COLUMN & NEWS
コラム・ニュース一覧
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COLUMN/コラム2014.02.26
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年3月】うず潮
エディ・マーフィを一躍スターダムへと押し上げた出世作!さらに『ジョー・ブラックをよろしく』などを手掛けたマーティン・ブレスト監督、製作は『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのジェリー・ブラッカイマーと、今ではなかなかないと豪華なスタッフ陣!そして、エディ・マーフィのその場を圧倒するマシンガントークは、何度見ても引き込まれます!さらにエディ・マーフィに感化され、次第に大胆になっていくビバリーヒルズの刑事二人も変化も見どころのひとつ。何度も見ても面白いこのシリーズをザ・シネマでは、シリーズ全3作品を一挙に放送します!お楽しみに! Copyright © 2014 by PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
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COLUMN/コラム2014.02.23
2014年3月のシネマ・ソムリエ
■3月1日『死ぬまでにしたい10のこと』 カナダ人女優S・ポーリーが、スペインのI・コイシェ監督と組んだヒューマン・ドラマ。ガンで余命2、3ヵ月と宣告された23歳の女性の生の輝きを見つめていく。 妻であり母親でもあるヒロインは、誰にも病のことを告げず“死ぬまでにしたいこと”を実行していく。劇場公開時には、その10の秘密のリストの内容が物議を醸した。 脇役も含めたユニークな人物描写、小道具や音楽へのこだわりが感じられるディテールが魅力的。お涙頂戴の“余命もの”とは異なる視点で人生の哀歓を綴った秀作だ。 ■3月8日『第七の封印[HDデジタルリマスター版]』 十字軍の遠征からスウェーデンに帰還した騎士が、疫病や魔女狩りで荒廃した祖国の現実を目の当たりにする。そんな騎士の行く手には不気味な死神が現れるのだった。 中世ヨーロッパに死神を出現させ、信仰や人生の意味といった根源的なテーマを問いかける異色作。I・ベルイマン監督のファンに熱狂的に支持されている寓話である。 幻想的なイメージと哲学的な思索に富んだ映像世界は、巨匠のフィルモグラフィの中でも異彩を放つ。“死神とのチェス”や“死の舞踏”などの名場面も鮮烈な印象を残す。 ■3月22日『狩人と犬、最期の旅』 妻や愛犬とともにロッキー山脈の大自然のまっただ中で暮らす実在の猟師ノーマン・ウィンター。彼の一年間の生活ぶりを密着取材したドキュメンタリー・ドラマだ。 昔ながらの狩猟法を実践し、厳しい自然と共生する男の生き様を記録。とりわけ犬たちとの絆を育み、凍てつく湖上や山道をソリで走るエピソードが驚きと感動を呼ぶ。 ブリザードが吹き荒れる雪原やオーロラなどの雄大にして幻想的な風景も観る者を圧倒。著名な冒険家で、自然の魅力を熟知したN・ヴァニエ監督ならではの逸品である。 ■3月29日『コレラの時代の愛』 ラテンアメリカを代表するノーベル文学賞作家G・ガルシア=マルケスの同名小説を映画化。19世紀末から20世紀にかけてのコロンビアを舞台にした純愛映画である。 貧しい郵便局員の青年が裕福な商人の娘にひと目惚れ。身分違いゆえに離ればなれになりながらも、初恋の女性を50年以上も想い続ける主人公の数奇な人生を映し出す。 主演は『ノーカントリー』、『007 スカイフォール』のH・バルデム。一途な愛を貫く一方で多くの女性と関係を持つ男の悲哀や滑稽さを、老けメイクを施して体現する。 『死ぬまでにしたい10のこと』©2002 El Deseo D.A.S.L.U.& Milestone Productions Inc. 『第七の封印[HDデジタルリマスター版]』© 1957 AB Svensk Filmindustri 『あなたになら言える秘密のこと』©2005 El Deseo M-24952-2005 『狩人と犬、最後の旅』©2004 MC4 /TF1 International / National Film Board of Canada / Pandora / JMH / Mikado 『コレラの時代の愛』©Copyright 2007 Cholera Love Productions,LLC ALL RIGHTS RESERVED.
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COLUMN/コラム2014.02.07
『月刊エーカーズ』副編集長が紹介する、ハリウッドの名車たち
■72年型フォード・グラントリノ・ファストバック 昨年夏、ミシガン州デトロイト市の財政破綻が報じられた。デトロイトの周辺都市はアメリカの自動車メーカー、いわゆるビッグスリーとともに発展してきたが、自動車産業の斜陽化、製造工場の移転などにより衰退。デトロイト=モーターシティとして世界的に認識される一方で、80年代以降はダウンタウンのスラム化や犯罪率の高さなど、その治安の悪さでも広く知られるようになった。そんな“斜陽の街”と“人生の晩年”を重ね合わせたのがこの作品であり、主人公もデトロイトの華やかなりし時代を知る元フォードの従業員という設定で描かれている。そして、その主人公が大切にしている愛車として登場するのが、作品タイトルにもなっている72年型フォード・グラントリノ・ファストバックである。 作品を見ればすぐにわかることだが、ルーフからリアエンドへとなだらかな曲線を描くクーペボディこそがファストバックと呼ばれる形状である。敢えて車名の後にボディ形状を書いたのは、この72年型グラントリノにはこの他にも2ドア・ハードトップやステーションワゴンといったボディ形状が用意されていたからだが、作品中で主人公がグラントリノを眺めながら「美しい……」とつぶやくシーンは、やはりこの流麗なファストバックがそこにあってこそだと思う。 作品中、この車両の細かな仕様について描かれている部分はほとんど見当たらない。だが、街のギャングたちが羨望の眼差しで「コブラジェット」とつぶやくシーンから351cu.in.(※1)のコブラジェットV8エンジンを搭載していることだけはわかる。コブラジェットとは強制吸気システムに対するフォード固有の呼称で、簡単に言ってしまえばハイパフォーマンス・エンジンを意味する言葉。そして72年型グラントリノに用意された数種類のエンジンの中で、コブラジェット・エンジンは351が唯一だったのである。 ただ、前年の71年型グラントリノにはこれよりも断然パワーのある429cu.in.のコブラジェットV8が用意されていた。実は72年型というのは排ガス規制を先取りしてアメリカの自動車メーカーが一斉にエンジン出力を低下させ、多くのハイパフォーマンス・エンジンが内容を変えたり、その存在自体が消えたりしたモデルイヤーでもあった。429コブラジェットから351コブラジェットへと変化したのも、その影響と言っていいだろう。 60年代からビッグスリーが派手に繰り広げてきたエンジン出力競争、マッスルカーの時代が終焉を迎えたモデルイヤー。72年型の背景にあるそんな物寂しさもまた、この『グラン・トリノ』という作品に欠かせない演出に思えるのである。 ※1 cubic inches。近年はリットル表記も増えてきてはいるが、古くからアメリカ車のエンジン排気量はキュービックインチ=立方インチで表記されることが一般的。ちなみに351cu.in.は約5.7リットルで、429cu.in.は約7.0リットル。 ■67年型シェルビーGT500 伝説的な自動車泥棒を主役とした本作はリメイク作品であり、その元となった74年公開の『Gone in 60 seconds』(邦題は『バニシングIN60”』)も、以前から日本のアメリカ車ファンの間では語り草の作品だった。物語の準主役とも言えるのが最後の盗みのターゲットとなるエレノアだが、旧作ではイエローの73年型フォード・マスタング・マック1、そしてリメイクの本作では67年型シェルビーGT500となっている。 このシェルビーGT500は、ル・マン24時間などでも活躍したアメリカ人ドライバー、キャロル・シェルビー率いるシェルビー・アメリカンがフォード・マスタングをベースに製作、販売した車両。最高出力355hpを発揮する428cu.in.V8エンジンを搭載し、細部の仕様も通常のマスタングよりレーシーな内容で仕上げられている。だが、当時シェルビーは同じマスタングをベースとしながらも更にハードコアな内容のGT350もラインナップしており、それと比較するとエアコンやオートマチック・トランスミッションを選択できるなどGT500の方がよりストリートでの使用を考慮した内容となっていた。 そもそもGT350はレースでの使用を前提に開発されたモデルであり、GT350/GT500ともに現在言われるマッスルカーの代表的なモデルとして認識されているが、シェルビー・アメリカンが製作したスペシャル・モデルだけにその製造台数は少なく、この67年型GT500の製造台数は2000台程度、GT350はその半分程度でしかない。そうしたことから希少性が高く、特に2000年代に入ってからその価値は急騰。現在では10万ドルオーバーは当たり前で、その2倍、3倍する個体も珍しくなく、コレクターカーとしても代表的なモデルとなっている。そんなクルマがド派手なカーチェイスを繰り広げるのだから否が応にも注目は高まる訳で、この作品のエレノアにGT500をチョイスしたのは大正解だったと思う。 ■68年型ビュイック・スカイラーク 2011年の作品ながら、舞台は1979年のオハイオ。ストーリー的に目立つアメリカ車と言えば、ヒロインであるアリスの父のクルマである68年型ビュイック・スカイラークや、物語終盤で主人公たちの力になってくれる写真屋のダニーが乗る72年型ポンテアック・カタリナなどが挙げられるが、マニア的な視線で見ていると何気ないシーンに出てくるクルマたちが妙に気になる作品でもある。 特に物語中盤で出てくる中古車店のシーンでは初代フォード・マスタングやシボレー・エルカミーノなどが並び、フロント・ウィンドウに3299ドルという価格が書かれた68年型シボレー・カマロの姿があったと思ったら、通りの向こう側には68~69年型あたりのフォード・トリノが見えたり。さらに別のシーンでは71年型のトリノが横切っていったり、先述のアリスの父親が乗るスカイラークがAMCペーサーに突っ込んでいったり…。1979年の光景を描くにあたって自動車を非常に有効的に活用しているこの作品、アメリカ車のファンなら細部のディテールまで楽しめること請け合いだ。 ■71年型プリマス・バリアント スティーブン・スピルバーグの出世作となったこの作品。いまひとつ冴えないごく普通のサラリーマンが運転するクルマが、道中で追い抜いたトレーラー(50年代~60年代のピータービルド281)に執拗に追いかけられるというストーリーだが、ことクルマに関して言うならば、主人公の乗るクルマに71年型プリマス・バリアントをチョイスした点に尽きるだろう。 プリマスはクライスラー社のブランド。71年当時のクライスラーはインペリアル、クライスラー、ダッジ、プリマスと4ブランドを抱えていたが、そのうち最も大衆的な立ち位置にあったのがプリマスだった。そして71年型プリマスのラインナップで最も安い価格帯にあったのがコンパクトカーのバリアント。つまり敢えて最も大衆的なブランドの最もチープなモデルを起用することによって、主人公の“冴えなさ”と“普通”という部分をクルマで表現しているのだ。 当時ライバルメーカーが販売していた同等のクルマを挙げればシボレー・ノバ、フォード・マーベリックあたりになるだろうが、バリアントと比較すると、どちらも洗練され過ぎていて違う気がするのである。 ■63年型キャデラック・エルドラド・ビアリッツ 『激突』の主人公を表現しているのが71年型バリアントならば、この『48時間』はヤレた63年型キャデラック・エルドラド・ビアリッツが主人公を表現。巨大なボディのコンバーチブルは見るからに安っぽい水色でリペイントがなされており、無骨で野暮ったい白人の刑事という役柄に巧くマッチしている。 アメリカ人は伝統的にコンバーチブルを好む傾向にあり、60年代から70年代にかけては多くのモデルがボディバリエーションにコンバーチブルを設定していた。だが70年代に入って衝突時や転倒事故(ロールオーバー)時の乗員保護という観点からコンバーチブルは危険という声が高まり、76年型のキャデラック・エルドラドを最後にビッグスリー全てがコンバーチブルの製造を休止した。 アメリカ車にコンバーチブルが帰ってきたのは82年型のクライスラー・ルバロンからで、キャデラックでは84年型エルドラドから復活。そしてこの作品がアメリカで公開されたのは82年末のこと。そんな時代背景を踏まえて見れば、コンバーチブルを愛する主人公がまた少し違って見えるかもしれない。 ■73年型フォード・ファルコンXB 『マッドマックス』と言えば、主人公の最終兵器として登場したインターセプターに尽きるだろう。ベースは73年型フォード・ファルコンXBだが、フォードと言ってもアメリカではなくオーストラリア・フォードのモデルなので念のため。 だがそれでも、この映画が日本の自動車ファン、特にアメリカ車のファンに与えたインパクトは絶大だった。 真っ黒なボディ、不気味なフロントマスク、エンジンフードから頭を突き出したウェイアンドのブロワー(=スーパーチャージャー)。その姿に衝撃を受けて、アメリカ車に興味を持つようになったという人は想像以上に多い。 このインターセプターを実車で再現した例もオーストラリアを中心に世界各地で見られ、その影響は世界規模である。 ■67年型ポンテアックGTO 主人公の愛車として活躍するのは、いわゆる縦目4灯のフロントマスクが時代を感じさせる67年型のポンテアックGTO。年式を問わず日本での馴染みはいまひとつのGTOだが、アメリカでは現在に至るまで非常に高い人気を得ているモデルである。 このGTOがデビューしたのは64年で、安全性の問題から当時のゼネラルモーターズの規定ではミッドサイズには積めないことになっていた大排気量の高出力型エンジンを強引に搭載してデビューした。そんなことからマッスルカーの元祖的に語られることもあるが、そもそもマッスルカーという言葉自体が後の時代に生まれたもので、そこに明確な定義があるわけではなく、そのルーツも諸説あるのが実情だ。 ちなみに、このGTOの開発時にポンテアックの責任者の立場で会社に無理を押し通したのはジョン・Z・デロリアン。後の時代に独立し、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』で広く知られるデロリアンことDMC12を生み出した人物である。 文/『月刊エーカーズ』副編集長 守屋明彦 『グラン・トリノ』©Matten Productions GmbH & Co. KG/『60セカンズ』©Touchstone Pictures/『SUPER 8/スーパーエイト』© 2013 PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved./『マッドマックス』© Crossroads International Finance Company, N.V./『トリプルX』2002 Revolution Studios Distribution Company, LLC. All Rights Reserved. ■ ■ ■ ■ ■ アメリカン・カーライフ・マガジン 月刊エーカーズ 3月号好評発売中! 【ベールを脱いだフルサイズ・ピックアップ、フォードF150】新型エスカレード登場!!■巻頭特集/2014年モデル・オール・カタログ【トラック、バン、SUV編】 ◆第2特集/現代的なFEELで愉しむクラシックモデル/'64シェベル・マリブ&'68コロネット◆シェビー・クラシックス/'67シボレー・シェベル・コンバーチブル◆ニューカー・インプレッション/'14シボレー・シルバラード&'14フォード・フィエスタ
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COLUMN/コラム2014.01.31
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年2月】にしこ
原作は言わずと知れたアガサ・クリスティの代表作ですが、映画自体も原作同様、またそれ以上に有名な傑作かと思います。作品の素晴らしさはもちろんですが、なによりその「豪華さ」にうなる作品です。1974年のアカデミー賞受賞作品です。豪華。 まず、舞台のオリエント急行。ヨーロッパを横断する、あの王侯貴族や、お金持ちが利用した豪華寝台急行です。サービス、内装はもちろん超一流。豪華。そしてキャスト。まず、灰色の脳細胞・名探偵ポワロ役にアルバート・フィニー。彼のベルギーなまりの英語(という設定)のチャーミングさはこの上品な緊迫感漂うサスペンスの緩急の良い「緩」になっております。そしてアンソニー・パーキンス、ショーン・コネリー、ヴァネッサ・レッドグレイヴ!イングリッド・バーグマン、ローレン・バコール!!豪華の洪水です。ミステリーはやはり事件の核心に迫る登場人物はスターがキャストされがちですが、この豪華さ、観る前に誰が犯人なのかうっすらわかってしまうなんて心配はございません。しかし、この作品の緻密で巧妙なトリックとストーリーテリングの前では、キャスティングからのネタバレなど心配いらないのかもしれません。 未見の方は「あっ!」と驚く結末が待っている事をお約束します!名探偵ポワロが暴き出す、悲しくも美しい事件の真相。豪華列車で起こる華麗なる殺人の結末をザ・シネマで目撃して下さい!!ザ・シネマでは名探偵ポワロの活躍を描く『死海殺人事件』もご用意!!こちらも必見です!! ©2013 BY EMI FILM DISTRIBUTORS LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
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COLUMN/コラム2014.01.31
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年2月】招きネコ
コミック作家の卵コンビ、親友のホールデンとバンキーは、コミケで同じコミック作家を目指すキュートな女の子エイミーに出会う。奥手なホールデンはエイミーに一目惚れ。ところが、彼女はレズビアン。さらに実はバンキーはゲイで密かにホールデンに恋していた!この3人はどうなる??という、おかしくもちょっとほろ苦いオタクたちの青春ラブ・ストーリー。今や、海外でクール・ジャパンを支えるマンガオタクたちの生態や、アメリカン・カルチャーは、この映画を見るととてもよくわかります。1997年の作品ですが、今のほうが設定とかがすんなり入るかもしれません。ホールデンを演じるのはベン・アフレック。『アルゴ』で完全に映画人として認められるステップ・アップを果たした彼。その前は私生活を含めてなんちゃって俳優のイメージが定着してましたが、いい作品にも出てるんです。その中でもこの作品の彼は『グッド・ウィル・ハンティング』のいいヤツ・イメージのラインで、不器用なオタクを繊細に魅力的に演じています。実生活の親友マット・デイモンもカメオ出演しているのでお見逃しなく。 ©1996 Too Askew Productions, Inc. and Miramax
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COLUMN/コラム2014.01.31
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年2月】うず潮
1959年6月16日。人気TVシリーズ「スーパーマン」で主役を務める俳優ジョージ・リーブスが自宅で死亡。警察は自殺と断定するが、母ヘレンから独自の調査を依頼された私立探偵ルイス。リーブスの遺体に打撲痕を発見した彼は自殺を疑い、調査にのめり込んでいく。スーパーマン俳優として一世を風靡したジョージ・リーブスの栄光と苦悩、そして死の謎を追うミステリー作品。役のイメージに苦悩するリーブスをベン・アフレックが好演し、ヴェネチア国際映画祭男優賞を受賞。 ©2006 Focus Features LLC and Miramax
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COLUMN/コラム2014.01.31
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年2月】飯森盛良
車名がタイトルになってるくらいの本作。72年型フォード グラン・トリノというクラシック・カーが、物語上、重要な意味を担わされてます。ただしそのウンチクは、公開時からいろんな所で語られてきましたので各自ググっていただくとして、今回ここではもう一つの、あまり言及されてこなかった超重要アイテムが持たされてる意味について書きます。 イーストウッド演じる主人公が、若かりし軍隊時代に授与された、勲章。これは「シルバー・スター勲章(銀星章)」というもので、「敵武装勢力との戦闘中に示された勇敢さ」に贈られる、いわば“勇気の勲章”です。イーストウッド演じる主人公は、朝鮮戦争中、敵を独りで全部斃した。まるで若い頃イーストウッドが演じていたヒーロー役のように。で、この勲章を授与されたんですが、殺戮の記憶はトラウマとなって残り、戦後の長い歳月ずっと彼の心を蝕み続け、彼に最晩年はレイシストの偏屈ジジイになるしかない人生を歩ませてしまった…実は“呪いの勲章”なのです。 それを、近所の小僧にあげちゃう、という展開になります。なぜイーストウッドはこの勲章を小僧にあげちゃうのか? これを贈られるのは、敵との抗争において、普通の人間にはまず絶対に真似のできない勇気ある振る舞いを見せた者に限られます。イーストウッドのように敵を斃しまくる(そしてその後ずっと悪夢に苛まれる)、そのさらに上を行くほどの、真に“勇気の勲章”に相応しい途方もない勇敢さとは、一体どんな行いなのでしょう!? 余談ながら、ご存知ランボーって漢はシルバー・スターを2度授与され、その上の最高位勲章までもらってる。まさに超人。あと、以前当チャンネルにて放送した『アーマード 武装地帯』の主人公も、イラク戦争でシルバー・スターをもらってました。彼は強盗団と戦います。ビビりながらも、たった独り命を賭けて、何の得もないのに正義のため悪漢どもと戦う、という「オレなら絶対しねー」ということを主人公はやってのける。なぜならシルバー・スター受勲者だから!これだけでもう、ロジックとして十分成立しちゃうんです。説得力あるんです。と、いう訳で、勲章の意味をちょっと知ってると、アメリカ映画がさらによく解って楽しめるようになりますよ、というお話でした。 ©Matten Productions GmbH & Co. KG
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COLUMN/コラム2014.01.26
2014年2月のシネマ・ソムリエ
■2月1日『チェイシング・エイミー』 B・アフレックが恋にオクテな漫画家を演じたラブ・コメディ。レズビアンの女性にひと目惚れし、親友を巻き込んで奇妙な三角関係に陥っていく主人公の奮闘を綴る。 恋愛、友情、セックスというテーマを、赤裸々なストーリー展開と実感のこもったセリフで描出。米国インディーズの人気監督K・スミスの脚本が冴え渡っている。 開放的にセックスを語るエイミー役のJ・L・アダムスが魅力的。ヒロインと親友の板挟みになって苦悶する主人公が、最後に提案するまさかの解決策には誰もが仰天! ■2月8日『ゴーン・ベイビー・ゴーン』 『アルゴ』でアカデミー作品賞に輝いたB・アフレックの監督デビュー作。『ミスティック・リバー』などで知られるデニス・ルヘインの探偵小説に基づくミステリー劇だ。ボストンの住宅街で4歳の少女が失踪し、若き私立探偵とその恋人が捜索を開始。貧困や育児放棄などの社会問題を絡め、主人公が突きとめる意外な真相を描き出す。 渋い実力派キャストのアンサンブル、善と悪の境界が曖昧なテーマを観る者に問う骨太なドラマは見応え十分。日本で劇場未公開に終わったのが不思議なほどの秀作だ。 ■2月15日『パンズ・ラビリンス』 パシフィック・リム』も記憶に新しいG・デル・トロ監督によるダーク・ファンタジー。スペイン内戦後の1944年を背景に、空想力豊かな少女がたどる過酷な運命を描く。 残忍な将軍の養父に脅えるオフェリアが、迷宮の守り神パンと出会う。パンから3つの試練を課された彼女は、魔法の国に旅立つためにありったけの勇気を奮い起こす。 ギリシャ神話に登場する牧羊神パンの悪魔のごとき不気味さなど、クリーチャーの造形が圧巻。戦争の悲劇と少女の空想力の純真さを対比させたドラマも見事である。 ■2月22日『クラッシュ』 第78回アカデミー賞で下馬評を覆し、作品賞に輝いた社会派サスペンス。『ミリオンダラー・ベイビー』などの脚本家ポール・ハギスの鮮烈な監督デビュー作でもある。 白人の警官、黒人の強盗犯、ヒスパニック系の鍵屋など、さまざまな人種の人々の人生が交錯する2日間の物語。緻密で劇的なストーリー構成にぐいぐい引き込まれる。 ロサンゼルスを舞台にした群像劇に9.11以降の世相を反映させ、現代人の人間不信を鋭く描出。そこからあぶり出される“衝突”と“繋がり”というテーマが胸に響く。 『チェイシング・エイミー』©1996 Too Askew Productions, Inc. and Miramax 『ゴーン・ベイビー・ゴーン』©Miramax 『パンズ・ラビリンス』©2006 ESTUDIOS PICASSO,TEQUILA GANG Y ESPERANTO FILMOJ 『クラッシュ』©2004 ApolloProScreen GmbH & Co. Filmproduktion KG. All rights reserved.
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COLUMN/コラム2014.01.24
2014年バレンタイン特別企画 LA発レポート!!
セレブのボディは一日にして成らず!あの曲線美や割れた腹筋の陰に隠されているのは、日々のたゆまぬ努力。美貌維持のため、エクササイズから食事まで徹底したヘルシーライフを追及するセレブは、アンジェリーナ・ジョリー、グウィネス・パルトロー、ジェシカ・アルバ、マドンナなど数知れず。そこで、今年のバレンタイン特別企画レポートでは、美容・健康に敏感なLAのセレブ的ヘルシーライフをご紹介。さらに、お洒落に、そして楽しみながらのヘルシーライフにピッタリなグッズをLAから直送! ■『SoLA ビーチタオル』 エンターテイメントにスポットが当たりがちなLA、でも実は豊かな自然も魅力の一つ。海でサーフィンをして、そのまま雪山でスキーなんてことも。とにかく手軽にエクササイズを楽しめる環境が整っているのだ。溢れる日差しの下、海を眺めながらのエクササイズは気分爽快。ここサンタモニカには、ウォーキングからサイクリング、ヨガまで様々なアクティビティに励む人々の姿が。鉄棒などの器具が揃ったトレーニング場もあり、鍛え抜かれたボディに沢山お目にかかれる。そんなビーチシーンには、大ぶりサイズが便利なSoLAのタオルをピックアップ。汗を拭うもよし、砂浜にひいて休憩するもよし。 ■『Sundry タンクトップ+スウェットパンツ』 豪邸が立ち並ぶハリウッドヒルズの公園にあるハイキングコースは、いわばセレブ御用達の屋外フィットネスクラブ。シャーリーズ・セロンやジャスティン・ティンバーレイクなど、セレブ目撃率も高く、なるほど見回せばスタイル抜群のモデルや俳優の卵らしき人の多いこと。初心者から上級者まで自分に合わせたコースが選べ、無料ヨガレッスンを受ける事も可能。さらに犬の散歩にも最適ということで、平日の昼間から公園は大賑わい。息を切らしながら登った先には、ハリウッドサインからグリフィス天文台、ダウンタウン、海までを一望できる絶景が迎えてくれる。ここまで辿りつくには歩きやすいスニーカーがあれば大丈夫。服はSundryのタンクトップとスウェットパンツがおすすめ。メイドインUSAの素材は肌触りがよく、気もちいい汗を流すのにぴったり。 ■『ジュークスレンズ』 美容と健康は食生活から。スムージー?いえいえ、最近LAで熱いのはコールドプレスジュース。栄養成分を破壊しない手法で抽出されたこのジュースを飲めば、デトックス効果も抜群ということで、ハリウッドセレブ達がはまったのがジュースクレンズ。その影響でLAのお洒落界隈にも次々とジュースバーがオープン。ヘルシーライフの代名詞、Whole Foodsスーパーでも着実に棚面積を拡大している。継続したヘルシーライフのために、大抵のジュースバーに自宅配送サービスがあるのも最近の特徴。中には500ml弱で10ドル近いものもあり、ちょっと値は張るけれど、セレブボディ実現のためには投資も必要?人気は、アン・ハサウェイがパパラッチされたearthbar、チャニング・テイタムやドリュー・バリモアらを顧客に抱える栄養士、キンバリー・スナイダーが始めたGlow Bioなど。 ■『ファーマーズマーケット』 食生活のもう一つのセレブキーワードはオーガニック。Whole Foodsもいいけれど、スーパーマーケットよりも豊富なオーガニック食材が手に入り、作り手の顔が見えるファーマーズマーケットは、健康志向のセレブを惹き付けてやまない。そして、そんな時でもパパラッチされてしまうのがセレブ。どんな時だって気を抜けない、それがセレブの宿命。もしかして、この気の抜けなさが、引き締め効果の秘密かも。 ■『Beverly Hills CandleとDayna Decker キャンドル』 頑張った後はご褒美だって欲しい。リラクゼーションで美貌に更に磨きをかけるのは、ビバリーヒルズのど真ん中にそびえる高級ホテル、ビバリー・ウィルシャーで。この名前、ピンとくる映画ファンも多いのでは。そう、現代のシンデレラストーリーを描いてジュリア・ロバーツの出世作となった「プリティ・ウーマン」の舞台にもなったのがこのホテル。ここでは、バラエティ豊かなスパ・エステメニューを提供。オンとオフを上手に切り替えるのが、ヘルシーライフを持続させる秘訣でもある。ホテルで使われているBeverly Hills CandleとDayna Deckerのキャンドルで、ラグジュアリーな雰囲気を家にお持ち帰り。 ■『ビバリー・ヒルトン・ホテル ポーチ+バングル』 さあ、リラックスした後は、いよいよそのボディを披露する本番。セレブが日々努力するのも、全てはスクリーンで、そしてレッドカーペットで誰よりも輝くため。今月のゴールデン・グローブ賞授賞式では、そんな俳優業の厳しさを物語る一コマが。20キロ以上の減量で役作りにのぞんだ「ダラス・バイヤーズクラブ」で主演男優賞を受賞したマシュー・マコノヒーに、司会のティナ・フェイとエイミー・ポーラーが一言——減量なんて女優は毎日やってる事なのよ! さて、毎年そんなゴールデン・グローブ賞の会場となるビバリーヒルズのビバリー・ヒルトン・ホテルからは、バスローブ地が気持ちいいポーチを。また、華やかな授賞式で気になるのが、ノミネートセレブに会場で配られるギフトバッグ。中身は、リゾートアイランドへの旅からマタニティウェア、本、エステサービス、メイプルシロップまで実に様々。そこで今回は、総額4万5000ドルだったという去年のアカデミー賞授賞式のギフトバッグから、Jan Lewisのハンドメイド・バングルをセレクト。キュートな柄と形のバリエーションが魅力的。 この他にもセレブのヘルシーでラグジュアリーなライフを感じるグッズとして今回選んだのはこちら。 ▼Clair Vivierジュエリーケース ▼Nene Californiaクラッチ ▼Victoria’s Secretイヤフォンさあ、貴女もハリウッド・セレブをお手本に理想のスタイルを手に入れて、意中のハリウッド・スターを振り向かせよう! 【紹介したブランド・店舗のアドレス】 ▼SoLA (Kitson)115 S. Robertson Blvd., Los Angeles, CA 90048 ▼SundryおよびNene California (Ron Herman)8100 Melrose Ave., Los Angeles, CA 90046 ▼earthbar8365 Santa Monica Blvd., West Hollywood, CA 90069 ▼Glow Bio7473 Melrose Ave., Los Angeles, CA 90046 ▼Beverly Wilshire Hotel 9500 Wilshire Boulevard, Beverly Hills, CA 90212 ▼The Beverly Hilton 9876 Wilshire Boulevard Beverly Hills, CA 90210 ▼Clair Vivier3339 West Sunset Blvd., Los Angeles, CA 90026 ▼Victoria’s Secret328 N Beverly Dr., Beverly Hills, CA 90210
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COLUMN/コラム2014.01.01
2014年1月のシネマ・ソムリエ
■1月11日『ザ・ローリング・ストーンズ・ア・ライト』 ロック通の巨匠M・スコセッシと、ザ・ローリング・ストーンズのコラボレーションが実現。2006年、ニューヨークのビーコン・シアターで行われたライブの記録映画だ。 『JFK』のロバート・リチャードソンなど、ハリウッドの一流撮影監督が多数参加。カメラ18台を駆使した見事なカット割りの映像で、ストーンズの熱い演奏を見せる。 バディ・ガイ、ジャック・ホワイトらのゲストを迎えたステージは臨場感満点。セットリストが直前まで届かずに苛立つスコセッシの姿を捉えたオープニングにも注目を。 ■1月18日『ブルーベルベット』 ハンサムな大学生ジェフリーが野原で人間の片耳を拾う。好奇心に駆られ、事件の関係者であるクラブ歌手ドロシーの自宅に侵入した彼は、そこで異常な光景を目撃する。鬼才D・リンチの世界的な名声を揺るぎないものにしたフィルムノワール。のどかな田舎町に潜む倒錯的な暴力とセックスを描き、賛否両論の大反響を呼び起こした。「この世は不思議なところだ」という劇中セリフに象徴される映像世界は、猟奇的かつ淫靡でありながら優雅でもある。変態のサディストを怪演したD・ホッパーも強烈! ■1月25日『アクロス・ザ・ユニバース』 ビートルズ・ナンバー33曲をフィーチャーした青春ミュージカル。ベトナム反戦運動に揺れる1960年代の米国を舞台に、若者たちの恋と挫折をドラマチックに描き出す。監督は独創的な舞台演出家でもあるJ・テイモア。サイケな視覚効果が圧巻の「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」など、名曲の数々を巧みに物語に融合した。美形女優E・R・ウッドらのキャストが見事な歌声を披露。登場人物にルーシー、ジュードといったビートルズの歌詞にちなんだ名前が付けられているのも要チェック。 『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』©2007 by SHINE A LIGHT, LLC and GRAND ENTERTAINMENT (ROW) LLC. All rights reserved./『ブルーベルベット』BLUE VELVET © 1986 STUDIOCANAL IMAGE. All Rights Reserved/『アクロス・ザ・ユニバース』© 2007 Revolution Studios Distribution Company, LLC. All Rights Reserved.