ザ・シネマをご視聴いただいている皆さま、こんにちは!ツノ男爵です。
いつもお世話になっております……って、「ツノ男爵なんて聞いたこともないぞ」という声が聞こえてきそうですね。
私の自己紹介や日頃の活動については、ぜひこちらのコラムを覗いてみてください。
さて、突然ですが皆さま、「8月のお盆休み、ご家族で映画音楽の魅力にどっぷり浸ってみませんか?」というご提案です。
今の時代は本当に便利になりましたよね。
劇場公開されたばかりの映画が、あっという間にサブスクやテレビ放送で観られるのですから。しかし、ほんの数十年前までは、好きな映画を何度も繰り返し楽しむなんて、そう簡単にはできない時代でした。
サブスクはもちろん、レンタルビデオすらなく、テレビ放送されるのは劇場公開から数年後……というのが当たり前だったのです。
では、そんな時代に私たち映画狂はどうやって好きな映画を味わい尽くしていたのか?
私の思い出とともに、3つの方法を振り返ってみます。
昔の映画館は入れ替え制ではなかったので、一度チケットを買えば一日中居座ることができたのです。『シュリ』『フレンズ』『パーフェクトワールド』といった作品は、映画館から出られなくなるほど何度も何度も連続で観続けました。
観るたびに号泣するので、目は真っ赤に腫れ上がり、家に帰ると親から「また誰かと喧嘩したのか!?」と本気で問い詰められたものです。
映画を観終えたら必ずパンフレットを購入し、それこそページが擦り切れるほど舐めまわすように読み耽りました。
私の部屋には、今でも当時のパンフレットコレクションが大切に保管されています。

DVDなんて影も形もない時代、自分の手元に残せる唯一の“映画”がサウンドトラック盤でした。部屋でレコードを聴きながら、「あぁ、これはあのシーンで流れていた曲だな……」と、瞼の裏に焼き付いた名場面を呼び起こしてはうっとりしていたのです。
このように、私たちは「映画館」「パンフレット」「サントラ」という3種の神器を駆使して、ひたすらテレビ放送の日を待ち続けていました。
中でも「映画音楽」の存在は格別でした。
音楽こそが、大好きな映画の記憶を呼び覚ましてくれる最も強力なスイッチだったのです。その名残りでしょうか、今でも特定の音楽を聴くと、パブロフの犬のように映画のワンシーンが脳内にフラッシュバックします。
例えば、テレビでJR東海のCMが流れると、私の頭の中は一瞬で『サウンド・オブ・ミュージック』の世界に引っ張られてしまいます(笑)。
前置きが長くなりましたが、現在ザ・シネマでは皆さまから「思い出の映画」を大募集しており、日々たくさんの熱いご応募をいただいております。本当にありがとうございます!
お寄せいただいたアンケートをじっくり分析してみたところ、面白いことが分かりました。
やはり、音楽について熱くコメントされている方が非常に多いのです。そして投稿者の世代を見ると、私と同じ50代以上の方が大半を占めています。「やっぱり! 映画を音楽で記憶している同世代の仲間がこんなにいるんだ!」と、嬉しくなってしまいました。
特に今回は『サウンド・オブ・ミュージック』を思い出の映画に挙げる方が圧倒的に多く、現在のところ人気No.1!
皆さまから届いた、音楽にまつわる感動的なエピソードをいくつかご紹介させていただきます。
【大阪府・60代男性】
小学生の頃、母に映画館に連れられて見ました。その時の何かしらの感動を覚え、中学の頃にTVで放映してたのを見たとき、その感動が音楽と自然の美しさであると感じました。レコード屋さんでサウンドトラックのLPを買ったのを覚えています。今はその名残り?で古希を迎えても混声合唱団の一員として頑張っています。ちなみに好きな曲は「すべての山へ登れ」です。
【埼玉県・50代女性】
子供の頃、話題になった有楽町の動くカラクリ時計を見に連れていってもらった時、たまたま父の思い出の映画をやっていて見ていくことになりました。子供の私には興味が沸かず、ブータレながら親について見た映画でしたが、予想に反してお気に入りの映画になり、当時レコードまで買いました。今でもたまに観たくなる映画です。
皆さま、見事なまでにサントラ(レコード)を購入されていますね!
同志に出会えたようで胸が熱くなります。
そこで!
ご家族が久しぶりに集まるお盆の時期に合わせて、皆さまのアンケート結果から「特に音楽が心に刻まれている名作」を厳選し、一挙放送することを決定いたしました!

(C) Recorded Picture Company
●『ラストエンペラー 劇場公開版 4Kレストア』
放送日:8/10(月)午前9:00
坂本龍一らが紡ぐ東洋の伝統と西洋の旋律が、激動の歴史と深くシンクロする金字塔。アカデミー賞作曲賞受賞の壮大な音世界をご堪能ください。

(C) 1991 Dog Eat Dog Productions, Inc. All Rights Reserved.
●『レザボア・ドッグス』
放送日:8/10(月)昼12:00
全編を彩る70年代ポップス。画面で繰り広げられる凄惨なバイオレンスと、陽気なメロディとのギャップが、シニカルで最高に鮮烈です。

(C) Ultimate Productions
●『ムーンウォーカー』
放送日:8/10(月)午後2:20
マイケル・ジャクソンの音楽世界を映像化したエンターテインメントの最高峰。彼の圧倒的な歌声とビートそのものが、映画を強烈に牽引します。

(C) CinéTamaris 1993
●『シェルブールの雨傘[デジタルリマスター版]』
放送日:8/10(月)夕方4:10
ミシェル・ルグランが手掛けた、全編セリフが歌で構成されるミュージカル。切なく美しいメロディが、何度観ても涙を誘う珠玉の名作です。

West Side Story (C) 2021 20th Century Studios and TSG Entertainment Finance LLC.
●『ウエスト・サイド・ストーリー』
放送日:8/10(月)夕方6:20
レナード・バーンスタインによる躍動的なジャズとクラシックの融合。若者たちの不朽の愛と葛藤を、ドラマチックに彩ります。

(C) 1965 Twentieth Century Fox Film Corporation.
●『サウンド・オブ・ミュージック』
放送日:8/10(月)夜9:10
アンケート人気No.1! 誰もが一度は口ずさむ名曲の数々が、美しいアルプスの大自然と響き合う、これぞ映画音楽の最高傑作です。
JR東海のCMで使われている「マイ・フェイバリット・シングス」のオリジナルはこの映画です!

(C) 2006 Googly Films, LLC. All Rights Reserved.
●『落下の王国【4Kデジタルリマスター】』
放送日:8/10(月)深夜0:15
ベートーヴェンの「交響曲第7番第2楽章」が静かに鳴り響く中、息をのむような美しい映像が展開。悲痛な幻想世界を至高の領域へと押し上げます。
お盆休みはぜひ、ご家族で「この映画観たなぁ」「この曲懐かしいね」なんて思い出を語り合いながら、ザ・シネマでお楽しみいただければ幸いです。
皆さまの“思い出の映画”は、これからも形を変えて放送していきたいと思っております。
次回の特集もお楽しみに。それでは、素晴らしい映画音楽の旅へ、いってらっしゃいませ!
今回残念ながら放送は致しませんが、ツノ男爵おススメのサントラ三選です。
●『愛情物語』
「ピアノの旋律が流れた瞬間、涙腺が崩壊する究極のメロドラマ」
実在のピアニスト、エディ・デューチンの波乱の生涯を描いた作品ですが、何と言ってもショパンの『ノクターン(夜想曲)第2番』をアレンジした主題歌「To Love Again」が絶品なのです。カーメン・キャバレロの流麗で華麗なピアノ演奏が、哀愁を帯びて耳に残って離れません。
私なんて、あのピアノのイントロが聴こえてきただけで、もう自動的に胸が締め付けられて涙が溢れてきます。映画を観た後、サントラ盤の針を落としては、主人公が鍵盤に手を置く姿を思い出して一人でうっとりしていたものです。
特にラストシーン・・・は忘れられないワンシーンです。
●『大地震』
「巨匠ジョン・ウィリアムズが描く、一級品の恐怖とスペクタクル」
70年代パニック映画ブームを牽引した超大作ですが、音楽を担当したのはなんと、まだ『スター・ウォーズ』を手掛ける前のジョン・ウィリアムズ! 劇場では「センサラウンド方式」という重低音を用いて映画館の座席や空間を物理的に振動させる特殊な音響システムが使われた作品でアカデミー賞音響賞を受賞したのですが、サントラもまた凄い。
不穏なメロディと、崩壊していくロサンゼルスを象徴するような重厚でダイナミックなサウンド。不気味な緊張感の中に、どこか都会的な切なさが同居したメロディはさすが巨匠です。ちなみに、このサントラをステレオで最大音量で聞くと、安部品で作られたわが家はがたがた揺れるんです・・・
※ご近所迷惑には気を付けましょう。
●『カサンドラ・クロス』
「静かな哀愁から怒涛の緊迫感へ。サスペンス音楽の最高峰!」
謎の病原菌に汚染された豪華列車をめぐる、息もつかせぬパニック・サスペンス。この緊迫感を何倍にも増幅させているのが、映画音楽界のレジェンド、ジェリー・ゴールドスミスの手腕です。
ヨーロッパの美しい景色を走る列車の優雅さを表すような、どこか哀愁を帯びた美しいメインテーマ。……かと思えば、政府の陰謀や崩壊間近の鉄橋(カサンドラ・クロス)へと突き進むにつれて、音楽がどんどん狂気的な緊迫感を帯びていくのです。このサントラを部屋で大音量で聴いていると、まるで自分もあの死の列車に閉じ込められているような、物凄いスリルと興奮が味わえます!
※しつこいですが、ご近所迷惑には気を付けましょう。
あぁ、語っているだけでまたレコードが恋しくなってきました。
皆さまもぜひ、映画音楽が持つ「記憶を呼び覚ます魔法」を体験してみてくださいね。
ザ・シネマでは、皆様の心に残る「思い出の映画作品」を引き続き募集しております。
人生を変えた一本、何度も見返したくなるあの名作……。
あなたの熱い思いが詰まった映画が、ザ・シネマで放送されるかもしれません!
まだご回答されていない方は、ぜひあなたのおすすめ作品を教えてください。
ラストエンペラー 劇場公開版 4Kレストア
古代の始皇帝に始まる中華帝国最後の皇帝“終皇帝”の人生をベルナルド・ベルトルッチが描いた歴史大作。アカデミー賞(R)作品賞ほか9部門を受賞。音楽を担当した坂本龍一が日本人初の作曲賞に輝き出演も果たす。
レザボア・ドッグス
本筋と関係なく延々と続く会話、生々しい暴力、絶妙に選ばれた楽曲…。監督第1作にしてクエンティン・タランティーノが持ち味を確立。黒ずくめのチンピラが3すくみで銃を構えあう場面など、映像もスタイリッシュ。
ムーンウォーカー
マイケル・ジャクソンの全盛期の歌とダンスがふんだんに詰まった初主演作。悪の組織に挑むマイケルの活躍を、リック・ベイカー総指揮のSFXでファンタスティックに魅せる。ジョン・レノンの息子ショーンも出演。
シェルブールの雨傘[デジタルリマスター版]
ミシェル・ルグランが作曲した甘いメロディに乗せて、すべてのセリフを歌で織りなす異色のミュージカル映画。カトリーヌ・ドヌーヴの美貌が普遍的な魅力を放つ。カンヌ国際映画祭パルム・ドールほか受賞。
ウエスト・サイド・ストーリー
スティーヴン・スピルバーグ監督が、ミュージカル映画の不朽の名作「ウエスト・サイド物語」を再映画化!
サウンド・オブ・ミュージック
『ウエスト・サイド物語』のロバート・ワイズ監督が人気ブロードウェイミュージカルを映画化。「エーデルワイス」など有名曲の数々をアルプスの美しい自然を背景に響かせる。作品賞などアカデミー賞5部門を受賞。
落下の王国【4Kデジタルリマスター】
“映像の魔術師”ターセム監督が、構想26年、撮影期間4年、13の世界遺産、24ヵ国以上のロケーションを巡って完成させた万華鏡を覗くような映像美と、魂に響く物語のカルト的ファンタジー!