フランスの田舎を舞台に、戦争孤児となった5歳の都会の少女ポーレットと、彼女の面倒をみる農家の少年ミシェルの物語。死というものを解らない2人は、ポーレットの死んだ愛犬を埋葬したのを最初に、次々と様々な生き物の命を絶ってお墓作りと十字架を集めることに熱中します。この作品と同名のナルシソ・イエペスのギターのテーマ曲を知らない人はいないであろう有名作品で驚異的な子役2人の演技が可能にした涙なくして見られない感動作。でも、この作品のスゴさは、純粋に映画として面白く、かつ、戦場シーンなし、戦時下の子供たちの姿を通してのみで反戦というテーマを強烈に描けていることです。お涙ちょうだいの子供映画と思ってパスせず、ダマされたと思って見て下さい。特にラスト・シーンの余韻はマイ・ベスト3作品。映画の続きのストーリーを見る度に泣きながら考えていました。初めてテレビで見たのは小学生で某TV洋画劇場でしたが、その解説者が終わりの解説で映画で描かれなかった子供たちの未来について推理して断言。それは私としては許せない内容だったことは強烈な思い出で、それ以来その解説者を敵視。解説解釈は自由でも、見る人のイマジネーションを奪ってはダメだと現業の中で個人的にポリシーにしていることの原点の出来事です。

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