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PROGRAM/放送作品
ラスト サムライ
誇り高き“最後の侍”を渡辺謙が熱演!トム・クルーズが武士道精神を体現するハリウッド製本格時代劇
日本の武士道精神をハリウッドが真正面から描いた壮大な時代劇。明治維新による時代の変化に抗う誇り高き侍を渡辺謙が熱演し、アカデミー賞助演男優賞候補に。他に真田広之や小雪ら多くの日本人俳優が存在感を発揮。
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COLUMN/コラム2021.10.12
エドワード・ズウィック積年の夢の実現と、それに応えて羽ばたいた日本人キャストたち『ラスト サムライ』
エドワード・ズウィックにとって、本作『ラスト サムライ』(2003)の製作は、長年抱いてきた夢だった。 1952年生まれの彼は、17歳の時に黒澤明監督の『七人の侍』(54)を観て、黒澤映画を1本残らず研究しようと決意。それが、フィルムメイカーへの道に繋がった。 ハーヴァード大学に進むと、彼を指導したのは、エドウィン・O・ライシャワー。日本で生まれ育ったライシャワーは、61年から5年間、駐日アメリカ大使を務め、ハーヴァードでは、日本研究所所長の任に就いていた。 その門下で歴史を学ぶようになったズウィックが、特に興味を持ったのが、日本の“明治維新”。ズウィック曰く、「どの文化においても、古代から近代への移行期というのはとりわけ感動的でドラマティックです…」「周りを取り巻く文化全体も混乱を極めている時代に、個人的な変容を経験していく登場人物を観察するということには、感動する何か、我を忘れるほどの魅力があるのです」 ズウィックは、『グローリー』(89)や『レジェンド・オブ・フォール/果てしなき想い』(94)といった監督作、アカデミー賞作品賞を獲った『恋に落ちたシェイクスピア』(98)といったプロデュース作などで評価を得ながら、本作の構想を固めていく。そして『グラディエーター』(00)などの脚本家ジョン・ローガンと組んで、シナリオ執筆を進めた。 出来上がったシナリオを、トム・クルーズに送ると、日本人の“サムライ魂”に関心があったというトムはすぐに気に入り、主演及びプロデューサーとして、本作に参加することが決定。スーパースターを得たことで、本作の製作は、本格的に進められることとなった。 アクションには、ノースタントで挑むことで知られるトム・クルーズが、本作で演じるのは、元アメリカ軍人で日本へと渡るネイサン・オールグレン。二刀流の剣術や格闘術、乗馬をこなす必要があったため、撮影までの約1年間、毎日数時間掛けて厳しいトレーニングを行ったという。 *** 時は1870年代。かつては南北戦争の英雄と讃えられたネイサンだったが、ネイティブ・アメリカン虐殺に加担して受けた心の疵が癒えないまま、酒浸りの日々を送っていた。 そんな彼が、大金を積まれてのオファーを受けて、軍事教官として日本に赴くことに。雇い主は、誕生して日も浅い明治新政府の要人・大村(演;映画監督の原田眞人)だった。 新兵たちの訓練が行き届かない内に、政府への反乱を討伐するための、出動命令が下る。ネイサンの「まだ戦える状態ではない」との主張は退けられ、彼もやむなく同行することとなる。 反乱を率いるのは、明治維新の立役者の一人だった、勝元盛次(演:渡辺謙)。大村らを軸に近代化政策が進められる中で、かつてのサムライたちがないがしろにされていく流れに抗して、野に下っていた。 ネイサンの危惧通り、出動した部隊は、サムライたちの猛攻にひとたまりもなかった。ネイサンは孤軍奮闘するも、瀕死の重傷を負い、囚われの身となる。 山中の農村へと運ばれたネイサンは、勝元の妹たか(演:小雪)の看病を受け、次第に回復。村人たちの素朴な生活に癒され、やがてサムライたちの精神世界に魅せられていく。 剣術の鍛錬を始めたネイサンは、サムライたちのリーダー格である氏尾(演:真田広之)と手合わせを行う。はじめは歯が立たなかったが、遂には引き分けるまでに腕を上げる。 ネイサンは、勝元とも固い絆で結ばれていく。そして、信念に敢えて殉じようとする勝元たちと、最後まで行動を共にすることを決意するのだったが…。 *** ズウィックが影響を受けたことを認めているのが、日本文学研究者のアイヴァン・モリスの著書「高貴なる敗北―日本史の悲劇の英雄たち」。この中で取り上げられた、新政府の樹立に加担するも、やがて叛旗を翻す西郷隆盛の物語に強く惹かれたという。 本作に於ける勝元盛次が、不平士族の反乱を起こした、西郷や江藤新平をモデルにしているのは、明らかだ。舞台設定である1877年は、実際に西郷が“西南戦争”を戦い、命を落とした年である。 また敵役となる大村の名は、明治政府で兵制の近代化と日本陸軍の創設に尽力した大村益次郎から取ったものと思われる。但しキャラ設定的には、当時政商として暗躍した岩崎彌太郎と、西郷を失脚に追い込んだ大久保利通を、足して2で割ったようなイメージだが。 さてトム・クルーズ主演作であるが、本作の場合、日本人俳優のキャスティングが肝要だった。その役割を担ったのは、日本では作詞家・演出家としても著名な、奈良橋陽子。日本やアジア圏の俳優をハリウッド映画などに紹介する、キャスティング・ディレクターとしての歩みを、本格化させていった頃の仕事である。 奈良橋はズウィックに、様々な映像資料等を送付して、やり取り。彼が来日するまでにある程度の人数に絞り込んでは、オーディションのセッティングを行った。 日本でのキャスティングは、トムの参加が決まる前、即ち本作製作に正式なGOサインが出る前から、秘かに進められていた。ある時はズウィックの来日に合わせて体育館を借り切り、真田広之をはじめ殺陣ができる俳優たちを集め、ショーを見せたという。 カメラマンも一緒に来日して撮影したというこの殺陣ショーに、監督は大喜びで、「この映画を絶対に撮るんだ」と決意も新たに帰国。トムの主演が決まったのは、それから数か月後のことだった。 その後真田をはじめ、小雪や明治天皇役の中村七之助等々、キャストが次々と決まっていく。そんな中で難航したのが、最も重要な勝元役だった。 実は奈良橋は、NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」(87)をはじめ、時代劇俳優の印象が強い渡辺を、ズウィックに最初に紹介して、京都のホテルでインタビューを受けてもらっている。しかしこの時は渡辺の印象が、なぜか監督の頭に残ることがなかった。 勝元役が決まらない中で、奈良橋はズウィックに、もう1回渡辺と会ってもらえないかと頼み、帝国ホテルのスイートルームでのオーディションをセッティングした。渡辺の英語力はまだそれほどではなかったというが、気負うことなく楽に役を演じたのが良かったか、ズウィックの目はオーディションの最中から輝き、終了して渡辺が部屋を出た瞬間には、「彼こそ勝元だ!」とガッツポーズを取ったという。 そんなズウィックが、クランクインが近づいた頃、新しい役を作ったと奈良橋に連絡してきた。その役名は“サイレント・サムライ”。農村に囚われの身となったネイサンを常に見張り、話しかけられても一切返事をしない、名前を名乗ることもない、“沈黙の侍”である。 奈良橋の著書によると、その時ふと思い浮かんだのが、福本清三だったという。東映の大部屋俳優で、その当時にして40年以上映画やTVドラマに出ては、2万回以上斬られてきたという、「日本一の斬られ役」である。 この辺り、福本にインタビューした書籍によると、彼のファンクラブのメンバーが、『ラスト サムライ』が製作されることを報じたスポーツ紙の記事を読んで、奈良橋に連絡を取り資料を送ったのが、きっかけだったという。福本本人は、そんなこととはつゆ知らず、ある時突然奈良橋から携帯に電話が掛かってきて、吃驚した。 福本は東京に呼ばれ、奈良橋の事務所で、半袖シャツにチノパンという出で立ちで、立ち回りや、彼の十八番である、斬られて海老反りで倒れるところなどを撮影。また“サイレント・サムライ”役ということで、「無表情の演技」も撮った。 そのビデオを監督に見せると、すぐに出演が決まった。東映太秦撮影所で旧知だった真田広之も、福本出演を聞いて、大喜びだったという。 さて『ラスト サムライ』は、日本でクランク・イン。姫路の圓教寺でのロケ後は、京都の知恩院で撮影を行った。 悲しいことに、日本のロケ事情の問題で、後は海外に19世紀の日本を再現しての撮影となる。ロサンゼルスのワーナー・ブラザースがスタジオ近くに持つ野外撮影用地は、普段はニューヨーク通りと言われ、西洋風の建造物が建ち並んでいる。ここを木材やファイバーグラスのタイルなど使って外観を飾り替えることで、文明開化の頃の東京、通称“エド村”を作り上げた。 “エド村”での撮影を終えると、ニュージーランドへ移動。田舎町に10億円を投じて借り切り、キャストやスタッフのための住宅を用意した。その近くの山の中には、畑、家屋、畦道まで精緻な仕上がりの、日本の農村が完成。クライマックスの戦闘シーンも、ニュージーランドでの撮影であるが、そのために日本から500人のエキストラを参加させ、本番のために数カ月間、本物の軍隊と同じ訓練を施した。 ズウィックの本作への思い入れもあってか、時代考証などは内外の専門家の意見を受けて慎重に進められた。ハリウッド映画に度々登場するような「おかしな日本」にならないように、最大限の努力を行っている。 またこの点では、真田広之の尽力も大きい。彼は出番のない日でも、セットを訪れて、衣装、小道具、美術などをチェックし、資料ではわからない着こなしや道具の使い方などのアドバイスを行ったという。 それでも「おかしな」ところは、見受けられる。例えば勝元の村に、暗殺部隊である“忍者”集団が現れたり、戦闘シーンではサムライたちが、明治時代にもなって甲冑を身に纏っていたり…。 この辺りは、監督はじめ主要スタッフも「あり得ない」ことは、理解していた。全世界で公開される“サムライムービー”として、観客のニーズに応えたと言うべきか?或いは黒澤映画の大ファンであるズウィックが、“時代劇”を撮る以上は、絶対やりたかった要素だったのかも知れない。 それから逆に考えて、なぜ日本の観客が「おかしい」と思うのかにも、思いを至らせた方が良い場合もある。当たり前のことだが、明治の日本や侍の時代を、実際に体験したことがある者は既に居ない。我々の基準は、日本のテレビや映画で観た“時代劇”から生まれている可能性が大いにある。 衣装デザイナーのナイラ・ディクソンは、素材の豊富な在り処を日本で見付け、衣装の多くをそこで作った。甲冑なども彼女の担当だったが、ある時に兜のデザインを、渡辺と真田に見せたことがある。すると2人とも、「日本にこんなものはない」という反応。そこで彼女は、分厚い写真集を持ち出して、2人に見せた。それは確かに、日本の兜だったのである。 さてご存知の方が多いと思うが、世界的に大ヒットとなったこの作品で、渡辺謙は見事アカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。その後は頻繁にハリウッド映画に出演する他、ブロードウェイの舞台「王様と私」に主演し、トニー賞にもノミネートされている。 真田広之もこの作品がきっかけとなって、拠点をロサンゼルスに移し、国際的な活躍を続けている。近作はジョニー・デップ主演の『MINAMATA―ミナマター』(21)だが、この作品でも舞台である1970年代の日本に見えるよう、少し早めに現場に入っては、小道具を選別したり、旗やゼッケンの日本語をチェックして自分で書いたりなどしたという。 さて本稿は、ニュージーランドでのロケ中は、他の侍役の俳優たちを呼んでは、よくカレーを作って振舞っていたという、福本清三の話で〆たい。彼が本作で演じた「サイレント・サムライ」は、先にも記した通り、とにかく無言を通す男。そんな男が、たった一言だけセリフを放つシーンがある。ここは結構な泣かせどころにして、福本の最大の見せ場である。 今年の元旦、77歳で亡くなった「日本一の斬られ役」に哀悼の意を捧げながら、皆さん心して観て下さい。■ 『ラスト サムライ』© Warner Bros. Entertainment Inc.
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PROGRAM/放送作品
(吹)ラスト サムライ【日曜洋画劇場版】
誇り高き“最後の侍”を渡辺謙が熱演!トム・クルーズが武士道精神を体現するハリウッド製本格時代劇
日本の武士道精神をハリウッドが真正面から描いた壮大な時代劇。明治維新による時代の変化に抗う誇り高き侍を渡辺謙が熱演し、アカデミー賞助演男優賞候補に。他に真田広之や小雪ら多くの日本人俳優が存在感を発揮。
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COLUMN/コラム2017.04.05
【本邦初公開】これが日本未公開で未ソフト化なんておかしくないですか!?な文句なしの娯楽作!「ウェルメイド」とはこういうことさ〜『ゲティン’ スクエア』〜04月20日(木)深夜ほか
今回4月にお送りする、ザ・シネマが買い付けてきた激レア映画全3本は、どれも本邦初公開ですが、そのうちここではサム・ワーシントン主演のオーストラリア産クライム・ムービー『ゲティン’ スクエア』をご紹介させていただきます。 のっけからいきなり武装強盗シーンで始まるこの映画。目出し帽をかぶった犯人数人組がショッピングモールの事務所を襲います。従業員の給料を奪おうというのです。そこに一発の銃声が。強盗の一人が撃たれました。そいつを背負い、現金もバッグに詰め、一味はワンボックスカーに撤収。急発進させた車内で撃たれた男の死亡が確認されます。死んだのはジョニー。「どっちみち廃人だったしなコイツ」と犯人の一人が吐き捨てます。 ここで場面が切り替わり、刑務所の鉄条網がアップで映って「GETTIN’SQUARE」とタイトルが入ります。時制が6ヶ月前にさかのぼりました。結末を最初に見せて「どうしてこうなった!?」を逆にたどっていく構成です。ここまでが5分強のタイトルバック。テンポの良い編集と音楽使い、オーストラリア映画らしい抜けのいい風景ショット、つかみはOK!この監督は上手いぞ! 監督はジョナサン・テプリツキーという人で、誰かと思ったら『レイルウェイ 運命の旅路』(2013)撮った人でした。あの映画、「“反日”映画だ!」なんて一部で言われましたが全然そんなことはなく、むしろ若干反米か?ぐらいの反イラク戦争映画、実に良くできた豪英合作の反戦映画でした。「拷問はイカンぞ!」というね(トランプさん聞いてる?)。日本で紹介されることの少ない監督ですが、確かな技量を持っている人と見た。 閑話休題。さかのぼること半年前、ジョニーと本作の主人公バリー(彼も強盗グループの一員です)はそのムショに服役中でした。バリーは仮釈放を認めてもらおうと何度も査問会に訴えてきたけど却下され続け、今回もまたダメ。彼は殺人罪で懲役12年。しかしそれは冤罪で、汚職刑事に供述調書を捏造されたからで、真犯人は別にいるんだ、と一貫して主張してきたのですが、その名前を「俺はチクリはやらない」と頑なに黙っているため、聞き入れてもらえないのです。 この主人公バリーを演じるのがサム・ワーシントン。2009年の『アバター』&『ターミネーター4』、その後の『タイタンの戦い』&『タイタンの逆襲』等で今やすっかりおなじみのハリウッド・スターですが、本作の本国公開は2003年。彼のキャリアでも初期の頃にあたります。バリーは、主張している通り実際に無実で、ムショに入れられたのは本人曰く「しょんべん漏らしてたぐらいガキだった」歳。それでも「チクリはしない」と仁義を貫いて早8年という、愚直で朴訥な男です。サム・ワーシントンの好演が光ります。 しかし!そんな主役を完全に喰っちゃう珍演を見せるのが、ジョニーを演じるデヴィッド・ウェンハム(ウェナムと表記されることも)です。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのファラミア(ボロミアの弟で父デネソール侯から目の仇にされていた次男)で知られる俳優です。リスさん/ウサギさん系ルックスからは想像もできないバっキバキの腹筋を披露した『300』シリーズ、逆にルックス的にはこっちの方が似合う『ヴァン・ヘルシング』でのコメディリリーフ的ヘタレ修道士役も印象に残ってはいるものの、いかんせん脇も脇…。でも本作でのジョニー役は、それらと比べて役が大きくて準主役級。決して悪人ではないんだけれど頭があまりにも悪すぎて人生に支障をきたしちゃってるジャンキー、という忘れがたいDQNキャラに命を吹き込んだウェンハムは、この年のオーストラリア各映画賞で男優賞を総なめにするほどの高い評価を得ました。必見です! このジョニーがまず仮釈放されます。査問会で珍しくまっとうなことを言い(劇中で彼がまともなことを言うのはここだけ)、それが委員たちにまぐれで好印象を与えたのです。バリーは例によって真犯人を明かさなかったため申請を棄却されますが、しかし彼もその直後、母親が病死し(彼はいつも家族写真を眺めて懐かしがっていたのですが死に目に会えず…)、独り未成年の弟が実家に遺されてしまったために、急きょ仮釈放が認められます。 獄中でバリーとジョニーが最後に言葉を交わした時、2人はGET SQUAREを固く誓い合います。GET SQUAREとは「堅気になる」という意味で、何度も何度もセリフに出てくる、本作劇中の最頻出イディオム。今となっては、しっかり者で常識人のバリーが、麻薬常用で脳がすかすかスポンジ状になっちゃったとしか思えないラリパッパのジョニーの面倒を見てやってるような保護・被保護の関係ですが、もとはと言えば、ガキで入所したバリーにジョニーがあれこれ世話を焼いてやったという過去があり、それをバリーはいまだに恩義に感じていて、今も2人は厚い友情でむすばれたダチ公同士なのです。 そして最後の1人。3人目の主要キャラクターが、レストラン・オーナーの成り金おやじダレンです。演じるのは「ハリポタ」でワームテール役だった人ティモシー・スポールさん。本作の舞台となるオーストラリア東岸ゴールドコーストのサーファーズパラダイスという土地で、「テキサス・ローズ」という場違いな悪趣味全開アメリカン風ダイナーを営んでいます。ウエイトレスは全員露出度の高いカウガールのエロ制服を着せられており(牛革白黒模様ブラ×フリンジ付きリンリンランラン風インディアン革ミニスカ)、そして歳の離れた奥さんはと言うと見事に金髪巨乳のビッチ。まごうかたなきTHEトロフィー・ワイフですな。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』におけるマーゴット・ロビー的な。 バリー、ジョニー、ダレン、全員GET SQUAREしたいと思っている前科者たち。中でもダレンは、流行らないレストランのオーナーとして一応は成功しており、すでにGET SQUAREをほぼ達成できていて、違法なことから完全に足を洗いたいと願って万事において自重している妻子持ち。バリーとジョニーはムショを出たてで、堅気としての人生を今まさにスタートさせたく思っている。でも、そう簡単にはいかない。世間が受け入れてくれないのです。 バリーは、いくら冤罪を主張していても結局「殺人罪で8年服役していた」という“前科”が付いて回っちゃいますから、どこも雇ってくれません。ムショでは調理場担当として調理師スキルを習得しており、しかも腕も良いのですが、誰も雇わない。 ジョニーはアホすぎて出所後もトラブルを自ら次々と招きよせちゃいます。堅気になりたいと本気で思っていることは確かなのですが、社会常識が無さすぎてその方法が彼にはわからない。 ダレンはと言うと、カネを任せていた会計士が特捜部に目をつけられたトバッチリで、資産を特捜に差し押さえられそうになります。彼が築いてきた資産の元手となったのは大昔に彼が銀行詐欺を働いて得たカネで、その件ではちゃんと服役してキッチリお務めも済ませており、シャバに出てきてからあくまで運用で蓄財してきたのですけど、それを全額没収され、しかもその資産運用がマネーロンダリング行為にあたるとして、その容疑で久しぶりに逮捕されそうという絶体絶命の立場に。 堅気として真面目に生きたくてもそうさせてくれない世知辛い世の中で、どんどん彼ら3人はのっぴきならないシチュエーションに追い込まれていくのです。 そこから、どう最後の(最初の)武装強盗のシーンに話がつながっていくのか!?というお話なのですが、いゃあ、シナリオよく出来ているんですわ。まず脚本が良い!そして演出が良い!ウェンハムも良い!舞台が良い!サーファーズパラダイスの風景が良い!おまけに音楽使いまでが良い!これサントラ欲しくなる映画ですよ。グルーヴ・アルマダの「Easy」、「チョレえ!チョレえ!いま思い返せば超チョロかった!」と何度も繰り返すだけの、もう「ゴッキゲン!」としか評しようのない当時流行ビッグビートの歌が、クライマックス→エピローグ→エンドロールにかけてフルコーラスでかかるのですが、ここのBGMとあいまったラストのガッツポーズ感は、まさしく痛快無比!!!!!!!! これだけはネタバレを何卒お許しいただきたいのですが、この映画、追い込まれた男どもの痛快きわまりない大復讐劇なのです。GET SQUAREには「仕返しする」、「恨みを晴らす」という意味も別にあって、この映画のタイトルって実はWミーニングになっていて…いや、もうこれ以上は何も申しますまい。あとはぜひとも本編をご覧ください。実に良く出来た娯楽映画で、「こういうのってあんまし趣味じゃないんだよね…」というクセもなくて万人向けで、洋画チャンネルの編成マンとしては自信をもって視聴者の皆さんにお薦めできるタイプのコンテンツであります!■ © 2003 Universal Pictures. All Rights Reserved.
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(吹)ラスト サムライ【ソフト版】
誇り高き“最後の侍”を渡辺謙が熱演!トム・クルーズが武士道精神を体現するハリウッド製本格時代劇
日本の武士道精神をハリウッドが真正面から描いた壮大な時代劇。明治維新による時代の変化に抗う誇り高き侍を渡辺謙が熱演し、アカデミー賞助演男優賞候補に。他に真田広之や小雪ら多くの日本人俳優が存在感を発揮。
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COLUMN/コラム2017.03.07
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2017年4月】飯森盛良
まさかの本邦初公開作!冒頭、強盗のヤマを踏む主人公サム・ワーシントンとムショ仲間デヴィッド・ウェンハム(ことウェナム)。が、ウェンハム撃たれて早々死亡。どうしてこうなった!?を1時間半かけてさかのぼっていくオーストラリア映画。凝りに凝ったプロットは『レザボア・ドッグス』とか『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』とかお好きでしたら絶対お気に召すはず。そして主役を喰うウェンハムの珍演たるや!なんちゅうもんを演じてくれたんやなんちゅうもんを…これに比べたら『トレインスポッティング』で嘆きのマートルん家で寝グ×もらしたあのスパッドすらカスや!ウェンハムが豪映画賞を総ナメにしたというラリパッパのパープリン演技を見逃すなかれ! © 2003 Universal Pictures. All Rights Reserved.
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PROGRAM/放送作品
秘密と嘘
心の琴線に触れるM・リーによる傑作。’96年度カンヌ映画祭パルム・ドール受賞作
M・リーの名を世界に知らしめたヒューマン・ドラマ。出演はリー作品に欠かせないT・スポールを始め実力派が勢ぞろいした。特に主演のB・ブレッシンの熱演は圧巻。カンヌ映画祭パルム・ドール受賞作。
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PROGRAM/放送作品
スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師
[R-15]監督ティム・バートン×主演ジョニー・デップの名コンビが贈る、ゴシックホラー・ミュージカル
主演ジョニー・デップでトニー賞受賞の同名舞台をゴシックホラー・ミュージカルに映画化。共演は監督ティム・バートン作品常連のヘレナ・ボナム=カーターと『ハリー・ポッター』シリーズのアラン・リックマン。
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PROGRAM/放送作品
アップサイドダウン 重力の恋人
上には富裕層、下には貧困層──真逆の重力世界に住む男女が禁断の恋に落ちる、斬新なSFロマンス
重力が正反対に働く双子惑星を舞台に、現代の格差社会さながらな2つの世界に隔てられた男女のロマンスを独創的に綴る。合成映像や上下逆に製作したセットによって描き出す、二重引力世界のビジュアルが斬新だ。
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PROGRAM/放送作品
ゲティン’ スクエア
[PG12相当]堅気になれて恨みも晴らせる一石二鳥のヤマ!サム・ワーシントン主演痛快クライムムービー
未公開・未ソフト化のオーストラリアの佳作を、ザ・シネマが本邦初公開!get squareは「堅気になる」という意味だが、もう一つ「恨みを晴らす」という意味もあることを、ラストシーンで思い出してほしい。