(吹)夜の大捜査線

黒人ゆえに着せられた殺人冤罪事件を通して、60年代のアメリカの社会の闇を鋭く描く犯罪映画の傑作
IN THE HEAT OF THE NIGHT (FEATURE) © 1967 METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC.. All Rights Reserved

解説

『卒業』『俺たちに明日はない』などをおさえ、1967年のアカデミー賞主要5部門に輝いた犯罪映画の傑作。黒人ゆえに着せられた殺人冤罪事件を通して、60年代のアメリカ社会の闇を鋭く描く。

ストーリー

アメリカ南部の田舎町。ある日、町の実業家が殺され、偶然駅にいたティッブスは黒人というだけで逮捕されてしまう。しかし彼は、フィラデルフィアの敏腕刑事だった。疑いが晴れたティッブスは、渋々捜査に協力することになる。彼の能力とは別に、黒人というだけで生まれる強烈な人種偏見と戦いながら捜査を進めるなか、コンビを組んだ田舎町の警察署長ギレスビーとの間に人種を超えた友情が芽生えてゆく。

放送日時

2018年01月14日(日) 23:00 - 深夜 01:00

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みんなの映画レビュー

    • 鑑賞日 2016/12/5
    • In the Heat of the Night

「いつも心に太陽を」と本作を立て続けに観たような気がする。前者はルルが、
本作はR・チャールズが主題歌を歌っていて、長く心に残った作品となった。黒人俳優が
主役を張る嚆矢となったポワチエの作品で、今見直しても心に訴えてくる名作。
舞台はミシシッピ州の小さな町。綿花畑を署長がティッブスを、お前は恵まれているよ、
と揶揄する場面がある。ティッブスはフィラデルフィアの殺人課ではピカ一の刑事。

反撥する二人が殺人事件に共同で捜査するには、頑迷な署長に対する周囲の圧力が
あったのだが、実際にティッブスを口説くのは署長の言葉だった。
黒人刑事の優秀さを、ボンクラな白人警官たちにハッキリ証明させたいから、
あんたは俺たちに協力せざるを得ない。それまで大雑把な捜査しなかった署長が、
深い人間観察を披露する。序盤ではいかにもステレオタイプの南部警察官、
中盤では誰にも本心を明かさなかった孤独な署長、そして終盤でのティッブスとの
友情を確認するおおらかなアメリカの白人。見事な演じ分けで、本作のテーマを伝える。
ポワチエも抑えた静の演技と、激しくキレる動の振幅で黒人刑事の内面の厳しさを
訴える。白人署長と黒人刑事ががっぷり四つに組んで、殺人事件を解決する。
公民権をテーマにした映画以上に深い感銘を与えた。

そしてQ・ジョーンズの音楽。ファーストシーンの夜の熱気に入って来る列車と対応
するように、ラストシーンでは静かにフィラデルフィアに帰る列車のロング・ショット。
R・チャールズの歌声がかぶり、南部の刑事物語が完結する。

    • 鑑賞日 2018/1/17
    • つまらない映画をたて続けに見ていたせいかすごく面白かった。

南部の田舎町で殺人事件が起きる。一人の黒人がつかまり警察署に連れてこられる。警官、警察署長のこの黒人に対する仕打ちから、この街の雰囲気やここの警察権力の在り方が伝わってくる。そして実はこの黒人が大都市フィラデルフィアの殺人課の敏腕刑事だということがわかる。
50年前のアメリカ南部の現実、「誰を」というのに“Whom”を使うと「北部もんだな!」という南北文化の違い、黒人刑事はこの街の白人警察署長の週給よりはるかに高給取りという南北格差がさりげなくストーリーに織り込まれていく。
殺人捜査などしたこともない署長のあきれるような杜撰な「捜査」!容疑者のアリバイさえ調べない。ロッド・スタイガーのこの署長がすごくいい。かわいささえ感じる。
2018年の今見て一番強烈に感じたのはKKKばりの白人優位主義者たちの存在。車のナンバープレートが南部のアメリカ連合の旗なのだ。半世紀経ってもまだ存在している彼らというのは、結局人間性の醜さ、修羅の命が白い皮をかぶって人の形をとっているのだ。

    • 鑑賞日 -
    • シリアスさとユーモアのバランスが良い☆

現在の黒人俳優たちがハリウッドに進出する先駆けになったのは、間違いなくシドニー・ポワチェでありましょう。
本作では黒人刑事の主人公バジル・ティッブスに扮して、腕利きの捜査官として好演してます。
アメリカ南部における黒人差別が残る町で、バジルが殺人事件の解決のために孤軍奮闘する姿に当時の黒人たちは拍手喝采だった気がします。

バジルはムーヴメントが起こった当時の過激派のような人物ではなく、辛抱強く白人たちの信頼を勝ち取っていきます。そこが本作の面白さであり、ストーリーの肝となってます。

現地の警察署長をロッド・スタイガー、その部下のサムをウォーレン・オーツと往年の名優たちの存在も見逃せないところです。
署長とサムも黒人に対する偏見から当初はバジルを敵視してましたが、バジルの敏腕ぶりに次第に一目置くようになるのです。

ロッド・スタイガー演じた署長のキャラは大変笑わせてもらいました。
ペンシルバニア州からやって来た警察官バジルの誤認逮捕に始まり、次々と誤認逮捕を繰り返すのです。あまりに短絡的な容疑者の特定はコメディ作品かと勘違いするほどです。
極めつけは、部下のサムまで容疑者にしたところです。そこは、さすがに大爆笑しましたね。
バジルに対しても、町を出ていけと言えば、町に留まれと言ったりしてました。平然と言うことを変えるキャラは本作を盛り上げたと思います。

最終的に犯人は捕まるのですが、それはバジルと署長の別れを告げるのでした。
駅での別れの時の二人の表情は、笑顔の中にやれやれという感情も混ざっていて複雑な心象を感じ取れました。
そこにアメリカ南部の事情が描写されてると思いました。なかなか味のあるラストでしたね。

    • 鑑賞日 2017/4/2
    • 黒人と白人の警官同士の対決

 素晴らしかった。

 特に、最初は当然のように黒人蔑視をしていたロッド・スタイガーのギレスピーがピカ一に上手かった。特に、黒人警官であるシドニーポワチエのティップスが次第に真相に迫っていくので、その力を認めざるを得なくなっていく所が面白かった。

 また、ティップスが、白人たちに全く信用されずに、襲われる所。シドニー・ポワチエが撮影の時も実際に何度も嫌がらせを受けたとの事で、驚く事だし、オバマが大統領になる今の時代からは考えられないことだ。

 音楽もこの映画の雰囲気をかなり作っている。クインシー・ジョーンズ作曲、レイ・チャールズが歌う音楽が素晴らしい。


 しかし、アメリカでは、警察官の黒人射殺という、新たな問題が勃発し、問題が新たな局面で繰り返されているのかもしれない。

    • 鑑賞日 2017/3/22

主演の二人がいい。映画の流れ・・・間合いがいい。一度帰りかけるところの駅のシーンが印象的。黒人差別の残る町で殺人事件を捜査する黒人刑事。差別をむき出しにしながらもその実力に心が動いていく白人警察官。いつか立場が逆転している当たりが面白い。「野良犬」以来まともな刑事物のない国にいるとうらやましい。

原題

IN THE HEAT OF THE NIGHT

監督

ノーマン・ジュイソン

出演

シドニー・ポワチエ(田中信夫)ロッド・スタイガー(富田耕生)ウォーレン・オーツ(青野武)ほか

製作国

アメリカ

製作年

1967

本編時間

95分

画面サイズ

ワイド画面

視聴制限

なし

字幕/吹き替え

吹き替え

カラー/白黒

カラー

『(吹)夜の大捜査線』IN THE HEAT OF THE NIGHT (FEATURE) © 1967 METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC.. All Rights Reserved 『(吹)夜の大捜査線』IN THE HEAT OF THE NIGHT (FEATURE) © 1967 METRO-GOLDWYN-MAYER STUDIOS INC.. All Rights Reserved 『(吹)プロメテウス[ザ・シネマ新録版]』 『(吹)超能力学園Z』© 1982 Thunder Associates. 『(吹)悪魔の棲む家(1979)』AMITYVILLE HORROR, THE © 1979 ORION PICTURES CORPORATION. All Rights Reserved 『(吹)夕陽のガンマン』FOR A FEW DOLLARS MORE © 1965 ALBERTO GRIMALDI PRODUCTIONS S.A.. All Rights Reserved
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