COLUMN & NEWS
コラム・ニュース一覧
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COLUMN/コラム2012.10.29
2012年11月のシネマ・ソムリエ
■11月3日『パリ、テキサス』 カンヌ国際映画祭パルムドールに輝くヴィム・ヴェンダース監督のロードムービー。記憶を失い、アメリカ西部をさまよう男を主人公にした家族の断絶と再生の物語だ。放浪の主人公が目ざしていたのは、劇中には登場しないテキサス州パリという実在の町。主人公の孤独を表す荒野の風景、ライ・クーダーの哀愁のギター音楽が心に残る。主人公と息子の微笑ましい交流シーンに加え、観る者の目を奪うのは妻役のナスターシャ・キンスキー。マジックミラーを用いたクライマックスは忘れえぬ名場面である。 ■11月10日『ベルリン・天使の詩』
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COLUMN/コラム2012.10.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年11月】飯森盛良
外国で逮捕され劣悪な刑務所で壮絶な体験をする青年の物語だが、主人公、何で捕まるかというと、麻薬の密輸。それが半端ない分量で、どう見ても重罪犯。で懲役30年を喰らうのだが、判決を受けると「お前らの国を恨んでやるー!ブタどもめー!!」と絶叫。…これ、世間でよく言う逆ギレでは? さらにクライマックス、刑務所を出るまでの展開もすごい。罪を償ってなくないか!? だが、アメリカではアカデミー作品賞ノミネート、社会派ドラマの傑作とされる。さて、あなたは、この主人公に同情できるかできないか!? ぜひ吹き替え版で、キャスバル兄さんの声で確かめてみてください。さっきの判決シーンとカノジョ面会シーンでの池田秀一さん、キレ芸と泣き芸、必聴です! Copyright © 1978 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.10.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年11月】銀輪次郎
ヴィム・ヴェンダースが、尊敬する小津安二郎の捉えた風景を探す私的ドキュメンタリー。ヴェンダース自身の東京への旅を通して、東京の映像を収めていく。小津映画に出演した俳優の笠智衆と撮影監督であった厚田雄春への撮影当時のインタビューは必見の内容。 ヘルツォークが、失われた東京の風景について、東京タワーで熱く語るシーンもあります。撮影された時期は、近いようで遠い1983年春。新幹線、地下鉄駅、パチンコ屋、ゴルフ練習場、どれも今もある東京の風景だが、今のそれとは違うような不思議な印象が残る作品。80年代の東京のアーカイブ映像作品としても観るのも一興です。 © 1985 REVERSE ANGLE LIBRARY GMBH, CHRIS SIEVERNICH
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COLUMN/コラム2012.10.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年11月】招きネコ
名作舞台『シカゴ』を手がけたブロードウェイの大物演出家、ボブ・フォッシーが監督した自伝的作品。ミュージカル製作への苦悩と狂乱の私生活の中で生きる猛烈中年男ジョーが過労で倒れ、死の淵をさまよううちに、あの世から、この世の自分の日常と人生を俯瞰するというファンタジーと、エネルギッシュなショウビズ界の活写がダブル構造で描かれます。 初めて見た時、このジョーを演じるロイ・シャイダーが、あの『JAWS』の田舎町の警察署長とは同一人物とは思えぬかっこよさにビックリしました。黒ずくめ、鋼のような細身でセクシーな体型、クールなまなざし、そしてダンス!見事な変身はプロですね。監督フォッシーは、自分をモデルとした役なので、キャスティングにはすごいこだわりがあったらしく、有力候補だったリチャード・ドレイファスには、「俺のイメージじゃない」と大反対。結局、ロイ・シャイダーに決まったことから見て、やっぱり「カッコイイ俺」にこだわったのかな?でもそれで正解だったと思いますよ!! Copyright © 1979 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.10.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年11月】山田
映像化不可能といわれたベストセラー小説を、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のピーター・ジャクソン監督が映画化。14歳で殺された少女が、天国から現世の家族と交流を試みるという異色のファンタジー。サスペンス要素も十分に、人間ドラマありSFありで、ピージャクの圧倒的な映像美とあいまって、ファンタジーといえばファンタジーなのだが、色々な意味で“想像を裏切られる”はず。 主演はシアーシャ・ローナン。本作公開時まだ15歳だったが、デビュー作『つぐない』(当時13歳!)で既にアカデミー賞助演女優賞にノミネートされている実力派!11月のザ・シネマでは、「特集:ハリウッド21世紀ヤングスター」と題して、今旬のハリウッド若手スターから大ブレイク間違いなし!?のスター候補生まで、出演作を大特集! Copyright© 2012 DW STUDIOS L.L.C. All Rights Reserved
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COLUMN/コラム2012.09.30
2012年10月のシネマ・ソムリエ
■10月6日『都会のアリス』 ヴィム・ヴェンダース監督が初期に発表したロードムービー3部作の第1作。9歳の少女をNYからアムステルダムに送り届けることになったドイツ人青年の物語だ。 人生の迷い道にさまよい込んだ青年と、生意気な少女が織りなすあてどない旅路。16ミリの白黒フィルムに焼きつけられた虚ろな風景が、得も言われぬ詩情を醸し出す。 主演はヴェンダース作品の常連俳優R・フォーグラーと「緋文字」の子役Y・ロットレンダー。複雑にして豊かな余韻を残す、ラスト・シーンの空撮が実にすばらしい。 ■10月13日『アメリカの友人』 ヴィム・ヴェンダース監督がデニス・ホッパーを主演に迎えて撮ったサスペンス・ロマン。パトリシア・ハイスミスの“トム・リプリー”シリーズの一編が原作である。 画商を装い、ヨーロッパで贋作を売りさばく詐欺師リプリー。彼はひょんなことから出会ったヨナタンという病身の額縁職人を、裏社会の殺しの仕事に巻き込んでいく。犯罪劇に初挑戦したヴェンダースが、孤独な男たちの魂の共鳴をスリリングかつ切なく描出。彼が敬愛するニコラス・レイ、ダニエル・シュミットが脇役で出演している。 ■10月20日『あの頃ペニー・レインと』 キャメロン・クロウ監督の自伝的な青春映画で、アカデミー脚本賞に輝いた代表作。15歳にしてロック・ライターの道を歩み出した少年の夢のような日々を映し出す。著名雑誌からの依頼で、新進バンドのツアー密着取材を行う主人公ウィリアム。彼を魅了するグルーピーの美少女を、ケイト・ハドソンが眩しいほどキュートに演じる。70年代ロックに彩られた甘酸っぱくもビターな映像世界。音楽業界の内幕ものとしても興味深く、主人公の母親役フランシス・マクドーマンドらの好演も味わい深い。 ■10月27日『パフューム ある人殺しの物語』 ドイツの鬼才トム・ティクヴァが、P・ジュースキントのベストセラー小説を映画化。18世紀パリの魚市場で生まれ、並外れた嗅覚を授かった青年の数奇な運命を描く。ある美少女の体臭の虜になった主人公が、禁断の香水を創造するために、罪の意識すらなく猟奇殺人を繰り返していく。その異様なストーリー展開から目が離せない。主人公が女性の肉体から“香り”を抽出するシーンを始め、美醜入り混じるビジュアルのインパクトは圧巻。そしてクライマックスには誰もが目を疑う衝撃的な光景が! 『都会のアリス』© 1973 Reverse Angle Library GmbH 『アメリカの友人』© 1977 REVERSE ANGLE LIBRARY GMBH 『あの頃ペニー・レインと』Copyright © 2000 DreamWorks Films L.L.C. and Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved. 『パフューム ある人殺しの物語』© 2005 Constantin Film GmbH
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COLUMN/コラム2012.09.21
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年10月】飯森盛良
今はIKEAがあるあたりだ。バブル崩壊から数年後、当時はバブルの徒花の巨大屋内スキー施設が建っていて、深夜にはそのシルエットが黒々と天高くそびえ、不気味だった。ふもとは港湾倉庫街。二浪が確定し、終夜バイトをしていたオレ。人生ドン詰まり感、世に出れない焦燥感を抱きながら、海からの寒風吹きすさぶスキー施設の足元を、M-65の襟を立て、バイト先の倉庫まで週6日通った。なんだか解らんが何かに凄まじくムカついてたオレは、トラヴィスにおのれを重ねながら、何十回もこの映画を観た。家ではパッチン腕立てと東京ガスで鉄拳焙りをしてたのは言うまでもない。厨二ではなく二十歳の頃の話だ。そのおかげか、今どうにかこんな仕事で喰えてる。M-65は黄緑に色褪せたが、20年来オレのバディであり続けてくれてる。で、だ若者よ!不景気と閉塞感に窒息しそうな今日の若者よ!とりあえず、M-65を着なさい。全てはそこからだ。そしてトラヴィスを胸に、とりあえずパッチンと東京ガスをしながら、雌伏の今日を生きるのだ!そのうちなんとかなるだろう。 Copyright © 1976, renewed 2004 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.09.21
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年10月】招きネコ
この平和ボケした日本で暮らしていると想像もつかないようなインドの貧困と階級社会の底辺で生きる少年の過酷な人生と、その中で夢に向かって生きるひたむきさ、ラストに訪れる「奇跡」に胸が熱くなる感動作。インド人しかでてこない、インドのスラムを舞台にしたこの作品が世界的に大ヒットし、アカデミー賞8部門に輝いたとき、不思議だったが公開後見て納得!観客は主人公の思いを共有し、最後に一緒に幸せになれる!人種や国なんて関係ない。こういう映画がお得意なのがイギリス映画。「リトル・ダンサー」や「フルモンティ」がすぐに思い浮かびました。イギリスの「トレイン・スポッティング」のダニー・ボイル監督、「フルモンティ」の脚本家サイモン・ビューフォイが生み出したインドを舞台にした「イギリス流登場人物を心から応援したくなる元気をもらえる映画」がこれ。その上、そこにインド映画が持つとてつもないパワーとエネルギー、色の洪水、音楽、踊りがミックスされて、見たことのない傑作映画が生まれました。この映画自体が「奇跡」だなあ。 ©2008 Celador Films and Channel 4 Television Corporation
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COLUMN/コラム2012.09.21
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年10月】銀輪次郎
ロバート・レッドフォード、グレン・クローズ、ロバート・デュヴァル、キム・ベイシンガーら豪華スターたちが贈る感動の野球映画。35歳にして新人メジャーリーガーになった男ロイの波乱万丈物語。不屈のチャレンジ精神と雷の落ちた木から削りだしたバット『ワンダー・ボーイ』で活躍する主人公のロイ。野球の物語ながらサスペンス的な要素もあって、程よい緊張感を持つ本作は、野球ファンはもちろんのこと、どなたでも楽しめる作品です。ところどころ出てくる“奇跡”については、鑑賞後に「こんなことは起こりえない」やら「あんな展開はない」と色々ツッコミを入れて頂くのも一興。35歳のロイ役を当時48歳のレッドフォードが演じたことにも驚かされる野球映画の秀作!レッドフォードかっこいいぞ! Copyright © 1984 TriStar Pictures, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.09.21
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年10月】山田
15歳で『ローリング・ストーン』誌のライターになった実体験を基に、キャメロン・クロウ監督が少年の切ない青春を綴る、自伝的物語。ちょっぴり寂しい、でもとても幸せな気持ちになれること間違いなし。当時の風俗、音楽やファッションに傾倒していた人ならなおのこと。「パイレーツ・ロック」では24時間ロックを流し続ける海賊ラジオ局の船長を演じていたフィリップ・シーモア・ホフマンは、本作では、1982年に弱冠33歳で亡くなった伝説のロック・ライターであるレスター・バングス役。なかなか本人に似ている。演技も板についている。そしてケイト・ハドソンが通常より数十倍可愛く見える。音楽監修はピーター・フランプトン御大。劇中流れる音楽も、ザ・フー、トッド・ラングレン、イエスから、オールマン、ツェッペリン、レーナード・スキナードなどなど。。胸が熱くなる。 Copyright © 2000 DreamWorks Films L.L.C. and Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.