PROGRAM

放送作品情報

11’09’’01/セプテンバー11

11’09’’01 - SEPTEMBER 11 2002年 フランス / 134分 ドラマ

<11分9秒01>の映像に込められた“9.11”への思いとは──世界の名匠11人が贈るオムニバス作品
放送日時
2019年09月11日(水) 23:15 - 深夜 01:45
2019年09月24日(火) 深夜 01:30 - 04:00
解説

2001年9月11日のアメリカ同時多発テロをテーマに、世界11ヵ国の監督11人が11分9秒1フレームという共通の時間枠で短編を制作。各国の文化や視点を通じて、世界の多様性が如実に浮かび上がってくる。

ストーリー

9.11の犠牲者を哀悼する概念を若い女性教師が子供たちに理解させようとする(イラン編)。耳の聞こえないフランス人女性は、恋人のアメリカ人男性の部屋で別れの手紙を書く(フランス編)。1973年9月11日にチリで起きたクーデターにアメリカが介入した事実が、亡命チリ人の告発とニュース映像を交えて明かされる(イギリス編)。第二次世界大戦の戦地から帰郷した復員兵は、なぜかヘビになってしまい……(日本編)。

出演

エマニュエル・ラボリ
ウラジミール・ヴェガ
アーネスト・ボーグナイン
田口トモロヲ
ほか

字幕/吹替
字幕
掲載制限
なし
カラー/白黒
カラー
画面サイズ
ワイド画面
HD
※【ザ・シネマHD】にご加入の方は、
HD画質でご覧頂けます。

オススメキーワード

  • 鑑賞日 2018/6/4

    それぞれの見方

    2001/09/11のNY貿易センタービルへのテロ事件をテーマに世界的に有名な監督11人のオムニバスであるが、テロへの捉え方がいろいろ。センタービルへのテロは、許されない事実であるが、エジプトのシャヒーン監督やイギリスのケン・ローチ監督などは、被害者のアメリカも世界のほかの地域では、同様の殺戮に加担していると述べていることも共感できる。日本代表、今村監督は、太平洋戦争の日本兵の悲劇を題材に最後に「聖戦はありえない」と述べて無難にまとめている。

  • 鑑賞日 2017/10/1

    9.11にまつわるショート・ストーリーを世界各国から選りすぐられた11人の監督が描くオムニバス映画。 11分9秒、1フレームという制約の中でそれぞれの監督が、悲劇に対するそれぞれの感慨を映像化。その視点は決して1つではなく、アメリカだけが被害者と言うわけでもない。 個人的には、同じ9月11日にアメリカに操作されたチリ・クーデターと同時多発テロを対比させたケン・ローチ作品が、いちばん心に残った。 その他にも、息子がテロの犯人と誤認されたイスラム教徒の母親を描くミーラー・ナイール作品、ワールド・トレード・センターの崩壊により、窓から陽ざしが入るようになった部屋の住人を、懐かしのアーネスト・ボーグナインが演じたショーン・ペン作品などが印象的。今村昌平は、第2次大戦時のエピソードにより、『聖戦など存在しない』ことを婉曲に語っていた。

  • 鑑賞日 2002/9/11

    クロード・ルルーシュのがいちばん好き

    11人の監督の個性がよく出ている。恥ずかしながら、個人的にはクロード・ルルーシュのがいちばん好き。

  • 鑑賞日 2011/1/5

    あの事件からわずかの間にアメリカが自ら自国を批判的に捉えることができるなんて、すごいことだと思う。

    これが日本だと『突入せよ! 「あさま山荘」事件』だとか『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』とか『KT』だとか、まあそれなりに時間が経過しないとフィクションであってもなかなか実現できないわけです。 JALの墜落事故だって『クライマーズ・ハイ』にせよ『沈まぬ太陽』にせよ、同じことですね。 アメリカだってベトナム戦争を総括するのに時間がかかった時代があるわけです。 『ディア・ハンター』とか『地獄の黙示録』はまだ初期だと思いますが、『プラトーン』あたりになるとかなり時間が経過していましたよね。 それが今回は『華氏911』にしろこの映画にしろ、すばやく自国批判を始めていますね。これはすごいことだと思います。なかなかできそうでできないですね。現職の大統領を批判するってどうしてどうして難しいことでしょうね。 これだけ著名な映画監督が並びますとなかなか壮観の印象ですが、やはり個人的には、この映画を見る前に『アモーレス・ペロス』を見ていたこともあってアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥの作品はとても印象的でした。 ずっと暗い画面が写されて、まったく映像が出てきません。そして陰鬱な音楽にあわせて後半になってようやくビルから人が飛び降りるシーンがフラッシュバックされるわけです。 アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥというと、全く違うお話がひとつの事故とか事件をきっかけにひとつにつながる展開を得意としていますが、この作品だけはワンサイド。一方的ですね。 わずか11分の中で何を表現するかは、その監督の人生観などが大きく左右するんだと思いますが、ここで彼は沈黙を示そうとしていますね。沈黙という恐怖。とても勇気がいる作品だったと思います。 「神の光は我々に道を示すのか。それとも目をくらませるのか。」 これこそ盲目の中にいるアメリカを示す一言でしょうね。恐れ入りました。 ショーン・ペンの作品にアーネスト・ボーグナインが出てきたのも良かった。『マーティ』で一気に有名になって、我々の世代だと『ポセイドン・アドベンチャー』とか『ウイラード』などの脇役ぶりが印象的です。脇役なのになぜか印象が強い。 そんな彼が年老いて、一人孤独で生きる妻を亡くした老人を演じています。 そして陽のあたらないアパートで咲かない花を見て嘆いていると、ある日その花がスーーっと息を吹き返します。そんな彼が喜ぶ姿をカメラが窓の外からのぞいているんです。するとそのアパートの壁に大きなビルの影が崩れてゆくシーンが映し出されるんですね。見事な演出。 でもでもやっぱり、日本人として今村昌平さんの作品がとてもよかった。いかにも今村昌平さんらしい語り口。現実にあり得ないお話でも最後に決めます。 戦争で虐待されて蛇になって家に帰ってきた男のお話。 貿易センタービルのことなど、どこにも出てこないこのお話の主題は、直筆の文字で力強く語る緒方拳さんの筆によって見事に最後、締め付けましたね。 「聖戦なんてありはしない!」 この一言で、憎むことうらむこと、そして戦争に駆り出されることの意味を言い尽くしていますよね。見事ですね。 この映画を何度も何度も、ラウンドゼロで上映するのが良いのではないでしょうかね。道行く人がこの短編を立ち止まって見かけるだけでウォール街の悪魔が消え去るのではないでしょうか。 恐れ入りました。

  • 鑑賞日 2003/8/10

    今村監督作品から浮かび上がる日本映画への課題

    「セプテンバー11」では11のエピソードがある。 ある種、政治性を期待される映画であるが、このうち日常 の身の回りに限定して政治性など全くなく、想像もさせな い内容が2つ。 クロード・ルルーシュとショーン・ペンの作品である。 しかし、この2作品では9.11のあの出来事をこのような 視点から切り取ることで現代の一断面を描き出した。 11のエピソードのうち過去の出来事に拘ったものが2つ ある。 ひとつはケン・ローチ作品。 彼が描いたのは1973年の9月11日のチリ。 アメリカが背後から操った軍事クーデターであり、強烈な までの批判精神であった。チリの軍事クーデターのみを語り ながら、2001年9月11日を描き出した。 過去を描いたもうひとつが今村昌平作品である。 ここでは過去の戦争が描かれるが、それはあくまでも過去に 留められ、現代に向かって突き付けられるものはない。 戦争が現代に忍び寄るというものではなく、あくまでも個人 の思念情念の中である。ここから9.11をあぶりだすもの はない。過去に拘りながらも現代を鋭い批判精神で描き出した ケン・ローチとは大違いである。 この11分の作品が、今村監督の独立した作品であれば、 彼らしい作品としてプラスの評価をするかも知れないが、 9.11の事件をモチーフとして世界の代表的な作家たち のオムニバス映画のひとつのエピソードとしてなら、これ は失敗作だと思う。 しかし、今の日本の映画作家で「現代」を鋭く描くことの 出来るのは誰であろうか? 今村監督が出来なかったことを次の世代は実現させるべき ではないか。 これは日本映画界に突き付けられた課題である。