全くもって個人的で感覚的なイメージなのだが、「今まで観た○○監督の映画作品の中で何が一番好きですか?」という話題になった時に一番楽しく盛り上がれそうな○○は、ジム・ジャームッシュではないかと前からよく思っている。
今回あらためてなぜだろうと考えてみた。まず、映画が好きという人なら観ている可能性がだいぶ高いし、そうでなくてちょこちょこ観るくらいだという人でもどれかは観ている可能性が高そう。似た理由だが、特にジャームッシュファンというわけでなくても観ている可能性が高そう(例えばロメールになると、ロメール作品の中でどれが一番好きかという話は相手が自分と同じくロメール好きだということがわかってからでないとしにくい)。
そして、独特のジャームッシュ節は通底しながらも個々の作品の性格がそれぞれに際立っていて魅力的で、いい具合に好みが分散しそう。かつ、初期作品には特別な根強い人気がある。味わい深いが門戸も広く、一般人も専門家も楽しめる。
ここまで考えていたところで、これはスタジオジブリと似ているのではないか?と思い至った。「ストレンジャー・ザン・パラダイス」や「ダウン・バイ・ロー」は立ち位置的にラピュタやナウシカ、「ミステリー・トレイン」や「ナイト・オン・ザ・プラネット」はトトロや魔女の宅急便?「パターソン」はもののけ姫?でも千と千尋もいいよね、ハウルもいいよね、いやいや紅の豚でしょう、誰が何と言おうと私のベストは耳をすませばだ、それでいくと「パーマネント・バケーション」はパンダコパンダかカリオストロか?新作だって楽しみだ…
と止まらなくなり、じゃあ「デッドマン」は?「ゴースト・ドッグ」は?と考えるのが楽しくなってしまったのだが、あくまでも私個人の勝手な考えなので、全然違うよという方は門外漢のいちイラストレーターの浅はかな戯れ言と思ってどうかご容赦ご笑覧ください。
かくいう自分の一番好きなジャームッシュ作品はというとなかなか決められなくて、頑張って絞ってやっと「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「ミステリー・トレイン」「ナイト・オン・ザ・プラネット」「リミッツ・オブ・コントロール」の4本になる。ジャームッシュのこれらの作品は時々むしょうに観返したくなり、そして観るといつも、ああおもしろかった、やっぱり最高、ととても満足させられる(このあたりもジブリ作品と共通しているかもしれない)。
今回あらためてなぜだろうと考えてみた。まず、映画が好きという人なら観ている可能性がだいぶ高いし、そうでなくてちょこちょこ観るくらいだという人でもどれかは観ている可能性が高そう。似た理由だが、特にジャームッシュファンというわけでなくても観ている可能性が高そう(例えばロメールになると、ロメール作品の中でどれが一番好きかという話は相手が自分と同じくロメール好きだということがわかってからでないとしにくい)。
そして、独特のジャームッシュ節は通底しながらも個々の作品の性格がそれぞれに際立っていて魅力的で、いい具合に好みが分散しそう。かつ、初期作品には特別な根強い人気がある。味わい深いが門戸も広く、一般人も専門家も楽しめる。
ここまで考えていたところで、これはスタジオジブリと似ているのではないか?と思い至った。「ストレンジャー・ザン・パラダイス」や「ダウン・バイ・ロー」は立ち位置的にラピュタやナウシカ、「ミステリー・トレイン」や「ナイト・オン・ザ・プラネット」はトトロや魔女の宅急便?「パターソン」はもののけ姫?でも千と千尋もいいよね、ハウルもいいよね、いやいや紅の豚でしょう、誰が何と言おうと私のベストは耳をすませばだ、それでいくと「パーマネント・バケーション」はパンダコパンダかカリオストロか?新作だって楽しみだ…
と止まらなくなり、じゃあ「デッドマン」は?「ゴースト・ドッグ」は?と考えるのが楽しくなってしまったのだが、あくまでも私個人の勝手な考えなので、全然違うよという方は門外漢のいちイラストレーターの浅はかな戯れ言と思ってどうかご容赦ご笑覧ください。
かくいう自分の一番好きなジャームッシュ作品はというとなかなか決められなくて、頑張って絞ってやっと「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「ミステリー・トレイン」「ナイト・オン・ザ・プラネット」「リミッツ・オブ・コントロール」の4本になる。ジャームッシュのこれらの作品は時々むしょうに観返したくなり、そして観るといつも、ああおもしろかった、やっぱり最高、ととても満足させられる(このあたりもジブリ作品と共通しているかもしれない)。
そんなジャームッシュとその作品の紹介や説明や称賛には、よく「オフビート」という言葉が使われる。あまりによく使われ過ぎていて、みんなジャームッシュならとにかくオフビートと言っておけばいいと思っていないか?という気も時々するのだけど、一方で確かに、オフビートという言葉はジャームッシュ映画をたった一言で表すにはかなりぴったりでちょうど良すぎて、やっぱり自分も使いたくなってしまう。
「オフビート」の意味は音楽において通常とははずれたところに強拍があることで、「オンビート」に対する言葉だ。転じて、普通とはちょっとずれた人や笑い、それらを描いた作品を言う。
今回イラストレーションは「ミステリー・トレイン」にしようと決めていた。「ミステリー・トレイン」はエルビス・プレスリーの故郷であるメンフィスを舞台に、同じ日に同じホテルを訪れる3組の人々を描いたオムニバス作品だ。3組のストーリーは直接は交わることはなく、彼らが顔を合わせることもない。ただそのホテルという場所と、深夜にラジオから流れるエルビスの曲「ブルー・ムーン」、そして一発の銃声が、3つの物語を繋いでいる。
イラストに取りかかり、はじめは1組目の主人公、若き日の永瀬正敏と工藤夕貴が演じたこのうえなくキュートなカップルのジュンとミツコを描こうとしていた。しかし途中からなぜかどうしても、絶妙な味を出していたホテルのフロント係のスクリーミン・ジェイ・ホーキンス(ブルース歌手)とベルボーイのサンク・リー(映画監督スパイク・リーの弟)のほうが良くなってしまい、描き直すことになった。これももしかしてジャームッシュの独特なオフビートのせいなのか?とよくわからないことを考えつつ、この年末年始にはまたジャームッシュの映画をどれか観ようと思う。
あなたはジャームッシュ作品なら、何が一番好きですか?観たことない方も、この機会に是非。
「オフビート」の意味は音楽において通常とははずれたところに強拍があることで、「オンビート」に対する言葉だ。転じて、普通とはちょっとずれた人や笑い、それらを描いた作品を言う。
今回イラストレーションは「ミステリー・トレイン」にしようと決めていた。「ミステリー・トレイン」はエルビス・プレスリーの故郷であるメンフィスを舞台に、同じ日に同じホテルを訪れる3組の人々を描いたオムニバス作品だ。3組のストーリーは直接は交わることはなく、彼らが顔を合わせることもない。ただそのホテルという場所と、深夜にラジオから流れるエルビスの曲「ブルー・ムーン」、そして一発の銃声が、3つの物語を繋いでいる。
イラストに取りかかり、はじめは1組目の主人公、若き日の永瀬正敏と工藤夕貴が演じたこのうえなくキュートなカップルのジュンとミツコを描こうとしていた。しかし途中からなぜかどうしても、絶妙な味を出していたホテルのフロント係のスクリーミン・ジェイ・ホーキンス(ブルース歌手)とベルボーイのサンク・リー(映画監督スパイク・リーの弟)のほうが良くなってしまい、描き直すことになった。これももしかしてジャームッシュの独特なオフビートのせいなのか?とよくわからないことを考えつつ、この年末年始にはまたジャームッシュの映画をどれか観ようと思う。
あなたはジャームッシュ作品なら、何が一番好きですか?観たことない方も、この機会に是非。