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PROGRAM/放送作品
(吹)ヴェノム
[PG12]マーベル屈指の人気ヴィランが主人公に!残虐なダークヒーローが人類の危機に立ち向かう
スパイダーマンの宿敵として人気を集め、『スパイダーマン3』にも登場したヴェノムをトム・ハーディ主演で単独映画化。地球外生命体ヴェノムを身体に宿した主人公エディの変貌やバトルをVFXで迫力満点に描く。
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COLUMN/コラム2023.02.24
1973年の大事件を描いた『ゲティ家の身代金』が、2017年を象徴する映画となった経緯
1973年7月、イタリアのローマで起こった、ある少年の誘拐事件は、遠く離れた日本でも、大きなニュースとなった。当時小学3年生だった私も、鮮明に覚えているほどに。 人々の関心を引いたのは、要求された身代金が、1,700万㌦(約50億円)と桁違いだったから?そして、誘拐された少年の祖父が、資産5億㌦(約1,400億円)を誇る石油王だったから? いやいや、それだけではない。この事件が多くの人々を驚かせたのは、「大金持ち」である祖父の、異常としか言いようがない、振舞いだった。 それから44年。その事件を題材に書かれたノンフィクションを映画化したのが、本作『ゲティ家の身代金』(2017)である。 監督を務めたのは、現代の巨匠の1人、リドリー・スコット。クランクイン時の主なキャストは、ミシェル・ウィリアムズにマーク・ウォールバーグ。そして、ケヴィン・スペイシーという、布陣だった…。 ***** ローマの街角で突然拉致された、16歳のジャン・ポール・ゲティ三世。彼を誘拐した者たちの狙いは、三世の祖父で、フォーチュン誌によって「世界初」の億万長者に認定されたアメリカ人石油王、ジャン・ポール・ゲティの資産だった。 三世の母ゲイルは、今は三世の父=ゲティの息子とは離婚している身であったが、身代金は義父だったゲティに頼る他ない。しかしゲティは、莫大な額の要求を、にべもなくはねつける。「応じれば、他の孫も誘拐の標的になる」 シレッと言ってのけるゲティに対して、ゲイルは呆然とする他なかった。 ゲティはその一方で、自分の下で働く元CIAのチェイスを召喚し、誘拐犯との交渉を指示。彼をゲイルの元へと、向かわせた。 調査によって、三世本人による偽装誘拐の疑いも浮上。そんなこともあって、交渉は遅々として進まない。ゲイルの苛立ちは、日々募っていく。 誘拐犯たちにも、焦りが生じる。このままでは埒が明かないと見た彼らは、他の犯罪グループに、三世の身柄を売り渡す。 美術品に大枚を投じても、身代金の要求には一切応じないゲティに、ゲイルの精神は追い詰められていく。そんな彼女に同情したチェイスは、自分の雇い主であるゲティに、反発心を抱くようになる。 犯罪グループは、ゲティらに揺さぶりを掛けるため、遂に非情な手段に乗り出す。ある日彼らから届いた郵便を開けると、そこには切り落とされた、人間の耳が入っていた…。 ***** 屋敷を訪れた者が電話を掛けたいというと、邸内に設けた公衆電話へと案内し、その料金を負担させる。高級ホテルに宿泊中も、ルームサービスは「高い」と忌避。滞在中の洗濯物は自分で洗って、室内に吊るして乾かす…。 映画の中で描かれる、億万長者とはとても思えないような、こうしたゲティの吝嗇ぶり。そのすべてが事実に基づいたものと聞くと、ただただ驚き呆れてしまう。 当初は1,700万㌦を要求されていた、孫の身代金も、その5分の1以下の320万㌦まで値切る。それでも全額を払うことはなく、支払ったのは所得から控除できる最大限度額の220万㌦まで。身代金を、“節税”に使ったわけである。 その上で足りない額は、誘拐された三世の父である、自分の息子に貸し付ける形を取る。4%の利子を付けて…。 ゲティは生涯で5回結婚し、5人の息子を儲けた。愛人も多数いたというが、こんな男である。まともな愛情表現は望むべくもなく、息子たちをはじめその係累には、不幸な人生を歩んだ者が、少なくない。 一体どうして、こうした人物が出来上がってしまったのか?それだけで1本の映画が作れそうな気もするが、監督のリドリー・スコットの関心は、そこにはあまりない。息子の誘拐犯とだけではなく、このモンスターのような義父と対峙せざるを得なかった、ゲイルの“気丈さ”にこそ、スコットは注目する。 出世作『エイリアン』(79)で、シガニ―・ウィーヴァ―演じるリプリーという、強い女性キャラを生み出した。『テルマ&ルイーズ』(91)では、女性2人を主人公にした「90年代のアメリカン・ニューシネマ」を、世に放っている。本作でのゲイルの描き方は、そんなスコットの、面目躍如と言うべきだろう。 ゲイルを演じたミシェル・ウィリアムズは、スコットの期待によく応えてみせた。それに比すれば、元CIAのエージェントを演じたマーク・ウォールバーグは、些か精彩に欠ける。 さて先に本作に関して、クランクイン時のメインキャストは、ウィリアムズにウォールバーグ。そして、ケヴィン・スペイシーだったことを、記した。しかしご覧になればわかる通り、本作にスペイシーの姿は、影も形もない。 2017年5月にスタートした撮影で、当時50代後半だったスペイシーは、特殊メイクを施して、80代のゲティを演じた。撮影は順調に進み、8月末にはすべて終了。あとは12月末の公開に向けて、仕上げを急ぐだけだった。 ところが10月末に、大問題が発生する。かつてケヴィン・スペイシーが、14歳の子役にセクハラを行っていたことが、報道されたのである。これは氷山の一角で、スペイシーに対してはこの後、多くの男性から同様の告発が行われた。 折からハリウッドでは、プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタインによる、数多の女優、女性スタッフへの長年の性暴力が発覚。「#MeToo運動」に火が点いたタイミングであった。 11月8日、スコットはスペイシーの出演シーンを、すべてカットすることを決断。同時に、作品の完成を延期や中止することなく、12月末の公開を予定通りに行うことも、決めた。 そこでスペイシーの代役として、クリストファー・プラマーを起用。撮り直しを行うこととなった。 再撮影は11月下旬、僅か10日足らずのスケジュールで行われた。ミシェル・ウィリアムズやマーク・ウォールバーグは、1度スペイシーと共に演じたシーンを、プラマーとやり直すこととなった。一部ロケ映像に関しては、セットで撮影したプラマーの演技を、スペイシー版の映像と合成するという処理を行っている。 プラマーは、役作りに掛ける時間はほとんどなく、また先に撮影したスペイシーの演技を参考にすることもなしに、ゲティを演じた。見事にハマったのは、当時88歳の老名優の実力という他ない。さすが、長いキャリアの中でアカデミー賞、エミー賞、トニー賞の演技三冠を受賞している、数少ない俳優の1人である。 付記すれば本作でプラマーは、アカデミー賞の助演男優賞の候補に選ばれた。受賞は逸したものの、演技部門でのノミネートでは、史上最年長の記録となった。 さてこれで本作に関するトラブルは、無事収拾…と思いきや、公開後に更なる火種が燃え上がった。新たに浮上したのは、ハリウッドに於ける「男女格差」である。 再撮影のため、本作には1,000万㌦の追加経費を投入。しかしプラマー以外の俳優は“再撮影”に関しては、「ただ同然」のギャラで協力したと言われていた。 実際にミシェル・ウィリアムズに支払われたのは、1,000㌦以下。しかしマーク・ウォールバーグに関しては、“再撮影”で新たに150万㌦ものギャラが支払われていたことが、2018年の1月になって判明したのである。 1,500倍もの賃金格差が生じたのは、まさに「差別」に相違なく、「#MeToo」の流れにも連なる。契約を盾に高額ギャラを要求したと言われるウォールバーグには、非難が集中した。 結果的にウォールバーグは、150万㌦全額を、「#MeToo」運動の基金に寄付。後に「自分の配慮が足らなかった」と、反省の弁を述べている。『ゲティ家の身代金』は、総製作費5,000万㌦に対し、全世界での売り上げは5,700万㌦ほどに止まった。興行的には「不発」という他ない成績だが、製作者の意図とは無関係なところで、2017年からのハリウッド=アメリカ映画界の流れを、象徴する作品となってしまったのである。 誘拐を奇貨にして、さらわれた孫の親権まで奪おうと企てる、怪物的な男性ゲティに、一歩も退くことなく立ち向かった、勇敢な女性ゲイル。そうした物語の構図が、本作に襲いかかったアクシデントと、期せずしてダブる部分も、大いにあるようには感じるが。■ 『ゲティ家の身代金』© 2017 ALL THE MONEY US, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
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PROGRAM/放送作品
(吹)ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ
最強で最凶のヴィランが覚醒!マーベル屈指の異色ダークヒーローの壮絶なバトルを描くシリーズ第2弾
モーションアクターの第一人者アンディ・サーキスが監督を務め、CGで映す地球外生命体ヴェノムを前作よりも生命力豊かに描写。ヴェノムとその宿主エディのブロマンス的な絆を描くバディムービーとしても楽しい。
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ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ
最強で最凶のヴィランが覚醒!マーベル屈指の異色ダークヒーローの壮絶なバトルを描くシリーズ第2弾
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ヴェノム
[PG12]マーベル屈指の人気ヴィランが主人公に!残虐なダークヒーローが人類の危機に立ち向かう
スパイダーマンの宿敵として人気を集め、『スパイダーマン3』にも登場したヴェノムをトム・ハーディ主演で単独映画化。地球外生命体ヴェノムを身体に宿した主人公エディの変貌やバトルをVFXで迫力満点に描く。
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PROGRAM/放送作品
ブロークバック・マウンテン
[PG-12]20年にわたる愛は大自然のなかで…。惹かれ合う男二人のセンセーショナルなラブストーリー
20年にも及ぶ2人の男の同性愛関係を、雄大な自然を舞台に美しく描き出した話題作。監督のアン・リーは本作でアジア人初となるアカデミー監督賞のほか3部門を受賞。ヴェネツィア映画祭金獅子賞も受賞した。
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PROGRAM/放送作品
ゲティ家の身代金
[R15+]世界を騒然とさせた身代金誘拐事件の真実は?リドリー・スコット監督が描く実録サスペンス
1973年に大富豪の孫が誘拐された実際の事件を、リドリー・スコット監督が名優たちを結集して重厚かつスリリングに再現。金の亡者というべき富豪を急遽代役で演じた、クリストファー・プラマーの演技が圧巻。
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PROGRAM/放送作品
シャッター アイランド
[PG12]絶海の孤島に建つ精神病院に隠された真実は?ディカプリオ&スコセッシの黄金コンビミステリー
『ミスティック・リバー』の原作者デニス・ルヘインの小説を、マーティン・スコセッシとレオナルド・ディカプリオが4度目のコンビを結成し映画化。伏線を張り巡らせた謎解きは、不穏なトーンの映像で緊張感満点。
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PROGRAM/放送作品
マンチェスター・バイ・ザ・シー
壮絶な過去のせいで心を閉ざした男の苦悩が重くのしかかる…ケイシー・アフレックのオスカー受賞作
ある悲劇を経験した主人公が心の奥底に抱える苦悩や悲しみを、ケイシー・アフレックが細かな感情表現で体現しアカデミー賞主演男優賞を受賞。同脚本賞に輝いたケネス・ロナーガン監督による繊細な語り口も秀逸。
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(吹)マンチェスター・バイ・ザ・シー
壮絶な過去のせいで心を閉ざした男の苦悩が重くのしかかる…ケイシー・アフレックのオスカー受賞作
ある悲劇を経験した主人公が心の奥底に抱える苦悩や悲しみを、ケイシー・アフレックが細かな感情表現で体現しアカデミー賞主演男優賞を受賞。同脚本賞に輝いたケネス・ロナーガン監督による繊細な語り口も秀逸。