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COLUMN/コラム2023.05.29
『ツイスター』に隠顕する“ゴジラ”の存在
◆竜巻を追うストームチェイサーたちの衝突 1996年に公開されたアメリカ映画『ツイスター』は、米オクラホマ州で発生する竜巻(トルネード)に追跡システムを巻き込ませ、動きのジオメトリーデータを得ようとするライバルチームの衝突を描いたパニックアクションだ。物語の性質上、作品には巨大竜巻の猛威が見せ場として用意され、その破壊描写は怪獣映画並みのスケールを放つ。 怪獣映画といえば、本作の監督を務めたヤン・デ・ボンは、初のハリウッド版“ゴジラ”を監督デビュー作『スピード』(94)の後に手がける予定だった。しかし製作費の試算を兼ね、視覚効果のテストフィルムを大手VFXファシリティ(一説にはソニー・ピクチャーズ・イメージワークスと言われている)に作成させたところ、約1億2500万ドルという巨額が計上され(規定の予算は7000万ドルだった)、製作は難航。デ・ボンはプロジェクトを離脱したのである。結果的に侵略SF大作『インデペンデンス・デイ』(96)で大ヒットを記録したローランド・エメリッヒ監督が後を受け継ぎ、1998年に映画『GODZILLA』として完成を見ることとなる。ここで同作の真価を問うことはしないが、『トゥームレイダー2』(03)の取材で筆者が会ったデ・ボンいわく、「あれ(エメリッヒ版)は僕の知っているゴジラではないね。もし機会があるのならば、今でもゴジラ映画をやりたいと思っているよ」と後悔の念をにじませていた。 そのため、デ・ボンはゴジラに対する未練から、似た傾向のパニック映画をでっち上げたのだと思われがちだ。しかし『ツイスター』の企画は1994年から存在し、もともとはマイケル・クライトンとスティーヴン・スピルバーグの『ジュラシック・パーク』(93)コンビによる続投作品として温存されていたものだ。しかしスピルバーグは同作と『シンドラーのリスト』(93)を連作したために監督業の休止期間を置き、デ・ボンは『スピード』を観たスピルバーグから「監督を頼めないか」と打診されたのである。 なによりデ・ボンはシネマトグラファーとしての実績が長く、監督としては遅咲きだった。そのため前途多難なゴジラにキッパリと見切りをつけ、間を置くことなく『ツイスター』へと移行。好機を逃したくないという意識がはたらいたのである。 それでも『ツイスター』に、ヤン・デ・ボンが果たせなかったゴジラの幻像を見る人は少なくない。そこにはエメリッヒの『GODZILLA』が、ファンの望むゴジラ像とかけ離れていたことが起因として存在する。そして後述するが、デ・ボンの描いていた物語設定が魅力的だったことも要素として挙げられるだろう。 しかしながら、この竜巻パニック映画の制作プロセスをたどると「…やはりゴジラは無理だったのでは?」という印象も拭うことはできない。それほどまでに『ツイスター』は、デ・ボンの視覚スタイルにVFXを調合させるのがいかに難しかったかを示しているのだ。 ◆無軌道なカメラワークに竜巻をどう合成するのか? 先述したように、ヤン・デ・ボンはシネマトグラファーとして『ダイ・ハード』(88)や『ブラック・レイン』(89)『レッド・オクトーバーを追え!』(90)などのヒット作に関わり、独自の撮影スタイルを築き上げてきた。カメラモーションは多動的で、遠景から被写体へと寄る広範囲な空撮やドリー移動を好んで用い、加えてドキュメンタルなタッチを標榜し、カメラワークは不規則な動きをともなうシェイキーな傾向にあることを諸作が語っている。常時6〜8台のカメラを同時に駆使してショットを多く得るうえ、アクションと同時に会話が進行する素早い作劇演出を特徴としている。たとえば『スピード』の場合、主演のキアヌ・リーブスにスタントダブルをつけない方向で撮影がおこなわれている。それらの姿勢が『ツイスター』でも応用され、しかもなるべく現場でプラクティカル(実用的)な特殊効果を用い、ライブの臨場感を得ようとしたのだ。 ところが、竜巻の前兆となる曇天や雲の急激な動きの変化などはかろうじてフォローできたものの(不幸にも撮影時は好天続きだった)、さすがに本物をカメラに収めることまではできなかったのだ。そこで全ての竜巻をCGで創造し、それを実景にマッチムーブ(動きを含むプレートどうしを一致させ、合成するプロダクション処理)させる手段をとったのである。 こうした合成を可能にするためには、今でこそ最適なマッチムーブソフトウェアが存在するが、当時はボールのようなオブジェクト(対象物)を設置し場面同期のガイドを得て、マッチムーブ専門アニメーターの職人的な作業が創造を担っていた。だがデ・ボンのような複雑なカメラワークを常道とするものは、こうした手順をいっそう困難なものにさせたのである。 そこで本作では、ショット内に写り込んでいる建造物や木といった実景要素をオブジェクトにして、それらをコンピュータ上で生成した3Dの背景プレートに、2Dソフトでカメラの揺れや不規則なモーションを加えるという、初歩的だが非常に手間のかかるカメラトラッキングで対処したのだ。それらの開発は視覚効果ファシリティのILM(インダストリアル・ライト&マジック)が担当し、難題を解決へと導いたのである。 ◆現代において実感する『ツイスター』の画期性と挑戦心 こうして『ツイスター』の技術的な達成を称賛する反面、実作業の難易度はとてつもなく高く、これをテストケースにゴジラの実現を考慮しても見とおしが立ちにくい。事実、デ・ボンは、「『ツイスター』は『ゴジラ』と似ているようで違うものだ」とコメントし、自ら『ツイスター』とゴジラとの関連性を積極的には語っていない。そこには予算だけでなく、やはり自分の映像スタイルをゴジラに落とし込むことが難しい、技術的な問題があったのだと思えてならない。 1994年の第7回東京国際映画祭・京都大会のオープニングで『スピード』が上映されたとき、来日したヤン・デ・ボンは登壇して挨拶をおこなった。そこで氏は「僕のゴジラはスピーディで動きの激しいものになる」といった旨の宣言をし、場内を大いに沸かせている。事実 彼のゴジラは破壊を繰り返しながら北アメリカを縦断し、東部で待ち受ける巨大怪獣グリフォンと戦う「VS怪獣もの」になる予定だった。その激しいスピード感と移動感覚は、ある意味『ツイスター』の竜巻に換装されている。 2023年の現在、アクションを旨とする大型の映画は、スタジオに背景映像を投影して仮想現実空間を構築し、役者の演技やカメラモーションを得る「ヴァーチャル・プロダクション」が主流となっている。だが『ツイスター』は、スタジオに撮影の軸足を置かず、そのほとんどをライブでの撮影に求め、プラクティカルとデジタルエフェクツの両方をサポートさせて構築した、最後期の作品といえるだろう。 今やバーチャル・プロダクションは、実景によるロケーション撮影と見紛うほどのレベルとクオリティに達している。しかしライブがもたらす臨場感は俳優の演技のテンションを高め、おのずと観る者に説得力をもって伝わってくる。『ツイスター』は、こうした要素の創出に大きく貢献したのだ。 人間は何事もあきらめが肝心である。筆者は『ツイスター』の画期性を特記することで、幻に終わったヤン・デ・ボン版ゴジラへの決別をうながそうとしたが、むしろ火に油を注いで再燃させてしまったのかもしれない。 ちなみにデ・ボンは実際にゴジラを2シーン撮影したと取材で述べている。ひとつはエメリッヒ版のティーザー予告にもあった、ゴジラが背びれを浮かせて海上を進み、湾岸から上陸するまでのシーン。そしてもうひとつは、作戦本部で日本人の司令官がゴジラ迎撃の指揮をとるシーンだったという。この日本人司令官を演じているのが、誰あろう高倉健で、これらのフッテージ(未公開映像)はソニー・ピクチャーズの倉庫に眠っているというのが、デ・ボンのインタビュー時の見解である。■ 『ツイスター』© 1996 Warner Bros. and Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2021.05.31
『ホーンティング』再評価に向けて言及したい二、三の事柄
●本格的ゴーストホラーを目指した意欲作 “その建物はいかにも不気味な感じだった。彼女はゾッとしながらそう思った——するとたちまち心の中で声がした。「〈山荘〉は気味が悪い……不気味だ……今すぐ立ち去ったほうがいい」”(*1) 山荘と呼ばれる洋館で、四人の男女が体験する恐ろしい霊的現象を描いたシャーリイ・ジャクスンの『山荘綺談』は、最も優れた、そして最も恐ろしいゴーストストーリーのひとつとして知られている。恐怖体験に関する研究プロジェクトのため、マロー博士はそれぞれに個人的な問題を抱えた3人の被験者をこの場所に誘う。しかし彼らがそこへ到着した夜から、山荘は超常的な怒りを彼らにぶつけることになる——。 1999年公開の『ホーンティング』は、同小説の二度目となる映画化作品だ。監督はシネマトグラファーとして『ダイ・ハード』(88)や『レッド・オクトーバーを追え!』(90)などに参加し、キアヌ・リーブス主演のサスペンスアクション『スピード』(94)で監督デビューを果たしたヤン・デ・ボン。スピード感あふれる演出と機動性を極めたカメラワークを主スタイルとするが、『ホーンティング』はそれとは打って変わって被写体を舐るように、そしてじっくりと捉えて恐怖を創出していく。登場人物たちの恐れの感情を高めていくために準撮り(劇中の順番に撮影していくこと)を実行し、また撮影時には音響デザインのゲイリー・ライドストロームが録音していた効果音を俳優たちに聞かせることで、音や気配に対するリアルな反応を引き出している。 なにより舞台となる洋館の外観はイギリス、リンカンシャーのハーラックストンにあるカントリーハウス〈ハーラックストンマナー〉を用いて撮影し、そのジャコビアン様式とエリザベス朝スタイルをバロック建築に融合させた異様さは、作品の真の“主役”として禍々しい存在感を放つ。加えて巨大航空機格納庫のスプルース・グース・ハンガーに建設された洋館内のセットは、ハリウッド映画における最大級のインテリアセットを誇るものだ。 だが惜しいことに、『ホーンティング』は、評論家からは芳しい評価を受けてはいない。興行的には成功を得たものの、たとえば米「サンフランシスコ・クロニクル」紙の映画評論家ミック・ラサールなどは「『ホーンティング』がもたらす唯一のいいニュースは、映画製作者たちが技術だけで名作が作れることを証明しようとしたが、うまくいかなかったということだ」(*2)となかなかに手厳しい。 こうして映画を非難する文言の中には的を射たものもあるが、じつのところ作品をとりまくいくつかの要素が、映画の評価にネガティブな影響を与えているケースも否めない。うちひとつには『山荘綺談』の最初の映画化作品である、ロバート・ワイズ監督の『たたり』(63)の存在だ。 モダンホラー文学の大家スティーブン・キングは「恐怖」について語った随筆集「死の舞踏」の中で、優れた恐怖描写は扉を開けず、その扉の向こう側にいるものの正体を見せないことだと綴り、『たたり』を絶賛している。確かに『たたり』は、奇怪な音がもたらす恐怖感や、見たり聞いたりしたものが実際にあったのかどうかを登場人物たちに疑問に思わせる創造性が、ひとつの成果をあげているといえる。 ただ『たたり』に関しては、製作予算が110万ドルと限られたものだったことと、当時の視覚表現の限界もあって、必然的に物事を見せない方法を択っている。『ホーンティング』はむしろ8000万ドルという潤沢な製作費を活かし、ゴーストを明確に可視化させることで、精神的ストレスで心に傷を負っていたエレノア(リリ・テイラー)が実際にゴーストを見たのか、それとも彼女の意識が生んだ妄想なのかを観る者に対して巧妙にミスリードしている。こうした映像への積極的な試みが、CGへの過度な依存だと受け取られたようだ。 なにより『ホーンティング』は『たたり』のリメイクではなく、原作の再映画化という位置付けにある。権利上の問題から『たたり』にアクセスすることはできず、同作にあるアイディアを汲み取ってはいない。エレノアを物語の中心人物として描いたのも原作由来のもので、ジャクスンの小説を新たな試みで映画化し、『たたり』とは根本的にアプローチを異にしている。 もうひとつ、ネガティブな作品評価を誘引したのは、製作元のドリームワークスに最終的な編集の権利があり、映画の方向性が変えられたというゴシップだ。スタジオが原作に忠実な心理的スリラーを手がけようとしていたデ・ボンのアプローチを嫌い、観客が即座に恐怖を覚えるような方向へと軌道修正し、ポストプロダクションをスティーブン・スピルバーグが引き継いだ、というものである。 しかし近年、同作のBlu-rayリリースを機にデ・ボンが語ったところによれば、『ツイスター』(96)の後の監督作として企画中だった『マイノリティ・リポート』(02)が、主演のトム・クルーズのスケジュールに空きができたことで急浮上。代わりにスピルバーグが監督を務め、彼が本来監督する予定だった『ホーンティング』をデ・ボンに譲り渡した経緯があったという。そこにスピルバーグとの確執や因縁はなく、先のような実態を欠く噂がスキャンダラスに流布されたようだ。 こうした背景には、かつてスピルバーグが監督であるトビー・フーパーを差し置いて、自ら現場で演出をしたと噂された『ポルターガイスト』(82)のゴシップが重なってくる。この問題は現在に至るも真相は藪の中で、『ホーンティング』が同じホラージャンルであることから、格好のネタとして蒸し返されてしまったとも考えられる。 もちろん、作品そのものの不評を全てスキャンダルのせいにするつもりはないが、不正確な情報が作品にバイアスをかけ、鑑識眼を曇らせてしまうケースもある。それを取り除いて評価が大きく変わるのであれば、すでに評価の定まった作品だからと禁欲的になる必要もないだろう。 ●ヤン・デ・ボン自身が語った『ホーンティング』のこと アメリカで最も影響力のあった映画評論家のひとり、ロジャー・エバートは「ロケーション、セット、アートディレクション、サウンドデザイン、そして全体的な映像の素晴らしさに基づき、わたしはこの映画を推薦したい」と、公開時に『ホーンティング』を激賞している(*3)。筆者もエバートのような感触を同作に覚えたひとりで、ヤン・デ・ボン監督に『トゥームレイダー2』(03)の取材で会ったとき、同作に対する質問を以下のようにぶつけ、高度なクリエイティビティのもとで本作が手がけられたことを確認している。 ——「アメリカン・シネマトグラファー」誌に『ホーンティング』の照明設計図が掲載されていましたが、ライトの設置が複雑すぎて、僕のような門外漢には監督が何を目指しているのか分かりかねました(笑)。 デ・ボン「専門誌まで読んでくれたんだね。屋敷の恐ろしい性質をライティングで表現したかったんだ。この映画はCGでゴーストをクリエイトしているけど、同時にできるだけオンカメラ(撮りきり)で、ゴーストの存在を表現しようと試みたんだよ。撮影現場にいるキャストが、その場で恐怖を実感できるようにね」 ——効果音もその場でできる限り聞かせて、俳優たちの恐怖感を引き出していったとか。 デ・ボン「そう、完成した作品にサウンドエフェクトを挿れず、役者の演技だけで音を感じられるならそれが究極的で理想的だよ。僕は黒澤明監督の『乱』(84)が好きで、武将の父を城ごと燃やそうとする長男と次男の謀反が描かれていたよね。あの合戦場面に黒澤さんは効果音をいっさい使わず、アンダースコア(音楽)だけを用いている。その演出がむしろ戦闘の激しい音を想像させるんだから、あの境地を目指したいものだ」 ——俳優たちのリアクションは実際どうだったんですか? デ・ボン「効果は絶大だったね。特にリーアム(・ニーソン)とキャサリン(・ゼタ=ジョーンズ)は、積極的にスタジオに入りがらないくらいだったからね。二人には相当に怖い思いをさせてしまったよ(笑)」 そう、「〈山荘〉は気味が悪い……不気味だ……今すぐ立ち去ったほうがいい」——。■ (*)『ホーンティング』撮影中のヤン・デ・ボン監督
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COLUMN/コラム2015.06.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2015年7月】にしこ
ヒゲボーボーで酒瓶を持っているキアヌや、映画祭で激太りしているキアヌを見て落胆する日々をお過ごしの皆様に朗報です。(主に女性の皆様)ザ・シネマに7月。満を持して私たちがトキメきに胸を焦がした超絶かっこいいキアヌが帰ってきます。そう!『スピード』放送いたします!! この作品でキアヌが問答無用のハリウッドスターになった事は周知の事実ですが、あと2人、この作品はスターダムに押し上げています。1人は監督のヤン・デ・ボン。もう1人は今やキアヌ以上のスターですがサンドラ・ブロックです。 ヤン・デ・ボンは「ダイ・ハード」や「ブラック・レイン」、「リーサル・ウェポン3」や「レッド・オクトーバーを追え!」など、ザ・シネマをご覧頂いている皆様にはお馴染みの大大大ヒットアクション映画の撮影監督を務めたアクションを知り尽くした男。撮影現場で一番偉い!?と言われる撮影監督を長年務めてきた彼が初監督として選んだのがこの『スピード』だったわけです。 高層ビルのエレベーターに爆破犯から脅迫電話が入るも、SWATチームの活躍で事態は収束。しかし犯人はその事を恨みに思い、今度は路線バスに爆発を仕掛ける。時速80キロ以下になると爆発する路線バス。人質となったバスの乗客を1人でも下ろしても爆発させる、バスを止める事も許されず…エレベーターのテロを見事に解決したSWAT隊員のジャック(キアヌ・リーヴス)に爆破犯ハワード(デニス・ホッパー)からの挑戦状が叩きつけられる・・・ というシンプルなストーリーではありますが、アクションを知るつくした男、ヤン・デ・ボン。1分と観客をほっとさせないくすぐる仕掛けをいたるところに埋め込んでいます。さらに特筆すべきはこの映画のアクションの「手作り」感。急ブレーキに横転しそうになるバスを乗客の全体重を使って防いだり、可動式の板に寝っころがったキアヌが時速80キロ以上で走るバスの下に入り込んだりと、まぁ「がっはっは」と声を出して爽快感を表現したくなる様な素晴らしい手作りアクションが満載なのです!!観る者のツボをつきまくるアクション演出。ありがとうございます。 もう1人の主役。この作品を最高に魅力的にしているヒロインのサンドラ・ブロック。彼女はアクシデントで運転手が運転不能になってしまったバスを、行きがかり上運転する事になった免停中のアニーを演じていますが、素晴らしい!「なんで私がこんな目に!」とかか弱い事は一切言いません。かといって冷静すぎるのでもなく、等身大の女の子らしいパニクりが実にチャーミングで、さらに温かいユーモアで主人公のジャックを励まし、乗客たちをなだめ、とにかく「超・一生懸命」にバスを運転します。この一生懸命さが最高です。みんな彼女を好きならずにはいられない。サンディ最高、ありがとう。 キアヌですが、あのナイーヴさで出来た彼が、血気盛んなロス市警のSWAT隊員なんて・・・大丈夫かしら・・・という気持ちと共にこの映画を観に劇場に足を運んだファンの方も多かったと思いますが、なんのなんの!!これ以上ないハマリ役ではないですか!ちょっと大根ぽい(ごくごく個人的意見です)ところもまたこの不器用そうなジャックという役にぴったり。長髪のイメージが強かった彼にクルーカットをさせた人に、未だに感謝の念が止まりません。ありがとうございます。レンタルビデオ屋さんで、等身大のキアヌの宣伝用スタンディーをもらって、ベッドの横に飾って寝ていた自分とも再会する事が出来ました。 私にとっていろいろなありがとうが詰まった映画であり、さらにアクション映画史上の名作としても名高い本作。まだ見てない皆様、ラッキーです。本物のアクション映画を見逃すところでした。ふぅ。既にご覧になった皆様も、何度見ても同じところでドキドキハラハラできる事請け合いです!!絶対に見逃してはいけない1本です!!ありがとうございます!! © 1994 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.