不毛地帯

  • 2023年11月17日

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ドラマ
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ドラマ『不毛地帯』は2009年10月からフジテレビで放送されました。

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あらすじ

原作の小説『不毛地帯』は、1973年から78年までサンデー毎日に連載され、その後、書籍化。舞台となるのは、終戦からひたすら復興を目指して走り続け、経済が驚異的な回復を見せ始めた高度成長期の日本。終戦後、11年もの長きにわたるシベリア抑留という過酷な経験を経て、帰国後、総合商社に入社した男が、戦後の荒廃から社会が立ち直ろうとする激動の時代を背景に、再びビジネスという“戦場”に身を投じ、戦争体験という過去との葛藤を抱えながら、世界を相手に戦う様を描いた物語です。物語の始まりから終結までおよそ30年間、世界各地を舞台に描く超大作。ドラマ化に当たっては、海外ロケをふんだんに盛り込み、放送期間半年をかけて、壮大な物語を丁寧に紡いでいきます。主演の唐沢さんをはじめ、連続ドラマ数本分と言ってもいい豪華出演者たちが一堂に会してお送りします。

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詳細情報

放送年
原作者 山崎豊子

作品情報

制作国 日本
制作会社 フジテレビ
監督
脚本 橋部敦子
キャスト

定額見放題

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レンタル

見逃し配信

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配信なし

 

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第1話:物語

陸軍士官学校を首席で卒業し、第二次大戦中は軍の最高統帥機関である大本営の参謀として作戦立案にあたっていた壹岐正(唐沢寿明)は、終戦を受け入れず、日ソ中立条約を侵して侵攻してきたソ連軍に対する徹底抗戦を主張する関東軍を説得するため、停戦命令書を携えて満州に向かった。そこで、関東軍の幕僚・谷川正治(橋爪功)らとともにソ連軍に拘束された壹岐は、戦犯としてソ連の軍事裁判にかけられ、強制労働25年の刑を宣告されると、一度送られたら二度と生きて帰ることはできないといわれたシベリア極北の流刑地ラゾに送られてしまう。生死の境をさまよう過酷な強制労働を11年もの長きに渡って耐え抜いた壹岐は、昭和31年に帰国する。それからの2年間、壹岐は、強制労働によってむしばまれた体の回復と、シベリアから一緒に帰国した部下たちの就職の世話に専念した。その間は、妻の佳子(和久井映見)が大阪府庁民生課で働きながら家計を支えていた。そんなある日、壹岐のもとに、士官学校時代からの親友で、防衛庁の空将補である川又伊佐雄(柳葉敏郎)がやってくる。川又は、この国を守るために一緒に働いてほしい、と壹岐を防衛庁に誘った。しかし壹岐は、自らが関わった作戦により、多くの兵士や民間人を死なせてしまった責任から、もう国防に関わる資格はない、と答えて川又の誘いを断った。壹岐は、部下たちの就職が片付いたのを機に、かねてから誘われていた近畿商事への就職を決意する。近畿商事は繊維を中心に扱う商社だが、経済の発展を見越して、重工業化・国際化を推進しようとしていた。社長の大門一三(原田芳雄)に会った壹岐は、軍人時代のコネや肩書きを一切利用しないことを条件に、近畿商事に入社し、社長室嘱託として繊維部で働き始める。それを知った壹岐の長女・直子(多部未華子)は大喜びだった。母・佳子の苦労する姿をずっと見続けてきた直子は、二度と戦争には関わらないでほしいと願い、壹岐が防衛庁で働くことにも強く反対していたのだ。そんな折、壹岐のもとに、秋津千里(小雪)という女性から手紙が届く。千里は、大陸鉄道司令官だった秋津紀武(中村敦夫)の娘だった。壹岐と秋津は、シベリア抑留中に、ソ連側の証人として東京裁判に出廷させられようとしていた。ソ連側は、壹岐や秋津に、天皇に戦争責任があったと証言させようとしたのだ。だが秋津は、それを断固拒否し、裁判の前夜、自ら命を断っていた。壹岐は、父の話が聞きたいという千里の願いを受け、彼女が住む京都を訪れる。千里は、父が大切にしていた青磁の香炉にみせられ、陶芸の道に進んだのだという。その際、壹岐は、千里の兄・清輝(佐々木蔵之介)が、ルソン島で多くの部下を死なせてしまった責任に苦しみ、仏門に入って厳しい修行を続けていると知って衝撃を受ける。そのころ、国内の有力商社各社は、防衛庁の第二次防FX=次期主力戦闘機の受注をめぐって水面下で激しい戦いを繰り広げていた。航空機部を置く近畿商事東京支社の支社長・里井達也(岸部一徳)は、劣勢を跳ね返す最後の切り札として、川又ら防衛庁の空幕中枢部と強いパイプを持つ壹岐が必要だと大門に進言する。
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ドラマ『不毛地帯』1話の無料動画

第2話:黒い頭脳戦

防衛庁の第2次防FX(=次期主力戦闘機)の受注が政治家の利権に利用されていることを知った壹岐正(唐沢寿明)は、社長の大門一三(原田芳雄)に東京支社航空機部への異動を申し出る。第2次防FXの有力候補は、近畿商事が押すラッキード社の『ラッキードF104』と、東京商事が推すグラント社の『スーパードラゴンF11』の2機。だが、東京商事航空機部の鮫島辰三(遠藤憲一)による裏工作によって、グラント社の『スーパードラゴンF11』が有利な状況にあった。壹岐が、防衛庁の川又伊佐雄(柳葉敏郎)から、『ラッキードF104』の優秀性が記載された自衛隊調査団の報告書が、官房長の貝塚道生(段田安則)によって握りつぶされているとの情報を得ると、大門は、自由党総務会長で反総理派の大物、大川一郎(佐々木敏)の力を借りようとする。そんな中、ある夜、壹岐の家に、毎朝新聞の政治部記者・田原秀雄(阿部サダヲ)が訪ねてくる。田原は、壹岐が防衛庁入りの話を蹴って近畿商事に入社したのは、商社サイドから『ラッキードF104』を推すためではないのか、と言い出す。その際、田原は、川又が西部航空方面隊に左遷されるという噂を耳にした、と壹岐に告げる。そんな折、一度は国会での貝塚の喚問を約束した大川が、急に態度を変えた。そこで壹岐は、総理の側近であり、国防会議の重要メンバーでもある経済企画庁長官・久松清蔵(伊東四朗)に会いに行くが・・・。
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ドラマ『不毛地帯』2話の無料動画

第3話:妻と娘の涙

防衛庁の第2次防FX(=次期主力戦闘機)受注をめぐり、激しい戦いを繰り広げていた壹岐正(唐沢寿明)は、東京商事航空機部の鮫島辰三(遠藤憲一)が総理に流していたわいろ『G資金』のルートを解明するとともに、防衛庁から極秘文書であるグラント社の『スーパードラゴンF11』の価格見積表を入手する。これによって、ラッキード社の『ラッキードF104』を推す壹岐たち近畿商事が勝利するものと思われたが、その矢先、アメリカの空軍基地でテスト・フライト中だった『ラッキードF104』が墜落事故を起こすという事態が発生した。近畿商事社長の大門一三(原田芳雄)は、一刻も早く墜落の原因などの詳しい情報を集めて対策を練るよう、東京支社長の里井達也(岸部一徳)に命じた。同じころ、鮫島は、防衛庁官房長の貝塚道生(段田安則)に、『ラッキードF104』の欠陥データと墜落現場の写真を入手したことを報告していた。すでにそれらは、毎朝新聞記者の田原秀雄(阿部サダヲ)の手に渡っているという。それを知った壹岐は、田原が握っているデータを把握するために、自ら彼に接触。田原は、『ラッキードF104』には致命的な欠陥がある、と壹岐に告げ、明日の朝刊を楽しみにしていてほしい、と言い残して去っていく。その夜、壹岐は、旧知の仲である経済企画庁長官・久松清蔵(伊東四朗)を訪ね、毎朝新聞の記事を何とか抑える策はないか、と久松に頼みこむが・・・。
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ドラマ『不毛地帯』3話の無料動画

第4話:俺が殺した

壹岐正(唐沢寿明)は、防衛庁から近畿商事に流れた機密漏えい事件に関して、捜査当局から任意での出頭を求められる。壹岐は、防衛庁の第2次防FXをめぐり、部下の小出宏(松重豊)にライバルであるグラント社の価格見積表を入手させた。その機密書類の出所は、川又伊佐雄(柳葉敏郎)の部下である防衛庁の芦田国雄(古田新太)だった。芦田とともに逮捕された小出は、悪いのは壹岐だと証言していた。近畿商事東京支社長の里井達也(岸部一徳)に電話を入れた壹岐は、任意出頭を求められたことを報告する。里井は、今回の件は小出が独断でやったもので、近畿商事側には機密書類の類は一切ないと突っぱねるよう念を押す。壹岐が出頭したという情報は、防衛庁官房長の貝塚道生(段田安則)を通じて、東京商事の鮫島辰三(遠藤憲一)にも伝わっていた。鮫島は、ラッキード社派の政治家が今回の漏えい事件をもみ消すのではないかと危惧(きぐ)する。すると貝塚は、検察庁が決定的な物証を得ている以上、捜査の打ち切りはない、と返す。出頭した壹岐は、機密文書の漏えいに関する近畿商事の関与を否定する。捜査当局は、小出が隠したコピー機の場所や、経済企画庁長官・久松清蔵(伊東四朗)の関与などもつかんでいた。その際、壹岐は、漏えいしたグラント社の価格見積表が、実は川又のものであることを教えられる。それでも壹岐は、最後まで書類の存在を否定し続け・・・。
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ドラマ『不毛地帯』4話の無料動画

第5話:戦争と三人の女…

親友の壮絶な死から7年後、近畿商事鉄鋼部部長のポストについた壹岐正(唐沢寿明)は、目覚ましい業績を上げる。社長の大門一三(原田芳雄)は、そんな壹岐の提案を受け、会社全体の経営戦略を指示する直属の部署・業務本部を設立し、そのすべてを壹岐に任せた。壹岐は、業務本部のスタッフとして兵頭信一良(竹野内豊)や海部要(梶原善)らを呼び寄せると、大胆な人事を敢行して、鉄鋼部門など非繊維部門の業績を伸ばした。昭和42年4月、業務本部の成果を高く評価した大門は、壹岐を常務取締役に昇進させる。だが、副社長の里井達也(岸部一徳)らは、壹岐のやり方に対して反発を強めていた。そんな折、壹岐たちは、中東情勢が緊迫しているとの情報をつかむ。第三次中東戦争の勃発を懸念した壹岐は、情報収集に全力を注いだ。一方、東京商事の取締役輸送機本部長に昇進していた鮫島辰三(遠藤憲一)も、中東戦争が起きた場合に備えて動き出していた。ある晩、壹岐は、秋津千里(小雪)と再会する。千里は、比叡山に籠っている兄・清輝(佐々木蔵之介)のことで壹岐に相談したいのだという。食事をともにした壹岐と千里は、クラブ『ル・ボア』を訪れた。するとそこに、インドネシア華僑の貿易商・黄乾臣(石橋蓮司)のもとに嫁ぎ、ジャカルタで暮らしていたはずの紅子(天海祐希)が姿を現す。
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第6話:決戦

壹岐正(唐沢寿明)、兵頭信一良(竹野内豊)ら近畿商事業務本部の面々は、中東情勢の変化を察知し、第三次中東戦争の勃発を予測する。この戦争はイスラエルが1週間から10日以内に勝利し、スエズ運河が長期に渡って封鎖されると分析した業務本部は、船舶部にタンカーを確保するよう指示する。その一方で、壹岐たちは、紅子(天海祐希)の夫で、インドネシア華僑の実力者でもある黄乾臣(石橋蓮司)から、1万トン級の戦標船5隻を至急手配してほしいと依頼される。壹岐は、近畿商事が東南アジア貿易を展開していく上で、重要な拠点となるインドネシアを押さえるためには黄の力が必要だと船舶部部長の峯(大高洋夫)に訴え、戦標船の手配を急がせようとした。しかし、業務本部のやり方に反発する峯は、戦標船の手配を拒む。するとそこに、戦標船の件は目途が立ったという黄からの電話が入る。情報を聞きつけた東京商事の鮫島辰三(遠藤憲一)が、黄の出した条件に合う戦標船を手配していたのだ。それを知った壹岐は、副社長の里井達也(岸部一徳)に直訴し、1隻40万ドルを切る戦標船を手配できれば決裁するという約束を取り付ける。兵頭が黄の説得に向かっている間、壹岐は、日東交易の社長・安蒜公一(団時朗)を訪ね、戦標船の手配を依頼する。そんな中、ついに第三次中東戦争が勃発し・・・。
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第7話:妻との誓い

第三次中東戦争の勃発に端を発した商社間の争いは、壹岐正(唐沢寿明)率いる近畿商事業務本部の迅速な情報収集と的確な分析により、同社のひとり勝ちで終わった。だがその結果、近畿商事社内では、壹岐の活躍に危機感を募らせた副社長・里井達也(岸部一徳)の一派と業務本部との対立を生みだしてしまう。昭和42年7月、近畿商事では、年に2度開催される経営全体会議が行われる。その席で壹岐たち業務本部は、重工業化に対応するために繊維部門のさらなる縮小を唱えた。だが、里井を中心とした反業務本部勢力が、繊維部門が社内一の売り上げを上げていることを理由にこの再縮小案に猛反発したため、会議は紛糾する。そのころ、アメリカをはじめとする各国政府は、外国資本の参入を事実上禁止してきた日本政府への批判を高め、中でも特に、自動車産業に対する資本の自由化を求めていた。壹岐は、資本自由化は国際企業とのビジネスを拡大する好機ととらえ、兵頭信一良(竹野内豊)らに情報収集を命じた。そのころ里井は、近畿商事が輸出代理店を務める千代田自動車の営業担当専務・村山(田村亮)に会っていた。そこで村山は、社運をかけた新車の開発を進めていること、万が一それが失敗に終わったときは、業界5位の富国自動車との合併を考えていることを里井に打ち明ける。そんな折、壹岐の前に、元部下の小出宏(松重豊)が現れる。
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第8話:愛妻の死!

資本自由化の波を受け、国内では自動車産業の再編成が行われようとしていた。そんな折、米自動車産業ビッグ3の一角、フォーク社のフォーク会長が突然来日する。壹岐(唐沢寿明)は、部下の海部(梶原善)らにフォークの来日目的を探らせた。だが、その歓迎レセプションを仕切っているのが鮫島(遠藤憲一)率いる東京商事だったため、情報を得ることができない。それを知った大門(原田芳雄)は、里井(岸部一徳)と壹岐に怒りをぶつけると、千代田自動車の経営立て直しにも言及した。そこで里井は、千代田自動車と富国自動車を合併させるべく動いていると報告する。それに対して、密かに千代田自動車の自主独立の可能性を探っていた壹岐は、富国の赤字を抱え込むことで千代田の株価が下落する可能性が高いといったデメリットを指摘し、里井と衝突する。通産大臣の久松(伊東四朗)を訪ねた壹岐は、政府が外資との合弁会社のみ認める方針であることを知る。壹岐は、千代田と富国の合併話を切り出し、久松の力添えで合併を引きのばしてほしい、と頼み込んだ。別の日、壹岐は、自主独立路線を望む千代田自動車の技術担当専務・小牧(小野武彦)から、合併推進派によって建設中止に追い込まれたジャカルタのトラック組み立て工場を何とかしてほしいと頼まれる。そこで壹岐は、ジャカルタ出張の予定だった兵頭(竹野内豊)に、秘密裏に情報の収集を命じる。
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第9話:哀しい女

壹岐(唐沢寿明)は、妻の佳子(和久井映見)を事故で失った辛さから逃れるために仕事に没頭した。近畿商事社長の大門(原田芳雄)は、そんな壹岐にアメリカ近畿商事の社長としてニューヨークに駐在してはどうか、と持ちかける。一方、近畿商事が輸出代理店を務めていた千代田自動車は、社運をかけて発売した新車タイガーが惨敗に終わり、自主独立路線はおろか、富国自動車との合併の道も断たれてしまう。それを受け、副社長の里井(岸部一徳)は、千代田自動車から手を引くべきだと大門に進言した。そんな中、ニューヨーク行きを決心した壹岐は、交換条件として、千代田自動車とフォーク社との提携を実現させたいと大門に願い出る。その夜、壹岐は、娘の直子(多部未華子)にニューヨーク赴任の話を伝える。すると直子も話したいことがあるという。そこで直子は、鮫島辰三(遠藤憲一)の息子・倫敦(石田卓也)と結婚したい、と切り出す。壹岐は、業務本部の部下だった兵頭(竹野内豊)、海部(梶原善)、不破(阿南健治)だけに千代田自動車とフォーク社の提携話を打ち明けた。ほどなく、兵頭は業務本部を離れて石油部長になり、海部はアメリカ近畿商事の副社長として壹岐に同行することになった。渡米した壹岐は、海部やロス支店から呼び寄せた塙四郎(袴田吉彦)らとともに、フォーク社との交渉に向けて動き始める。
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第10話:恋と野望

アメリカ近畿商事の社長に就任した壹岐正(唐沢寿明)は、米自動車産業ビッグ3のひとつ、フォーク社と、経営が悪化していた千代田自動車との提携を画策した。交渉は困難を極めたが、陸軍士官学校の同期でもある韓国の光星物産会長・李錫源(榎木孝明)の助力を得た壹岐は、フォーク会長との会談に成功し、千代田自動車との提携に関する委任状を取り付ける。本社に委任状を届けるために帰国することになった壹岐は、韓国に立ち寄り、李のもとを訪れた。李の仲介により、崔大統領に会う機会を得た壹岐は、ソウルで地下鉄の敷設計画があり、日本の援助を必要としていることを知る。帰国した壹岐は、ただちに副社長の里井達也(岸部一徳)を訪ね、千代田自動車とフォーク社の提携に際し、連絡に行き違いがあったことを謝罪すると、崔大統領から得た韓国の地下鉄計画の情報を伝える。それは、里井抜きで提携話を進めたことに対する、壹岐からの手土産だった。その際、里井は、副社長のひとり、一丸松次郎(山田明郷)が次期社長の座を狙って積極的に派閥作りを進めている、と切り出し、壹岐に意見を求めた。それに対して壹岐は、次期社長は、社長の大門一三(原田芳雄)を長年支えてきた里井をおいて他には考えられない、と答える。東京本社に顔を出した壹岐は、一丸に呼び止められる。一丸は、計画が差し戻された韓国の合繊プラントが、壹岐の交渉のおかげで再検討されることになり、喜んでいた。別れ際、一丸は、里井のことを持ち出し、壹岐が東京に戻ったら関連会社に出すつもりでいるから気をつけたほうがいい、と忠告する。その夜、壹岐は、銀座で開かれていた秋津千里(小雪)の個展に顔を出す。壹岐が帰国した日に、ちょうど千里から案内状が届いたのだ。壹岐と千里は、2年ぶりの再会を果たし・・・。
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第11話:嫉妬に殺される男

壹岐正(唐沢寿明)は、副社長の里井達也(岸辺一徳)とともに、千代田自動車との提携を目指して米自動車産業ビッグ3の一角、フォーク社との交渉に臨んだ。千代田自動車側は、フォーク社の出資比率を25%以下にしたいと主張していた。それに対してフォーク社側は、重要決議に拒否権を行使できる33.4%以上でなければ交渉には応じない、としていた。そこで里井は、腹心である業務本部長の角田保(篠井英介)とともに新たなプランを作成する。それは、壹岐たちが進めてきた提携話を白紙に戻し、フォーク社と千代田自動車が対等の出資比率で新たな合弁会社を作るというプランだった。壹岐らとともにデトロイトのフォーク社を訪れた里井は、フォーク会長(アレキサンダー・バリ)との会談を行った。その席でフォーク会長は、新たな合弁会社を作るという里井の提案に強い興味を示し、千代田自動車の経営状況を調べた上で検討する、と答える。里井は、さっそく社長の大門一三(原田芳雄)に連絡をとり、来月フォーク社が日本に覆面調査団を派遣するところまでこぎつけたことを報告する。里井は、調査団の受け入れ準備も自ら主導するつもりでいた。そんな里井に、壹岐は、千代田自動車がフォーク社と合弁会社を作るプランに納得するとは思えない、と進言する。仮に50対50の対等出資で合弁会社をスタートさせても、あっという間にフォーク社に飲み込まれてしまう危険性があるからだった。一方、フォーク社にしても、千代田自動車の経営状況が予想以上に悪化していることを知ったらこの話から手を引く可能性が高かった。しかし里井は、壹岐の言葉をさえぎり、自分の案が通らなかったからといって水を差すのは止めろと言い放つ。そのとき、突然、里井が苦しそうに胸を押さえて倒れこんだ。壹岐や角田は、救急車を呼んで里井を病院に運んだ。狭心症の発作だった。
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第12話:裏切りの極秘調査

千代田自動車との間で新たな合弁会社を作るという近畿商事の提案に興味を示したフォーク社は、日本に覆面調査団を派遣する。千代田自動車の経営状態を調査するためだった。壹岐正(唐沢寿明)は、調査団の責任者で、海外企画担当マネージャーのアーリックマン(ブレット・コールマン)が来日していないことに気づき、その行方を追っていた。ほどなく、調査団を出迎えるために帰国していた八束功(山崎樹範)から連絡があり、アーリックマンは、ホノルルでメルボルン行きの飛行に乗り換え、オーストラリアに向かったとの情報が入る。フォーク社側の説明によれば、オーストラリア・フォークで緊急事態が発生したためだという。不安を拭い去れなかった壹岐は、塙四郎(袴田吉彦)に、近畿商事の支店網を使ってアーリックマンが本当にオーストラリアにいるかどうか調べるよう指示する。一方、副社長の里井達也(岸部一徳)と業務本部長の角田保(篠井英介)は、フォーク調査団を案内する販売店のリストを八束に渡す。それは、千代田自動車の販売店の中でも、比較的経営が安定している店を選んだものだった。フォーク社が事前調査に基づいて販売店を指定してくることを危惧した八束は、調査団メンバーの経歴だけでも調べておくべきではないか、と里井たちに進言した。しかし里井は、壹岐に何を言われたかは知らないが口を挟むな、と八束に言い放つ。あくる日、里井たちは、調査団メンバーとの会合に臨む。その席で、調査団のラディ(エリック・ボーシック)は、里井たちが提示した販売店リストを拒否し、自分たちが用意してきたリストを提示する。すでに彼らは、独自の情報を元に、経営が悪化している販売店をリストアップしていた。同じころ、壹岐は、海部要(梶原善)からの報告で、フォーク調査団が里井たちの販売店リストを拒否したことを知る。そこに飛び込んできた塙は、アーリックマンがオーストラリアに立ち寄った形跡がないことを壹岐たちに伝える。
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第13話:喰うか喰われるか

壹岐正(唐沢寿明)は、社長の大門一三(原田芳雄)に同行して、次期総理の呼び声も高い自由党の幹事長・田淵(江守徹)の邸宅を訪れる。その席で田淵は、千代田自動車と米・フォーク社の提携話を持ち出し、国益絡みの問題は関係省庁より先に党の了承が必要だ、とふたりに告げる。壹岐は、田淵がこの提携話に一枚噛んでおきたいという思惑で大門を呼び出したことを悟り、両社の交渉を詰めた上で改めて助言を仰ぎたい、と答える。一方、出張から戻った副社長の里井達也(岸部一徳)は、田淵の一件を知るや否や壹岐を呼び出し、怒りをぶつける。社長である大門が電話1本で駆けつけるなど不見識極まる、というのだ。壹岐は、田淵に会っておきたくて大門を急きたてたのではないか、という里井の疑念を否定すると、オーストラリアに立ち寄ったとされていたフォーク調査団のひとり、アーリックマン(ブレット・コールマン)が、実は東京商事の鮫島辰三(遠藤憲一)と行動をともにしていたことを伝える。すると里井は、不安材料を並べていたずらに危機感をあおるような戦法は通じない、といって壹岐の言葉に耳を貸さないばかりか、副社長命令で壹岐を提携プロジェクトのメンバーから外してしまう。心臓の発作で倒れたばかりの里井は、医師から海外出張などを控えるよう助言されていた。だが里井は、妻の勝枝(江波杏子)や腹心である業務本部長の角田保(篠井英介)の反対を押し切ってデトロイトに向かい、フォーク社との交渉を一気に詰めようとした。ところが、フォーク社のアジア渉外担当・プラット(ニコラス・ペタス)は、そんな里井にいきなり新たな条件を提示する。それは、フォーク社と千代田自動車の間で新たに設立する合弁会社の出資比率をフォーク51%、千代田49%に変更してほしい、というものだった。帰国した里井は、大門とともに千代田自動車の森社長(大林丈史)、村山専務(田村亮)、小牧常務(小野武彦)と会い、フォーク社側の意向を伝えた。するとそこに、毎朝新聞の夕刊を手にした角田が飛び込んできた。その一面に掲載されていたのは、フォーク社が東和自動車と提携する意向を東京商事に正式に伝えた、という田原秀雄(阿部サダヲ)が書いたスクープ記事だった。遅れてやってきた壹岐は、フォーク会長(アレキサンダー・バリ)から届いたばかりの急行便を大門に手渡す。そこには、千代田自動車との交渉を打ち切る、と記されていた。激しいショックを受けた里井は、胸をかきむしるようにしてその場に倒れ・・・。
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ドラマ『不毛地帯』13話の無料動画

第14話:百億の賭け

アメリカ近畿商事から東京本社に帰任した壹岐正(唐沢寿明)は、専務取締役に就任する。それは、壹岐が社長の大門一三(原田芳雄)に次いで、近畿商事のナンバー2になったことを意味していた。それから半年後の昭和45年12月、イランで石油鉱区が売りに出されるという情報をつかんだ石油部長の兵頭信一良(竹野内豊)は、石油開発を手がけたいと壹岐に直訴する。今回、売りに出される鉱区は、兵頭が以前から目をつけ、情報収集を続けていたサルベスタン鉱区である可能性もあるという。石油開発にすべてを賭けようとしている兵頭の強い決意を知った壹岐は、ただちにイランに向かうよう指示した。大門を訪ねた壹岐は、さっそく石油開発の件を切り出した。石油開発にかかる費用はおよそ200億円。石油が出れば1000億円以上の利益が見込まれていた。開発費用は、日本石油公社から最大で50パーセント支援してもらうことができるという。開発に失敗した場合でもその返済は免除されるというものの、石油が出なければ100億円もの費用が無駄になる。大門は、その場での決断を避けた。一方、兵頭は、近畿商事テヘラン事務所を拠点にして情報収集を開始する。だが、売りに出されるのがどこの鉱区なのか、つかむことができなかった。焦りを隠せない兵頭は、イラン石油公社の筆頭理事に会うために、以前から何度か接触してきていた正体不明のブローカーとコンタクトを取る。しかし、兵頭のミスから、その計画は失敗に終わってしまう。そんななか、壹岐は、第三次中東戦争の際にも協力を仰いだ国際ロビイストの竹中莞爾(清水紘冶)の事務所を訪ねる。そこで壹岐は、リビアの元石油大臣で、現在は石油コンサルタントをしているハバシュという人物が今回イランで売り出される鉱区を知っているとの情報を得る。壹岐は、兵頭に連絡し、ハバシュが滞在しているパリに向かうよう命じた。パリに到着した兵頭は、ハバシュと会う約束を取り付け、滞在先のホテルを訪れる。しかしハバシュは、多忙を理由に兵頭と会おうとはしなかった。そんな兵頭の前に、黄紅子(天海祐希)が現れる。
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ドラマ『不毛地帯』14話の無料動画

第15話:邪魔者は消えろ!

石油開発に乗り出した壹岐正(唐沢寿明)と兵頭信一良(竹野内豊)は、イランのサルベスタン鉱区が売りに出されるという情報をどの商社よりも先に入手した。その情報を元に、壹岐たちは日本石油公社総裁の貝塚道生(段田安則)に会い、近畿商事の単独入札と、開発資金援助の内諾を得る。たが、それを知った東京商事の鮫島辰三(遠藤憲一)は、近畿商事の単独入札を阻止するために五菱商事、五井物産と手を組み、貝塚に圧力をかけた。その結果、サルベスタン鉱区は、近畿商事、東京商事、五菱商事、五井物産の四社連合で入札することになった。だが、他社がそれぞれ30%の出資比率であるのに対し、近畿商事だけが10%という決定が下されてしまう。貝塚の決定に激怒した壹岐は、日本石油公社とは手を組まずに入札に挑むことを決意。技術力と資本力を持つ海外の石油開発会社を探した壹岐たちは、米の独立系石油会社・オリオン・オイル社と組もうと画策する。ある夜、クラブ『ル・ボア』を訪れた壹岐は、黄紅子(天海祐希)と再会する。近畿商事が石油ビジネスに乗り出すという情報をすでに聞きつけていた紅子は、親交があるイランの前王妃からも、近畿商事について尋ねられたという。その席で、紅子がオリオン・オイル社のリーガン会長と面識があることを知った壹岐は、仲介役を頼んだ。それを引き受けた紅子は、来月、リーガン会長が夫の黄乾臣(石橋蓮司)に会いに来る際に、兵頭とともにジャカルタに来るよう告げる。一方、仕事に復帰した副社長の里井達也(岸部一徳)は、社長の大門一三(原田芳雄)から石油開発の件を相談される。里井は、日本石油公社グループから離脱して海外の会社と組むのは非常識だとし、失敗すれば会社の屋台骨を揺るがしかねないと主張する。そんななか、ジャカルタの黄邸を訪れた壹岐と兵頭は、リーガン会長に会い、サルベスタン鉱区入札に関し、パートナーシップを結ぶ約束を取り付ける。次の問題は、100億円に及ぶ開発資金の確保だった。壹岐たちは、社内の反対勢力を抑えるために極秘で動き始めるが・・・。
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第16話:地獄からの招待状

石油開発に乗り出した壹岐正(唐沢寿明)と兵頭信一良(竹野内豊)は、イラン・サルベスタン鉱区の国際入札に際し、商社連合の日本石油公社グループから離脱し、米独立系石油会社オリオン・オイルと組むことを決意する。社長の大門一三(原田芳雄)は、反対派だった副社長の里井達也(岸部一徳)を関連会社に出向させた。壹岐の要望を受けての決断だった。さらに壹岐は、大門とともに自由党幹事長の田淵(江守徹)を訪ね、近畿商事の後ろ盾になってもらいたいと依頼した。石油利権を握る政治家たちと組んでいる日本石油公社総裁の貝塚道生(段田安則)や東京商事の鮫島辰三(遠藤憲一)らによる妨害工作に対抗するためだった。ところがその矢先、近畿商事がオリオン・オイル社と組んで国際入札に参加すること批判する記事が新聞各紙に掲載される。日本石油公社グループからの離脱は国益を無視した行為だというのだ。それを受け、貝塚は、近畿商事の行動は利益を独占しようというものであり極めて遺憾だとのコメントを発表する。一方、兵頭は、近畿商事テヘラン事務所を拠点に、国際入札の決定権を持つイラン国王とその周辺の人物の情報収集を続けていた。国王の決断に影響力を持つ側近とコンタクトを取り、各国の入札価格等の情報を得ることが最重要任務だった。近畿商事への非難が高まる中、取引先からのは、オリオン・オイルと組むなら今後の取引を白紙に戻すという電話が相次いだ。壹岐は、オリオン・オイルとの入札が事実だと認めた上で、今回の決断はあくまでも日本石油公社グループが入札できなかった場合の安全弁だと取引先に説明するよう社内各所に指示する。そんな折、壹岐の前に、元近畿商事社員の小出宏(松重豊)が現れる。小出は、壹岐の部下として自衛隊の2次防FX受注に関わり、機密漏えいの疑いで逮捕された後、千代田自動車が開発を進めていた新車115タイガーの情報を買い取いとってもらうための仲介をしてほしいと接近してくるなど、壹岐にとって何かと因縁のある相手だった。小出は、壹岐のことが心配で訪ねてきたとうそぶくと、近畿商事が日本石油公社グループに戻れるよう仲介してくれる人物が待っている、と告げ・・・。
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第17話:暗号と密約

石油開発に乗り出した壹岐正(唐沢寿明)と兵頭信一良(竹野内豊)は、イラン・サルベスタン鉱区の国際入札に際し、ライバルとなる他社の入札価格に関する情報を入手するために、イラン国王の側近である医師ドクター・フォルジに接触する。壹岐たちは、イラン前王妃と親交が深い黄紅子(天海祐希)の協力でフォルジと面会の約束を取り付けた。だが、フォルジが面会の場所に指定してきたのは、ソ連の首都モスクワだった。シベリアで11年間も過酷な抑留生活を送った壹岐にとっては、二度と足を踏み入れたくない国だった。が、覚悟を決めた壹岐は、娘の直子(多部未華子)の反対を押し切ってモスクワへと向かった。一方、五菱商事、五井物産とともに日本石油公社グループとしてサルベスタン鉱区の国際入札に臨む東京商事の鮫島辰三(遠藤憲一)は、日本のトップ企業を集めた経済ミッションをイランに派遣し、同国政府へのアピールに成功していた。そんな折、兵頭がテヘランから姿を消しているという情報を得た鮫島は、近畿商事が何らかの行動を起こしているのではないかと不審を抱く。壹岐たちは、ドクター・フォルジの代理人であるソ連医学アカデミーのドクター・ペトロシャンの別荘を訪れた。そこで壹岐たちは、フォルジがイラン・イスファハンの名門一族の出身であること、内乱があり、当時10歳だったフォルジの目の前で一族が殺されるという過酷な体験をしていることを知る。ほどなく、別荘にやってきたファルジと面会を果たした壹岐は、敢えてイスファハンのことを口にした。するとフォルジは、シベリアには何年いたのか、と壹岐に返す。同じころ、鮫島は、テヘランにあるホテルのメイドを買収して兵頭の部屋に侵入し、彼がモスクワに向かったことを知る。義理の娘でもある直子をだまして、壹岐がモスクワに向かっていることを聞きだした鮫島は、近畿商事側がイラン国王の側近と接触していることを確信し、五菱商事の神尾(名高達男)や五井物産の有田(大門正明)に対して、すでに取り決めた入札価格に500万ドル上乗せすべきだと訴える。そんな折、帰国した壹岐は、社長の大門一三(原田芳雄)に、入札価格の情報と引き換えとしてフォルジから提示された条件を伝える。
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第18話:汚れた英雄

石油開発に乗り出した近畿商事は、アメリカの独立系石油開発会社オリオン・オイル社と組んでイランのサルベスタン鉱区を落札した。日本石油公社の支援を得た近畿商事は、東京商事からも5%の出資を受け、石油の掘削工事を開始した。落札から3年8ヵ月後、副社長となった壹岐正(唐沢寿明)は、アメリカ近畿商事時代の部下・塙四郎(袴田吉彦)を呼び寄せて秘書にする。人事、総務、業務、海外事業の四部門を掌握した壹岐は、事実上、近畿商事の経営全般を指揮する権限を有するようになっていた。一方、石油部長だった兵頭信一良(竹野内豊)は、石油、ガスなどを統括するエネルギー部門の担当常務に昇進していた。サルベスタンではすでに3本の井戸を掘っていたが、石油は一滴も出なかった。現在、四号井(よんごうせい)の掘削を進めているものの、これまでに合計50億円もの掘削費が泡と消えていた。その矢先、四号井が深さ4750フィートで逸泥を起こし、いつ暴噴するかわからない危険な状態に陥っているとの連絡が入る。逸泥とは、坑井内の循環泥水が地層中の空洞や亀裂、浸透性の高い地層などによって失われる現象をいい、坑壁の崩壊や 掘管の噴出といった重大なトラブルを引き起こす。ただちに現地に向かった兵頭は、石油があると思われる深度5000~8000フィートまで掘り進める方法を模索した。だが、これ以上掘るのは不可能だという現場責任者の判断から、兵頭も四号井の廃坑を決断するしかなかった。四号井の廃坑を受け、日本石油公社は近畿商事に対する支援の打ち切りを決定する。壹岐は、四号井で良好な貯留層の存在が認められたことから、社長の大門一三(原田芳雄)に五号井の掘削を願い出た。しかし大門は、公社が手を引いた以上資金繰りができないとして、サルベスタンから撤退すると言い出す。サルベスタンの開発を諦めきれなかった壹岐は、中東の石油事情に詳しい国際ロビイストの竹中莞爾(清水紘冶)を訪ねた。竹中は、内閣総理大臣の田淵(江守徹)とじっこんの間柄だった。そこで、竹中から田淵に、イラン国王がサルベスタンの開発続行を強く望んでいることを伝えてもらい、政府から日本石油公社に支援再開を指示させようという目論見だった。そんな折、常務会に向かおうとしていた壹岐は、業務本部長の角田保(篠井英介)に呼び止められ、大門が綿花相場でかなりの額の損失を出しているという話を聞かされる。
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第19話(最終回):約束の地

近畿商事は、副社長の壹岐正(唐沢寿明)、エネルギー部門の担当常務である兵頭信一良(竹野内豊)を中心に、イラン・サルベスタン鉱区の掘削を開始した。だが、60億円もの費用を投じて4本の井戸を掘ったにもかかわらず油田を掘り当てることはできなかった。そんな中、最後の望みを託した五号井が、ガス暴噴を起こしたとの連絡が入る。それ以来、現場からの報告は途絶え、電話も繋がらない状態が続いたため、壹岐は焦りを隠せなかった。2日後、壹岐のもとに現地にいる兵頭からの連絡が入る。2日間に及ぶ徹夜の作業で、五号井はようやく正常循環に戻ったという。壹岐は、ガス暴噴は油がある兆候だという兵頭の言葉を信じ、すべてを彼に任せて掘削の再開を指示する。一方、黄紅子(天海祐希)は琵琶湖を訪れていた。琵琶湖に国際チェーンのホテルを建てる計画を進めていた紅子は、その下見に来ていたのだ。そこに秋津千里(小雪)を呼び出した紅子は、壹岐と結婚しないのか、と尋ねる。そんなある夜、壹岐のもとに東京商事の鮫島辰三(遠藤憲一)がやってくる。そこで鮫島は、近畿商事社長の大門一三(原田芳雄)が綿花相場で苦戦している話を切り出した。近畿商事のメインバンクである第三銀行の頭取が、その件で大門のことを心配していた、というのだ。あくる朝、壹岐は、ただちに綿花部長の伊原(上杉祥三)を呼び出し、真相を問いただした。伊原によれば、すでに大門は、50億円近い損失を出しているのだという。それを知った壹岐は、伊原に進退伺を出すよう指示すると、大門にも綿花相場から手を引いてほしいと進言する。聞き入れられない場合は役員会議で決議を出す、という壹岐の言葉に危機感を抱いた大門は、タクボ工業を訪れて里井達也(岸部一徳)に会った。大門は、壹岐を社外に出すのなら戻る、という条件を聞き入れ、里井を近畿商事に復帰させることを決意する・・・。
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ドラマ『不毛地帯』の再放送(2022)情報まとめ

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ドラマ『不毛地帯』は、前回2012年4月にBSフジで再放送されました。

ドラマ『不毛地帯』は、過去には1976年8月には前半部分が映画化され、1979年4月にはTBS系列で連続ドラマ化されていた、人気作品ですので、今後の地上波の再放送情報に期待したいですね。

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