8月6日(土)21:00~
再放送:8月7日(日)21:00~/8月27日(土)12:30~
「この映画の大ヒットの要因には、まず原作の成功があります。それに加えて、この物語のテーマである“善と悪”が、若者にとてもアピールするものであり、たくさんの忠誠心や友情、真の勇気などを学ぶことができるんですね。それに、現実はせつないことが多いから、なにか魔法を、奇跡を信じたいという気持ちを多くの人が抱いているでしょ。そしてなんといっても、ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソンの3人が息の合ったパフォーマンスをしてくれたことが、一番の成功の要因だと思います」
世界中が注目していたベストセラーの映画化を成功させたクリス・コロンバス監督。ホッとしているのでは?
「もちろん、そうです(笑)。でも、僕の中では最初からヒットさせることよりも、よりよい映画を作ることを目指していましたから。それを実現できたことのほうがうれしい。もちろん、原作ファンをがっかりさせないようにも頑張りました。原作を忠実に映画化すると6時間にもなってしまうから、それをなんとか短くし、それでも原作のテイストを失わない。そういうことにとても気を遣ったんですよ」
ホグワーツ魔法魔術学校のセットもすばらしく、息をのむ。
「最初からシリーズ化が決まっている作品だから、セットも長く使えるように、壮大で、頑丈なものに。もはや、セットというより、本物の建築物といったほうがいいかもしれません(笑)。特にホグワーツ食堂などお見事! 壁もドアもテーブルもイスも、全部完璧です」
もちろん、初の映画化にあたり、原作者のJ.K.ローリングに会ったともいう。
「スコットランドで初めて会いました。会う前は、アンジェラ・ランズベリーみたいなオバチャンを想像していたのですが、実際は私よりも若い女性なので、びっくりしました(笑)。頭の回転が速く、ユーモアもたっぷりで。彼女が『どんな映画を作りたいの?』と尋ねてきたので、私の考えていることを全部話しました。そしたら『私が作りたいものも同じよ』と賛同してくれて、その瞬間から彼女はこの映画の最高の協力者になりましたね。とても心強かったです」
取材・文/金子裕子
2011年7月13日発行「別冊シネコンウォーカーvol.2 角川ムックNo.39」より抜粋
クリス・コロンバス
1958年生まれ、アメリカ出身。これまでの監督作に『ホーム・アローン』シリーズや『ミセス・ダウト』(93)、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』(10)、『ピクセル』(15)などがある。
『ハリー・ポッターと賢者の石』™ & © 2001 Warner Bros. Ent. , Harry Potter Publishing Rights © J.K.R.
『ハリー・ポッターと秘密の部屋』™ & © 2002 Warner Bros. Ent. , Harry Potter Publishing Rights © J.K.R.
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』™ & © 2004 Warner Bros. Ent. , Harry Potter Publishing Rights © J.K.R.
『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』™ & © 2005 Warner Bros. Ent. , Harry Potter Publishing Rights © J.K.R.