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PROGRAM/放送作品
オリエント急行殺人事件(1974)
名探偵ポワロの謎解き、オールスターキャスト、豪華列車の旅情…傑作ミステリー小説が優雅な娯楽映画に
クリスティの傑作ミステリー小説をオールスター・キャストで絢爛豪華に映画化。今はなきオリエント急行の旅情を体験できるのも見どころ。イングリッド・バーグマンが1974年度アカデミー助演女優賞を受賞。
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COLUMN/コラム2022.03.08
“実話”の強みを最大限に生かしたヒーロー物語『エリン・ブロコビッチ』
アメリカ映画の保存・振興を目的とした、「AFI=アメリカン・フィルム・インスティチュート」という機関がある。この「AFI」が1998年から2008年に掛け、「アメリカ映画100年シリーズ」として、「アメリカ映画ベスト100」「映画スターベスト100」など、様々な「ベスト100」を発表した。 その中で、2003年に発表されたのが、「ヒーローと悪役ベスト100」。映画史上に輝く、ヒーローと悪役それぞれ50人(人間とは限らないが…)が選出された。 ヒーローの第1位は、『アラバマ物語』(1962)でグレゴリー・ペックが演じた、人種差別と闘う弁護士、アティカス・フィンチ。続いては、インディ・ジョーンズやジェームズ・ボンド、『カサブランカ』(42)でハンフリー・ボガートが演じたリックなど、錚々たる顔触れが並んでいく。 ヒーローと銘打ちながらも、闘うヒロインたちも、ランクインしている。第6位『羊たちの沈黙』のクラリス・スターリングを筆頭に、『エイリアン』シリーズ(79~ )のリプリー、『ノーマ・レイ』(79)『テルマ&ルイーズ』(91)のヒロインたち、そして第31位に、本作『エリン・ブロコビッチ』(2000)でジュリア・ロバーツが演じた、タイトルロールが挙がる。 エリン・ブロコビッチ、それはクラリスやリプリーと違って、実在の人物。本作は、実話の映画化なのである。 彼女の物語の映画化は、カーラという女性が、カイロプラクティックを受ける時に、施術者から信じがたい話を耳にしたことに始まる。その施術者の友人に、日々の生活費にも困っているような、バツ2で3人の子持ちの女性がいた。そんな彼女が、法律知識はゼロだったにも拘わらず、大企業を相手取った公害訴訟で、数多くの被害者たちのために、莫大な和解金を勝ち取ったというのだ。 カーラはその話を、自分の夫に伝えた。その夫とは、本作を製作することになる、ジャージー・フィルムズの経営者の1人、マイケル・シャンバーグだった。 *** ロサンゼルス郊外の小さな町ヒンクリーに住む、エリン・ブロコビッチは、今まさに窮地に立たされていた。離婚歴2回で、乳呑み児を含む3人の子どもを抱えたシングルマザーの彼女は、貯金が底を突きそうなのに、高卒で何の資格もないため、就職活動もままならない状態。 そんな最中、職探しのドライブ中に、信号無視の車に追突されて、鞭打ちになってしまう。老弁護士のエド・アスリーは、相手が一方的に悪いので、賠償金が取れると請け負うが、法廷でのエリンの暴言などから陪審員の心証が悪かったせいか、びた一文得ることができなかった。 お先真っ暗のエリンは、エドの法律事務所に押し掛け、無理矢理雇用してもらうことに。豊満なバストをはじめ、常にボディラインを強調するような服装の彼女に、同僚たちは良い顔をしなかったが、本人は注意されても言い返し、直そうとはしない。 ファイルの整理という、誰でもできるような仕事を命じられたエリンは、その中の不動産案件の書類に、引っ掛かるものを感じる。地元の大企業PG&E社が、自社工場の近隣住民の土地を買おうとしているのだが、不審に思える点があったのだ。 エリンが独自に調査を始めると、その土地が工場からの排出物に混ざった六価クロムによって、汚染されている疑いが強いことがわかる。そして近隣の住民には、癌など健康被害が続出していることが、明らかになる。 事務所に現れないエリンが、サボっていると誤解して、エドは彼女を解雇する。しかしエリンが探り当てた事実を知ると、最初は及び腰ではあったが、やがて彼女と共に、大企業相手の訴訟に乗り出す。 新たな恋人となった、隣人のジョージの愛にも支えられながら、エリンの熱い戦いが繰り広げられていく…。 *** “六価クロム”は、電気メッキ、酸化剤、金属の洗浄、黄色顔料など、広く使用されている化合物。非常に強い毒性があり、肌に付着すると皮膚炎や腫瘍を起こし、また長期間体内に取り入れると、肝臓障害・貧血・肺がん・大腸がん・胃がんなどの原因になる可能性がある。 日本でも60歳前後ならば、記憶に残っている方が多いだろう。1970年代前半から後半に掛けて、東京・江東区の化学メーカー工場が、“六価クロム”を排出。近隣の土壌が汚染されて、大きな社会問題となった。 PG&E社は、そんな有害物を大量に排出しながら、適切な処理を怠り、長年近隣住民を騙し、隠蔽し続けていたのである。エリンとエドは、634人の住民を原告に立ててPG&E社と戦い、1996年に3億3,300万㌦=約350億円という、全米史上最高額(当時)の和解金を勝ち取った。 一連の顛末を映画化した本作のことを、エリン本人は「実話度98%」と評価する。事実でない残りの2%は、例えば原告となる住民たちが実名ではないことや、エリンが実際には高卒ではなく、カンザス州立大学を卒業しているということなど。いずれにしろそれらの改変は、“実話”である強みを、損なうほどのことではない。 映画化に当たって、スティーヴン・ソダーバーグ監督へのオファーを決めたのは、マイケル・シャンバーグ、ダニー・デヴィートと共に、ジャージー・フィルムズを経営する、ステイシー・シャー。『アウト・オブ・サイト』(98)で組んだ経験から、「…あまりにもドラマティックでおもしろい…」このストーリーを、「地に足のついた現実的な映画にしてくれる」監督は、ソダーバーグしかないと、白羽の矢を立てたのである。 1963年生まれのソダーバーグは、20代中盤に撮った長編第1作『セックスと嘘とビデオテープ』(89)が、カンヌ国際映画祭で最高賞=パルム・ドールを獲るという、華々しいデビューを飾った。しかしその後はスランプに陥り、興行的にも作品の評価的にも、暫しの低迷が続いた。 そんな彼にとって、『アウト・オブ・サイト』は、久々の成功作。そのプロデューサーから依頼された本作の脚本を読んだ時、エリンのストーリーに思わず惹き込まれて、プロジェクトに参加することを決めたという。 それまでこの訴訟についてはまったく知らなかったソダーバーグは、事実のリサーチを進めていく中で、「…不必要に刺激的にしたり、ドラマティックな効果を狙うためだけのシーンがないようにすることが大切だ…」と見極めた。彼を起用した、プロデューサーの狙い通りとなったわけである。 本作の内容を精査すると、大企業側からの妨害や、エリンの強烈なキャラによって起こる軋轢などは、実にサラリと描かれている。こうした題材を映画化するに当たっては、通常は強調されるであろう、そうしたエピソードには主眼を置かず、一直線な“ヒーロー譚”に仕立て上げている。それが本作を成功に導いたと言える。 もちろんそれらは、バッチリとハマったキャスティングによるところも大きい。エリンを演じたジュリア・ロバーツは、本作の10年前に出演した『プリティ・ウーマン』(90)以来、TOPスターの1人として、活躍。30代前半となって、そろそろ大きな“勲章”を手にしたい頃であった。 そんな時に出会った本作に臨むのに、エリン・ブロコビッチ本人に会ったり、取材したりなどは、一切行わなかったという。本人を真似た役作りではなく、自分自身が『エリン・ブロコビッチ』という作品の中で、そのキャラクターを創り上げるというチョイスを行ったわけである。 エリンは実在の人物とはいえ、誰もが顔を知っているような存在というわけではなかったので、このアプローチは成立。結果的に、大成功を収めた。 因みにジュリアがエリン本人と初めて会ったのは、本作の撮影で、ジュリア演じるエリンが、子ども3人を連れて、ダイナーで食事をするシーンだった。このシーンで、エリンがカメオ出演。ウェイトレスを演じている。 自分が演じている本人とセリフのやり取りをするのは、「…とても奇妙な感じで…」戸惑いを覚えていたというジュリア。ふとエリンの胸元のネームプレートを見たら、“ジュリア”と書いてあって、「…もう少しで気が違うかと…」思ったという。 何はともかく、ジュリアは本作が代表作の1本となった。そして念願の、“アカデミー賞主演女優賞”の獲得に至った。 老弁護士エド役のアルバート・フィニーの好演も、ジュリアが栄冠を得るための、大いなるアシストになった。それほどこの作品での、エドとエリンの老若押し引きのコンビネーションは、見事である。 ソダーバーグは、この役を誰が演じるか話し合った時に、真っ先にフィニーの名を挙げた。1960年代からの彼の長いキャリアをリスペクトしていたというソダーバーグの狙いは、ここでも見事に当たったと言える。惜しむらくはフィニーが、アカデミー賞のノミネートから漏れたことである。 さてソダーバーグはこの年2000年は、本作に続いて、麻薬戦争を扱った『トラフィック』が公開されて、こちらも大成功を収めた。アカデミー賞では、『エリン・ブロコビッチ』と『トラフィック』両作で、“アカデミー賞監督賞”にノミネートされるという、62年振り2人目の快挙を成し遂げた。即ち5人の監督賞候補者の内、2人分を彼が占めたということである。 こうなると票が割れて、賞自体を逃すこともありえたが、『トラフィック』の方で、見事に受賞を遂げた。実質的には同年にこの2作があったからこそ、高い評価を得たと言えるだろう。 その後は度々「引退」を匂わせながらも、現代の巨匠の1人として、活躍を続けているのは、多くの方が知る通り。本作がそのステップに向かう、大きな役割を果たしたことは、疑うべくもない。 さて「実話度98%」の本作であったが、エリン・ブロコビッチ本人のその後の人生も、なかなか凄まじい。 本作内ではアーロン・エッカートが演じ、エリンを優しく支える存在として描かれた恋人のジョージは、実際はベビーシッターとしてエリンから報酬を貰っていた上、その後更なる金銭を求めて、彼女を相手に訴訟を起こしている。また本作で描かれる物語以前に別れた夫とも、訴訟沙汰となった。 本作では、育児もそっちのけで大企業との戦いに奔走する母エリンに、子ども達も理解を示す描写が為されている。実際は十代になった子ども達は、ドラッグ漬けになり、その治療で大変な目に遭ったという。 その後も環境活動家として、公害企業との戦いに身を投じているエリンだが、2012年には3度目の離婚となった。 本作で描かれた物語以降も、「事実は小説よりも奇なり」を地で行くエリン・ブロコビッチの人生。また新たに映画化される日が来ても、不思議ではない。■ 『エリン・ブロコビッチ』© 2000 Universal City Studios, Inc. and Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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PROGRAM/放送作品
エリン・ブロコビッチ
巨大企業から史上最高の和解金を獲得した女性は無職のシングルマザー!ジュリア・ロバーツ主演の実話サクセス物語
大企業から全米史上最高額の和解金を勝ち取った実在の女性を、J・ロバーツが熱演しアカデミー主演女優賞を受賞。S・ソダーバーグ監督の、作品にリアリティを感じさせるドキュメンタリータッチの演出が秀逸。
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COLUMN/コラム2017.04.15
【本邦初公開】労働者階級出身のアルバート・フィニーが自らを反映した渾身の監督&主演作『チャーリー・バブルズ』は日本未公開!?〜04月13日(木)深夜ほか
直近では『ボーン・アルティメイタム』(07)と続く『ボーン・レガシー』(12)で演じたドレッドストーン計画の生みの親であるアルバート・ハーシュ博士役や、『007 スカイフォール』(12)の終幕間近に登場するボンド家の猟場管理人、キンケイド役が記憶に新しいアルバート・フィニー、現在80歳。言わずと知れたイギリス王立演劇学校OBの生き残りである。一学年下のアンソニー・ホプキンスは健在だが、同級生のピーター・オトゥールはすでにこの世にはいない。 1959年に舞台デビュー直後、名優ローレンス・オリビエやヴァネッサ・レッドグレイヴ等と互角に渡り合い、翌年には映画デビューも果たしたフィニーが、最初に世界的な評価を得たのは『土曜日の夜と日曜日の朝』(60)。"怒れる若者たち"の作者として知られ、1950年代のイギリスで起きた労働者階級の苦境を台所の流しを用いて描いたムーブメント、"キッチン・シンク・リアリズム"と繫がるアラン・シリトーの原作を脚色した社会派ドラマだ。1960年代に"スウィンギング・ロンドン"が巻き起こる前のイギリスでは、このような北部の貧困地域で怒りを溜め込んで生きる若者にフォーカスした演劇や小説、TVドラマ、そして、映画がカルチャーシーンをリードしていたのだ。 "キッチン・シンク・リアリズム"と最も敏感に響き合ったのは映画で、新鋭監督たちが"ブリティッシュ・ニュー・ウェイヴ"を形成。『土曜日の夜と日曜日の朝』の監督、カレル・ライスは、その後『孤独の報酬』(63)を製作し、同作の監督、リンゼイ・アンダーソンは『If もしも…』(68)を発表し、トニー・リチャードソンは『蜜の味』(61)、『長距離ランナーの孤独』(62)に続いて、再びムーヴメントの旗頭的スター、アルバート・フィニーを主役に迎えて『トム・ショーンズの華麗な冒険』で第36回アカデミー作品賞を奪取する。それは"ブリティッシュ・ニュー・ウェイヴ"がハリウッドをもその大きなうねりの中に巻き込んだ瞬間だった。 前置きが長くなった。『チャーリー・バブルズ』はその後、イギリス演劇界を飛び越え、ハリウッドを起点に華々しく活躍することになるアルバート・フィニーが、かつて身を以て体験した"ブリティッシュ・ニュー・ウェイヴ"に思いを馳せつつ挑戦した、最初で最後の監督(&主演)作品である。 主人公のチャーリーは人気作家として名声を確立しているものの、同じ成功者たちが集う社交クラブでメンバーが交わすビジネストークには心底辟易している。そこで、チャーリーは友達のスモーキー(後に『オリエント急行殺人事件』(74)でポワロ役のフィニーと探偵ハードマン役で共演しているコリン・ブレイクリー)と周囲がどん引きなのも気にせず頭から食べ物をぶっかけ合い、そのまま通りを闊歩し、デパートで買ったラフな服に着替えた後、プールバーで玉を突き合い、パブで一杯引っ掛ける。チャーリーがいかに現在の生活に退屈しているかをデフォルメして描いた若干奇妙で強烈な導入部だ。 この後、チャーリーは秘書のエリザベス(なぜかブレイクスルー前のライザ・ミネリ)を成金の象徴のようなロールスロイス/シルバークラウドⅢの助手席に乗せ、ロンドンから完成したばかりのハイウェイ、M1に沿って一気に北上していく。向かう先はチャーリーの故郷であり、"ブリティッシュ・ニュー・ウェイヴ"の舞台であり、同時に、自身も労働者階級に生まれ育ったフィニーのホームタウンであるマンチェスターだ。つまり、今や(当時)若き演技派俳優として未来を約束されたフィニーが、チャーリーを介してあえて失った過去に向けて舵を切った疑似自伝的ストーリー、それが『チャーリー・バブルズ』なのだ。 久々に故郷の土を踏んだチャーリーが、果たして、その目で確かめたものは何だったのか?そこで描かれる変わらぬ厳しい現実と、たまにしか帰還しない訪問者としてのチャーリーの間に横たわる隔たりに、監督、または俳優としてのフィニーのジレンマを感じ取ることは容易い。むしろ、"ブリティッシュ・ニュー・ウエイヴ"を牽引した監督のほとんどが一流校オックスブリッジの卒業生であり、その他人事のような視点が、結局この潮流を1960年代後半で途絶えさせた原因だったことを考えると、結果的に、アルバート・フィニーこそが労働者の光と影を身を以て体現できる数少ない生き証人だと今更ながら痛感する。製作時、当の本人は想像だにしてなかっただろうが。 これを機にイギリスに於ける階級社会の問題点をさらに膨らませると、今やかの国では演劇学校の月謝が高騰し、もはやワーキングクラス出身の俳優志望者たちは夢を捨てざるを得ない状況に陥っているとか。それは、一昨年のアカデミー賞(R)でオックスブリッジ卒業生のエディ・レッドメインとベネディクト・カンバーバッチが主演男優賞候補に挙がった時、労働者階級出身の名女優、ジュリー・ウォルターズがメディアにリークしたことで一躍注目された話題だ。一説によると、労働者階級出身のスターはジェームズ・マカヴォイを最後に登場していないとか。それが事実だとすると、映画ファンはもう2度と第2のショーン・コネリーやマイケル・ケインや、そして、アルバート・フィニーに会えなくなるということだ。3人ともまだ健在だが。 そんなことにまで思いを至らせる『チャーリー・バブルズ』だが、何と日本では劇場未公開。フィニーは初監督作品を自ら主宰するMemorial Enterprisesで製作を請け負い、配給元としてハリウッドメジャーのユニバーサルを迎え入れる等、万全の体制で臨んだものの、映画がイギリスとアメリカで公開されたのはクランクアップから2年後の1968年だった。チャーリーの妻を演じたビリー・ホワイトローが英国アカデミー賞と全米批評家協会賞の助演女優賞に輝き、レビューでも高評価を獲得したにも関わらずだ。結果、フィニーはその後再びディレクターズチェアに腰を沈めることはなかった。この映画のためなら得意ではないキャンペーンも精力的にこなすつもりでいたフィニーだったが、出席を予定していた第21回カンヌ映画祭が、政府の圧力に屈した映画祭事務局に抗議するジャン=リュック・ゴダールやフランソワ・トリュフォー等、ヌーベルバーグの監督たちによる抗議活動によって中止に追い込まれるという不運にも見舞われる。後に、この映画祭粉砕事件はカンヌ映画祭に"監督週間"という新規部門を作るきっかけになり、ここから多くの新人監督たちが羽ばたいていったことを考えると、同じく監督を目指したフィニーにとっては皮肉な結果と言わざるを得ない。 しかし、『チャーリー・バブルズ』を観れば分かる通り、階級社会を果敢に生き抜いてきた骨太の個性とユーモア、そして、溢れる人間味は、彼の演技と無骨な風貌を介して永遠に生き続けるもの。何しろ、妖精オードリーを劇中で"ビッチ!"と蔑んだのは(『いつも2人で』67)、後にも先にもフィニーだけなのだから。■ © 1967 Universal City Studios, Inc. Copyright Renewed. All Rights Reserved.
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PROGRAM/放送作品
ビッグ・フィッシュ
奇想天外なホラ話に隠された父の本当の人生…ティム・バートンのイマジネーションが冴える珠玉の人生賛歌
自分の過去を寓話のように語る父と息子の葛藤や絆を、前年に父を亡くし子供を授かったティム・バートン監督が自らと重ねるように描写。ファンタジックな回想シーンとトーンを抑えた現実シーンとの対比が利いている。
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COLUMN/コラム2014.01.31
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年2月】にしこ
原作は言わずと知れたアガサ・クリスティの代表作ですが、映画自体も原作同様、またそれ以上に有名な傑作かと思います。作品の素晴らしさはもちろんですが、なによりその「豪華さ」にうなる作品です。1974年のアカデミー賞受賞作品です。豪華。 まず、舞台のオリエント急行。ヨーロッパを横断する、あの王侯貴族や、お金持ちが利用した豪華寝台急行です。サービス、内装はもちろん超一流。豪華。そしてキャスト。まず、灰色の脳細胞・名探偵ポワロ役にアルバート・フィニー。彼のベルギーなまりの英語(という設定)のチャーミングさはこの上品な緊迫感漂うサスペンスの緩急の良い「緩」になっております。そしてアンソニー・パーキンス、ショーン・コネリー、ヴァネッサ・レッドグレイヴ!イングリッド・バーグマン、ローレン・バコール!!豪華の洪水です。ミステリーはやはり事件の核心に迫る登場人物はスターがキャストされがちですが、この豪華さ、観る前に誰が犯人なのかうっすらわかってしまうなんて心配はございません。しかし、この作品の緻密で巧妙なトリックとストーリーテリングの前では、キャスティングからのネタバレなど心配いらないのかもしれません。 未見の方は「あっ!」と驚く結末が待っている事をお約束します!名探偵ポワロが暴き出す、悲しくも美しい事件の真相。豪華列車で起こる華麗なる殺人の結末をザ・シネマで目撃して下さい!!ザ・シネマでは名探偵ポワロの活躍を描く『死海殺人事件』もご用意!!こちらも必見です!! ©2013 BY EMI FILM DISTRIBUTORS LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
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PROGRAM/放送作品
ドレッサー(1983)
伝統ある劇団に渦巻く人間模様──それは至高のドラマ。アカデミー賞主要4部門候補になったイギリス映画
シェイクスピア劇団の座長と付き人の愛憎を描く同名舞台劇を映画化。主演2人がアカデミー主演男優賞候補となり、トム・コートネイがゴールデン・グローブ賞、アルバート・フィニーがベルリン映画祭の男優賞を受賞。
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COLUMN/コラム2012.08.03
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年8月】招きネコ
アイリッシュ系マフィアと新興イタリア系マフィアの抗争を舞台に、男と男、男と女の愛と友情と裏切りが描かれるギャング映画と言うと、全くもって普通に聞こえるかも知れませんが、コーエン兄弟ワールドなので、かっこいいけど、おかしいんです。人間って真面目であればあるほど、客観的に見ると可笑しく見えるというのがよくわかります。この映画にはまっていた当時、「迷惑なヤツ」という代名詞として、この作品でジョン・タトゥーロが演じる主役でもない「バーニー」を隠語として友達と使っていたくらい、脇役から主役まで人間くさく愛すべきキャラがそろい、アルバート・フィニーやガブリエル・バーンら、普段あまり主役をやらない個性派俳優たちが輝いています。コーエン兄弟作品の魅力である、カメラワークと音楽による名シーンも満載。アルバート・フィニーがマシンガンを撃ちまくり、「ダニー・ボーイ」が流れる場面は映画史に残る名シーンだと思います。 (C)1990 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved
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PROGRAM/放送作品
その土曜日、7時58分
[R15+]社会派映画の巨匠シドニー・ルメット最後の作品は、強烈!欲に駆られ崩壊していく家族のドラマ
『十二人の怒れる男』など社会派ドラマの巨匠シドニー・ルメットの45本目となる監督作にして遺作。フィリップ・シーモア・ホフマンら演技派俳優を揃え、それぞれの視点から同じ事件を多面的に映し出す演出が秀逸。
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PROGRAM/放送作品
アニー (1982)
永遠の名曲「トゥモロー」に感動の涙が止まらない…名作ミュージカルを巨匠ジョン・ヒューストンが映画化
名作ブロードウェイ・ミュージカルを巨匠ジョン・ヒューストン監督が映画化。8000人の中からオーディションで選ばれた子役のアイリーン・クインが、華麗なダンスや堂々とした歌声で爽やかな感動を届ける。