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COLUMN/コラム2023.01.30
マイケル・マン監督の映画版リメイクをテレビ版オリジナルと徹底比較!『マイアミ・バイス』
そもそも『特捜刑事マイアミ・バイス』とは? ‘80年代を代表する人気テレビ・シリーズ『特捜刑事マイアミ・バイス』(‘84~’89)を、同番組に製作総指揮として携わっていたマイケル・マン監督が劇場版リメイクした作品である。『スパイ大作戦』を映画化した『ミッション:インポッシブル』(’96)シリーズの成功に端を発した、往年の名作ドラマの映画リメイク・ブームは、『チャーリーズ・エンジェル』(’00)シリーズのヒットによってさらに加速。『刑事スタスキー&ハッチ』(‘75~’79)のような知名度の高い作品から、『特別狙撃隊S.W.A.T.』(‘75~’76)のようにカルトな人気を誇るマニアックな作品まで、’00年代は数多くのテレビ・シリーズがスクリーンに甦った。ちなみに、前者はベン・スティラーとオーウェン・ウィルソン主演の『スタスキー&ハッチ』(’04)、後者はコリン・ファレル主演の『S.W.A.T.』(’03)。そうした中、筆者のような80年代キッズにとっては、まさに真打登場!といった感のあったのが本作『マイアミ・バイス』(’06)だった。 日本では’86年~’88年まで夜9時より放送された『特捜刑事マイアミ・バイス』。そう、昔は地上波のゴールデンタイムに海外ドラマが放送されていたのである。恐らく、本作はその最後の番組のひとつだったはずだ。常夏のリゾート地にして全米有数の犯罪都市マイアミを舞台に、ペットのワニとボートで暮らす喧嘩っ早い熱血刑事ソニー・クロケット(ドン・ジョンソン)と、ニューヨークからやって来た女好きのプレイボーイ刑事リカルド・タブス(フィリップ・マイケル・トーマス)が、得意の潜入捜査で麻薬密売組織や人身売買組織などの凶悪犯罪に立ち向かっていく。設定自体は必ずしも目新しいとは言えないバディ物の犯罪ドラマだったが、しかし当時としては様々な点で画期的な番組でもあった。 まずは、主人公のクロケットとタブスのファッションである。それまでアメリカの刑事ドラマといえば、むさ苦しいスーツ姿のオジサンかジーンズにTシャツ姿の若者か、いずれにせよオシャレとは程遠いヒーローが主人公だった。なにしろ警察官は公務員である。安月給なうえに多忙な仕事では、ファッションに気を遣う余裕などなかろう。ところが、本作の主人公たちは2人ともトレンディな高級イタリアン・スーツを着用。実にファッショナブルでスタイリッシュだった。実際、番組ではアルマーニやヴェルサーチなど高級ブランドの最新コレクションを撮影に使用していたという。一般的にアメリカ人男性はファッションに無頓着な人が多いのだが、本作の影響によってアメリカでもヨーロッパの男性向け高級ブランドが普及したとも言われる。クロケットが愛用するレイバンのサングラスも流行った。 さらに、ミュージックビデオを彷彿とさせる洗練された映像もまた抜群にオシャレだった。当時はMTVが世界中の若者の間で大ブームだった時代。’81年に開局した音楽専門チャンネルMTVは、最新ヒット曲のミュージックビデオを24時間流し続けるというコンセプトで大当たりし、それまであまり一般的ではなかったミュージックビデオを普及させ、いわば最強のプロモーションツールへと押し上げた。映画界でも『フラッシュダンス』(’83)や『フットルース』(’84)のようにMTV的な演出を取り入れた作品が次々と登場したが、テレビドラマの世界では『特捜刑事マイアミ・バイス』が最初だったように思う。そもそも、番組のコンセプト自体が「MTV世代向けの刑事ドラマ」だったらしい。そのため、番組中では当時の全米トップ10ヒットソングがたっぷりと使用され、よりミュージックビデオっぽさを盛り上げていた。しかも全てオリジナル・アーティストのオリジナル・バージョン。そのため楽曲使用料が大変な金額にのぼったとも言われている。シーズン1のパイロット・エピソードで、フィル・コリンズの名曲「夜の囁き」が流れる夜のドライブシーンは特に印象的だ。ヤン・ハマーの手掛けた番組テーマ曲も、全米シングル・チャートでナンバーワンとなった。 また、実際にマイアミで全て撮影されたことも大きな特色だったと言えよう。今でこそアメリカのテレビ・シリーズは舞台となる場所の現地でロケ撮影することが主流だが、しかし『ハワイ5-0』(‘68~’80)や『刑事コジャック』(‘73~’78)のような一部の例外を除くと、10年ほど前までは舞台の設定がどこであれ、基本的にロサンゼルス周辺やハリウッドのスタジオ、もしくはカナダのトロントやバンクーバーで撮影されるのがテレビ・シリーズの定番だった。『特捜刑事マイアミ・バイス』も当初はロサンゼルスをマイアミに見立てる予定だったが、しかし古いアールデコ様式の建物が並ぶマイアミ独特の街並みの再現が難しいこともあって、現地での撮影が選ばれることになった。おかげで、アメリカの南の玄関口とも呼ばれるマイアミならではのエキゾチックな雰囲気が、番組自体のトレードマークともなった。中でも、マイケル・マンの映画を彷彿とさせるネオン煌めく漆黒のナイトシーンと、明るい太陽がビーチに降り注ぐカラフルなデイシーンの強烈なコントラストが印象的だ。 あえてテレビ版とは差別化を図った映画版だが…? そんな懐かしの刑事ドラマを21世紀に甦らせた映画版『マイアミ・バイス』。クロケット役にコリン・ファレル、タブス役にジェイミー・フォックスとキャスト陣も刷新し、オリジナルとはまた一味違うクライム・アクション映画に仕立てられている。まずはそのストーリーを振り返ってみよう。 マイアミ・デイド郡警察の特捜課に所属する潜入捜査官のソニー・クロケット(コリン・ファレル)とリカルド・タブス(ジェイミー・フォックス)。ある時、2人と付き合いの長い情報屋アロンゾ(ジョン・ホークス)の妻が殺害され、悲嘆に暮れたアロンゾ自身も自殺してしまう。そのちょうど同じ頃、南米コロンビアの麻薬組織を追っていたFBIの潜入捜査官も殺された。どうやら、相手は仲介役のアロンゾがFBIのスパイだと知っており、その妻を拉致監禁して脅迫することで潜入捜査の情報を得ていたようだ。この一件はFBIだけでなく麻薬捜査局や税関、ATF(アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局)も加わった共同特別捜査。当局の管理システムがハッキングされ、そのどこかからか情報が洩れている。そこでFBIの責任者フジマ(キアラン・ハインズ)は、組織の実態と情報の漏洩元を把握するべく、クロケットとタブスに潜入捜査を依頼する。地元警察は共同捜査に参加していないため、相手方に素性のバレる危険性が少ないからだ。 組織の元締めと見られるのは大物密売人ホセ・イエロ(ジョン・オーティス)。コロンビアの麻薬はボートで運ばれ、カリブ海経由でマイアミへ密輸される。その運び屋を叩いたクロケットとタブスは、馴染みの情報屋ニコラス(エディ・マーサン)の仲介でイエロにコンタクトを取り、代わりの新たな運び屋として自分たちを売り込む。タブスの恋人で同僚のトルーディ(ナオミ・ハリス)は彼の妻役だ。指定場所のハイチへ飛んだクロケットとタブスは、綿密に捏造された犯罪歴と巧みな芝居で用心深いイエロを納得させ、組織の黒幕モントーヤ(ルイス・トサル)を紹介される。ボスだと思われたイエロは単なる仲介人で、組織の実態はFBIの想定よりも遥かに大規模だったのだ。モントーヤにも認められ、麻薬の運び屋を任されることとなったクロケットとタブス。その傍らでクロケットはモントーヤに関する情報を得るため、彼の愛人で組織のナンバー2である美女イザベラ(コン・リー)に接近するのだが、いつしか本気で愛し合うようになってしまう…。 実はこのストーリー、テレビ版シーズン1の第15話「運び屋のブルース」が下敷きとなっている。これは’84年に発表されたグレン・フライのアルバム「オールナイター」収録の楽曲「スマグラーズ・ブルース」をモチーフに、そのグレン・フライ自身も役者としてゲスト出演したエピソード。テーマソングとしても使用された「スマグラーズ・ブルース」は、エピソードの放送に合わせてシングルカットもされ、全米チャートで最高12位をマークした。 ストーリーの基本的な設定や流れはテレビ版とほぼ同じ。ただし、当時は管理システムのハッキングなるものが存在しないため、クロケットとタブスはFBI内部の密通者を突き止める。組織の黒幕モントーヤとその愛人イザベラも映画版オリジナルのキャラクターだが、その一方でテレビ版でグレン・フライが演じた飛行機パイロットも映画版には出てこない。最初に犠牲となる家族同然の情報屋も、ドラマ版だと警察がマークしていた下っ端の運び屋。FBIの協力者だった運び屋が家族を人質に取られ、麻薬組織に捜査情報を流した挙句に家族もろとも殺されるという事件が相次ぎ、組織に顔の割れていないクロケットとタブスが運び屋に化けて南米へ飛び、潜入捜査でFBI内部の密通者を炙り出す。同僚トルーディがタブスの妻役で、組織に拉致され爆弾が仕掛けられるという展開も一緒だが、しかしテレビ版ではトルーディとタブスが恋仲という設定はないし、トルーディが大怪我を負うこともない。かように映画版では随所で独自の脚色や改変が施され、2時間を超える劇場用映画らしいスケールの大きな物語に生まれ変わっている。ちなみに、クロケットとイザベラの間に芽生える悲運のロマンスは、売春組織に潜入したタブスがボスの娘と恋に落ちるシーズン1第16話「美少女売春!危ない復讐ゲーム」を彷彿とさせる。もしかするとヒントになったのかもしれない。 映画化に際してマイケル・マン監督は、なるべくテレビ・シリーズのイメージを避けることにしたという。そのため、番組のトレードマークだったヤン・ハマーのテーマ曲は使用されず、テレビ版では白やパステルカラーを基調にしていたクロケットとタブスのファッションも黒やグレーのモノトーンに統一され、陽光眩しい白砂のビーチもカラフルな水着姿の美男美女も出てこない。クロケットの住居であるボートもペットのワニも存在しないし、テレビ版ではチャラ男キャラだったタブスも映画版ではクールなタフガイとして描かれている。あえてテレビ・シリーズとの差別化を図っているのは一目瞭然であろう。 とはいえ、テレビ版で特に印象的だったフィル・コリンズの「夜の囁き」が映画版ではフロリダのロックバンド、ノンポイントによるカバーバージョンで流れるし、ジェイミー・フォックスが劇中で着用するスーツはイギリスの有名デザイナー、オズワルド・ボーテングのものだし、そもそもテレビ版のナイトシーンはマイケル・マン作品の世界観を明らかに踏襲していた。実際、テレビ版と酷似したようなシーンは少なからず見受けられる。映画版のクロケットとタブスがハイチで宿を取る場末のホテルも、元ネタになったエピソード「運び屋のブルース」に出てくる南米のオンボロ・ホテルと内装が瓜二つだ。むしろ、本作はマイケル・マン流にアップデートされた進化版『マイアミ・バイス』と見做すべきではないかと思う。■ 『マイアミ・バイス』© 2006 Universal Studios. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2021.07.08
アル・パチーノvsロバート・デ・ニーロ ライバルにして友人同士の、初の本格共演作 『ヒート』
2005年10月21日、ビバリーヒルズのホテルで、アル・パチーノを顕彰する催しがあった。その席には彼と共演経験がある者を中心に、綺羅星のようなスター達が出席。「アメリカン・シネマテーク賞」が贈られたパチーノに、次々と賞賛の声を浴びせた。 会場には姿を見せなかったものの、メッセージビデオを寄せた中には、ロバート・デ・ニーロが居た。彼はパチーノに呼び掛けるような、こんな祝いの言葉を贈った。「アル、何年にもわたり、おれたちは役を取り合った。世間のひとたちはおれたちをたがいに比較し、たがいに競わせ、心のなかでばらばらに引き裂いた。正直に言って、おれはそんな比較をしてみたことはない。たしかにおれのほうが背が高い。おれのほうが主役タイプだ。しかし正直に言おう。きみはおれたちの世代で最高の俳優であるかもしれない……ただし、おれをべつにしてだ」 1940年生まれのパチーノと、43年生まれのデ・ニーロ。まさに同世代の中で、長年ライバル同士と目されると同時に、親しい友人関係にあった。そんな2人の仲を、端的に表したメッセージと言えよう。 共に、イタリア系アメリカ人。俳優を志した若き日、ニューヨークでスタニスラフスキー・システムを基にした「メソッド演技法」を学んだのも、同じだ。但し、パチーノの師がアクターズ・スタジオのリー・ストラスバーグであるのに対し、デ・ニーロが学んだのは、かつてストラスバーグと衝突して袂を分かった、ステラ・アドラーであった。 俳優としてのキャリア初期、デ・ニーロは『The Gang That Couldn't Shoot Straight』(71/日本未公開)という作品に出演した。彼が演じたのは、パチーノが『ゴッドファーザー』(72)に出演が決まったため、断った役である。 その『ゴッドファーザー』でパチーノが演じたマイケル・コルレオーネの役は、デ・ニーロも候補として、名が挙がった1人だった。結果的にこの役を得たパチーノは、作品が記録破りの大ヒットになると同時に、スターダムにのし上がり、アカデミー賞助演男優賞の候補にもなった。 2人の初の共演作は、『ゴッドファーザーPARTⅡ』(74)。とはいえこの作品の中で、2人が顔を合わすシーンはない。パチーノが引き続きマイケル・コルレオーネを演じたのに対し、デ・ニーロの役は、マイケルの父であるヴィト―・コルレオーネの若き日であったからだ。 パチーノは今度は、アカデミー賞の主演男優賞候補になる。一方この作品で一躍大きな注目を集めたデ・ニーロは、候補となった助演男優賞のオスカー像を勝ち取った。 これは余談になるが、デ・ニーロが演じたヴィト―の生まれ故郷は、イタリア・シチリア島のコルレオーネ村。実はこの地は、パチーノの祖父の出身地であった。 さて、『ゴッドファーザーPARTⅡ』時には30代前半だった、パチーノとデ・ニーロ。そんな2人が初の本格共演を果たすのには、それから20年以上の歳月、共に50代となるまで、待たなければならなかった。 それが、マイケル・マン製作・監督による本作『ヒート』(95)。パチーノが演じる、ロサンゼルス市警の警部ヴィンセント・ハナと、デ・ニーロが演じる、プロの犯罪者ニール・マッコリ―の対決が描かれる、2時間50分である。 *** ニール・マッコリ―をリーダーに、クリス、チェリト、タウナーらがメンバーの強盗グループの今回のターゲットは、多額の有価証券を積んだ装甲輸送車。大胆不敵な襲撃で輸送車を横転させ、警察の追っ手が掛かる前に証券を手に入れて、現場から立ち去る計画だった。 ところが新顔のメンバーが、ガードマンの1人を無意味に射殺。そのため、目撃者である他のガードマンたちも、葬らざるを得なくなる。 急報を受けてロス市警から、強盗・殺人課のヴィンセント・ハナ警部が駆けつけた、彼は犯行の手口から、強盗のリーダーが、相当に頭が切れるタイプであることを見抜く。 グループの仲間たちが家族持ちなのに対し、ニールは情の部分を断ち切った独り者。しかしある時に出会った、グラフィック・デザイナーのイーディと恋に落ちる。 一方ニールたちを追うヴィンセントは、捜査にのめり込む余り、過去に2度の離婚歴がある。現在は3番目の妻とその連れ子の娘と暮らしているが、またもや関係がギクシャクし始めていた…。 ちょっとした糸口から、ニールたちの正体を割り出したヴィンセントの捜査チームは、強盗グループが犯行に及んだところを、一網打尽にする計画を実行する。ところが犯行途中、捜査チームのちょっとしたミスから、ニールは警察の罠に気付き、企てを中止して引き上げる。 ニールは意趣返しのように、逆に罠を張る。そして、ヴィンセントはじめ捜査チームのメンバーを突き止める。 虚々実々の駆け引きを経て、ヴィンセントとニールが、直接対決する日が近づく。それが2人のどちらかにとっては、最期の日になる。そんな予感を孕んでいた…。 *** デ・ニーロと同年の、1943年生まれのマイケル・マンは、70年代から「刑事スタスキー&ハッチ」「ポリスストーリー」など、TVの有名刑事ドラマの脚本や監督を担当。80年代にはエグゼクティブ・プロデューサーを務めた、「特捜刑事マイアミ・バイス」で大当たりを取った。 映画監督としては、『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』(81)でデビュー。本作に至るまでに、『ザ・キープ』(83)『刑事グラハム/凍りついた欲望』(86)『ラスト・オブ・モヒカン』(92)といった作品を手掛けていた。 本作でパチーノが演じた刑事と、デ・ニーロが演じた犯罪者には、実在のモデルが居る。刑事のモデルは、元シカゴ市警の警察官で、退職後に脚本家となったチャック・アダムソン。マンの映画監督デビュー作『ザ・クラッカー』で、脚本及び犯罪に関する専門的なアドバイザーを担当したことがきっかけで、マンの親友となり、「マイアミ・バイス」他のマン作品に深く関わるようになった。 犯罪者のモデルは、アダムソンが警察時代に追っていた、その名もニール・マッコリ―。60年代のシカゴで仲間と共に、深夜の金庫襲撃などを繰り返していた。最終的には食料品チェーン店に強盗に入った際、監視していた警察に追い詰められ、アダムソンとその同僚によって、射殺された。 マンはアダムソンからマッコリ―の話を聞いて、2人の関係をベースにした、刑事と犯罪者の対決の物語を映像化しようと構想を練る。そしてまずは89年に、TVムービーとして、『メイド・イン・L.A.』を完成させる。 この作品は日本の場合、『ヒート』公開後に、VHSやDVDなどのソフトで観た方がほとんどと思われる。そうした順番で鑑賞すると、『メイド・イン・L.A.』は、『ヒート』をスケールダウンして、ノースターで製作した93分のダイジェスト版のように感じられる。 もちろん実際は、その逆。予算のスケールアップはもちろん、パチーノ、デ・ニーロ以外に、脇役にもヴァル・キルマーやジョン・ボイトなどのスターを配し、尺も2倍近くにしたのが、『ヒート』なのである。先に映像化したものが“ダイジェスト”のように感じられるのは、展開がほとんど変わらず、主要な登場人物の数も、ほぼ同じだからであろう。『ヒート』は長尺にした分、各キャラクターの描写が厚くなっている。正直、未消化に終わって、余計に感じられるところも散見するが。 さてアクション以外の見せ場として、両作にあるのが、クライマックスの対決に至る前に、ヴィンセントがニール(『メイド・イン・L.A.』では役名はパトリック)に声を掛け、宿敵同士である刑事と犯罪者が、コーヒーショップで会話をするシーン。これはモデルとなった2人の間に、実際にあった出来事を脚色したエピソードだという。 アダムソンがマッコーリーを尾行していた時に、期せずしてショッピングモールで、顔を合わせてしまった。その時アダムソンは、犯罪者であるマッコーリーの行動を深く理解したいと考え、コーヒーに誘ったのである。そして2人で、多くのことを語り合ったという。 この“実話”を基に、マンはヴィンセントとニールが、「…コインの裏と表のような関係…」であり、「似たもの同士…」であることを表現するシーンを作った。共にワーカホリックで、平穏な家庭生活などは望めない、孤高のプロフェッショナル。それ故に2人は、激しく戦わざるを得ないというわけだ。 作品の本質を表す、屈指の名シーンと言えるが、一方で『ヒート』初公開時にはこのシーンがあるが故に、観客らが「あらぬ疑惑」を抱く事態となった。それについては、後ほど詳述する。 本作でマンが大いにこだわったのが、“リアリティー”。俳優陣には準備段階で、犯罪者の行動原理を学ばせた。 例えば犯罪チームの一員チェリトを演じたトム・サイズモアの場合、刑務所で受刑者の話を聞いたり、営業中の銀行を訪れ、自分が強盗だったらどう狙うかをシミュレーションした。更には実在のギャング団行きつけの店のテーブルで、わざわざ食事までした。 撮影前には3カ月に及ぶ、コンバット・シューティング=実践的射撃術の訓練を実施。犯罪者チームと警官チームは、それぞれ銃の撃ち方や扱いに微妙な違いがあることから、別々のトレーナーを付けて行った。これは、劇中で対立する2つのチームに、馴れ合いの空気を作らせないための工夫でもあったという。 マンは、ロサンゼルスでのオールロケにもこだわった。ロケ場所は実に85箇所にも及んだが、ハイライトはやはり、12分間に渡る白昼の市街戦の舞台。週末にロスのオフィス街の大通りを丸ごと借り切って、映画史に残るような壮大なドンパチを繰り広げた。 主演を務めた2大スター、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロについては、マンはその演技を、次のように語っている。「デ・ニーロは役を建築物のように構築する。細部をすこしずつ、信じられないほどこまかく研究する。…一方、アルの役への入りかたはちがう。ピカソが何も描いてないキャンヴァスを何時間もみつめて集中するようにだ。集中したあとで何刷毛か絵筆をふるう。それだけで人物が生きて立ち上がる」 そんな2人が対峙する最大の見せ場が、先に挙げた、コーヒーショップのシーンだった。しかし初公開時は、私も含めて多くの観客の中に、「?」を残す結果となった。具体的には、「パチーノとデ・ニーロ、共演してないのでは?」という疑念が、猛然と沸き上がったのである。 2人の会話シーンは、各々のバストショットの切り返しばかり。同一画面に2人が存在する、そんな2ショットのシーンが、全く存在しなかったのである。 パチーノとデ・ニーロが、いくら親しい友人同士といっても、撮影現場ではお互いTOPスターのプライドなどもあって、そうはいかなかった。だから別々に撮ったのである。そんなもっともらしい解説も、当時耳にした記憶がある。 でも実際は、そんなことはなかった。現場のスチールやメイキングなどから明らかだが、2人はちゃんと共演していたのである。しかもリハーサルなしで撮影したこのシーンは、2人のアドリブも満載に、11テイクも回していた。 では、実際にはカメラに収めた2ショットなどは、なぜ使わなかったのか?「共演してないのでは?」という疑惑を生み出すような編集に、どうしてなったのか? パチーノとデ・ニーロは、視線を合わせたり逸らしたりしながら、セリフの応酬をする。そうした中でお互いが、「似ている人間」であることを理解していく。 それを見せるためには、それぞれの表情がはっきりと映る、バストショットの切り返しが最も有効。交互に見せることで、2人の演技が融合していく。マンと編集者は、そう考えたのである。 初見から25年経って、そのシーンを観返してみて私が思ったのは、「似た者同士」である2人だが、同じ世界での共存は許されない。2ショットを省いたのには、そんなことを表す意図があったようにも思えてきた。この編集だからこそ、刑事と犯罪者、それぞれの“孤高さ”が際立ってくる。『ヒート』で初めて、本格共演を果たしたパチーノとデ・ニーロ。2人はその後、『ボーダー』(2008)『アイリッシュマン』(19)と、ほぼ10年に1度ほどのペースで共演を重ねている。 一方、その後様々な犯罪映画を手掛けたマイケル・マンは、現在ヴィンセントやニールらの、本作以前のストーリーを描く前日譚の小説化や脚本化に取り組んでいると伝えられる。この映像化が実現しても、齢80前後となったパチーノとデ・ニーロが同じ役で再登板することは、ちょっと考えにくいが…。■ 『ヒート』© 1995 Monarchy Enterprises S.a.r.l. in all other territories. All rights reserved.
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COLUMN/コラム2018.05.14
『ブラックハット』6/9(土)字幕、10(日)吹き替え
「ブラックハット」とは悪いハッカーのこと。主演のクリス・ヘムズワースは良いハッカー「ホワイトハット」の役。これは英語のコンピュータをたくスラングで、さらに元をたどれば映画用語がルーツ。古い白黒の西部劇では、黒いカウボーイハットは悪玉、白っぽいのは善玉と相場が決まっていた(1960年の『荒野の七人』はその点ヒーローが黒かったのが画期的だったのだ)。「ブラックハット」、「ホワイトハット」はこれに由来する。 以下、あらすじ。 中国の原発で冷却が停止し、水蒸気爆発で原子炉建屋が吹き飛んだ。サイバーテロが原因だ。中国人民解放軍サイバー戦部隊「網絡藍軍(もうらくあいぐん、英語でオンライン・ブルー・アーミー)」の上尉(=大尉)陳大偉は、攻撃に使用された乗っ取りソフトのコードを解析し、見覚えがあることに驚く。米国留学時代に自分とルームメイトの天才ハッカー・ハサウェイが2人で作ったものに酷似しているのだ。おそらくそれが流出し何者かが改変し悪用したのだろう。捜査にはハサウェイの協力が不可欠だが、彼はサイバー犯罪の罪により米国で懲役15年の刑に服していた。陳大偉は米国側にハサウェイを超法規的に保釈させて協力させ、さらに、肉親ということで無条件に信頼できる妹でSEの陳蓮も加え、網絡藍軍+FBI+ハサウェイの混成チームでの合同捜査に乗り出す。はたして次なる国際サイバーテロを防げるのか!? 原発がハッキングによって故意にメルトダウンさせられるというテロは“今そこにある危機”なのでは!?と、考えるだに背筋が寒くなるが、こうしたサスペンス映画が作られることからも、2011年の日本の原発事故が世界にどれだけのショックを与えたかがよく判る。しかし実はもう一つ、2010年に発生した大事件で、米CIAとNSAとイスラエル国防軍のサイバー戦部隊「ユニット8200(エイト・トゥーハンドレッド)」の3者が極秘裏に共同開発したマルウェア「スタックスネット」を用いた、イラン核施設を標的とするサイバー攻撃秘密工作「オリンピック・ゲーム作戦」からも、本作は着想を得ている。そのスタックスネットが流出して感染が拡大し大騒ぎになったのだが、世界を震撼させたこの2つの事件事故を合体させたシナリオなのである。まさに、この映画で描かれている脅威は“今そこにある危機”、いつ現実に起きても不思議はないのだ。 『ヒート』(1995)以来のリアル銃撃戦や『コラテラル』(2004)以来のリアル夜間撮影など、マイケル・マン映画のリアリズムみなぎる特色も本作には満載。マイケル・マン監督は「俺の現場に偽物の銃など無い!」と豪語していたとのことで、お楽しみの本格的な銃撃戦ももちろん見逃せないのだが、本作ではさらに、ハッキングソフトのコードを本物のホワイトハットに書いてもらっているとのことで、実は見る人が見れば本当にヤバい、シャレになってないプログラムだと解るらしい。そこまでしてリアリズムに徹底的にこだわっている。 が、主演のクリヘムはおよそITヲタクに見えない。しかしそこは映画、イケメンを出さないと客が入らないだろう。クリヘム自身もこの見た目問題にはかなり悩んだそうだが、監督に相談したところ「見た目って何だ!」という鶴の一声があり万事解決したとのこと。そこにはこだわらないのかよ!と、監督のこだわりポイントが我々凡人には若干わかりづらいのだが、どうしてもクリヘムではヲタクに見えなくて困るという人は、各自『ビッグバン★セオリー』か『ナーズの復讐』の登場人物に脳内置換しながらご覧いただければ幸いである。 MIT留学時代にクリヘムとはルームメイトだった現・網絡藍軍上尉役のワン・リーホンは、日本とは大変ゆかりの深い台湾系の俳優だ。藤原紀香がブレイク期に国際デビューを果たして話題になった香港アクション『SPY_N』(2000)に主演。また、原案・脚本担当のGackt入魂の男の友情アクション、北京語・広東語・日本語乱れ飛ぶ多国籍マルチリンガル近未来ヴァンパイアSF『MOON CHILD』(2003)には、Gackt、hyde、現参議院議員山本太郎先生とマブダチ四人組として出演した。『真昼ノ星空』(2004)というイメージビデオのような映像美主体の恋愛映画では鈴木京香とも共演している。華流ブームの頃は歌手としても日本デビューしたとのことで、事ほど左様に、ゼロ年代には日本でも大活躍しておりファンも多い。古代中国の春秋戦国時代を舞台にした歴史物の二人旅ロードムービー『ラスト・ソルジャー』(2010)ではジャッキーとも共演しており、国際派華人スターとしてキャリアを順調に重ねている。 民間のSEである妹役にはタン・ウェイ。アン・リー監督『ラスト、コーション』(2007、ワン・リーホンも出ていた)に主演し体当たりの演技を披露して大いに話題をさらった女優だ。あまりにも体当たりすぎて『ラストタンゴ・イン・パリ』(1972)とか『愛のコリーダ』(1976)とか、ほとんどそっち系に近いような話題ののぼり方で、中国当局から睨まれてしまい活動を何年間も“封殺”されるという憂き目も見たが、圧力にめげず世界に羽ばたいていただきたく、『ラスト、コーション』での脱ぎっぷりの良さに惚れたファンとしては願ってやまない。 中国は2012年に興収面で日本を抜き去って世界第2の映画市場に躍り出て(内閣府HPのPDFにリンク)、その差は年々拡大し今では4倍差まで開き、2020年までに米国も抜いて1位になるのではとの見通しもあるほど。13億という人口規模から言って遅かれ早かれそうなるのは当然の成り行きだ(ちなみに製作本数1位はこちらも13億の人口を擁するボリウッド)。その超巨大市場でヒットを当て込もうというハリウッド映画が、特に2010年代に入ってから相次いで製作されたこともまた、ビジネスなのだから当然の成り行きだ。『トランスフォーマー/ロストエイジ』(2014)などは顕著な例。本作『ブラックハット』のプロダクションであるレジェンダリー・ピクチャーズ社は今では中国企業傘下になっており、2015年の本作の後も、『グレートウォール』(2016)、『キングコング:髑髏島の巨神』(2017)、『パシフィック・リム:アップライジング』(2018)など、中国の観客にちょっとだけ媚びてみせようと中華印を刻印した大作を、次から次に製作している(そしてその3本全てにジン・ティエンが出ていて、本国では口さがない連中から“ゴリ押し”などと言われていて可哀想)。『ブラックハット』も、そんな、“巨龍中国”のこれぞホントの“大躍進”という時代を、後世から見た時に象徴するような作品群のうちの1本だろう。 我々日本人だって、バブルの頃にはたっぷりと媚びをハリウッドからお売りいただいていたものだ。当時、外国映画の中に日本ネタが(“奇妙な果実”的な勘違いもたっぷりに)描かれたり、石橋貴明や高倉健が出演したりすれば、我々日本人も無邪気に喜んでいたし、今でも世界の渡辺謙、世界の真田広之、世界の菊地凛子の活躍を目にすれば、素直に嬉しい。『ダイ・ハード』(1988)のナカトミ商社や『TAXi2』(2000)の「ニンジャ〜!」も光栄に感じたものだ。今ではそれが、時勢もうつろい経済の重心とともに中国に移ったわけだが、我々もご相伴にあずからせていただき、チャイナマーケット向けビッグバジェット映画をチャッカリ楽しませてもらいましょう、というのが賢い。■ © 2015 Legendary Pictures. All Rights Reserved. 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存 保存保存
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COLUMN/コラム2015.11.30
男たちのシネマ愛①愛すべき、未DVD・ブルーレイ化作品(3)
飯森:先ほども言ったように、今回の未DVD・ブルーレイ化作品の中で一番盛り上がりを見せているのは「ザ・キープ」です。いわゆる超娯楽作ですよね。確か「13日の金曜日・完結篇」(注12)との同時上映だったと思うんですが。 なかざわ:今回久しぶりに見て、確かにビジュアルの素晴らしさは記憶の通りだったんですけど、実は編集の粗さとかストーリーのつじつまの合わなさに気づいて、あれ?と思いました。初めて見た時の感動と衝撃が、美化されて記憶しているのかな(笑)。 飯森:東欧の要塞みたいな城に怪人が封印されていて、そこに何も知らないナチスの軍隊が駐留することになる。で、その要塞を探検していたところ、封じ込められていた怪人が出てきちゃうわけですよね。当時は「スター・ウォーズ」から続くSFXブームの真っ只中にあって、あの怪人の造形も’80年代的にはイケていたんだろうと思います。 なかざわ:なんとなくゴシック・ファンタジー的な雰囲気が好きで。古城の中に恐ろしい秘密が隠されているという設定だけでも、ロマンをかき立てられるものがあるんですよね。 飯森:しかも、東欧のトランシルバニアとかカルパチア山脈とかを舞台にするのって、ハマー・フィルム(注13)がドラキュラ映画で散々やっていたわけですけど、どれもウソ臭かった。でも、これはマイケル・マン監督(注14)だからなのか、ものすごくリアルなんですよね。カルパチアの山間にある村のセットが。 なかざわ:セットという感じすらしませんからね。 飯森:あと、これは原作者の功績なんでしょうけれど、要塞の壁に謎のメッセージが書かれるシーンがある。“我を解き放て”というメッセージが。でも、ナチスの軍人たちはこれが読めない。ルーマニア語というのはラテン文字なんですけど、壁に書かれている文字はどう見てもラテン文字じゃない。そこで、イアン・マッケラン(注15)演じるユダヤ人の学者を強制収容所から連れ出してくるわけです。これを読めと。すると、グラゴル文字で書かれた古代教会スラヴ語だというんですね。これは、ロシア語などの元になった最古のスラヴ系言語です。この古代教会スラヴ語は原初的なキリル文字かグラゴル文字のどちらかで書かれるんですが、グラゴル文字はその後の歴史の中で埋没していき、キリル文字の方だけが残った。そのグラゴル文字で怪人のメッセージが書かれている。まさにこういうところですよね、ロマンを感じるのは。 なかざわ:そうです。その怪人というのが、ユダヤ人の味方をするフリして、実は自分が外へ出たいだけだったりする。学者の心理を巧みにもてあそぶあたりが面白い。 飯森:「俺を出してくれたらヒットラーをぶっ殺すよ」ってね。 なかざわ:もちろん、そんなわきゃないんだけれど(笑)。 飯森:でも、イアン・マッケラン演じる学者の心も揺れるわけです。で、ユダヤ民族を救うためにこいつを外へ出そう…となった時に、それを止めようとスコット・グレン(注16)ふんするある男が現れるわけだけれど、彼が何者なのか全然分からない(笑)。 なかざわ:原作を読めば分かると思うんですけれど、少なくとも映画のストーリー上は一切の説明がなく突然出てきますからね。 飯森:ずっとバイクに乗ったり船に乗ったりして要塞を目指すんですけど、なぜそこで物騒なことが起きていると知っているのか、なにも言及されていません。 なかざわ:もともと3時間あった映画をバッサリ短くしているので、どうしても未完成に感じる部分が多いことは否めませんね。 飯森:でも、こういう映画を深夜に見ちゃった時の、この上ない幸福感は代えがたいものがありますよね(笑)。 注12:1984年製作。殺人鬼ジェイソンが若者を殺しまくるシリーズ4作目。これで完結するはずが、予想外の大ヒットで継続することに。キンバリー・ベック主演。注13:’50年代末から’70年代にかけてホラー映画を量産した英国の映画会社。代表作は「吸血鬼ドラキュラ」(’58)など。’07年に復活し、「ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館」(’12)などを製作。注14:1943年生まれ。監督。代表作は「ヒート」(’95)や「コラテラル」(’04)など。注15:1939年生まれ。俳優。代表作は「Xメン」シリーズに「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ。注16:1941年生まれ。俳優。代表作は「シルバラード」(’85)、「羊たちの沈黙」(’90)など。 次ページ >> ルパン三世のファーストシリーズの匂いですよ(飯森) 「スパニッシュ・アフェア」COPYRIGHT © 2015 BY PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED. 「ザ・キープ」TM, ® & © 2015 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. 「世界殺人公社」TM, ® & © 2015 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. 「黄金の眼」COPYRIGHT © 2015 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED. 「くちづけ」TM, ® & © 2015 by Paramount Pictures. All Rights Reserved. 「ウォーキング・トール」© 2015 by Paramount Pictures Corporation. All rights reserved.
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COLUMN/コラム2011.12.01
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2011年12月】THEシネマン
ト ムが演じるのは、タクシーで移動し一晩で5人を殺害していくプロの殺し屋。そんな客を乗せるハメになった運転手を演じるのが、本作で注目されブレイクした ジェイミー・フォックス。なので、世の中的には彼の作品となっています。。しかし、そこはトム。クライマックスでやっぱり走ります(追いかけっこ)。しか も役の設定年齢を一切感じさせない(笑)激走。走る俳優トム・クルーズの真骨頂が見られるので僕的にはトムの作品です! TM & © 2011 DREAMWORKS LLC AND PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.