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PROGRAM/放送作品
ドレッサー(1983)
伝統ある劇団に渦巻く人間模様──それは至高のドラマ。アカデミー賞主要4部門候補になったイギリス映画
シェイクスピア劇団の座長と付き人の愛憎を描く同名舞台劇を映画化。主演2人がアカデミー主演男優賞候補となり、トム・コートネイがゴールデン・グローブ賞、アルバート・フィニーがベルリン映画祭の男優賞を受賞。
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COLUMN/コラム2019.11.01
『ジャッカルの日』と『ジャッカル』 24年の歳月を超えた隔たりとは…
ジュリアス・シーザーの昔より、人の世で、数多実行されてきた“暗殺劇”。映画の世界でも古くより、“暗殺”を題材とした作品は枚挙に暇がない。 そんな中でも1970年代前半の映画界は、暗い世情と相まってか、“暗殺映画ブーム”とでも言うべき様相を呈していた。 リチャード・バートン演じるトロツキーを、アラン・ドロン扮するソ連の刺客が狙う、『暗殺者のメロディ』(72)、ケネディ大統領暗殺の裏にある陰謀劇を描いた、『ダラスの熱い日』(73)、大統領候補暗殺の陰に暗躍する秘密組織の存在を、ウォーレン・ベイティのジャーナリストが暴こうとする、『パララックス・ビュー』(74)、ロッド・スタイガー演じる元IRAの闘士が、エリザベス女王らイギリスの要人を爆弾テロで狙う、『怒りの日』(75)等々。虚実を織り交ぜた、様々な“暗殺映画”が製作・公開され、それぞれに話題となった。 そんな70年代前半の“暗殺映画”群の中でも、映画史に燦然と輝く存在。それが、『ジャッカルの日』(73)である。 本作の原作は、イギリス人作家のフレデリック・フォーサイスが執筆。71年に出版された。 フォーサイスは「ロイター通信」の特派員として、62年から3年間パリに駐在し、当時のフランス大統領、シャルル・ドゴールの担当記者を務めた経歴を持つ。そして『ジャッカルの日』は、正にその駐在期間中の63年を舞台に、ドゴール大統領の暗殺計画を描く。 ナチス・ドイツからフランスを取り戻した英雄的軍人であるドゴールだが、59年の大統領就任後に打ち出した、植民地のアルジェリア独立を認める方針が、軍部の極右勢力などの不興を買う。そのため暗殺計画のターゲットとなり、合わせて6回も、その命を狙われることとなった。 原作及び映画の冒頭で描かれるのは、実際に起こった、ドゴールの車列を狙った“暗殺未遂事件”の顛末。その失敗によって追い詰められた極右勢力の幹部が、正体不明の暗殺者“ジャッカル”を雇い入れ、新たな“暗殺計画”を発動する運びとなる。 “ジャッカル”の登場からは、“フィクション”の世界へと突入するわけだが、現実と地続きになっている。そんなアクチュアルな題材を映画化するに当たっては、どんな描き方が最適なのか? そこで白羽の矢が立てられたのが、フレッド・ジンネマン監督だった。『地上より永遠に』(53)『わが命つきるとも』(67)で2度アカデミー賞監督賞を受賞している他に、『真昼の決闘』(52)『尼僧物語』(59)『ジュリア』(77)などを手掛けた巨匠である。 ジンネマンは若き日、『極北のナヌーク』(1922)『モアナ』(26)などで「ドキュメンタリーの父」と謳われた、ロバート・フラハティの下で修業を積んだ。そんな彼の映画作家としての特性は、師匠フラハティ譲りと言える、ドキュメンタリー風なリアリズム描写にあった。 『ジャッカルの日』に於けるジンネマン演出の狙いは、「観客を目撃者にする」というもの。“ジャッカル”による“暗殺計画”の進行と、それを追う者たちの動きを、客観的なドキュメンタリータッチで追っていき、それを“目撃”させるわけである。 例えば本作のクライマックスには、パリの凱旋門の下での「解放記念日」の式典が登場する。これは、街を交通止めして撮影したものに、実際の式典の際の記録フィルムを加えて、構成したという。 こうした手法で映画を撮るに当たって、キャストから排除したのが、“スター”である。観客が「スティーブ・マックイーンだ」「アラン・ドロンだ」などと認識してしまうような、ネームバリューのある俳優は、本作には至極邪魔な存在というわけだ。 凄腕の暗殺者“ジャッカル”役に抜擢されたのは、当時はほとんど無名の存在だった、イギリス人俳優のエドワード・フォックス。そして彼を追うパリ警察のルベル警視役には、フランス映画の脇役俳優だった、マイケル・ロンズデールが起用された。 付記すれば、クライマックスに登場するドゴール大統領のそっくりさんも、アドリアン・ケイラ=ルグランという、無名の俳優。一言もセリフを喋らせずに、ドゴールの仕草を正確に再現させている。 もちろん本作の世界的ヒットの後には、フォックスもロンズデールも、有名俳優の仲間入りとなった。フォックスは、戦争映画大作『遠すぎた橋』(77)日本公開の際には、ロバート・レッドフォードやダーク・ボガートらと共に、14大スターの1人に数えられ、ショーン・コネリーがジェームズ・ボンド役に復帰した、「007番外編」の『ネバーセイ・ネバーアゲイン』(83)では、M役を演じた。またロンズデールは、正調「OO7」の第11作『ムーンレイカー』(79)で、ロジャー・ムーアのボンドと戦う、メイン悪役を務めている。 さて“暗殺映画”のマスターピースとなった『ジャッカルの日』を、24年後の1997年に復活させようとした試みが、今回フィーチャーするもう1本の、『ジャッカル』である。とは言っても97年になって、その34年前=63年のフランス大統領暗殺計画を再び描くのは、観客へのアピールが足りないと、『ジャッカル』のプロデューサー兼監督である、マイケル・ケイトン=ジョーンズは考えたのであろう。 『ジャッカルの日』の成功には、フォーサイスの原作の展開に忠実でありながらも、映画的なまとめや省略を大胆に行った、ケネス・ロスの脚本の功績も大きい。新版の『ジャッカル』の原作としてクレジットされるのは、フォーサイスの小説ではなく、ケネス・ロスの脚本である。ジョーンズ監督は、オリジナル版の脚本から活かせるシチュエーションだけ抽出して、97年的な“暗殺映画”を作るという選択を行ったのである。 97年という時勢は、まずはオープニングタイトルで表現される。これはピアース・ブロスナンが5代目ジェームズ・ボンドに就いた「007」シリーズ第17作の『ゴールデンアイ』(95)でも取られていた手法だが、ソ連と東側陣営の崩壊によって、“冷戦”が終結したことがまずは説明され、新たなる“混乱”の時代に突入したことが、物語られる。 そして97年のモスクワ。闇の世界で台頭する、チェチェン・マフィアの根城に、「MVD=ロシア内務省」と「FBI=アメリカ連邦捜査局」の合同捜査チームが強制捜査を掛ける。その際に、マフィアのボスであるテレクの弟が、捜査員に射殺される。激高したデレクは復讐を誓い、正体不明の暗殺者“ジャッカル”を雇う。 “暗殺”のターゲットが、「FBI」の長官だと判明したことから、合同捜査チームは“ジャッカル”の追跡に乗り出す。しかし彼の顔を見たことがある者は、ほとんど存在しなかった。 “ジャッカル”を知る1人として、地下組織「IRA=アイルランド共和国軍」のスナイパーで、現在はアメリカ国内の刑務所に収監されている、デクランという男の存在が浮かび上がる。捜査チームは特別措置として、デクランをチームに加えるが、実は彼は、“ジャッカル”に個人的な恨みを抱いていた…。 オリジナルの『ジャッカルの日』に於ける“暗殺作戦”の発動と、それを阻止せんとする捜査陣の追跡は、「“大義”vs“大義”」の対決であった。それが新版の『ジャッカル』では、「“私怨”vs“私怨”」となってしまっている。 新旧両作とも、“ジャッカル”自体には、政治的な主義主張はなく、金目当ての“暗殺者”であることに変わりはない。“ジャッカル”の成功報酬は、オリジナル版が50万㌦だったのに対し、新版は7,000万㌦!それぞれに、このミッションを成功させた後は「2度と仕事が出来ない」ため、引退するに足る金額と説明されるが、製作年度で24年間、物語の設定的に34年間離れた『ジャッカル』両作の大きな違いは、この金額の差だけではない。 「“無名”vs“無名”」であったオリジナルのキャストに対して、新版の最大の売りとされたのは、「ブルース・ウィリス vs リチャード・ギア」! “ジャッカル”役のブルース・ウィリスは、お馴染みの『ダイ・ハード』シリーズ(88~ )でスターダムにのし上がった。『ジャッカル』の前後の主演作も、『パルプ・フィクション』(94)『12モンキーズ』(96)『フィフス・エレメント』(97)『アルマゲドン』(98)『シックス・センス』(99)等々、メガヒット作が目白押し。 対抗するは、デクラン役のリチャード・ギア。『愛と青春の旅立ち』(82)『プリティ・ウーマン』(90)という、そのキャリアでの2大ヒット作を軸に、日本でも高い人気を誇るスター俳優であった。 脇役にも、スターを配している。捜査チームのリーダーである、「FBI」の副長官役を演じたのは、黒人俳優として初めてアカデミー賞主演男優賞を受賞した、シドニー・ポワチエ。 こんなキャスティングからもわかる通り、とにかく新版『ジャッカル』は、オリジナルの逆張りに、敢えて走った感が強い。この姿勢は、謎の暗殺者である筈の“ジャッカル”の行動にも表れる。 オリジナル同様、「変装の名人」という設定である“ジャッカル”。しかしエドワード・フォックスの“ジャッカル”が、空港でわざわざ自分と背格好が似た外国人を見付けて、パスポートを掏り取るという手間を掛けたのに対し、ウィリスの“ジャッカル”は、空港でたまたま居合わせた、自分とは似ても似つかない体型の者のパスポートを盗み出す。そしていざその者に成りすましても、我々観客からは、「ブルース・ウィリスが変装している」ようにしか見えないのである。 偽造パスポートや暗殺用の銃は、外注して用意する。その際に、“プロ”の仕事を誠実にこなす者に対しては敬意を見せ、逆に強請りたかりを働こうとした輩はあの世に送る。その姿勢は、新旧“ジャッカル”とも同じであるが、ケリの付け方が、ウィリスの“ジャッカル”は派手過ぎる。捜査チームにわざわざ、暗殺の手口や追跡のためのヒントを残しているかのようである。 捜査チーム内から“暗殺者”側に情報を漏らしている内通者が居ることが暴かれるのも、“ジャッカル”の取った態度が引き金となる。全般的にウィリスの“ジャッカル”は、自信満々な態度に反比例するかのように、かなり迂闊なのである。 その迂闊さは、“暗殺計画”実行直前にも、見受けられる。自分の顔を知る女性の居所を知ると、わざわざ殺しに馳せ参じる。しかもその女性は逃がしてしまって、代わりに(?)待ち伏せていた捜査員3名を惨殺する。“暗殺”本番直前に、こんな危険を冒す必要がどこにあるのか?何度観ても、まったく理解できない(笑)。 しかもその際に、“暗殺”の的が、実は「FBI」の長官ではないことを仄めかしたため、追っ手のデクランに、真のターゲットを気付かれてしまう。はっきり言って超一流の“プロ”と言うには、あるまじき軽率な所業の連続なのである。 オリジナル版では、お互いにプロの“仕事人”同士としてのライバル関係にある、暗殺者“ジャッカル”と追跡者のルベル警視。2人が顔を合わすのは、最後の最後に訪れる、直接対決の1度だけ。 新版の“ジャッカル”とデクランは、途中で1回ご対面があり、その際は“ジャッカル”の銃撃から、デクランが逃れる。そしてクライマックスでは逆に、デクランが“ジャッカル”を追跡。駅の構内で銃撃戦が繰り広げられる。 …と記したが、実は新版の『ジャッカル』は、“ジャッカル”とデクラン…と言うよりも、ブルース・ウィリスとリチャード・ギアの2大スターが、最後の最後まで撮影現場で顔を合わせてないのでは?…という疑惑が拭えない。 その辺りどうなのかは、皆さんに実際ご覧いただいた後の判断にお任せしたい。■ 『ジャッカルの日』© 1973 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved. 『ジャッカル』©TOHO-TOWA
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PROGRAM/放送作品
ジャッカルの日
フレデリック・フォーサイス原作、フランス大統領暗殺をめぐる社会派サスペンスの秀作!
フレデリック・フォーサイスのベストセラー小説が原作の社会派サスペンスの秀作。『地上(ここ)より永遠に』のフレッド・ジンネマン監督が、フランス大統領暗殺を企てる殺し屋と警察との緊迫した攻防を描く。
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COLUMN/コラム2013.04.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年5月】招きネコ
今や押しも押されぬヒット・メイカー、監督となったリドリー・スコットのデビュー作にして、カンヌ映画祭で新人監督賞を受賞した歴史ドラマです。ナポレオン統治時代の1800年代のフランスの2人の軍人フェロー中尉とデュベール中尉が、自らの名誉を守るために、数年にもわたり懲りずに決闘を繰り返す中で友情とも言えるような不思議な感情で結ばれていくという、とても奇妙な設定の男のドラマです。 この作品には、彼の作品のファンなら身震いするような、彼ならではの映像へのこだわりと、後の「ブレードランナー」でデッカードとレプリカントのリーダー、ロイの間に流れる、敵なのに相手を憎めない、損得ではなく感情で動く男の美学といった重要なアイコンが既に確立されているのに再見して驚きました。リドリーは、元々イギリスのCMディレクター出身で既に1500本(!)を手がけてきたという売れっ子でした。CM出身というと、ややもすれば「薄っぺらな」というネガティブな見られ方もしますが、彼の場合はCMで培った経験にプラスして「描きたいこと」「自分の世界観」がハッキリあったからこそ、商業映画をヒットさせつつ、熱いファンを持つ映画作家として成功できたのかもしれません。とにかく、必見です。 ® & © 2013 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
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PROGRAM/放送作品
(吹)ジャッカルの日
フレデリック・フォーサイス原作、フランス大統領暗殺をめぐる社会派サスペンスの秀作!
フレデリック・フォーサイスのベストセラー小説が原作の社会派サスペンスの秀作。『地上(ここ)より永遠に』のフレッド・ジンネマン監督が、フランス大統領暗殺を企てる殺し屋と警察との緊迫した攻防を描く。
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PROGRAM/放送作品
ナバロンの嵐
戦争アクションの傑作『ナバロンの要塞』の続編。ユーゴスラビアを舞台に、次なる作戦が幕を開ける!
『ナバロンの要塞』で活躍したマロリーとミラーが東欧を舞台に独軍と戦いを繰り広げる。キャストは一新、2人に扮するのはロバート・ショウとエドワード・フォックス。さらにハリソン・フォードが隊長役で出演する。
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PROGRAM/放送作品
(吹)ナバロンの嵐
戦争アクションの傑作『ナバロンの要塞』の続編。ユーゴスラビアを舞台に、次なる作戦が幕を開ける!
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PROGRAM/放送作品
バウンティ/愛と反乱の航海
英国海洋史に残る反乱はなぜ起きたのか?メル・ギブソンら実力派の豪華競演で描く歴史アドベンチャー
1789年に乗組員の反乱によって戦艦バウンティ号が南太平洋で姿を消した真相に迫る3度目の映画化。現地民とのロマンスを絡めた新解釈が新鮮。ダニエル・デイ=ルイスら実力派が脇を固める豪華キャストにも注目。
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PROGRAM/放送作品
デュエリスト/決闘者
『ブレードランナー』を手がけた巨匠リドリー・スコットの映画監督デビュー作!決闘を繰り返す男の奇妙な関係を描く
『ブレードランナー』『グラディエイター』を手がけた巨匠リドリー・スコットの記念すべき映画監督デビュー作。決闘を繰り返す男の奇妙な関係を、独特の映像美で描きあげた。主演はキース・キャラダインとハーヴェイ・カイテル。
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PROGRAM/放送作品
(吹)クリスタル殺人事件
ロンドン郊外の殺人事件で、ミス・マープルが大活躍するアガサ・クリスティのミステリー!
アガサ・クリスティ『鏡は横にひび割れて』原作。『オリエント急行殺人事件』、『ナイル殺人事件』に続いて豪華キャストで贈るミステリー。ロンドン郊外の町で起こった殺人事件をミス・マープルが解いていく!