PROGRAM

放送作品情報

リリーのすべて

THE DANISH GIRL 2015年 イギリス ドイツ アメリカ / 120分 社会派ドラマ

[R15+]性同一性障害という概念が無い時代、男の体で生まれてしまった人物と、その妻をめぐる愛の実話
放送日時
2019年01月01日(火) 深夜 01:00 - 03:30
2019年01月04日(金) 06:00 - 08:30
解説

今をときめくエディ・レッドメインとアリシア・ヴィキャンデル(アカデミー助演女優賞受賞)共演。画家夫婦をめぐる物語だけに有名な近代絵画へのオマージュも盛り沢山で、アートファンには元ネタ探しもまた楽しい。

ストーリー

1926年デンマーク。ヴェイナー夫妻は気鋭の画家カップルだ。妻がバレリーナの肖像画を仕上げる際、服の襞などを描く上でどうしてもモデルが必要で、夫にバレリーナの格好でモデルになってほしいと頼む。その瞬間、夫は目覚め、以後、女装を始め、やがて「リリー」という女性人格で暮らし始める。夫は今で言う性同一性障害で、本来なら女として生きることが自然だったのだ。それでも、2人の不思議なパートナー関係は続いていく。

出演

※(声優)は吹き替え版作品が放送される場合の情報です。
字幕版、吹き替え版については、放送日時横のアイコンでご確認ください。

エディ・レッドメイン (福田賢二)
アリシア・ヴィキャンデル (うえだ星子)
ベン・ウィショー (鈴木正和)
ほか

字幕/吹替
字幕 吹替
掲載制限
R15+
カラー/白黒
カラー
画面サイズ
ワイド画面
HD
※【ザ・シネマHD】にご加入の方は、
HD画質でご覧頂けます。

オススメキーワード

  • 鑑賞日 2018/10/14

    つらいな

    今でこそ、トランスジェンダーへの理解が進んでるから、受け入れられることも増えてるかもしれんけど、当時のヨーロッパなんて、そんな理解してもらえん世界やと思うし、大変やったろうなぁ。 しかし、エディ・レッドメインが女性にしか見えんよな。 綺麗やし。 奥さんとしては辛いよな、最愛の夫が自分がモデルを頼んだ事によって、目覚めてしまうっていう。潜在的なものがあったとしても後悔してしまうよな。 夫を返してってなるよね。 でも、最終的には受け入れるとこが、やっぱ女性は強いなって思ったな。

  • 鑑賞日 2018/10/2

    切なすぎる

    奥さんのまだ旦那が戻ってくるかもしれないと思う気持ちと、リリーとして生きたいと思う二人の気持ちがどうしようもなく切なかった、、、。 久しぶりにいい映画を見たなというかんじ。

  • 鑑賞日 2018/9/1

    美しくも奇妙で切ない愛の物語

    原作は本映画化にあたり同タイトルに改題されましたが、元は「世界で初めて女性に変身した男と、その妻の愛の物語」というまんまの邦題がつけられていました。元々彼らの話は有名ではあったものの、1984年に妻・ゲルダ・ヴィーグナーの作品が大量に発見されたことで再び脚光を浴び、2000年に本原作が出版されるや世界的ベストセラーになったといういきさつがあります。 小説化される際にかなり脚色が加えられ、史実とは夫婦の関係性、セクシャリティなどで大きな違いがあるよう。 夫・アイナー/リリーは未成熟な卵巣の残渣を体内に持ついわゆる両性具有に近かったことは全く触れられていませんし、5回もの手術で卵巣や子宮を移植して本物の女性になろうとしたのは既に50歳近くなってのことなどは大きく異なります。 妻・ゲルダは人格からしてかなり改変されてるようで、レズビアンであることを公言したりエロティカの作品も大量に描いているようなところは一切触れられず。実際の彼女は少なくとももっと強烈なキャラクターを持つ女性だったんだと思われます。 描かれるエピソードは史実に基づいていても、語られるストーリーとしてはほぼフィクションと言ってもいいのでは。この点が批判されてもいるようですが、「小説」もしくは「映画」作品として優れているかどうかはまた別の問題でもあると思います。 最もインパクトが強いのは「世界で初めて性別適合手術を受けた人物」という部分であり、しかもそれが1930年代の戦前という時代なのが驚きです。 しかし本作では性別を変える手術を受けるということが核ではなく、いかにして男性であったアイナーの中に女性が芽生え、いかにして女性であるリリーとして死んでいったのかという「リリーの人生」に焦点を合わせています。 そしてそれ以上にそんなアイナー/リリーの傍らにい続けた妻・ゲルダの苦悩や揺らぎこそが、本作の心揺さぶるポイントでした。 夫が内なる女性に目覚めてしまうことを受け入れはするものの、無論それを喜んでいるわけではありません。せめて自分の前では愛した男性のままでいてほしいと願いながらも、男性にとどまることは彼を苦しめるというパラドックスを理解しているからであり、愛する人が自分らしく生きることを応援し、支える。愛しているからこそです。 しかし彼女は女性であり、彼女が愛し結婚したのは男性のアイナーです。女性のリリーではありません。リリーとベッドを共にし、姉妹のように、親友のように語らったとしてもです。 夫を求めても叶わないことで他の男性に心惹かれてもそれは仕方のないことでしょう。 結果的にアイナーとの夫婦であった時に子供を授かることができなかったゲルダが、子供を産むために手術を受けるリリーを支えるのは非常に皮肉的でもあります。それでもこれは、とても入り組んでいて奇妙ではありますが、間違いなくリリーとゲルダの、いやリリーとゲルダとアイナーの3人の愛のカタチでした。 この奇妙な愛の物語はエディ・レッドメインとアリシア・ヴィキャンデルの素晴らしい演技あってのものでした。 エディ・レッドメインは元々華奢で中性的なルックス。しかしそのルックスのみに頼らない見事な表現力は、流石前年の「博士と彼女のセオリー」でアカデミー主演男優賞を獲っているだけあります。リリーである時の仕草や声音だけでなく、姿勢やちょっとした動きといったところまで、それは“女性”そのものでした。 特筆すべきはその眼です。アイナーである時とリリーである時の眼を演じ分けているのが実に見事。驚きなのはアイナーを演じるリリー、という複雑で繊細な状況さえもしっかりと演じきっているところ。女性の服を着ていても、男性の服を着ていても、今アイナーなのかリリーなのかが観ていて分かるというのは凄い表現力でした。 アリシア・ヴィキャンデルは「エクス・マキナ」で一躍注目を集め、今ハリウッドでも躍進中。「エクス・マキナ」も本作も同じ2015年公開で、日本ではあまりヒットしなかったみたいですが自分は大好きな「コードネームU.N.C.L.E. 」も同年公開でヒロインを演じている大注目の女優です。 アイナーを愛しているからこそ、リリーを受け入れ、そして同時に夫を失う悲しみといったものが混ざりあった複雑な感情を演じるのは非常に困難だったでしょう。更に一人の画家であるという面も持っていますし。 取り乱してハンスの元を訪れ、彼を受け入れそうになる揺らぎ。格好は男性でも既に完全にリリーとなってしまったアイナーを駅で見送る時に交わすキスの不自然さ。 ゲルダの心情がよく現れた様子を繊細に、そして的確に演じた素晴らしいシーンでした。 アカデミー助演女優賞を受賞したのも納得の演技です。 実際の話と言うにはあまりに脚色されて事実とは違う物語になっていますし、フィクションと言うには実在の人物の実名やエピソードが使われていますので、実際の話しに着想を得たフィクションということになるんでしょうか。 元々リリーやゲルダについて知っている人にとってはあまり認めたくはない作品かもしれません。しかし元がどうであるかは別として、この物語はアイナー、ゲルダ、リリーの3人を巡る奇妙で切なく、そして美しいものでした。 間違いなく、文句なしに「素晴らしい映画作品」なのは間違いありません。

  • 鑑賞日 2018/8/29

    嫁が偉い!

    やっぱり、この映画を観て、際立つのは嫁の偉さ。 今のこの時代ならまだしも、 1920年代で、旦那がトランスジェンダーである事を受け入れて、 さらに最後まで支え続けるという愛の深さに感服。 もちろん、本人の苦悩もあるけど、 もしかしたらそれと同じかそれ以上に嫁の苦悩もあったと思う。 こういう先人たちのお陰で、 トランスジェンダーというものが広がっている中、 たまに見聞きする彼らに対する品も知性もない罵声は本当に腹立たしく感じる。

  • 鑑賞日 2018/7/15

    「ひとたび視線に屈服すれば、ある種の快感があるはず」

    「ひとたび視線に屈服すれば、ある種の快感があるはず」 男性と女性の違いは視線に慣れているかどうか、と語る妻ゲルダ。見る者/見られる者の権威構造について自覚的に、なおかつ「見られる者」の強さを指摘していたところが良かった。 また、その視線の構造は当然、絵を描くことと描かれること(モデルになる)のモチーフから還元される。 冒頭でデンマークでの人気画家として描かれるアイナー・ヴェイナーは、女性である「リリー」になったところから絵が描けなくなり、妻の描く絵の「モデル」として人気を博することになる。 それはさておき。 この作品の良かったところは男性が女性になるところにメタモルフォーゼがないところ。 要するに、いずれの性もひとりの人間の内側にあるものであって、彼の持つ個性は男性・女性に関わらず存在している。身体が女性になったからといって、まるきり別人になるわけではない。 実際、アイナーの高慢さとか身勝手さはずっとそのままだし、彼のもつ美しさは身体が男性だった時から既に宿っていた。 紆余曲折あったキャスティングは結局これが最適解だったと思えるような形になっていて良かった。

  • 鑑賞日 2018/7/12

    辛苦と葛藤

    LGBTに対する偏見が今よりもずっとずっと強く、それが疾患だの妄想だのと思われていた時代、妻のサポートや友人の理解がどんなにあったとしても、当事者にとって、ただただ普通に生きることが本当に辛くて苦しいことだったろうと実感する。また、そんな不遇の時代だったからこそ、生きるための唯一の希望は自らの生命を賭した手術だったという重い事実が胸に迫るとともに、世界初の性転換手術に踏み切った主人公の勇気ある決断がより尊いものに感じられる。 辛苦と葛藤に満ちた生と性の呪縛から解き放たれた主人公の象徴でもあろう、青空をヒラヒラと舞うスカーフを捉えた余情深い終幕をはじめ、場面をセンチメンタルに彩る抒情的な音楽や、登場人物の心象風景でもあろう鈍色に沈んだ情景描写、E・レッドメイン、A・ヴィキャンデルといった俳優陣の好演や、T・フーパーの繊細にして洗練された語り口、そして、世間の価値観に逆らいながらも自分が自分であることを望み、その果てに絶命した主人公の無垢で一途な生きざまが心に残る秀逸の人間ドラマ。 あと、V・オルタ自邸やタッセル邸といったアールヌーヴォーを代表する住宅の登場にビックリで、建築やインテリアに興味のある向きには何とも嬉しい限り。

  • 鑑賞日 2018/7/11

    何とも重くて痛い話のトランスジェンダーもの。 時代が20年代で世界初の性転換手術という時点でバッドエンドは予測できたけど、リリーが可哀想だった。本人は幸せな表情だったけど。 リリー役のエディ・レッドメインが頑張って女装していたが、妻役のアリシア・ヴィキャンデルが美形のキュートだったので、比べるとさすがに何だかなぁという印象だった。ある意味ミスキャストかも。 アリシアは2代目ララ・クロフト役でアクションもやっているようなので、そちらもぜひ観てみたい。 重苦しい話ではあったけど、ラストのスカーフが自由になったリリーを象徴するかのように海岸の空に舞って行くシーンが美しく感動的だった。

  • 鑑賞日 2018/7/5

    凧のように舞うスカーフ

    前半の、芝居掛かった(もちろん、映画の中だから芝居なのだが。)ゲルダの口調や、人物たちの流れるような動作と対照的であるがゆえに、後半の静物画のような静けさが際立つ。その分、リリーとゲルダの哀しみがこちらに響いてくる。リリーがひとり涙を流すときも、BGMはない。 目尻に皺をつくり、広い口を更に横に広く開けて微笑むリリー(とアイナー)の目は、いつも現実のものを見ていないようで、それが儚げで美しかった。

  • 鑑賞日 2018/6/6

    重いテーマを夫婦の愛のドラマとした

     「英国王のスピーチ」のオスカー監督トム・フーパーが、同じくオスカー男優エディ・レッドメインを主演に、世界で初めて性別適合手術を受けた人物とその妻の半生を描いたヒューマンドラマだ。  始めは1930年代という時代背景があまり描かれていないようにも感じた。しかし、本作では社会的視点ではなく、自分が愛した夫が、次第に女性化していくことを愛するゆえに向き合い対峙していく妻の強さに重きを置いているだと理解した。   

  • 鑑賞日 2018/4/21

    難しい

    何と言えばいいのか。とにかく、奥さんが可哀想。

  • 鑑賞日 2018/4/9

    時代を超えた希求

    実話に基づくヒューマンドラマ。 20世紀前半に性同一障害で悩む男とその妻。画家。 ハードな素材を抒情的に描いている。 絵作り、演出と見どころは多い。 他方問題提起作として存在意義は明白。

  • 鑑賞日 2018/3/25

    恐るべし、E・レッドメイン

    どんどん女性になっていくレッドメイン。役とはいえ、これだけ入り込んでしまうと、私生活でも影響出るんじゃないかなあ…。 愛犬のジャックラッセルテリアが、可愛いすぎます。

  • 鑑賞日 2018/3/12

    ほんとの性が目覚める瞬間

    性同一性障害をテーマに主人公とその妻の葛藤を描いた作品ですが、こういう状況になってくると、そりゃ普通に生きていくのもつらいものでしょう。この心理状況を見事に演じきったエディ・レッドメインもすばらしいですね。

  • 鑑賞日 2018/2/13

    最高だ。 私はエディの演技がすごく好きなんだということが、改めて分かった。 「博士と彼女のセオリー」の時もそうだったけど、エディは目が大きくて丸い女の子とお似合いだなぁ。 今までに博士と彼女のセオリー以外にもエディの作品を見てきてるのに、なぜか博士と彼女のセオリーと重なってしまって、最期を見るまでこの「リリーのすべて」が実話だということも知らなかったものの消え行く命を感じて、見続けるのが辛かった。最近身近に性同一性障害の人が居ると知ったせいか、本当に胸が痛くて見るのが辛い。悲しい。痛い。 ストーリーも演出も、本当に最高の出来だと思った。エディだけでなくアリシアも最高に演技が上手い。え、ここまで脱いでいいの?とも思ったし、夫に会いたいと頼む時の演技は迫真で、こちらまで泣けてきた。

  • 鑑賞日 2018/1/22

    あまりにも繊細で美しく、絵作りも絵画的で目の離せない作品であり、エディレッドメインのまるでバレエのように体の先端まで神経を行き届かせた繊細な演技と、そんな彼を見守り支え続ける妻の葛藤と苦悩と愛に心を打たれる。 男から女になるのではない。神様が女として自分を誕生させてくれた。だが肉体は男として生まれてしまった。その過ちを手術で治すだけだと彼は言う。そんな彼が女性の所作を学ぶために、覗き穴から裸体の女性の官能的な仕草を鏡越しに真似て射精してしまう場面の痛切さは身が引き裂かれる。 そして何と言ってもアリシアビキャンデルの演技が素晴らしい。女性に目覚めたきっかけを作り、夫の絵で画家として成功し、そして何故自分は夫と生活しているのか分からなくなりながらも、それでもリリーも含めて丸ごと愛するという懐の深さと力強い瞳が見事。

  • 鑑賞日 2017/11/7

    私は女であるからして、女性の方に感情移入。愛する人が女になり、そして命を失い、彼女の二度の喪失感が胸に迫る。リリーも辛いのだろうけど、その気持ちを核心まで理解することは、やっぱりできない。

  • 鑑賞日 2017/9/15

     舞台は1920年代、まだ性同一性障害なんて言葉がなかったころに初めて性同一性障害のために性転換手術を受けた人物の実話をもとにした映画。あとで調べてみると、手術を受けた年齢などについてはだいぶ脚色されている。男性として長く生きてきた人物が、結婚数年してから初めて性同一性障害に気づくというストーリー。映画を見ていても、最初は女装に違和感を覚えていたが、そのうちにこの姿こそが本来の姿に見えてくるあたり、さすが俳優の演技力が素晴らしいのだろう。この時代性同一性障害なんて言葉はなくて、明らかに異常とのレッテルを張られ、統合失調症との診断も受けかけて病院から逃げ出すシーンなど、大変だったんだろうなと感じた。そしてそんな人物を受け入れ支え続けた女性が強く、魅力的だった。

  • 鑑賞日 2017/9/14

    目で語る映画

    エディ・レッドメインの目が全てを語っていた。 という気がするくらい、演技がうますぎた。 特にガラス越しに娼婦の仕草を真似するシーン。 性の隔たり。やるせなさ。 現実に引き戻される感じ。 モヤモヤが止まらない。

  • 鑑賞日 2017/9/6

    終始重い話であった。だんだんと旦那の人格が変わって行く姿が生々しかった。俳優さんもすごく綺麗だった。

  • 鑑賞日 2017/8/26

    女性からすると、愛する夫がまさかの性同一性障害なわけで… 二人の葛藤が悲しすぎるけど、夫婦という関係を越えた人間同士の絆が強く美しい。 今では普通に耳する「性転換」の意味を、もっと重く感じないといけないね。バラエティで笑ってるその人たちのことも。

  • 鑑賞日 2017/8/24

    美しい

    主演の俳優が好きで、見始めたがパートナーの女優も好きになった。 トランスジェンダーをテーマにしているが、芸術や愛にも触れられていて感性が磨かれた。 一番の魅力は、映像の美しさ。人物の横顔や仕草、衣装、舞台となる家やパリの画廊、たばこを揺するシーンや汽車に乗る別れの場面。リリーの肖像を描くシーンでは、女性の仕草ってこんなに綺麗なんだと見惚れた。物静かで滑らかで、でも前向きでどこか儚いリリーの姿も美しかった。 優しくて何もかも包んでくれるアイナーから、自分の道を進みたがるリリーに段々と変化していく様子や、手術を終えて弱り死が近づく様子を表情から読み取らせるエディの演技も素晴らしかった。夫の存在を求めつつ次第に理解を深める勇ましい妻を演じるアリシアも良かった。

  • 鑑賞日 2017/6/16

    その性癖を個性と呼ぶ時代

    「男性」アイナーから、「女性」リリーへの変貌過程に息を呑む。頼まれモデルとして戯れに穿いたストッキングは、「彼」が封印していた性癖を目覚めさせる。妻ゲルダとの満ち足りた生活を送る一方、とまどいながらもその性癖を抑えられないアイナー。女装して美しくなっていくにつれ、罪悪感や羞恥心は影を失う。完璧な女装姿に陶然とし、恍惚感に震える「彼女」は、みずからの意思に従って性別適合手術を受けるにまで生きる自信を身に着けていく。今でこそ、トランス・ジェンダーは一つの個性として認知されているかもしれないが、まだ無理解だった時代に、それをカミングアウトして生きることを選んだアイナー=リリーの覚悟、勇気に敬意を払いたい。と同時に、それから90年近く経った現在でも、同じような悩みを抱え、同じような境遇にある人たちへの差別・偏見が厳然と存在する世界や日本の状況を目にしてしまうと、人と違うことを「個性」だと認めようとしない同調圧力の怖さをあらためて感じてしまう。 荒野に立つ裸木、清冽な水の流れ、雲間を切り裂いて差し込む陽光……。映画冒頭に映し出され、その後、要所要所に挿入される、荒涼としたデンマークの自然が圧倒的な存在感を持って迫ってくる。それは、抑圧され鬱屈とした「彼」の心象風景に他ならない。 ゲルダとアイナー=リリーの心と心を結ぶ象徴のスカーフが、その荒涼とした空に舞い上がるエピローグ。ようやく魂の自由を手に入れた「彼女」を表現する、この恥ずかしいくらいにベタな演出にも、なぜか不自然さを感じさせないのは、徹底したリアリズム演出のなせる技ゆえだろう。

  • 鑑賞日

    何回見ても泣けます

    あーこれが本当の愛なのか、と思いました。 実話なだけあり、リアリティ満ち溢れてました 本当に何回見ても泣けます 音楽のチョイスも◎

  • 鑑賞日 2017/5/17

    登場人物の複雑な心理

    ジェンダーをテーマとした映画。状況が特殊であることもあり登場人物の心理が複雑で、理解が難しい箇所も幾つかあったが、また観たいと思える。色や構図等の絵作りがどこを切り取っても息を呑むほど美しく、抜群のセンスに感銘を受けた。 美しさという点でメインビジュアルの人物が男だなんて全くわからず、彼の女装は正直本物の女よりも妖艶で美しい。アイナー役であるエディ・レッドメインの演技を初めて観た作品だったが、仕草や表情等、他で見たことがないような独特の演技に引き込まれた。 私個人はどちらかと言うとアイナーの妻であるゲルダに感情移入することが多かった。本当の愛とは何なのか考えさせられる映画。

  • 鑑賞日 2017/5/1

    疑いの余地のない傑作

    風景画で高い評価を勝ち得ている夫と、肖像画の仕事に努めつつ世間的な評価に恵まれずに苦闘している妻が、ふとしたきっかけで妻の肖像画のモデルを手伝うために夫を女装させるというアイデアを思いつき、思いつきのままに女性のストッキングと靴を身につけた夫は自分のうちにある女性「リリー」の存在を発見し、発見した女性性に戸惑い混乱すると、混乱の果てに自身をもう一度受け入れる決断をする。 リリー・エルベ(アイナー・ヴィーグナー)とゲルダ・ヴィーグナーの生涯を描いた半フィクションの映画である。 演出が驚くほど精確で、一人称と三人称の間を縦横無尽に大胆に移り変わっていくカメラワークが実に雄弁で、出演者達の演技の確かさとも相俟って、さらにはデンマークを中心としたロケーションの息を呑むような美しい撮影とも相俟って、さらには劇的かつ静謐な音楽とも相俟って、とてつもない構築性を備えた作品に仕上がっている。 ラストシーンまで、一切の乱れがないストーリーテリングと、何一つ疑問を感じさせない演出のうまさにとにかく感動した。 トム・フーパーはやっぱりすごい。 そして主演の2人の演技も圧巻である。 ものすごい映画であった。

  • 鑑賞日 2016/3/21

    すごいものを観た

    なかなか感想が難しいのですが、 とにかく、エディ・レッドメインの演技はハンパないです。 指先、足先、ヘタしたら髪の先まで演じているようで、 いやいや、リリーそのもので、圧倒されました。 苦しいですね…。 自分が自分でないって。 そして、奥さんの状況も。 この二人の境遇、 自分の想像力を超える場所にいて、 完全な感情移入ができないもどかしさを感じつつ…。 ただ、二人の強さや勇気や、無償の愛が、 風に舞い飛び立って行ったスカーフのように未来に繋がって、 このラストは、ハッピーエンドなんだと思いたい。

  • 鑑賞日 2017/3/19

    主演二人の演技

    が最大の魅力であると感じた。特にエディレッドメインがすごい。 女になりたいという心の奥底からの感情が、体全体からあふれてる感じ。 シーン的にはあまり変わり映えのしないものが続くので、集中していないとストーリー全体の中での感情の動きが理解しづらい。二人が小声で同じようなことを話し合うシーンが多すぎる。

  • 鑑賞日 2017/2/1

    美しい映画です

    性同一性障害の主人公を描いたものでしたが、とにかく映像の美しさに目を奪われました。色、光、構図、1シーン1シーンが美しい絵画のようでした。それらが主人公の内面を映し出し、物語も映像も全てが一つのテーマに収束しているように感じました。

  • 鑑賞日 2017/2/6

    ハンマースホイ

    ◎ 女装を始めたばかりのころのエディはかなり気色悪い。大柄で口が大きく、肌はきめ細かくないし、大きな手はとても女性のものには見えない。物語が進むにつれて、それがだんだん違和感なく見られるようになるから不思議だ。彼の演技力や監督の演出力のなせる業だろう。 ◎ 夫婦がともに画家だいう設定も関係しているのか、一場面一場面が名画のように決まっている。室内の場面はハンマースホイの絵画を参考にしたとのこと。細部にまで制作者の神経が行き届いている。

  • 鑑賞日 2017/1/30

    性同一障害がまだ社会に認識されていなかった時代に、自分の中の違和感と闘いながら本当の自分を探して生きた人 考えさせられる話だったけど自分は観ているとしんどくなった リリーは自分の生き方を追求して女性として生まれ変わることができたけれど、自分の愛する人の中に別の人が生まれて、アイナーが消えて行くのを受け入れるしかなかったゲルダがなんだかなあ…気の毒

  • 鑑賞日 2017/1/29

    美しい映画

    映像のすべてが美しい。 どの場面、どの瞬間を切り取っても絵になる。 ゲルダの葛藤がなんともせつない。 実話が基の映画って半端な終わり方も多い気がするけど綺麗に終わっている。 多少史実と違っていても素敵な映画でした。 最後スカーフがカモメのように飛んでいくシーンが印象的。

  • 鑑賞日 2017/1/24

     アリシア・ヴィキャンデルの好演が光るね。コンパクトに纏まってていい作品。

  • 鑑賞日 2017/1/23

    美しさと苦しさに引きこまれていく。

    自分の現実としての性と、心の中にある性が噛み合わなかったとしたら…こんなに苦しい事は無い。 自分は幸運にも事実と気持ちは成立して存在できている。幸運にもと思えたのはこの映画を観たからで、この事実に苦しんでいる人が世の中に多くいる事を考えると…胸が痛いというのは本当にある事なんだなと。 受け入れたく無い現実と、受け入れないと壊れてしまう自分の心と、その葛藤に悩まされる登場人物達の心の痛さを見事に演出した俳優達に拍手を送りたい。 こういった辛さをも凌ぐ、リリーの美しさ。 ドレスを滑る手、顔を撫でる手、その指先はバレリーナのようで、グングンと引きこまれていく。 女性以上に女性らしいリリーは強く、そのリリーをアイナー含めて受け入れる、リリーをも上回るとてつもない強さのゲルダ。愛した夫アイナーが、リリーになっていく…同じなのに違う。愛しても、妻としてはもう愛されない。受け入れられない現実を叩きつけられていく。それでもゲルダはリリーを愛す。 リリーは自分だけのために生きる。リリーになれた瞬間、リリーもアイナーもこの世から去る。苦しく美しく、終始涙が止まらなかった。

  • 鑑賞日 2017/1/4

    シャイなリリーのほほえみ

    エディ・レッドメインの演技の何がすごいかって、ただ女性になり切るのではなく、アイナーの男性性を残しつつ、リリーの女性性を演じたところ。初めてリリーに会ったら、何か違和感を感じつつも、愛さずにはいられないそんな可憐さだ。シャイなリリーが上目づかいに微笑む姿にヤラれました。

  • 鑑賞日 2017/1/1

    味わったことのない映画

    個人的にずっと気になっていて惹かれていてようやく見れた 理由は僕が中性だから 見終わった後の喪失感、たくさんの思考、 感情があふれすぎてどうしたらいいかわからない だからここにすぐ書いている 劇中何度も泣いた どうしてか気持ちが入り込んだみたいに流れてきて こんな気持ちは感じたことがない エディはファンタビで拝見していたけど 別人のようで驚いた ぜひもっともっとこの作品が広がっていって欲しい もし悩んでいるのなら手にとって欲しい 世界観も色も演技も全てにおいて素晴らしいし 伝えたいこともわかるし 普通に映画としても評価は高いと思う

  • 鑑賞日 2016/12/10

    熱演は素晴らしいが好きな映画ではない。奥さん切ない。ハンス役は『宮廷庭師』の時は魅力が全くわからなかったけど今回は素敵。

  • 鑑賞日

    エディレッドメイン演技力

    エディレッドメインの演技がとても素晴らしかったです。 仕草から本当に女性のようでした。 本当は女性なんじゃないかというくらい。 演技力に引き込まれました。

  • 鑑賞日 2016/10/31

    すべてを包む愛。

    何年か前に同じような設定の映画を観た記憶があった。 同居していた男の突然の覚醒とカミングアウト。頭で は理解しても、女の方の心がついていかないのは当然。 この実在した夫婦の苦悩はいかばかりのものだったか、 妻の苦悩と葛藤を熱演したアリシアの演技が圧倒的だ。 性別適合手術を何度も繰り返したのちリリーの身体は 拒絶反応を示し落命するが、最後まで彼(彼女)を支え 続けた妻の献身あってこその実現でもあった。元はと いえば目覚めさせたのも妻であったが、まさか自分の 夫がそうなるとは誰が想像するだろう。もし自分なら こんな世話ができるだろうか、愛する人の変化に対応 するだけの器量が私にあるのかと何度も考えてしまう。

  • 鑑賞日 2016/11/8

    男と女の間には深くて暗いエルベ川。

    人は未知のものに対し、果敢に探求心を発揮して、多くの知識を得てきた。その中 でも人間自身の心の奥底の謎はなお深い。人間の持つ多様性を認め、一人の人生 を描いて、これほど衝撃的な作品はない。西と東、朝と夜、自明のことと理解していた 男と女の壁が崩れるのを目の当たりにしている現代人にとって、この映画は、 その謎に迫る第1ページとしても有意義だ。 それが革新的にして、美しく哀しい物語となる。そこが凄い。 トランスジェンダーの境をさまようう瞬間は、どのように自覚されるのか。 根源的なテーマを具象化せしめたのが、E・レッドメインの迫真の演技だ。 彼の圧倒的な役づくりとその表現力が、本作の成功の最大要因だろう。 なおかつ傑作たる資格を得たのは、妻ゲルダという、リリーの新しい人生のきっかけ を作った人物に光を与えたことだ。最初は夫婦間のささやかな冗談から、アイナー の中にリリーの目覚めを描く。そのリリーの姿に芸術的な感興を得て、ゲルダは 画家として成功する。リリーという新しい愛情の対象の誕生は、同時に夫のアイナー の喪失でもあった。熱望していた画家としての成功の影に、アイナーからリリーへの 深くて暗い川を超える難行に同行する苦しみが待っていた。 映画はコペンハーゲン、パリ、ドレスデンと古い町並みを映すが、間違っても 高くそびえる塔は出ない。落ち着いたシンメトリーの街並みは「膣」をイメージさせる。 ゲルダとアイナーをつなげる共通語である絵にリスペクトを捧げ、 映画作家として一枚のシャシンにテーマを潜める。 ラストは、画家であったアイナーの重要なモチーフとなった荒涼とした風景の中で、 ゲルダのスカーフが強風にさらわれる。リリーの魂の解放を思わせる清浄はシーンは、 あまりに美しく哀しい。

  • 鑑賞日 2016/11/18

    アイナーとリリーの同居

    夫アイナー、妻ゲルダ、夫婦で絵を描いている。 アイナーは才能を認められているが、ゲルダは売れない画家。 ある時から、アイナーの中で女性リリーの存在が大きくなり始める。 そのリリーを描いたゲルダの絵が認められてパリで個展を開くという皮肉。 更に、物語は続く………。 アイナーは、自分の中で「心がリリー」になっていく、これに合わせる形で「身体もリリー」にするために、1920年代では難しい手術だった性転換手術を受けて、リリーとなって命を落とす。 妻ゲルダが美人であり、子供も欲しがっていたので気の毒。 最近よく話題になっているLGBTの先駆的存在を描いた映画。 アイナー/リリー役を演じた男優はアカデミー授賞式(テレビ)で見ていたが、名演。

  • 鑑賞日 2016/11/10

    LGBTの映画は美しい映画が多い。 この映画もその一つ。 わたしは、ロランス、GF BF、キャロル、追憶と踊りながら、 あまりにも感受性が豊かで繊細な人が多いんだなと感じてしまう。 エディレッドメインは、美しすぎる母から観てるが表情仕草一つ一つがどれをとっても丁寧で素晴らしい。そして切ない演技が上手い。 リリーの言葉、やっと本当の自分になれた。これほどの愛に私は値しないという言葉に、涙が出てきた。

  • 鑑賞日 2016/3/20

    登場人物みんなワガママ

    ・予告編で中身を出しすぎており、内容をほとんど知っている状態で鑑賞する事になる。映像は美しいが、どれも予告で見た物なので映像もストーリーも驚きや意外性は全くない。 ・登場人物の誰にも共感できず、自分の気持ちに正直すぎるワガママな言動に苛つく。

  • 鑑賞日 2016/3/19

    The Dansh Girl

    綺麗な映画だこと!! 夫婦ともに画家だからか実話だから忠実に家具も時代衣装も美しい。 靴下一つきれいに描かれている。 心身バラバラの状況に苦悩し当時、未知の世界へ踏み入れたアイナーと医師に拍手です。 その勇気を後押しした妻はもっと凄いと思う。 アリシア助演女優賞おめでとう!!!

  • 鑑賞日 2016/10/31

    イギリスらしい知性の映画。

     ハリウッド映画にない感性・知性・演技に彩られた素敵な映画。  主人公の中で、男が喪失していく過程が、今ひとつ納得させるものがなかったし、ベン・ウィショーのくだりも膨らみが足りないが、史実ということもあり、ことさらドラマティックな展開にしなかったのは、この静謐なドラマには合っていたかもしれぬ。   しかし、旦那の顔の女性ヌードを描き、画家として名が売れてしまう妻・・。相当、この人も屈折してますね。  ラストでまた素敵なイギリスの風景と点描で、作品を締めた。   医者(?!)以外、悪意のある人間が誰も出て来ず、ホッとした一面はあった。

  • 鑑賞日 2016/10/20

    切ない話でした

    夫の気持ち、妻の気持ち、友人の気持ち、どの場面も切なく涙が止まりませんでした。 人を愛する事と自分自身を生きることがからまり合い、正解なんてないと心から思いました。

  • 鑑賞日 2016/10/10

    なんか悲しくて柄にもなく劇場でポロポロ泣いてしまった。ゲルダの表情のひとつひとつがつらい。 リリの伏しがちなおめめと笑ったときの口元が可憐すぎた。音楽も景色も素敵だった。

  • 鑑賞日 2016/10/11

    夫婦愛

     最近、作りこんだ芝居が続いているエディ・レッドメインが今回は性同一障害になやむ画家を演じている。女装や化粧は当たり前、まさか裸になって一物を隠した姿を鏡に映して恍惚となるシーンにまでチャレンジするとは。まさに体を張っている。  最初は単なる女装趣味の倒錯した性癖の持ち主の話なのかと思っていたが、次第に自分が男であることを嫌悪するようになっていくことから、ようやく納得する。今でこそ性同一障害とかトランスジェンダーといった障害は世間的にも認知されつつあるけど、この時代ではまさに理解不能の障害だったであろうことは容易に想像がつく。医師たちも性的倒錯とか精神分裂病とかで片づけようとしている。世界で初めて性転換手術を行った男性の伝記映画だとは後で知った。それまではアルモドバル監督の作品のような性にまつわる欲望や情念を描いたドラマなのかと身構えていた。  理解されない障害を持った男の悲しみをレッドメインは見事に演じていると思う。そしてそんな夫を最後まで愛し続けた妻(アリシア・ヴィキャンデル)の存在があることでこの映画は夫婦愛を描いたすぐれた作品ともなり得ていると思う。

  • 鑑賞日 2016/10/15

    普遍性

    エディ・レッドメイン、憑依型の名優だなぁ。最初は、ええー女には見えないーと思ってたのが、だんだん見えなくもなくなってくる不思議。 しかしこの映画で重要なのは妻の愛、または強い母性本能(どっちにしても愛)だ。ベン・ウィショーとプーチン顔の幼なじみハンスの友情も温かいけど。 実話では、アーウィンは生まれつきもっと女性的なルックスだったようだし、妻がレズビアンだった可能性も示唆されてた。手術は「母になるため」子宮を移植したあとの拒絶反応が急激な体調の悪化につながった、とも。 性別は細胞ひとつひとつのDNAに刻み込まれてるんだから、子宮と卵巣があっても妊娠できるわけないのに…と思う自分は今の医学の常識にとらわれてるだけで、実は男が子供を産む可能性もあるんだろうか? 性同一性障害って「障害」なのかな。でも自分が、なれない何かであると信じることが「障害」なら、性別以外にもいろいろな同一性障害があるんだろうか。 この映画は、普遍的な、そのときの常識に反発して自分の何かを通さなければならない人の映画だ。

  • 鑑賞日 2016/10/16

    アリシア・ヴィキャンデル!

    絶世の美女というのではないが(むしろだからこそ)スターになる必然性バリバリの女優さんを知る映画。私には香水売り場のシーンが白眉で、自分の人生を生きている喜びを表情やしぐさで完璧に表現するレッドメイン、素晴らしい。

  • 鑑賞日 2016/10/16

    切なく美しい

    性同一性障害の男性を描いたものだが、とても切実に彼の苦悩や悲しみを感じることができた。下手をすれば偏見と奇異な感情で見られたかもしれない題材を普遍的な人間的な感情で受け止められる作品に仕上げた監督の力量は素晴らしい。特にゲルダの母のような大きな強い愛情には感動した。 風景もファッションも美しい。

  • 鑑賞日 2016/10/14

    本当の自分とは何か 見つける事の難しさ 何事も定義づける事が出来るわけではない 性別がどうという事ではなく、自分が自分らしくいる事

  • 鑑賞日 2016/10/10

    性別ってなんやろ

    今までゲイの映画をそれなりに好んで観てました(自分はゲイではありませんが) それはそれで理解できたり、できなかったりしますが、この映画を観て、人間の性ってなんなんやろか?と思う。神様、特に西洋の神様っていう考えはあまり信じないのですが、作中にもあるように、神様が間違ったと言うのが一番しっくりとくる感じがするので不思議です。 彼の中の女性が目覚め、彼が喪われていくのを見続ける奥さんの気持ちもわかるが、自分自身の本能のまま進むことを選ぶリリーの切なさが胸を打ちます。 余韻の残る映画でした。

  • 鑑賞日 2016/9/18

    驚異の演技はエディのみならず。誰も悪くないのに全員やるせなく見えてくる前代未聞映画。

    What a fantastic Alicia Vikander' s playing is. From the middle of the story ,it is quiet sophisticated to consider whose shoes I should watch the movie in. Quiet complicated so that it gave me a great impression.

  • 鑑賞日 2016/9/25

    妻の深い愛情

    あらすじは以下の通り。 1930年。デンマークに住む風景画家アイナー・ヴェイナーは、ある日、肖像画家である妻のゲルダに頼まれ女性モデルの代役を務めることに。これをきっかけに、アイナーに内在していた女性性が目覚めていった。次第にリリーという名の女性として過ごすことが多くなっていき、心と身体との不一致に苦悩を深めていくアイナー。ゲルダもまた、アイナーが夫でなくなっていくことに困惑するものの、やがてリリーこそがアイナーの本来の姿であると理解し受け入れていく。そしてパリに移住し解決の道を探す二人の前に、ある婦人科医が現れる――。 面白半分で夫のアイナーに女装させてパーティーに行ったら、子供の頃からアイナーの中に潜んでいた女性的な部分が目覚めて、いつしかリリーという女性として生きることを夢見るようになっていった。 自分の事ばかりで身勝手なリリーを受け入れ、支え続けたゲルダが素晴らしい。 夫が女性になりたいだなんて言い出したら、普通なら到底受け入れることなんてできないだろう。なんというか男女の愛を超えた愛が感じられた。 邦題こそ『リリーのすべて』であるが、ゲルダなしでは成り立たない物語。 ラストシーンで空に舞うマフラーが心地良い。 あと、『コードネームU.N.C.L.E』でも思ったけどアリシア・ヴィキャンデルがとにかくかわいい。

  • 鑑賞日 2016/9/18

    ストレートに伝わってくる良作

    1930年代に世界初の性転換手術を受けて亡くなったデンマーク人の女性の物語。トランスジェンダーのコミュニティどころかその存在さえ知られていなかった社会の中で、自分に何が起きているのかを理解し行動しなければならなかったリリー/アイナーの混乱と苦しみがストレートに伝わってくる。『レ・ミゼラブル』の監督だからクサい話なんじゃないかと思ってたけど、そんなことない良作でした。 この映画では、彼/女のトランスを、男性の人格の下から女性の人格が現れるというモデルで表現してて、描き方によっては、いたずら心から始めたクロスドレッシングが「異常な」二重人格を引き出してしまったという偏見を生み出しかねない危険もあるように思うけど(その典型例は女性人格が快楽殺人を繰り返す『MOZU』)、あまり引っかからずにすんなり見られたのは、彼/女が、女性人格はつねにそこにあったが、生き延びるためには仮のアイナーという男性人格を作り出さなければならなかったと自分で語っていたためでしょう。男性の身体に男性の人格が宿ることを本質視自然視はしてない。 もっとも、このモデルでは、愛するアイナーという人格の死を受け入れなければならないゲルダの苦しみはよく理解できるものの、トランスは必ずしも違う人格に入れ替わるという過程ではないはずで、やっぱりこのモデルで理解するのはちょっと再考が必要かもしれない。むしろ、映画の前半でスーツの下に女性ものの下着をつけた彼/女とゲルダが愛し合うシーンなんかが、すごくクィアな感じで面白かった。 とはいうものの、自分の欲望に混乱し、妻を傷つけていることに罪悪感を覚え、医師によって男性器に放射線を当てられたりするような屈辱的扱いを受ける苦しみと、それでも自分自身を知りたい、自分の望む人生を手に入れたいと行動するリリー/アイナーの勇気は素直に感動する。ゲルダだけでなく、郷里の友人(この俳優、めっちゃプーチンに似てるwww)やホモセクシュアルの友人など、周囲に理解ある人たちがいたのも素直によかったなあと思えます。 それにしてもリリー/アイナーが命を落とすことになった性転換手術が、男性器の切除のあとの膣形成だったというのがちょっとショックでした。この時代に、乳房の形成よりもそんな難しい手術の方が性別適合に不可欠だと医師はなんで考えていたんだろう…?トランスジェンダーの歴史も知りたくなってきた。

  • 鑑賞日 2016/9/24

    妻の深い愛情

    性同一障害(当時はもちろんそんな言葉もないが)であることに目覚め女性になろうとする画画の夫(エディ・レッドメイン)を、苦悩しながらも支える妻の話。夫がどんな状態になっても愛するが故に夫を支え、絵のモデルにして描くアリシア・ヴィキャンデルが健気過ぎる。アカデミー助演女優賞も納得の演技。エディ・レッドメインは、前年に主演男優賞を受賞していなければこの演技で主演賞を獲得していただろう。ジェンダーについてというより、夫婦の愛について考えさせられた。

  • 鑑賞日 2016/9/12

    ぎこちなさを消していくレッドメイン圧巻

    この映画にはいろんな2人がいる。ふざけ半分の女装が埋もれていた感情を夫にもたらし、女装した夫は戸惑いながらもある男とキスをし、目撃した妻はもう1人の夫、リリーと出会う。リリーを止めたいのに、リリーをモデルにした絵は飛ぶように評価を浚う。リリーはやがて夫を消し、夫はそれでもリリーの中にいて妻は夫を、リリーを愛する。2人の話なのにいろんな面を見せてきて、根幹にある愛は揺さぶられつつも揺るがない。

  • 鑑賞日

    泣いた~~

    号泣~! それにしてもレッドメインさんってほんとに何者!! ほんとにどんな役でもできるのね!!すごい! かっこいいし、女装もできるし、もうね、なんなの!! ファンタスティックビーストも観るよ!

  • 鑑賞日 2016/9/9

    その妻の

    どの時代にも、性同一性障害(この名称もある時期から使われるようになったものだが)はあっただろう。そしてその認識や理解は、それでも現在が最も獲得しているのであろう。1950年代という時代の本人の苦悩もさることながら、その妻の理解、それゆえの苦悩がこの映画の主役であるように思う。なのだが、いまひとつ掘り下げが甘い感じ。深く深くは来ない。

  • 鑑賞日 2016/9/11

    リリーを支えるゲルダの愛がとても素敵だった。

  • 鑑賞日 2016/9/10

    愛のカタチ…

    世界初の性別適合手術を受けた女性リリー・エルベの半生を描いた伝記ドラマ。 この一歩があったら、今があるのだと思うと、感慨深いものがあった。 当時は命がけだったのだ。そこまでして女性としての性を手に入れたいと思った主人公とは… そんな主人公をエディ・レッドメインが妖艶に演じている。 でも、実際、そんな綺麗事ぢゃすまないとは思うのだが…

  • 鑑賞日 2016/8/28

    トラスジェンダーの夜明け

    1933年のデンマークにおける、ある夫婦が自分の性に対しての新たな目覚めを描いた作品。 夫ヴェイナ―と妻ゲルダは夫婦揃って画家であった。ゲルダがヴェイナーに対して肖像画のモデルに成って欲しいので、バレリーナに急きょ扮してと依頼するのだった。ヴェイナーはバレリーナのストッキングをはき、バレエシューズを履くと、何とも表現出来ない違和感を覚えるのだった。そして、ゲルダの不在時にこっそりとバレエ姿に扮すると、自分の中にある女性願望に気が付くのだった。そして、この事が妻のゲルダにも知られ、二人はヴェイナーの女装遊びに興じるのだった。特異的な現象は、ヴェイナーが女性用かつらを外した瞬間に男性意識の領域に戻る事も自認する事だった。やがてはヴェイナーも女性願望が本気になり、公の場にその姿で出ていく事へゲルダも理解を示すのだった。更に、ヴェイナーの意識もエスカレートして、性転換手術の決心をしたが、1933年の医学だと性転換手術も上手くいかずに、ヴゥイナーは悲運にも命を落としてしまうのだった。 今の時代でこそ、LGBTはごく普通に語られるが、1933年当時では世間の目が冷ややかで、そんな中でのLGBTを貫いたヴェイナーの意思の強さに感服。更に、伴侶のゲルダまでが理解を示し、夫婦状態を維持する辺りに、ゲルダの懐の深さを知らされた次第。 もしかして、人は誰でも己が持ってないモノに対して、特別な願望が心の奥深くに有るのかもしれない。 ※LGBTとは・・・・・・・・女性同性愛者(レズビアン、Lesbian)、男性同性愛者(ゲイ、Gay)、両性愛者(バイセクシュアル、Bisexual)、性同一性障害を含む性別越境者など(トランスジェンダー、Transgender)の人々を意味する頭字語である。

  • 鑑賞日 2016/9/7

    ちょっと

    痛くなっちゃった… 美術がいいです。 「デニッシュ・ガール」っていう菓子パンみたいなのが原題。

  • 鑑賞日 2016/5/4

    1人の人間が望むべき姿になりたいと願う。 夫婦の愛がとても切ない。そしてエディ・レッドメインがとても美しい。

  • 鑑賞日 2016/8/6

    女装してフェミニン的に綺麗にならないギリギリ

    エディ・レッドメインのごつさと笑顔が成功のすべて。観客に気味悪いと可愛らしさの境を行ったり来たりさせるところがキモ。医者=博士の非人間性やゲイとの関係論など、細かい不備や違和感はある。

  • 鑑賞日 2016/8/2

    上質に仕上がった時代の革新劇

    作品の組み立ては、自分の夫が女性になっていく姿を苦悩しながらも受け入れて、支えていく「妻」の物語である。妻、ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデルは、アカデミー賞をはじめいくつもの映画賞で助演女優賞を受賞しているが、揺れる感情を繊細に演じ分けてストーリー上、主人公と言っても過言ではない存在感。観客を引っ張っていくのは妻の苦悩に満ちた日々だ。 自分の中で眠っていたものが目を覚ます。 男性から女性へと変化していく「夫」、アイナー・ヴェイナー。エディ・レッドメインの演技が素晴らしい。無意識のうちに同一化させてきた身体と心の同一性が失われていくプロセスを見事に演じている。男性としての身体的違和感を感じる表現も見事なら、女性の仕草に惹かれていかざるを得ない衝動にも説得力があった。 デンマークの風景が美しい。コペンハーゲンの街並みも古都といった風情があるが、アイナー亡き後、ゲルダは、夫の生まれ故郷ヴァイレに旅をする。アイナーの描く風景画そのもののような枯れた光景がこの上なく美しい。自然美を画面に上手に切り取っている。最後に訪ねた岬で、ゲルダの首に巻いたスカーフが風にさらわれるくだりは語り継がれるべき名ラストシーンとなるのではないか。心打たれるものがある。 時は1926年、トランスジェンダーの認識など全く無い時代。この時代性が夫婦の苦悩をきわだ出せる。精神の異常と解釈されて当たり前の時代状況で、アイナーが選択した性別適合手術は、己の幸せのみならず、社会の中で自己の存在をかけたもの。その意味では、社会的価値観に対する夫婦の革新的闘いの物語でもある。

  • 鑑賞日 2016/3/21

    この映画を見る者は、みな騙されることになる。初め我々はエディ・レッドメインさん演じるところの主人公を当然「男」と思って見る。しかし、物語が進むに従って、実はこの映画は「女が女になっていく過程を描いた物語」であることが明らかになってくる。主人公を「男」と思って見るか、「女」と思って見るか、景色は全然違って見えるのではないか。それを確かめるために私達はもう一度この映画を見返すことになる。つまり、この映画は一粒で二度おいしい映画なのである。エディ・レッドメインさんが名演技を見せてくれる。

  • 鑑賞日 2016/3/18

    (映)邦題がぴったり。深淵を覗かないままなのに双方の苦しさがふんわり味わわされるさじ加減が絶妙。不安と、求める気持ちと、受け入れる気持ちが渦巻いて悲しい。エディ・レッドメインのこのパターンはいつでも割を食うのは奥さんの方だなあと思いつつ、可愛らしく始まるのにとてつもなく切ない夫婦だった。扱っているのはトランスジェンダーなのに、展開は保守派が好みでこの着地点は上手くやったな、と。

  • 鑑賞日 2016/4/6

    真の主人公は妻ゲルダ

    MtFのトランスジェンダーを描いた名作。 主人公はアイナー(リリー)だが、これは妻ゲルダの物語。 愛する人を支え続けた。 困惑しながらも背中を押し、愛し続けた姿が悲しくも美しい。 エディ・レッドメインはもちろん、本作はそれ以上にアリシア・ヴィキャンデルが演技で強く訴えかけてくる作品。 自身のセクシュアリティへの違和感が確信に変わり、その決意の気持ちが強くなるごとにリリーが美しくなっていく。 その変化は同じくエディの演じたホーキング博士のそれとも重なった。 どちらも変化に比例して外的な苦悩が増し、愛する女性の確かな愛が明らかにされていく。 テレビCMなども多く流れており、身の回りでも他の洋画ドラマ作品に比べて関心度が高かいように感じられた。 大きなシネコンで上映されていたことも要因だろうが、全国の上映館数が少ないことが悲しい。 いわゆる「オ○マ」も広義ではMtFと言えるため、この作品が広く鑑賞され、ステレオタイプな認識を解くきっかけになればと願う。

  • 鑑賞日 2016/6/21

    子どもが生まれていたら・・・

    父性愛が芽生えて変わった人生を歩んだかもしれないと思わせるところが緩いのかもしれない。終わり方はとても良かった。ベストの人生を終えた訳だ。この女優を今週は2回見た。気に入った。

  • 鑑賞日 2016/6/22

    究極の人間愛

    特異のテーマを扱っていますが、夫婦愛を超えた究極の人間愛が描かれています。 主役夫婦役、繊細な心の機微を見事に演じていました。 さすがのフーパー監督、映像もため息が出るほど美しかったです。

  • 鑑賞日 2016/6/8

    自然風景や町並みが美しい。淡くも鮮やかなデンマークの建築にはうっとりしてしまう。随所に絵画的な美が散りばめられていて、それだけでも観ていられる。ストーリーに関しては、もう少し踏み込んで描いてほしかった気がするが。 物語が進みアイナーの中のリリーが大きくなるにつれ、エディ・レッドメインの女性らしさ・美しさが増していく様は見事だった。 愛する妻の言葉でも頷けないリリー。自分を偽って生きる辛さは計り知れないのだろう。現代以上に性に対する理解のない時代ではあっただろうが、異性愛、同性愛、性同一性障害がそれぞれ描かれていて、どの価値観も確かに存在していたことが強く印象に残った。

  • 鑑賞日 2016/5/25

    正直、映画としての出来は良くないと思う

    正直、映画としての出来は良くないと思う。 この監督の前作『レ・ミゼラブル』は俳優陣の生歌を録音している映画で、アカデミー賞録音賞を受賞しているのだけれどもそのせいかやたら俳優・女優のアップが多くてうんざりする映画だった。こんなアップばかりの映画もないよなあ…でも撮影上しょうがないか…と思ってたけど、今作を観て単に監督及び撮影監督の技量がないだけだったんだなと気づかされた。 とにかくやたらアップと切り返しが多くて、キスシーンなんかも誰かを中心にしたシーンしかなくてうんざりする。映画的なシーン、このシーンいいなっていうシーンがほとんどない。終盤の手術後のリリーとの会話も切り返し切り返しの連続でどんだけ芸がないんだと思ってしまった。 話ももっと踏み込んだ内容にできる物語だと思う。主人公がリリーになりたいと思うようになってから、絵が描けなくなり百貨店で働くようになる話とかはもっと踏み込んでいい話だと思う。この映画は当時性同一性障害が精神病として扱われていたという描写はあっても、当時の男女観の違いまでは描写しきれていないと思う。『ミルク』、『人生はビギナーズ』、『イミテーション・ゲーム』、『キャロル』等々、最近だけでも同性愛等の障害として「時代」が立ちはだかる映画は多々ある中でリリーが女性として生きる瞬間絵が描けなくなるというのはこの物語がほかの同性愛映画と一線を画すエピソードだと思うし、そこを踏み込んで描写してほしかったなあ。正直セクシャリティに関する考察は全くといっていいほどなされていないと思う。 映像も脚本も文句を言いたくなる映画なんだけど、でも結果的にこの映画はとても感動的な作品になっている。その理由は主演二人の演技のすごさ!!二人の気持ちが演技から痛いほど伝わってくる。この映画を見てエディ・レッドメインのこともアリシア・ビカンダーのことも大好きになった。こんなに演技で作品を引っ張っていく映画もそうないと思う。 ただやっぱりもっと映像とかを頑張ってほしかったよなあ…演技の凄さが目立つというのは、製作陣が俳優・女優をコントロールできず負けまくっているともいえると思います。

  • 鑑賞日 2016/5/25

    見ごたえのある映画だった。どうしても妻に感情移入して観てしまい、とても辛くて苦しくなった。もちろん本人の苦悩は計り知れないけれど。。でもこれはハッピーエンド、なのかな

  • 鑑賞日 2016/3/19

    3人の男女が織りなす真実のお話

    20世紀始め、世界で初めて性別適合手術を行った男性画家とその妻そして1人の女性リリーの「3人」が織り成す真実の物語ー。 主人公リリーを演じたエディ・レッドメインは昨年のアカデミー主演男優賞受賞作『博士と彼女のセオリー』と勝るとも劣らない熱演を本作でも披露。その前作とも共通点も多く、変わりゆく夫の姿とそれを献身的に支える妻の苦悩や葛藤を軸に夫婦間のラブストーリーやお互いの人間としての自立が描かれている。 切っ掛けは妻ゲルダが描いていた作品のモデルの代役というほんの些細な出来事。女性物のタイツという無機物を身に纏った瞬間に彼の身体の一部分として同化していく様を彼自身の視点で生々しく描写されるその場面は彼の中の何かのスイッチが入る音が聞こえてくるような一種神秘的なシーン。 妻ゲルダにしても最初は只の「お遊び」に過ぎなかった彼のその行動も服装や化粧といった外見だけでなく仕草や振る舞い、言葉遣いといった内面的な部分の変貌振りには流石に戸惑いを隠せない。しかしながら、リリーを題材にした絵画作品が普段自分が創作している肖像画よりも高評価で個展まで開かれるという矛盾と事実と皮肉…。 そんな画家として妻としての苦悩と葛藤や夫への献身的な情愛をアリシア・ヴィキャンデルが繊細な表情と芯の強さで見事に演じ切っていてアカデミー助演女優賞の名に恥じない名演。(因みにゲルダ役に実際に名前が挙がったのはニコール・キッドマン、シャーリーズ・セロン、グウィネス・パルトロウ、マリオン・コティヤール、ユマ・サーマンという何とも錚々たる面子) 「本当の自分」「自分らしさ」「ありのままに」 …言葉では簡単でも実際に見つけ出すこと、貫き通す事は現実的には厳しいし難しい。今作では「性別」という壁を乗り越える事を主眼に置いているが、人間として信念を持った生き方の尊さや大事さを深く静かにそれでいて力強く訴えかける作品だと感じた。

  • 鑑賞日 2016/4/28

    視点を妻の側からした方が面白いかも

    自分が女であることを全面出して自分らしく生きることを貫いた主人公はそれで良いんだろうし、そういう社会にならなきゃならないと思う。 けれど、自分の愛する夫が女になりたいと告げられた妻は、戸惑いながら受け入れて、夫を支える。 それは立派な行為だし、夫を支える内助の功というもので、それを尊いものと描いているのには異論はない。 だけど、それで終わってしまうのでは、あんまりじゃないか。 あの時代ではカミングアウトをするのは難しいし、それを受け入る状況ではないだろう。妻も芸術家だから、それを受け入れる許容さは他の人々よりもあるだろう。 だが、夫が女になることは衝撃だ。「私は自分の夫が戻ってきて欲しいの」と懇願する場面もある。 しかし、夫は「リリーとアイナーは別人。私はもうあなたの求めるものを与えてあげられないの」といい、それでも妻を愛しているから一緒にいて欲しいという。 これはあまりにも妻が不憫で、またリリーの身勝手さではないか。自分らしく生きるのは良いが、もうこうなると自分のことしか考えていないリリーには多少怒りがこみあげてくる。 そこで妻がリリーと別れようと思い、しかし出来ないという描写があったりして、リリーが性転換手術に失敗して息を引き取る直前まで、これで良かったのかという迷いを見せた方が、深いドラマになったのではないか。 そうしたら夫を支える妻の美談に人間臭いリアルティもあっただろうに。 これはてっきり実話と思ったら、実在の人物をモデルにしたフィクションだと言うので、だから単なる妻の美談にもう少し突っ込んだものを描いて欲しかった。

  • 鑑賞日 2016/5/7

    博士と彼女のセオリーに続き、世界で初めて性別適合手術を受けた人物という難役を演じきったエディ・レッドメイン。 しかし、それ以上に魅せられたのは妻ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデル。 本当の自分を取り戻していく夫に苦悩し葛藤し、そして受け入れていく妻を演じきる。 強く美しいその姿にたちまち惹かれていく。 アカデミー賞助演女優賞納得である。 作品もだが俳優たちの演技が素晴らしい傑作。

  • 鑑賞日 2016/3/21

    押し付けじゃない演技の高め合い

    ストーリーは、予告編とチラシでほぼ理解していたので、主役の若手2人の演技力に注目 レッドメインは線が細いタイプと思っていたから、似合う似合う。ビキャンデルの力強さは受賞スピーチでレッドメインの演技のおかげと言っていただけあって、お互いの演技が拮抗して目が離せない感じだった。 もともとは夫婦だった2人の生活も描いてるので、性生活とかちょっと匂い立つシーンも入ってるのに、とても上品だと思う。 衣装も精神的な変化を少しずつ取り入れていてしかも可愛いし監督のポリシーをスタッフがよく理解しているんだろうなあと思うそれぞれが主張し過ぎない作品だと思った。 計算され尽くした映画なんだろうけど、それを柔らかに舐めしていて上品で上質な映画に納めた映画だと思う

  • 鑑賞日 2016/5/3

    感想

    エディレッドメインがとても良かった。 映像や創りの美しさもエディレッドメインのなんとも言えない心情の変化とか..切なさとか.. 映画としてまた観たい映画。

  • 鑑賞日 2016/3/27

    良い画面と良い音楽と良い俳優。

     英国王のスピーチ、レ・ミゼラブルと同じく  監督トム・フーパー     ×  撮影ダニー・コーエン     ×  音楽アレクサンドル・デスプラ  の座組みでトム・フーパーらしい映画でした。  今作は今までのトム・フーパー映画に増して、  画面構成に力を入れているように思う。  それはかなり多くのショットが左右対称で、  部屋を引いたショットで画面(部屋)全体を映し、  画面の色は淡い色を多く使っている。  非常に考えられた画面構成がされている。  部屋のショットはかなり英国王のスピーチを  思い出す画面の雰囲気でした。  ただ流石にあんな左右対称で綺麗で  生活感のない病院ないでしょ?笑  アレクサンドル・デスプラの音楽は  彼の持ち味のリズミカルな音楽で良かった。  エディ・レッドメインがちゃんと女性っぽく、  男にキスされるのも納得出来るレベルで演じていて良い。  アカデミー賞で最優秀助演女優賞を受賞した  アリシア・ヴィキャンデルも脱いでいるし良い!  博士と彼女のセオリーでホーキング博士を演じて  アカデミー賞最優秀主演男優賞に輝いた  エディ・レッドメインと、  007のQでおなじみベン・ウィショー。  二人の良い男によるキスシーンは、  その筋の人にはたまらないキスシーンだと思う。  さらにはエディ・レッドメインの局部も見えるし、  その局部を小さい時多くの男性がやったのと同じように、  股に挟んで「女の子!」とやる演出にビックリ!  良い画面と良い音楽と良い俳優で  良い映画だと思うのですが、  自分はあんまりのれなかった。  なんというか綺麗すぎるからかなー。  本当に綺麗な画面だらけで素晴らしいんですけどね。 コピー  あなたの愛で、本当の自分になれた。

  • 鑑賞日 2016/4/26

    世界で初めて性転換手術を受けた男性、リリー・エルベの実話に基づく物語。1920年代、性同一性障害と言う概念はなく、同性愛は病気であり治療すれば治ると思われていた時代。そんな時代において彼(彼女)が辿った人生はどれほどタフなものであったのか、想像に難くない。結婚してからエルベが自身の性に目覚めたのを葛藤しながら後押しする彼の妻の姿が痛ましい。エディ・レッドメインとアリシア・ヴィキャンデルの演技は素晴らしいと思う。 映画は彼と妻の関係を軸に感動的な悲劇として描いている。どちらに感情移入するかで見方も変わってくると思う。僕はどちらかと言うと妻側に思い入れながら見た。 リリー・エルベのウィキペディアを見ると彼女が受けた手術がどのようなものだったか生々しく書かれている。今の時代では考えられないようなものだ。「自分らしさ」とは何か、世界を旅して自分探しをする前にまずはこの映画を見てみてはどうだろうか。

  • 鑑賞日 2016/3/21

    映画の仕上がりは凄くいいが、肝心の魂が伝わってこない。。

    世界で初めて性転換適合手術を受けた女性(元は男性)アイナー・ヴェイナーの半生を、「英国王のスピーチ」、「レ・ミゼラブル」のトム・フーパー監督が描いた作品。ヴェイナーの妻であり、生涯のパートナーになるゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデル が本作で今年(2016年)のアカデミー賞助演女優賞を獲得しています。主演のレッドメインもさすがの演技で引き込まれる作品に仕上がっていると思います。 性転換手術は今の日本では行えませんが、性同一性障害を持ち、自分の元来持っている性と明らかに違うと判定された場合にのみ、性適合手術として行うことが可能となっています。性に関しては比較的オープンになった現代ではあっても、性を取り扱う問題となるとタブーがどうしてもつきまとう。それは社会的な認知ということも然ることながら、性を変える本人や家族の意思というところも非常にプライベートな問題になるし、単純に生物学的な性を変えるという施術自体もホルモンなどの身体の免疫バランスを大きく変えることになるので、副作用も大きい。それを20世紀の初頭で、しかも公にされている中では初の試みで行おうとしたことがドラマとなっていく要因となっているのです。 全体的に美しく、オシャレな形に仕上げられた作品だと思います。主役のアイナー(リリー)を演じるレッドメインの演技も、ゲルダを演じるヴィキャンデルの演技も、その他のキャラクターたちの描き込みもしっかりしている。全体的にいいんですが、、、なんか作品のパンチ力や力強さみたいなものが欠けるんですよね。これは同じレッドメイン主演の「博士と彼女のセオリー」でも感じたんですが、レッドメインの演技力やキャラクターへの化け方が凄くて、そこばかり目が行くから、何かしらドラマの核みたいなものが逆に見えづらくなっているのかなと思います。逆に、レッドメインの活かし方ということを考えると、彼が注目された同じフーパー監督の「レ・ミゼラブル」のように、作品全体のパワーが凄いものに対し、レッドメインのような軽妙な演技ができる人がアクセントとして加わるほうが、作品の中の役者の使い方という意味においても、より効果的なのかなと感じてしまう次第です。 音楽や絵画でもよくありますが、譜面通りに正確に演奏したり、表面上は凄い細かいテクニックや技法を使っていても、演者も含めた作品の良さがそれだけでは伝わらないのと同等な問題が、本作では起きているように思えてなりません。見た目はすごく綺麗で、いい作品なんですけどね。映画って、難しいですね(笑)。

  • 鑑賞日 2016/4/27

    妻に拍手。

    エディ・レッドメイン目当てで。 こういう話って感情移入しにくくてニガテなんだよなぁ、と思いながらもガッツリ感情移入しながら見ました。妻に。 1人の人間を愛すること、愛し続けること。強く心を持ち続けようとする妻を見ていると、リリーは自分の思いを貫き通しすぎじゃ?妻を1人の人間として思いやる気持ちがもう少しあっても。。相手が強いからってそれに頼ってはダメだよ。みんな踏ん張って強がって生きているんだから。 心と身体が異なることがつらいのは理解出来ても、正しい身体を手に入れたいというところがどうしても理解出来ない。 それでも、誰かに「あなたは正しい」と言ってもらえた時の心の解放には目頭が熱くなった。 もう少し芸術よりの作品かと思っていたけれどそうではなく。自分の人生を切り開く夫婦の物語。 レッドメインのリリーは文句なしに魅力的でした。やっぱり凄い俳優さんだなぁ。

  • 鑑賞日

    アリシア・ヴィキャンデルが良い

    現代では、同性愛やトランスジェンダーなどの、いわゆるセクシャル・マイノリティは広く認知されている。しかし、認知されているからといって、偏見がもたれていない訳ではない。人種や宗教による差別が、無くならないのと同じで、セクシャル・マイノリティにも偏見がないと言えば嘘になる。 近頃は、セクシャル・マイノリティを扱った映画も多いが、それは、偏見に晒されながらも強く生きようとする姿がドラマチックだからだろう。セクシャル・マイノリティも“ただの人間”であり、性に関して、少し違うだけなのだと教えてくれる。言い換えれば、“ただの人間”を描く為に、偏見や差別を明らかにする。 この映画は、世界で初めて性転換手術を受けた人間の物語である。男であるアイナーと、女であるリリーを演じたエディ・レッドメイン以上に、妻ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデルが素晴らしい。アリシア・ヴィキャンデルが体現したのは、愛する夫(性別に関係なく)に対して、偏見をもつ“必要”に迫られる女の苦しみである。こう言うと「偏見」というのは語弊があるかもしれないが、“ただの人間”である夫を愛する為にゲルダは悩むのだ。ゲルダは、アイナー/リリー以上に偏見を痛感する。例えば、アイナーに愛して欲しいと哀願しても、彼はリリーであるので愛してくれない。冒頭の「(女は)人の眼に馴れると、快感になる」という台詞が印象深いが、最も見てもらいたい相手である夫に見つめてもらえない悲しみ。 リリーは手術によって心と体が一致した女性となり、幸せそうに生涯を終えたが、ゲルダはどうか?きっと苦しみが癒えることはなかっただろう。一途に夫を愛し、リリーの肖像画を描き続ける。それが、ゲルダにできる唯一の、自身の偏見に対する抵抗だったのだ。 これは多数のセクシャル・マイノリティを題材にした映画に対するアンチテーゼともいえる。セクシャル・マイノリティたちも“ただの人間”だが、偏見を抱く人間もまた“ただの人間”なのである。

  • 鑑賞日 2016/4/2

    現代の人たちにも通じる心情

    今世紀初頭に世界で始めて性転換手術を受けた男性を描いた作品で、お互いに画家の夫婦が、妻の作品の直しで急遽旦那がドレスを着てモデルをやったときの感覚で、自分の女の部分に目覚めて、女装が病みつきになり、妻はそんな夫に戸惑いながらも認めていこうとする、というお話しは、「性同一性障害」などという言葉も無かった時代に悩んでいた人たちの立場や世間からは認められないことへの恐れと哀しみが浮き彫りになり、変態や犯罪者として逮捕されることも精神病として強制入院させられることもないとは言え、同じような立場の現代の人たちにも通じる心情を描いているような感じがしましたね。ここでは同じアーティストとして夫を理解しようとする奥さんの心情も浮き彫りにしていて、夫の行動を容認していけばいくほど夫の女性的な部分が大きくなり、以前の彼からはどんどん離れていくことの戸惑いや苛立ちが描かれているのがとても見事で、結局はそのような嗜好を持ってはいない男性としての視点から、性同一性障害の人物を理解しようとしている感じですが、それが彼らの理解されない孤独感を際立たせていると思いましたね。

  • 鑑賞日 2016/4/16

    辛い映画でした

    鑑賞前は、主演のEレッドメインの女装姿が美しいなぁくらいの気持ちでいたが、鑑賞後は立ち上がれない程のショックで自分でも戸惑うくらい。リリーの気持ちも理解出来るけど、私には何より彼の妻の気持ちが辛くて中盤から終わりまで涙が止まらなかった。そうか、そうなるのか、と夫婦の関係の変化に身につまされると言うか、本当に我が身のように悲しくて思い出しても涙が出そう。全然レビューになりませんが本当に難しいテーマの映画をよくぞこのキャストで作ってくれたと感謝です。リリーに惹かれるベン・ウィショーも良かった。

  • 鑑賞日 2016/4/12

    リリーにとっては最高のパートナー

    世界で初めて性別適合手術を受けたリリーの実話。リリーも奥さんもアーティストだからか、既成概念にとらわれずに自分の感情に素直に行動し、また、それを、苦悩しながらも理解し応援し背中を押したからこその手術なんだなぁと、しみじみと思えました。リリーにとっては、これ以上無い最高のパートナーだったんでしょうねぇ。リリー役のエディ・レッドメインは、可愛くはないものの、女っぽさはにじみ出てました。そこがまたリアルでした。

  • 鑑賞日 2016/3/27

    エディの熱演

    エディ・レッドメインの主演作ということで観てきました。R15指定だったので家族で行くのにためらいもありましたが、どっきりするシーンはあったものの、全体的に力強く、切なく、感動的な話でした。 エディ扮する画家。自分の中にある女性に気づいてから、自分らしく生きることを選び、命を懸けて「女性」を勝ち取ろうとする。最後は残念ながらハッピーエンドとはならなかったけれど、胸を打たれました。 最後の手術は、受けないという選択肢はなかったのかしら。奥さんも献身的に支えていたけど、どんな葛藤があっただろう・・・など、いろいろ考えさせられました。 エディと奥さん役の方の熱演が素晴らしかったです。

  • 鑑賞日 2016/4/16

    これがノンフィクションをベースとした話というから驚きである。 友人から良い映画と聞いていたが、美しくて、静かで、素敵な映画だった。 リリーが綺麗。どんどん女装にはまっていって、ついには手術までもしてしまう。 どんな気持ちなのだろうか。男であった自分が離れて、最愛だった人が性対象ではなく親友となったときの感覚は。 最後で涙が出た。少しの時間だけでも手術を経て「本当の女」を体験したリリーの笑顔がほころんで素直に美しいと思った。現実とはいつも残酷なものである。 でもタイトルは現代のほうが好きかも。

  • 鑑賞日 2016/4/15

    女装したE.レッドメインの妖艶さが際立っている

    女装したE.レッドメインの妖艶さが際立っているが、オスカーを獲ったA.ヴィキャンデルの愛しながらも受け入れる演技が素晴らしい。実話だそうだが、90年前に性別適合手術を受けたという勇気に感動した。

  • 鑑賞日

    命と引き換えに女を手に入れた喜びをE.レッドメインが熱演

     原題""The Danish Girl""でデンマークの女の意。デヴィッド・エバーショフの実話をモチーフにした同名小説が原作。  主人公のリリー・エルベは世界で初めての性転換手術を受けたデンマークの画家で、性転換前の名はエイナル・ヴェゲネル。  同じ画家のゲルダとの結婚後、ダンサーのモデルの代役をして女装したことがきっかけで性同一性障害に気付き、内在する女性人格をリリーと名づける。精神ではなく体が不適合であるという意識が強まり、二度の性転換手術を受けたのちに死亡。  エイナルからリリーへとの変身を切望する女心をエディ・レッドメインが熱演する。これに対し、愛するが故に女に変わることを望む夫を支え、結果的に夫を失ってしまう妻をアリシア・ヴィキャンデルが好演し、アカデミー助演女優賞を獲得した。  異性間の愛情が、片方が性転換することで、性愛を越えた異性愛とも同性愛とも友情ともいえない、摩訶不思議な一種普遍的な人間愛へと変貌していく様が描かれる。  夫は女という性を獲得することで、母性や男への異性愛に関心が移り、異性としての夫を愛する妻は女としての立場を失ってしまうが、一方で、リリーをモデルに描くことで画家としての地位を獲得していく打算が曖昧にしか描かれず、献身的な妻というヒューマンドラマ的なきれいごとに流れているのが少々残念。  トム・フーパー監督の演出は巧みで、女を獲得するリリーの悲しいまでに切ない女心を描き出すが、女に目覚めてから女そのものへと変貌していくリリーの所作・表情を演じるレッドメインが最大の見どころで、初めはオカマだが次第に女らしくなっていき、性転換後には女そのものに変化している。そしてラストでは、命と引き換えに女を手に入れたリリーの喜びを感動的に演じ切る。  エイナルの描いた風景画をそのままに、デンマークの風景が絵画のように撮影されているのも映像的な見どころで、それがリリーを内在したエイナルに目に映る心象となっていて、北欧の美しくもあり悲しくもある情景と重なっている。  リリーの初恋の人ハンス役のマティアス・スーナールツがプーチンに似ていてちょっといい。

  • 鑑賞日 2016/3/19

    一応の納得感

    この監督の映画は、英国王室ものもヴィクトル・ユーゴーのミュージカル化も、作る絵の狭さが息苦しく感じられ、わたくしは評価することができませんでしたが、今回は、何やら寒さを感じさせる冒頭の風景ショットの積み重ねから、絵の狭さという欠点は解消されており、街なかを歩く人物を捉えたショットなど、時折挟まれるロングショットも効果的で、今回は悪くないという印象を受けました。 トランスジェンダーの苦悩については、この映画はどうも事を単純化して綺麗事にしていないのかという疑問を感じるものの、本当のところどうなのかわたくしには想像が及ばないので、こんなものなのかと思うほかないのですが、まあサルでもわかる程度にはトランスジェンダーというものを噛み砕いて描いており、一応の納得感はありました。 とはいえ、先日観た「キャロル」の底流にあるLBGTへの共感と切実な想いの吐露に比べると、表面的で薄っぺらいという印象は免れず、それはカミングアウトしているトッド・ヘインズと、そうではないトム・フーパーの覚悟の差として感じられるのかも知れないと思います。

  • 鑑賞日 2016/4/9

    映画館で観て良かった

    故郷の美しい風景と素晴らしい音楽と、深い人間ドラマ…って書いてしまうとありきたりの感想みたいになってしまうけれど、その言葉が表すままの映画だ。

  • 鑑賞日 2016/4/6

    リリーがすべてではないけれど

     世界初の性別適合手術を受けたデンマーク人リリー・エルベの半生を描いた作品。  最初から最後まで、美しさに満ちた映画でした。エルベが描いたデンマークの風景画もリリーを演じたエディ・レッドメインもその妻役のアリシア・ヴィキャデルも。  男と女の性の問題、実際にはもっと生々しいはず。女に目覚めた彼が鏡の前で男性自身を股間に挟んで女性の肉体への憧れを見せるシーンにはどきっとさせられましたが、リリーの女性の肉体への憧憬は表情やしぐさで表されています。ひとつ間違えば、どろどろとした、あるいは、じとじとした映画になっていたかもしれません。しかし、この映画では興味本位ではなく、自分が自分らしくあるために闘った一人の人間を描こうという視点が貫かれています。その強い思いを描いているせいか、彼の行為に批判的な人々はあまり登場しません。女装して街を歩くリリーをからかい、殴りつける男たちが出てきますが、ほとんどが結局は妻を始めとして彼を応援する人々です。  時代は、1920年代、まだトランスジェンダーという概念がまだない時代。生命の危険を冒してまで、肉体を改造し女性になろうとすることは世間からは到底受け入れられない時代だったでしょう。受け入れる人が多くなった現在においても、大変なことですから。  この映画は、リリーの勇気ある行動を賞賛し、同じ思いを持つ現代人を力づけることができるかもしれません。しかし、それよりも自分が何者かを見つけ自分らしさを知ったとき、どうすべきか、ひとつの答えを与えてくれます。  多くの人は本当の自分が何者か知ることもなく、あるいは知ろうともせずに生涯を終えるのではないでしょうか。しかし、それを知ったときどうすべきか、もちろん、リリーがすべてではないでしょう。ただ、少なくともそれに対峙する勇気をもつことの大切さをこの映画は教えてくれたような気がします。

  • 鑑賞日 2016/4/1

    世界初の性適合手術を受けたリリーの物語。どうにもならない内側の衝動と社会規範が完全に相反するのは辛いよなあ。基本的に奥さんのゲルダの気持ちで見てたけど、やっぱゲルダも辛すぎるよ。 ただ、ラストがきれいすぎるんよなあ。あれはないわー。

  • 鑑賞日 2016/3/25

    性同一性障害

     1920年代前半、風景画家として売れ始めた夫と、肖像画家で売れない妻。画家夫婦が主人公なだけに美しい映画だった。このデンマーク人の夫婦は、夫婦けんかでわめき散らしたり、大暴れしたりしない。性同一性障害で苦しむ夫を最後まで支え続ける妻の健気。

  • 鑑賞日 2016/4/2

    本当の自分になる自由。

    1920年代、世界で初めて性別適合手術を受けた人物の実話に基づく。夫が女性として生きたいと願ったとき、妻は最愛の人を失うかもしれない。妻(ゲルダ)にとって夫(アイナー)を失うことは愛を失うこと。ラブストーリーの要素が強かった。 リリーによりそい続けた妻(ゲルダ)の愛の深さに私は涙した。リリーが自分のことしか考えてないように見えたけど、リリーには他の選択肢がないのだと理解できたとき、私はリリーのため泣いた。 本当の自分になったとき、人はようやく自由を感じられるのだろう。リリーの笑顔が本当にステキだった。

  • 鑑賞日 2016/4/2

    美しい、綺麗では足りない強い信念の物語

    奥さんにとっては、これ以上に無い残酷物語。

  • 鑑賞日 2016/4/3

    映画を観ながら嗚咽が漏れてしまいそうなほどに辛く、ただ、とても美しい映画でした。 自分が自分でいることを貫くということは、とても難しく場合によっては奇跡に近い。 エディ・レッドメインの繊細すぎる演技が「お芝居」の幅を遥かに超え、リリーそのものであるように感じられました。 この役は、彼でなくては演じられなかったのではないでしょうか。そう思ってしまうほど、リアリティに溢れていました。 そしてアリシア・ヴィキャンデル。 彼女が演じたゲルダの目線で観てしまうので、葛藤を疑似体験しました。 愛する人は肉体はそのままでも、しだいに見た目が変わり、心の性別が変わり、呼び名が変わり、遂には肉体も変わり。 誰かを愛するということは、恐ろしい程の覚悟と犠牲の上に成り立つのかと思い知らされ、辛く胸が張り裂けそうでした。 1人の女として、愛され家族を作ったり守られたりすることではなく、 1人の人間として、心に決めた人を愛し、最後まで信じようとし、支えようとし、見届けた彼女。 女というものは本当に強く、美しさを感じるほどに頑固なものだなぁと思ってしまいました。 観てよかった、と心から思います。 これがまっさらなフィクションではないということに、更に締め付けられます。 映像の美しさも必見です。

  • 鑑賞日 2016/4/3

    異性愛者として思うこと

    僕自身は異性愛者であり、精神と肉体の性別も一致していると思います。 つまり、性的にはマジョリティ側の人間です。 それゆえ、周りの友人や知人に対しても、異性愛を前提として接してしまうことが多いのです。 男性を見れば「この人には“彼女”/“奥さん”がいるのかな」、女性を見れば「この人には“彼氏”/“旦那さん”がいるのかな」という具合に。 この映画の主人公・アイナーは、肉体的には男性。 異性愛者としてゲルダという女性と結婚し、画家として社会的にも成功を収めている。 一見して、幸せな人生、幸せな夫婦。 しかし、妻から女性モデルの代理を頼まれ、女性の服を身につけた時から、アイナーの中に隠れていた「女性」、リリーが目覚めていく。 女装の姿で、妻と共にパーティーに出向くアイナー=リリー。 しかし、そこで出会った男性に口説かれ、キスをかわしたことがきっかけで、アイナーとリリーの人格が逆転していく。 自分の愛した人が、人格はおろか性別まで変わっていこうとする。 ゲルダの混乱はどれほどのものだったろうか。 怒り、傷つきながらも、それでも愛した人を理解し、解決策を見つけようとするゲルダ。 そんな彼女の姿に深く感動した。 ゲルダの思いに応えられず、同じように傷つくリリー。 それでもなお、彼女はなんとかこの社会で自分の居場所を探し続ける。 そして辿り着いたかすかな希望、それが「性適合手術」。 はたしてリリーは、女性としての身体を手に入れることができるのか… 恋とは求めるもの、愛とは与えるもの。 そんな歌がある。 ゲルダがリリーに注ぐ思いは、まさに愛情。 しかし、それは決して綺麗事ではない。 ゲルダも散々に迷い、傷つき、苛立つ。 かつて自分を支えてくれた夫を失いつつある中、一人の女性として男性を求める時もある。 彼女の迷いには深く共感する。 でも、僕がゲルダだったら、しかもトランスジェンダーに対する理解など皆無の時代において、彼女のような行動が取れるだろうか? 僕には自信がない。だからこそ感動した。 エディ・レッドメインの演技は、繊細で優しく、力強い。 自分の変化に戸惑い、ゲルダへの愛を貫きつつも、リリーとして行きたいという強い意思を感じさせる。 ゲルダ役のアリシア・ビカンダーも、さすがはアカデミー助演女優賞という素晴らしさ。 画家としてリリーの美しさを讃え、美しい肖像画を描き、個展でも成功を収める。 しかし、そのリリーは、かつて愛した男性・アイナーであり、そのアイナーはすでに失われつつある。 その事実を受け止めようと努力しつつも、時折「ひょっとしたら…」という思いに囚われてしまい、また失望し、傷つく。 人の気持ちは、そう簡単に変われるわけはない。 それでも少しずつ、少しずつ、ゲルダもリリーも変わっていく。 お互いが幸せになるために。 性同一性障害に悩む人は、日本にも大勢いると思う。 そういう方々にとって、『リリーのすべて』はどういう風に受け入れられ、評価されるのだろうか。 先日鑑賞した『キャロル』しかり、本作もしかり、人を思う気持ちは性別、異性愛、同性愛など問わず、変わらぬ美しさを持っていると思う。 時に怒り、傷つき、戸惑うことがあったとしても、誰かを求め、愛するという営みは変わらず続いていくのだろう。 とてもいい映画でした。

  • 鑑賞日 2016/3/31

    ボロ泣きした。心情変化的には奥さんの方が主役であり、演じきったアリシア・ヴィキャンデルすばらしい。性同一性障害ということではなく、なりたい自分になれていないすべての人に捧げたい。性転換したとして、そこにあった愛は消えるのだろうか? 愛が双方向であるがゆえの、慈しみと悲しみと美しさ。色々なことを考えさせるいい作品。

  • 鑑賞日 2016/4/2

    幸せの意味

    与える愛、与えることの出来ない人の愛

  • 鑑賞日 2016/4/1

    重荷と解放

    倒錯者の話かと思ったが、それはもっともっと深かった。 それは、冒頭の美しいヴァレイの沼よりも。 どれだけのLGBTが、社会の中で精神的に強いられているかが、この映画から理解できる。 一生、ヘテロのふりをして生きていかなければならない理不尽さ。 時代背景からしても、ロボトミー手術されてもおかしくない時代だ。 だから開放ではなく、リリーは偽りの自分から解放されたのである。 アカデミー賞のアリシアは、もっと蓮っ葉な役が似合いそうだか、性別を超えた愛を巧みに表現。 難病とゲイ役はアカデミー賞狙いやすいが、エディには違う役で再度獲って欲しい。 この監督も丁寧な描き方をする監督だが、冗長的ではなかった。 (ベスト10、撮影賞、新人賞候補)

  • 鑑賞日 2016/3/25

    異性になりきる難しさ

    1926年デンマーク。風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は、同じように画家の妻ゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)に女性モデルの代役をお願いされる。自分の内面に女性性を感じるアイナーだったが... 「キャロル」と比べちゃうと方向性は違うのだけれど、実話だからかなんなのか「キャロル」には勝てなかった。エディ・レッドメインの女性っぽさの追求はすごいと思うけれど、どんなに痩せても骨格が男だし、顔も男だし。こればっかりはどうしようもない。ケイト・ブランシェットも背が高くがっしりしているけれど、やはり女性で。優雅さも本当の女性ならではで。 初の性転換手術に踏み込んだ勇気は凄すぎる!!想像しただけで痛いし。 妻・ゲルダ役、アリシア・ヴィキャンデルの献身には脱帽。もちろんそこに愛があるからだろうけれど(*´▽`*) そして、美人すぎるゲルダの親友のバレリーナ。誰かと思ったらアンバー・ハードだった(゜д゜lll)そりゃきれいだわ。

  • 鑑賞日 2016/3/29

    異質を受け入れる愛と勇気

     「沼地は僕の中にある」  心と体の不一致をアイナーは荒涼とした故郷の原風景に重ねていた。暗い色をたたえた沼は、えたいの知れない不安と悩みの象徴に見える。  最初はゲームだった。絵のモデルの代役で身に着けたバレリーナの衣装の肌触りに、アイナーの中のリリーが目を覚ます。エディ・レッドメインの繊細で美しい演技に驚く。太さが目立ったうなじさえ、いつのまにか、か細くなっていた。歩き方や身のこなし、指先のしぐさまで魅力的な女性に変化していく。ベン・ウィショーのヘンリクが夢中になったのも無理はない。監督トム・フーパーの丁寧な演出が光る。めまいがするような甘美な感覚に酔った。  女として生きたい。夫の思いもしない告白を妻ゲルダは自然に受け入れた。周囲の冷たい視線に屈することなく支え続けた姿に、崇高で大きな愛の力を実感する。人の内面まで見抜くようなアリシア・ビキャンデルの大きな瞳が印象的だった。  世界初の性別適合手術を執刀したバルネクロス医師のひとことが、リリーの運命と歴史を変えた。  「あなたは正しい」  どの医者もリリーに「精神障害」「変態」「同性愛」と診断し、男の体に違和感を持つリリーは間違っている、と決めつけた。そのなかで唯一、本当の自分を取り戻すことを「正しい」と言い切った。勇気あることだと思う。「受け入れる」ことの大切さを学んだ。  手術中、リリーは夢の中で母の胎内から生まれ出る瞬間を感じていた。母は優しく名前を呼んでくれた。「リリー」と。ようやく本当の自分を取り戻した瞬間、幸福に包まれながら、静かに天国に旅立ったリリーの安らかな顔がせつない。  丘に立つゼルダ。リリーがくれた思い出のマフラーを風が奪っていった。「そのままにしてあげて」。アイナーが愛した故郷の風景の中に、リリーのマフラーがとけ込んでいく。葛藤を続けたアイナーとリリーのふたつの魂がひとつになって輝いて見えた。

  • 鑑賞日 2016/3/30

    男優さんの演技が素晴らしい

    主演の男優さんがとにかく上手い! どんどん女性らしい仕草になっていく!

  • 鑑賞日 2016/3/30

    絵画のような映像

    画家の二人が描くような映像が美しくてため息が出るようだった。それ以上に男性のアイナーがリリーに変わる瞬間のエディ・レッドメインの美しさには息を飲むほど。対称的にアリシア・ヴィキャンデルはめっちゃ男前。愛し合っていて美しいカップルなんだけど、悲しすぎる結末に泣きました。 でも、実はどうしてもリリーが女装してるホーキンス博士に見える瞬間が度々あって、自分の感性に限界を感じたのも事実。エディのせいじゃないのは断言します。演技は素晴らしかった。あくまで私の問題。

  • 鑑賞日 2016/3/27

    妻が実質的主演

    エディより奥さん役のアリシア・ヴィキャンデルの方が巧く、彼女が実質的主演といってよい。なぜ助演女優賞なのかと思う。性適合手術を受けてからが退屈。

  • 鑑賞日 2016/3/19

    凛々しさ

    アイナー、リリー、ゲルダ。 三者それぞれ均等の距離を保ちつつ、ふとした眼差しや仕草からそれぞれの感情の揺らぎを描き出す。 その繊細な距離感が本作の美しさに繋がっていると思う。 不思議だなと思ったのは、アイナーとゲルダは似ている、ということ。 これはアイナー=リリーも、ゲルダ自身も認識している。 ゲルダの凛々しさや強さは、自己の中で男性を作り演じなければなかなかったリリーの憧れというか理想と重なり、アイナーを形作っていたのかもしれない。 肉体的にも女性に近づくにつれ、自由に羽ばたこうとするリリー。 その変化をつぶさに見つめ、それでも支えようとするゲルダ。 いつかの時点で、リリーの女性として巣立ちをも見送る覚悟をしたのだろう。 リリーの美しさ、ゲルダの凛々しさがいつまでも心に残る。

  • 鑑賞日 2016/3/29

    アイナーを返して...

    すっかりとリリーへと変わってしまった夫にかつての彼自身アイナーを呼び戻して欲しいと懇願する妻ゲルダ。映画の視点は男から女へ変わりゆく夫をモデルに絵を描く彼女の方にある。だから、夫に扮するE・レッドメインのトランス・ジェンダーぶりをやや過分に強調するあり様(演技)も観る方は自然に受け止められるだろう。かくして、ふたりの間には性を超越した純粋なる愛が残される。これまでになかったトム・フーパー監督の巧妙なる作劇の手口。夫婦とも画家であることに呼応したのか絵画的で端正な画面作りも印象深い。

  • 鑑賞日 2016/3/25

    見つめられること

    全く違う作品だけどアルモドバルの「私が生きる肌」を思い出しました。 冒頭のセリフ。見つめられることの興奮。 人は他者の視線で自分を見つけるということ。 好きなシーンは2つ。 パリのヌード見せ小屋でのガラス越しの2つの顔。 もう1つは奥さんの「いま私が話したい、抱きしめてもらいたいのは夫」というシーン。素晴らしかった。震えた。

  • 鑑賞日 2016/3/27

    迷ったが、観てよかった。

    オープニングの風景はどれも美しく、なぜか鳥肌がたった。本編でも、いたるところに、そのまま切り抜きたくなるショットがあって、この映画が扱う難しいテーマを汚さぬようにしている気がした。 映画館で観てよかったと思った。

  • 鑑賞日 2016/3/27

    ホーキング博士の再来とまではいかないか

    世界で初めて性別適合手術を受けた人物がどのような人物だったのか。その中でも手術前後の希望と恐怖に満ち溢れた心情に注目したい。 本作の主役、アイナー・ヴェイナーを演じたエディ・レッドメインは「博士と彼女のセオリー」のホーキング博士役でアカデミー賞主演男優賞を受賞したのは記憶に新しい。本作もノミネートされたが、去年に続きなぜ2年連続ノミネートを果たせたかというとレッドメインの役作りに対しての努力なしでは得られなかっただろう。撮影の何か月も前から対象者へ話を聞いたり、体作りを怠らない姿勢がノミネートに通じているのは一目瞭然。演技学校に通った経験がなく、全て独学で学んだという演技もクランクイン前にイメージを固めることにより幅が出る演技に繋がっている。 だが、本作の陰の主役は本作でアカデミー賞助演女優賞を受賞したアイナーの妻ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデルだ。 性別適合手術が大きなテーマである中でその渦中にあるアイナーは画家としても夫としても身勝手という印象が強いだろう。実際にこのような人物だったのかは不明だが、この映画でフーパー監督が描いている人物像は前述の通りだ。故に完璧に女性としてのリリーを演じきったレッドメインには感服するが、アイナー含めリリーに共感はできない。 それとは反面、共感どころか懐の広さに言葉が出ないほど素晴らしい女性像を示したのが妻ゲルダだ。夫が女性に目覚める様を目の前でじわじわと見せつけられる中で、自身の気持ちを殺しつつ夫に全力を尽くし、かつ画家としても成功を収める。この女性を純粋に演じきったアリシアなしではこの映画は成立していない。 それでも性別適合手術と1930年代の医療技術を比較すると、精神障害と診断されたアイナーが想像を絶する壮絶な人生を送ってきたというのが想像できる。これを映画で描きれないのは当たり前なことであり、伝記として伝えきれただけで成功なのではないかと感じる。

  • 鑑賞日 2016/3/23

    こんなに美しいひとがいたらわたしも女装させたくなるわ。 リリーの強さと女性らしさ見習いたい。 まいっていくアイナー、それと対照にどんどんいきいきしてくるリリーと売れるゲルダの絵。 夫として求められるあるべ姿と、自分がちぐはぐになっていく様子が辛い。 リリーが幸せそうに百貨店で働く姿や手術に臨むところは、「時代が違ってれば、、」っていう私たちの考えを忘れさせる。 ベン・ウィショーによって、よりリアリティ感増してます。

  • 鑑賞日 2016/3/26

    期待してたんだけど

    美しいセット、美しい衣装。とりわけ、リリーの着る深い緑の美しさ。絵画のように切り取られた画面。 でも、なんかモヤモヤが拭いきれない。 エディ・レッドメインの美しさや可愛さ、ナイトウェアやストッキングにドキドキして、女性に目覚めていく過程も丁寧。 しかしである。 女性だから思うけど、ストッキングにああいった感情を持つのは、違う気がする。もっとキラキラした感情で、やっぱりある意味フェチっぽかったのかな?なんていうか、リリーの女性になりたいという気持ちに、素直に共感できなかった原因になってしまった。 それにリリー、苦悩してる割には奔放だし。 何度かリリーが涙を流すシーンがあるが、その度に、そこはゲルダが泣くところでしょと突っ込みたくなった。(実際はこの時代のトランスジェンダーの苦悩は今よりももっと過酷だろうという想像はつくけど) それを受け止めるアリシアの演技はさすがアカデミー助演女優賞。戸惑いと悲しみと大きな愛情、複雑な感情を、映し出す。ブレブレだったエディの感情が、まっすぐになっていくほど、大きく揺らぐゲルダ。 この映画は、初めて性転換する夫を持った、ゲルダの愛の物語だな。 ジョニー・デップの妻アンバー・ハード、なかなか華があって綺麗だった。そしてハンス役のマティアス・スーナールツ、この映画ではプーチンみたいな風貌だけど要チェック!

  • 鑑賞日 2016/3/25

    75点

    すごいよかったぁ。。 なんかもう俳優力感じすぎて涙。 夫婦ってなんなんすか!?

  • 鑑賞日

    演出と映像が素晴らしい!

    まず映像の美しさに感動。街の背景を左右対称に撮影したいくつかの画像が社会的に強制されている男女という二つの区別を冷たく表現しているようだ。衣装の美しさもこの映画に重厚感を与えている。 主人公が女性服に触れる快感が観る者に伝わってくるエディの演技。そして、その時々の気持ちを「瞳」で表現していたアリシアの演技も素晴らしい。「瞳」の表現といえば「キャロル」のルーニーといい「勝負」。 命を懸けて自分のアイデンティティーを守ろうとした主人公の生き方とその日記が今も読み続けられていることに感動。 愛とは何か、夫婦とは何かについても深く考えさせられた秀作だった。

  • 鑑賞日 2016/3/20

    女のしぐさとは

    これを見て女のしぐさについて改めて考えさせられました。 女性を求める人のほうがしぐさについてもよく観察してるんだろうな。あんな女性らしいしぐさ、考えたこともなかった。 トランスジェンダーの方が適合手術を行う話。 トランスジェンダーの苦悩も以前よりは分かった気がします。が、ちょっとリリーが自由奔放で、「ちょっとちょっと、妻の気持ちも察してあげて。一度は愛した人じゃん」って思わされます。「私は私で生きるから、あなたも自分の人生を生きて」という割には膣を形成する手術の前に「ついてきてよ…」みたいなこと言ってくるリリーはすっかり小悪魔な女の子だなぁ…と思っちゃいました。 ハンスは本当にいいやつでした。あんなイケメンがどんな事情で独り身貫いてきて、あっという間に親友の妻を好きになっちゃうなんて。健気なゲルダがたまらなかったのでしょうね。でも、ハンスがいなかったらゲルダは本当に報われない。 この作品で一番賞賛されるべきはゲルダという妻の愛と忍耐だと思います。 個人的にはアイナーが一番最初の手術をするために汽車に乗る前、アイナーの姿でゲルダに最後のキスをするシーンです。あの後のアイナーの口元を隠すようなしぐさには一体何が隠されていたのでしょうか。走りだした汽車の中にもうアイナーはおらず、リリーのみなってしまったように見えました。

  • 鑑賞日 2016/3/24

    主人公に共感できない

    個人的には主人公の気持ちは全く理解できないし、女装したり化粧したりするシーンには生理的に嫌悪感を感じた。アリシア・ヴィキャンデル演じる美しい妻が何とも切なく、愛おしく感じられた。一番つらいのは妻だ。

  • 鑑賞日 2016/3/22

    迫害されるゲイの映画は何本か見ましたが、トランスジェンダーをここまで真正面から扱った作品は記憶にないのです。多分女性なら「自分の亭主がこうなっちゃったら…」と考えながら見るはずなんですが、それが吹っ飛ぶくらい脇の俳優が素晴らしくて、もう同情なんかしてる場合じゃなかったのです。 メインキャストにアメリカ人がいない、ヨーロッパの香る映画でありました

  • 鑑賞日 2016/3/24

    リリーが目覚める

    冒頭、夫婦仲も大変よく、楽しくイチャイチャやってて、これって男性側の性同一性障がいの話ではなかったっけ?あれ?と錯覚が起こるぐらいだった。 妻のモデルの手伝いでストッキングとチュールをまとった瞬間の表情と言ったら。あ、今だな、ってわかる、とても良い表情。アイナーがリリーになっていくときの移ろいが少し急に感じたものの、元々リリーはアイナーの中にいて、このタイミングで顔を出してきたのかな、とふんわりと理解。アイナーの変化についていく妻のやるせないこと。理解したけど理解できない、そんな心の揺れ動きがたまらない。最期まで友人として、妻として添い続けた妻役の女優さんと、抑えきれない衝動と揺れ動く複雑な心境とを見事に演じたエディ・レッドメインに大きな拍手。

  • 鑑賞日 2016/3/23

    公開してから初のレディースディということで、客席はほぼ女性。観客の視点はほぼ全員ゲルダであろう。上映後のもれ聞こえてくる声もそれを象徴していた。 風景画家のアイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)と、同じく画家の妻ゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)は自他ともに認める仲の良い夫婦だ。そんな二人の仲睦まじい様子は冒頭のシーンからもうかがえる。 しかし、ある出来事をきっかけにアイナーのなかにいた女性(彼女はリリーと名付けれる)が目覚めてしまう。それもそのきっかけを作ってしまったのは誰であろうゲルダ自身であった。(彼女はこの後、この出来事を何百回、何千回と悔やんだに違いない) 彼のなかで目覚めてしまったリリーに対して、ゲルダはもちろん抵抗するし、なんとかアイナーに戻ってもらおうと努力をする。しかし、彼女の努力も虚しく彼は女として生きることを望み、前例のない性別適合手術を受けることを決断するのだ。 この映画のなかで、アイナーが自分のなかに存在するリリーに気づき、戸惑いながらもリリーの存在を自分本来の姿と受け止め女になろうとするリリーの心情はエディ・レッドメインの表情や演技(これが素晴らしかった)、そしてリリーの台詞でも表現されていると思うが、ゲルダは彼女の感情や意思を、なぜこうすることを選んだのかということについて、明確には示していないように思った。 それは、彼のなかに眠るリリーを自分が目覚めさせてしまった贖罪の意識からなのか、はたまた、子供が欲しかった(二人はこうなる前子供が欲しいねと話をしていた)彼女の母性がアイナーあるいはリリーを守ることに働いたのか、リリーとなってしまってからもアイナーへの愛が消えなかったからなのか、リリーへの友情が芽生えたのか…どれも違うように思えるし、あながち外れてもいないような気もするが、全く違う何か別の感情が生まれていたようにも思える。彼女の思うところは常人が推し量れるものではないのかもしれないとも、思う。(そして、そのゲルダの苦悩をアリシア・ヴィキャンデルが見事に演じ切っていたと思う。見る側が苦しくなるほどに) ラストシーンの前で私は、あるラストを思い描いた。というより、誤解を生むことを承知で書くならば、正しくはそう願った。この映画の終わり方がハッピーエンドなのかバッドエンドなのか、正直私にはわからない。会場ではすすり泣く声が聞こえてきたし、ハンカチを目にあてる女性も多かったと思う。しかし、私は自分が願ったラストが訪れた時、ひとり心のなかで安堵した。 ゲルダが何を思ったのか。 ラストをどう受け止めるのか。 たぶん、見る人によって異なる映画なのだろう。

  • 鑑賞日 2016/3/21

    話の内容に騙されがちだけど、映画の出来自体は褒められたもんじゃないと思うんだけど・・・

    ほとんど全てのシーンが、最初に二人の人物の位置関係を描写したらあとはアップの切り返しの連続。 常に画面中央に人が写ってしゃべる。オフで声が入ることもなければ、黙ったまま見つめ合うこともない。映画的な情景はほとんどない。アップの切り返し。またアップの切り返し。アップの切り返しに次ぐアップの切り返し。それ以外の演出方法を知らんのか? 初めてストッキングを手にするシーンも、それまでが全部アップなものだから、何ら“映像的な表現”として切り取れていない。 病院で、ゲルダが扉を閉めて出ていき、アイナーの背後にカメラが移動するシーンがあります。なぜ覚えてるかって?(私の記憶では)たった一度だけ切り返しじゃない見せ方をした箇所だったから。でも、そのまま背中で演技させればいいものを、結局カメラを切り返して「顔芝居」を写す。またアップの切り返し。切り返してアップ。顔芝居に次ぐ顔芝居。男と女、切り返したり切り返されたり。 衝撃的な下手さを露呈したのは、あの“沼”を訪れるラストシーン。 キャンバスに描かれた風景よりだいぶ“寄り”なんですよ。あの印象的な4,5本の木立の“アップ”なんです。なんだそれ?そこはアイナーが描いた絵と同じ構図じゃなきゃダメなんじゃない? その場所は、“リリー”が初めて現れた「原風景」なのです。そして“リリー”を封印した場所でもあるのです。言い換えれば、“沼”に“リリー”を沈めたのです。 だから彼は何度も“沼”を描いたし、何度描いても「飽きない」と言うのです。なぜなら、本当の自分がそこにいるから。だから“リリー”が再び姿を現した時、彼は風景を思い出せなくなり、描けなくなるのです。 つまりこの場所は、この映画の最重要ポイントなんですよ。それなのに、この雑な扱いはなに? 決着(風でスカーフを飛ばす)だって、この“沼”じゃなかったら意味ないでしょ。なぜ崖に行く? もったいないを通り越して腹が立って仕方がない不出来な映画。

  • 鑑賞日 2016/3/23

    こんなにも、胸に響く映画は何年ぶりだろう。 アイナーからリリーへと変わっていく姿の戸惑うような美しさ!見事です。 最愛の夫の全てを苦しみながらも受けいれていく、妻ゲルダの崇高な愛に心が震える。 素晴らしい映画です。

  • 鑑賞日 2016/3/18

    切なくも優しい愛

    ちょっと間違えれば色物になりそうな内容でしたが、そうならなかったのはゲルダの一貫した愛があったからだと思います。 ゲルダはアイナーの理解者であり、妻でもあり、一人の女性であったとも思います。 強気のように見えても、どこかで男に頼りたいか弱い部分もよく出ておりました。 エディ・レッドメインだけでなく、アリシア・ヴィカンダーも素晴らしかったです。 アイナーは、ある日、突然のようにリリーへの変化が見えますが、女装モデルをする前から、ゲルダの動きを熱い目線で追っている。 芸術家らしく、女性の服のラインに美しさを見出だしているところも女性的でした。 また、沼の絵がアイナーの真相心理のようでした。 沼底に沈んでいた、自分でも気づかない想い。 それがある日、花開く。 リリーとはユリの花ですが、ウラが持ってきた白いユリから取ったのだと思います。 ユリは女性の美しさを表したり、純潔を意味したりします。 この名前は偶然だったのだろうか、それとも必然だったのだろうか。 アイナーとリリーの使い分けが上手かったです。 特にヘンリクがレストランでリリーを待っている時に、ヘンリクはリリーに「来ないかと思った」と言う。 その後にアイナーが家に帰ると、ゲルダが「戻ってこないかと思った」と言う。 同じ「こない」でも、ヘンリクにとっては驚きと歓喜があり、ゲルダには落胆と悲しみがある。 この対比だけでもアイナーが枯れていき、リリーが花開いていくのを感じました。 リリーにとって偽って生きていくことは、死んでいるのも同然だったのでしょう。 最後は本当の自分になれたことに、幸せだったんだと思います。

  • 鑑賞日 2016/3/22

    女二人に男一人の三角関係

    トランスジェンダーと認識した夫と妻の苦悩を描いた物語で、現代でも偏見が少なくないが、1930年前後の世間では相当異端視されていたであろうことは想像に難くない。 夫アイナーと妻ゲルダは画家同士の夫婦。多忙なダンサーの身代わりに、足元のモデルを務めたアイナーは女装によって心の内にある女性を自覚してしまう。 治療を試みるが、接した医師たちのアイナーに接する態度は危険な、あやういものに対する視点で、偏見に満ち満ちている。最後に信頼できる医師に巡り合ったリリーは性転換手術を受け、苦境を脱したかに思われたが、幸福な期間はごく短期間だった。 ゲルダはアイナーの女性形のリリーを柔軟に受け入れ、始めは面白半分だったものが、女性同士連帯する闘士としてゲルダは献身的に尽力する。 映画もゲルダの視点から描いた、トランスジェンダーの夫を愛する妻のラヴストーリーと捉えることもできるのかもしれない。 ただ、アイナーを美しいものと、衣装・化粧・所作にあまりに傾注させてしまったために、逆に本来の主人公に対しての感情移入がしにくくなってしまった思いがする。

  • 鑑賞日

    美しく切ない

    エディ・レッドメインって、ほんと、どれだけすごい俳優なんだろう。アカデミー主演男優賞を獲った前作「博士と彼女のセオリー」でも思ったけど、微妙で繊細な感情表現にかけては並ぶものがいないほど。今作でも、性同一性障害に気づいたぎこちない、後ろめたい時期、解放されどんどん美しくなっていく時期、苦悩しやつれていく時期を、今作でもリリーが乗り移ったように繊細に演じ分けている。そして何より美しい。ケイト・ウィンスレットなんかと並んでも、たぶん遜色ない。男性が見ても気色悪くないんだから、マジで美しい。 そしてアカデミー助演女優賞を獲得したアリシア・ヴィキャンデル。ストーリーから言えば、リリーはわがままで自分勝手で泣き虫で、だって結婚してから自分が「女性」だと気がついて、他の男性と結婚してみたいとか勝手に言っちゃうんだから、奥さんの身になってみてください。それなのに元「夫」にずっと寄り添い、性別を乗り越えて愛し続ける女性を熱演しているのです。これはダブル主演と言った方が正しいと思います。 映像としてはエディ・レッドメインの美しさ、内容としてはトランスジェンダーの問題を掘り下げた、軽い気持ちで見に来て、かなり重いものを突きつけられて帰る人が多い作品でしょう。

  • 鑑賞日 2016/3/20

    戸惑いながら生きる

    私用で行った名古屋で鑑賞。伏見ミリオン座は、人はたくさんいましたが都内のチェーン劇場のようにロビーはうるさくなく、広くて余裕のある作り、さらに若い子もちらほらいて、とても素敵な劇場でした。 さて作品ですが、これも素敵でした。 話は、夫が女性になりたいと言い出し、妻は夫婦の関係が変わってしまうことと、夫の意志を尊重したい気持ちとで葛藤に揺れつつも、最後(最期)まで夫の側にいる、という話です。 文字に起こしただけで美談ではあるのですが、 本当の性に目覚める前の夫→目覚めたが、自分でもどうして良いか分からない、妻にも隠してる状態→妻が知る→二人とも悩む→夫が意志を固める→ぶつかる→夫はそれでも女性になり、妻は側にいる と変化していく二人を、映画はとても丁寧にゆっくりと追いかけていて良かったです。それぞれの段階でそれぞれが戸惑います。ときには気持ちを隠そうとして戸惑い、ときには気持ちを伝えようとして戸惑い、伝わっても、伝えても、また戸惑い…。そんなミクロな人間関係やコミュニケーションのなかの、当人にとってはとても重要な機微を丁寧に丁寧に汲み取っていました。好きな映画が一つ増えました。

  • 鑑賞日 2016/3/18

    ヴァルネクロス医師の素晴らしい洞察力

     世界で初めて性別適合手術を受けたリリー・エルベの伝記映画。風景画家のアイナー・ヴェイナーは少年時代から自分の中に女性を感じていたが、そういう欲求は押し殺し妻と夫婦生活を営んでいた。肖像画家の妻ゲルダのモデルがこれなくなった時アイナーに踊り子の脚のモデルを頼み、ストッキングをはきスカートをまとった時アイナーの中の女性が目覚めてしまう。舞台用のウィッグや衣装を身につけ妻と共にパーティーへ出かけると、ゲルダが目を離したすきに陰で男性とキスをするアイナーがいた。次第にアイナーは女性のリリーとして過ごす時間が増えていき、妻のゲルダは困惑しつつもリリーをモデルにした絵が売れるようになる。ゲルダの絵の代理人からパリへの移住を薦められパリへ。それでもアイナーのリリーへの欲求は収まらず、何人もの医師に診察を受けるが精神異常としか診断されなかった。しかしドイツ人婦人科医のヴァルネクロスに出会い、性同一性障害に対し、まず男性器の切除、体力が回復した後に膣形成という提案を受ける。女性として生きたいリリーは太るのを拒みなかなか栄養を付けようとはしなかった。そのため男性器の切除には成功したがなかなか体力が回復しなかった。気持ちが焦るリリーは膣形成に挑むが術後の経過が悪く感染症に陥ってしまう。それでもゲルダの見守る中、女性になった幸せを伝え亡くなってしまう。  エディ・レッドメインの色っぽいこと。しっかり髭そそって化粧をすると女性と言われても疑わないほどに綺麗でした。1920年代のヨーロッパで、同性愛すら病気とみなされていた時代に、性同一性障害なんて理解されることはなかっただろうに、ヴァルネクロス医師は観察と経験からそういう病態があることを類推するなんてすばらしい観察力だと思いました。一方、リリーは自分の中に女性を感じ自身の身体に違和感を持っていても世間の常識や慣習から結婚し子作りに励んでしまうのは悲しい。子供ができなかっただけまだ許せるけど、だったら結婚なんかしちゃいけなかったのにと思ってしまいました。芸術家たちが集う場ですら、リリーあるいはアイナーの心は理解されがたかったのだろうが、妻と幼馴染がしっかり彼(彼女)を理解してくれて、その意味では幸せに生涯を閉じれたんだろうね。しかし現代では格好を見ただけでは性別を判断しがたいけど、古い時代では性別で装うものも全然違っているため女装した男性と男性の肉体を持った女性が性別通りの格好をしているのの区別って極めて困難ですね。妻役のアリシア・ヴィキャンデルが可愛かったなあ。

  • 鑑賞日 2016/3/21

    美しい夢

    世界で初めて性別適合手術を受けた人物とその人物を支えた妻の葛藤と愛情を描く。1920年代のデンマークと、夫妻が移り住んだパリが舞台となっている。 まだトランスジェンダーについての理解が進んでいない時代に、本当の自分に目覚め、受け入れることは、どんなに恐ろしかったことだろう。自分らしくありたいという抑えられない欲求と、最愛の妻を苦しめてしまう辛さ。自分が壊れていくような思いを味わったのではないか。 そんな恐怖と苦しみに苛まれる人物の繊細な心の動きを、エディ・レッドメインが体現していて、胸が締めつけられた。 夫の変化に戸惑い、自分が夫を変えてしまったのではないかと自分を責める妻。本当の夫を受け入れることによって、夫を失うことになる。そんな夫のそばにいることは、やはりとても恐ろしかったのではないか。複雑な思いを抱えながらも、夫を理解し支える妻を演じたアリシア・ヴィキャンデルには、母性を感じた。 一番に互いを理解し、思いやる二人の愛情が、心に沁みた。偏見の強かった時代に、二人を理解した友人がいたことも、救われた気持ちになった。 先進国においてもLGBTについての理解は、まだ浸透したとはいえない。人間の長い歴史の中で、どれほど多くの人が傷ついてきたことだろう。偏見が消えるまで、どれほどの時間がかかるのか。この映画から、性別適合手術についても考えさせられた。性を転換するということは、たとえ医療技術が進んでも、やはりとても大きく自分の身体を変えてしまうことだ。「神の領域」に踏み込むことになると、畏れる気持ちも理解できてしまう。多くの国で保険が適用される日がやがて来るかもしれないが、まだまだ時間がかかるだろう。 構図や採光にこだわった映像がとても美しい。スカーフが羽ばたくラストが、すべての拘束から解放されたリリーの晴れやかな心をあらわしているようで、清々しく思えた。

  • 鑑賞日 2016/3/20

    流石はアカデミー賞受賞女優。後半は、彼女の作品だった。 もちろん、エディ・レッドメインの変化は素晴らしく、 だからこそ、引き裂かれるようなゲルダの苦悩がひしひしと伝わってくるのだとは思う。 でも、リリーに困惑し、受け入れてしまう、突き放せないし、離したくない。愛する人を失っていくのに、そこに確かに存在する。生き生きとして。 その計り知れない複雑な苦しみ。 彼女の視線は、そこにすべてを込めている。 自分が変わりたいという欲求は押さえられない。 でも、何より、ゲルダを愛している。 そんなリリーは狡い。 でも、それを分かっている。あの涙には救われた。 二人は、互いを深く、想い合っている。 だからこそどうにもならない。だからこそ踏み出してしまう。 こんなにも苦しく重い内容なのに、見終わってしんどくはない。 力強く、美しい物語だった。 〈パンフレット〉★★☆ A4縦、カラー、28p、720円 東宝(株)映像事業部/発行、(株)東宝ステラ/編集、平塚寿江/デザイン グラビア イントロダクション 物語 インタビュー/エディ・レッドメイン、トム・フーパー監督 キャストプロフィール6名 レビュー/川口敦子 コラム/斉藤博昭 プロダクションノート 用語、座談会 スタッフ紹介12名

  • 鑑賞日 2016/3/21

    素晴らしい作品です。

    とてもきれいなお話で、アリシア・ビカンダーの愛は素晴らしいと思いました。期待以上で本当によい作品でした。

  • 鑑賞日 2016/3/21

    がんばれ

    正直愛があれば性別なんてと思ってましたが、とんでもない!才能も認められて、愛する人と結婚して幸せだったのに、こんなに苦しまなきゃならないなんて性別とは物凄いものですね… リリーが女になりたい気持ちと妻との間でもうちょい葛藤してほしかった気もしますが、当事者側はそれどころじゃないんでしょう。 見終わって、今までより女である幸せを感じながら生きられそうな気がしました。 ハンスが想像以上のイケメンでびっくり。

  • 鑑賞日 2016/3/19

    究極の愛の物語

    究極の愛の物語。 Eddie RedmayneとAlicia Vikanderだからこそ最高の作品になったのだと思う。スクリーンから両名の心情が流れてくるようで、感動せざるを得ない。

  • 鑑賞日 2016/3/21

    妻も美しい

  • 鑑賞日 2016/3/20

    アリシア・ヴィキャンデルの演技には最大の拍手。文句なしのアカデミー賞だ。 しかしマティアススールナツ、おまえは一体何のためにいるのだね。あそこまで平坦な演技しかできないのか。 まあそれはさておき、この妻の愛は、実は真の愛ではないと思わされる。結局、エディレッドメインが、女の性に気付いたとわかった瞬間、奥さんから内在している慈悲心が引き出されたのである。 トム・フーパーのレ・ミゼラブルのようなごちゃごちゃ演技合戦と異なり、落ち着いたゆったりとした演出はGOOD。彼にはそっちの方が良い。 ただ、ひとつ、オランダ語を使わせるべきだった。

  • 鑑賞日 2016/3/20

    美しく、控えめで重厚感のある色味、映像に酔いしれる一作。 主人公リリーは現代こそ理解されつつある性同一性障害の男性。ふとしたきっかけで自分の中の女性性を呼び起こすことになる。そんな彼とその妻。 奥さんの深い愛にひたすら感動すると同時に胸が張り裂けそうになった。奥さんがひたすら可哀想で。

  • 鑑賞日 2016/3/19

    切ないミステリー

    トランスセクシャルという自分の性を自覚しながら周囲がそれを受け止めてくれない夫、そして彼がトランスセクシャルであっても支え続けた妻、どちらが切ないだろう。誰が悪いわけでもないけれど、生まれた時代や魂の宿った肉体のせいで異端扱いされる哀しみが心に響いてくる。ラストシーン、主人公はこれで幸せになれたのかな、と深く考えさせられた。

  • 鑑賞日 2016/3/18

    妻こそ最大の理解者

    1930年代のコペンハーゲンを舞台に世界初の性転換手術を受けた男性とその妻の愛情と葛藤が描かれたヒューマンドラマ。 主人公には幼少の頃からジェンダーの兆候が見られた設定になっていた。そして遂に一線を越えていくキッカケになったのは画家である妻の絵のモデルとして、女性用のストッキングを穿きバレリーナの衣装を身にまとった事であった。この場面におけるエディ・レッドメインの戸惑いと恍惚が入り混じった表情と指先でドレスを撫でる仕草の演技は秀逸そのもの。 主人公の妻を演じたアリシア・ヴィカンダー(本作でアカデミー助演女優賞を受賞)の寛容という言葉を超越した人間愛にも言及しておきたい。自分の夫の内部から生じたリリーという女性の人格を終始拒絶することなく受け入れていく描写は、時代背景からすると違和感は拭いきれないが、愛する夫の幸せだけを願い偏見に屈しない姿勢は女性の鑑。 この妻のキャラクターに十分な肉付けがされていたからこそ「リリーのすべて」は名作に成り得たのだと思う。 性転換手術の直後他界した夫の思い出と共に彼の故郷を訪れる妻。小高い丘の上にいた彼女を突風が襲い夫の分身ともいえるスカーフが宙に舞う。まさに映画ならではの視覚効果が発揮されたラストシーンであった。

  • 鑑賞日 2016/3/19

    ニコール・キッドマンによる「リリー」の企画もあったらしい

    冒頭で描かれるデンマークの大自然の美しさと、その光景がリフレインされるラスト。風景画家として名声を誇る夫と優秀な人物画家だが無名な妻。そして、自分の中の女性性に目覚めていくと共に画業が疎かになる夫と、彼を支えるが彼を描く事で注目されることになる妻。ふたり(エディ・レッドメイン、アリシア・ヴィキャンデル)の繊細で見事な演技とおだやかで美しい美術と共に、その端正な対称性の構造を持ったドラマに魅了される。時代に抗しながら自分を貫く物語として「キャロル」に通ずるものを感じる。

  • 鑑賞日 2016/3/19

    実話を基にした映画

    まだトランスという言葉もなかった時代の話で、当事者・非当事者でも心打たれる映画になっていると思います。

  • 鑑賞日 2016/3/18

    ❶性同一性障害(GID:Gender Identity Disorder、トランスジェンダー)を扱った映画は、これまでに幾つかあった。何れも秀作だ。 ①『ぼくのバラ色の人生(1997)/IMDb7.6』(監督:アラン・ベルリネール、主演:ジョルジュ・デュ・フレネ) ②『ボーイズ・ドント・クライ(1999)/IMDb7.6』(監督:キンバリー・ピアース、主演:ヒラリー・スワンク/AA主演女優賞受賞)(このヒラリー・スワンクの演技は最高!) ③『トランスアメリカ(2005)/IMDb7.5』(監督:ダンカン・タッカー、主演:フェリシティ・ハフマン:) ④『プルートで朝食を(2005)/IMDb7.3』(監督:ニール・ジョーダン、主演:キリアン・マーフィ) ⑤『わたしはロランス(2012)/IMDb7.6』(監督:グザヴィエ・ドラン、主演:ロランス・アリア) ➋本作はこれらの中ベスト。ただただ素直に感動した。 主人公のアイナー/リリー(エディ・レッドメイン)の気持ちを痛い程理解した。 妻ゲルダ(アリシア・ヴィキャンデル)のアイナーに対する献身的な愛に心打たれた。 2人に共感した。涙が溢れた。 ストーリーに共感し納得した。 亡くなる直前にリリーが残した、「私はようやく本当の自分になれた!」に対し、 ゲルダと同様、「ゆっくりおやすみなさい!」と願った。 これほど人を感動させる映画のパワーは凄いと思う。 ➌俳優陣では、メインのエディ・レッドメイン(1982年LDN生れ、出演当時32歳)とアリシア・ヴィキャンデル(1988年スウェーデン生れ、出演当時26歳)が甲乙つけがたい。 ①エディは、自分の内側に潜んでいた女性の存在に気付き苦悩する主人公を、最初はパワフルに、そして、徐々に繊細に優雅に変えていく様子を、説得力を持って演じていた。 ②アリシアは、夫の気持ちを理解し、献身的に最大限の協力をしてきた。 危険を伴う世界初の手術が成功すれば、愛する夫は、もう夫ではなくなってしまう。 愛と不安と寂しさが入り混じる、複雑な気持ちを見事に表現していた。 ③本作で本年度AA助演女優賞を受賞したアリシアは、日本初登場の『アンナ・カレーニナ(2012)』(当時23歳)以来、全公開作を観ている。若いながら演技力のある美人女優なので、今後も贔屓を続けていこう。 ❹メインの2人以外の役者で気になったのが、リリーの手術を担当する医師ヴァルネクロスを演じたセバスチャン・コッホ(52歳)。ドイツのバイプレイヤーでハリウッドへの出演も多い。 『トンネル(2001独)』(東西に分かれた夫婦の夫ヒラー)、『飛ぶ教室 (2003独)』(禁煙先生)、『善き人のためのソナタ (2006独)』( 劇作家ドライマン)、『ブラックブック(2006和蘭・独・英・ベルギー)』( ムンツェ親衛隊大尉)、『ダイ・ハード/ラスト・デイ(2012米)』( ロシアの元大物政治家コマロフ)、『ブリッジ・オブ・スパイ (2015米)』( ドイツ人の弁護士ヴォーゲル)。

  • 鑑賞日 2016/3/18

    作品紹介1(映画.com)より

    「英国王のスピーチ」でアカデミー賞を受賞したトム・フーパー監督と、「博士と彼女のセオリー」でアカデミー賞の主演男優賞を手にしたエディ・レッドメインが、「レ・ミゼラブル」に続いてタッグを組み、世界で初めて性別適合手術を受けたリリー・エルベの実話を描いた伝記ドラマ。1926年、デンマーク。風景画家のアイナー・ベルナーは、肖像画家の妻ゲルダに頼まれて女性モデルの代役を務めたことをきっかけに、自身の内側に潜む女性の存在を意識する。それ以来「リリー」という名の女性として過ごす時間が増えていくアイナーは、心と身体が一致しない現実に葛藤する。ゲルダも当初はそんな夫の様子に戸惑うが、次第にリリーに対する理解を深めていく。第88回アカデミー賞で主演男優賞、助演女優賞など4部門でノミネートを受け、ゲルダを演じたアリシア・ビカンダーが助演女優賞を受賞した。 リリーのすべて The Danish Girl 2015年/イギリス 配給:東宝東和

  • 鑑賞日 2016/3/18

    デニッシュガールとその妻

    #0256 MOVIXさいたま「リリーのすべて」。1930年代のデンマークを舞台に世界で初めて性転換手術を受けた画家リリー・エルベとその妻ゲルダの夫婦愛を描いたT・フーパー監督作品。アカデミー助演女優賞を受賞したA・ビキャンデルも良いがE・レッドメインの熱演にはそれ以上の鬼気迫るものがある。

  • 鑑賞日 2016/3/18

    全部自分。

    お話としては妻ゲルダの愛たるや、すごい。アイナーがゲルダに出会って、結婚したのだって、彼女の魅力を必然的に感じて、もちろん愛していたからだろう。映画としては、いやー、エディさんがすごすぎる。ベン・ウィショーくんも出てるとあとから知って、わくわくしてたんだけど、然るべき役どころでした…昔の彼?役も、あんまみたことない人だったけど、いい味出してたね。デンマークの街並みや風景も作品によい効果を与えていました。

  • 鑑賞日 2016/3/18

    私だったら

    私が妻だったら愛する夫をどう向け止めるのかなと 思うとゲルダは戸惑いつつもアイナー(リリー)という人間そのものを愛して、1番の理解者であって、そう簡単には普通の人にはできないことだなと考えさせられました。 リリーがいたからこそ今のジェンダーレスにありつつ社会ができていると思います。 エディレットメイン本当に綺麗だった。

  • 鑑賞日 2016/3/18

    分裂しそうな内面を動的かつ端正に描く秀作

    1920年代のデンマーク。 アイナー・ヴェイナー(エディ・レッドメイン)は風景画家として成功を収めつつあった。 妻のゲルダ(アリシア・ヴィカンダー)も画家であるが、主流でない肖像画を中心に描いているため、成功には程遠い。 ある日、製作中の妻のモデルの踊り子の替わりを務めたアイナーは、幼い頃からの想いと相まって、自身の内からの女性性に目覚めていく・・・というハナシ。 内なる自分に気づいて、内面が分裂しそうになるひとの話はこれまで何度かお目にかかった。 そういう意味では、それほど目新しくはない。 しかし、トム・フーパー監督は、その内面性を巧みに、それも的確に端正ともいえる映像で表現していきます。 冒頭のデンマークのフィヨルド地方の沼の風景。 それは、アイナーが幼い時分に暮らした土地。 水面に映る立木。 それは、揺らいでいる。 そして、風景に続いて製作過程のアイナーが写し出され、その湖沼地域の風景画を描いている。 この導入部は、後に明かされるアイナーの幼い時分のエピソードを知ると、非常に巧い。 アイナーが自身の女性性に気づく代理モデルのシーン。 ストッキングを履き、右脚を斜めに伸ばしたアイナーは、そのスベスベの脚を自身で魅入る。 このスベスベ感、このシーン以前にアイナーが件の踊り子のもとを訪ね、多数並んだ彼女のスベスベした衣装を手で撫でるところと上手く関連付けられている。 これらの内面の女性性に気づくアイナーを、抑制した表現でみせているあたり、トム・フーパー監督の巧さを感じ、一気に映画に引き込まれていきます。 さらには、妻役アリシア・ヴィカンダー。 たまたま、アイナーにモデルの代替を頼んだことで彼の女性性を引き出すことになるのだけれど、当初はそんな意図などなく、面白半分、ゲームのような気持ちでした。 夫の女装も、ゲーム=つまり、夫と自分とのなかでの秘密の共有、程度だったのが、アイナーの自我を引き裂き、自分をも引き裂いていくさまを、こちらも感情移入できるように演じています。 この引き裂かれた自己、そして引き裂かれて相手を変わらずに愛おしく感じてしまう感情。 このダイナミックな主題を、トム・フーパーは端正に描いていきます。 ダイナミックでありながら端正、相矛盾するふたつを巧みに演出した例としては、次のふたつが挙げられます。 パリに移住したアイナーが覗き部屋で、裸婦を覗き見ながら、自身が裸婦と同化していくさま。 押さえきれない女性性の発露を、部屋を仕切るガラスに映る裸婦とアイナーのシンクロニティで描きます。 ここはダイナミックな例です。 端正なのは、切り返しの上手さ。 言い争うアイナーとゲルダ、手術に挑む前のアイナーと教授など、ふたつの対象をそれぞれのフレームに収めて、的確にみせていきます。 最近の映画では、意外とうまい切り返しが少なく、何気ないショットですが、切り返しに至るまでを的確に撮っているからだと思います。 物語は後半、アイナーの手術にうつっていくのですが、手術は、男性性器の切除と女性器の形成の2回にわたります。 1回目の手術を終えたあとのアイナー(もうこの時点ではリリーですが)の心境の変化にはかなり驚かされます。 それまで抑圧されていたものから解放されて、自由になったわけですが、その自由に対しての渇望・欲求が極端に大きくなっていきます。 物語的には、ここいらあたりがかなり興味深かったです。 そんな自己解放が進んでいくアイナー/リリーを愛しつづけるアリシアには胸が押しつぶされそうになりました。 観終わってまだ整理がついていないので、とっ散らかったレビューになってしまいましたが、評価は「秀作」です。

  • 鑑賞日 2016/3/18

    大いなる喪失の物語

    トランスジェンダーの問題は並々ならぬ本人の葛藤に焦点が当たりがち。けれど当事者の周囲には「元の姿」を愛した人たちがいて、その人たちが喪失を許容することで本人は自由になれる。 ゲルダを演じたアリシア・ヴィキャンデルの強さと脆さの同居した演技が本当に素晴らしかった。自分が一歩踏み出させた。リリーの存在があって初めて画家としてステップアップできた。というアイナーを失いたくないという気持ちと相反する感情に翻弄される様子が丁寧過ぎるほど描かれます。 エディ・レッドメインが演じたリリーとアイナーの揺らぎはどこか、歌舞伎の女方を見ているような印象。手の置き方ひとつ、足の運びの工夫で見え方が変わることをよく理解していますね。画家の描写力か。 アイナーの幼なじみの画商ハンスにマティアス・スーナールツ。あるがままのアイナーを受け入れるのみならず苦しむゲルダに多くを訊ねることなく寄り添う存在を分厚く大きく演じます。Too good to be trueだけど…。 ハンスの存在も含め、トム・フーパーの作品は結論の決まった一本道のRPGっぽいと感じてしまいます。美術もカメラワークも素晴らしいし、登場人物の確かな演技もある。でもその完成度が端正に過ぎると感じてしまうのは天邪鬼でしょうか。

  • 鑑賞日 2016/3/18

    切なくて

    ゲイナー(レッドメイン)の中に初めてリリーが生まれる瞬間の彼の表情が本当に素晴らしかった。自分の中に生まれた不思議な心の昂ぶり、とまどい。観ているこちらもときめいてしまった瞬間でした。 LGBTの方々は少しは理解が進んだ現代といえども、やはり生き辛さを感じているだろうけど、舞台となった1926年はもっと大変な時代だったのではないのだろうか? その中で夫がいなくなる寂しさや不安を感じつつ、それでもずっと傍で夫を支え励ましてきたゲルダ。彼女の心の葛藤を思うと胸が痛むし『素晴らしい夫婦愛』だなんて簡単には言えない。 唯一つ言える事は、ゲイナーとゲルダはお互いを性を超えた、一人の人間として尊重しあっていたことなのでは。 ゲイナーが亡くなった後、彼の故郷を訪れたゲルダ。その時に彼がゲルダに送ったスカーフが風に舞う。追おうとするハンス(ゲイナーの幼馴染)を制して『自由に飛ばせてあげましょう。』と言うゲルダの言葉が優しくてまた切ない。 魂で結ばれていた二人の物語。

  • 鑑賞日 2016/3/2

    美形にうっとり

    2016年3月2日に鑑賞。BKK Lido Multiplex Lido2 にて。120B。ビスタサイズ。 ユニヴァーサル映画=ワーキング・タイトル。 エディ・レッドメイン、アリシア・ヴィキャンデルいいです。エディ・レッドメインがいないと出来ない映画かもしれない。回りは女性客ばかりだ。 ターナーの絵のようなくすんだ風景の撮影がすばらしい。 1926年デンマークのコペンハーゲン。風景画家のアイナー・ヴェイナーは肖像画家の妻ゲルダと結婚6年目。妻の肖像画のバレリーナのモデルの替わりに女性の服を身に着けたことで女装に魅かれていく。ゲルダもアイナーに化粧を施し「リリー」として一緒に外出し楽しんでいたが。 リリーをモデルにしたゲルダの絵が売れて2人はパリへ行く。パリの覗き部屋へ入ったリリーが、ガラスの向こうの女性の仕草を真似て自らも女性と化し恍惚とするこのシーンが一番すばらしい。 それを理解してくれる妻というのはすばらしい。アリシア・ヴィキャンデルがアカデミー助演女優賞を受賞したのは当然でしょう。 撮影、プロダクションデザイン、衣装もすばらしい。ラストの断崖から下の島を望む絶景がすばらしい。リリーが乗り移ったかのように、ゲルダのスカーフが風に乗って上空に舞い上がる。象徴的な良いラストシーンである。

  • 鑑賞日 2016/3/8

    美しく艶っぽい

    飛行機にて一足先に。エディレッドメインが女にしか見えない…初めは確かに男性だったはずなのに、ストッキングに足を滑らせてから女性的にどんどんなってく。表情、仕草、その全てが女性そのものになっていく。その過程が見事でくらくらする。奥さん役の人もすごく可愛かった。 みんながみんな切なくて、もどかしさもあって、最後はリリーにとっての素晴らしいハッピーエンドだったのかな。