにアツくするんです!!
 
ザ・シネマでは劇場新作『オール・ユー・ニード・イズ・キル』や『エクスペンダブル3』、『バトルフロント』との公開記念連動特集、24時間アクション編成、アクションスター総選挙など、夏をアツく盛り上げてきました。
あー、こんな強い男たちに守られたいわ…謎の組織に誘拐されればトム・クルーズ来てくれんじゃねえかなー。
謎の組織落ちてねぇかなー。強くて、イケメンで、渋くて、男らしい…もう海外移住かな。。
 
いやいや、あれ、ちょっと待てよ?! 日本には、あの漢がいる!唯一無二の!そう、あの漢!!  
 
藤岡 弘、!!! 
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ザ・シネマでは現代の侍、藤岡弘、氏を招き、ガチ・アクションとはなにか、
そして「本物」とはなにかを教えてもらう
特別番組を放送!
「本物の男」ってなに!?
おしえてーーーーーーーー!藤岡さーーーーん!!!
  
藤岡氏といえば、俳優にして武道家であり、ハリウッド映画でも活躍し海外からも尊敬される、まさに現代の侍!
スタントを使わず自らアクションをこなすアクション俳優として映画界を牽引してきた「ガチ」の漢であります。
 
今回は、特番『藤岡弘、ガチ・アクションスター道』収録後、藤岡氏にガチに取材。
現代の侍だからこそ語れるアクションスター道とは!?
ここに、そのアツき魂のメッセージを余すことなく紹介いたします。
 
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「己の肉体と精神を磨き続け、絶えず備える」
 
Q.本日の収録を終えられた感想をお聞かせください。
 
A.僕も日本の俳優として今までスタントを使わずアクションをやってきましたから、今日、世界の本物のアクションスターたちについて番組で語り、非常に共鳴する部分が多いと改めて再確認しましたね。
本物を体得した上で、実践で魅せる、すなわち演じるのではなく、成りきる!その緊張感や緊迫感の中でしか生まれない映像があるんです。おかげで僕自身、満身創痍でね、まるでサイボーグですよ。生死を彷徨ったこともあります。

そう思うと、本物のアクションスターとして絶えず挑戦し続けているアメリカの俳優さんには、共感する部分があると強く感じました。本物の映像を見せようとしている向こうのアクションスターたちの生き様が、僕はすごく好きです。日本の若手の俳優さんたちも、ああいう影響を是非受けてほしいなあ。


Q.アクションスターにとって一番必要な条件とは?
 
A.絶えず己の肉体と精神を磨き続け、絶えず備えることです。修行だと思って自分を極限まで鍛え、訓練し続ける。

アメリカの俳優も日常生活の中で、ジムで鍛えたり、馬に乗ったり、実弾射撃をしたりしている。普段から遊びながら訓練しているんですよ。私も海外に行くとまず実弾射撃をしますし、海に潜ったり飛び込んだり、滝業をしたり、山の幸を求めて山に登って山菜を取ったりね。楽しみながら肉体を強化しているんです。
 
それから人間的魅力も必要ですね。国際的視点も歴史的視点も兼ね備えた上で、五感をフル回転させながら、人間とは何ぞや!?と考えていかなければならない。精神や生き様、心のうちにある内面的なものまでも、肉体と同時に鍛えていく。その両面を兼ね備えることが、魅力のあるアクションスターになるためには必要だと思っています。
 
だから私も、実践し身に着けたものを映像に表すという、そういう意識を絶えず持ち続けていますし、この歳でも日々訓練を重ね、自宅の道場でもいつも訓練しています。
 
 
「武の訓練によって身についた型が、身体の中に入っている」
 
Q.ガチアクション総選挙のスターの方たちと藤岡さんの共通点はどこでしょうか。
 
A.やはり普段の生活から訓練しているところでしょうか。実は本物の銃って、ものすごく重いんですよ。たとえ空砲でも、実弾と同じで反動がある。あれを受け止めるためには、腰の構えと中心がとれた足のつっぱりが必要不可欠なんです。無かったら簡単に吹っ飛ばされる。特に機関銃なんかは連射で反動がすさまじい。それを彼らはあの年で持ち応えられるということは、かなり訓練をしているんだろうということが、僕は分かるわけです。
 
あの歳でもちゃんと備えているんだということを見せられると、日本にいて同じ様な歳になることを考えた時、ちょっと不安になりますよね。でも僕は十分耐えられます。それはやっぱり普段、訓練しているからです。
 
たとえば日本刀振るのも、あれだけの重さを片手で長時間振ることができるかどうか。まさかりを振っている様なものですよ。それに耐えられるのは、やっぱり体の中心を取る訓練をしているからなんですよ。
 
うちには何本も真剣がありますけど、それぞれに個性がありますから、斬るものによって刀を変えるわけです。だから、それらをいつも自分の身近にあるものとして、刀を自分の手足のごとく体の一部になるように絶えず触ったりして、訓練を重ねています。サッカー選手がいつもボールを遊びの様に触っているのと同じ感じですよ。
 
体の中には武の訓練が、型が入っているから、いざ何者かに襲われて何かされても、すぐ体が回転して体が左右に動いて対応できるようになっている。普段の訓練、若い時に積んだものはずっと身についていて、いざとなった時に戦えるってことですね。

 
Q.ご自身が好きな海外のアクションスターは?
 
A.いやー、みんな好きだけど、でもやっぱりシルヴェスター・スタローンだね。あの歳でもいろいろな挑戦をし続けて、気迫や気力がすごい!

ミッキー・ロークにしても、あの歳の方たちががんばっていると、年齢じゃなくて、人生に立ち向かう姿勢が重要なんじゃないかなと思うんですよ。日本だとなんとなく「おさまっていこう」という感じになってしまう人が多いんじゃないかと思うけどね、それも分かる部分はあります。でも立ち向かう挑戦的な気力やパワー、エネルギーを感じさせてくれる俳優さんがどんどん増えるといいなと願っています。


「若者よ、もっと雄雄しくなれ!戦闘モードの危機感を持て! 」
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Q.日本だとアクション俳優はいても、アクションスターが育っていない様に思うのですが?
 
A.今の芸能界には、もっと面白くもっと視野広く楽しませる映画を提供しよう!という姿勢が足りないのではないかな。芸術作品にのみ集中しすぎているのではないかと思います。僕はもっと色々なものがあっていいと思うんですよ。
 
そういう事に夢を持つ若い俳優さんがどんどん挑戦したくなるような、夢に向かいたくなるような、そういう現場を見せてもらえれば、もっと多く若者が映画界を目指すんじゃないですかね。
 
僕としては、魅力ある映像界をもう一回再現してもらいたい。いろんな映像があっていいんだからさ。僕はそういうものを絶対に失ってほしくないと思っています。
 
 
Q.なぜ若手の俳優はアクションをしなくなったと思いますか?
 
A.やっぱり時代のせいなのかなぁ。日本という国はあまりにも平和すぎて、甘えられる環境がありすぎて、危機感を感じられない気がします。世界はそんな甘くないですよ。現実は容赦がなく、本当に厳しい。だから若者には、もっと雄雄しくなってほしい。戦闘モードの危機感を持ってほしい。そして今の社会情勢をもっと意識してほしいと思いますね。

さらには、人生に立ち向かう姿勢を持てるように、刺激的な場がもっと多くなってほしい。あれもダメ、これもダメと規制や押さえつけばかりではなくて、もっと楽しく、自由に己の個性を発揮できるような、そういう場を与えてあげたい。僕としても、のびのびと自己挑戦の旅を与えられるような、そういう魅力あるシチュエーションをもっともっと作ってあげたい。
 
 
「あの時の失敗は今日、活きている」
 
Q.今まで「こういうことが辛かった」「今の時代だったらできないだろうが、こんな危険なことがあった」というエピソードは?
 
A.ビルからビルへと飛び移ったり、カースタントでジャンプしたりスピンしたり、バイク事故で30m吹っ飛んだり、馬が自分の上を全速力で飛び越えていったりとかね…。馬の事故のときは、自分が転がっている真上を、馬が越えて行った時、風を感じた。あとちょっとで死んでいたなと思うことは何度もありますよ。そういう危機を何度も越えてきたのだから、自分は相当運がいいなと思っています。

でも、それらは次なる挑戦の時に必ず役に立ちます。その危機体験を体が覚えているんですよ。あの時の失敗は今日、活きている。

 
Q.恐怖を乗り越えるにはどうしたらいいんですか。
 
A.僕は、失敗して、怪我して、そういった苦渋を越えて、強くなりましたね。自分の心を強くするために、やっぱり武道というのは最強です。自分を追いつめて、追いつめて心が強化されていくんです。


Q.今後の藤岡さんのビジョンはありますか?
 
A.同じ目的と共通の価値を共有する者同士が、俳優・スタッフ・監督、制作団体がすべての枠を超えて集まって、ものを作る。そういう現場が欲しい。そして、日本人としての誇りを持って海外にも立ち向かいたい。さらに日本映画も復興してもらいたい。それが私の願いですね。

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見よ、この熱量!! これぞ本物の証!!!
独特の視点で語る熱いアクション談義に、取材会中も常に圧倒されっぱなし。邪念ばかりの私、藤岡氏の言葉ひとつひとつに背筋が正される思いでした。
 
特番『藤岡弘、ガチ・アクションスター道』でも、アクション俳優の体の張ったアクションの魅力を余すことなく紹介!番組でもハリウッド・スターについて語る藤岡氏の熱きメッセージは必見です!
 
オンエア情報はこちら!ぜひぜひお見逃しなく!
 
(おふとん)

「特集:映画の中のリゾート」ガイド

 

物語を魅力的に彩る隠れた主役、それは「街」。それまで知らなかった街の表情、匂いを映画から感じることは、映画の楽しみ方のひとつです。ザ・シネマでは、世界各地のリゾートを舞台にした『マンマ・ミーア!』『食べて、祈って、恋をして』など6作品を、「映画の中のリゾート」と題して6/16(月)-20(金) [再放送] 6/23(月)-27(金)に特集放送!

 


マンマ・ミーア!』は、伝説のポップグループABBAの大ヒットナンバーでつづられた、最高にハートフルなミュージカル映画!結婚式を目前に控えた20歳の娘・ソフィと、メリル・ストリープ演じる母親のドナ、そして父親を名乗る3人の男性が繰り広げる騒動を描いた作品です。

舞台は、ギリシャの架空の小島・カロカイリ島。撮影の多くはエーゲ海に浮かぶ美しいリゾート地・スコペロス島で行われました。澄み切った海と白い砂、松やオリーブの木にいだかれたこの美しい島は、隠れ家的なリゾートとして、世界中の人々に愛されている場所。ソフィや婚約者のスカイたちが砂浜で激しく踊るシーン、ドナの親友・ターニャと島の若者のダンスシーンなど、美しい海辺の場面が撮られたのは、島の西側にあるカスタニビーチ。透明な海に浮かぶ印象的な桟橋は、撮影時に特別に作られたということです。ギリシャの青い空と海、そしてさんさんと降り注ぐ明るい太陽の下で繰り広げられる名シーンの数々は、見ているだけでハッピーな気分になれること請け合いです! 

 

<『マンマ・ミーア!』桟橋シーン>                          <「スコペロス島」の風景>                  

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【「スコペロス島」プチ情報】
スコペロス島は、エーゲ海北西部のスポラデス諸島にあるギリシャの島。スコペロスはギリシャ語で「岩」の意味だが、肥沃な土地で緑も多く、アーモンドの産地として知られている。島内には350もの教会が点在している。

 

【アクセス方法】
日本からは、ヨーロッパの都市を経由してアテネへ向かい、国内線でスキアトス島へ。スキアトス島からスコペロス島へは船で1時間。(ほかに、ヨーロッパの都市からスキアトス島への直行便もある)ギリシャ中央に位置する港町・ヴォロスからスコペロス島へは船で2時間ほど。

 

 

 

食べて、祈って、恋をして』は、ジャーナリストとして活躍するヒロインが、離婚と失恋の後に、自分を見つめ直すために出かけた旅の日々を描いた作品です。

おいしい料理を堪能したイタリア、ヨガと瞑想に励んだインド…そしてジュリア・ロバーツ演じる主人公のリズが旅の最後に訪れたのが、「神々の島」と呼ばれるインドネシアのバリ島。彼女が過ごしたのが、バリ島の文化の中心地でもある山あいのリゾート地・ウブドです。ウブドでは稲作が盛んで、あちこちで青々とした美しいライステラス(棚田)を見ることができます。さらにはジュリアが颯爽と自転車で通り抜けるヤシの林、野生の猿が200匹も生息するという自然保護区「モンキーフォレスト」など、あふれる豊かな自然が人々を癒してくれるんです。パワフルなウブドの生活を肌で感じたければ、村のランドマーク、お土産や雑貨が揃う「パサール・ウブド」もはずせません! 見ているだけでリゾート地・バリ島の空気を満喫出来る、オススメの一本です!

 

<『食べて、祈って、恋をして』美しいライステラスシーン>         <「バリ島」>  

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【「ウブド」プチ情報】
ウブドは、バリ島中部にある古くからのリゾート地であり、バリ文化の中心地。ガムラン、バリ舞踊、バリ絵画、木彫り、石彫り、銀細工など、あらゆるバリの芸能・芸術を堪能出来る。豊かな自然でも知られ、素朴な田園風景や渓谷も大きな魅力。

 

【アクセス方法】
日本からはバリ島・デンパサール国際空港へ。空港から車で1時間。南部のリゾートエリアのクタまで車で1時間。さらにヌサドゥアから車で1時間半。

 

 

 

黒いオルフェ』は、ギリシャ神話の悲劇「オルフェウス伝説」を、現代のブラジルによみがえらせ、カンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた名作です。

舞台は、今年2014年、サッカーワールドカップが開催される情熱の街・ブラジルのリオデジャネイロ。作品では、この地で行われる世界最大の真夏の祭典・リオのカーニバルを軸での出来事が描かれています。

カーニバルは世界各地で行われていますが、その中でリオのカーニバルはもっとも熱狂的といわれています。年に一回、2月から3月上旬、土曜日から火曜日にかけての4日間にわたって繰り広げられるこのカーニバルには、世界中から観光客が押し寄せます。お目当ては、ほかでは体験できないダイナミックな音楽とリズム、そして華やかな衣装であふれるパレード!この作品では、随所に実際のカーニバルの映像が使われ、サンバのリズムに合わせて歌い、踊る人々の熱気がスクリーンから伝わってきます。地球の裏側で行われる華麗なカーニバルの気分を楽しむにはもってこいの映画です。

 

<『黒いオルフェ』リオのカーニバルシーン>                    <「リオのカーニバル」>

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【「リオデジャネイロ」プチ情報】
リオ・デ・ジャネイロは、サン・パウロに次ぐブラジル第二の都市。華やかなカーニバル、ビーチリゾート、世界三大美港のひとつと言われるグアナバラ湾の景観などで知られる観光地。2014年のサッカーワールドカップ、2016年の夏季オリンピックの開催地にも選ばれた。

 

【アクセス方法】
日本からはアメリカやカナダ、ヨーロッパの都市を経由してリオデジャネイロ国際空港へ。所要時間は25〜30時間ほど。

 

 


マレーナ』は、第二次大戦中のシチリア島を舞台に、悲劇的な運命をたどる女性・マレーナの生き様を、彼女に恋する少年の目を通して描いた人間ドラマです。

撮影の多くが行われたのは、地中海のリゾート・シチリア島にあるシラクーサ。美しいリゾート地として知られると同時に、3000年以上の歴史を持つ古都の魅力も持ち合わせています。随所に見られるギリシャ・ローマ時代の遺跡の多くは、2005年、世界遺産にも登録されました。シラクーサは、大きな橋をはさんで、新市街と旧市街のオルティージャに分かれています。オルティージャは、町の発祥の地といわれ、石造りの建物が立ち並ぶ風情あふれる場所です。オルティージャの中心にあるのが、街のシンボル・ドゥオーモ広場です。バロック様式の荘厳なドゥオーモが見下ろすこの広場は、少年がモニカ・ベルッチ演じるマレーナの思い出を心に刻み付ける印象的な場所として登場します。ゆったりとした時間が流れるロマンチックなリゾート・シラクーサを、作品を通じて味わってみては?

 

<『マレーナ』のワンシーン>                             <「シラクーサ  ドゥオーモ広場」>

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【「シラクーサ」プチ情報】
シラクーサは、イタリアのシチリア島南東部に位置する都市。古代ギリシャ時代にアテネと共に繁栄を誇ったと言われ、数学者アルキメデスの生地でもある。太宰治の『走れメロス』の舞台としても知られる。ギリシャ・ローマ時代の遺跡が数多く残り、世界遺産にも認定された。


【アクセス方法】
日本からはローマ、ミラノ経由でシチリア島のカターニャ空港へ。空港からシラクーサへはバスで1時間20分ほど。

 



フレンチ・キス(1995)』は、旅先で恋に落ちた婚約者を追いかけて、フランスをめぐるアメリカ人女性を描いたロマンチック・コメディです。

メグ・ライアン演じる主人公・ケイトが、詐欺師のリュックと一緒に婚約者を追いかけた先は、南仏のカンヌ。国際映画祭が開催される街としても世界的に知られています。カンヌをふくむ地中海に面した一帯は「コート・ダジュール」=「紺碧海岸」と呼ばれ、その名の通り、紺碧の海に明るい太陽がふりそそぐ、ヨーロッパ随一のリゾート地!ケイトが大騒動を巻き起こすのが、カンヌの中心にそびえ立つセレブ御用達の豪華なリゾートホテル、インターコンチネンタル・カールトン・カンヌ。映画祭の開催期間中は著名な映画人がこぞって宿泊するとか。美しい建物とビーチ。その明るく開放的な空間が、ケイトとリュックの距離を急速に縮める大きな役割を果たしていると言えそうです。恋も実る憧れのリゾート、コート・ダジュール。あなたもぜひ一度、映画で体験してください。

 

<『フレンチ・キス(1995)』様子を伺うメグ・ライアン>              <「コート・ダジュール」>

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【「カンヌ」プチ情報】
カンヌは、フランス南東部の地中海に面する都市のひとつ。もともとは小さな漁港だったが、今ではヨーロッパ有数のリゾート地として知られる。毎年5月のカンヌ国際映画祭の開催地として世界的に有名。

 

【アクセス方法】
日本からは、ヨーロッパの都市を経由してニース・コート・ダジュール国際空港へ。空港からカンヌへは車で1時間程度。

 

 

 
太陽がいっぱい』は、アラン・ドロン演じる貧しい青年・トムが大富豪の放蕩息子・フィリップをねたんで犯罪を計画、彼になりすまして財産を奪おうと画策するサスペンス映画です。
フィリップが住むというモンジベロは架空の町。撮影の多くは、ナポリ湾に浮かぶイスキア島で行われました。イスキア島は、青い海と輝く太陽、そしてリラックスを求める人々でにぎわう大人気のリゾート地です。この島に来たらはずせないのが、地中海の豊かな自然を満喫できるクルージング!トムとフィリップもヨットで美しい海へと繰り出しますが、眩しく明るい陽光と、その下で行われる恐ろしい犯罪が、見事な対比を生み出しています。魚市場の場面は、「ナポリを見て死ね」と言われるほど風光明媚な港町・ナポリで撮影されています。人々の活気と彩りに満ちた市場で、アラン・ドロンの持つ影と、憂いを帯びた美しさが際立つ名シーンが生まれました。スリリングな犯罪と一緒に味わう地中海の明るい大自然、いつもとひと味違うリゾート体験ができるのでは?

 

<『太陽がいっぱい』ヨットのワンシーン>                        <「イスキア島」>

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【「イスキア島」プチ情報】
イスキア島は、イタリア・ナポリ湾内で一番大きな島。火山活動で出来た島で、別名「緑の島」と呼ばれるほど自然が豊か。至る所にわく温泉でのんびりできるほか、ビーチも楽しめる人気のリゾート地。


【アクセス方法】
日本からは、ローマやミラノ経由でナポリ・カポディキーノ空港へ。ナポリ港からイスキア島へは高速船で50分ほど。

  

 

特集:映画の中のリゾート  詳しくはこちら

※6/16(月)-20(金) [再放送] 6/23(月)-27(金)

 

 

『マンマ・ミーア!』© 2008 Universal Studios. All Rights Reserved.『食べて、祈って、恋をして』© 2010 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.『黒いオルフェ』ORFEU NEGRO ©1959 Dispat Film. All Rights Reserved.『マレーナ』© 2000 Medusa Film spa—Roma『フレンチ・キス(1995)』FRENCH KISS ©1995 ORION PICTURES CORPORATION. All Rights Reserved『太陽がいっぱい』© ROBERT ET RAYMOND HAKIM PRO. / Plaza Production International / Comstock Group

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ッコ良すぎる車たちが大活躍するアメリカ映画(『マッドマックス』はオーストラリア映画だが)。そんな作品を揃えた2月の特集「ハリウッド名車カタログ」にあわせ、特別寄稿が実現!アメリカン・カーライフ・マガジン『月刊エーカーズ』の守屋明彦副編集長が、各作品の隠れた主役と言っても過言ではない名車たちについて、アメ車のプロの観点から深く語り尽くす!


■72年型フォード・グラントリノ・ファストバック

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 昨年夏、ミシガン州デトロイト市の財政破綻が報じられた。デトロイトの周辺都市はアメリカの自動車メーカー、いわゆるビッグスリーとともに発展してきたが、自動車産業の斜陽化、製造工場の移転などにより衰退。デトロイト=モーターシティとして世界的に認識される一方で、80年代以降はダウンタウンのスラム化や犯罪率の高さなど、その治安の悪さでも広く知られるようになった。そんな“斜陽の街”と“人生の晩年”を重ね合わせたのがこの作品であり、主人公もデトロイトの華やかなりし時代を知る元フォードの従業員という設定で描かれている。そして、その主人公が大切にしている愛車として登場するのが、作品タイトルにもなっている72年型フォード・グラントリノ・ファストバックである。

 作品を見ればすぐにわかることだが、ルーフからリアエンドへとなだらかな曲線を描くクーペボディこそがファストバックと呼ばれる形状である。敢えて車名の後にボディ形状を書いたのは、この72年型グラントリノにはこの他にも2ドア・ハードトップやステーションワゴンといったボディ形状が用意されていたからだが、作品中で主人公がグラントリノを眺めながら「美しい……」とつぶやくシーンは、やはりこの流麗なファストバックがそこにあってこそだと思う。

 作品中、この車両の細かな仕様について描かれている部分はほとんど見当たらない。だが、街のギャングたちが羨望の眼差しで「コブラジェット」とつぶやくシーンから351cu.in.(※1)のコブラジェットV8エンジンを搭載していることだけはわかる。コブラジェットとは強制吸気システムに対するフォード固有の呼称で、簡単に言ってしまえばハイパフォーマンス・エンジンを意味する言葉。そして72年型グラントリノに用意された数種類のエンジンの中で、コブラジェット・エンジンは351が唯一だったのである。

 ただ、前年の71年型グラントリノにはこれよりも断然パワーのある429cu.in.のコブラジェットV8が用意されていた。実は72年型というのは排ガス規制を先取りしてアメリカの自動車メーカーが一斉にエンジン出力を低下させ、多くのハイパフォーマンス・エンジンが内容を変えたり、その存在自体が消えたりしたモデルイヤーでもあった。429コブラジェットから351コブラジェットへと変化したのも、その影響と言っていいだろう。

 60年代からビッグスリーが派手に繰り広げてきたエンジン出力競争、マッスルカーの時代が終焉を迎えたモデルイヤー。72年型の背景にあるそんな物寂しさもまた、この『グラン・トリノ』という作品に欠かせない演出に思えるのである。

※1 cubic inches。近年はリットル表記も増えてきてはいるが、古くからアメリカ車のエンジン排気量はキュービックインチ=立方インチで表記されることが一般的。ちなみに351cu.in.は約5.7リットルで、429cu.in.は約7.0リットル。


■67年型シェルビーGT500

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 伝説的な自動車泥棒を主役とした本作はリメイク作品であり、その元となった74年公開の『Gone in 60 seconds』(邦題は『バニシングIN60”』)も、以前から日本のアメリカ車ファンの間では語り草の作品だった。物語の準主役とも言えるのが最後の盗みのターゲットとなるエレノアだが、旧作ではイエローの73年型フォード・マスタング・マック1、そしてリメイクの本作では67年型シェルビーGT500となっている。

 このシェルビーGT500は、ル・マン24時間などでも活躍したアメリカ人ドライバー、キャロル・シェルビー率いるシェルビー・アメリカンがフォード・マスタングをベースに製作、販売した車両。最高出力355hpを発揮する428cu.in.V8エンジンを搭載し、細部の仕様も通常のマスタングよりレーシーな内容で仕上げられている。だが、当時シェルビーは同じマスタングをベースとしながらも更にハードコアな内容のGT350もラインナップしており、それと比較するとエアコンやオートマチック・トランスミッションを選択できるなどGT500の方がよりストリートでの使用を考慮した内容となっていた。

 そもそもGT350はレースでの使用を前提に開発されたモデルであり、GT350/GT500ともに現在言われるマッスルカーの代表的なモデルとして認識されているが、シェルビー・アメリカンが製作したスペシャル・モデルだけにその製造台数は少なく、この67年型GT500の製造台数は2000台程度、GT350はその半分程度でしかない。そうしたことから希少性が高く、特に2000年代に入ってからその価値は急騰。現在では10万ドルオーバーは当たり前で、その2倍、3倍する個体も珍しくなく、コレクターカーとしても代表的なモデルとなっている。そんなクルマがド派手なカーチェイスを繰り広げるのだから否が応にも注目は高まる訳で、この作品のエレノアにGT500をチョイスしたのは大正解だったと思う。


■68年型ビュイック・スカイラーク
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 2011年の作品ながら、舞台は1979年のオハイオ。ストーリー的に目立つアメリカ車と言えば、ヒロインであるアリスの父のクルマである68年型ビュイック・スカイラークや、物語終盤で主人公たちの力になってくれる写真屋のダニーが乗る72年型ポンテアック・カタリナなどが挙げられるが、マニア的な視線で見ていると何気ないシーンに出てくるクルマたちが妙に気になる作品でもある。

 特に物語中盤で出てくる中古車店のシーンでは初代フォード・マスタングやシボレー・エルカミーノなどが並び、フロント・ウィンドウに3299ドルという価格が書かれた68年型シボレー・カマロの姿があったと思ったら、通りの向こう側には68~69年型あたりのフォード・トリノが見えたり。さらに別のシーンでは71年型のトリノが横切っていったり、先述のアリスの父親が乗るスカイラークがAMCペーサーに突っ込んでいったり…。

 1979年の光景を描くにあたって自動車を非常に有効的に活用しているこの作品、アメリカ車のファンなら細部のディテールまで楽しめること請け合いだ。


■71年型プリマス・バリアント
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 スティーブン・スピルバーグの出世作となったこの作品。いまひとつ冴えないごく普通のサラリーマンが運転するクルマが、道中で追い抜いたトレーラー(50年代~60年代のピータービルド281)に執拗に追いかけられるというストーリーだが、ことクルマに関して言うならば、主人公の乗るクルマに71年型プリマス・バリアントをチョイスした点に尽きるだろう。

 プリマスはクライスラー社のブランド。71年当時のクライスラーはインペリアル、クライスラー、ダッジ、プリマスと4ブランドを抱えていたが、そのうち最も大衆的な立ち位置にあったのがプリマスだった。そして71年型プリマスのラインナップで最も安い価格帯にあったのがコンパクトカーのバリアント。つまり敢えて最も大衆的なブランドの最もチープなモデルを起用することによって、主人公の“冴えなさ”と“普通”という部分をクルマで表現しているのだ。

 当時ライバルメーカーが販売していた同等のクルマを挙げればシボレー・ノバ、フォード・マーベリックあたりになるだろうが、バリアントと比較すると、どちらも洗練され過ぎていて違う気がするのである。


■63年型キャデラック・エルドラド・ビアリッツ

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 『激突』の主人公を表現しているのが71年型バリアントならば、この『48時間』はヤレた63年型キャデラック・エルドラド・ビアリッツが主人公を表現。巨大なボディのコンバーチブルは見るからに安っぽい水色でリペイントがなされており、無骨で野暮ったい白人の刑事という役柄に巧くマッチしている。

 アメリカ人は伝統的にコンバーチブルを好む傾向にあり、60年代から70年代にかけては多くのモデルがボディバリエーションにコンバーチブルを設定していた。だが70年代に入って衝突時や転倒事故(ロールオーバー)時の乗員保護という観点からコンバーチブルは危険という声が高まり、76年型のキャデラック・エルドラドを最後にビッグスリー全てがコンバーチブルの製造を休止した。

 アメリカ車にコンバーチブルが帰ってきたのは82年型のクライスラー・ルバロンからで、キャデラックでは84年型エルドラドから復活。そしてこの作品がアメリカで公開されたのは82年末のこと。そんな時代背景を踏まえて見れば、コンバーチブルを愛する主人公がまた少し違って見えるかもしれない。


■73年型フォード・ファルコンXB
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 『マッドマックス』と言えば、主人公の最終兵器として登場したインターセプターに尽きるだろう。ベースは73年型フォード・ファルコンXBだが、フォードと言ってもアメリカではなくオーストラリア・フォードのモデルなので念のため。

 だがそれでも、この映画が日本の自動車ファン、特にアメリカ車のファンに与えたインパクトは絶大だった。

 真っ黒なボディ、不気味なフロントマスク、エンジンフードから頭を突き出したウェイアンドのブロワー(=スーパーチャージャー)。その姿に衝撃を受けて、アメリカ車に興味を持つようになったという人は想像以上に多い。

 このインターセプターを実車で再現した例もオーストラリアを中心に世界各地で見られ、その影響は世界規模である。




■67年型ポンテアックGTO
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 主人公の愛車として活躍するのは、いわゆる縦目4灯のフロントマスクが時代を感じさせる67年型のポンテアックGTO。年式を問わず日本での馴染みはいまひとつのGTOだが、アメリカでは現在に至るまで非常に高い人気を得ているモデルである。

 このGTOがデビューしたのは64年で、安全性の問題から当時のゼネラルモーターズの規定ではミッドサイズには積めないことになっていた大排気量の高出力型エンジンを強引に搭載してデビューした。そんなことからマッスルカーの元祖的に語られることもあるが、そもそもマッスルカーという言葉自体が後の時代に生まれたもので、そこに明確な定義があるわけではなく、そのルーツも諸説あるのが実情だ。

 ちなみに、このGTOの開発時にポンテアックの責任者の立場で会社に無理を押し通したのはジョン・Z・デロリアン。後の時代に独立し、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で広く知られるデロリアンことDMC12を生み出した人物である。


(文/『月刊エーカーズ』副編集長 守屋明彦)
『グラン・トリノ』©Matten Productions GmbH & Co. KG/『60セカンズ』©Touchstone Pictures/『SUPER 8/スーパーエイト』© 2013 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved./『マッドマックス』© Crossroads International Finance Company, N.V./『トリプルX』2002 Revolution Studios Distribution Company, LLC. All Rights Reserved.


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毎年恒例バレンタイン特別企画!!今年もLAの旬なアイテムが詰まったセレブ感満載のギフトセットを直送便でお届け!!今年はLAならではのスポットと絡めてプレゼントをご紹介。LAの「旬」をレポートします!!

 

セレブのボディは一日にして成らず!
あの曲線美や割れた腹筋の陰に隠されているのは、日々のたゆまぬ努力。美貌維持のため、エクササイズから食事まで徹底したヘルシーライフを追及するセレブは、アンジェリーナ・ジョリー、グウィネス・パルトロー、ジェシカ・アルバ、マドンナなど数知れず。

そこで、今年のバレンタイン特別企画レポートでは、美容・健康に敏感なLAのセレブ的ヘルシーライフをご紹介。さらに、お洒落に、そして楽しみながらのヘルシーライフにピッタリなグッズをLAから直送!

 

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                                                                                          【SoLA ビーチタオル】

 

エンターテイメントにスポットが当たりがちなLA、でも実は豊かな自然も魅力の一つ。
海でサーフィンをして、そのまま雪山でスキーなんてことも。とにかく手軽にエクササイズを楽しめる環境が整っているのだ。

溢れる日差しの下、海を眺めながらのエクササイズは気分爽快。ここサンタモニカには、ウォーキングからサイクリング、ヨガまで様々なアクティビティに励む人々の姿が。鉄棒などの器具が揃ったトレーニング場もあり、鍛え抜かれたボディに沢山お目にかかれる。

そんなビーチシーンには、大ぶりサイズが便利なSoLAのタオルをピックアップ。汗を拭うもよし、砂浜にひいて休憩するもよし。

 

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                                       【Sundry タンクトップ+スウェットパンツ】

 

豪邸が立ち並ぶハリウッドヒルズの公園にあるハイキングコースは、いわばセレブ御用達の屋外フィットネスクラブ。シャーリーズ・セロンやジャスティン・ティンバーレイクなど、セレブ目撃率も高く、なるほど見回せばスタイル抜群のモデルや俳優の卵らしき人の多いこと。初心者から上級者まで自分に合わせたコースが選べ、無料ヨガレッスンを受ける事も可能。さらに犬の散歩にも最適ということで、平日の昼間から公園は大賑わい。息を切らしながら登った先には、ハリウッドサインからグリフィス天文台、ダウンタウン、海までを一望できる絶景が迎えてくれる。ここまで辿りつくには歩きやすいスニーカーがあれば大丈夫。服はSundryのタンクトップとスウェットパンツがおすすめ。メイドインUSAの素材は肌触りがよく、気もちいい汗を流すのにぴったり。

 

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美容と健康は食生活から。スムージー?いえいえ、最近LAで熱いのはコールドプレスジュース。栄養成分を破壊しない手法で抽出されたこのジュースを飲めば、デトックス効果も抜群ということで、ハリウッドセレブ達がはまったのがジュースクレンズ。その影響でLAのお洒落界隈にも次々とジュースバーがオープン。ヘルシーライフの代名詞、Whole Foodsスーパーでも着実に棚面積を拡大している。継続したヘルシーライフのために、大抵のジュースバーに自宅配送サービスがあるのも最近の特徴。中には500ml弱で10ドル近いものもあり、ちょっと値は張るけれど、セレブボディ実現のためには投資も必要?人気は、アン・ハサウェイがパパラッチされたearthbar、チャニング・テイタムやドリュー・バリモアらを顧客に抱える栄養士、キンバリー・スナイダーが始めたGlow Bioなど。

 

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【ファーマーズマーケット】

食生活のもう一つのセレブキーワードはオーガニック。Whole Foodsもいいけれど、スーパーマーケットよりも豊富なオーガニック食材が手に入り、作り手の顔が見えるファーマーズマーケットは、健康志向のセレブを惹き付けてやまない。そして、そんな時でもパパラッチされてしまうのがセレブ。どんな時だって気を抜けない、それがセレブの宿命。もしかして、この気の抜けなさが、引き締め効果の秘密かも。

 

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【左:ビバリー・ウィルシャー 右上:Beverly Hills Candle 右下:Dayna Decker】

頑張った後はご褒美だって欲しい。リラクゼーションで美貌に更に磨きをかけるのは、ビバリーヒルズのど真ん中にそびえる高級ホテル、ビバリー・ウィルシャーで。この名前、ピンとくる映画ファンも多いのでは。そう、現代のシンデレラストーリーを描いてジュリア・ロバーツの出世作となった「プリティ・ウーマン」の舞台にもなったのがこのホテル。ここでは、バラエティ豊かなスパ・エステメニューを提供。オンとオフを上手に切り替えるのが、ヘルシーライフを持続させる秘訣でもある。ホテルで使われているBeverly Hills CandleDayna Deckerのキャンドルで、ラグジュアリーな雰囲気を家にお持ち帰り。

 

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【左:ビバリー・ヒルトン・ホテル 右上:ビバリー・ヒルトン・ホテル ポーチ 右下:Jan Lewis バングル】

さあ、リラックスした後は、いよいよそのボディを披露する本番。セレブが日々努力するのも、全てはスクリーンで、そしてレッドカーペットで誰よりも輝くため。今月のゴールデン・グローブ賞授賞式では、そんな俳優業の厳しさを物語る一コマが。20キロ以上の減量で役作りにのぞんだ「ダラス・バイヤーズクラブ」で主演男優賞を受賞したマシュー・マコノヒーに、司会のティナ・フェイとエイミー・ポーラーが一言——減量なんて女優は毎日やってる事なのよ!

さて、毎年そんなゴールデン・グローブ賞の会場となるビバリーヒルズのビバリー・ヒルトン・ホテルからは、バスローブ地が気持ちいいポーチを。また、華やかな授賞式で気になるのが、ノミネートセレブに会場で配られるギフトバッグ。中身は、リゾートアイランドへの旅からマタニティウェア、本、エステサービス、メイプルシロップまで実に様々。そこで今回は、総額4万5000ドルだったという去年のアカデミー賞授賞式のギフトバッグから、Jan Lewisのハンドメイド・バングルをセレクト。キュートな柄と形のバリエーションが魅力的。

この他にもセレブのヘルシーでラグジュアリーなライフを感じるグッズとして今回選んだのはこちら。

 

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【左から Clair Vivierジュエリーケース Nene Californiaクラッチ Victoria’s Secretイヤフォン】

さあ、貴女もハリウッド・セレブをお手本に理想のスタイルを手に入れて、意中のハリウッド・スターを振り向かせよう!

*実際の商品の柄・色などは写真と異なることがありますので、あらかじめご了承ください。

 

【紹介したブランド・店舗のアドレス】

SoLA (Kitson)
115 S. Robertson Blvd., Los Angeles, CA 90048

 

SundryおよびNene California (Ron Herman)
8100 Melrose Ave., Los Angeles, CA 90046

 

earthbar
8365 Santa Monica Blvd., West Hollywood, CA 90069

 

Glow Bio
7473 Melrose Ave., Los Angeles, CA 90046

 

Beverly Wilshire Hotel
9500 Wilshire Boulevard, Beverly Hills, CA 90212

 

The Beverly Hilton
9876 Wilshire Boulevard Beverly Hills, CA 90210

 

Clair Vivier
3339 West Sunset Blvd., Los Angeles, CA 90026

 

Victoria’s Secret
328 N Beverly Dr., Beverly Hills, CA 90210

 

(ザ・シネマ LAオフィス/Nao)

読書の秋?!食欲の秋?!いえいえ、なんと言ってもファッションの秋!!

ザ・シネマでは10月に「ファッションが主役!」とも言える映画を特集いたします!!

 

題して

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第1弾として、音楽誌、女性誌、情報誌で活躍され、ザ・シネマでも「スイーツ・イン・ザ・シネマ」の連載でお馴染みの映画ライター・よしひろまさみちさんに、「映画はファッションの教科書!」で放送する作品と「アカデミー賞」の関係を解説して頂きました!!

 

レッドカーペットでのセレブの着こなしに目が行きがちな「アカデミー賞」ですが、受賞作品中のハイセンスなモードは普遍的な「ファッションの教科書!」になること間違いなしです。

 

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(文 / よしひろまさみち) 

 

年に一度の映画界最大の式典といえばアカデミー賞授賞式。その年最高の映画が決まるとともに、その時を代表するセレブ達のトップが決まる授賞式でもある祭典でもある。

 

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そこで注目したいのは、そのときどきを刻む衣装。授賞式当日のセレブ達のきらびやかなドレスもそうだけど、最優秀衣装デザイン賞を受賞した作品は、有名デザイナーがデザインした衣装がズラリ。

 

たとえば、古くは1956年の『泥棒成金』は、『ローマの休日』などの衣装デザインを担当したハリウッド映画衣裳デザインの第一人者であったイデス・ヘッドが担当(彼女は衣装デザイン賞を8回も受賞している)。

 

衣装をポイントにして映画を観ると、その時代のトレンドや、描かれた時代の再解釈、そしてデザイナーの本気が見えてくる。


 

 

 

 

 

 

 

 

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忘れられないのが、1977年の大ヒット作『サタデー・ナイト・フィーバー』のような作品。

 

この映画で出てきた衣装は70年代アメリカの若者達のトレンドが浮き彫りになったことでも知られる。

 

これは当時の流行のメインではなく、サブカルチャーの中で流行ったものだけど、それが後にメインになり、そして廃れ、また近年のヒップホップシーンにおいて再解釈されていることを考えると、その影響力は計り知れないことがわかるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

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同様の作品としては2006年のノミネート作『ドリームガールズ』も60年代アメリカのR&B界のファッションシーンが映し出されているが、これまた流行は一巡して、今観ても新しい衣装に見えるから不思議。
 また、時代ものの映画はストーリーもさることながら、コスプレならではの華麗な衣装から観た方が、よほど親しみやすいというもの。

 

 

 

 

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オリビア・ハッセー・ブームを巻き起こした1968年の受賞作『ロミオとジュリエット』なんて、衣装の魅力がジュリエットの可憐な美しさを引き立ててるし、2010年のノミネート作『英国王のスピーチ』も今ほどオープンではなかった戦前の英国王室の荘厳さを、宮殿や社交界のシーンで実感できる。

 

 

 

 

 

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そういった中でも特筆すべきは、石岡瑛子にオスカーをもたらした1992年の『ドラキュラ』は必見作。

 

以後の彼女が手がけた「ザ・セル」やこちらもアカデミー賞衣装デザイン賞にノミネートされた「白雪姫と鏡の女王」にも観られる、西洋のゴシック様式と日本の着物や甲冑からモチーフを得たデザインの原点ともいえる衣装の数々が目にできるのだから。

 

 

 


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そして忘れてはならないのは、有名デザイナーたちによる衣装! 今年リメイク版が公開された1974年の受賞作『華麗なるギャツビー』は、ラルフ・ローレンが衣装デザインを担当。

 

1920年代アメリカン上流社会を舞台にしたこの作品は、いかに上流社会の人々の優雅さを表現するかで、我々がよく知るラルフ・ローレンが貢献していたというだけで、興味がわくところ(ちなみにリメイク版はブルックス・ブラザーズとプラダが担当した)。

 

 

 

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有名デザイナーが担当してオスカーを得た作品でいえば、当時既にファッション界のカリスマであったエマニュエル・ウンガロが担当した1980年の『グロリア』あたりもチェックを。

 

 

 

 

 

 

 

 

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また、受賞こそ逃したが、元グッチ、イヴ・サンローランのクリエイティブ・ディレクターで現代ファッション界を代表するトム・フォードが監督と衣装デザインを担当した2009年の『シングルマン』は、ファッション・デザイナーのセンスで描かれた映画だけに、おしゃれ好きの人のマスト・リスト。

 

「これが衣装デザイン賞を逃すなんて、どうかしてるよアカデミー! だって、トム・フォードだよ?」と、授賞式当時は現地マスコミの間でもヤジが飛んだほど。

彼が常に提案しているトラッドとセクシーの見事な融合を、一編の映像にまとめた希有な作品だ。


 

映画に詳しくない人も、たくさんは観ていないという人も、衣装から観ると映画、そしてアカデミー賞が楽しく見えてくる。ちょっと視点を変えてみてはいかが?

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【特集「映画はファッションの教科書!」を3倍楽しむための必読ガイド】は

その2「デザイナー編」その3「年代別編」と続きます。

次回の更新は10月11日を予定しております。ぜひご期待下さい!!

 

そして、10月特集「映画はファッションの教科書!」は

10/17(木)-20(日) 【再放送】 10/28(月)-31(木)の日程で 下記11作品でお送りします!

 

ドラキュラ(1992)
ロミオとジュリエット(1968)
陽のあたる場所
英国王のスピーチ
グロリア(1980)
華麗なるギャツビー(1974)
ドリームガールズ
サタデー・ナイト・フィーバー
ラブソングができるまで
シングルマン
泥棒成金

(詳しくはこちら
 

ぜひ映画本編でも、数々のファッションをお楽しみ下さいませ!

 

よしひろまさみちさんの連載「スイーツ・イン・ザ・シネマ」。10月はミルフィーユ in 『ジョー・ブラックをよろしく』です。こちらでぜひ「食欲の秋」もご堪能下さい!!

 

特集「映画の中のロサンゼルス」 

 

特集「映画の中のロサンゼルス」と題して、ロサンゼルスが舞台となる「ニック・オブ・タイム」「シティ・オブ・エンジェル」など6作品を9月にお届け!そこで、放送する作品で使われたロケ地をザ・シネマ LAオフィスが詳しく取材。映画に登場するロサンゼルスの素顔をご紹介します。

 

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〜素顔のロサンゼルス〜

ここロサンゼルス(L.A.)は、言わずと知れた映画の都。普段はロケ地として様々な舞台に早変わりしますが、この町がL.A.としてそのままの顔で登場する映画も沢山あります。甘いロマンスに渋いクライム・サスペンス。ジャンルを問わずこなせるのは、豊かな自然と、多様な文化を持つL.A.ならでは。名所と呼ばれる観光スポットから何の変哲もない交差点まで、映画マニアなら押さえておきたい、あのシーンのあの台詞が生まれた場所へ、いざ出発です。

 

 ◆鉄道◆ R1_Union.jpg

訪れた土地をより身近に感じさせてくれる鉄道は、スクリーンでも観る者の旅心を誘います。車社会でありながら、実は意外なほど電車の線が延びているL.A.。ダウンタウンのユニオンステーション(1)は、長距離列車やメトロ(地下鉄)が乗り入れるターミナル駅として、その中核を担っています。風格あるスパニッシュ・コロニアル・スタイルの建物は、これまで数々の映画に登場。「ニック・オブ・タイム」では、ジョニー・デップ演じる主人公の悪夢の始発駅となります。

 

(1)ユニオンステーション

(シンボルの時計台が、迫るタイムリミットを知らせる)

 

ちなみに、姉妹ビルのような隣の建物は、駅と同時期に建てられた、かつての中央郵便局。今でもターミナル・アネックス郵便局(2)として機能する一方「シティ・オブ・エンジェル」でメグ・ライアンが働く病院として使われるなど、ロケ地としても活躍しています。

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(2)ターミナル・アネックス郵便局

 

さて、ユニオンステーションから3つ目、ダウンタウンのビジネス街にある7th Street駅(3)は、2004年の「コラテラル」に登場。ロングビーチ行きの地下鉄は、物語の重要な役割を果たしています。 

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(3)7thStreet 駅 

 

 ただし、実際にエンディングの舞台となったのは、グリーンラインの終点レドンド・ビーチ駅(4)。実はマイケル・マンがこの駅を使用するのは「ヒート」に続き2回目ですが、夜明けのL.A.+無機質なホームは、さすがマン監督。哀愁漂うドラマを描かせたら右に出る者はいません。

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(4)レドンド・ビーチ駅

 

 

◆ホテル◆

L.A.のホテルは、映画関連のイベントに使われたりスターが宿泊したりと、華やかな話題に事欠きません。中でも、ハリウッドのど真ん中、チャイニーズ・シアターの向かいにあるハリウッド ルーズベルト ホテル(5)は、記念すべき第1回アカデミー賞授賞式が行われた由緒あるホテル。あのマリリン・モンローが2年間暮らしていたこともあったそう「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」でレオナルド・ディカプリオが泊まる”トロピカーナ・モーテル”は、ここの裏玄関です。

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R5_Roosevelt_Back.jpgのサムネール画像のサムネール画像

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

        (5)ハリウッド ルーズベルト ホテル正面                                      (5)ハリウッド ルーズベルト ホテル裏側 

            (説明:ハリウッド通り沿いの正面玄関)                                                         (説明:トム・ハンクス演じるFBIエージェントに追いつめられた

                                                                                                                                                       ディカプリオはこの道から逃走)

  

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そんなルーズベルト ホテルのすぐ近くには、Wホテル(6)があります。伝統あるルーズベルト ホテルとは対象的に、モダンな作りで若者向けの同チェーンは、L.A.内ではここハリウッドとウエストウッドの2カ所。ナタリー・ポートマンが恋にドライな女性を演じたラブ・コメディ「抱きたいカンケイ」では、ウエストウッドのホテルがクリスマスパーティーの舞台に。ロマンチックなデコレーションに囲まれれば、クールなナタリーも熱くなってしまうというもの。

 

(6)Wホテル

 

 

 

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 レトロ・フューチャー的なガラスの塔が摩天楼で一際目を引くのは、ダウンタウンのウェスティン ボナベンチャー ホテル アンド スイーツ(7)。その特徴的な構造から、「トゥルー・ライズ」や「リーサル・ウェポン2」など、多くの映画の舞台となってきました。そして、ほぼ全編が撮影された「ニック・オブ・タイム」では、ジョニー・デップとクリストファー・ウォーケンが、緊迫感ある対決を繰り広げます。

 

 

(7)ウェスティン ボナベンチャー ホテル アンド スイーツ

 

 

 

同じくダウンタウンにあるスタンダード ホテル(8)は、逆さまのロゴが印象的。デザイナーズ家具にこだわったこのブティックホテルは、カリフォルニアでは他にサンセット通りのみ「コラテラル」で、ジェイミー・フォックスが通行人から携帯電話を強奪するのが、このホテル前です。

 

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                           (8)スタンダード ホテルロゴ                        (8)スタンダード ホテル前

  

 

◆レストラン・カフェ◆
R9_Akasha.jpg食も映画のムードを演出する大事な小道具。映画のちょっとした台詞からも、ヘルシー志向で流行に敏感なL.A.っ子の食生活を垣間みる事ができます。「抱きたいカンケイ」でアシュトン・カッチャーとその友人達が溜まり場として使っているのは、カルバー・シティーのレストラン、アカシャ(9)。ジャンルに縛られず、素材を活かした料理が人気で、ランチ時には近くのソニー・スタジオ関係者で賑わいます。

 

(9)レストラン・アカシャ

(パティオではテーブルに座ってビールを飲むアシュトン・カッチャー)

 

 

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また、カッチャーがナタリー・ポートマンとばったり出くわし、勝手に運命を感じてしまうのが、トースト・ベーカリー・カフェ(10)です。お洒落なカフェの並ぶサード・ストリートの中でも特に人気店で、セレブ出没率も高いと評判。パティオ席で太陽を浴びながら通りを眺めるのも、L.A.ならではの楽しみ?

 

(10)トースト・ベーカリー・カフェ

(説明:ランチタイムには道に溢れるほどの列が)

 

  

さらに一瞬だけれど見逃せないのが、スプリンクルズ(11)。始めは追い返されたカッチャーがナタリーのアパートに入れてもらえたのは、ここのカップケーキのお陰。ここ数年、L.A.は空前のカップケーキブームですが、その火付け役となったのが、ビバリーヒルズのスプリンクルズ。それまで愚痴をこぼしていたナタリーやルームメイト達が一瞬にして黙ってしまうほどの威力は凄い。

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(11)スプリンクルズ                                                                     (11)カップケーキ

                                                                                                                        (説明:ルームメイトが狙っていた看板商品のレッド・ベルベットは左奥)

  

 

◆文化◆
ロマン・ポランスキーの傑作「チャイナタウン」のタイトルになっている伝説的なチャイナタウン(12)は、ダウンタウンの北端に位置します。途中何度も台詞に登場させながら、あえてラストシーンまでは見せないところが、この映画の絶妙さ。「忘れろ、チャイナタウンなのだから」と言わしめるミステリアスな町の雰囲気を一層高めています。残念ながら、今は当時の面影は全くありませんが、近年のチャイナタウンは、「ラッシュアワー」や「グリーン・ホーネット」などの舞台になっています。

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R12_Chinatown_Night.jpgのサムネール画像

 

 

 

 

 

 

 

 

            (12)チャイナタウン(説明:ラストシーンが撮影された交差点)      (12)チャイナタウン夜景(説明:イベントで賑わうニュー・チャイナタウン )

                

 

 広大なキャンパスを持つアメリカの大学は、それだけでも一見の価値ありですが、撮影にも頻繁に使われるため、ロケ地として訪れる楽しさも。「抱きたいカンケイ」でナタリーが勤める病院として登場するのは、ウエストウッドにある名門校UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)(13)。ハリウッドとの関係も深く、映画学科の卒業生にフランシス・F・コッポラやアレクサンダー・ペインらが名を連ねるほか、近くの映画館では毎月のように映画のプレミアが催されています。

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            (13)UCLA (二人が待ち合わせなどに使っていた入り口)                      (13)UCLA_2 (2008年に改修された大学病院施設)

                    

  

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ウエストウッドからウィルシャー通りを東に向かい、ビバリーヒルズを抜けたところにあるLACMA (ロサンゼルスカウンティ美術館) は、アメリカ西海岸最大の美術館。その充実した展示はもちろん必見ですが、ここでの注目は1920年代頃の街灯を200本以上集めた屋外アートのアーバン・ライト(14)。通りから気軽に入って楽しむことができるため、特に夜は絶好の写真スポットとして人気です「抱きたいカンケイ」では、セックスだけの関係だった二人が記念すべき初デートとしてバレンタインの夜に訪れます。でも、デートの締めだったはずが、ナタリーにはロマンチックすぎて逆にプレッシャーだったよう。喧嘩になった挙げ句、警備員に追い出されるという残念な結果に。

(14)アーバン・ライト 

 

 

◆ビーチ・公園◆

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ロサンゼルスといえば、やっぱり広い空、青い海のイメージ。スターの豪邸が立ち並び、数々の映画やコマーシャルで知ら
れるマリブビーチ(15)は、ベニス・ビーチやサンタモニカを更に北上した所にあります。「シティ・オブ・エンジェル」でニコラス・ケイジと仲間の天使達が浜辺に佇む幻想的なシーンは、ここの夕焼けをバックに撮影されたものです。

 

 

(15)マリブビーチ

 

 

 

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マリブビーチからL.A.空港付近まで下ると、人工としては世界最大のヨットハーバーであるマリナ・デル・レイがあります。湾内には、「抱きたいカンケイ」でアシュトン・カッチャーが焼きもちを焼くバーベキューのシーンで出てくるバートン・チェイス・パーク(16)が。海風と緑が心地よい公園では、週末にピクニックや結婚式を楽しむ人々で賑わいます。

 

 

(16)バートン・チェイス・パーク

 

 

 

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海だけでなく、L.A.では気軽に行ける山や公園にも不自由しません。チャイナタウンに隣接するエリジアン・パーク(17)は地元の景観スポット。晴れていれば、「シティ・オブ・エンジェル」のように天使の気分でL.A.の町を一望できること間違いなしです。

 

  

(17)エリジアン・パーク

(説明:あいにくの天気ですが、晴天時にはドジャー・スタジアムから摩天楼までくっきり。)

 

 

 

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また、そのすぐ近くにあるエコ・パーク(18)は、「チャイナタウン」に登場。明らかに場違いなジャック・ニコルソンと助手が手漕ぎボートでターゲットを尾行する池は、今年6月に2年間の工事を終えて生まれ変わったばかり。蓮の花が咲き誇り、噴水の向こうにはダウンタウンの摩天楼を見渡すこともできる、これまたフォトジェニックなポイントです。

 

(18)エコ・パーク

 

 

 

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いかがでしたか?
ロケ地を訪れる機会があれば、その空気を肌で感じることで映画との距離もぐっと縮まるはず。映画を知って町を楽しみ、町を知って映画を楽しむ——それがロケ地巡りの醍醐味ではないでしょうか。

(ザ・シネマ LAオフィス/Nao)

 
特集 映画の中のロサンゼルス 

初回放送:9/2(月)?9/6(金)  

再放送 :9/14(土)・15(日) 

放送作品

「コラテラル」「抱きたいカンケイ」「シティ・オブ・エンジェル」
「ニック・オブ・タイム」「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」「チャイナタウン」


 7・8月と2カ月連続企画としてお届けする「ザ・シネマ、That’s ハリウッド」キャンペーン。ザ・シネマはヨーロッパのアートフィルムやクラシックの名画なども放送しておりますが、何といってもメインはハリウッド!大作志向とスター主義、ハリウッド・リスペクトを公言して憚らないチャンネルであることを、この夏は改めて宣言します!!

 さて、「ハリウッド」をテーマに、7月はアメコミ特集、8月はトム・クルーズ特集と2つの特集を柱に様々なハリウッド映画をお届けしていきますが、あわせて「特番:That’s ハリウッド」を制作。7月のPart1 「アメコミ・ヒーロー編」、8月のPart2 「トップ・スター トム・クルーズ編」と2ヶ月にわたってお届けします。

 番組ナビゲーターに迎えたのは、アーティストでありミュージシャンの、あの石井竜也氏!

 石井氏といえば大の映画好きとしても有名で、ご本人によると「LDは7000枚、DVDは5000枚持っています」(!)とのことですから、半端ではありません。それだけにとどまらず、90年代には『河童』、『ACRI』と自ら2作品を撮った映画監督でもあります。というわけで石井氏にナビゲーター役をお願いしました。

 その番組はぜひオンエアをチェックしていただくとして、ここでは、番組収録後に行われた取材会での石井氏のコメントをご紹介します。

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Q. 本日の収録を終えられた感想を教えてください。

 A. ハリウッド全般について話すことは難しい部分もありましたが、意外なことを知ることができて自分自身の勉強にもなりました。例えば7月放送の『300<スリーハンドレッド>』がアメコミ原作だということを知りませんでした。映画になるアメコミというのはヒーローものばかりだと思っていましたから、まだ知らないことがあるな、と学ばせて頂きました。

 それから、1人の役者さんの育ち方の変遷についても発見する事がありました。例えばジョン・ウェインの様な昔の役者さんは、日本で言う「寅さん」の様な感じで絶対的な立ち位置というものがあって、その位置から絶対に出ないようにしていた様に思えます。

 でも、今の役者さんは近未来作品にも出れば、悪役にもなるという様に、色んなジャンルに出演する。自分を変幻自在にすることで飽きられないようにしている。今と昔どちらが大変かと考えてみると、どちらも大変だと思いますが、やはり今の様な時代を生き残っていくというのは、すごく大変だろうな、と思いましたね。 


Q.映画をたくさん観てこられたとのことですが、映画から学んだものがあれば教えてください。

A.今回の放送作品で言うと『ハルク』からいろいろと気づかされることがありましたね。「スーパーモデルになってみたい」とか「変わりたい」という願望は誰もが持っていると思うんです。変身をテーマにした映画というのも、たくさんあります。『ハルク』もそうですよね。

   ただ、日本だと、どこか「正義感を持った少年が正義のヒーローに変わる」といった様に、“変身”そのものがどこか順当に描かれることが多いと思うんです。でも、アメコミではスパイダーマンみたいに、いじめられっ子が正義のヒーローに変身しますし、“逆”の方向へ持っていくストーリー展開が多くて、それが面白いところだと思います。

  私も米米CLUBに入って人生が変わりました。昔は母親の後ろに隠れる様な子供で、ステージの上に立つなんてとてもじゃないけれど考えられなかった。だから絵を描いていたわけで、鬱憤は絵でしか晴らせなかった。喧嘩も出来なかったし。けれど、今こうなっているのですから、どうなるか分からないですよね。

  皆さんもそうだと思うんです、最初に会社に入ったときは何も分からなかったけれど、やっていくうちに職業に特化していけますよね。人間ってそうやって長い時間をかけて変貌していくものだと思うんです。

 でも、映画っていうのはその変貌を数分で飛び越えるし、人生が変わる様なことが数分で起こる。そんなこと人生ではあり得ないけれど、それが映画では可能なわけで、それが映画の面白さですよね。


Q.石井さんなりの映画の楽しみ方はありますか?

A.映画は必ず3回観ます。どうしてそんなに同じ映画を何度も見るの?と家族やスタッフにも聞かれたりしますが、見方を変えてみているんです。例えば主人公が泣いているときに横で笑っている人がいるとか、それって1回見ただけでは見えないですから。最初は、主役中心の視点で見ていますが、2回目以降は主役以外の脇役や、ライティングや撮影方法、衣装等に注目して見るようにしています。やはり、“作る”ということに興味があるので、そういう点も気になってしまうんです。


Q.今回の番組について聞かせてください。番組では、どんなお話をされているのですか?

A.今回、ものすごくたくさんの映画を紹介するので、その全てを1つ1つ解説するわけにも行きませんから、「ハリウッド」という場所の持つ特殊性や「ハリウッド・スタイル」と呼ばれる、ハリウッド映画を作る上での特殊な分業制、という点からもお話させて頂いています。

  ハリウッドは、夢を紡ぐにはとても大変な思いをする場所ですよね。僕自身『ACRI』という映画をオーストラリアで撮影していますから、ハリウッド映画の撮り方というものについて分かるのですが、アクション映画なんて、どれだけ大変なんだろう、と思いますね。映画監督の仕事を通して、現地の雰囲気というものが分かるので、そんな話もさせて頂いたりしています。幅広く話をするのは、ある意味難しかったですけれど、とても楽しくやらせてもらいました。


Q.浅野忠信さんが出演される『マイティ・ソー』も放送されますが、ハリウッドでの日本人の活躍については、どう思われますか?

A.これからもっと多くなるのではないでしょうか。震災後、「日本人を見直そう」という潮流がヨーロッパで広がっていますし、アジアの中でも日本は「侍魂」を持った国として見直されていると感じます。すごく嬉しく思います。今の若い人は英語も学んでいますから、これからどんどん、若い日本人が世界に行ってくれれば良いなと思います。監督が世界に行くのはなかなか難しいけれど、役者さんはそれを飛び越えて世界に行けますから、日本人の役者さんにはどんどん外国のスクリーンに出ていって欲しいです。 


Q. 具体的に海外進出をしてほしい俳優さんはいらっしゃいますか。

A.才能のある方という意味で、宮沢りえさんに出て欲しいですね。女優としての素晴らしいキャリアも積んでいらっしゃいますし、日本人らしい情緒と海外の血が混じっているだけの大胆な演技ができるのではないかと思います。


Q.ところで、好きなアメコミはありますか?

A.50代のヒーローものといえばスーパーマンとかバットマンになりますよね。最近のバットマンはまるで悪者というか、ダークヒーローの様に描かれていますよね。今のアメリカの風潮やアメリカのヒーロー像が変わってきているのかなと感じます。映画というのはその時代を映す鏡の様な存在でもありますから、今のアメリカの“暗”の部分を反映しているのかな、と感じますし、時代の変遷も感じますね。


Q.今回のアメコミ特集の中ですと一番好きな作品は何ですか?

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A.『300<スリーハンドレッド>』です。本当に大好きな作品で、何かにぶつかるとあの作品を見ます。

 日本人は少数派が大勢に立ち向かうものや、弱い者が頭を使って強い者を倒すような物語が好きなのだと思います。ただ力技で戦うのではなくて、頭を使って技や五感や下手したら第六感まで使って戦う。何かのために命をかけることや、特攻隊のような物語は、日本人に受け入れられるのだと思いますね。

  自分も空手をやっていて高校時代に2段を取ってすごく自信があったんですよ。ある時、県大会で160cmくらいの相手と戦うことになって「冗談かよ」と思って余裕でいたら、試合開始の次の瞬間に医務室で目が覚めた経験があります(笑)。小さい人は小さい人なりの攻撃法を考えているわけで、人を見下げちゃいけないな、とあの時学びましたね。

  だから、『300<スリーハンドレッド>』の、小さい人間たちが大きい人を相手に戦うようなストーリーに惹かれます。日本のそういった精神も、世界を動かしていけるんじゃないかなと思いますね。


Q. 8月にはトム・クルーズ特集が組まれますが、トム・クルーズについてはどう思われますか?

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A.トム・クルーズとは同世代なんです。『トップガン』を見ていた頃は、女性に人気のアイドルといったイメージがありましたが、『コラテラル』『マイノリティ・リポート』の頃からはダークな彼が見えてきました。どんどん俳優としての迫力が出てきたなぁと感じます。

  最近の彼の面立ちは、なんというか「作っていない」感じがするんですよね。だらしない父親を演じればそんな顔になりますし、演じている感じがしない。彼自身が、“トム・クルーズ”を演じることを辞めて、一人のアーティストとして、映画人として独り立ちしたのではないかな、と思います。

  彼にはアメリカ人の持っている根性というものを感じますね。ヒットすると、周囲から求められるものが増えてきますけど、そんな中でも、それを振り払って自分らしく演じている彼は人格者だと思いますよ。

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 この取材会でも映画愛あふれる楽しいお話をしていただきましたが、実は番組内でも、アドリブが炸裂。ミュージシャン・映画監督、石井竜也氏ならではの見地と体験談が制作サイドの思惑をこえてたっぷりと盛り込まれた番組となりました。

 さらに、石井氏といえば芸術家としても有名。メディアを通じて氏の独特のアート作品をご存知の方も多いかと思いますが、今回のスタジオ・セットに使われたオブジェ、実は石井氏の作品です。そこにも注目して、「特番:That’s ハリウッド」、7月のPart1 「アメコミ・ヒーロー編」、8月のPart2 「トップ・スター トム・クルーズ編」を、ぜひご覧ください!

『300 <スリーハンドレッド>』TM & © Warner Bros. Entertainment Inc. 『コラテラル』TM & © 2013 DREAMWORKS LLC AND PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

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石井竜也氏アルバム&ツアー情報

原点回帰、ゼロからの離陸。自らをより深めるために過去の自分を一度“白”に塗り直し、新たなるスタートを切る。
9/4 アルバム「WHITE CANVAS」リリース。
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2011年からの“MOONLIGHT”シリーズ第三弾にして最終章となるコンサートツアー。より幻想的な“白の世界”で、貴方を透き通るような異次元の世界へとお連れします。
9/14より全国ツアー「WHITE MOONLIGHT」を開催。
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3月は特集「映画の中のニューヨーク」を届け!ニューヨークといえば自由の女神。集ではもちろん自由の女神(1)が登場する『ゴッドファーザーPART II』、『スプラッシュ』を放送しますが、ニューヨークはそれだけではありません!今回のブログでは、ニューヨーク在住経験のある映画ライターの平井伊都子さんに、自由の女神以外でも覚えておきたい、映画の中のニューヨークの名所を紹介してもらいましょう。
 
 

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映画を彩る街・ニューヨーク
文/平井伊都子

 もしもアカデミー賞にロケーション部門があったら、ニューヨークの街はノミネートのほとんどを独占してしまうことだろう。それだけたくさんの映画の舞台となり、魅力的な姿を映し出して来たニューヨーク。この街のあの場所が描かれて来た舞台裏を知ると、映画の中のニューヨークをより楽しめるようになる。

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 いわゆるニューヨークと呼ばれるエリアは、マンハッタン島を中心に合計5つの区域で成り立っている。

 中心にあるマンハッタン島と隣のブルックリンには3本の橋が渡っており、最も南に位置し、最も美しいと言われ数々の映画でも描かれてきたのがブルックリン橋(2)

 アメリカで屈指のコメディ俳優、ベン・スティラーが監督した『僕たちのアナ・バナナ』ではマンハッタンから見て橋の向こう側、ダンボ地区にあるブルックリン・ブリッジ・パーク(3)がロケ地として使われている。映画同様、このあたりからはマンハッタンの美しい摩天楼を眺めることができるため、昼夜問わず多くのカップルや観光客が訪れる。

 また、『10日間で男を上手にフル方法』にはスタッテン・アイランド(4)へ行くシーンがあるが、マンハッタンからスタッテン・アイランドへは無料のフェリーでしか渡ることができず、ブルックリンとスタッテン・アイランドを渡すペラザノナローズ・ブリッジ(5)が結んでいる。
 タクシーで去っていくケイト・ハドソンをマシュー・マコノヒーが走って追いかけるラストシーンはブルックリン橋の上。通常、徒歩や自転車は車道の上にある橋を渡るのだが……。

 5月に放送する『セックス・アンド・ザ・シティ』でも、仲違いしたミランダとスティーブがこの橋の上で夫婦としてやり直すことを誓う感動的なシーンが繰り広げられる。
 

 
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 マンハッタン内に星の数だけあるホテル群も、映画の舞台として大事な役目を担っている。

 例えば『ホーム・アローン2』のザ・プラザ(6)、イーサン・ホーク監督の、タイトルもそのままの『チェルシー・ホテル』(7)など単なるロケ地以上の存在感を示すものも。

 その中で、最も多く映画の舞台に使われたホテルのひとつは、間違いなくウォルドルフ=アストリア・ホテル(8)だろう。

 ミッドタウン東側のグランド・セントラル駅に近いこの高級ホテルには、そうそうたる人物が宿泊していたとしても有名。マリリン・モンローやフランクリン・D・ルーズベルト大統領、昭和天皇や吉田茂も宿泊者リストに名を連ね、『Jエドガー』(クリント・イーストウッド監督)で映画化されたハーバート・フーヴァーはウォルドルフ=アストリアに居住していたことがある。

 いまでもこのホテルでは映画関連の記者会見や取材場所として使われることが多く、ジャンケットと呼ばれる映画のプレスデーが開催される週末には、黒塗りのリムジンがホテル正面玄関に横付けされ、スターたちがホテル入りする。
 マンハッタン内でプレスデーが行なわれるホテルは限られており、ウォルドルフ=アストリアで張っていればスターに会える確立も高そうだ。

 そういった外交や映画界とのつながりが深いためか、このホテルは映画の中にもたびたび登場する。
 
 
 

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 フランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴッドファーザーPART II』でも使われているが、これは実在したマフィアたちがウォルドルフ=アストリアを定宿にしていたという逸話からきているのだろう。

 主演のエディ・マーフィ自身もよくこのホテルに宿泊していたことから『星の王子ニューヨークへ行く』でもアキーム王子が泊まるホテルとして登場する。『メイド・イン・マンハッタン』ではジェニファー・ロペスがメイドとして働くホテルに、『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』ではアル・パチーノ演じる盲目の軍人が宿泊、そして『ウディ・アレンの重罪と軽罪』の舞台にもなった。
 
 そのウディ・アレンは彼が住むアッパーイーストにある高級ホテル、カーライル(9)のバーにて彼が映画の撮影をしていない秋~春にかけて毎週月曜日クラリネットを吹いているので、彼を間近で見るチャンスかも。
 
 

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 ニューヨークの真ん中に位置する巨大な公園、セントラル・パーク(10)も映画の舞台としていろいろな顔を見せて来た。

 ここで撮影された映画は数知れず、セントラル・パークのすぐ南に位置するザ・プラザが舞台の『ホーム・アローン2』(6)、公園の西側にある自然史博物館(11)が舞台の『ナイト・ミュージアム』(余談だが、主演のベン・スティラーは子供の頃、この博物館のすぐ近くに住んでいたそうだ)、そして紅葉のセントラル・パークの美しい景色が見られる『オータム・イン・ニューヨーク』など。

 『僕たちのアナ・バナナ』でエドワード・ノートンにジェナ・エルフマンが「ニューヨークがこんなに美しいなんて」と言うシーンで、セントラル・パーク内の池にかかるボウ・ブリッジが使われている。ラスト、3人が仲良く歩くシーンはセントラル・パーク東側にあるメトロポリタン美術館(12)の屋上にある彫刻ガーデンだ。

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 そして、ちょうどセントラル・パークを挟んだ西側の72丁目に位置するのが高級アパートメント、ダコタ・ハウス(13)。この高級アパートの名を世界中に広めたのは1980年12月8日に起きたジョン・レノン銃撃事件だろう。

 ジョン亡き後、彼が住んでいた部屋から眺めることができる場所にストロベリー・フィールズのモニュメントが作られた。いまでもこのアパートに住むオノ・ヨーコによって建てられた慰霊の地には多くのファンが訪れ「イマジン」を口ずさんでいる。

 ダコタ・ハウスは映画の舞台としても多くの作品に登場しており、ロマン・ポランスキーの『ローズマリーの赤ちゃん』ではミア・ファロー演じるローズマリーと夫(ジョン・カサヴェテス)が引っ越してくるアパートとして、『バニラ・スカイ』ではトム・クルーズが住むアパートとして登場している。

 また、同じくニューヨークの高級住宅地を舞台にした『パニック・ルーム』も瀟酒なタウンハウスが舞台となっている。地価の高いニューヨーク、特にマンハッタン内では高層アパートではなく低層のタウンハウスに住むことができるのは限られた極一部の富裕層のみ。こういった家に住む人々の身に起きる奇怪な出来事……というのが「○○○は見た」的な興味を掻き立てる要因のひとつになっているのかもしれない。

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 ブルックリン橋、高級ホテル、セントラル・パーク、高級アパートメント、そのどれもがニューヨークらしく、ここにしかない情景として映画を物語るのに重要な役割を担っている。

 同じロケ地でも全く違った見え方がする映画を見比べてみるのもおもしろい。いつかニューヨークを旅したときに、映画の中で観た景色が思い浮かぶというのも、映画と現実がリンクする素敵な経験となるだろう。

平井伊都子
編集/ライター。雑誌「CUT」の編集を経て、カルチャー誌、女性誌などで映画関連の記事を担当。2006年~2010年までアメリカ・ニューヨークに在住、アンジェリーナ・ジョリー、レオナルド・ディカプリオなど映画スターのインタビューや街情報などを執筆。

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『僕たちのアナ・バナナ』© Touchstone Pictures

『10日間で男を上手にフル方法』TM & COPYRIGHT © 2011 BY PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

『星の王子ニューヨークへ行く』COPYRIGHT © 2011 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

『ローズマリーの赤ちゃん』COPYRIGHT © 2012 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.

 ジョニデ様が今年もナンバー1

 だったとの知らせに、彼のファンの一人としては、凄ぉ〜く納得の結果で大・大・大満足です!!
  
 彼に投票してくれた方の中から抽選でお贈りする今回のサプライズギフトは、
 ジョニデ御用達♪ニューヨークのジュエリーショップ C'est Magnifique で特注したネックレス!


ネックレスのコピーのコピー.png

  
 折角ならジョニデとお揃いのアクセサリーが欲しい!
 

 というわけで、早速店主のアルフレドおじさんと電話でおしゃべりです。
 
 「ジョニーから新作のオーダーは入っているけど、彼忙しいからね。具体的なデザインが決まらないまま作業が止まっていてね…」

 と何とも残念なコメント。
 
 「ならば他に女性向きデザインのアクセサリーとかないのかしらぁ」

 と東京のスタッフからの要望に応えるべく、昨年店を訪れた際の遠い記憶の糸をたぐってはみたものの、
女性向きのアクセサリーなんて、さっぱり思いつきません。
 
  というのも、ここのお店、スカルリングでもお分かりの様にゴツイ感じのゴス調のアクセサリーばかり。
女性向き商品自体がほとんどないのです(困)。

 
 今年はこのタイミングでNYへ行くついでもなく、電話口で

 「可愛いのを選んでね」

 なんて曖昧なオーダーを入れたところで、アルフレドおじさんの選ぶそれが、乙女心を掴めるのかは半信半疑…
 
 そんな中、東京のスタッフが別件でNYへの出張が決まった、との朗報が入ってきました。
直接店に足を運んでもらい、数点写真を撮ってきて欲しいと切願したところ、快く引き受けて頂けることに(嬉)。

 
 流石東京のスタッフです。

 よくぞあの店の中から、女子向きの“可愛い”を見つけてくれました!!
 
 革の紐がついたもの、ラベンダー色のストーンがついたもの、ちょっぴりミステリアスなデザインのペンダントヘッド…

 それらは銀座のウィンドウ越しで見つける繊細なものからは程遠いけど、カジュアルな服のアクセントとなる個性的で素敵な商品ばかりです。

 
 迷った末に手にしたのは、鍵の形をしたペンダントヘッド。
 
 憧れのティファニーでも鍵をモチーフにしたアクセサリーがラインアップに加わり大人気!
とのこと。
 
 話題の“鍵”のネックレスを、しかもジョニデ風に、且つ女性らしさを忘れないデザインということで今回のギフトに選びました♪
 
 
 
 想像してみてください。ある日ポストに外国から届く小さな小包。
 
 そんなワクワクを胸に、あなたのホワイトデーがいつもより少し特別な日となることを願って。


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 3月のザ・シネマは、3月19日(土)深夜の「シネマ・ソムリエ」枠で、愛と才能に溺れ、33歳で夭折したイギリスの美しき天才詩人をジョニー・デップが熱演した「リバティーン」をお届けします。作品毎に違う顔を見せるジョニーの魅力をお楽しみに!

【3月放送日】 19日24日30日

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