PROGRAM

放送作品情報

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

EYE IN THE SKY 2015年 イギリス / 103分 戦争 サスペンス

現代の戦争は会議室で起きている!ドローンを駆使した対テロ戦争の実態と葛藤を描く衝撃サスペンス
放送日時
2019年05月16日(木) 23:30 - 深夜 01:45
解説

遠く離れた場所からドローンを操作し攻撃する対テロ戦争の実態を描きながら、会議室の軍人と政治家、そして無人戦闘機パイロットの葛藤にも迫る。究極の決断に揺れる女性大佐をオスカー女優ヘレン・ミレンが熱演。

ストーリー

英軍のパウエル大佐や国防省のベンソン中将は、ロンドンにいながらドローン偵察機を通じてナイロビ上空からテロリストの一挙手一投足を監視していた。そんな中、自爆テロ計画を突き止めたパウエルは、米軍基地から無人戦闘機を操縦するパイロットのスティーブに攻撃命令を下す。だが、爆撃の殺傷圏内にパン売りの少女がいることが判明。攻撃は中断され、テロリストを攻撃するか少女を守るかの判断を巡って軍部や閣僚が対立する。

監督・出演

ギャヴィン・フッド

出演

ヘレン・ミレン
アーロン・ポール
アラン・リックマン
バーカッド・アブディ
ほか

字幕/吹替
字幕
掲載制限
なし
カラー/白黒
カラー
画面サイズ
ワイド画面
HD
※【ザ・シネマHD】にご加入の方は、
HD画質でご覧頂けます。

オススメキーワード

  • 鑑賞日 2019/5/12

    凄まじい緊迫感

    ケニア・ナイロビにあるテロリストの隠れ家をようやく突き止めたイギリス、アメリカ、ケニアの司令官が、無人偵察機での攻撃を決断するまでを描く戦争映画。偵察衛星(アイ・イン・ザ・スカイ)でとらえた自爆テロを準備する映像と、その拠点の外のパン売りの少女の映像を見ながら、攻撃を決断するまでの軍人(ヘレン・ミレン、アラン・リックマン)と政治家たちの、立場と意見の違いを、凄まじい緊迫感で描く。観始めたら、止まらなくなる。攻撃による少女への影響と、テロリスト殲滅を天秤にかけるが、どちらの決断が正しいのか、簡単に決められないところがこの映画の肝。

  • 鑑賞日 2018/12/15

    「ゼロ・ダーク・サーティー」よりかなり進化した戦略兵器。手を汚さないで敵を撃つ影には犠牲を伴う。良しとするか否か?少女は結局亡くなった。

  • 鑑賞日 2018/11/13

    息詰まる緊迫感

    ドローンによるミサイル攻撃については《ドローン・オブ・ウォー》があって2014年なのでこの映画より前になりそうだ。要人を攻撃できる点では新しいがやはり民間人も巻き込んでしまう恐れがあるので《ドローン・オブ・ウォー》では発射指令はCIAがしていた。この映画ではその段階ではなく、さらに外人が混じっていたりするので、発射指令を出すまでにいくつものプロセス、多様な意見が出てくる。実際はどうか分からないが、説得力ある映像で見てる側にも緊張感がある。引き込まれますね。鳥型監視カメラ、虫型監視カメラというのもスゴイなぁと思う。 神の視点か悪魔の視点かという話になり、一人の犠牲を恐れて、多数の死者を出していいのかといろんな問題が発生するが、それが今の戦争なんだろう。

  • 鑑賞日 2018/10/21

    戦争の現実はただただやりきれない

    気づいたらドローンというものは玩具でも販売されており、すっかり身近なものになっています。そもそもドローン(=雄蜂)という呼称は第二次世界大戦中に開発された無線操縦機の名称Queen Bee(=女王蜂)に因んだものと言われるだけあって古くから研究開発が行われており、当然ながら軍用兵器として今や欠かせないものになっています。 ドローンの軍事作戦での運用については2014年の「ドローン・オブ・ウォー」が記憶に新しいところで、日常生活をしながら軍事作戦に従事するドローンの操縦者への強烈な精神的負担を描いていました。 本作は「ドローン・オブ・ウォー」と似たアプローチも織り交ぜられてはいますが、更に拡張して現代の “会議室で行われる戦争” を描いたものとなっています。 本作ではドローンが作戦遂行の要であり、ハンターキラー無人機として有名なMQ-9 リーパー以外にも変わり種が登場。こんなんあるか?と思いきやアメリカ空軍の研究機関が昆虫型、鳥型のドローンのCGムービーを2009年に発表しており、これに基づいたものと思われます。2015年にはイスラエルで昆虫型ドローンが使われたとの報道もありますし、アメリカでは昆虫そのものをドローン化することに成功しているそうで、実際に運用されていても全く不思議はないのが恐ろしいです。逆にこういったものをテロリストが使うようになったらどうなっちゃうんでしょう。 他にも顔の特徴や耳の形から本人かどうかを割り出す照合システムが現場からも本部からも遠く離れたハワイで受け持っていたりして、ソフトウェアやネットワークの発達によって一昔前ではSFの世界だったものが気づいたら現実に軍事運用されているのに改めて気付かされます。 ストーリーはたまたま現場に居合わせた一人の少女の命か、自爆テロによって奪われるであろう80人の命か、どちらかを選ばなくてはならない究極の選択を突きつけられた作戦本部の面々の葛藤を描いていますが、これが実に緊張感たっぷりで一緒になってどうすればいいんだ!?と身悶えてしまいます。 まるで心臓の鼓動のような、時限爆弾の秒針のような、不気味なリズムを刻む不穏なBGMがまた切迫した状況を煽って胃が痛くなってきそう。 劇中で述べられるように法的議論においては「待てるが待つ必要はない」、軍事的議論では「待ってはいけない」。そして政治的には「テロリストが80人殺せばこちら側が宣伝戦に勝つ」が、「こちら側が少女を殺せばテロリストが勝つ」という議論は観客側にも突きつけられ、どちらかに考えが傾いても反対意見を聞くとそれも一理あると揺らぎ、自分自身でも答えを出すことができません。。 最終的に本部は80人の命を選びます。付随的損害予測が45%だということを拠り所にして。 しかし誰もが内心攻撃をしなくてはならないと思っていたのではないでしょうか。ただ、自らがそのために少女の命を犠牲にする覚悟と勇気がもてなかったのです。 映画ではよく主人公はルールを曲げてまで信念を貫きヒーローとなります。本作での主人公的立場のパウエル大佐もある意味同じことを行いました。自爆テロを起こそうとしているテロリストを阻止するために付随的損害予測が45%であると嘘をついて攻撃を決行させたのですから。 彼女には葛藤はあれど迷いは無く、自らの信念を貫いて80人の命を救ったのです。では、果たして彼女はヒーローと言えるのでしょうか…。 こちらの気持ちを代弁するように政務次官が「安全な場所からやったこの作戦は恥ずべきものだ」とベンソン中将を非難します。自らは何の代償も払わず危険も負わず、一人といえど無関係な少女を巻き込んだではないかと。 しかし彼は自爆テロの爆破直後の凄惨な現場処理を経験したことを語り「決して軍人に戦争の代償を知らないなどと言ってはならない」と言い残してその場を去ります。 軍人は代償を知っている、そういうお前はどうなんだ?それを言えるのは本当の悲惨さを経験した者だけだ、と叱責されたようでちょっとショックを受けてしまいました。 パウエル大佐を演じたヘレン・ミレンといい、ベンソン中将を演じたアラン・リックマンといい、覚悟と凄みを感じさせる演技にはただただ感服させられます。彼らの演技力が無ければ単に頭が凝り固まっただけの軍人になってしまっていたでしょう。特にアラン・リックマンの声を荒らげるのではなく静かに、しかし強い台詞回しにしびれました。 議論となった少女は攻撃に巻き込まれ瀕死の重傷を負いました。病院へ搬送されることで息を吹き返し、ギリギリまで議論を重ねた苦渋の決断は無駄ではなかったというラスト…かと思いきや何とそのまま彼女は亡くなってしまいます。 非常にショッキングで後味の悪い結末ですが、そこに本作の意味があります。 攻撃で即死ではなく、敢えて希望を感じさせておいて死ぬことでより悲惨さが際立つことを意図したのでしょう。どんなに議論を尽くしても犠牲は犠牲であり、そこに都合のいい逃げはありません。だからこそそんな毒を食らう軍人の勤めの過酷さ、そしてドローンやテクノロジーを使って世界一安全な戦場を作り上げてもそれは攻撃する側にとってのことであり、攻撃される側には何の関係もなく、やはり現地では人が死ぬのです。 いくら議論しても、道徳を重んじても、大義を優先しても、人は死ぬ。戦争の現実はただただやりきれないものだということを改めて示すバッドエンディングでした。

  • 鑑賞日 2018/9/18

    戦争の代償は誰が負う?

    《ドローン・オブ・ウォー》よりはるかに面白い。 作戦を実行したい軍人vsその軍事行動が法に則っているか、選挙民、大衆に支持されるか?を考える政治家。 ここでの軍人、そして政治家もすごく誠実だ。びっくりした。ここまで一人の女の子の命を考えて、より損害の少ないやり方は無いかを模索する姿に感動する。 『国民の生活が大事なんていう政治は間違ってますよ!』と叫ぶ前防衛大臣や、イラクでの日報さえも隠蔽する自衛隊を持つ我が国からは考えられないほど、この映画の英米の登場人物たちは誠実で人間的だ。 対する狂信的イスラム教徒は女の子が勉強することも遊ぶことも許さない。ISはそれを暴力で強制する。 狂信的イスラム教徒の自爆テロを防ぐためにそいつらを爆撃して殺すが、あのフラフープで遊んでいた女の子も結局犠牲になる。 両親が反米英のテロリストにならないという保証はない。 甲虫ドローンを操るバケツ売りに女の子の売るパンを全部買え!と指令を出した時には快哉を叫んだのだが、すべての努力は無駄になってしまった。 たしかに自爆テロは防げたし、重要度No4のテロリストも爆殺できたが、何の罪もない無垢な女の子を殺したのは、ドローンを操りミサイル発射ボタンを押した、奨学金返済のために従軍した若者だし、命令を下した軍人だし、それを認めた政治家達だ。 すごく重い問題を観客に突きつけながら、面白く見せることに成功した秀作だと思う。 狂信的イスラム教徒やキリスト教原理主義者の考えを改めさせるしかない。それにはやはり子供達、若者への教育と何よりもパレスチナ問題の解決だ。 あの女の子のフラフープ姿がすごく美しかった!

  • 鑑賞日

    虫のようなドローンが監視する戦争

    鳥だったり虫だったりするドローンが部屋の中まで監視できる戦争が既にある。操作するのは実際爆撃が行われる現地ではなく、自国や同盟国の基地だ。会議室だ。空襲の音すらなく、突然ミサイルが撃ち込まれてくる。恐怖すら感じる間もなく死んでいく。恐ろしい時代。誰と戦っているのか。

  • 鑑賞日 2018/8/11

    悲しい映画

    見ていてすごく辛い映画だった。正解のない選択にどんな判断を下すべきなのか、そんなことを考えさせられた。たった1人でもかけがえのない命だってのを痛感させられる。これからは簡単にやむを得ない犠牲だなんて言えないな。この映画自体はたぶんフィクションだけど、ほとんど同じ似た状況が現実でも起きているって考えると本当に辛いな。

  • 鑑賞日 2018/8/9

    まあ、こんなもんかな

    虫カメラはは本当にあるのか?

  • 鑑賞日 2018/7/17

    これだけの技術を持ちながら、子供一人が救えない。

    3年間かかって追い詰めたテロリストを攻撃するのに、4箇所での会議場所で協議しなければならない。最終的には、現場の映像を見てミサイルを発射するパイロット2人が、一番辛い。誰も得をしない戦争なんて、悲し過ぎる。

  • 鑑賞日 2018/7/14

    賞賛に値するが薦めずらい

    よく練られた脚本のおかげで、緊張感がずーっと続くハラハラの102分だった。『ドローン・オブ・ウォー』の時は、戦争はスクリーンの上で起こっていたが、本作では戦争は会議室の中で起こっていた。いや、厳密に言うと、これ、戦争ではないですよね。戦争映画にはつきものの、信頼の絆や犠牲心、そこから生まれる高揚感などは全くない。それは、技術、情報、数学、法律を総動員する何かのプロジェクトのようであり、そこにあるのは精神の摩耗のみで、それは観るものにも伝わってくる。ゆえに賞賛に値する出来なのだが、人に薦めづらい一作。

  • 鑑賞日 2018/7/9

    映画としては面白かった。

    観ていて、あくまでも映画の話だと思った、実際なら躊躇なく攻撃してるでしょう。

  • 鑑賞日 2018/5/24

    テロと人権を絡めるのはいい加減にしてほしい

    緊張感は半端なかった。 それは凄かった👍 . でも、この邦題煽り過ぎ。 今時、こんな攻撃当たり前やん。 . . 飽きずに見れたけど、 何か感じるもの…は無かったかな😅 . どの国にもバカはいる。どの国にも表面的な事に踊らされてヒステリー起こす国民がいる。だから優柔不断になってしまう…日本も同じやな。

  • 鑑賞日 2018/5/4

    他にはないのか

    そんな馬鹿な。他に手がないのか?と、普通に考えてしまう。

  • 鑑賞日 2018/3/24

    驚くべき技術

    ケニア・イギリス・アメリカ軍による特殊作戦。 昆虫型ドローンや無人機による攻撃対象のテロリストを監視と攻撃。 周辺での人的被害を想定した攻撃の各人の苦渋の判断の難しさが表現されていると思う。 後味が悪い終わり方も考えさせられた。 ※こんな精密な技術や判断が攻撃についてあるのだとすると、最近のシリアでの市民への誤爆?という言い方は考えられないぞ。

  • 鑑賞日 2018/3/10

    永遠に出せない答え

    極端な言葉の表現になるが 世界一安全な場所で まるでゲームで遊ぶように人の命を弄ぶ ボタンひとつで 街ひとつを簡単に破壊する 誰かの命令さえあれば 余りにも残酷な事実を容赦無く突きつけられ 地球の未来に暗雲が立ち込める こんな事してたら 将来 待っているのは破滅しかない アーロン・ポールが 『ニードフォースピード』と同じ人情に厚い役柄は真骨頂 彼は命令に背く形ではなく 安全性を今一度検証して欲しいと上手く切り抜ける 例え苦悩する表情でも彼の姿を 見ると胸が熱くなる アラン・リックマン 一見 冷酷非道の人物のように描くも 過去の経験が 最後までボタンを押す事を反対していた女性の胸に刺さる と同時に観客にも届く 本当の悪人はここには居ない 祖国の為に働いている 愛国者なだけだと語る ヘレン・ミレンが全て終わった後で帰路に着く車のボンネットを叩く土砂降りの雨はまるで彼女を攻撃するかのよう それにじっと耐えて運転する表情が上手く読み取れない 安堵してるようにも見えるし 悲観してるのかもしれない なんとか少女を助けようとする描写が結構あったのも救い パンを買いに走る少年が少女の元に辿り着くまでのサスペンスは秀逸 まるでドキュメンタリーのように観客の心理を追い詰めて行く 目の前の少女一人と大勢の人間 どちらを救うべきなのか 『アイ・イン・ザ・スカイ』で投げられた 問いかけの答えは永遠に解けない だけど 鑑賞後に読んだ町山さんの著書の一節「一人を救う者は世界を救う」 の言葉が胸に響く

  • 鑑賞日 2017/7/23

    自らは全く攻撃を受ける心配のない安全な場所から地球の裏側の戦場を飛ぶ無人機を操ってゲーム感覚でテロリストを攻撃するという現実にそこにある恐怖と無辜の人たちまで巻き込んでしまうことに悩む軍人たちを描いているが、圧倒的な軍事力を持ち、このような兵器を開発して実戦装備するような連中がそんなことを悩んでも嘘くさい。

  • 鑑賞日 2018/3/1

    米英軍合同チームによるテロリスト暗殺事案の顛末。

    ドローンによる捕捉と攻撃がリアルに描かれる。昔、「パトリオット・ゲーム」で監視衛星映像で見るゲリラ戦に驚き、湾岸戦争でのピンポイント爆撃映像もショッキングだったが、今のハイテク戦はここまで来たんですか。ちょっと前ならSFでしかなかったんですがねえ。 映画は、現代ハイテク戦の実態を更に深くえぐって見せる。軍上層部だけでなく、政府要人や友好国関係者がリアルタイムに映像を見ている。時には一般大衆も流出映像を見る可能性がある。現場の判断だけで安易な攻撃はできない。この辺りの喧々諤々が実に興味深い。誰しもがそれなりに筋の通った理屈を言う。観客にも容易に結論の出せない問題が突き付けられる。 単純に今どきの軍事サスペンスものとしても見事な仕上がり。戦争における倫理問題を提起して迫力があり、傑作です。

  • 鑑賞日 2018/2/28

    会議映画

    戦争映画というより、会議映画。 その会議の模様が面白いのだが。 それぞれの思惑、それぞれのイデオロギー そしてパワーバランス、それぞれの正義が交錯する。 サブタイトルは皮肉なのかもしれないが、決してそんな事はない。 責任はいつだって伴うわけで。 これからの近代戦争を描く上で非常に見応えのある作品。

  • 鑑賞日 2018/2/23

    ゲーム感覚の超近代戦

     遠隔操作の無人機による爆撃攻撃が実際に行われているという現代の戦争の実態とますます虚無化していく愚かさを炙り出す軍事サスペンス。  本作はまさに「事件は現場で起きているのではない。会議室で起きている」を地でいったドラマだ。  イギリス軍のパウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、現場から遠く離れたロンドンの基地からモニターを見ながら、イギリス、アメリカ、ケニアの各軍へ攻撃の指令を出している。  ここでは、一人の人類の命より多数の命を守ることが優先される。モニターだけを見ながらのキーボードをたたくだけで人の命が失われていく現代の攻撃はまともな人間なら精神的にまいってしまいそうだ。  

  • 鑑賞日 2018/2/25

    In war, truth is the first casualty. - Aeschylus 戦争の最初の犠牲者は真実である - アイスキュロス

  • 鑑賞日 2018/2/20

    監視と攻撃

    ドローン戦争物。 英国のお家芸と言えるブラックコメディが顔をのぞかせる。 テロリストによる明日の悲劇を防ぐ為に今人が死ぬ。 遠隔攻撃の内情。現代戦争群像劇。 スリリングな展開は選りすぐりのキャストによって初めて成立している。 現実世界で行われている戦いの内実。 娯楽作だが問題提起を明確に打ち出した意欲作。

  • 鑑賞日 2016/12/25

    希望はない……

    『戦争の最初の犠牲者は真実である』アイスキュロス🤔 アイスキュロスって誰😅 戦地から遠く離れた会議室でドローンが映し出す映像を見ながら戦争に加担する人々の葛藤を描き、現代の戦争の闇を浮き彫りにした軍事サスペンス。 いや〜〜緊張感ハンパない 面白いよ〜 2016年洋画あんまりだったからねぇ〜 本当に会議室でモニターを眺めている感覚になる 皆んな自分では責任を負いたく無い会議室での討論も何故か笑える😆。 流石アメリカはやり慣れてるせいか決断が早い 希望の無い最後……… これが戦争です😔

  • 鑑賞日 2017/11/5

    少し話の広がりが狭いと感じた。実際テロや過激派組織の行動に巻き込まれている人々は沢山いるのに、1人の少女のみにフォーカスを当て続けて話が終わるというのもどうなのだろう、、、。最後の終わり方はハッピーエンドのかけらもないけど、それが現実なんだろうしリアリティがあった。

  • 鑑賞日 2017/11/3

    上級エンタテインメント

    対テロリスト、ドローンという新たな時代の戦争映画 一人の目の前の少女を救うか、今後発生しうる自爆テロの発生を防ぐかの判断プロセスをリアルに描くサスペンス ストーリーに没頭しました ちなみに「世界一安全な戦場」の副題は蛇足だと思う。 確かに戦争は何万キロも離れた平和な地で判断されているが本作品の主題は違う。目の前に発生していた場合も同様のジレンマは発生しうる。かつ判断が必要。今回はそれが当事者のみではなく上層部まで判断を求める形になっただけ。問題点は上層部に行けばいくほど判断責任から回避しようとしてしまうこと。 自分ならどう判断するのか。 映画の中で示される付帯状況の変化に伴い自分の判断も微妙にブレていく。映画の展開で思いもつかない解決案が示されることも期待しつつ・・・(これは一種のウルトラマン症候群か?) ただ、映画での結論も全てを解決できる形ではなく無情なものとなった。 映画での甘い部分は多々あろうがこの緊張感も一種の上級エンタテインメント

  • 鑑賞日 2017/11/3

    アイインザスカイというタイトルが示す通り、空からの目という物理的な距離、限定された視点から作戦の内容、決断のタイミングを迫られる軍事シチュエーションものであり、タイムリミットサスペンス的な要素も含んだ手に汗握る傑作。 無駄なものを全て削ぎ落とし、目の前にある状況と情報で早急に判断すべき時に浮き彫りになる、タテ社会的な最終決定権のたらい回し、天秤にかけられない命の重さや道徳観。人道と政治の狭間で繰り広げられるやりとりに焦らされ、その間にも状況は刻一刻と変化していく。その畳み掛ける様が実に見事。 全体の平和や利益を守るために、たったひとりの少女の命は回避不可能だったと正当化され処理されていくのだろう。電話1本、メール1通で攻撃命令が下され、あとは絶対的な安全地帯であぐらをかいて、あるいはコーヒーとクッキー片手に見ているだけ。監視社会だからこその、新たな戦争の形も示唆され、その自分の手を汚さない汚したくないというエゴも含め、思わず身震いしてしまうような恐怖がある。

  • 鑑賞日 2017/9/27

    これはSFか?

    ◎ ここ2週間に3本の戦争映画を観た。『ダンケルク』に始まり、『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』と『ヒトラーの忘れ物』だ。いずれも第2次世界大戦とその直後を扱い、舞台はフランス、チェコ、そしてデンマークだった。この戦争が終わって70年以上が過ぎ、戦闘はますます進化し、そして安全になった。 ◎ 戦場はアフリカのケニア。攻撃するのは米英の連合軍。しかし、戦場に米軍も英軍も見えない。いるのはミサイルを抱えた上空のドローンと、米英の意を受けた現地人の協力者のみ。これはSFなのだろうかと疑った。小型の鳥型ドローンだけでなく、カナブン型まで飛翔する。自爆テロを繰り返す過激派のリーダーやあの独裁者などが観れば、空恐ろしくなる映画だ。兵器の進歩がいい意味での抑止力となり、無意味な血が流れなくなる日が来ることを願う。

  • 鑑賞日 2017/8/7

    逃げる背広組を追いかける制服組。

    イスラム過激派は国家として国民を養ったことはない。宗教的一本釣りで兵士を募る 軍事組織なので戦争をする力はない。すべて先進国の武器とコンピューター、ネット ワークを利用して、敵視する国家のアキレス腱を狙ったテロリズムを決行する。 宗教的な感化を目的とせず、配下の人間のみをマインドコントロールして自爆要員に 仕立て上げる。狙われる側の先進国にしてみれば、「ならずも国家」以下の賞金首の 無法者という扱い。19世紀なら無法者と保安官、インディアン対騎兵隊という構図が 21世紀となると、圧倒的な科学技術の粋を集めた軍事システムで、爆弾テロに対抗、 ドローンの偵察攻撃機で害虫駆除しても文句言うな、となる。強権的な政府ならガード は固いが、民主主義国家の方は、ネット社会で情報の管理そのものが難しい。 害虫駆除で、ご近所に迷惑をかけたことがバレるとはなはだ苦しい。選挙にも響く。 軍事オプションでも難しいケースは内閣の一員の判断が求められる。 ドローンの画像にパン売りの少女がターゲット近くに店を開く。ミサイルの発射ボタンを 持つ遠隔操作のパイロットが、民間人被害を想定した再度のダメージ評価を要求。 この映画で面白いのは、各政務次官がプレッシャーに負けて上席の閣僚に判断を 求めるところだ。ついには総理大臣まで遡る。 この予想外のパン売り少女の扱いが映画的スリルを書き換え、見事な戦時サスペンス を作り上げた。ともかく現代の戦争のあり方に一石を投じた問題作で、深く考えさせる。

  • 鑑賞日 2017/9/6

    細切れにされる決断と責任

    無人戦闘機のパイロットを主人公にした『ドローン・オブ・ウォー』とテーマは似ながらも、本作はあるひとつの作戦に対して、国をまたいで軍事・政治の両面でさまざまな人物が登場しており、より現代の戦争を立体的に感じた。政治的な決断と責任回避で細切れにされていく軍事作戦は、責任をだれもが負わないように遂行しようとするため、何とも後味の悪い気持ちになる。かといって、最後に女性官僚が放った「これは恥ずべき作戦です」といったコメントも、正論だけど、そんなきれいごとじゃおさまらない現場をある意味象徴したせりふだった。

  • 鑑賞日 2017/1/15

    現代の戦争の実態

    ギャビン・フット監督の新作で、ドローンで監視されて長年追い続けたテロリストがナイロビに潜伏していることを突き止めて、その捕獲作戦をイギリスとアメリカの合同で行うことになった時に、一味が潜伏先から武装地帯へと移動したり、建物内部まで見てみると正に自爆テロの準備中だったことも確認されて、指揮を執る大佐はドローンからミサイルを投下する作戦を進言するけど、発射直前に建物付近でパンを売る少女を発見して政府に決断を迫る、というサスペンスで、「ドローン・オブ・ウォー」でも描かれた現代の戦争の実態をより多角的に描いていて、今テロリストを確保または殺傷しないとまた地下深く潜伏されるおそれがあり、更に自爆テロが実行されると80人前後の犠牲者が出るおそれもあるので、同席していたイギリスの大臣に承認を求めるけど、10分から15分で攻撃を実行に移さなければならない状況で、テロリストの捕獲作戦と聞いていた大臣は突然の作戦変更に戸惑い、上への確認を求めて時間だけが経過していく、という設定は絶妙で、戦場だから逐一状況が変化するのは当然ですが、今やその状況がリアルタイムで分かる時代となり、軍人以外の人間がその変化に応じて判断を下さなくてはならない、という現代の戦争の実態を描き出していて、ドローンってスゴいけどもはやここまで今来ているんだ、と思いましたね。イギリスの大臣が悩みに悩んでいる時にアメリカの高官が、これはすぐに攻撃すべき状況です、とあっさり言っちゃうのがお国柄と感じましたね。

  • 鑑賞日 2017/8/4

    安全な戦争の虚しさ

     最先端のドローン技術を使った戦場を扱った映画としてはイーサン・ホーク主演による「ドローン・オブ・ウォー」があったけれどこちらの方がサスペンス映画として数段面白くできている。狙撃手のトラウマに重点をおいた「ドローン~」は主観に重点が置かれすぎていて映画としての面白みに欠けていた。その点、本作は過激派の重要人物の捕獲をめぐるミッションに焦点を絞り、攻撃命令が下されるまで、いや実際にミサイルが発射されるまでの段階を踏んだ確認作業をリアルに描いていて最後まで緊張が緩むことがない。  しかも現場でパンを売る健気な少女を絡ませることで人道上の問題をも浮かび上がらせ、攻撃の是非をめぐる侃々諤々がよりサスペンス度を高めることになっている。  上空からのカメラによって映し出される現場のクリアな映像を見ながら判断を下そうとする絵ヅラには神の視点による目線を感じてしまう。けして危険な戦場に足を踏み入れることのない安全な戦争がもたらすトラウマや問題点がそこに浮かび上がる。  監督のキャビン・フッドはかつて南アフリカの荒んだ社会に生きる少年は熱い眼差しで描いた「ツォツィ」を撮った人。自身南アフリカの出身でありアフリカという土地には思い入れがあるのだろう。少女の巻き添えの死という結末には結局どんな戦争でもこうした悲劇と無縁であることはできない、というメッセージに思えた。

  • 鑑賞日 2017/7/29

    驚くべき映画

    冒頭 戦争の最初の犠牲者は真実である というメッセージと、老いを全く感じさせないヘレン・ミレンの好演と、最後のテロップで アラン・リックマンの冥福を祈る という言葉に驚いた。特に、アラン・リックマンを初めて映画館で見たのは『ダイ・ハード』。まだ日本で無名に近かったブルース・ウィリスを一気にメジャーにした。そしてあの映画でアラン・リックマンはテロリストを演じていた。似非テロリストだったが、その彼がこの映画でテロリストを殲滅する側になっている。 驚くべきことだ。 そして映画は淡々と空中から現場を観察する。 パンを売る少女が自爆テロを企てるアジト近くにやってくる。テロリストを逃せば多くの犠牲を出す。少女1人の命と天秤にかけられる。 『アメリカン・スナイパー』の冒頭のシーンに重なる。 ここで見る側は命の重さについて考えさせられる。 1人の少女と、これから行われる自爆テロによって命を奪われるであろう未来とが天秤にかけられる。 悲しい映画であった。 然るに現実は、ドローン戦争から情報戦争にシフトしている。見えない戦争である。 もはや恐怖をこのように目の当たりにできる状況ですらない。 逆説的だが、『ダイ・バード』の頃のほうが、まだわかりやすかったかもしれない。

  • 鑑賞日 2017/7/21

    強烈なインパクト

    似たような作品に『ドローン・オブ・ウォー』があるが、本作『アイ・イン・ザ・スカイ』とは内容はまったく違う。『ドローン~』では無人機のパイロットが抱える苦悩が描かれるのに対して、本作のテーマは「テロを排除するために民間人の犠牲はどこまで許与されるか」という、あるいみ哲学的なもの。民間人を巻き添えにすることが避けられない爆撃の決断を、戦地から遠く離れた会議室に集まったお偉方が無慈悲に下す様は、議論を呼ぶこと必至だろう。 法的、政治的、人道的見地から攻撃の是非を評価し、利害関係を調整し、紆余曲折を経て攻撃にGoサインが出されるプロセスは一見すると「苦渋の決断」だ。しかし彼らの誰ひとりとして実際に戦場にいるわけでもなければ、「ヘルファイア」発射のトリガーを引くわけでもない。極端な物言いをすれば、彼らは空調が効いた快適なオフィスでふかふかのソファに腰掛け、クッキーでもつまんでコーヒーや紅茶を飲みながら、モニターに映し出される戦況を吟味して「殺せ」と命じるのだ。 爆撃の影響で吹き飛ばされながらも一時は命をとりとめた「パンを売る少女」が、結局は搬送先の病院で無慈悲にも死んでしまうという衝撃のラストは、この映画のメッセージそのものだ。よくある普通の映画なら、この少女は死なずに終わったに違いない。「戦争で犠牲になるのは、いつも市井で懸命に日々を生きる一般市民なのだ」ということを強烈に訴えかけるエンディングだと思う。付け加えれば、この少女が結局は死んでしまったことを、無人機のパイロットを含め作品中のお偉方はほぼ確実に知らない。彼らは少女の死を回避できたと思ったままなのだ。このやり切れなさもまた、戦争の「リアル」だろう。

  • 鑑賞日 2017/7/18

    虫ドローンすごい

    安全な場所から戦場を指揮操作する彼らを、高みの見物と一言で表すことはできない。周囲の危険性を確立で割り切る覚悟、ボタン一つで生命を終わらせる覚悟、それらは簡単には抱けないものだ。ラストも悲痛が広がる。あの生命の行方を彼らは知ることなく、まあ次の戦場で覚悟を振りかざす。

  • 鑑賞日 2017/7/5

    良い映画。 私はどこかで勘違いをしていました。 ドローンによる戦争/攻撃というのはまるでゲームのようなものなんだと思っていましたが、この映画をみているとそれは間違っていました。 個人を特定出来てしまうレベルの映像がリアルタイムで見れ、そして攻撃後の遺体までも確認できてしまう。 人が死ぬ様をライブビューできてしまう。 戦場の最前線で戦うよりも遥かに冷静な状態で人を殺すということ。 アドレナリンの出ていない状況下で、自分の身に危険が無い状態での攻撃という自らの行動が後にどれほどの精神的ダメージを与えるのかは計り知れない。 映像という媒体が持つ情報量は非常に恐ろい。 映画の演出、脚本もとても良かった。 ただ少女の死が病院で確認されて以降のカットは私的にはもったいなかった。 特にラストの少女のフラフープは本当にいらない。それまでで彼女と彼女におきたことは十分に語られていて、私自身もすごく考えさせられたのに、ラストの彼女のカットに関しては脚本家の意見を言って終わられた気がした。 あとはパイロットが操縦部屋から出てきたときに、日常という意味で隣の掃除部屋からなにも知らないパイロットがでてきて日常的に話しかけたりしてほしかった。

  • 鑑賞日 2017/5/31

    もはやドローン攻撃もすっかり戦争ものの一ジャンルとして定着した感がありますね。今回の作品は、アメリカ、ナイジェリア軍と共同作戦を行うイギリスの政府・軍が主な舞台。当然、この「同盟国」間には明確な階層があり、アメリカに圧力をかけられつつナイジェリア側に無理難題を押し付けるイギリス勢の中にも上下関係や対立が存在する。 一方で、英米が決して見ようとしないのは、ナイジェリア社会の中には「テロリスト」だけでなくその周辺で生活を営む多くの人々がいるということ。作戦のターゲットである「テロリスト」たちの隠れ家の前で、近所に住む少女がパンを売る屋台を広げたことから、順調に成功するかに見えた作戦は、突如として軍事目的と人道主義の間の綱引きに変わることになります。 ターゲットを殺害することしかなく頭になく、どんな手を使っても障害を除去しようとする大佐の要求を前に、うろたえ、責任を逃れようとする政府高官たち。お腹をこわしている外務大臣の描写など、ほとんどコメディに近い決定者たちの様子と、その無責任な決定が現地にもたらす悲劇とが対比する形で描かれることになります。 とはいえ、この映画の語り口は、激しい告発でもなければ黒いユーモアでもなく、中途半端にすぎる感じは否めない。とりわけラストシーンで、攻撃中止を最後まで主張しきれなかった政府高官の女性が、アラン・リックマン演じる将軍に「卑怯な戦争」をなじるものの、軍の論理で言い返され、黙って涙を流すしかないという終わり方では、けっきょく現状追認以上の何をこの映画で訴えたかったのか、首をひねらざるをえません。それでラストシーンにナイジェリアの少女の生前の姿を持ってきたところで、結局は卑怯な戦争を支持している国々の市民の感傷にしか供しないでしょう。新しい戦争を描くには新しいアプローチが必要になるはず。

  • 鑑賞日 2017/5/27

    非常に繊細で誠実な映画

    バカバカしく見える許諾と保留の件をサスペンスふる見せるのは、手練れの役者陣がなせる業。 ただただ願うのは、彼らを狂信者と呼び、娘に教育と自由を与えた両親が目の前で娘を殺されたことにより、テロリストになり80人どころでは済まない人を殺害することにならないこと。。。

  • 鑑賞日 2017/6/2

    そうすべき結末

    無駄のないストーリー展開、リアルな描写。テーマがテーマだけにはばかられる言葉ではあるが、緊張感に満ち、非常に面白い。 映画の中の登場人物たちも、観客の我々も一緒になって攻撃に巻き込まれそうになる少女が立ち去ることを祈らずにはいられない。 彼らが下した決断は、非情だが、その選択しかあり得ない。 一縷の望みを観客に抱かせつつも、映画は無情にもそれを打ち砕いてくれる。見事である。戦争なのだから。 数々の作品で楽しませてくれたアランリックマンの遺作となった。

  • 鑑賞日 2017/5/29

    ドローンを操って空爆する物語。現実感の無い戦争映画。スリルがあって良くできていた。

  • 鑑賞日 2017/5/13

    リアリティって?

    兵士が埃と泥にまみれながら銃を撃ち合いながら陣取り合戦を行うのでは無く、現在の戦争は、言い訳の為の手続きに悩まされながら、遠隔操作で敵の組織を壊す先制攻撃を行う。こんな感じなんだと思いつつ映画を観ていた。ハチドリ、甲虫と瓜二つで、その動きまで似ている小型カメラには驚いた。これは現実にあるモノなの?ちょっと前のSF映画に登場する道具じゃないか!! 確かに、なにも特別ではない普段の生活で、コンピューターを腕時計にして使っている様子は、かつてのSFの世界なのだから、最先端技術が使われる軍用だと、単に映画だけの絵空事では無いような気もする。 基本映画なのでフィクションではあるのだが、どこまで本当にあることで、どこが演出上創り出したことなのか想像が出来ない内容なのである。と言いながらもこれまで観てきた映画で感じていたリアリティとは、一体なんだったんだろうなんて考えたりもする。決して体験したことでは無かったはずなのに、現実的に思えたのはどうしてだろう?多少ドローンを使った戦争について見聞きした事があるのだから、もっとリアリティを感じても良さそうなのに、この映画はどうもウソ臭く見えてしまうのだ。 ほんの少しリアルを知っていると思っている領域だからか、リアリティが感じられる凄い演技であればあるほどウソに見えてしまった。 なにより、一人の少女の存在で、国のトップまで巻き込んだ許諾 のやりとりや、ドローンパイロットが攻撃命令に刃向かうところなど、この映画の陳腐な「正義感」を主張している気がしてウンザリさせられた。 政府高官とやり合う軍の代表役として、アラン・リックマンが登場していた。彼の遺作となったようで、エンドロールでは追悼のメッセージがあった。個人的には、ダイ・ハードの偽テロリスト役ではじまり、テロを阻止する軍人役で終わったアラン・リックマン。目立つことは無かったが、無くてはならない存在感のある役者だった。

  • 鑑賞日 2017/5/3

    結局は標的の近くにいる我々も標的っていうことなんだ

    ドローンを使ってテロリストを暗殺する英米共同作戦。失われる可能性が非常に高い少女の命と自爆テロで予想される被害が天秤にかけられる。昔のいい方をすれば「衝撃の問題作」と言っても過言ではないであろう。 しかし、この作品の日本公開から少したった今年4月、シリア政府が反体制派への爆撃に化学兵器を使った疑いのもと米トランプ大統領がアサド政権に対してトマホーク59発の制裁爆撃を行い民間人9人が巻き込まれ死亡してからはこの作品が訴える命の天秤の概念が完全に崩れてしまった。(こうした付随的被害はかねてよりあったが大きく報道された点での意)作品は英国軍の諜報機関を舞台にしているがEU離脱が決まった今、命の天秤の解釈にはアメリカとさほどの違いはないであろう。 米英に代表される世界のテロ対策が、地上戦といわれる戦闘からドローンを使っての容疑者暗殺に移行していることを知って衝撃を受けた。そして自爆テロによる無差別殺人を回避させるがためにかなりの数の民間人がこの作品の少女のように巻き込まれ殺されていることも。 作中、閣僚と軍の間で「法律的にクリアされれば作戦を実行できるが如く」の議論がしばしば登場する。これこそ法解釈による殺人容認行為であり、制度的に人命がやりとりされる最たる事例といえる。現実を知る恐ろしさを実感させられる作品だ。これからは、われわれ市民も「国家による空からの目」の(巻き添え)標的となることを覚悟しなくてはならないということであろう。本当に恐ろしい世界になってしまった。

  • 鑑賞日 2017/4/29

    戦争への責任感

    評論家・町山氏が絶賛した作品。期待していなかったが、引き込まれてしまった。ソマリアのイスラム過激派の自爆を防ぐためのドローンを使って拠点を爆破する作戦。米英政府、米・英国軍が拠点に自爆者が入り、その準備をしているのを、爆破しようとする。その建物の塀の外でパンを売る少女が現れる。爆破のタイミングをどうするか?政府・軍関係者の決断を誰にさせるかの議論は、「シンゴジラ」の日本政府の高官に通じており、笑える。英国軍キャサリン大佐が、少女の売り場が爆弾による巻き込まれ率が50%以下にならないと、発射命令が出せない。爆弾の投下位置をシミュレーションさせて、「45%から60%」となって、投下を命令する。少女を移動させるための策を試みるが、間に合わない。少女は病院で死亡するが、狙撃のスイッチを押したドローン操縦士はやりきれない気持ちでネバダの基地の外に出る。現在の戦争は、現地から遠く離れた基地に情報が集められ応現がなされる。偉いさんは責任逃れをし、スイッチを押す者が最後まで悲劇の現場を見続ける。パンを売る少女が可愛い。フラフープで遊ぶ姿が印象的であった。演じた少女の名前は??

  • 鑑賞日 2017/4/24

    チョコチョコ断片的に

    昔から人命と銭の交換是々非々が問われているが、現実此の映画?現実時間差が問題でしょうか?いや日本で超法規で交換して大変な問題が怒ったの現実です。箱に入った人が指示に従い遠隔操作相当な精神負担が有ると思いますし其れもが描かれているのですね。

  • 鑑賞日 2017/3/10

    考えさせられました

    考えさせられました。 単にゲーム感覚のように戦争ができてしまう あちら側こちら側と言わせていただきますが、大儀のためならなんでもいいのか? こちら側もあちら側も結局は同じ 大儀ってなに かといってこうだろうって結論つけれない自分もいる いや〜ん 誰か〜

  • 鑑賞日 2017/2/25

    戦争ほど悲惨なものはない

     少女を助けるか、犠牲にするか。  誰が責任を取るか、誰に責任をなすりつけるか。  「一人の人間の生命は、地球より重い」というような言葉を聞いたことがあるが、任務や立場を建前に、保身に走る登場人物が面白い。  最前線で、上層部の混乱に右往左往させられる、バーカッド・アブディが、巧い。  若い操縦士の葛藤も相まって、『仁義なき戦い』のような悲喜劇がスリル満点で描かれ、あっという間の約100分だった。

  • 鑑賞日 2017/1/21

    「会議は踊る、されど進まず」

    ドローン兵器が普及した現代の戦場を描く軍事サスペンス映画。 以前「シン・ゴジラ」の感想で「会議シーンの面白さ」を取り上げたが、本作はそれをもっと推し進めたような映画だ。大雑把にくくれば本作も戦争映画に入るのだろうが、戦争映画らしい銃撃戦も、派手な爆発の連続も、熱い友情のシーンも本作には存在しない。 ケニア上空を飛行するドローン爆撃機が、捉えたテロリスト集団のアジトにミサイルを撃ち込むか、撃ち込まないのか。それに関する会議が、約100分延々と続く。 こう聞くと退屈に思えるかもしれないが、そんなことはない。 「ミサイルを撃つか、撃たないのか」というただひとつの選択を軸に、100分を引っ張っていく脚本は秀逸というほかない。当初の「テロリスト捕獲作戦」が思わぬ誤算により不可能となり、混乱するロンドン。そしてテロリストたちが自爆テロを今まさに企てていることが発覚し、作戦司令部は「捕獲を諦めドローンによる殺害を」と提言するが、人命がかかった状況に日和った政府上層部はなかなか決断を下せない。 そしてこの状況にさらなる緊迫をもたらすのが、爆撃の予想地点の近くでパンを売る現地人の少女アリア。彼女の存在一人が、より会議を混迷へと導いていく。文字通り「会議は踊る、されど進まず」。 彼らのやりとりがよくある「有能な軍人vs無能な政府高官」という構図に収まっておらず、高度な政治戦になっているのが本作の面白さだと思う。何とかしてミサイルを撃ちたい統合司令部。この攻撃がイギリスにとってのスキャンダルになることを恐れ、責任の所在を上の人間に求め、決断を下せないコブラオフィス。アリアを救いたいと攻撃を躊躇うドローン操縦士たち。彼らの思惑が「世界一安全な戦場」で交差し、火花を散らすさまはドラマとして面白い。 誰も絶対に間違っているわけではない。誰の言い分も部分的には正しく、部分的には間違っている。 「何年もかけてやっと見つけたテロリストを逃す訳にはいかない」「ここで一人(アリア)のために攻撃を躊躇えば、自爆テロでその80倍の被害が出る、コラテラル・ダメージを考慮しても撃つべき」という統合司令部のキャサリン。 「この攻撃が露見すれば、民衆はイギリスを非難する」「戦闘に勝利しても、我々は『政治』の戦場では負けるのだ」と攻撃を躊躇うコブラオフィス。 ただ一発のミサイルが、国家の運営さえ左右する。その緊張からくる政治劇の面白さは、他の戦争映画には決してないものだ。 政治劇を抜きにしても、現代の戦場を描くシーンも他の戦争映画にない面白さ。ケニア現地でテロリストに最接近し、命がけで情報を集める工作員たちの活躍。彼らから得た情報を解析するパール・ハーバーの解析班。何より現地で活躍するドローンの性能の凄さには驚くばかり。 鳥型カメラドローンは「これはありそう」と思ったが、その後に登場した甲虫ドローンには驚き。これがテロリストのアジト内を飛び回り、決死で情報を届けるシーンも「いつ気づかれる?」という緊張感を高めるのに一役買っている。 特に、現地工作員のジャマの活躍は見もの。終盤でのアリアを救うために取った行動が、クライマックスの衝撃をより大きなものにしている。 かつてなくリアルな「現代の戦場」を描いた、今までにない戦争映画。「シン・ゴジラ」のような緊迫感のある会議シーンを楽しみたい人や、「U・S・A!」なノリの戦争映画に飽きた人にはオススメしたい名作。

  • 鑑賞日 2017/2/16

    余計なこと考えずに

    「正義とは」とか、「戦争とは」とか考えずに娯楽として見る。ずっと緊張感が保たれ胃が痛くなるくらい。もうチョット早ければ、もうチョット遅ければ・・。秀逸でした。重たいテーマは後からゆっくり

  • 鑑賞日 2017/1/25

    ちいさなスパイ

    かなぶんみたいな小さなドローンが大活躍。もちろん外で 操作する人がたいへんなのだけど、近い将来、自己判断で 飛び立つ昆虫ロボもでてくるのではないでしょうか。 自分の家の周辺にも、蝶やセミ、カナブンに蜂があらわれる わけで、もしかするとその中に、ロボが潜んでいたりして・・・。

  • 鑑賞日 2017/1/20

    モニター越しでしか認識できない戦闘

     イギリス軍のキャサリン大佐は国防相のフランク中将と共に英米共同作戦のテロリスト捕獲作戦をロンドンから指揮していた。アメリカ軍のドローン偵察機や現地協力者が飛ばす鳥形あるいは虫型のカメラから送られてくる映像をイギリス軍アメリカ軍およびケニア軍の指令室で各司令部がみつめていた。ドローンはナイロビの過激派組織のアジトを突き止め、その映像から自爆テロが準備されていることを知る。キャサリンは捕獲作戦を変更し殺害作戦へと移行したが、爆撃地点のそばで少女がパンを売る姿が映像にとらえられたことから、攻撃命令の責任のなすり合い、法務上の問題点の確認、パイロットの攻撃躊躇など様々な問題が生じスムーズな攻撃が出来ずに時間が過ぎていくのだった。  目標のテロリストの傍に自爆テロを準備し体中に爆弾を巻き付けた男がいる状態で、捕獲作戦を殺害作戦に変更するのは当然といえば当然。しかしそこから戦争とは思えない許可承認の問題が生じてくる。自国や自軍に対する明らかな脅威ならば多少の犠牲を払っても問題ないのでしょうが、異国で起こるだろう自爆テロを阻止しなかったことで多くの市民が死んでも悪いのは過激派組織で、それを阻止するために一人の少女が死んだとすればその攻撃を仕掛けた英米軍が批判にさらされるというもの。攻撃位置の微妙な修正で少女が死ぬ確率を出来るだけ下げようとしたり、攻撃命令を出来るだけ上層部つまりは首相あるいは大臣にまで上げたりとか、色々とシビリアンコントロールがなされていくが、もうすぐ起きる自爆テロを阻止するには時間が足りないほどでした。シビリアンコントロールを揶揄しているようにも見えましたが、一方では作戦に参加している英米軍の軍人たちに例え作戦が失敗しても一切の被害がないというあたりは現代のハイテク戦に対する皮肉でもあるのでしょうね。ドローンからの攻撃に反撃されても失うものはドローンだけという戦争。人が死ぬという現実をモニター越しでしか認識できない戦闘って何なんでしょうね。核のボタンもそうかな。ボタンを押しても核弾頭を搭載したミサイルは、はるか遠くの基地から発射され到達地点はさらに遠くの異国なのですから実感なんてものは一切感じられないのですから恐ろしい。こんなボタンをトランプに預けて大丈夫なんでしょうかねえ、というところまで感じるのは深読みかなあ。

  • 鑑賞日 2017/1/30

    ★★★

    風刺映画

  • 鑑賞日 2017/1/26

    戦争

    テロに倒す米英戦争ボタンスィッチで犠牲者は子供の家族

  • 鑑賞日 2017/1/20

    戦争ってやはりしちゃいけないという結論になるか

    戦場から遠く離れた場所からミサイルで攻撃するという現代の戦争を描くとともに、数の論理についての戦争も考えさせられる。この点からも異色の戦争映画であったと思う。 少女ひとりの命よりもこの後予想される80人の犠牲者の方が大事。数の論理で多数決で決めるのだけれど、しかし人命を数で決めて良いのか。 そもそも少女があそこでパンを売っていなくても、戦闘員で無い者が歩いている場所じゃないか。その犠牲を計算に入れていないのはどういうものか。 だいいち、パンを売っているのが少女じゃなくて、民間人のおっさんやおばはんだったらためらいなくミサイル発射して良いのかどうか。そこまで行くと、そもそも戦争がいけないということになるけれど、こういうことを決めるのはやはり数では単純に割り切れないことだ。 昔なら無差別に攻撃した東京大空襲だって、独裁国家をやっつけるためにそうしても良いと開き直れるが、今の時代はこの論理も通らない。 だからこそ、政治家、軍人ともに少女ひとりの命を犠牲にするかどうか上の人は責任取りたくないから、他へ決断を委ねる。 責任を取らないのはなにも極東の島国の政治家だけではないということが判る。ヨーロッパの島国の政治家も同じであった。 そういう状況下、ヘレン・ミレンの大佐は何にも躊躇なく攻撃しようとするので、冷酷な軍人に見えるし、これを女性にしているのもなかなか凄いことだと思うが、これがプロの軍人というものなんだろう。作戦を成功させることだけを考えたら良いのであり、それが軍人としての仕事を成し遂げるプロフェッショナルということになるんだろう。

  • 鑑賞日 2016/12/23

    なんでそこで売るの。

    冒頭でフラフープに興じる少女の命が焦点になることは明確だが、 そもそもこの少女があそこにいなければ即座に攻撃したのは明白。 周囲にまったく民間人がいなかったとは思えないし言い切れない。 あるいはこれが幼気な少女でなかったなら?(すいません)なんて 色々憶測してしまったところだが、やたら問われる1:80の比率。 命の重さを問うなら一兵卒を帰すため何人も兵士が犠牲となった あの名作の作戦は正当だったのか?などいちいち問いたくもなる。 ヘレン演じる大佐は一刻も待たずに攻撃を要請、会議に挟まれる 中将は意見に阻まれ指示を出せない、ドローンパイロットは悩み、 工作員は何とかパンを買い占めようとする。其々が各々の役割を 果たすことにのみ集中する過程で、どうしようにもできない現実 が目の前に広がっているのだ。こんなに早くパンが売り切れて欲 しいと思ったことなど一度もない。そこから早く立ち去ってくれ。 今そこにある命か、今後予測される多数の命か。そんなこと人間 が即答できるものではないので、決断を迫られる人間達は結論を 先延ばしにしようとする。パイロットが指示に従い攻撃後に祈る 姿勢はもちろん、誰もが罪のない民間人を殺したいとは思わない。 こんな詭弁は安全な劇場で鑑賞した自分が言うに過ぎないけれど。 これが遺作となったA・リックマン。今作の彼ほど惜しい俳優だ と感じさせてくれた役はない。最後の台詞の重みがズッシリと肩 にのしかかり、現場を見もせずにものを云う愚かさが身に染みる。 (神の目。が存在するなら民間人だけを避けられないのだろうか)

  • 鑑賞日 2016/12/30

    緊張感が漲る

    「アイ・イン・ザ・スカイ」という映画は、予告篇で観た通り、テロリストが潜むアジトが特定され、中では自爆テロの準備も進むという状況下で、ドローンに搭載したミサイルを発射しようとすると、そのすぐ前で少女がパンを売り始めるので、発射を強行するかどうか、英国軍幹部と英国の政治中枢、並びに攻撃を実行する立場の米国軍基地との間で議論が進められるお話で、ハラハラとした緊張感が漲る映画でした。 アイ・イン・ザ・スカイは、前線の英国軍指揮官のヘレン・ミレン、司令部で指示を出すアラン・リックマン、リックマンと協議する法律顧問や外交官、閣外大臣のジェレミー・ノーサム、ドローンを操作してミサイルを発射する米国軍の担当者アーロン・ポールと相棒女性のフィービー・フォックス、さらには外遊中の英国外相イアン・グレンらが、判断を下しかねて責任を上へ上へとなすりつけ議論を重ねる姿が、まるで「シン・ゴジラ」における日本内閣と重なるのであり、描写にリアリティがありました。

  • 鑑賞日 2017/1/18

    大佐、2個売れました!残り2個です!

    まさか、自分が、パンの売れ行きでドキドキする日が来ようとは。 名セリフが目白押し。 ストーリー自体は、ドローンオブウォーとほとんど同じ。 だから、さほど期待していなかった。 が、ドローンオブウォーを全方向でバージョンアップした傑作だった。 しかも、当然のように終始シリアス路線でいくのかなと思い込んでいたので、まるでモンティパイソンかと思うイギリスのシーンを始め、ニヤニヤできるところもたくさんあった。 最後まで、少女の命を守るべきと主張していた女性官僚が、後半、「今我々が彼女一人の命を奪うより、テロリストがこの後80人の命を奪う方が、宣伝戦に勝てる…」と呟いた瞬間、お前もかっ!と驚愕。タチの悪い正義のお手本が突然現れたのも凄かった。 そんな彼女の決めセリフは、「ズルい人っ!」 とにかく、全ての登場人物の立場の描写が綿密。 冒頭ではあんなにクールで凛としていたヘレンミレンがだんだん焦ってきて、最終的に見せた、親に嘘がバレた時の子供みたいな絶妙な表情が忘れられない。見事。

  • 鑑賞日 2017/1/20

    不条理な世界の不条理な戦争

     1人の少女を犠牲にして80人の犠牲者が出る可能性があるテロを未然に防ぐか、80人の命を危険にさらしてでも1人の少女の命を尊重すべきか、という究極の選択を迫られた軍人、政治家、官僚たちの葛藤を描いたポリティカルサスペンス。原則論を通す者、最終的な責任を回避したい者、1人よりも多数の命を優先すべきだという者、自分の命の心配をしなくていい連中が他人の命に関して議論を繰り広げる一方で、現場に入り込んで偵察し、さらに自分の命を危険にさらして少女を救おうと行動する者がいる。会議室にいる連中の傲慢さに不快感を感じるながら、それだけでは済ませられない現実が一方に存在する、というジレンマを感じながら観ていた。アラン・リックマンの最後の言葉が重かった。個人的には「ダイ・ハード」以来贔屓にしていたアラン・リックマンが、これで最後かと思うと辛かった。

  • 鑑賞日 2017/1/18

    ヒリヒリする緊張感と絶望

    ギリギリの策を労しても結局あの子を助けられない皮肉な結末に収斂する物語に絡め取られ緊張の途切れる隙の無い2時間。これぞ映画、という満足感に鑑賞後の遣る瀬無さもひとしおでした。絶品

  • 鑑賞日 2017/1/17

    世界一不条理な戦場

    今作は衝撃度がとても強く、心にズッシリと重くのしかかる。 昨年ここ日本で公開されて話題になっている第二次世界大戦を扱ったアニメ映画でもメインに描かれているのはある1人の女性の平凡な日常。今作でもある1人の少女の何気ない日常が随所に画面に映し出される。昼下がりの庭でフラフープで遊ぶこと、父と一緒に宿題をすること、母の焼いたパンを街角で売ること…。その日常を問答無用に一瞬で奪おうとするものがこの現代では、会議室のモニターと衛星回線、そして無人兵器ー。虚しさと愚かさと恐ろしさで胸が掻き毟られる。 軍人、政治家、法律家。それぞれの立場の思惑や見解の中に人間性の本質である感情や葛藤が介入することで物語として成立できた今作。現実には軍事作戦の妨げとなるそういった障害や、直接手を下す末端の軍人の責任能力や精神的苦痛軽減の為にA.Iの導入も進められていると聞く…。A.Iによる軍事システム、SF映画『ターミネーター』で描かれた"スカイネット"が絵空事ではないことに驚愕と不安と恐怖で背筋が凍る思いがした。 今作で描かれている事象はこの現代の世界中で現在進行形で起こっている由々しき出来事。そういった観点からも前述のアニメ映画同様、より多くの人々に観てもらいたい、というより観るべき作品であることには間違いない。にも関わらず公開館数の少なさや話題の挙がらなさに歯痒い思いがしてならない…。

  • 鑑賞日 2017/1/15

    究極の選択は

    映画で繰り返し取り上げられるテーマ。 形而上学的に語られると(たとえば『ダークナイト」)、観客は「まあねえ、難しいよねえ」と哲学の問題を出されたような気持になる。 しかし、この映画は観客も許さない。かっこいいタイトルから緊張が続き、最後は画面に向かって「助かってくれ」とひたすら祈っていた。 ヘレンミレンは今まで見たうちで一番適役に思えた。バーカッド・アブディが活躍する。

  • 鑑賞日 2017/1/16

    予想外の問題提起

    自爆テロを未然に防ぐためイギリスとアメリカの軍司令部がドローンによるミサイル攻撃に踏み切ろうとするが、敵のアジトのそばで物売りをしている少女の存在が火種となり、発射か否かの白熱の議論が展開されていく異色の戦争映画。 アジト付近に設置されていた小鳥を模した小型カメラや昆虫サイズのカメラが遠隔操作でアジトの周辺を探査し、昆虫カメラは内部にまで潜入し国際手配中の犯人の顔認証を即座に実行してしまう。ドローンによる戦術だけでも驚きであるが、まるでSFでも見ているような秘密兵器の活躍ぶりには、まさに戦争は会議室で起きていることを如実に表していた。 ヘレン・ミレン扮する大佐は少女を犠牲にしてでも今後予想される大規模な被害を防ごうと攻撃を推進していく。一方でイギリスの軍関係者の中には、アジトにアメリカ人がいることを理由に政治的観点からの回避行動を求めてくる。このあたりは丁々発止の駆け引きが十分に楽しめる作劇で唸らされた。当初ミサイル攻撃により少女が致命傷を負う危険予測が65%だったものを、着弾点をずらすことで45パーセントにまで低下させることがコンピューターの推測値として計算される。これが決め手となりミサイルは発射、敵は全滅、少女は重傷を負う。本作の残酷な部分はここからで、病院に搬送された少女は手当てする間もなく息を引き取る。この事実を軍関係者は知らないまま映画は終わっていく。 未然に自爆テロを防ぐことはできたが、その一方で無垢なる少女が命を奪われた。ここに至る過程で核になった考え方は死亡者の数の大小である。つきつめれば、少数派が多数派に数字で及ばない民主主義の原則、つまり多数決の理論が大きく存在していた。どちらも救えないなら少数を切り捨てる・・・。民主主義の根幹に関わる大きな問題点が、ハイテク戦争を題材にした娯楽作品から提起されるとは予想外であった。

  • 鑑賞日 2017/1/17

    やるせない緊張感

    「ドローン・オブ・ウォー」と同じなんだけど、こちらのほうが苦悩と葛藤たっぷりで人間味に溢れている。 こんな戦争の仕方で、これから世の中はどうなって行くんだろう。悲しくなる。

  • 鑑賞日 2017/1/15

    正義の話を語り合える想定外の傑作 

    内容まったく知らず、ヘレンおば様の迷彩服姿だけを頼りに勝手に内容を想像し観に行きました。 睡眠不足だったので、記憶飛ぶ覚悟でしたが、 ドキュメンタリー調の展開は、かなりスリリングで過呼吸気味になりました。 簡単に言えば、ベストセラー『これから正義の話をしよう』です。 テロを防止し多数の犠牲者を救うか、ひとりの少女を救うか。 上層部の責任回避姿勢は『シン・ゴジラ』っぽいが、本作の方がずっとリアル。(回避姿勢は企業もこんな感じで似てる) 私なら、正義の観点で多くを救うテロ壊滅を躊躇う事無く指示するが… 台詞にあるように、推測の範疇で未遂の可能性もあり判断は極めて難しい。 この映画が優れているのは、 一般市民が戦場に巻き込まれる可能性、監視体制、復讐の連鎖などの、 人権的なものを単に強調しているだけでなく、 末端にいたるまでの軍側の緊張や苦悩、チャンスを逃したくない気持ち、 救済措置の最善策などをきっちり描いている事にある。 実際に政府などがここまで考えているかどうかは少々疑問ではあるが… 観客に正義の在り方を考えさせてくれる余韻を与える。 その点からも、名作の証拠。 そしてアラン・リックマンご冥福をお祈りします。 (ベスト10、脚本賞、編集賞、音響賞候補/パスポート18本目)

  • 鑑賞日 2017/1/16

    これは強烈。遊びの部分があれば娯楽作品として観られたんだろうが、あまりにガチにリアル世界で起こっている事にリンクしているので、観ていて複雑な気分だった。最後に女の子が助かっていれば娯楽作品となるが、そうではなく殺してしまったことによって、これは今現在実際に行われている事への問題提起しているのだろう。 今はまだ最終的な判断は人間が行っているが、この映画でも描かれているが皆責任を被りたくないから躊躇してしまう。その為AIによって判断させようという試みがあるようだ。怖い世の中だ。

  • 鑑賞日 2017/1/16

    緊張したー!

    ドローンでの戦争で、ともすればアウトサイダーとしてゲームを観る感覚に陥るのでは無いかと懸念していました。 しかし、トリガーを任されていた2人の表情には泣かされました。凄く痺れる場面が大半で魅せますね。ハラハラしました。実際にもこの様な緊張と真摯な姿勢で臨んで欲しいものだと思いました。 スネイプ先生が出ていて、悩まされる立場の役で亡くなる寸前の作品だったのかなと思いました。

  • 鑑賞日 2017/1/14

    腹にずしーんときた。安易な結末にしなくてよかった。

  • 鑑賞日 2017/1/9

    それぞれの正義の対峙

    戦場から遠い場所からはすべてが「バーチャル」に見えるのだろうか。 綺麗事や正論を並べることもひとつの正義であるが、その逆もまた一つの正義である。 「私は爆破直後の現場処理を経験した。5つの自爆テロ現場でのことだ。地面に遺体が散乱していた。今日コーヒーとビスケットを手に見たことは、恐ろしい。彼らがやったであろうことはもっと恐ろしい。決して軍人に言ってはならない。彼らが戦争の代償を知らないなどと」 大義のために一人の無実の人間の命の灯を消すことは正当化されるのだろうか。 ベンソン中将の放ったセリフは一つの回答を突き付けている。

  • 鑑賞日 2017/1/15

    突き付けられる残酷な選択。

    目の前の少女の命か、今後テロに巻き込まれる可能性のある80人の命か、軍人と政治家に突き付けられる残酷な選択。もちろんどちらが正しいとは一概に決められないが、フラフープで遊び家族のためにパンを売る少女が助かって欲しいと切実に願っている自分がいる。手に汗握るとは、こういう作品に対して言う。

  • 鑑賞日 2017/1/15

    無情

    操作室や会議室と変わらぬ映画館という安全地帯にいる我々との立ち位置が効果的に響く。 キャラクターそれぞれの人間性は掘り下げず、これも俯瞰視点で描いている。 しかし現実的な描写に対し、人の葛藤がテンプレートである為くどく感じた。 命は足し算や引き算では無いと分かってはいるが、決断を渋る側に苛立ちを感じた己を恥じた。

  • 鑑賞日 2017/1/14

    神の目

    無人攻撃用ドローンをテーマにした点で「ドローン・オブ・ウォー」とカブる面もあるが、全世界に広がったネットワーク上で、英米政治家と軍人のトップ・リーダーたちが自爆テロリスト抹殺のために無垢の少女の命を犠牲にできるのか?という選択を迫られ白熱の法律的政治的議論が展開される、すこぶる面白いポリティカル・スリラーである。「空の目」というタイトルは情報技術の発展により現実化してしまった非人間的な思想に対して、神様にでもなったつもりなのか?という異議申し立ての意味が籠められているのではないか。エリートたちの間で繰り広げられる、命をめぐる息づまるサスペンス状況を貧しい一介の現地人がひっくり返す展開が面白いし、英国伝統のスパイ・スリラーの21世紀スタイル作品にも見えてくる。

  • 鑑賞日 2017/1/14

    公的な決断のドラマ

     戦争に関する公的決断には法的評価、軍事的妥当性、政治的判断などが多層的に絡まる。そのせめぎあいがドラマを生む。ドラマは私的領域のみに存在するのではない。  本作は戦争の可視化という現代的状況を前提とした公的な決断のドラマである。現代の戦争の一つの実相を単純化した事例であったにしろ見事に描いている。  

  • 鑑賞日 2017/1/14

    アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

     現代の戦争の実態を描いた映画として、現代人必見の映画だと思った。  映像の時間が実際の事件の進行とほぼリンクしているので、見る者にまるで現場に立ち会っているような感覚を味合わせる。当然、緊張感も半端ではない。  物語の成り行き上、私達としては、どうしても80人の命よりも、1人の少女の無事を祈りながら見ることになってしまうのだが、その少女が軍上層部の判断を鈍らせたのは分かるとして、これが幼気な少女ではなく、大人とか老人だったらどうだったろうか。イギリスやアメリカはこれ程迷っただろうか。  無人偵察機ぐらいの知識しかなかった私としては、鳥型や虫型の監視カメラが活躍していることに驚いた。そして、現代の戦争においては、情報が世界中を駆け回っている。ケニアの人を殺すのに、アメリカにいる人間が引き金を引いているのである。こうなると戦争もゲーム感覚になってしまうかもしれない。そして、軍の上層部の人も、You Tubeを気にしながら判断をするのである。  また、軍事的・政治的判断を誰が下すのか、誰が責任を取るのかという関心も、物語を牽引する力となっている。規模は全く異なるが、日々、誰に報告するか、誰に判断を仰ぐのかと気にしている中間管理職の当方としては、その点も実に興味深かった。

  • 鑑賞日 2017/1/14

    映画的判断で、これは傑作だ

    最後の5分で評価が変わった。 軍事的判断、政治的判断、法的判断とかやりすぎで映画的にどうなのか?とか (シン・ゴジラ的なイライラ感) 結局、現場が一番行動したじゃないか!とか (あの虫を操作した人が一番活躍したじゃんみたいな) でも最後に法的判断者としての女性が 言った「恥ずべき作戦ね」という言葉に対し 中将が言う 「そう言うことは軍人には言うな。自分は爆発の後の現場処理を5度のテロ現場で行った。戦争の結末を軍人は知っている。」 日本映画だと、最後は現場のヒーローがギリギリ助けるだろう。少なくとも、少女は生き残るだろう。 戦争は会議室で起きている。なんてことで、この映画を評する人はいるだろう。 しかし、戦争がどんな形態になろうとも、テロや戦争のもたらす結末の悲惨さは変わらないし、軍人が直視しなければいけない現実は何も変わらないということが、この最後の言葉でヒシヒシと感じた。 これは今も昔も変わらない、戦争の現実を正しくとらえた映画である。だから、少女は助からないし、反戦的なメッセージも無いのだ。 日本人には、この判断は出来ないだろうな。平和ボケと言われても仕方ない。こう言う判断が出来るのが主権国家のあるべき姿と理解した

  • 鑑賞日 2017/1/11

    迫られる究極の選択

     21世紀の戦争はここまで来たのかと、衝撃を受けた。何しろ、攻撃するのは遠隔操作されているドローンで、攻撃命令を出す司令部は、遠く離れた会議室にいる政府首脳とオンラインで現場の状況を見ながら支持を仰ぐのだ。攻撃する側にとっては邦題にあるように、正に「世界一安全な戦場」になっている。  ナイロビにあるテロリストのアジトを突き止めた英米合同軍は、そこに指名手配犯もいることを知り、指揮を執るヘレン・ミレン演じる英軍大佐は捕獲作戦から殺害作戦に切り替えようとする。ところが会議室にいる政府首脳は作戦変更の決断が下せない。たらい回しで責任のなすり合いのように見えるが、安全な場所から攻撃を許可するか否かを判断するのだから、それはそれで簡単に決められては困るとも思う。  ようやく攻撃許可が下り、遠隔操作のミサイル発射ボタンに手を掛けたところ、アジトのそばで一人の少女がパンを売っていることがわかる。ドローンを操作するアーロン・ポール演じる米軍中尉は少女の命が保証されない限り、ボタンを押さないと主張する。アジトでは自爆テロ用のベストが2着用意されており、もし彼らがアジトを出て人込みでテロに及んだら80名が犠牲になると推測される。一人の少女を救うために80人を犠牲にするのか。限られた時間内に究極の選択を迫られ、観ているだけで緊張を強いられる。加えて本作の作り手は軍部、政府首脳のどちらの立場にも加味していないので、観客自身にもその決断が突きつけられているようだ。  ついにはイギリス首相にまで判断を仰ぎ、英軍大佐の強引とも思えるやり方で決断されるのだが、その決断が招いた結末は決して心地良いものではない。むしろ後味悪く、もっと良い方法はなかったのかと考えさせられる。  小鳥やカブトムシ型の偵察用ドローンを開発する技術があるのなら、少量で強力な催眠ガスを開発し、小型ドローンから噴霧させれば、殺害作戦に変更せずに捕獲作戦を遂行できたのではないかと思う。

  • 鑑賞日 2017/1/2

    1と80

    カメラを仕込んだ小鳥とカナブン(?)に驚愕し、爆発後残った耳からでも判別できる顔認証システムに鳥肌が立つ。 一つの軍事作戦が、現地、ロンドン、ネバダ、ハワイなどなどさまざまな軍事拠点にいる者たちで行われる。 オペレーションルームは現地と繋がる戦場だが、そこを一歩出れば平和な日常。 この落差をどう乗り越えればいいのか。 軍人と政治家、人道的見地、政治的判断、責任逃れ、etc…思惑が乱れ乱れて思い悩むイギリス。 ポイント制という揺るぎない基準を根拠に、迷いのないアメリカ。 両国の違いが興味深い。 1と80。 助けを求める父親の叫びに、マシンガンを放り出し、少女をトラックに乗せ病院に運ぶイスラム過激派の兵士たち。 父親は穏健派だが、これをきっかけに爆弾を仕込んだベストを着るようになってしまうかもしれない。 80のために切り捨てた1が新たな80を生んでしまうかもしれない。 正解なんてありはしない。 [TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて]

  • 鑑賞日 2017/1/7

    モラルと判断

    空の目ドローンを使っての戦争映画は新しい視点だと感じました。命の危険が伴う緊迫した戦場シーンが描かれる一方、戦場から離れた場所では戦略やモラルを論じる人達。観ている自分も、どの判断が正解なのか結論が出せませんでした。 最終的には、戦争そのものが間違っていて、正解なんて無いんだと思いました。平和な世界を祈らずにはいられません。

  • 鑑賞日 2017/1/7

    緊迫感は充分。

    現代の戦争における不条理な話を盛り込んだサスペンスでした。 ミサイル攻撃の精度が高まった背景には、ドローン撮影などを駆使して確実に敵を倒せる技術向上がある。 でも、実際に実行を決定する人達は世界の裏側にいて現場の葛藤やアクシデントをマイノリティレポートとしか見ていない。そういう現状を分かってますか?と問いかける。 なぜか、現地に近いボスが、ヘレンミレンやアランリックマンだそうで、この年齢の意味は?と疑問になるけど、そんなに安っちく観えないのはやっぱり演技力のおかげなんだろうか? 世の中の評価4.0は高すぎのようにも思うけど、これだけの話をリックマンの死にもめげずにそれなりの作品に仕上げたのは上手だなあと思いました。

  • 鑑賞日

    すんのかい!? せんのかい!?

    押すんかい!? 押せへんのかい!? すんのかい!? せんのかい!? make my day! 概念の言葉化による超特別なweaponとtacticsに関しての言葉ゲームで 人類は一歩一歩、四足歩行に退化していく・・ 要するに 目の前の人より大事な、コミュニティ、国、社会なんてありまへん! ってイーストウッドもゆーてはるで。make my day!

  • 鑑賞日 2017/1/4

    四角が丸を封する

    画面を見ている画面を見ている。四角で丸を封する映画。丸とはフラフープ、自転車のタイヤ、パン、少女の丸顔。四角は各種モニター、ドローンの操縦小屋、照準、紙幣等。動く赤ちゃん人形、蜂鳥と甲虫、ASAP。R.I.P.アラン・リックマン。

  • 鑑賞日 2017/1/3

    軍事大国の論理とは

    観ていて気色の悪い映画ではある。自分を安全な場所に置きながら人の命をもてあそぶ、いわゆる軍事大国の論理の身勝手さ、倫理観の喪失、こんな連中の決定に生殺与奪を握られる側はたまったものではない。 明らかに、人種、国、などにより予断をもって対処するやり方はいくら弁を弄しても殺人以外の何物でもないだろう。 踊る会議、そこに刻々と送られてくるリアルな映像。現実の戦争は、もはやゲームと同感覚で行われていて、かつての戦争とは別の形での緊張感やサスペンス性が生じているのが皮肉である。 機器は進歩したかもしれないが、全能の神ではない人間が下す判断がなんの解決にもなっていない展開にイラつきと悲しみをもって、ただあきれるばかりである。一人の少女の生死の問題に矮小化したかのような結末はこれから進むであろう軍事行動の危うさが露呈している。 この先、決めきれない人間に変わって、人工知能に攻撃の判断を丸投げする時代がやってくるのではと危惧される。そんな時代の来ない事を願いつつ、多くの問題点を含んだ秀作である。

  • 鑑賞日 2017/1/1

    誰が責任を取るか

    ドローンによる空爆が可能になり、安全な場所から敵地に攻撃可能になった。しかし空爆を仕掛けるには政府の許可が必要。せっかくドローンで現地の詳細情報が分かっても、判断できる人間がいないので現場の人間が振り回される様はシン・ゴジラの対応に追われる日本政府を思い出した。鑑賞中はハラハラしたが、鑑賞後に思い返すと「まあ、こうなるだろうな」という予想できた結末であり、再鑑したいとは思わない。

  • 鑑賞日 2017/1/1

    事件は会議室で起こってるんぢゃない!現場で起こってるんだ!ばりな…

    いつの時代も戦争の被害者は罪なき弱い者たち。 80人か1人の命か… 人権対テロリスト… それぞれの立場とか、取捨選択とか、倫理観とか、道徳観とか、すげージレンマ。どれが正解とかないから。でも、これは一部で、現実では、日々、もっと残酷な選択が行われているのだろう。 決断を下して、実行に移すまでの、緊迫感と緊張感、それがスリリングに描かれている。 事件は会議室で起こってるんぢゃない!現場で起こってるんだ!ばりな…

  • 鑑賞日 2017/1/1

    ある意味シンゴジラと互角

    リアルに日本の危機管理を描いたシンゴジラが政治家と官僚に視点を置いていたのに対し、本作は英国政府の閣僚と軍人視点。驚くことに、軍人のほうが政治家以上の倫理観を持ち人命の重さに苦悩し、ヒューマニズムに溢れている。現場を離れてもなお誰より戦場の悲惨さを知る上官の説得あるラストのセリフ、そして信念を持って任務を遂行しようとする現場の責任者。責任を押し付け合う閣僚たちを皮肉る傑作。

  • 鑑賞日 2016/12/31

    1800

    自分が今、モニター画面を見ながら作戦指令室で判断を迫られてる様な緊迫感のあるストーリー。 出演者全ての演技が素晴らしかった。

  • 鑑賞日 2016/12/2

    遠隔操作でパンは買えない

    「空の目」と呼ばれる、無人偵察機を使って、ナイロビに潜伏するテロリストの捕獲を謀る、英米合同軍事作戦を描く。 作戦を指揮する英国軍大佐(ヘレン・ミレン)と、国防相(アラン・リックマン)や他の政府閣僚たちがいるロンドン、 米兵が無人偵察機を操作するラスベガスの米軍基地 、ナイロビの作戦本部や、テロリストが潜伏する家の近くと、複数の場所が次々とスクリーンに映し出される。遠く離れた場所にいながら、共通の作戦に関わる人々が、共にドローンが撮影する映像を見つめている。現代の戦争とは、まるでゲームをするかのごとく、コンピュータ画面と向き合い戦うものなのかと、背筋が寒くなった。 屋内をも撮影するカメラが、 明らかに自爆テロの準備をするテロリストたちを映し出す。作戦チームは、 テロリストたちがいる家屋を爆撃する体制を整える。この時カメラが、 標的のすぐそばで、少女がパンを売っている姿をとらえた。 もし繁華街でテロが実行されたならば80人以上の死者が出る。しかし、テロリストたちがいる家を爆撃すれば、少女の命が危ない。 英国政府の上層部は、 民間人の犠牲者を出す可能性が高い作戦に、自らが最終的な許可を出すことを避けようとする。 安全な場所から遠隔操作でミサイルを発射することはできるが、遠隔操作で少女を安全な場所へと移動させることはできない。防衛などと言うが、軍事技術とは所詮そういうものなのだと、改めて思い知る。 正義とは何かを問いかける、脚本が巧みだ。理想としては、爆撃に反対した女性閣僚の意見を支持したい。しかし、この映画を観ていると、そんな綺麗事は通用しないのだとも思わされる。 イスラム教原理主義者たちが支配する街でパンを売る少女と、ロンドンで国防相から人形をプレゼントされるであろう少女。命の重さは同じはずなのに、あまりにも大きな落差に胸が苦しくなる。 遠隔操作で闘う戦争が、何気ない日常のすぐ傍らにあることがとても恐ろしい。 学費のローンを返済するために軍に志願したと話していた米兵が、ミサイルを発射する任務に従事していることも辛く感じた。 ヘレン・ミレンとアラン・リックマン、それに「キャプテン・フィリップス」に出ていたバーカッド・アブディの演技が素晴らしい。ユーモラスな風刺も織り交ぜられているが、緊張が途切れることがなく、102分があっという間だった。 もうアラン・リックマンの新作を観ることができないのがとても悲しい。ありがとう。RIP.

  • 鑑賞日 2016/8/30

    サスペンス映画の傑作

    2016年8月30日に鑑賞。BKK SF WORLD CINEMA CENTRAL WORLD CINEMA4 にて。180B。シネマスコープ。エンタテインメントONE=レイン・ドッグズ=ハンドメイド・ディストリビューション。 「ドローン・オブ・ウォー」(2014・監督:アンドリュー・ニコル)でも描かれた、ドローン(無人攻撃爆撃機)による現代の対テロリスト戦争の実態を描く。 サスペンス溢れる傑作である。ケニアのナイロビに過激派シャハブの幹部シャヒド・アフマドとその妻ら6人が集まるのを確認した英国キャサリン・パウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、米国と協力しドローンによる攻撃を選択するが。 カメラを仕込んだ模型の小鳥やカナブンを飛ばして、窓の外からまた室内へ昆虫を侵入させて天井から撮影するという手法に驚愕する。なるほど。 室内を撮影すると、外国から送り込まれた2人のスーサイド・ボマーに爆弾を装着したベストを着せて「自殺犯行ビデオ」を撮影している。80人が死ぬ量の爆薬である。 ところが、その家の隣りの少女が母が焼いたパンを売るために、目標の家の南側の壁沿いで店を開いている。 彼ら6人が解散してしまったら攻撃できない。今、攻撃したら少女は死ぬ。1人の少女の命か、80人の命を救うのか。刻一刻と時は過ぎ決断を迫られて行く。 そして遠く離れた米国から、無人ドローンをリモコンの遠隔操作で操って殺傷しなければならない空軍パイロットの2人の存在がこの映画に重いリアリティを与えている。勤務時間によって、たまたま交替でその瞬間の要員となってしまった2人が狭いコンテナの中にいるという、こちらも極限状態が描かれる。命令である以上スイッチを押さねばならない。 昔の白兵戦による戦争、戦車や飛行機による爆撃は敵(相手)の顔は見えにくい分、兵士の心理的な抑圧は少ないだろう。方や、ハイテクを使うこの無人攻撃機でのテロとの戦いの方が、遥かに重圧は大きいという逆説に満ちている。ここまではっきり敵、周辺にいる民間の犠牲者の顔が映し出されたら。あの飛ぶ昆虫に仕込まれたカメラは驚異である。 このような戦いに従事せざるを得ない、スイッチを押さざるを得ない兵士のPTSDは計り知れないだろう。爆弾の爆発力を50%に抑え攻撃を実行するするが、結果的に、少女は病院で死亡する。1人の少女の死か、今後起きるテロの死者80人の命か。この映画のテーマは深い。 また、顔認証システムによって、死体の顔を、顔がムリならば耳の形だけでもヒットする。これも恐ろしいことである。 攻撃によって幹部の妻を含む5人が死亡するが、夫は途中で家を出たので殺害されていない。

  • 鑑賞日 2016/12/30

    イエス、カーネル

     テロリストを発見した英米の共同作戦が始まる。戦場はアフリカ・ケニア。ヘレン・ミレン演ずる大佐が指揮する司令部と、関係閣僚の会議室はロンドンに。ミサイル搭載のドローンを操縦する兵士はアメリカ・ネバダ州の基地にいる。標的に間違いはないか、ドローンの映像を分析するのはハワイの米軍だ。作戦開始から遂行まで、感情や倫理を押しつぶしてまで決断に至る様子が、多元生中継を見るかのようにスリリングに描かれる。  標的の隠れ家の近くにパン売りの少女が現われる。一人の少女を救うかテロリストの自爆で失われる多数の命を救うかという選択に迫られる軍人と政治家たち。その苛立ちや責任回避、決断のたらい回しなどが丁寧に描かれる。しかし、私たちの心を捉えて離さないのは、そのような上層部の「苦渋」ではない。  ラスベガスに程近い空軍基地。初めて実戦に携わることになった男女二人の兵士は若い。その任務は無人機を操縦し「空からの眼」になることだと、ロンドンの大佐から指令を受けるが、それだけでは済まない。ミサイルを撃つことも彼らの任務であるし、標的が確かに死んだかどうかを確認することも、微かに動く標的を再攻撃することも命じられる。  大佐の傍らには、一般市民に生ずる犠牲の確率を計算する軍曹がいた。少女を無視してミサイルを放つためには、その確率が45%以下でなければならなかった。どう着弾地点を変えても、その数字にならないが、大佐のつぶやきの真意を忖度した彼は、「45%だ」と答える。攻撃は実行され少女は死ぬ。  それまでずっと、「イエス、マム」と敬意を込めて答えていた軍曹は、作戦が終了し、大佐から「報告は45%とするのよ」と言われた時、「イエス、カーネル」と肩書で小さく返事をする。  砂漠の操縦士たちは、上官から「ゆっくり休め。次の任務は12時間後だ」と告げられる。任務の惨い結果をわが目で確かめた二人の心の傷は、何時間休んだとしても消えることは無いだろう。

  • 鑑賞日 2016/12/28

    すっげえええ。やばい。もの凄い傑作で、まだ手汗が止まらない。ドローンによる遠隔地攻撃の話で、まあ「戦争は会議室で起こってるんじゃない、現場で起きてるんだ」的なアレねと若干舐めてたらとんでもなかったわ。 これは『十二人の怒れる男』と『アメリカン・スナイパー』を彷彿とさせる大傑作。ある作戦の是非を決定する過程を追うにつれて、見ている自分の考えがぐらんぐらんに揺れる。殺せと思った次の瞬間、何とか助けてと懇願している自分がいるのだよ。たまらん。 神以外に誰が正しい選択をできる下のかという場面で下さねばならない決定の重さ。あとはやはり、軍人という職業へのリスペクトだわ。あんなに過酷な環境下で、強い人々へのリスペクト。 たらい回しのシーンでは、劇場中が天を仰ぎ、あのシーンでは延々息をのみ、緊迫が続き、涙する。皆が皆がそうなってるのがほんとにわかる。今年最後にすごいもん見たわ。 ちなみに昨年末に『ドローン・オブ・ウォー』って映画があったんだけど、ありがちな話でした。

  • 鑑賞日 2016/12/29

    作品紹介(映画.com)より

    本日TOHOシネマズシャンテ17時の回鑑賞。只今全国感動絶賛公開中。 この作品の監督・主演陣の今後の作品に期待。 下記にて映画.comよりストーリーと映画評論記載。 戦地から遠く離れた会議室でドローンが映し出す映像を見ながら戦争に加担する人々の葛藤を描き、現代の戦争の闇を浮き彫りにした軍事サスペンス。イギリス軍の諜報機関で働くキャサリン・パウエル大佐は国防相のベンソン中将と協力し、ナイロビ上空を飛ぶドローンを駆使してロンドンから英米合同軍事作戦を指揮している。そんな中、大規模な自爆テロ計画の存在を突き止めた彼らは、アメリカ国内の米軍基地にいるドローン・パイロットのスティーブに攻撃命令を下すが、殺傷圏内に幼い少女がいることが判明。キャサリンは、少女を犠牲にしてでもテロリスト殺害を優先させようとするが……。「クィーン」のヘレン・ミレンが正義感に燃える指揮官キャサリン役を、2016年1月に他界したアラン・リックマンがベンソン中将役をそれぞれ演じる。「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」「ツォツィ」のギャビン・フッド監督がメガホンをとり、俳優コリン・ファースが製作に参加。 アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 Eye in the Sky 2015年/イギリス 配給:ファントム・フィルム アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 映画評論・批評 2016年12月6日更新 2016年12月23日よりTOHOシネマズシャンテほかにてロードショー ドローン爆撃の巻き添えをめぐる“神の命題”を問う迫真の軍事サスペンス 上空数千メートルから密かにテロリストの行動を監視し、ヘルファイアと呼ばれる強力なミサイルをお見舞いして敵を殲滅する無人攻撃機ドローン。自軍の人的被害を一切出さないこの“空の殺人兵器”は、現代の戦争の有り様に革新をもたらした。その反面、ゲームのようにスイッチひとつで人命を奪うドローン攻撃には人道的な懸念がつきまとい、イーサン・ホーク主演の「ドローン・オブ・ウォー」では操縦者のPTSD(心的外傷後ストレス障害)の問題が描かれた。 ケニアに潜伏中のテロリストを追う英米合同作戦の成り行きを描く本作は、作戦に携わる膨大な数の関係者の人間模様を、実に緻密な“多元中継”のスタイルで描く軍事ドラマだ。作戦はネバダ州の空軍基地のパイロットが操るドローンからの映像をもとに進められ、ロンドンの司令部から指示を受けたナイロビの現地工作員がイスラム系過激派の隠れ家に接近する。鳥型と昆虫型の超小型ドローンも投入し、ついに最重要テロリストの存在を確認したことで一気に作戦の緊迫感が高まる。 画像1 ところが、これはまだ序の口。テロリストたちが自爆テロの準備を行う様子と、地元の少女が隠れ家のすぐそばでパンを売り始める姿が相次いでモニターに映し出され、関係者は大いなる難題に直面する。少女の命も顧みずすぐさまミサイルを発射し、自爆テロの犠牲になるであろう一般市民数十人を救うべきか、それとも攻撃を中断して少女を救うべきか。この究極の二者択一に正解はない。答えは神のみぞ知る。ここに本作の最大のポイントがある。空中のドローンのカメラを意味する題名の「アイ・イン・ザ・スカイ」には“神の目”という寓意が含まれているからだ。 撃つべきか、撃たぬべきか。それまでドローンを用いた対テロ戦争の複雑怪奇な舞台裏を見せてきた映画の核心はこの一点に集約され、怒濤のディスカッション・バトルへと変容していく。軍人と背広組、強硬派と慎重派の意見が対立し、責任の所在は曖昧になって決断はどんどん引き延ばされる。とりわけ勇ましい軍服姿のオスカー女優ヘレン・ミレン扮する最強硬派司令官の苛立ちぶりは凄まじい。憎きテロリスト殺害に執念を燃やすこの猛女は、クライマックスに驚くべき策をひねり出し、爆撃に突き進もうと試みる。恐れ知らずの神への挑戦か、人間の愚かなる自己正当化か。事の一部始終を見通せる特権者、すなわち私たち観客の目にそれがどう映るのかを念入りに計算して作られた見事なサスペンス映画である。 (高橋諭治) アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 2016年12月23日公開 Check-in 2197人

  • 鑑賞日 2016/12/25

    見応え、あり。

     これは、「ツォツィ」のギャビン・フッド監督が描く、無人航空機による対テロ戦争の現状を描く軍事サスペンス。  出演陣は豪華で、ヘレン・ミレンにアラン・リックマンと名優を揃えています――尚、アラン・リックマンはこれが実写最後の出演作となりました。    英国軍諜報機関のキャサリン・パウエル大佐は、国防相のフランク・ベンソン中将と協力、ロンドンから英米合同によるテロリスト捕獲作戦を指揮していた。  米軍の無人航空機リーパーはナイロビでアジトを発見するが、彼らが自爆テロを実行に移そうとしていることが発覚。パウエル大佐はテロ阻止の為に作戦を捕獲から殺害に変更する事を提案。  米国務長官にも了解を得て、ベンソン国防相は作戦変更するが、いざ、ミサイル発射となった段階でパイロットはアジトの側でパンを売る少女を発見。このままではミサイル爆発の巻き添えになってしまう、とパイロットは攻撃を断念。  だが、そのままではテロを見逃す事になってしまう――少女の命か、テロの阻止か。ぎりぎりの駆け引きが続いて……    これは無人航空機“ドローン”を使った戦争の様相、と言う事で「ドローン・オブ・ウォー」に近い題材の作品ですが、バーチャル空間を飛ぶパイロットの苦悩に焦点を当てた「ドローン・オブ・ウォー」に対し、この映画で中心となるのは、パイロットよりも、命令を下す司令部、さらにその背後にいる政府高官の集う会議室の描写となっているのが特徴。  作戦の変更に対して法務はどうか、関係閣僚の了解は、と官僚事務手続きの描写をやる辺りは、会議室映画だった「シン・ゴジラ」に近いものがありました。  映画の中心となるのは、80名以上が犠牲になると想定される自爆テロの阻止と、ひとりのパン売りの少女の命、そのどちらに重きを置くか、と言う究極の問いに近い状況から炙り出される、「戦争」を一形態とする「政治」と言うものの姿。  こんな時、軍人は「犠牲を最小にするには」と言う冷徹な判断をしますが、政治家は違います。  実際、「テロをやらせてしまえ。そうすれば非難は奴らに集中する。ここで無関係の少女を殺せば非難されるのは我々だ」と、テロ容認の意見さえ出るのです。  こんな議論と調整を、テロの準備と平行して描く事で焦燥感を盛り上げ、第一級のサスペンスに仕立てると共に、そんな、不毛で、不条理とさえ言える上層部の意思により振り回され、負担を強いられる現場、と言うのをきちんと描いているのもさすがです。  また、ナイロビの現地エージェントが使う小鳥や虫に偽装した超小型ドローン(現実に、鳥形までは存在し、昆虫サイズも開発中と噂されている)を活用した情報収集活動も、最先端の情報戦を垣間見せて興味深いものがあります。  そして、ミサイルによる爆撃後、バラバラになった死体を確認し、「まだ動いている、留めを刺せ」と、だめ押しのミサイルを撃ち込む、エグい描写もあります……これがドローンパイロットが有人機以上にストレスのかかる部分でしょう。有人機パイロットならば見ないで済む事を、彼らはその目で見て、自分の放ったミサイルの生んだ破壊を確認させられる。“安全な戦場”と言いつつも、パイロットの心は戦闘により深く傷つけられているのです。  この映画、軍事・政治サスペンスとしても第一級、そして、イギリス映画らしい深い人物洞察に、シニカルなユーモア、最後の「軍人に『犠牲を払っていない』と言ってはならん」と言う台詞がズシリと重い、見応えのあるものでした。

  • 鑑賞日 2016/12/23

    ひとつの命の重み

    ドローンを題材にした作品と言えば、「ドローン・オブ・ウォー」が記憶に新しい。 本作は「空の目」とドローンが題材のようなタイトルですが、私はそれほどドローンの作品のようには思いませんでした。 かつて「事件は会議室で起きているんじゃない!現場で起きているんだ!」と言った作品がありましたが、今や事件は会議室で起きているんだと思います。 イギリス諜報軍による、ナイロビのテロリスト掃討作戦。 その場にいない者による、遠隔地での戦争。 軍による縦の関係や上層部の利害関係、ひとつの命について描いた作品だと思います。 テロリストを討つはずが、爆撃による周りの予測被害地にパン売りの少女がいる。 テロリストは自爆テロの準備をしている。 一人の少女を犠牲にし、多くの犠牲を出さないためにテロリストを討つのか。 それとも一人の少女を巻き込まず、後に自爆テロで多くの人命を失うか。 少女の命を巡り、自分たちの作戦が正しいのかと疑問を投げ掛ける。 軍による縦の関係で命令に逆らえない部下。 パン売りの少女がいながらも、攻撃理由が欲しい上官たち。 監視しかしたことがないドローンパイロットに、民間人が巻き添えになる可能性があるのにミサイルを撃つことが出来るのか。 いろんな思惑が絡んだ作戦に、見応えがありました。 作戦終了後のドローンパイロットの表情と、アナベル人形を持ち帰る上層部の対比が印象的でした。 本作を観賞したイギリスの元首相が、「現実が映画に追いついた」と言ったそうです。 ドローンによるテロリスト掃討作戦は、現実に行われているようです。

  • 鑑賞日 2016/12/24

    進化するドローン

    あイギリス軍諜報機関の鳥型ドローンが、ナイロビの自爆テロの実行犯が集まっているアジトを捉える。千載一遇のチャンス、ミサイルを撃ち込めと支持を出すが、アジトの前で少女がパンを売っている。パンを買い上げても、すぐに次のパンを売り出す。少女を巻き込みたくないが、どくのを待っていると、実行犯が外に出てしまう。上官はさらに上の部署の許可を得ろとたらいまわし。どうする。 少女を巻き込む可能性を50パーセント以下にすることでどうにかOKを取り付けるが…。まるで「シン・ゴジラ」の会議のように、討論が続く。それが焦らしとサスペンスを生む。作り手の結論はどうなのか。中庸のようで卑怯な立場に逃げていないか。

  • 鑑賞日 2016/12/25

    兵隊のいない戦場

    #1112 TOHOシネマズシャンテ「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」。大型の無人攻撃機から超小型のハチドリ型、昆虫型まで遠隔操作によるドローンが投入され兵隊を使わずに安全な場所から人を殺せる現代の戦場の非人間性を描いた作品。交戦規定の解釈に振り回される政権上層部の無責任体質は万国共通の課題のようである。

  • 鑑賞日 2016/12/25

    戦争って救われン! 誰も・・・

    大好きヘレン・ミレンが主役って事で鑑賞。ヤッパ上手いワ彼女。REDの彼女とも、アデーレの彼女とも違う彼女が今日居ました。 で、舞台は彼女のいるイギリスロンドンの軍司令部、同じくロンドンだが、官僚のいる委員会室、アメリカのドローンを操縦する空軍基地、画像解析するハワイはパールハーバー、米国偉いさんのホワイトハウス、そしてテロリストのいる現場ケニアと、6元生中継状態。現場ケニアと遠く離れた場所で、それぞれの立場で繰り広げられる意見衝突、意思決定プロセス。ンっ?? どっかで見たぞ! そうだ、シン・ゴジラの政府関係者たちのやり取りとの既視感ダ。 部署の壁や、自身の地位の保身で、責任取らない、決められないグダグダ具合は 我が日本の恥部かと思いきや、どこの国も似たり寄ったりで変な安心感。 議論されるのは、多数を救う為の少数犠牲は止むなし。か、個の命も多数の命と同じ重み。かってところで皆が苦渋する1時間40分。 今ってこうなんでしょうナ。リアルな現場への決定が、遠く離れたバーチャル(画面の中)な場で為されてしまう。そこに感傷は有っても、肉体的な痛みは無い。実に怖い。そして、誰もALL HAPPYになれない現実。残るのは それぞれの立場の責務は果たした。が、心の達成感は無い。ってか、虚無感に包まれる。 胸(心)に大きな穴。「ブリーチ」のホロウになった様で 悲しいネ。 ラスト、生きててくれっ‼︎‼︎ って、一縷の希望を持って鑑賞してましたが、キッチリその逆。 言いたかったんでしょうネ、これをこの作品は。救われン!三連休の最後にはキツイ作品でした。

  • 鑑賞日 2016/12/25

    予想どおり、社会派ミリタリー作品

    判断ができない官僚組と軍の制服組の対比が面白い。軍人でも現場を知らない若手、新人ドローン爆撃員も戦場現場を経験していないため頭と感情が捨てられない。また、英国と米国の軍事的政治判断に対する姿勢は面白い。米国は、合理的にとにかく迷うことなくやる。ある意味、行動はシンプルで分かりやすい。ヘレンミレンは、適役でかっこ良く演じていた。それより、最優秀助演はリモコンの通信カメラ付のムシとコトリかも。

  • 鑑賞日 2016/12/24

    本当は世界で一体何が起きているのか⁉︎

    何とも凄い作品だ。テロリストの拠点を破壊すべくドローン偵察機を使って指揮するのは遠く離れた西側各国の会議室。簡単にいくかと思われた作戦だがある障害に直面してしまう。この辺りから映画はまるでサスペンスかの如く、緊張感と緊迫感の連続。軍人と政治家のやりとりも凄まじい。改めて現代戦争の怖さを思い知らされた。しかし、本当に恐ろしいのはこの作品をエンターテイメントとして面白いと感じている自分自身かもしれない。

  • 鑑賞日 2016/12/12

    神の視点から振り下ろすもの

    以前ドローン・オブ・ウォーを観たけど、こっちの方が好み。 これからおこる大惨事から大勢を守るために、目の前の少数を犠牲にできるかって話なんだけど、それすらモニターの向こう側の出来事。冷房の効いた部屋で行われる議論は滑稽ですらある。 空を手に入れ、神の視点を得たとて振るわれる暴力の先には怒りと悲しみが横たわるのだ。それは変わらず、ずっと。