PROGRAM

放送作品情報

エル ELLE

ELLE 2016年 フランス / 132分 サスペンス ドラマ

[PG12]暴行された女性の危険な欲望とは──イザベル・ユペールの怪演に翻弄される衝撃官能サスペンス
放送日時
2020年01月03日(金) 深夜 03:30 - 06:00
2020年01月25日(土) 深夜 03:30 - 06:00
解説

鬼才ポール・ヴァーホーヴェン監督が同名サスペンス小説を映画化。暴行事件の被害者でありながら感情を覆い隠し、つかみどころのない女社長をイザベル・ユペールが怪演。ゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞。

ストーリー

ゲーム会社を経営する女社長ミシェルが、自宅で覆面姿の男に暴行されてしまう。しかし彼女はその後、何事もなかったかのように日常生活を過ごしていく。一方で、恋人を妊娠させた息子ビンセントや、若い男を漁ってばかりな母アイリーンとの関係に悩まされていた。そんな中、暴行犯からの挑発的なメールが届くようになる。その文面から、彼女を監視できる身近な人物によるものと悟ったミシェルは犯人を探っていく。

出演

イザベル・ユペール
ロラン・ラフィット
アンヌ・コンシニ
シャルル・ベルリング
ほか

字幕/吹替
字幕
掲載制限
PG12
カラー/白黒
カラー
画面サイズ
ワイド画面
HD
※【ザ・シネマHD】にご加入の方は、
HD画質でご覧頂けます。

オススメキーワード

  • 鑑賞日 2019/7/6

    よくわからない映画

    最初は、サスペンス映画と思ってたので終わった後、えってなりました。 評価の高い人と低い人、かなり意見の分かれる作品ですが、私には受け入れ難かったです。 登場人物の全員の感性が受け入れられない。ほんと全員と言っていい気がします。

  • 鑑賞日 2018/12/30

    あんまりにも入っていけず、一時停止や明日以降観よう...で先延ばしにしてたのを、やっとこさ最後まで観た。いやいやいや、何がどうしてこうなってるのか、まったくもってわかりません!誰一人として共感もできず、「みんなおかしくない!?」「誰も許容できない!」映画でした。 絶対かかわりたくない人たち、身近にいて欲しくない人たちのオンパレード。師匠がこれを2017年の4位に位置づけたのが解せぬ...この後映画評読みます...

  • 鑑賞日 2019/6/29

    抑圧と解放

    衝撃だった。  冒頭でゲーム会社の社長がレイプされる。彼女は隣人の夫を見てオナニーをする。実はこの隣人の夫がレイプ犯だった。そして自分の息子を使ってこのレイプ犯をバットで殴打して殺させる。彼女は警察を信用しない。警察を頼らずに彼女は犯人を殺す。この男はレイプでしか自らの欲望を満たすことができない。いわば変態である。銀行マンである彼は、日常で紳士を気取る。主人公の女社長とも不倫関係に陥る。不倫を持ち掛けたのはむしろ女社長のほうだ。  このジレンマ。女日照りの中年女性とレイプ願望の銀行マン。 冒頭の黒猫のシーンがいい。この猫だけが冷静に彼女を見ている。そして最初にレイプ犯を招き入れたのも実はこの猫だ。かわいがっている猫が招き入れた災禍。ここから矛盾が始まる。  この女社長ミシェルは自らの矛盾、自己矛盾を理解しつつ生きている。父親が世間を騒がせた惨殺魔(刑務所で自殺する)。母親は年の離れた男をはべらす。(劇中で死んで灰になる。)息子は非正規で妻が妊娠しているが生まれた子供は黒人である。  犯罪者の子供が犯罪者になる確率は?という問いについて本が出ている。橘玲氏の「言ってはいけない」にこの確率の高さが示されているが、この女社長を軸とする世代を超えた遺伝的要素を否定できない。女社長もドラマの中で隣人の銀行マンに自らの出自を語る。おそらくこの時点でこのレイプ犯は内面的な倒錯状態にあるはずだ。  こうした性のジレンマは誰にでもあることだが、欲望の発露をどこに見出すかで人生は大きく変わる。この狂った一見紳士な銀行マンは敬虔クリスチャンである妻から抑圧されている。この抑圧からの解放が隣人(女社長)へのレイプ願望だった、というのは極めて皮肉である。  そしてこのドラマでは、どの人物も何かに抑圧されている。しかもそのほとんどが性的な抑圧だ。ゲーム会社の社員のほとんどが抑圧的である。会社の女性パートナーの夫とこの女社長は関係している。息子も嫁に抑圧されている。飼い猫ですら、抑圧を解放するように死んだ鳥を貪り食う。  この残虐性はこの映画の中心ではないのだが、見ている我々はこのドラマを通じて抑圧的な気持ちに陥る。冒頭のシーンで被害者である女社長に同情していながら、男性であれば女社長に性的な欲求を感じてくる。  反面、レイプされた女性の立場も想像する。被害者である女社長に警察が根掘り葉掘り聞くシーンは現実だろう。男性警官がレイプ被害にあった女性を聞き取るという矛盾に耐えられず、警察への届け出を断念する女性もいると聞く。そう思うとこの映画は広い意味でフェアな映画だ。どの立場からも理解が及ぶ仕組みとなっている。  サスペンスタッチがいかにもポール・ヴァーホーベンであった。彼の映画には常に女性目線が示される。そして結論を暗示させるだけで断定しない。この映画のラストはまるで『第三の男』を想像させる。オーソン・ウェルズのあの映画では男女が交わらない。この映画では同じ男と関係した女性同士が墓場の細い道を去ってゆく。こうした対比をうまく使っている。  イザベル・ユベールの凄まじい演技も見ものだ。  傑作である。

  • 鑑賞日 2019/6/24

    最初

    と、エンディングでは、 何もかもが変わってしまってる しかも、全て自身の選択によって 力が湧いてくる ラストシーンの色彩がステキ

  • 鑑賞日

    イザベルユペールの真骨頂😚

    まさに彼女の為につくられたような映画〜🥰

  • 鑑賞日 2019/6/20

    女の強さ

    冒頭からレイプ場面。しかしその女ミシェルは警察には届けないで、仲間に平然とレイプされたと告白。 ミシェルの父親は過去に何人もの人を殺害した殺人犯で服役中。ミシェル一家は衆人の目にさらされてきたことから逆境には打たれ強くなっている。 レイプ犯人を突き止めるが実はそれは○○だった。セックスマニアとも言える彼女はレイプ犯をも虜にしてしまう。 父親の殺人の動機は簡単に語られるだけで、家族への迫害などが描かれていない。どちらかと言えばレイプ場面、セックス場面の方が強い印象を持った。

  • 鑑賞日 2019/6/13

    絶妙に出来すぎている

    謎の覆面男に家に押し入られ、レイプされた中年女性の周囲で不審な出来事が次々に起こるというサスペンス。 ポール・バーホーベン監督がこの作品を通じて何を描きたかったのか、はっきりと分からない作品だった。サスペンス映画らしい犯人探しの要素は主題ではないように思える。イザベル・ユペールの演技は見事だけれど、描かれる人間関係は完全に歪んでいて、現実には起こりえないように見えた。常識的に考えれば普通に会話することもないであろう関係にある人々が平然と交わっている。まるでブラックコメディみたいだ。個人主義化している現代社会の縮図みたいなものを描いたのだろうか? この不可思議な世界観をどう捉えるか判断が難しいけれど、対極にある者同士が実は相互に依存し合っていることがよくあるというのは何となく理解できる。暗喩なのだろうが、そう思うには設定とキャストの演技が見事に出来すぎているというややアンバランスな作品。

  • 鑑賞日 2019/5/15

    主人公のミッシェルは、冒頭からレイプされるというショッキングなシーンから始まるが、次の瞬間平然と寿司を注文するという恐ろしくメンタルの強い、特異なキャラクターとして設定されている。 彼女は、どぎつい悪趣味なゲームを制作する会社を経営しており、社員にも容赦しない。 レイプ以外にも、突然カフェでお茶をかけられたりと、日常的に彼女は世間の憎しみの目を向けられている。 それは彼女の父親が大量殺人犯だったからという事がわかる。 映画は、レイプ犯の正体という謎を追いながらもその中心は特異な彼女の、更に笑っちゃうくらい特異な人間関係を中心に描かれており、ある意味ホームコメディとなっている。 ちょっとおバカな彼女の息子は変な女と付き合い、他の男が生ませた赤ん坊の父親になり、母親は自分より年下の男を愛人にしている。 別れた夫は、若い女に入れ込んでいる。 更に自分も親友の夫と不倫している。 どんなトラブルにも自己主張し、飄々と対応する彼女はなかなか魅力的で可愛く見えて来る。 ダメな息子が赤ん坊を連れて来て、いい父親になりたかったと吐露するのは、ちょっとぐっとくる。 中盤であっさり犯人が特定される。 サディスティックな犯人の行為を、つい受け入れてしまうミッシェル。夫との離婚の原因は夫の暴力だったのに、なぜレイプ犯を受け入れたのか。ここが面白い。 主人公のメンタルの強さは、殺人犯の家族として世間からの迫害に耐えて来た結果なのか、元々彼女は強かったのか、わからない。 ただ、異常犯の心は理解できるようだ。 犯人の妻が主人公に「つかの間、夫に寄り添ってくれてありがとう」と言うのが深い。 全てを知っておりそれに苦しみながらも、夫を愛していた事が伝わる。そして、主人公の存在の意味を観客は理解する。

  • 鑑賞日 2019/2/3

     離婚歴のある会社の女社長がある日レイプを受けるところから物語が始まる。いったい誰が犯人かわからいまま、犯人と思われる人物からの嫌がらせ行為が続く。性的活動が比較的活発な様子の主人公のちょっと奇妙な不思議な態度。物語はずっとこの主人公目線で進んで行く。彼女を取り囲む様々な男性の様子も描かれ、物語がいったいどこに収束してゆくのかまったくわからないまま物語が進んで行く。理解がたやすい映画ではないが、退屈する映画ではなかった。

  • 鑑賞日 2019/3/20

    今フランスで一番の売れっ子女優イザベル・ユペールが、プレステ4のゲームメーカーの女性社長役。 この社長が猛女で実に嫌なタイプ。映画の冒頭でいきなり暴漢にレイプされても平然としている。職場ではワンマンで、スタッフの主張も無視する自己中心女だ。 ところが話が進むにつれ何故か高感度が少しずつ上がり、最後の方では格好良く思えて今後の彼女の人生を応援したくなるから不思議。 ロクデナシの両親にヘタレの一人息子とそのビッチな妻、レイプ事件の思いがけない犯人に職場での酷い中傷と次々にハードな出来事が降りかかるが、常にマイペースでメゲない主人公が頼もしくなるのだ。単に気が強いだけではなく、新しいタイプの強い女性像を描いた傑作になったと思う。 それにしても熟女になったユペール、顔がアップになるとローリング・ストーンズのチャーリー・ワッツにソックリだなw

  • 鑑賞日 2019/3/11

    フランス式と言うのが理解できない部分もある

    あんなにも簡単に他人の家に侵入できるなんて、セキュリティ甘すぎだろう。レイプが癖になってしまうなんておかしいと思うのですが・・・。職業の設定も随分と無理があるのでは?もう少し短時間でまとまれば好評かもね。

  • 鑑賞日 2019/2/16

    たちの悪い「女ダミアン」ではないか?

    主人公の周りの人間がおしなべて異常で、かつかなり深刻な不幸に見舞われる。卵が先か鶏が先かは映画ではわからないが、これは主人公が呼び寄せ、影響力を駆使しての結果であったはずだ。シリアルキラーであるところの父親の影響に起因するとも見れるが、事件の時に撮られたという10歳の写真は十分に扇情的であり、監督の意図的にそう撮られていることから、やはり父親の事件も主人公の邪悪な謀略であるといえるだろう。つまりオーメンのダミアンのSEX版ではないか。職業が上手くぼかされているが、つまりはエロゲー制作であり、社会にもその悪魔的な影響力を行使してもいるのだ。間違いない。そしてタイトルは女というものはそういった本性なのだと明言しているとすると、これはとんでもないミソジニー映画だということになりはしないだろうか。

  • 鑑賞日 2018/12/18

    変態中年女の痴情集。 そんな風にしか思えなかった。 何が面白いのかさっぱりわからない。

  • 鑑賞日 2018/9/21

    ミステリというより

    自宅に押し入られてのレイプ事件に端を発する。 主要登場人物が多く、ヒロインの交際相手や親族関係で約10人。職場関係で数人。 主人公の明かされない過去や怪しげな登場人物だらけのままに話は進む。 ミステリアスではあるがミステリというより人間追究ドラマ。

  • 鑑賞日 2018/12/5

    壊れた国の壊れた人たち

    何を伝えたい映画なのか今ひとつよく解らなかった。原罪からの魂の救済?人間の二面性?背徳によるキリスト教の否定?日本人には取っ付きにくいがきっと多様性に富んだ作品なのだろう。 友達には成りたくないがミシェルは基本的に素直な人なのだと思う。情念は人並み以上に抱えているけれど表し方が屈折しているような感じ。『親切なクムジャさん』のようなハードな復讐物かと思っていたので些か拍子抜け。 共感出来る作風ではないがフランス風のスタイリッシュな立ち居振舞いをする人たちの群像劇としては楽しめた。

  • 鑑賞日 2018/12/1

    えげつない

    レイプされた女性がその犯人を捜すというストーリーはあるのだが、主人公たる女性がとにかくすさまじい。自分がレイプされたことを元夫と愛人に話す、親友の旦那とは寝る、向かいの家の夫にちょっかいを出す、最後には自分をレイプした男が、向かいの家の旦那だと知ると、彼を誘ってレイプもどきのSEXをする。モラルも何もあったものじゃない。色んな事があっても、結局彼女だけは無傷である。それはそうだろう、あれだけ強靭な神経を持っていれば、傷つくことなんて有り得ない。 こんな凄まじい役をよくイザベル・ユペールは受けたもんだ。彼女もきっと肉食系なのだろう。60歳を超えて、オールヌードでこのような役に取り組むのは本当に凄い。

  • 鑑賞日 2018/11/26

    スリラー サスペンス

    過去がある主人公がレイプされてからの人間関係が複雑に絡み合ってくる様を見事に演じている。性描写が生々しい。

  • 鑑賞日 2018/10/30

    レイプの被害女性が、自ら犯人捜しをするミステリー・サスペンスの体裁だが、

    ある特異な女性の日常を克明に追った人間ドラマが主眼。 レイプ場面から始まり、何故か警察に届けない不思議な行動を描く。やがて、幼少時から世間の大きな偏見と好奇の視線に晒されてきたことが明らかになっていく。家族や仕事でも多くの問題を抱えている。これらの問題への彼女の対処法が一種独特で、ストーリー展開も着地点も読めないサスペンスが持続する。 特異な主人公像に加え、周囲の人間像も少しづつ歪んでいる。気持ちのいいドラマにはなっていない。むしろ、見たくもない恥部を見せつけられたようで、ちょっと不愉快。 語り口は見事だし、意外な展開で最後まで見せ切る力のある映画です。好みははっきり分かれそう。ワシは苦手。高貴な魂でなくてもいいから、普通の人柄の人たちのドラマをみたい。

  • 鑑賞日 2018/10/30

    ユペールが凄い

    何と感想を言えばよいのか、 とにかく主人公のミシェルという女が凄い、 それを演じているユペール自身がいろいろな意味で凄い。 フランスってそうなのか? あそこまで自由で、それが普通のように淡々としていると 自分にあるモラルの基準が崩れそうな気さえする(笑)そんな作品。 あまり語るとネタばれしなくても衝撃度が薄れるのでこれだけにします。

  • 鑑賞日 2018/9/11

    何があろうと私は私…ある意味、羨ましいが、わたしには到底無理

    えーっ、この年齢で…おそるべし、イザベル・ユペール😮 おそらく、この役をやれる日本人女優は皆無だろう…

  • 鑑賞日

    趣味に合わなかった

    ゾラを読んだ直後に観てしまうとなんだかフランス人は色狂いばっかりなのか・・・というような本筋とずれた感想を持ってしまう・・・。 誰にも感情移入出来なかったのもあり個人的には面白くなかった。 でもフランス文学が好きな人ならもしかしてとてもはまる作品かもしれないとも思った。

  • 鑑賞日

    性格の悪さがクセになる。

    イザベル・ユペール演じるミシェルの性格の悪さがクセになる作品だった。冒頭の衝撃的なレイプシーンに、同情し、哀れみを覚えてしまうも、彼女の言動に不快感を覚え始める。親友の夫と浮気したり、息子の嫁への辛辣な態度、隣人男性を覗き見しながら自慰…。例えそれが、過去に父親が起こした凄惨な事件が原因とはいえ、レイプ犯探しよりも、彼女の精神構造が一番の謎であった。

  • 鑑賞日 2018/9/24

    人間の複雑さ

    この映画はなかなか形容もし難いし、説明も難しい。 複雑な奇妙で、人間らしいというか…。 ここの登場人物の一癖も二癖もある感が凄くて。 基本は静かなローテンションの映画なのだが、 すごくお腹がいっぱいになる。 掴みどころがないというか、掴ませくれない辺りがフランス映画というか。

  • 鑑賞日 2018/9/17

    フランスは

    ミステリーなんだろうけれども、途中からフランス社会の人間関係とか家族関係に関心が移ってしまった。ちょっとどの登場人物にも感情移入できなかった。

  • 鑑賞日 2018/9/11

    フランス文化の多様性を実感

    後半は、ほとんどホラーのノリ。なんともおぞましい感じ。 しかしながらフランスの情愛に関しての関係意識は、どうにも想像の範囲を超えている。 正確に覚えてはいないのだが、『美しき諍い女』とか『ニンフォマニアック』などで知る、感じる情愛の様態はうまい具合に理解できない。アメリカ映画で描かれるものは、何となく想像力の範囲内で理解できるのだが。 この作品では、特に主人公ミッシェルの息子の結婚した女性との関係だ。いったに何がどうなっているのか。結婚した女性の行動、存在が信じ難いし、肌の色の違う彼らの子供が一体どうなっているのか理解できない。 まあ、数え上げていけばキリがないのだが、フランス文化の多様性、そこはかとない深遠さに驚くばかりだった。

  • 鑑賞日 2018/9/11

    過去に起こった不条理なある事件

    フランス人女性は強いという印象はあったが、この主人公のタフさはとびきりだった。そしてその強さの秘密は、彼女の過去に起こった不条理なある事件にある。当時のことを思えば、今起こっていることなんて全然平気というわけだ。しかし当然あの出来事は彼女の人生を大きく変えてしまったので、彼女の感覚は「普通」ではない。なので主人公を理解したり同情したりするのは難しいのだが、その反面、先の展開が読めず、引き込まれてしまう。硬く突き放した感じの映画が見たいときにおススメです。

  • 鑑賞日 2018/8/26

    美しくしなやかな変態

    アブノーマルな男女間のセックスが頻繁に登場する大人の変態映画。 主演女実業家ミシェルの周りにいる男たち女たち。ミシェルの元夫と女子大学生、母と若い男、息子と彼女、職場の相棒の女の彼氏、向かいの住人夫婦。クロスするアブノーマルな関係。根本には、ミシェルの幼い時に経験した父親(ルブラン)の大量殺人事件が心の澱として残っているのでしょう。それにしてもミシェル演じるイザベル・ユペールは映画撮影当時60歳を超えているはずだが、その肢体にはまだまだそそられるものがある。

  • 鑑賞日 2018/6/13

    何を描きたかったのか

    サスペンス風な展開から一転、人がそれぞれ抱える闇が暴かれていく。…とまとめるには、ベクトルが定まってないように感じた。闇だけを徹底的に描くというわけではなく、壊れかけた若い夫婦が愛を取り戻す様が描かれていたり、何を表現したいのかがくみ取れなかった。 なにより主人公の行動が??なものばかりで、観てるこちらとしてはおいてけぼりになった気分。なぜあの場面で浮気してることを親友にばらしたのか、幼い頃のトラウマが彼女の人生にどういう影響を与えてきたのか、このあたり本当に謎だった。読解力が足らないだけかもしれないが。

  • 鑑賞日 2018/6/7

    女性には薦めません。

     「氷の微笑」から、さらにハリウッド臭さを抜いて、ヴァーホーヴェンらしさを全開にした作品。  イザベル・ユベール、「天国の門」に出ていた。(覚えてない。)  「主婦マリーがしたこと」「ピアニスト」あたりの怪演・快演ぐらいしか見てないが、とにかくヨーロッパにあって、彼女の存在は大きいと思う。  もういい年だと思って調べてみて驚いた。  俺の2か月年上の65才ではないの。枯れてないな。(撮影時63才前後。)  その年で、この暴力とセックスにまみれた役に挑戦するとは・・・。体だって傷だらけじゃないかな。  開いた口がふさがらない。  先日見た「ノクターナル・アニマルズ」と共通点がある。  どちらもヒロインが、会社経営者であるということだ。  有能なビジネスウーマンと、屈折した心の奥底・闇。  さらに本作のユベールには、あまり映画ではお目にかからない、幼い日の忌まわしきトラウマ(虐待なんぞではない)があるという設定。  どこまでも底意地が悪いヴァーホーヴェンである。         (原作・脚本は他の人だが。)  正直、ラストに向けて、底が浅く思えたりもするのだが、ヒロインの心の闇は終わりがないように見え、気持ち悪さは続くのである。  ホラー・ショッカーとしてもハリウッドのそれとは違って魅力的だった。  評価したい作品だ。  

  • 鑑賞日 2018/5/13

    何を言いたかったのか……

    まあ、言いたいというより、見せたかったのかもしれないけれど、自分には、で、結局どういう事だったんだろう? と、クエッションマークが飛んでしまった。 要素などとても詰め込んでいるなあという印象で。 いまいち入り込めなかったのは、恐らく主人公が毅然とし過ぎていたからかもしれない。 主人公が取り乱さないのである。 いや、取り乱したり感情の振れ幅が大きく振れるときもあるが、それでも常に一定に押さえ込んでいるように感じる。 眉毛がぴくっと動く程度にしかこちらには見えないのである。 幼少期の出来事により、こういった対処法を学んだ人格が形成されたのだろうけれど。 そんな彼女をかっこいい女として捉えるか、不気味と捉えるか。 私は後者でした。 常に冷静で泣き叫ばない彼女が怖かったです。 人間臭くない気もして。 それはそうと、彼女の周囲は変態さんばっかりですね。 ラストについても、なにゆえそうなる??? という感じで、クエッションが飛びまくりました。

  • 鑑賞日 2018/5/8

    相変わらずの変態っぷり

    あらすじは以下の通り。 新鋭ゲーム会社の社長ミシェルは、1人暮らしの瀟洒な自宅にいたところ、覆面の男の襲撃を受ける。その後も、差出人不明の嫌がらせメールが届き、留守中に何者かが侵入した形跡が見つかるなど、不審な出来事が続く。自分の生活リズムを把握しているかのような犯行に、周囲に疑惑の目を向けるミシェル。父親にまつわる過去の衝撃的な事件から、警察との関わりを避ける彼女は、自ら犯人を探し始める。だが、次第に明らかになっていくのは、事件の真相よりも恐ろしいミシェルの本性だった……。 年を取って少しは丸くなったもののポール・バーホーベンらしい変態っぷり。 強姦でしか性欲を発散できない隣人とそれを一度は受け入れようとしてしまうミシェルのタフさが凄まじい。その旦那の性癖を知っていた妻も凄いっちゃ凄い。 親友の旦那とただ寝たかったからとしてしまう情事を親友に告げ、旦那は追い出したもののその事実を受け入れてミシェルとの親交は変わらないアンナもたいしたもんだが。 バーホーベンらしく正義感を振りまく人物は一切いなくて、相変わらず善悪を超越した人物ばかり。 次から次へと事件は起こるもののおかしな人物ばかりなので、大したことじゃないんじゃないかと思ってしまう。まさにバーホーベンにしか撮れない映画に仕上がっている。

  • 鑑賞日 2018/5/5

    この映画で重きを置いているものが分からず

    たくさんのことが起こりすぎて、何を訴えたいのかよくわからなかった。 最初覆面男によるレイプシーンから始まって、その犯人を暴いていくのがメインでいくのかと思いきや、あっさり途中で犯人分かっちゃうし。 さっき観たばかりなのに、どういう終わり方をしたのかあまり記憶にない。それくらいごちゃごちゃしていて長い映画だった。 でも主人公のミシェルがたくましく生きててとにかく(特に精神的に)強い!レイプされてもすぐに普通の生活送ってるし、近所の男に襲われても普通に次の日に挨拶。車で事故って足から血が流れる大怪我してるのに、冷静に電話で近所の男呼びつけて家で治療。こんなに強く生きられないよ。 一人の女性をとりまく色々をただ単に描いているだけなんだけど、その日常が波乱万丈すぎて観てて面白かったです。ただちょっと長かった。

  • 鑑賞日 2018/4/20

    ポール・バーホーベン監督の作品では、「氷の微笑」の徹底的に官能なヒロインがいるが、イザベル・ユペールの演じたそれは、何があっても倒れない女性である。現在話題の新潟県知事にこれぐらい無敵な気持ちがあれば良かったのに思ってしまった。

  • 鑑賞日 2018/4/8

    カウント9で立ち上がるタフさ。

    ありきたりな物語という評があるが、この作品は、ありきたりではない方へ ひねっていく。オープニングは衝撃のレイプシーンから始まる。突然自宅に 覆面男が侵入、主人公ミッシェル(イザベル・ユペール)は犯されるわけだが、 何事もなかったかのように、割れたグラスなど片づけ、風呂に入る。なぜか 警察には連絡しない。まったく予想外の展開だ。 彼女はゲームソフトの会社を経営し、若いスタッフを強気で引っ張る姿勢は男勝り。 息子ヴァンサンの嫁は彼女に負けず気が強い。出産した子供はどう見てもカラード。 それでもヴァンサンは嫁と赤ん坊を大事にする優しい男。ミッシェルの母は若い 男を愛人にしてお盛んなところを見せる。 登場人物は、すべて意外な面を見せて、はかりしれない人間の心の奥底を 感じさせる。極めつけは父親が連続殺人罪で収監中という事実が明かされる。 警察嫌いがこのあたりにありそう。 ミッシェルはレイプ犯を恐れない。暴行事件という犯罪であるが、なにか事故の ようなリアクションだ。隠されたセックス観も普通ではない。ともかくタフな女性で あることは間違いない。最初から最後まで、ありきたりなところは皆無だ。 既成概念にはまらないヴァーホーヴェンの映画観、過去のレイプ被害の女性 とは一線を画し、自立した意識がたくましく、次の時代を感じさせるユペール の演技は凄みさえ感じさせる。

  • 鑑賞日 2018/4/15

    ユペール

    らしい

  • 鑑賞日 2018/4/8

    ポールバーホーベン久しぶり...

    あのレジェンド監督、バーホーベンの新作とな! いきなりのオープニングから人間模様... 途中からバーホーベンのパワーが薄くなったことを感じ悲しくなった.. 女性には気をつけようとも学んだ... てかバーホーベン監督作品なのにフランス作品なのね!

  • 鑑賞日 2018/3/25

    予告編からもっとエグい描写があるのかと思ったが、ことのほかオサレな変態映画でした。アカデミー賞もイザベル・ユペールが受賞すればよかったな。

  • 鑑賞日 2018/4/6

    愛と性

    殺人鬼を父親に持つ女性、その過去はあまり語られないが、襲われても通報せず日常を保持する生き方はある意味で強い。その後も彼女の生き方をつらつらと描くのだが、レイプ被害者というイメージが常に底にあるため、彼女の行動(性癖)を不可思議なものと映す。他人には異常に見えても彼女にとっては愛なのかもしれない、と思い始める頃にはラストシーン。彼女が常に父親と戦っていたことが分かる。

  • 鑑賞日 2018/3/29

    観ていてちょっと疲れた

      疲れる映画だった。最後の10分で、犯人は死に、主人は友達と和解し、息子も取り敢えずは家族で生き、と片が付いた形なので溜飲は下がったけれども。  しかし、私は主人公のミシェルのイザペル・ユペールがあんまり好きではない。演技は凄いが、表情が好きでないのかも。彼女の「ピアニスト」は凄まじかったが。  ポール・バーホーベン監督らしいやり方で、レイプ被害者は悲壮感漂う生き方になるのが普通という固定概念をぶち壊すものだった。でも、レイプされたミシェルは、自分の感情を抑圧し、解離しているだけで、これから精神が崩れていくかもしれないし。  最後で犯人の妻が、夫の精神が壊れていることも、おそらくレイプの事まで知っていたのは酷過ぎて、何なのだと思う。でも、一応の物語のケリがついた、という事なんだろう。      

  • 鑑賞日 2018/3/19

    好きな監督

    作品はミステリアス、主役の妖艶でエロい目線と、胸元の開いた服も素敵ですが、この手の話は設定を変えてもやはり人間の性癖という感じ。良いんだけれど、もうちょっと何かあれば・・・

  • 鑑賞日 2018/2/3

    バーホーベン監督らしい猥雑さ

    原作小説があることをこの解説で初めて知った。イザベル・ユペールの映画というより完全にポール・バーホーベンの映画。レイプ犯は誰か?という謎はあるが、スジはセックスにからむエピソードの羅列でほぼ滅茶苦茶。それでも131分退屈はしない。ユペールの行動は、全て10歳の事件に原点があることは理解できるが。結局「女は強い」という結論か。キネ旬2018年2月下旬号の宮崎祐治「映画街路図2017」では、ユペールのイラストと「男は結局ダメよ」と書かれており納得。ユペールの熟女脱ぎは、「胸騒ぎのシチリア」('15)のティルダ・スウィントンと、「別にそこまでやらなくとも・・・」という意味でいい勝負だった。【膨れ上がる欲望の罠、女たちのスリラー:併映「パーソナル・ショッパー」】

  • 鑑賞日 2018/1/10

    怖いのは彼女

    いきなりヒロインが自宅に侵入してきた男に襲われるシーンから始まって観客に衝撃をあたえるが、それにしては彼女の振る舞いはあまりに平然としているのではないか。いやいや、被害者が自分の身に起きたことを否認するのはありうることだと思って見ていくうちに、このゲーム会社の女社長には、大量殺人を犯して服役中の父親がいるということがわかってくる。ヒロインに送られてくる性的嫌がらせのメールは、彼女の少女時代に起きた事件に関係しているのか?自宅で起きたレイプもその一部なのか? 姿の見えない悪意の持ち主に不気味さを感じる以上に、観客は、ヒロインそのものの振る舞いにも居心地の悪さと不気味さを感じるようになる。なぜ実の母親とそのパートナーにこれほど意地悪くあたるのか?あんな事件が起きた後でなぜ隣人と暴力的なセックスを楽しむ気になるのか? 複雑なストーリー以上に、底意地が悪く得体のしれないイザベル・ユペールという女優の存在感に翻弄される。しかし好きな映画かと言われるとなー。

  • 鑑賞日 2018/1/20

    フランス映画の壁

    決してノーマルでない、屈折した病的な性癖が絡み合うサスペンス。でも、根底にあるフランス人の価値観、言うなれば恋愛観のオープンさが、自分には理解できないので、なんとなく不可解さが残ってしまう。フランス映画の壁かな。

  • 鑑賞日 2018/1/20

    強姦しないと燃えない男とその男を弄ぶ女社長の話。最後に強姦男の妻が全て解っていたことには驚きだった。

  • 鑑賞日 2017/10/15

    主人公の幼少期の事件のいきさつが不明。フランス映画にありがちなわかりにくさ。ラストのオチも微妙だか、若くない主人公が魅力的に描かれている

  • 鑑賞日 2017/9/4

    ・ポール・バーホーベン作品(氷の微笑、ロボコップなど)初鑑賞 宇多丸大絶賛 ・主人公のイザベルユペールの驚異の年齢(63歳)とセクシーさ アカデミー納得の演技 ・主人公の過去の犯罪者(殺人)に起因する変態性 出てくるすべての人が変人  母親は若い男と、息子は変な女と子供(黒人の子?)、会社の同僚とはレズでありながら  その夫と不倫、隣人(レイプ犯)と敬虔なキリスト教徒のその妻 会社の部下の変態性  何より性に対して生と同様に貪欲な主人公 ある意味ブラックセクシャルコメディ ・フランス映画であり、笑いありおおよそ狂気ですごい世界観に圧倒

  • 鑑賞日 2017/12/23

    力作だが・・・

    2017年12月23日に鑑賞。シネマスコープ。SBS プロダクションズ。 2017年の映画館で観られる最後の日だったので、「エル ELLE」「ゲット・アウト」と連続して鑑賞。ヘヴィーな2本でグッタリである(笑)何と偶然だが、この2本に同じ場面があった。主人公が林間の道を車で通過中に、鹿に激突されて事故に遭う。 演出も良いし演技も巧いのだが、もう一度観たい映画ではない。前半はサスペンス映画だが、後半は心理劇か。感情移入できる人物がひとりもいない。 イザベル・ユペールは、ミヒャエル・ハネケ「ピアニスト」(2001)でも本作でも、エキセントリックな人物を何の偏見もなく演じる度胸がある。性的な描写にもたじろがないピカイチの女優であることは認めるが。 フランス人は老いも若きも、男女関係に年齢などの何の桎梏もないのだろう。肉食ラテン人種だねえ。ミシェルの母親イレーヌ(墓碑銘1940-2014と記されていたから74歳)は、若い男ラルフを囲い再婚すると言う。元夫リシャールは若い大学院生と付き合い、息子ヴァンサンの妻ジョージーの産んだ子供は黒い赤ん坊だ(父親はヴァンサンの友人のオマールだろう)ジョージーは更に左胸にエリックという刺青をしている。どんだけ。まあ、フランスでは結婚制度が崩壊し事実婚だらけで、実際に人口が増加している。パートナーと別れ、次のパートナーとくっつくなら結婚制度なんて弊害以外の何物でもないだろう。 主人公ミシェル(ユペールの実年齢は1953年生64歳)は、10歳の時に父親が近所の27人を殺害した。(「ルガーヴ通り殺人事件」1976年から39年前という台詞あり)49歳という設定か。 父親ジョルジュ・ルブラン(墓碑銘には1938-2014・76歳)とあるので、事件から39年だと今2015年だが。終身刑で服役して30年。再審請求が却下され、次に請求できるのは10年後だという台詞がある。なるほど。 少女のミシェルも加担したらしいこの事件の動機が今ひとつ分からないが(ミシェルが反キリスト教的な化粧で学校へ行った?)虐められた娘のために父親が犯した?この父親はミシェルが刑務所へ初めて面会に来ると知らされた後に自殺した。 ミシェルは夫と離婚後も交流し、夫の若い愛人に嫉妬し(爪楊枝を隠した料理を食べさせて楊枝が口中に刺さる)、親友アンナのパートナーのスキンヘッドのロベールと浮気し(社長室で昼間にロベールのペニスをしごく)、隣人の夫を双眼鏡で眺めてオナニーし、パーティで隣人の夫の股間を足で刺激し、自分のエロ動画を作った社員のズボンを降ろさせ(ここで「割礼している男を探している」と言う。レイプ犯が割礼していたということか)・・・。また妻子あるヴァイオリン奏者と関係し(元夫の台詞)、アンナとレズを試みようとさえしている。 犯人の隣人の夫が割礼しているということは、ユダヤ教徒なのか?妻レベッカは敬虔な信仰心が篤いキリスト教徒である。降誕祭の日にはTVでミサを見る。家をクリスマスライトで飾り、庭には Nativity Scene(キリスト降誕の場)を作り降誕祭を祝う。日本のイルミネーションの「きれい」だけでは全くないのだ。家を飾っているのは敬虔なキリスト教徒の証しなんだ。 ヴァーホーヴェンなので反キリスト教的な思想の映画であろう。隣人の妻レベッカは、ローマ法王がスペインの「サンティアゴ・デ・コンポステーラ」を裸足で巡礼するというので、自分もスペインへ向かい、その間にミシェルは既にレイプ犯と分かっている隣人の夫パトリックと地下室でレイプごっこ?をする。ここでミシェルが「どうぞ」と言うと夫は「それじゃダメだ。この前と同じでないと出来ない」とミシェルを殴り性交する。床のミシェルは夫が離れた後も声を上げて悶えている。 暴力的な性交でないとペニスが勃起しない男がいるのは認める。暴力的に扱われた女が今まで感じたことのない快感を得て、また暴力的な性交を願望するようになることもあると認める(本当か?これって男の妄想?)。この暴力的な夫が敬虔なキリスト教徒の妻と結婚するのか?しても結婚生活がうまく行くのか?否、妻が宗教的な理由で夫と性交しないから、この暴力的な夫が産まれたのか? 元夫やアンナがミシェルに言う「最も危ない女は君だ」「(エレーヌをパーティに招待したことを)いつもの罠か?」「嫉妬の女王」と言われるミシェルも、なかなか屈折した人物である。 ラストの隣人の妻レベッカの台詞が意味深である。ミシェル「辛かったでしょうね」レベッカ「幸い信仰心があるから・・・。夫はいい人よ。心が病んでいた。彼に応対してくれて感謝している。短い間だったけど」ということは、レベッカは夫がミシェル(他にもいるかも)をレイプしていたことを知っていたのか。 隣人夫がミシェルの家を窺う不審者を発見しもみ合いになり警察を呼んだ→これは変だ。犯人は隣人夫なんだから。警察を呼んで今後パトロールが始まれば自分に不利になるだろう。ここで隣人妻レベッカ「夫ともみ合いになった」夫「変質者は逃げた」と言っている。分かった。ラストのレベッカの台詞から、妻は夫がレイプ犯であると知っていて、夫と共謀して嘘をつき警察をミスリードしようとした確信犯なんだ。ヴァーホーヴェンは「キリスト者こそが偽善者だ」と言いたいのだ。 寿司のデリバリー=お箸で食べる、胡椒スプレー、ワイン「パイパー・エドリッジ」、親友のアンナはミシェルが息子を産んだ同じ日に子供を死産しミシェルと知り合い息子の乳母になったということである。フランスは拳銃の個人所持が出来るのか→射撃場。降誕祭のパーティの夕食後にボードゲーム(これは英国でもするらしい)。隣人夫「グラマン戦闘機の修復をしたい。そのためにNYへ」何かの隠喩でしょうか。小説「ポプラの香り」ピエール・カザマイヨウという作家は映画の創作のようだ(元夫と同じ苗字の作家・エレーヌは別の作家のファンであった(笑)。再度隣人夫に襲われた(これは2人の合意でしょう。パトリックは殺され損だ)ミシェルの息子が暖炉の薪で隣人夫の頭を殴って殺した。ラスト、ミシェルとアンナ(ミシェルと浮気したロベールを追い出した)は暫く一緒に住んでもいいと言う。この2人も複雑だねえ。

  • 鑑賞日 2017/9/3

    どこか軽いユーモアと皮肉な味わい

    ポール・バーホーベンがアメリカ映画として企画したけど、主演に依頼した全ての女優に断られて、原作ファンのイザベル・ユペールが出演を熱望して、フランス映画として製作された作品で、ある日いきなり白昼レイプされた女性が、昔の殺人を犯した父親の共犯と思われた体験から警察に届けないで、いつも通りゲーム会社の社長を続けながら自力で犯人を捜そうとする、という中で、別れた夫や息子や愛人にしている親友の夫や会社の部下や隣人といった男性たちに対するヒロインの歪んだ感情と隠されていた魔性が徐々に浮き彫りになっていく、という展開は、バーホーベンらしく刺激的で変態的な感じになりますが、フランス映画になったこととイザベル・ユペールの個性で、どこか軽いユーモアと皮肉な味わいがあって、とても楽しめましたね。

  • 鑑賞日 2017/12/5

    女性の怖さ

    アラフィフのレイプ事件から始まり、被害者が犯人探しを始める。当たる男性にはどう見ても犯人になるような様相はうかがえない。犯人探しの過程で、被害者の資質が次第に明らかになる。レイプ犯が思わぬ人物ではあるが、被害者はレイプを期待しているような空気も周りに出していた(?)。女友人、息子の嫁にしても、皆女は怖いと思う。人物の区別が難しかった気がした。

  • 鑑賞日 2017/11/30

    付き合いたくない人々

    ◎ 前半は上出来である。サスペンスも盛り上がる。しかし、後半が良くない。レイプ犯が死に、母親が心臓発作で死ねば、父親まで自殺してしまって、無理やりに物語を終わらせてしまっているように感じた。 ◎ それにしても居心地の悪い人物ばかり登場する映画だ。濃い肌色の赤ちゃんを出産する息子の妻なんて、なんでこんな女を選ぶのかと頭を傾げざるを得ない。それでも、みんな集まって楽しくホームパーティを開く。フランス人社会は分からない。

  • 鑑賞日 2017/12/1

    さすがの良質な映画作品です。

    公開からだいぶ経過しており、既に評価が高かった作品ですが、地元の映画館でやっと鑑賞。 いや、評判に違わず流石のクオリティの作品でした。 主人公を始め、何やら一癖ある登場人物たちが織り成す、ブラックコメディ要素有りの良質なサスペンス。 でも、人はみな、多面性と一言では言い表せないアンビバレンツなパーソナルを持っており、その時々の気分や感情で行動原理が変わるし、矛盾した考えや言動も本人の中では筋が通っていたりもします。 いやー、見事としか言えないです。 個人的には、作品内で一番の"良心"として描かれていた人物の、ラストの衝撃的な一言にドキッとしました。

  • 鑑賞日 2017/11/22

    迂闊に大好きだと言わない方がいい映画監督

     エグイ! エグ過ぎる。クセも強い。観ている間ずっと、胸が押しつぶされそうだったよ。凡百のエロ映画とは一線を画していて、今まで観たこともない何だか上等な部類の作品なんだろうなあとは思うけれど、好きじゃない、こんな映画。  作家の松久淳が、「もし”大好きだけど迂闊に大好きだと言わない方がいい映画監督”ランキングがあったら、たぶんポール・ヴァーホーヴェンが1位になるんじゃないでしょうか」と書いているが、言い得て妙だ。(シネコンウォーカー2017.8) 80歳近くになって、こんな物凄くて悪趣味な映画を撮ってしまうエネルギーが凄い。松久氏は、「その戸惑いも忘れ、いつのまにか予想もしない痛快な気分を味わっていたりもする。しかしそれは、同じくらい嫌悪感を抱く人もいるわけで、だから”迂闊に好きとは言えない”のです。でも、私は大好き。」と言うのだが、凡人の私たちとは評価が別れるんだろうね。  でもまあ、イザベル・ユペールという女優の半端ない存在感は認めなければならないだろう。彼女が登場すると、画面がキュッと締まって、ただエグイだけではなく、何か気品みたいなものがあると思わせてくれたのは否定できない。1953年生まれだから、今年64歳。役の設定は50歳前後なのだろうが、還暦過ぎても凛とした美しさを保ち、レイプ犯のターゲットとなり、それをプレイにまで持ち込んで、惜しげもなく何度も裸体をさらし、バスタブで股間から水面に浮かんだ血を何事もなかったかのようにかき混ぜ、元ダンナには「私って、年の割に締まりがいい?」とか聞いたりする。そんな女を演じることのできる女優が他にいるだろうか。  出てくる人たちはクズばっかりで、こんな奴らとは付き合いたくないなあと思いながら観ていたけれど、ラストには、ちょっとカトリックの罪と救いの問題も盛り込みながら、それぞれがそれなりの幸せを見つけていったみたいで、少しだけ胸が軽くなったような気がした。

  • 鑑賞日 2017/11/16

    理解できなかった

    覆面・黒ずくめの男に強姦されたとしよう。その男と知って、あのような関係を続ける気になりうるだろうか?

  • 鑑賞日 2017/11/14

    どこがいいのか

    好みの問題かもしれないが、主演女優に魅力を感じない。良かったのはヨガ(?)のインストラクターのお姉さんだけ。

  • 鑑賞日 2017/11/4

    作品の世界にどっぷり

    最初、生理的に受け付けないリアルなディテールを見て吐き気がしました。さすがフランス…でもその後は映画の世界にどっぷり浸りました。観る前は主人公の女性が殺人するような内容なのかと思っていましたが、そんな愚かなことはせず。男達が死に、追い出され、意気消沈する中、女達は強く、したたかに生き、最後は幸せ。あっぱれ

  • 鑑賞日 2017/8/28

    ユペールの気高さ

    ヴァーホーヴェンの映画は積極的に買った事が一度もなく、あの下品な露悪趣味には気分が逆撫でされるほかないのですが、イザベル・ユペールが演じると、裸に剥かれても、湯船で下半身から血が滲み出ても、あまりにも堂々としているので下品さが掻き消され、ヴァーホーヴェン映画とは思えぬ気高さがあります。 「エル」という映画は、いきなりユペールに降りかかる災厄の場面から始まり、犯人は誰なのかという謎が、取り敢えずのお話の牽引車として機能しながら、容疑者の数が少なすぎるので、真犯人はすぐに予想されてしまい、謎解き映画としては落第点でしょうが、ユペールがどのように事態にケリを付け、それをどう演じるかが、観る者をを釘付けにする映画でした。 「エル」の役柄を演じきる事ができる女優は、ハリウッドには只の一人もいないでしょうから(日本では山内大輔映画の朝倉ことみがいましたが、足を洗ってしまいました)、イザベル・ユペールをオスカー候補に選びたくなってしまったアカデミー会員の気持ちは理解できます。

  • 鑑賞日 2017/10/30

    予告編に騙された

    ミステリーとかサスペンスとか。 ヒロインの犯人探しとか。 復讐劇とか。 予告編を観て、そんな映画だと思い込んでいた。 が、 勿論、それらの要素はある。 ハリウッドとは違うスマートなエロスあり、偏執的なラブロマンスあり、と要素が絡まり合う。 犯罪はあった。犯人探しはあった。復讐はあった。 仕事をバリバリ進め男たちを使う女経営者がレイプされた。犯人は、近所の男?会社の部下?が、犯人は早々に近所の男だとわかる。その暴力的なセックスしかできない男を誘惑するヒロイン。「イマージュ」や「O嬢」の様な偏執的なラブロマンスがらみの復讐劇になるのか?と思いきや、そちらにも行かない。 なかなか印象が一定しない作品。 予告編からのイメージは裏切られた。 ラストは、ヒロインとヒロインの不倫相手の妻(同僚でレズビアンを匂わせる関係)が一緒に暮らす?なんて会話でエンドタイトルへ向かう。 他にも、仲たがいをしていたカップルの和解が突然現れたり。 兎も角、一筋縄ではいかない。スッキリした物語の映画ではない。 ただ、流石にフランス映画。 女性は皆魅力的で美しく撮られ、スクリーンに映し出される。

  • 鑑賞日 2017/10/29

    ヘンな人ばっかり・・・

    フランス人が観ると違和感ないのかな? ヘンな人ばかりなので、ミシェルがおかしく見えない。。。 父親の自殺は、父親に会わないと言うのは父親に対する罰だと思っていたのに、そうではなく、父親から呪いをかけられているのではなく自分が呪いそのものだったってことで、これからミシェルの人生は変わるのだろうか。 いや、気付いただけで変わらないかな。 何より一番驚いたのは、この映画はPG-12だということ! Rつかないなんて!子ども観たらだめでしょ!!

  • 鑑賞日 2017/10/29

    フランスサスペンスらしい

    あらためて、フランス社会、ビジネス社会は、独特な感じがした。洗練されているようで、人間の行動は極めて原始的というか、欲望が容認される世界だ。それだけに、何でもあり。フランスが多民族国家になっているのも理解できる。よって、予定調和にならない面白さがあるとも言えるのだろう。人間的と、言えば人間的。原始的。

  • 鑑賞日 2017/10/28

    やはりこの映画は二度目以降のほうが面白い。少女時代のトラウマから誰に対しても何事にも屈しないという彼女の性格を知ったうえで最初から観ると彼女のとる行動の一つ一つが腑に落ちる。自分を貶めた人には全く容赦が無いのだ。容赦の無さ。これぞヴァーフォーヴェン映画か。

  • 鑑賞日 2017/10/28

    ミッシェルの姿勢にとても共感した。 自分の気持ちは大切にしつつも、 自分の感情にすら人生の邪魔はさせないとする その姿勢に、とてもフラットな気持ちにさせられた。 だけど、そんな中、 レイプされて1回も泣きわめかないなんて できるだろうかと考えたらNOだし、 あんな状態でローガンとセックスやら 手コキできるかと言われたらNOだ。 私は感情を丸出しにするだろう。 それは誰かに何かとしてカテゴライズされやすい 行動だとしても、そうしてしまう。 被害者面を自分のためにするだろう。 私は結局フラットに共感していたとしても 彼女のしていることを何1つとして 実行はできない。 劇薬の意味を理解したのは、 それを実感したときだった。 まさに劇薬。 ただ、アンナの前では無邪気に笑い、 母親の前では素直に「殺す」と言えてしまう、 彼女にそういう相手もいることに、 ちょっとだけ安心もした。

  • 鑑賞日 2017/10/24

    無茶と自由と変態

    人間関係というより肉体関係。あり得ない無茶と自由と変態。人間の変態的二面性。そこにヴァーホーヴェンの確信犯的破綻と悪意がある。頭で考えた話しでは無く、性器で考えた話しだ。だから、破綻していても無理は無い。

  • 鑑賞日 2017/9/16

     巨匠ポール・バーホーベン監督によるサスペンス映画。監督にとっては初のフランス語による作品となった。  ゲーム会社の敏腕社長であるミシェルはある日、自宅で覆面の男にレイプされる。その後も、差出人不明の嫌がらせメールが届き、留守中に何者かが侵入した形跡が見つかるなど、不審な出来事が続く。警察に頼らず独自に犯人捜しをするミシェルだが、実は彼女自身にも恐ろしい秘密と本性があるのだった。  前半はミシェルの犯人探しのサスペンスとミステリー的な展開が主で、どういう方向に話が転がるのかわからないスリルと緊張感がある。しかし後半になるにつれてどんどん意外な方向に話が進んでいく。その展開の妙もさることながら、やはり本作を引っ掛かる映画にしているのはバーホーベン監督の「性」と「人間」の描き方だと思う。ミシェルはレイプ被害の後、淡々と部屋を片付け、風呂に入り、寿司を注文し訪ねてきた息子を迎え入れる。友人たちに事件のことを話し、彼らが言葉を失うと「だから言いたくなかったのよ」という態度をとる。ミシェルは徹頭徹尾、「被害者らしい」行動を取らないのだ。人間というのは他人に対し、意識的でも無意識的でも「○○らしい」態度を取ってほしいというバイアスがかかることがある。父親が関わる過去の事件のせいか、ミシェルはそうした「らしさ」を排除しているように見える。それは彼女が特別な強い女性だからではなく、人間というものが本来持つべき自由とはそういうことなのではないか、ということなのじゃないかと思う。ミシェルを演じたイザベル・ユペールは本作で数々のノミネートや受賞も当然の素晴らしさ。60歳をとうに超えているとは思えない色気と美貌。この難しい役に見事に説得力を与えていると思います。  息子の子供が生まれた時のシーンや、ラストのミシェルと隣人の奥さんの会話など、所々にバーホーベン監督らしいどぎついユーモアがあったりして、個人的にはうれしい。見る人によっては不快感を感じる映画かもしれないけど、そこもまたバーホーベンだと思います。御年79歳、全くキレを失っていないのがすごい。

  • 鑑賞日 2017/10/14

    マトモな奴はいないのか

    いやぁ、笑った笑った。 こりゃなんじゃ。マトモな奴はいないのか。 キワキワなところをエロ美しくまとめてしまうイザベル・ユペールの怪演と、監督であるポール・ヴァーホーヴェンの手腕が見事なのでしょう。 変態だけどね(笑) 真面目に読み解こうとすればいくらでも理屈はついてくる構成だけれども、もう爆笑しちゃっていいんじゃないかなぁ。 色々諸々あっても「しょうもない男なんてうっちゃっちゃえ」なアンヌとの友情が素敵。

  • 鑑賞日 2017/10/14

    エル ELLE

     この映画をどう表現したらいいのか困っていたら、パンフレットの作品紹介のところに“気品あふれる変態ムービー”という表現があり、爆笑してしまった。しかし言い得て妙である。  サスペンス映画という触れ込みだが、ミシェルを強姦した犯人はすぐ判ってしまう。興味深いのは、犯人が隣人のパトリックと判っても、ミシェルとパトリックの関係が続いていくことである。ミシェルは元々パトリックが気になっていたようだし、犯人がパトリックと判っても、ミシェルはパトリックを誘惑さえしている。ただ、ミシェル(マゾ的)とパトリック(サド的)は、強姦というシチュエーションでないと盛り上がらないという妙な性癖を持っているようである。最後、パトリックが侵入してきた時も、遊びの続き感覚だったのかもしれない。しかし、何も知らない息子は、母親が強姦されているとしか思えず、パトリックを撲殺してしまった。  敬虔なカトリック信者のようである妻レベッカがどうしてまたパトリックのような男と結婚したのかよく解らないが、これもまた人間関係の不思議さということであろう。ミシェルと別れる時、レベッカは「夫のことをかまってくれてありがとう」と言っていた。あなた達の今までのことはみんな知ってるのよ、ということか。これもまた恐ろしい女性である。  狭いコミュニティの中で、濃厚な人間関係が繰り広げられるフランスの社会も、私にとっては不思議の一つだった。  イザベル・ユペールさんは御年何歳かわからないが、全ての男を惑わせる魔性の女を体当たりで演じている。

  • 鑑賞日 2017/10/13

    女たち、凄過ぎ。

    イザベル・ユペールに期待して観た1本。鑑賞後、彼女の年齢を調べてビックリ。日本だったらこんな役が来て演じられる同世代の女優がいるだろうか? 作品としては、暴行シーンがフラッシュバックのように繰り返されるのが気分が悪く、もう一度観てみたいというものではなかった。しかし出てくる女たちの壊れっぷりは圧巻。まさにトラブルメーカーというべきミシェルの存在感も、友情を超えたアンヌとの関係も、夫の性癖を知りながら見て見ぬふりをした上にミシェルに相手してくれてありがとうなどというパトリックの妻も、明らかに別の男との子供を産んで平然と自分と子供への責任を恋人(ミシェルの息子)に迫る若い女も、若い男との情事に現を抜かすミシェルの母親も、全員、男たちの身勝手や悪意など霞んでしまうくらい凄過ぎた。 一点気になったのは、ミシェルの父親のエピソードが何のために差し挟まれたのかがよく分からなかったこと。その時彼女の中で何かが目覚めて自分も猟奇的殺人を犯すって訳でもなし。父親の罪はお前の罪だと長年他人から糾弾され続けたことが彼女の性格形成に影響を与えたとか…?でもそれって要るかなぁ。

  • 鑑賞日 2017/10/8

    もうひと捻りは?

     世評の高いサスペンス映画ということで見た。確かに掴みどころのない女ミシェルを演じたイザベル・ユペールの演技はいつもながら感心するばかりだけど、彼女ならこのぐらいの演技は当然だと思っている。中味が空虚のようで実は粘ついた情念の塊のような女をこれまでも演じてきているのだから。見ていてシャブロル監督の「主婦マリーがしたこと」の主人公役を思い出した。  冒頭からレイプシーンというショッキングなシーンを用意してみせるが、当の被害者であるはずのミシェル(イザベル・ユペール)がこれといって取り乱していないのがおかしい。しかも警察にも届け出ない。これは何かあるなと観客に思わせる。この辺の作劇は監督の腕の見せ所だ。  ミシェルの仕事内容、家庭事情,過去のトラウマといったことがひとつひとつ紐解かれていく展開もミステリータッチでいい感じだ。特にミシェルの父親が犯したらしい大量殺人事件のエピソードが大きい。まだ幼かった彼女がこの事件で受けた心の傷とはどんなものだったであろう。その後の人生を狂わせてしまうに充分なほどの事件。現に未だにその記憶を引きずっている者にとっては彼女の存在は鬱陶しいだけ。それでも記憶を振り切ってゲーム会社の社長という地位にまで登りつめたのだが・・・・。  過去の心の傷が原因なのか倒錯した性癖が思い出したように噴出してしまう。それでもなんら悪びれもしないどこか虚ろな女というのはこの役者に実にピッタリである。  ただミステリー風な展開に意外な結末を期待してしまった自分にとっては少々物足りないエンディングであった。思うに前半で監督はエンタテイメントとしてサービスを振りまきすぎたのではなかろうか。実は微妙な心理劇のはずの原作に化粧を施しすぎたような。そこにハリウッド帰りの後遺症を見てしまうのは自分だけか。

  • 鑑賞日 2017/10/9

    これまでの作品同様に女は強く男はバカという女尊男卑を描いたもので、どこをどう切ってもポール・ヴァーホーヴェンらしい人間の俗な部分を描いたブラック・コメディ。特にレイプ犯がわかってからの後半の展開が面白い。「人の感情なんて一般に映画で描かれているような単純じゃない。そういった現実の複雑さを映画で表現するのは難しいのに巧くやり遂げている。」と評した高橋ヨシキ氏に大いに賛同。一筋縄ではいかない面白さがあった。また、この映画は単純じゃないので何回も観る度に面白さが倍増しそうとも感じた。

  • 鑑賞日 2017/10/8

    バーホーベン流ユペールの魅力の引き出し方。

    やっと見ました。これ、非常に感想が言い難い作品。近年、I・ユペール主演作が多数公開されていますが、彼女のキャラクターを活かした感じだと、ミア・ハンセン・ラヴが撮ると「未来よ、こんにちは」の様な作品になる。そして、バーホーベンにかかると、この作品の様な仕上がりになるんだなと。それにしても、彼女は怖さの演技力のベクトルを沢山持ってる女優さんだと思いますが、今回も女子が思う怖い演技に拍車がかかってました。流石です。個人的には、ユペールが纏っていた数々の衣装が、彼女のスタイルの良さと相まって中々素敵で良かったなと思いました。

  • 鑑賞日 2017/9/7

    暴漢に襲われた女性の本性が徐々に見えてくる深層心理スリラー!人の心というのは闇深いものだと感じる秀作!

    新進気鋭のゲーム会社の社長ミシェルは、ある日、独り暮らしの自宅で覆面の男の襲撃を受ける。その後も不審なメールを受け取ったり、留守中に何者かが侵入するなどの奇妙な出来事が続いていた。自分の生活リズムを知っているかのように起こる犯行に、彼女は自分の周囲に疑念の目を向け始める。過去の悲惨な体験から警察との関わりを避ける彼女は、自ら犯人探しに乗り出していくが。。ポール・ヴァーホーヴェンがイザベル・ユペールを主演に迎えたサスペンス。原作は、「ベティ・ブルー/愛と激情の日々」のフィリップ・ディジャンの小説。 「スターシップ・トゥルーパーズ」や「ロボコップ」などの1980年代以降のSF作品監督として知られるヴァーホーヴェンですが、近年は前作のメジャー公開作が2006年の「ブラックブック」というくらいに寡作な監督になってきています。2000年の「インビジブル」もそうでしたが、本作にしろ、「ブラックブック」にしろ、SF色は少し薄めて、より人間の根源に潜んでいる醜さを上手く表現しているなと思うのです。というのも、代表作ではる「ロボコップ」(1987年版)にしろ、「トータル・リコール」(1990年版)にしろ、彼は従来から、表面上は社会をちゃんと構成しているような人間の底に必ずあるような卑猥さや、醜悪さというのを、SFという道具を用いて表層化していく。そして、派手に飛び散る人の血やバラバラになる身体のパーツみたいなもので、我に返るような生気というのを逆に私たちに感じさせてくれる。動物としての人、感情や本性を持つ人という多面的な人という存在を、映画というフィルターを通して私たちに語りかけてくるのです。 本作は突然、ある女性・ミッシェルが自宅で暴漢に襲われるという衝撃的なシーンから始まります。自分の性器が犯されながら、襲撃後、呆然とする自分から何とかミッシェルという社会的な人のパーツをかき集めていくところから始まるのです。世間的に見たら、ミッシェルは女性としての成功の象徴。しかし、彼女の成功には様々な妬みもあるし、近所の人との関係もどこか不審めいたところもある。きっと普通の感覚なら警察に届け出たり、あるいは泣き寝入りで引きこもりになりそうなところなんですが、彼女は自分の周りで起こる不審な出来事を自らの手で解決していこうとする。それは人として取り繕う必死さというより、彼女の根源的なところに潜む醜さが動かしていく様であることが徐々に明らかになっていくのです。 よく凄惨な事件が起こると、ワイドショーのインタビューで「普段はおとなしそうな、あの人が、、」的なコメントをする場面をよく見ますが、人というのは卵みたいなもので、いくら話をしている人も、ひょっとして親子や夫婦という関係であっても、見えているのは卵の殻の部分で、相手の内面を知ることは決してできません。きっとあなた自身を振り返っても、真面目な顔して卑猥なことを考えたり、醜悪なことを想像したりすることもあるかもしれない。でも、それは意識を持っている人間として当然のこと。ただ、それを行動に移してしまうか否かで、その人の本質が見えてくる。ヴァーホーヴェンはそこを見透かしてくるから、映画ファンとしてはたまらないのです(笑)。

  • 鑑賞日 2017/9/14

    一筋縄ではいかぬ

    予想している展開の斜め後ろからぶん殴られる感じです

  • 鑑賞日 2017/9/30

    イザベルユペールを観たい人にはいいけど、

    ボヴァリー夫人のイザベルユペールがいい記憶で、久しぶりに彼女の出る映画を観た。この映画は、彼女の魅力を堪能する映画かと。ヨーロッパの女優の独特の魅力は今も健在。 話は、くどかったり、たるんでいたり、テンポも演出も私は好きでない。それぞれの女性のしたたかさと男性の哀しいところが演出されているのだけど、それがどうしたという感じです。 ロマンポランスキやルイマルだったら、どのように撮るだろうか?途中から、そんなこと、考えていました、

  • 鑑賞日 2017/9/15

    イザベル・ユペールが凄い

     フランス映画。ゲーム会社の社長のミシェルは、自宅で覆面男の襲撃を受け犯されてしまう。しかし警察への通報はせず周りを窺うばかりだった。ミシェルの父親は幼い頃猟奇殺人事件の犯人として現在服役中だったがその場にいたミシェルは警察不信に陥っていた。その後も嫌がらせメールが来たり、会社では開発中のキャラにミシェルの顔をコラージュしたエロ動画が送られたりした。元夫や友人たちは警察へ通報するよう説得するが耳を貸さないミシェルは、会社の同僚、恋人、隣人などを疑い個人的に捜索しつつ銃を練習し護身をはかる。再度襲撃された際には反撃しけがを負わせたことから犯人を突き止めるのだった。  なんといってもイザベル・ユペールが凄かった。自宅でレイプされたら精神的におかしくなっちゃいそうなのに平然と日常をこなし一人暮らしを続けるミシェルっていったい何なんだろう。また外国では家の扉に結界でもはってあるんでしょうか。ガラス張りの庭に面した扉の鍵を治してもガラスを破られたらおしまいなんじゃないかと思ってしまいました。そして隣人の妻の対応も何とも言えないドライさを感じてしまい、日本ではありえない設定であることを感じました。ハリウッドリメイクなんて噂があるけど、毒気が抜けたつまらない作品になっちゃうんだろうなあ。ある種の変態エロ映画ですが、毅然としたユペールが映画自体を輝かせていました。変態的性癖は表に出すと結構怖いもんですな。それにしてもミシェルの父親が関わった一家惨殺事件は結局なんだったんだろう。

  • 鑑賞日 2017/9/27

    みんなが屈折している。それが現代ということか。

  • 鑑賞日 2017/9/11

    麗しく堅牢な精神

    イザベル・ユペールの魅力に一気に堕ちてしまった作品 彼女の素晴らしさを愛でるしかない ハンサムな隣人に向ける上目遣いは 全く媚びてなくてどちらかと言えば挑戦的 相手の言葉に返事をするでもなく 微笑みながら漏らす吐息は色めき どんな男でも一瞬で視線を釘付けにする 過去の事件によって 彼女の強靭な精神は造り上げられた それは因縁とも呼べる 女にとって最も悍ましい出来事に 遭遇しても 彼女だけは 誰よりも自分らしく 誇りをもって前に進もうとする 誰のせいにもしない 全てを受け入れ静かに微笑む 社会的地位にも驕ることなく 成果を上げる為の見極める力もある 頂点まで登りつめた その精神力は 賞賛に値する でも欲望は別物 誰よりも貪欲で正直だ エゴイストで 倫理に反することも 欲望のままに流されても 自分の敵にさえその眼差しは フラットで聡明 その嗜好を懐柔しながらも相手を受け入れ たように感じた 元妻の別れ際の言葉を聞いたときに そう、思った

  • 鑑賞日 2017/9/18

    前評判通り、かなりの変態映画。 ユペールは、全くよくこんな役をやったもんだ。 これは、フランス映画だから許される物語。 人間が抱える性の闇は深いなあ。なんという世界。 理解はできない。共感も出来ない。 でも不快感が無い。このカラリとした感じ。不思議だ。 〈パンフレット〉★★☆ B5縦幅太、カラー、24p、700円 受賞&ノミネート 作品紹介 物語 レビュー/真梨幸子、清藤秀人、樋口泰人 インタビュー/イザベル・ユペール×ポール・ヴァーホーヴェン監督 グラビア キャスト紹介10名 プロダクションノート スタッフ紹介5名

  • 鑑賞日 2017/9/19

    ブラックな映画

    久々に観るバーホーベン作品。なかなかブラックでした。ハリウッドでは撮れないだろう内容で興味深かったです。

  • 鑑賞日 2017/9/18

    サスペンスとしては上々の出来なんだけれども、エルと母親との関係がなぜあれほどまでに冷ややかなのか、父親が起こしたとされる惨殺事件がなぜ惹き起こされたのか、もう少し説明が欲しかった。

  • 鑑賞日 2017/9/14

    ゲスな女

    登場人物が全員曲者。こんな面白いフランス映画観た事ない。 こんな映画を撮る監督フランスにいたかなぁ?と思うと… ゲスの極みのあの監督やん。はいダッチティストな感じです。 オールドミスが十八番のイザベル・ユペール。 今回もこの変な女の役を水を得た魚のように演じます。 女性蔑視スレスレ、表面上はこの映画嫌いと言う女性多いと思いますが、 同性こそ大好物な映画だと思います。 何と言ってもエキセントリックで面白いし、 サスペンス部分もドキドキする。 (ベスト10、主演女優賞候補)

  • 鑑賞日 2017/9/14

    予備知識なしで鑑賞

    ポール・ヴァーホーヴェンの作家性云々を語る知識を私は持ち合わせていない。それでもこれが〝性〟に関する女性の柔軟性・強さ・複雑さを斜めから描いた映画だとは解った。 真面(まとも)な人物が一人も登場しない相当カリカチュアライズされた話で、怖いと言うより1人の女''性''を巡る男達の滑稽さを笑うブラックなコメディだと思う。ドリフのコントで言うなら「もしも、男性が性癖のままに迫って来たら?貴女はどうしますか…?」みたいな感じ。やたら尻やら乳やら出るところもね。笑 インモラルなシーンの後に長さんが「ダメだこりゃ〜」って言いそうで・・・

  • 鑑賞日 2017/9/11

    日本では撮れない映画

     オープンクレジットが終わらない内に、いきなりレイプシーンから始まる。BGMに優雅なクラシックが流れ、違和感にとまどう。カメラはレイプシーンを一瞬捉えただけで、二人の行為をじっと見つめる飼い猫の表情を追う。男の野獣のような叫びと女の悲鳴が最高潮に達した時、猫が思わず顔をそむける。これ以上、見たくないと言わんばかりに。 衝撃的なファーストシーンだが、この時に感じた違和感が全編につきまとう。何故か? 登場人物の誰一人として共感できる者がいないからである。  レイプされた後の女の行動が不可解だ。病院には行くが警察には行かない。警察に行きたくない事情があるようで、その事情も次第に明らかになる。女はレイプ犯を割り出そうとするが、彼女には敵が多い。ワンマン社長で、社内にも彼女を恨んでいる人間が多い。ゲームソフトを作っている会社なのだが、作っているゲームもいわゆるエロゲーだ。どれも胡散臭い人間ばかりで、誰が犯人でもおかしくない。犯人探しのミステリーになるかと思いきや、本作の狙いはそこではなかったようで、案外あっさりと犯人がわかる。意外な人物と言えば言えないでもないが、怪しい雰囲気はあるので予想はできる。  犯人がわかっても、女の不可解な行動は続く。男を警察に突き出すでもなく、むしろ男と接触を図るが、惨劇は繰り返される。  御年79歳のポール・バーホーベン監督は全く毒気を失っていない。そして、60歳を過ぎているイザベル・ユペールがしなびた裸体をさらして、枯れることのない女の性を見せている。これは日本では決して撮れない映画だと思った。毒気がある監督という点では北野武がいるが、60代でこれだけやる女優はいないだろう。その点ではユペールの女優魂には恐れ入るが、観ていてつらいものもあった。

  • 鑑賞日 2017/8/25

    ちょっと期待しすぎた感はあったが、人間の、特に女の業の深さにギリギリやられる。正常とか異常とか変態とかうるせえと言わんばかりのみんな少しずつずれていて、少しずつまともで、やっぱり変態なのがいい。

  • 鑑賞日 2017/9/12

    裏切りと再生の物語

    登場人物全員が誰かを裏切り続ける。裏切られる不快感の正体は、常識なのか誠実さなのか。裏切り続けた人が自分に正直に生きようと再生していく姿はなんとも言えぬ感覚。痺れた脚に血が通っていくような。犯人探しに夢中になっていたが、段々エルの冷静さを見習っていくと、真理に辿り着ける。構成に唸った。

  • 鑑賞日 2017/8/30

    意味がわからない(゚д゚lll)

    久しぶりのちょい変態ぶり発揮!!(何しろ「ピアニスト」がすごすぎて)彼女のこういう作品は大好きです(*´ー`*) こんな女が親友だったらとっても無理と思うけど、それでも友情は続く…すごいな(-"-;A いろいろな男はいるけれど、誰とも本当のところはうまくいっているわけではなく、嫉妬はすごい。仕事は成功しているけれど、やり手の部下には嫌われていて、あることがあるんだけど、それは彼女を慕っている部下がやっていたことで、そして母親は金目当ての若い男と結婚!?息子の嫁の生んだ子は... とにかくまともな人が出ていないのがすごい( ̄□||||!!親友のアンヌ(アンナ・コンシニ)とお隣さんの若妻レベッカ(ヴィルジニー・エフィラ)以外(宗教には入っているけれど)。 子供の頃のある大事件がトラウマなのなんてどうでもいいくらいのすごさ。もちろんトラウマ自体も最後にパンチが効いてくる。 そして、そんな終わり方( ̄▽ ̄;)無茶苦茶だ(-_-;) イザベル・ユペールの女優魂に乾杯です(^_^)/□☆□\(^_^)そして完敗です(T△T) さすが、「ベティ・ブルー/愛と激情の日々」の原作者フィリップ・ディジャン!!

  • 鑑賞日 2017/9/3

    バーホーベンの平常運転変態映画

    ハリウッド映画的な予定調和的な進行が1ミリもなく、ストーリーや登場人物の行動が全く予想できない。 バーホーベン監督なので、あいかわらず変態映画で、なおかつ主人公の女性はなんだかよく分からないモノに対して常に闘っています。いつものバーホーベンです。 キリスト教的モチーフを各所に挟んでくるのも、いつものバーホーベンです。 こういう映画も悪くないのだが、『ロボコップ』が生涯のベスト10に入るくらいに好きな自分としては、バーホーベンにはバイオレント馬鹿アクション映画をもう一度撮って欲しいのだけども。もうハリウッドじゃ撮らないの?

  • 鑑賞日 2017/9/2

    一番のミステリーは“ELLE”

    ある日ゲーム会社の社長ミシェルが、突然マスクを被った男に押し入られ、レイプされる。ミシェルは警察に頼らず、自分で犯人を捜し出そうとする。従来のサスペンス映画だと、この犯人探しに重点を置き、犯人は一体誰なのかという謎を観客に提示して、ラストまで引っ張る。だが本作は違う。もちろん犯人探しのサスペンスはある。しかしそれは大したものではない。勘の良い人なら、早い段階で犯人が誰なのか分かるだろう。ミシェルにマスクを取られ、顔が露わになったシーンも、ああやっぱりと、驚くこともないだろう。本作のミステリーはミシェルが襲われた事件ではない。ミシェル自身だ。タイトルのELLE、つまり彼女はミシェル。ミシェルという女のミステリーなのだ。 39年前、ミシェルの父親は残酷な大量殺人を犯し、少女だったミシェルも警察に事件への関与を疑われる。この凄絶な過去を背負いながら、このヒロインはゲーム会社の社長という地位に就いている。それまでの彼女の努力は如何程のものだったろうか、興味深い。 更に彼女の性生活も興味深い。彼女は性に対して情熱を持っていないように見える。受身的で冷めていて、乾いている。断るのも面倒だからベッドを共にしている風に見える。そんな彼女が近所に住む他人の夫に欲情し、積極的になる。そしてその男が彼女を襲った犯人だと明らかになるのだが、その時の彼女の心理はどんなものだったのか?その後彼女はその男とのバイオレンスなSEXに喜びを覚えるようになる。出産経験もある49歳の熟女の性の目覚めか?アブノーマルなSEXを楽しんでいたかのようだが、結局最後は男を殺める。この辺りの彼女の心の動きも非常に難解。 話が進むにつれ、一体このミシェルという女はどういう人間なんだ?という疑問が膨らんできて、観客は彼女から目が離せなくなる。本作は謎を事件に置くのではなく、ヒロインに持たせるという、特異なサスペンス映画と言えるだろう。

  • 鑑賞日 2017/9/9

    イザベル・ユペールの色気と笑いの黒さに戦慄が止まらない一本

    ポール・バーホーベン監督の最新作、「エル」。今日見てきたが、相変わらず悪人と変態と愚か者しか出てこない最高の映画でした。 先週見た「パターソン」は何の変哲もない日常に詩を湛えさせ『これは人生そのものだなー』とか思わせる映画だったが、いっぽう「エル」はレイプ、殺人、不倫、母子喧嘩、嫁姑抗争など、犯罪といがみ合いのオンパレード、しかしこれもまたエクストリームな形で『これは人生そのものだなー』と思わせる。とにかく映画の中のすべてのタイミングが、人という存在のこわさやみっともなさをさらけ出す超強力ブラックジョークの引き金として設計されており、ときに大爆笑、はたまた笑えるけど半ば恐怖も含めた引きつり笑いを催させられる。 こんなに意地悪で面白い映画はない。バーホーベンがオランダ人だからと比較するのは安直なんだけど、ブリューゲルの農民画ってバーホーベンの映画の黒ユーモアと共通する味わいだよね。

  • 鑑賞日 2017/9/9

    この映画で何を描きたかったのか

    いかにもポール・バーホーヴェン監督が好きそうなエログロの題材。また、高収入のエリートほど満たされない心の隙間を埋めるために、変態が多いというのも分かる。ただ、この映画で描きたかったのって何なんだろう。同監督の「氷の微笑」のキャサリンが更年期を迎えて、心の隙間が広がったってことなのかね。個人的にはスッキリしない気分の残った映画。

  • 鑑賞日 2017/9/8

    傑作と見るか迷作と見るか……

    バーホーベンは確信犯的に物語を破綻させるプロ。説明をわざと大胆に省くため登場人物の行動が突飛にしか見えないこともある。 言い換えれば映画的なお約束の予定調和を狙って裏切り、客をひと時も安心させない。 この作品もありがちな復讐劇にはしない。 悪女のヒロインを自由奔放に行動させ映画ならではのドンデンもカタルシスも全部吹っ飛ばした別の視点をテーマに据えている。 ヌーベルバーグを未だに体現している演出で、観た時の年齢や生活環境でどハマりするだろうが、今の自分にはちょっと不必要な展開が目につき単なる破綻した映画にしか思えなかった。

  • 鑑賞日 2017/9/8

    ヴァーホーベン流コメディ

    ヴァーホーベンならではの倒錯した一癖も二癖もある作品だが、コメディとしてとても面白おかしく観れた。冒頭のレイプされた後に割れた食器を片付け血で赤くなった泡風呂で泡をすくうユペールの静かな凄みに圧倒され、自らの呪われた出自に別れを告げ、ひたすらに性欲のままに正直に生きようとする様は可笑しさと共に強ささえ感じる。 一面ではもの悲しきラブストーリーにも見える。隣人として互いに興味はあるもののノーマルな交わりだと燃え上がれない2人は、マスクを被り互いの頬を引っ叩き合いながら強引に交わることで高みを目指すものの、そんなアブノーマルな関係性に到底理解の及ばない彼女の息子によって男は殺され、母親は救い出される。 隣人の異常な性欲。それはそれぞれのパートナーは気づいており、ラストに死んだ母親と憎き父親の墓参りをし、女性と共に墓地を後にするユペールの後ろ姿を見ると、新たなアブノーマルな世界に足を踏みいれようとする予兆さえ感じられた。

  • 鑑賞日 2017/9/7

    映画的思考の半端さ

    ゲーム会社社長の女性が自宅でレイプされ、その犯人捜しとともに、彼女の複雑な家族関係が描かれてゆく一風変わった物語。 この主人公の女性ミシェル・ルブランはずけずけと物を言う。社長という立場もあり、傲慢といっていい性格である。共感できない主人公で、レイプされても、同情を感じない。 そもそも、彼女はレイプされたことに対して、どう思っているかがうかがい知れない描き方となっている。警察に訴えないのも、警察嫌いという理由だけでないように思える。 ただ、その犯人に対しては、普通でない感情を抱いていることは薄々分かる。会社の社員を疑い、部下にその調査を命じたり、護身のためのスプレーと斧を購入したりする。 そして、この物語の特異な点は、犯人を知った後の主人公の行動である。犯人に再犯を許すような態度に出る。それは、彼女のレイプ願望であり、彼女が犯人と同じ嗜好の領域にあることを示す。 ここに至り、本作の結末が見えなくなる。このままで、終わることも想定され、それはある意味衝撃的な結末ではあるのだが。 主人公と犯人以外の、要因により決着がつく。この辺は、ご都合主義的な結末ともいえる。 主人公の父親が無差別大量殺人犯として無期懲役の刑にあること。彼女の老齢の母親が若い男と結婚を考えること。息子が気に入らない娘(それも息子の子供ではない子供を産むような)と結婚すること。友人の夫と不倫関係にあること。会社の部下から主人公を貶めるような動画を拡散されること。元夫が生活力が無く、その彼女がとても気に入らないこと。等々。 主人公の周囲は、悪意に満ちたストレスを生むだけの世界であり、主人公自身も外部に対して悪意を放つ。 レイプという自身の尊厳を傷つける出来事が主人公の世界にどんな影響を与えたか。その映画的思考は、前述のように中途で終了させられ、観客は困惑の海に投げ出される。 むしろ、父や母や身近な者の出来事が、彼女を作り上げてきた外界の変質となり、彼女の表情をやわらげたように感じた。自身に起こったレイプなど、何程のことでもない。とでも言っているようだ。そんな性や男女に対するメッセージを本作は含んでいるらしい。 ただ、本作の主人公に共感するところはほとんどなく、メッセージも普遍的ではないので、評価は高くならなかった。

  • 鑑賞日 2017/9/6

    氷の引きつり笑い

    愛猫の瞳に映る 飼い主がレイプされるさま 覆面黒づくめの犯人は、 征服の満足感とともに現場をあとにする。 衝撃のオープニング・シーンこそ、 ヴァーホーヴェンの真骨頂です。 傷つきながらも立ち上がるヒロインは、 冷静な後処理と 空腹を満たすお寿司の注文。 芯の一本通った立ち居振る舞いは、 ユペールならではのつんでれぶりです。 この監督と主演女優の化学反応が、 とんでもドラマの基本となって ときには笑エル!気付けば震エル! 何とも言えない、 くせになりそうな劇場体験間違いなしです。

  • 鑑賞日 2017/9/7

    ど変態に真っしぐら

    変態という球種は変化球に思えるが、 バーホーベンの投げる球はど真ん中のストレートである。 ここまで、複雑に、背徳に、何かもう、いろんなものがこんがらがったもの描けるなんて、恐るべし。 レイプで始まる映画に笑ってしまうなんて……。普通の映画なら絶対笑えないはずなのに、バーホーベンはミステリアス調のブラックユーモアを貫いた。 倫理や道徳から逸脱しているのはこの映画ではなく、僕たち観客であると突き付けられたかのようである。 バーホーベンはステレオタイプを演じて生きる僕たちの取り繕った常識をいとも簡単に引き剥がしてみせた。

  • 鑑賞日 2017/9/7

    文化の違い!?

    何でイザベル・ユペールはこういう役ばかりなんだろう。この前の、ダンナが急に若い子とできてしまうのも、知的な教師の役だったし、虐げられる役は似合わなそうだし!仕方ないのか… それにしても、フランス人て、相手の気持ちを慮るとか、心の中で考えたことをためておくとか、そういう文化がないらしい。 みんなすぐ思ったこと口に出しちゃうし、男はやりたい放題だし? 過去の事件もあって、キツい強い性格のミシェル。フランスって離婚とか事実婚とか多いらしいけど、ホント女性の気が強いんだろうなー、とか想像してしまう。 それにしても、何で、怪しい隣人の地下室に分かっていて誘導されていったり、パーティの後送らせた車の中で警察に行くとかわざわざ伝えるんだろう… 息子が追いかけて来なかったらまた繰り返しなのに?その辺が疑問。 息子のヴァンサンに肌の色の違う子供を平気で育てさせる若い女には好感。すごい形相で赤ちゃん取り返しに来たから。すばらしい。自分の大切なものが分かっていてそのために猪突猛進な感じの人ってすごくいいと思う。 最後、レイプ犯の妻が引っ越す時の会話も「???」何で謝りもしないの?「短い間だったけど、彼に応えてくれてありがとう」みたいなことも言われるし。 妻は全部知ってたってことらしい。。。怖い。 それにしてもユペールがレイプ犯に執拗に狙われるっていう設定自体が年齢的にすごい。年上好みか?日本ならとにかくあと30歳は若い女優さんにするよね、とここでも恋愛は大人のすることという文化を感じる。

  • 鑑賞日 2017/9/1

    心が満たされないゆえの生き方

    覆面の男から暴行された中年の女性が、その男の影に怯えながらも日常の生活を続けていく。 この女性は強い。映画の開巻はいきなりの暴行場面。真っ暗な画面に陶器やガラスが落ちて砕け散る音から始まり、一転して画面が明るくなると家のリビングで、女性に覆面の男がのしかかかっている。それだけでもかなり衝撃的なのだが、その直後の場面がすごい。犯人が去ったあと、女性は床に飛び散った花瓶やらコップやらをほうきで掃いて集め、ゴミ箱に捨てる。まるで普通に掃除しているかのようだ。そしてバスルームへ行き、湯船につかる。その平然とした落ち着きがこの女性が只者ではないと予感させる。 その「只者でなさ」はストーリーが進むにつれ、次第に明らかになる。ゲーム開発会社の社長、別れた夫、身重の恋人を持ちながら仕事が長続きしない息子、会社で側近として働く親友とその夫との不倫、若い男と再婚する母親…。何よりも衝撃的なのは服役している父親、その収監理由となった事件だ。まだ幼かった女性の心に大きなトラウマとして残り、今もとどまっている。 この物語をミステリとして見ると消化不良を起こしてしまう。覆面男の正体は半ばで分かるし、父親の事件の詳細は解明されない、警察とか探偵とか全く介入しない。ミステリ好きでなくとも犯人を追わなくてどうすんだと思うだろう。 女性の心、心情を描いたと考えると物語が見えてくる。父親の事件で警察と関わることを避けている。事件で世間の中傷を浴び、強くならざるをえない。だから、暴行されても通報せず、自分の日常へ戻ることが優先されるし、それができる。それは同じような構図が後半で繰り返されることからも分かる。運転中のミスで道路脇の林に突っ込んで身動きが取れなくなっても、警察や救急に連絡しない。それどころか、(もうこの時点ではバレている)暴行犯に救出を頼むのだ。強さをまざまざと見せつける。 しかし、その強さと引き換えに心が満たされていないと想像するのは容易だ。別れた夫の新しい恋人をホームパーティに誘い、小さな嫌がらせをしたり、会社の従業員に射撃を教わったり、親友の夫と関係を続けたり…。心が満たされないゆえの生き方が読み取れる。 ミステリの緊張感の中に1人の女性の生き方を捉えている。

  • 鑑賞日 2017/9/6

    これは! 入り口と出口がかなり違っていたというか、正直なところもっと若いピチピチなヒロインで観たかったような気もしたけど、熟女だからこその恥も外聞も嘘も捨てた女の強さ、怖さをイザベル・ユベールがチャーミングに熱演、複雑なヒロインの過去や、社長をしている現在のビデオゲーム会社の様子などサスペンスな味付けも濃厚で思わず引き込まれた、信心深い人間の怖いこと! 予告編の時から注目していた黒猫もツボだったのに、途中から出てこなかったのは残念だったけど、ヒロインの息子役のジョナ・ブロケがイケメンで目の保養だったのは大収穫、リュック・ベッソン監督の新作にも出演とのことなので公開が楽しみ。

  • 鑑賞日 2017/9/6

    ヴァーホーヴェン監督による女性の業の肯定

    ゲーム制作会社社長のミシェル(イザベル・ユペール)。 帰宅したところを目出し帽を被った男にレイプされてしまう。 しかし、彼女はその後、平然とデリバリーサービスを注文し、息子の訪問を受け入れる・・・ といったところから始まる物語で、彼女がレイプ事件を警察に通報しないのは、39年前に父親が起こした大量殺人事件が背景にあることが明かされる。 なので、彼女が事件を明るみに出さず、独自に犯人を捜していくのは納得がいく。 これで犯人を突き止めて自身で復讐するだけならば、まぁ、フツーの映画になるのだが、ポール・ヴァーホーヴェン監督をしているだけあって、そんな凡百な映画になどならない。 レイプされた後も、自身の欲情を抑えられない(とはいえ、通常は抑えているのだが)彼女は、隣家を双眼鏡で覗き込み、その家の主人の姿をみながら自慰にふける。 さらに、犯人を突き止めた後も、犯人とともに共犯者めいた背徳の関係を持つ(これは、結末への伏線ととることもできるが、そんな理性的な関係にはみえない)。 こういう彼女の姿は、空恐ろしい気もするが、なんだか突き抜けていて、業を肯定しているようで潔い。 そう「女性の業の肯定」。 業を、決して否定したりしない、ポール・ヴァーホーヴェン。 それに対して、今回の事件も、39年前の事件も、背景には宗教が絡んでいる(絡んでいるといっても、今回の事件は表面には現れてこないのだが)。 どちらの事件にも熱心な信者がいるが、神は救ってはくれない。 どちらかといえば、放ったらかしにしているだけである。 救ったのは、人間自身である。 そうみれば、この映画、女性の業の肯定と神の否定というベルイマン的な重々しい主題が隠れているようだが、それは考えすぎか、それとも的を射ているのか。 いずれにせよ、一筋縄ではいかないポール・ヴァーホーヴェンであった。 それにしても、登場する男はみんな下衆野郎ばかりであるが、別に「男性の業」は否定していないだろう。 単に、結果的に、ヒドイことになるというだけで・・・

  • 鑑賞日 2017/9/1

    実にポール・バーホーベン監督らしい映画。 男のいやな感じと女のしたたかさが全面に出てきていて……。 あ、悪趣味~!(誉め言葉) ただ、バーホーベンは前作で脚本を公募して継ぎ足したりしてる点から、今はとにかく脚本の予定調和を排するってことに最大の重きを置いているのかなあって思って。 ワンダーウーマンとはまた意味合いが違うのですが、ところどころ「えっ!?」っていう脚本になってます。 こちらとしてはそういうものなのだという意図は解るしバーホーベン演出も楽しめるのでいいんですが、共感のようなものからは遠く離れてしまい、人には薦めづらいかなあって感じになっていますね。 あと、webDiCEっていうサイトの監督インタビューも作品理解のために必読になっているかな。 僕は楽しめたんですけど、リテラシーいるよなあ……みたいな一本でした。

  • 鑑賞日 2017/9/5

    とてもパンチのある作品

    みんなダメな人ばかりだけど、それぞれの特徴が人の持つ弱さや美しさを現していて素敵な作品でした。 犯人を探す過程で登場人物の隠れた部分が出てくるところも面白い。性を中心に描かれているが、年齢や性別、人種、親子、夫婦の境界を超えてくることでその人の人間性が出てきている。 表現方法はキツめだが、人の内面を見るとこで気持ちが自由になれた。

  • 鑑賞日 2017/9/5

    ハードボイルド女版

    仕事もプライベートもセックスもマニアック、タフで知的で冷徹な女、複雑な人間関係を切り抜けていく。シナリオも演技もタフで面白い。勧善懲悪、痛快ドラマでなく、果てしなく複雑怪奇な現代社会を描いていて面白い。

  • 鑑賞日 2017/9/4

    ★★★

    黒画面でのレイプシーン(音声のみ)で始まり惹き込まれる。親子、夫婦、友人、同僚など様々な設定を巧く演出。強い主人公が際立っている。自分とはあまりにもかけ離れている映画である意味おもしろいかった。

  • 鑑賞日 2017/9/4

    作品紹介(映画.com)より

    本日TOHOシネマズシャンテ13時の回 鑑賞。只今全国感動絶賛公開中。 この作品の監督・主演陣今後に期待。 下記にて映画.comよりストーリーと 映画評論記載。 「氷の微笑」のポール・バーホーベン監督が「ピアニスト」のイザベル・ユペールを主演に迎え、「ベティ・ブルー 愛と激情の日々」の原作者フィリップ・ディジャンの小説「oh...」を実写映画化したエロティックサスペンス。ゲーム会社のCEOを務める女性ミシェルは、ある日突然、自宅に侵入してきた覆面男に襲われてしまう。何事もなかったかのように今まで通りの生活を送ろうとするミシェルだったが、襲われた時の記憶がフラッシュバックするようになっていく。犯人が身近にいることに気づいたミシェルはその正体を突き止めようとするが、自分自身に潜んでいた欲望や衝動に突き動かされて思わぬ行動に出る。第74回ゴールデングローブ賞で最優秀主演女優賞と最優秀外国語映画賞を受賞し、第89回アカデミー賞でもイザベル・ユペールが主演女優賞にノミネートされた。 エル ELLE Elle 2016年/フランス 配給:ギャガ エル ELLE 映画評論・批評 2017年8月22日更新 2017年8月25日よりTOHOシネマズシャンテほかにてロードショー バーホーベン×フランスの大女優の化学反応が、悪女映画の歴史を塗り替える。 ポール・バーホーベンといえば「ロボコップ」「スターシップ・トゥルーパーズ」など、暴走しまくりのヴァイオレントな作風で知られ、「氷の微笑」では、シャロン・ストーンの足組み替えシーンで見える見えない論争を巻き起こした。そんな監督が、フランスの大女優イザベル・ユペールと組んでフランス映画を撮ったというのは、かなり意外かもしれない。同じように暴力的でも高尚なミヒャエル・ハネケとは異なり、バーホーベンの場合は滑稽なほどのえげつなさが売り物だから。だがこの結果は誰が予想しただろう。「ベティ・ブルー 愛と激情の日々」で知られるフィリップ・ディジャンの原作を映画化した「エル ELLE」は、バーホーベンのタブーを蹴散らす大胆さときわどいユーモアが生かされつつ、フランスのブルジョワ的スノビズム、背徳性や偽善をあくまでソフィスティケイトされたタッチで描いている。 ビデオゲーム会社の社長であるミシェルは、ある日自宅に押し入った侵入者に乱暴されるものの、警察には届けず、自ら犯人を探し始める。事件をあっけらかんと喋って友人たちを唖然とさせる彼女だが、ストーリーが進むに従ってその屈折度と彼女の暗い生い立ちが明らかになっていく。もっとも、妙に理屈をつけてキャラクターを正当化しようなどと企まないのが、バーホーベンならでは。観客は誰が犯人かというサスペンスを楽しむと共に、ミシェルの驚くべき性格に驚嘆させられ、最後はとどめの一撃を受けてくらくらとしながら劇場を後にすることになるだろう。 画像1 とりわけ感心させられるのは、これがアラサーのいかにもセクシーな主人公ではないということ。大人の女の美しさと威厳に満ちたユペール女史が演じるヒロインは、どう見ても40代以上であり、それが職場の若手男子から、妻子持ちやらイケメン隣人まで、周りの男たちにモテまくり、さらに彼らを手玉に取る。これぞフランス熟女の鑑。悪女映画の歴史を塗り替えるヒロイン像である。 考えてみればバーホーベンは、初期オランダ時代の「ルトガー・ハウアー危険な愛」にしろ「氷の微笑」にしろ、あの悪評を買った「ショーガール」でさえ、あまり他ではお目にかかれない魅力的な強い女性を描いてきたのも事実。本作はそんなバーホーベンが、恐れ知らずのユペールという最強の共犯者を得て、映画界に一石を投じるものだ。 (佐藤久理子) エル ELLE 2017年8月25日公開 Check-in 5498人 注目作品ランキング19位 評価・レビュー3.4

  • 鑑賞日 2017/8/31

    あんなに殴られても

    平気なユペール ブルース・ウィリスくらい強すぎやろ おかしな性癖のご近所同士をさんざん見せつけられ、あれ、これってなんの話やっけ?復讐はいつするん??って気づいた頃にクライマックスがやってくる ばかっぽい息子の純粋でまっすぐなとこに救われる Lust For Lifeのギャップ

  • 鑑賞日 2017/9/3

    酷い

    収拾つかない散らかりようがミステリーだとは恐れ入る。

  • 鑑賞日 2017/9/3

    観た人と語りたくなる映画

    ストーリーの解釈というか、キャラクターについて語り合いたくなる映画。 不謹慎だと思いながら、思わずニヤニヤしたり、イライラしてしまうシーンが一杯だった。キャラクター達は、至極真剣なのにね。そう思うと、男女関わらず、人間は他人からの欲望に常に晒されてるのだなとおもった。そして、加害者や傍観者は、それに無自覚なことが多いからタチが悪い。 個人的には、主人公も含めて、"サイコ"なキャラクターはいなかったように思える。 映画としては、好き嫌いはかなり別れる作品かと。ストーリーが繋がるというより、キャラクターの人生の繋がりで成立する内容だから。 ただ、疲れてる時に観るべき映画ではないと思われ…

  • 鑑賞日 2017/9/3

    嫌な人たち

    好きか嫌いかで言うと好きな映画ですが、嫌な映画でした。 主人公を含めた登場人物全員に共感できないし。 でもイザベル・ユペールさんの演技が凄まじくどちらかと言うとユペールさんを観る映画でした。 逆に言うとそれだけでも楽しめる映画です。

  • 鑑賞日 2017/8/30

     これは、イザベル・ユペール主演、「ベティ・ブルー」のフィリップ・ディジャンの小説をポール・ヴァーホーベン監督が映画化したセクシャル・サスペンス。  ゲーム会社の社長ミシェルは、ある日、一人暮らしの自宅に侵入して来た覆面男に襲われ、レイプされる。  だが、ミシェルは警察に届けず、平静を装うのだった。  その後も、ミシェルをストーキングしているかのようなメールが届き、更に勤務先の会社には開発中のゲームの中で怪物にレイプされる犠牲者の顔にミシェルの顔写真を貼り付けた動画が配信されて、犯人は身近にいると考えたミシェルは独力での犯人捜しを行うが……  この映画、レイプ犯探しのミステリーなどではなく、現代人の歪んだ欲望と、それを生むものに迫るサイコサスペンス、と言う趣向。  暴力的なレイプでしか満足出来ない男は、社会的に許されない異常者ですが、ミシェルが会社で作っているゲームの内容も相当に異常。法に触れないから、とそれが許されるならば、ミシェルをレイプした犯人だって、ミシェルがそれを法に訴える意思を明確にしない以上、許される、と言えない事もない……そんな、社会的なモラル、許される事と許されない事のボーダーラインは何処にあるのか、を問いかける物語は、一級のサスペンスと呼んでいいでしょう。  確かに、相当に歪な物語ですし、登場人物の殆どが歪んでいると言う点で、変な話ではあるのは否定出来ませんが、それでも(だからこそ、と言うべきか)これは魅力的です。  ちなみに、この映画脚本、当初はニコール・キッドマン主演で宛て書きされた(なので、ミシェルの年齢は50歳で、イザベル・ユペールの実年齢より大分若い)もののよう。ところが、そのニコール・キッドマンを始め、ハリウッド女優に次々と断られてお鉢が回ってきたイザベル・ユペールがポール・ヴァーホーベン監督を指名して製作した、と言う経緯があるようです。  レイプ犯の妻は敬虔なカトリック信者で、カトリックの教えに基づく生活が、歪みを生んだとも言える物語、確かにヴァーホーベンでもなければ尻込みするものでしょう。  そして、64歳と言う年齢にも関わらず、現役の“女”として、暴力的なレイプシーンを含むセックスシーンを演じ、それでいて下品にもならず、貫禄さえ見せつけるイザベル・ユペールも素晴らしい。  そんな異才の組み合わせにより実現したこの映画は確かに衝撃的なものだと思います。

  • 鑑賞日 2017/9/3

    勇気ある女

    突然のレイプ被害に遭ったゲームソフト会社社長のミシェルは、警察に被害届けも出さずに内々に処理しようと、独自に調べるが、犯人捜しのサスペンス性はそれほど高くはありません。 ミシェルは母や父、そして息子との関係も希薄で、互いに距離を置いて接することに慣れてしまっていて、関係修復の努力をする気も無さそうで、一人で現実に立ち向かい、他人任せにしないのが彼女の信念であることが解ります。 暴力的なゲーム画面や、レイプシーンがフラッシュバックか現実か定かでないように何回か繰り返されて、かなり衝撃的ではあるが、眼を逸らさせない力を持っています。 そして下品にもなりうる展開が、イザベル・ユペールの持つ凛々しさで品性を失わないのが見事です。

  • 鑑賞日 2017/9/2

    色ボケジジイ監督の妄想

    話がどうも氷の微笑。女はしたたかで男は計算高そうに見えても結局は翻弄されてるだけ。50過ぎだって十分女らしさも強さも失わずに生きてるイザベルユペールはフランス的にはイイ女なんだろうけど、私には合わないなあ。自分は女っぷりで勝負できない人間なんだなぁと思った。 話がどうも好きになれん。性欲が生きる糧の人達も世の中にはいるのは分かるなあと他人事な映画だったねー

  • 鑑賞日 2017/9/2

    担当記事24

    映画感想レビュー&考察サイト 「Cinemarche-シネマルシェ-」 https://cinemarche.net/suspense/elle/

  • 鑑賞日 2017/9/1

    生き方

    ミッシェルの生き方が、興味深い 屈折しながらも強く凛としていて ある意味開放的で 一言では言えないが バーホーベンの作る映画はいつもマストやな と納得する仕上がり

  • 鑑賞日 2017/9/1

    「許さない女」と「許す女」

    この女、怖すぎる・・・! 稀代の変態女優(褒め言葉)イザベル・ユペールの、彼女にしかできないであろう、まさにはまり役。 本作は、黒味の画面で音のみで始まる。物の壊れる音、誰かが殴られているような音、そして女性のうめき声・・・。いきなり不穏な幕開けだ。ゲーム会社の女社長として裕福な暮らしをしているミシェルが、高級住宅地にある瀟洒な自宅で、突如侵入してきた覆面の男にレイプされたのだ。だが、その直後からの彼女の行動は驚くべきものだ。取り乱すこともなく部屋を片付け、風呂に入り、息子との夕食を楽しむ。翌日には病院に行き、性病の検査も怠らない。さらには友人との食事の席で、事実を淡々と語る。驚き心配して警察に届けるようすすめる友人たちをよそに、彼女のこの冷静さはどういうことだろう。彼女の強さと冷静さは、実は幼少期のトラウマから来ていたのだ。 ミシェルの父は、大量殺人犯として今もなお服役中だ。父の逮捕時、一緒にいた幼いミシェルは、警察やマスコミや世間から好奇の目にさらされた。今でも彼女の素性を知る人々からは、敵意や奇異な目で見られている。彼女は警察や他人に頼らない。犯人は自分で見つけるつもりだ。だが物語が進むにつれ、彼女の異常性が明らかになってくる。 彼女は完璧な「許さない女」だ。しかも単なるエゴイストなのではなく、彼女の主張や行動が世間的に正しいと判断できる範疇にあるところがものすごく怖い。インターネット社会の特有の不寛容さで、生きづらい世の中となっている現代、彼女はそれを地でいっている。 ミシェルは、殺人犯の父を許さない。いい歳をして若い男にのぼせあがっている母を許さない。別れた元夫の新しい恋人を許さない。溺愛している息子を見下している嫁を許さない。別れようときっぱり言っているのに、しつこくしてくる愛人(親友の夫)を許さない。自分を侮辱する動画を作って社内にバラまいた部下を許さない。そして、自分をレイプした犯人を許さない。こう羅列すると全て相手に非があるものばかりだ(元夫の恋人には非はないが・・・)。自分は悪くない、彼女はそう思い込んでいる。この被害者意識は幼少期に形成されたものだ。 これらの相手を追い詰めるミシェルの行動がホント怖くて・・・。正論を叩きつけたり、さりげないイヤミを言ったりはカワイイもので(笑)、未練のある愛人をあきらめさせるため、親友に夫と寝たことをあっさり告白したり、信頼していた部下に裏切られたことを知った際は、自分がされたこと以上の恥辱をあわせたり(パンツを下すよう命令したのは、割愛しているかどうか確かめるため←レイプ犯が割愛していたから。あの状況下でそれを見極めていたこと自体がコワイがww)するのは序の口、レイプ犯の追い詰め方が尋常ではない。 (以下ネタバレ) レイプ犯は実は隣人で、しかもミシェルがひそかに好意を持っていた人物だったのだ。彼もミシュルに好意を持っていたのだが、彼はレイププレイでないと行為に及べない異常性癖の持ち主だった。その事実を知ったミシェルは、しばらく彼の性癖に付き合ってやるのだ。それも自分自身も”楽しんで”・・・。しかしついに彼女は復讐を遂げる、しかも自分自身の手を汚さずに。 彼女は巧みに犯人と息子を誘導し、自分が襲われている所に息子が居合わせるように仕向ける。果たして息子が自分を救おうとして犯人を殺すことまで想定していたかどうかは分からない(おそらく想定済みだろう)が、正当防衛とはいえ殺人を犯してしまった息子を、完全に自分の手中に収めることに成功した。息子は一生この母に頭があがらなくなったのだから、まさに一石二鳥・・・。 さて、本作は「許さない女」ミシェルの存在感に圧倒され、見逃しがちだが、実はミシェルは「許す女」に囲まれている。 例えば、勝気な息子の嫁。彼女はその肌の色から一目見て息子の子供ではないことが解る赤ん坊を産み、息子を完全に尻に敷いている。ふがいない夫をいつも罵倒している。さらに職を失った彼を家から追い出したり、一見「許さない女」の典型だ。しかし、彼が母のために殺人を犯したことを知ってからも(だからこそ?)、離婚せずに許して一緒に暮らしている。最もそれは彼がきちんとした職について、給料が安定したせいかもしれないが・・・。 あるいは、いい歳なのに派手な化粧と服装で、若い男の尻を追う母。彼女は服役中の元夫を許し、常に気にかけている。できることなら仮釈放させてやりたいと願っている。だがもしかしたらそれは、許しではなく、自分自身の贖罪のためかもしれないが・・・。彼女は「許す女」というよりは「弱い女」なのかもしれない。 さらには、何より自分のことを心配してくれる親友。彼女は、自分が親友に寝取られたことを知った直後はさすがにショックを受けていたが、浮気夫は追い出しても、ミシェルに対しては変わらず友人でいてくれる。だが実は彼女にはレズっ気があり、ミシェルに対して友情以上の気持ちを抱いているからかもしれないが・・・。 しかし正真正銘の「許す女」がいる。犯人の妻だ。敬虔なクリスチャンである彼女は、自分の夫がレイプ犯で、しかも相手が友人づきあいをしている女性であり、さらにその息子に殺されたと知った時は、ものすごくショックを受けたはず・・・。いや、何も知らない無邪気な妻と思われた彼女は、実はすべてを知っていた。夫の性癖も、ミシェルとの情事も・・・。事件後、自宅を売って引っ越す際に、彼女はミシェルに言うのである「夫を救ってくれてありがとう」と・・・。清らかを絵に描いたような妻に、異常性癖を持つ夫はどう接していたのだろうか?2人に子供がいないことから、もしかしたらセックスレスだったのかもしれない。彼女は夫の罪も、ミシェルの罪もすべてを許し、神に祈っていたのだ・・・。本作が後味を悪くせず、むしろスッキリとした印象を与えるのは、ミシェルの強さと、彼女の許しがあったからだ。 パンフレットの1ページ目にあるように、レイプされた直後のミシェルの姿が美しい。服装は乱れ、血を流しながらも、なかば茫然とし、それでも毅然と身を起こす姿は神々しいほどだ。彼女が常に強く、美しく、魅力的であるのは、幼い頃、しかめ面でテレビカメラに収まったあの時から、人生に立ち向かう矜持があるからだ・・・。

  • 鑑賞日 2017/8/27

    残念ながら動機が弱い

    オープニングはガッツリ心掴まれました。 いきなり覆面の男がドアから押し入り、イザベル・ユペールをレ○プする。 もし、無理矢理やりたいのなら、やれる女を襲うのか、やりたい女を襲うのか。 答えは後者でしょう。 そうした時にイザベル・ユペールを襲うのかどうか。 イザベル・ユペールも魅力的だが、普通はもっと若い女を襲わないだろうか。 そうなるとイザベル・ユペールを襲う動機があると思って見ておりました。 予告編が素晴らしく、最後に何か起こるのではないかと思っていました。 このイザベル・ユペールを襲った犯人や目的が途中でわかるのですが、そっから最後まで引っ張って何も起こらない。 もしかしたら何か起こったけどかもしれませんが、私は気づくことがなかったです。 結末だけ見たら、イザベル・ユペールもスキモノだったとしか思えません。 せめて、イザベル・ユペールを狙った動機くらいは欲しかった。 官能的ではあったものの、サスペンスとしては弱く感じました。 家族関係や性格の悪さ等、色々と伏線めいたものがあったものの、私の見方が浅いのか、これ等を結末に繋げることが出来ませんでした。

  • 鑑賞日 2017/8/30

    見る前の予想とは違う映画だった。 ジャンルを決める必要はないけど、僕にはコメディに映った。 お下品なネタに思わずクスリとしてしまう。 登場人物がみんなヘン。主人公を筆頭に。 ラストも意表を突かれたけど、あの主人公ならと妙に納得してしまいました。

  • 鑑賞日 2017/11/25

    仏式エロサスペンス?

    映画観賞後に原作小説も購入して読破。 バツイチ中年女性が主人公がレイプされ、 その後は複雑な人間模様にこちらが振り回されます。 元夫、いかれた息子と両親、親友、隣人などとの肉体関係を含めた絡み合い…… 後半は怒涛の展開で、果ては意外な結末でした。それにしてもフランス人って、いくつになっても快楽を求めるんですね!? Je t'aime❤

  • 鑑賞日 2017/8/28

    意地悪な映画

    ヴァーホーヴェンは救い難い駄作もあるが、本作は、独特の毒のある反社会的な作風が成功している。イザベル・ユペールの心理を読み取れないと、オチのシニカルな面白さがわからない。ヒロインは嫌な女だが、なぜか嫌いになれないのだ。ヴァーホーヴェンは救い難い駄作もあるが、本作は、独特の毒のある反社会的な作風が成功している。イザベル・ユペールの心理を読み取れないと、オチのシニカルな面白さがわからない。ヒロインは嫌な女だが、なぜか嫌いになれないのだ。

  • 鑑賞日 2017/8/29

    グレーゾーンの似合うヒロイン

    覆面男に自宅でレイプされたヒロイン(イザベル・ユペール)が自ら犯人探しを行うミステリー映画の要素に加え、彼女の父親が27人を殺害した終身犯であるという衝撃の過去がどのようにして彼女の人生を変えていったのかという哲学的要素も加味された作品。白黒をつけずグレーゾーンのままヒロインの生き方を客観視した作風は賛否両論あるだろう。 ミステリーでは常套手段のミスリードの手法が本作でも用いられていた。別れた夫にはじまり親友のパートナー、さらにヒロインが社長を務めるゲーム会社の男性社員、仲睦まじい隣人夫婦の旦那などなど次々に真犯人と思われる人物を登場させては煙に巻いていた。 結論から言えば犯人は隣人夫婦の旦那であった。今思うとヒロインの自宅を観察していた不審者を捕まえ損ねたというエピソードは自作自演のカモフラージュだったのである。優しい人柄の隣人が恐ろしいレイプ犯だった・・・この事実も確かに衝撃であるが本当の衝撃はこのレイプ犯を手玉に取って陰湿な復讐を果たしたヒロインの本性である。この犯人は女性を暴力で支配下に置かないと性的に興奮しない病的な性癖の持ち主なのだが、ヒロインはこれを利用して自らの性的欲求を満たしていく。暴風が迫る中二人で雨戸を閉めながら(まるでこの行為が前戯のようである)興奮を高めたり、ホームパーティの席上テーブルの下でヒロインがつま先で男の股間を刺激したり、男の家の地下室でレイプの状況を真似て行為に及んだりするのであった。 極めつけはヒロイン主催の会社での懇親会。ヒロインと男は中座して自宅へ戻るのだが直前にヒロインは合鍵を息子に渡す。こうすれば間違いなく息子は後を追って帰ってくると踏んだのだろう。警察への通報をほのめかし(もちろん本心ではなく興奮させるためのトラップにすぎない)、男が覆面をして侵入するともてあそぶように逃げ回り最後は暴力的なセックスに興じる。そこへ息子が帰宅し襲われている母親を助けようとして男を殴り殺す。本当は合意の上でのプレイに過ぎなかったのに・・・。こうしてヒロインはレイプ犯への復讐を成就させる。 ラストは両親の墓参りに来たヒロインの元に親友が現われ、親友のパートナーを巡る二人の想いに一つの結論が出る。要は男など眼中にないのだ。この場面から導かれることは女性の強さとしたたかさ、そして男の愚かさであろう。墓地の一本道を歩きながら二人は共同生活の話を口にする。男への愛情も未練もどこかに消し飛んでいた。二人の間にわだかまりはない。ここでジ・エンド。これはやはりハッピーエンドと呼ぶべきだろう。 余談になるがレイプ犯の妻が引っ越しの当日ヒロインに言うラストのセリフはとても怖い。彼女は、”短い間だったけど夫に応えてくれてありがとう”。というのである。つまりこの妻は夫の性癖もレイプ事件の事もすべて知っていたということだ。何食わぬ顔でヒロインと接し、ヒロインの自宅でローマ法王の宗教番組まで見ていたなんて本当に怖い。余談ついでにもう一つ。冒頭でレイプ現場の一部始終を見ていたヒロインの飼い猫が後半になるにつれ一切登場しなかったのは何故だろう。工夫次第では違ったテイストの作品に成り得たと思うのだが・・・。もったいない。

  • 鑑賞日 2017/8/29

    すっげー、 サスペンス期待してたけど、 そでも無かったw っつか、 フランス人のメンタリティ?は相変わらず解らんなw たぶん、そこ解ってないと楽しめないんちゃうか。。 いや、知らんけどw

  • 鑑賞日 2017/8/29

    たしかに問題作だわ。

    昨年のカンヌ映画祭で物議をかもしたというエピソードの理由がわかりました。スリラーなのか、ホラーなのか、サイコサスペンスなのか。分類がなかなか難しい。ポールバーホーベン監督お得意のエロティシズムに、主役のイザベル・ユペールの身体を張った演技(64歳!)が見もの。最初のレイプ場面から観客は一気に映画の世界に引きずれ込まれます。マゾヒズム、サディズム、フェティシズムなど変態的な要素があちらこちらで出てきて、デビッド・リンチ作品のような錯覚も。さまざまな伏線がはられていながら収束しないし、登場人物たちだれもが心の病を患っているようにも感じられて、こういうのが今風なのかなあ〜。でも、欲求不満と消化不良感が残るし、正直言うと、後味の悪い映画です。ニューズウィーク日本版ではブラックコメディと紹介してましたが、これ日本人的にはどう見てもコメディではありません。ご注意ください。追記。町山智浩さんの解説を読むと、なるほどバーホーベンの持論、究極のフェミニズムとしての独立した女性(スーパーウーマン)を貫いた実験作であり、確信犯的に大人の「コメディ」(歪んだ男社会)としていることがわかった(ような気がします)。

  • 鑑賞日 2017/8/26

    いつもそこにある恐怖

    広報、宣伝がとにかくイザベル・ユペール推しで、いかに彼女の演技が凄いかということをこれでもかと喧伝していますが、「ユペール様であればこのくらいは普通に当り前だよね」という気はしました。 ただ考えてみますと、ここまでグチャグチャでドロドロした複雑な内面性を、ほとんど淡白とすら言えるほどのスマートさであっさりと表現してしまえるユペール様の「当り前」や「普通」こそが怖ろしいのかもしれません。 そして、こうしたユペール様の「普通であることの怖さ」「怖さの常態化」といった在り様は今作の内容や映像ともリンクしています。 映像的には、この監督から容易に想像されるような、過剰でエキセントリックな表現は今回画面から極力排除されており(最初のうちそのボンヤリとした画調に戸惑いすら感じました)、それによって物語が描き出すのは、非道徳的かつ非倫理的な事象が「普通」の生活の中に平然と紛れ込んでいる恐怖であり、日常的な営みや人間関係に潜む人間の悪意や敵意(或いは変態的な欲望や性癖)が「当り前」に常態化することの怖ろしさです。 つまりは「普通に見えるものこそが一番怖い」というテーゼが顕在化しているのですが、この映画が本当に怖ろしいのは、それが映画の終着点(様々なエピソードによって導き出された結論)ではなくて、出発点(それを前提としてエピソードが積み重なっていく原理原則)であるということです。 主人公へのレイプが起こってしまってから物語が始まり、その始まりの39年前には既にある決定的な惨事が起こってしまっている、という今作のプロットは、まさに「普通=恐怖/恐怖=普通」という図式が予め世界に存在していることを端的に示しています。実にじわじわくる作品です。 大傑作、必見!! 蛇足。ハイヒールの足音(『哀しみのトリスターナ』『小間使いの日記』)、「エル」というタイトル(『エル』)などからブニュエルを想起しました。監督も『昼顔』について言及していますし、意識しているのかな。

  • 鑑賞日 2017/8/28

    サスペンスではない。ヒリヒリするコメディ

    レイプ犯を警察には届けず、自分で犯人を見つけ出し、復讐する映画だと思ってた。全然違う。 主人公自身が倒錯しているのだ。痛みを感じないというか、自分を客観化しているというか。全部他人事な感じである。それは昔あった事件の影響なのだろうが、父親が起こした大量残虐殺人をも彼女は無反応で他人事だったのだろう。もしくは、それがきっかけか。 結構ヒリヒリするしサスペンス感もあるが、やっぱコメディ。息子が馬鹿で、孫の肌が黒いとか、もっと、対応すべきだろうと思うのだが、みんな他人事なのだ。 変わった映画としての価値と、イザベル・ユペールの価値かな。イザベル・ユペール 62才だって。。

  • 鑑賞日 2017/8/27

    こんな女性に立ち向かえる男はいないよ

    A・ヒチコックの「断崖」「マーニー」の如き特異な環境で育った女性のエゴイスティックな性格を探求する心理スリラーであり、犯人捜しミステリ(整合性はどうかな?)であり、P・バーホーベン監督健在のとことん過激に家族関係や社会規範、宗教に喧嘩を売る作風を保ちつつ、ひたすら過剰に面白い一作。C・シャブロル監督のスリラーに常連だったイザベル・ユペールが、ここでもレイプ被害者でありながらもすさまじくタフで思いのままに周囲を巻き込み支配するヒロインの底知れぬ恐ろしさを、ユーモアすらたたえながら軽やかに表現して圧巻。

  • 鑑賞日 2017/8/27

    イザベル・ユペール演じるミッシェルは怖ろしい本性を持つワンダーウーマン!

    冒頭のショッキングなシーンに先ず驚かされたと思ったら、次第に明らかになる被害者ミッシェルの本性。これがまた凄い!彼女のような女性は有り得ない!と女性観客は反論するだろうか。ポール・バーホーベン監督の作品にはやたら強い女性が登場するが、今回は単に体力だけでない、男を支配する女の強さに魅かれたに違いない!

  • 鑑賞日 2017/8/27

    変態と社会的包容力。

    この監督、筋金入りのリベラルと見た。79歳にして、あらゆる変態を包摂する、このしたたかさ、タダものではない。いや、変態といっては監督に叱られる。あなたは正常なのか、と。 閉経寸前のヒロイン(49歳?のミシェルを演じる64歳のユペール、快演!)が生理中にレイプされる。犯人を捜しながらも再び襲われることを待つ。意外にも身近にいた犯人は、バイオレンスを伴わないと不能な男だ。これだけでもグイと掴まれるのに、ヒロインの父親はもっとすごい犯罪歴を持つ。映画は私たちをどこへ連れてゆくのか。 彼女を取り巻く男性は皆どこか常軌を逸している。会社社長のミシェルは、共同経営者の親友アンナの夫と不倫関係にあった。未練がましい彼は、社長室にやってきて自らの手で慰めようとする。平然と股間にゴミバケツを置くミシェルの行動に胸がすく。 向いに住む若い妻レベッカは、ただ一人「正常」に見える。敬虔なクリスチャンで、食前の祈りも欠かさない。ところが、「変態」ばかりが登場するこの映画の中で、この信仰篤きレベッカが逆に変態に見えてくるから面白い。 ミシェルの息子は、いかにも今風の青年。非正規の仕事も長続きしないのに、直情径行な恋人と暮らすために部屋を探す。恋人は他の男との間の子を孕んでいるが、一目で父親が違うとわかる子が生まれても、彼は動じない。 ミシェルの母親は、整形を繰り返し若い燕を咥え込む。生きる力はこの上なく旺盛だが問題の多いこんな大人たちに囲まれて、生活力のない若い息子の家族三人はどうなるのか、と思いきや、実は一番しなやかに生きているのは、この息子たちかもしれないと匂わせ、79歳の監督の未来へつなぐ希望はしたたかだ。 映画は、墓所で母親を見送ったミシェルとアンナが共に住むことを決め、後ろを振り向かずに二人で歩く姿で終わる。半世紀前の名作「噂の二人」のラストを思い出した。失ったパートナーを見送り、後ろを振り向かず一人で歩くヘップバーンは、当時衝撃的だった。半世紀を隔てたこの映画では、二人の女性が男たちとは決別し、かねてからの関係に忠実に生きる未来を暗示させる。今日の社会の包容力はここまで来たかと思わせる、痛快な幕切れであった。

  • 鑑賞日 2017/8/25

    やや消化不良だが十分楽しめた。原作が無性に読みたくなった

    ❶マッチング:やや消化不良だが十分楽しめた。原作が無性に読みたくなった。 ➋原題は「Elle/彼女」。主人公のミシェルを演じるのは62歳のイザベル・ユペール。監督は77歳のポール・ヴァーホーヴェン。正にシルバーパワーの炸裂である。 ❸ある日の午後、自宅でくつろいでいたミシェルは、愛猫を部屋に入れる為、ガラス戸を開ける。その僅か数秒の間に、頭の天辺からつま先まで、全身黒ずくめの暴漢に押し入られ、レイプされる。 ❹ミシェルは、少女時代、父が連続殺人を犯し、自分もマスコミの容赦ない目に晒され、今でも殺人者の娘として、嫌がらせを受けることがある。このため、警察には届けず、自ら犯人捜しを始める。再犯に備えて、鍵を交換したり、金づちを出したり、催涙スプレーや、小型の斧を購入したりする。射撃の練習もする。やる気満々だ。 ミシェルの気持ちは理解出来る。 ❺しかし、事件後も犯人らしき者からSMSが届いたり、自宅に何者かが侵入した形跡があったりする。 そして、犯人は、またしても、自宅にいるミシェルを襲うが、今度は、ミシェルが近くにあったハサミで反撃し、マスクを剥がすことに成功する。 ❻犯人は何者? その目的は? 真昼間に、黒装束で、押し入ることは、通りすがりの者には出来ない。犯人はミシェル家の事情を知ったものだろう。 こう推理すると、次々登場する疑わしい関係者の中で、誰が真犯人かの当てがつく。そして、結果は予想通りだった。 【ここからネタバレ注意】 ❼ミシェルは以前から隣家のハンサムな銀行員パトリックに関心を持っていた。自宅から望遠鏡で彼を見ながら自慰をするミシェル。パーティでパトリックを誘惑して、断られるミシェル。 ❽そのパトリックが犯人だったのだ。彼なら、窓越しにミシェル家の様子が分かる。全身黒ずくめの扮装でも、隣家なので他人に知られず行き来出来る。 ❾パトリックは暴力行為をしないとセックス出来ない性癖だった。ミシェルもパトリックに犯されることで、大きな快感を得られることを知る。2人は暴力プレイにのめり込んでいく。 ❿2人のプレイの最中に、息子のヴァンサンが訪ねてきて、母が襲われていると思い、パトリックの頭を殴りつけ死亡させてしまう。これは正当防衛で罪に問われない。 ⓫それまでに、ミシェルの人物像が徐々に明かされる。 ①ミシェルがアンナと親友になったのは、同じ病院で同じ日に出産したことがきっかけ。 不幸にも、アンナは死産だったので、ヴァンサンの臨時の乳母を務めた。 今回、その病院でヴァンサンの恋人ジョシーが出産する。 ②ミシェルは、アンナと共に、一代で今の会社を興したやり手の経営者。セクシーな美人だが、それが成功要因ではない。(少しは寄与しているかも知れないが)(笑)。 ずけずけものを言うタイプで、社内には、敵とまではいかなくとも、反感を持つものは多い。 ③一方、少女時代のトラウマが原因かどうかは分からないが、人間としては「嫌な女」。こんな女を妻にはしたくない! ・アンナの夫クリスチャンと不倫し、会社の社長室でもセックスする。 ・縦列駐車の狭い隙間に、無理やり入り込んで、後ろの車のバンパーを壊しても、知らん顔。 後で、車の持ち主が元夫のリシャールだったことが分かる。ミシェルはそのことを初めから知っていた可能性はある。 ・ミシェルが主催したクリスマスパーティで、リシャールの恋人エレーヌに勧めたつまみの中に、爪楊枝を隠しておいて、口を怪我させる。 ⓬パトリックの死により、妻のレベッカは別の地に引っ越していく。敬虔なクリスチャンである彼女は、余生を信仰に捧げることにしたのだ。別れ際にレベッカがミシェルに言う: 「ここ数カ月、パトリックを構ってくれて有難う。私では彼の心の傷を治せなかった。」 レベッカはパトリックの性癖を知っていた!、パトリックとミシェルの関係も知っていたのに、知らぬ顔をしていた! 女は強い! ⓭ミシェルとの不倫を知ったアンナはクリスチャンと別れる。そして、しばらくミシェルの家に同居することになる。男女よりも女同士の繋がりの方が強い?  2人の関係は? ⓮終身刑で獄中にいる父には、生涯会わないと決めていたミシェルが、母の遺言に従い、面会することを決意する。しかし、面会日の朝、父は自殺してしまった。理由は示されないが、家族を不幸にした犯罪者の父の、父親としての最後の思いやりだったように思う。 ⓯白人のヴァンサンとジョシーの赤ちゃんの色が黒っぽかったり、ミシェルの会社が作っているエロゲームで、犯される美女の顔を、ミシェルに入れ替えた動画が社内に流されたり、まあ、とにかく、幹から枝葉まで、色んなエピソードがテンコ盛りで、消化不足の部分があったのが惜しまれる。もう少し的を絞れば、傑作になっただろう。 ⓰GG主演女優賞受賞、AA主演女優賞ノミネート等、多くの賞に輝いたイザベル・ユペールの怪演と呼ぶに相応しい迫真の演技は賞賛に値する。とても62歳とは思えぬ容姿は日頃の努力の賜物と思う、ご立派なり。 ⓱笑ったセリフ: ・「あんたのアレ、見せてくれたら首にしない」 ・「あんた、ユダヤ教だと思ったけど、割礼していないのね」 ⓲最後に「字幕の品質」について触れておきたい。 「看護婦/看護師」を例に説明する。 日本語の「看護師」が誕生したのは2002年3月1日。それ以前は「看護婦」だった。 従って、例えば明治時代の物語に「看護師」を使うのは間違いである。 さすがにNHKは、きちんと時代考証していて、2002年3月1日を境に、「看護婦」と「看護師」を使い分けている。 同じドラマでも時代を跨る場合には、2つを使い分けている。 映画の字幕では、センスのある翻訳者は、NHKと同様、2つを使い分けている。しかし、残念ながら、時代を無視して機械的に「看護師」としている翻訳者が多い。 本作の丸山垂穂氏は、2002年以前の場合は、きちんと「看護婦」としていた。当然のことだが立派である。

  • 鑑賞日 2017/8/25

    タフな仮面に隠された素顔

    ‪#0646 TOHOシネマズ六本木ヒルズ「エル」。イザベル・ユペールが第74回ゴールデングローブ賞のドラマ部門最優秀主演女優賞を受賞したポール・ヴァーホーヴェン監督作品。何者かにレイプ、ストーキングを受けたことがきっかけで心の闇が明らかになるタフなゲーム会社社長を見事に演じている‬。

  • 鑑賞日 2017/8/25

    フレンチ・エロティック・コメディとして見る

    偉大なるイザベル・ユペール様の問題作ということで楽しみにしてました。公開初日に映画館で見るのなんて、私としては珍しいのです。 しかし予告編はミスリーディングですよね。「ファーゴ」が、怖い映画みたいに宣伝されてたのにほぼコメディだった、というのに近い、ジョークのような映画でした。この映画をワクワクしながら楽しみにしてた人たちはみんな「ピアニスト」を見ているとすると、彼女の変態っぷりは折り込み済み、それが見たくて行ってるわけですから、そういうシーンがあると「おおーっ!」とむしろ盛り上がってしまう。そういう”お約束”も含めて、彼女の演じる役の、ありえない逆境続きに1ミリも傷つかない強さ、突き抜けっぷりは爽快ですらありました。そういう楽しみ方をしてみてもいいのでは?と思います。 誰が犯人?という視点で見ると、それほど面白がれないかも。ある意味意外性はないから。 この監督、「氷の微笑」はまだこの映画との繋がりが見えるけど、「トータル・リコール」「ロボコップ」と聞くと、結局何が撮りたい人なんだろう?・・・でも終わってみたら、バイオレントで変態すぎてちょっと愉快でさえあって、なるほどロボコップなのかもしれません(ほんとか?) 真面目に見ない方が楽しいよ、この映画は~。

  • 鑑賞日 2017/8/25

    ヴァーホーヴェン枯れるどころか円熟の境地

    イザベル・ユペールがモンスターのごとく強烈で何事にも動じない逞しいヒロインを堂々と演じて背筋がゾクゾクした。頻繁に出てくるセックス絡みのエピソードもまるでコメディのようで面白かった。ヴァーホーヴェン枯れるどころか円熟の境地だな。

  • 鑑賞日 2017/8/25

    期待し過ぎた(汗)

    本日=2017年8月25日、TOHOシネマズシャンテにて鑑賞。 (日本公開初日の初回上映で鑑賞) 期待し過ぎたせいか、観終わった後の虚脱感が大きかった。 「ポール・ヴァーホーヴェンがイザベル・ユペールを主演に迎えたサスペンス」との惹句だったが、全然ハラハラしないのは何故? イザベル・ユペールは頑張っていたと思うが、ポール・ヴァーホーヴェン監督は「エロさ」と「ゲームの世界」に偏っているので、こんな変態的な作品になってしまうのではないか。 昔の映画『氷の~』みたいなエロスで話題になった監督には幅が無し。 全然ダメな映画であった。 まぁ、好きなイザベル・ユペールが見られただけでも良しとするしかない。。。 <映倫No.47230>

  • 鑑賞日 2017/8/25

    信仰とインモラル

     イザベル・ユペール演じる主人公・ミシェルは、本人にとって全く有り難くない理由で有名人である。  そのせいで、彼女が何者であるかを赤の他人でも知っているのに、彼女は当然ながら他人のことを知らないという、情報の非対称が生じている。  この非対称性が、彼女のパーソナリティの形成に与えた影響は大きく、映画はこの特異な人物像を次第に明らかにしていく。  彼女を有名にした事件である大量虐殺という狂気に、その父親を駆り立てたものはいったい何だったのだろうか。このことに映画は深くは言及していない。  しかし、どうやらその昔に、父親の信仰が否定されたとは言えないまでも、近所の人々にとってはそれが少々大げさで、はた迷惑なものとされていたエピソードが語られる。  ミシェルが隣家の夫妻をクリスマスパーティーに招待した折、教会のミサをテレビ中継で観たがる妻とは異なり、夫はそうしたキリスト教に関わることに何の関心も示さない。後になってレイプの犯人が割礼したペニスの持ち主であることとリンクすることになる。  だがしかし、観客が瞠目すべきなのは、レイプ犯が隣人であったことではない。  重要なのは、敬虔なキリスト教徒である隣家の妻の信仰と倫理観である。つまり、彼女が夫の所業を知っていながら、その犠牲者であるミシェルとは平然と近所付き合いをしていたことと、彼女の信仰心の篤さの並存である。この妻は、信仰のおかげでこのような夫を持っても安らぎを得ることができると述べたかと思うと、ミシェルが夫の性癖に付き合ってくれたことへの感謝の言葉を口にするのだ。まともに聞いていたら開いた口が塞がらない。  「信仰」のお蔭で新しい一歩を踏み出せるという隣家の妻の安らぎが、ミシェルや他の女性たちのレイプ被害の上に成り立っているという恐ろしさ。それを人生の一部として平然と生きているさらなる恐ろしさ。  映画の登場人物の中では、信仰心を持ち合わせているのは、ミシェルの父親と隣人の妻の二人だけである。しかしこの二人こそが絶対に許されるはずもない行為や不作為の主であるといういかがわしさ。  ここに、神の存在が人々の信頼や融和には寄与していない現実を観客は見ることになる。    ミシェルは幼い日の経験によって、警察を信頼していない。だから、レイプされても警察に届け出ることをしない。  しかし、このことは表面的な理由に過ぎない。彼女の欲望は犯人への容赦ない復讐であることが、彼女の妄想としての灰皿のシーンで示される。  分かりにくいことかも知れないが、ミシェルのこの復讐への欲動と、暴漢に犯されることの性的な興奮は矛盾することなく、彼女の中で併存している。  終盤に彼女が隣人の自分に対する行為を警察に告発すると告げる。警察を信頼していない彼女のこと、これは男を煽り自分に危害を加えさせることを目論んだ挑発でしかない。  だが、いつになったら帰宅するのか分からない息子をあてにして、復讐を計画することはないはずだ。息子が帰宅したことによる悲劇は半ば偶然の産物である。ミシェルにとっては、万が一男に殺されることになったとても、パーティー会場から一緒に帰った隣人が捜査線上に浮かばないはずはないから、いずれにしても男を破滅させるという、彼女の復讐への欲求を満たすものであったはずだ。  驚くべきは、彼女にしてみれば、隣家の夫との迫真のレイプごっこが続くもよし、男に殺されるもよし、行為の途中でその男が息子に撲殺されるもまたよし、ということであろう。  彼女の欲求の前では、生への欲望も死への欲望も等価である。そんな彼女にとっては、セックスを求めて自分の職場へやって来た不倫相手の情欲をゴミ箱へ放り込むことなど、鼻をかんだチリ紙を捨てることと変わらない、取るに足らぬことなのである。  このようなミシェルだからこそ、血の繋がらないことが明らかな赤ん坊を自分の子として認め、我儘な妻との生活を決意する息子を支援するラストが清々しい。その夫を寝取った女友人との新たな生活で、以前は果たせなかったレズビアンの性愛を謳歌できることを願うばかりである。