PROGRAM

放送作品情報

チャイルド44 森に消えた子供たち

CHILD 44 2014年アメリカ / 138分 / サスペンス

[PG12]スターリン政権下のソ連で起きた連続猟奇殺人事件の真相とは?トム・ハーディ主演のサスペンス
放送日時
2018年06月07日(木) 06:00 - 08:45
2018年06月07日(木) 深夜 00:30 - 03:15
2018年06月12日(火) 21:00 - 23:30
解説

「このミステリーがすごい!」の海外版第1位にも輝いたベストセラー小説を『ライフ』のダニエル・エスピノーサ監督が映画化。連続猟奇殺人事件の真相解明を通じて、スターリン政権下の恐るべき闇をあぶり出す。

ストーリー

1953年、スターリン独裁政権下の旧ソ連。9歳から14歳までの少年44人が被害となる誘拐殺人事件が各地で発生。戦争の英雄で国家保安省の捜査官を務めるレオは、犠牲になった戦友の息子の遺体を目の当たりにする。ところが「理想国家に犯罪はない」と理念を掲げる国は、これらを事故として処理する。そんな中、妻ライーサにスパイ容疑が掛けられたことからレオは地方の警察署に左遷され、単独で事件解明に動き出す。

出演

トム・ハーディ
ゲイリー・オールドマン
ノオミ・ラパス
ジョエル・キナマン
ほか

字幕/吹替
字幕
掲載制限
PG12
カラー/白黒
カラー
画面サイズ
ワイド
HD
※【ザ・シネマHD】にご加入の方は、
HD画質でご覧頂けます。

オススメキーワード

  • 鑑賞日 2015/7/21

    スターリン政権のロシアでこどもたちが猟奇的に殺されるが警察は捜査しない。殺人犯より、おそらくそうだっただろう正義のない社会が怖買った。タイトルに惹かれたが映画は期待はずれ。

  • 鑑賞日

    ロシアでは上映禁止になったとか…

    前半と後半がはっきりと分かれた作品でした。 前半はソ連の社会主義体制の無慈悲さを前面に押し出してます。体制に逆らう者は命が危うくなるし、その体制下での組織の者でさえ忠誠を試されて踏み絵のようなことをさせられるのです。 主人公レオ(トム・ハーディ)の身にも災いがやって来ます。妻であるライーサ(ノオミ・ラバス)に西欧側のスパイの嫌疑がかけられたのです。 体制側の思惑としては、ライーサがスパイであるかの真偽を求めてはいません。レオが妻をも体制に差し出せる忠誠心を持っているかの踏み絵だったのです。なんという冷酷な話なのでしょうか…。 そうは言っても、話は半分に聞いておいた方が良さそうです。ソ連時代の人権にもふれる問題ですが、アメリカ側の一方的主張でプロパガンダとも言えなくもないです。 後半からは、連続児童殺人事件 の真相を追うサスペンスのストーリーとなります。 レオが左遷されたヴォルスクという町で、ネステロフ将軍(ゲーリー・オールドマン)と出会います。当初は確執があったものの、共に連続殺人事件の解決を目指すようになってからは俄然話が盛り上がります。 この事件は体制側が一度は解決したことになってました。また、地上の楽園(ソ連)では殺人はありえない。そんな事件が起こるはずがないという体制側の主張もありました。それ故に、事件に新たなメスを入れることは体制を非難することにもなりかねません。それでも反旗を翻そうとするレオの奮闘ぶりはスリリングで面白かったですね。 まぁ、どうしょうもなく救いがない作品です。暴力、拷問、裏切り、処刑とありましたが、ラストだけは救いがありました。 子供が次々と殺されるストーリー展開だっただけに、レオの決めたことは唯一人間味を感じたところでしたね。 最後にゲーリー・オールドマンは年をとってもカッコ良いです。まだまだ現役続けてほしいものです。

  • 鑑賞日 2015/5/12

    原作が良い

    原作のもつ背景が今ひとつ表現できていない?

  • 鑑賞日 2017/6/8

    起承転結の起に時間を割き過ぎな感じがしたせいか、長く感じた。それでもそこそこ楽しめたけど、期待していたサスペンスではなかった。ソ連時代の背景を描かなきゃ説明出来ないから仕方ないかも知れないけど。

  • 鑑賞日 2017/5/6

    There is no murder in paradise

  • 鑑賞日 2017/4/4

    英語が??

    50年代にソ連で実際に起こった事件を基に作られた作品。ソ連は理想的な社会と言いながら、ほころびを隠すために秘密警察による弾圧。子供が連続的に殺されているにも関わらず事故として処理する。警察機構に疑問を持ったレオが左遷された先で、不正への反旗を翻す。単純に不正を暴く描き方ではなく、サスペンスの流れもあって、引き込まれた。

  • 鑑賞日 2017/3/23

    珍しいソ連時代のロシアを舞台にしたミステリー劇。 少年の連続猟奇殺人の犯人の動機が弱いので謎解きとしては今イチだが、主人公の複雑な立場が絡んで面白かった。 どんな役でも完璧にこなすノオミ・ラパスは、制作する方としては実に便利な女優だろう。逆にせっかくゲイリー・オールドマンが出ているのに、活躍の場が少なくて残念。

  • 鑑賞日 2017/2/18

    分かりにくすぎる

    スターリン独裁政権下のソ連において秘密警察に所属する主人公が、同僚の息子の事故死を不審に思い、謎の連続殺人事件の可能性を追い始める。 場面場面の繋がりが描写されていなかったり、明確な説明がなかったり意味の分からない場面が多く、幕間の長い舞台を見ているようで全体の繋がりがとにかく分かりにくい。これでは単なる無関係のエピソードの羅列のようだ。 ソ連社会を再現した雰囲気はよくできているが、主人公たちと目が合って追われただけで簡単に自供してしまう犯人も含め最終的にはミステリー作品というよりは権力闘争と汚職、陰謀にまみれた共産主義批判のようにも見える。トム・ハーディはまさにカメレオン俳優という感じで本作でも個性的なイメージを作り出している。

  • 鑑賞日 2017/2/7

    この映画の原作であるトム・ロブ・スミスの小説は3年前に読んだ。 2009年の「このミステリーがすごい! 海外編」で第1位になった小説である。 その圧倒的な面白さは、3年経った今でもはっきりと憶えている。 それを映画化したのが、この映画である。 だが果たしてその面白さがどの程度再現されているのか。 観る前はいささか不安であったが、その心配は映画が始まるとすぐに解消された。 1953年のモスクワが舞台であるが、その時代の再現が素晴らしい。 戦後間もないスターリン独裁政権下の暗さと恐怖がしっかりと描きこまれており、これがアメリカ映画ということを忘れてしまう。 そして何よりも主役のレオ・デミドフを演じるトム・ハーディがいい。 「楽園に殺人は存在しない」、「殺人は資本主義の病だ」とする社会の中で、真実を追い求めようと孤軍奮闘する姿はとてもスリリングだ。 そしてギリギリのところで、血の通う人間として生きようとする姿には強い共感を覚える。 昨年観た「マッドマックス 怒りのデス・ロード 」「ウォーリアー」そして「レヴェナント 蘇えりし者」と、作品ごとに多彩な魅力を見せてくれたが、今回もまたそれらとは違った新しい面を見せてくれた。 彼は単なるアクションスターというだけではなく、そこに人間的な深みを感じさせてくれる俳優である。 こうしたことは、意図してできるというものではなく、やはり資質の問題であろうと思う。 彼にはそうしたものが自然と身についている。 現在イチ押しの俳優である。 いずれにしても一筋縄ではいかないこのミステリーの映画化としては、間違いなく及第点である。 映画として十分に楽しめた。

  • 鑑賞日 2017/1/20

    これ原作はめちゃくちゃ面白いのでぜひ読んで!

  • 鑑賞日 2016/12/21

    なぜ?

    原作も知らず、前提知識も無い状態で観賞したので、それなりに楽しめた。 が、しかし、どうしても納得できないのが、登場人物がすべてロシア人という設定にも関わらずなぜ英語でしゃべるのか… しかも微妙にロシア語っぽいアクセントの英語。めちゃくちゃ違和感を感じた。 これって、日本人が登場人物すべてアメリカ人という映画を作り「ワターシ、トテモ、カンドーシタヨー」って片言でしゃべらすのと同じことだよね…ないなぁ…

  • 鑑賞日 2016/12/6

    うーん。思ったほどではなかった。パッケージで期待値を上げすぎた

  • 鑑賞日 2016/11/26

    トム・ハーディ目当てでレンタル。社会主義国家って何なの!?スパイばかり探して殺人犯は野放し。嫌な時代。

  • 鑑賞日 2016/11/23

    サイコ・サスペンスではなくあくまでもサスペンス・スリラーとして楽しみましょう

    社会主義・共産主義というのは理想や理屈は分からないではないけど、国としてその主義を掲げると往々にして独裁であったり、権力層による国民の支配政治ということになってしまいます。 そんな時代のソ連を舞台とした本作。 原作は世界的ベストセラーにもなっているそうですが、そんな支配政治によって生まれる人間ドラマと、子供を狙った猟奇殺人犯を追ったサイコ・サスペンスの2本柱となっているのではと想像します。 勿論本作でもそうではあるのですが、サイコ・サスペンスの部分は比較的あっさり目。凝った謎があったりするわけではなく、犯人を追い詰める過程は結構シンプル。 その分人間ドラマの方は非常に濃厚でありました。 「理想郷である社会」という前提がまずあり、その社会に属する者はその前提を共有しなければならない、共有できない者はいるはずがない、もしいた場合は排除する、というような図式が当時のソ連では成り立っていたのでしょう。 この図式自体が閉塞感や緊張感をとともに重苦しいドラマを生み出していく源流となっています。 ライーサがレオと結婚した本当の理由が分かった時なんかは結構ショッキングでした。愛ではなく恐怖で結婚しただなんて、夫としては絶対に信じたくない事実ですよねぇ。 キャスト陣も思っていたより結構豪華で、メジャーな俳優たちが顔を揃えているのにちょっと驚きました。 それにしてもアメリカが作るとやっぱりハリウッド俳優でセリフも英語なんですね。

  • 鑑賞日 2016/11/14

    必然性を見出したかった

    謎解きの要素がもっとある作品かと思ってたんだけど、ソビエトをめぐる戦争小説、という印象でした。 せっかくのトム・ハーディ、ノオミ・ラパス、ゲイリー・オールドマン、ヴァンサン・カッセル が、チャーミングではあるけど、いろんな行動を、そうしなければならない切迫感が伝わってこなかった。せっかくのリドリー・スコットなのに!(思い返してみると、ブレードランナーも必然性は何もない映画だったかもなぁ) 線路上での犯罪、少年をターゲットとした犯罪、44連続の犯罪・・・どのシーケンスも、なんの必然性も見せてくれない。そもそも、なぜトム・ハーディとノオミ・ラパスなのかという必然性も腹に落ちないままだった。 きれいにまとまった映画なんか作りたかったわけじゃないだろうに。ううむ。。

  • 鑑賞日 2016/9/20

    原作覚えて無いけど。。

    すげぇ面白かった気がする。そういえば面白すぎて次作のグラーグなんちゃらも買ったよね。こっちはおもんなくて読むのやめたけど。。。 そんな面白かった記憶も薄れるくらい淡々とした展開でキラーの詳細も薄く、たいしたピンチも無く、何処が着地点かも判らず。。。 あれ?原作って社会主義国家ソビエトの闇の部分で蠢くアンドレイチカチロのような逝っちゃってる奴を、エネミーオブアメリカ並みに国家を敵にしながらも追い詰めるサスペンスじゃ無かったっけ。。正直原作も思い出せぬまま、よく分からないうちに終わった。非常に残念すぎる。 もう一度見るくらいなら原作読むなぁこりゃあ。

  • 鑑賞日 2016/8/26

    ソ連の闇

    先日「ヒトラー最期の121日間」を見たばかりなので、戦後を戦勝国のソ連側から描いた政治的な映画かと思ったが、連続少年殺人を追うサスペンスドラマであった。スターリン政権下の闇の中で真相を暴こうとするほど身の危険を感じながらそれでも追及する主人公レオ。確かにサスペンスフルであったが、戦争孤児仲間の真犯人がなぜ少年の胃を摘出しなければならなかったなどが不明のままが消化不良。

  • 鑑賞日 2016/8/26

    期待しすぎた! ゲイリーオールドマンと言う名優を使い切れてない。 そこだけでも、大きな減点。 ストーリーもテンポが悪い割に説明不足だったりと悪い意味で不親切。 トムハーディの作品の中でも最下位に近い。

  • 鑑賞日 2016/8/11

    楽園には殺人はない

    楽園には殺人がないという理想国家の主義で連続殺人もただの事故で処理されそれを暴こうとすると反逆罪?で捕まるしそんな中、 妻がスパイ容疑かけられたりと逆境のなかのレオたちの逃避行はハラハラ。 最初は難しく思ったけど途中から面白かった。

  • 鑑賞日 2016/7/17

    様々な要素が混じる

    タイトルにもなっている子供の死亡事件、夫婦の信頼関係、ソ連の国家体制、でっち上げの理想、組織のうみ。など様々な視点から鑑賞できるちょっとお得な小品。

  • 鑑賞日 2016/7/17

    1953年

    大戦後ソビエトの暗黒を描いた映画。 ミステリは主題を浮き彫りにするための手段。 官僚とその家族、知人を通してソビエト社会主義国家の実情に迫る。 ドキュメント的なリアリティ。 スパイ容疑の追及を主とする捜査。 少年連続殺人事件への対処にみる警察内部の混沌。 密告しても死。 死が背中合わせの日常。 生き抜くのは誰か。 ロシアでの発禁も頷ける。 事件としては「ロシア52人虐殺犯 チカチーロ」の事件が始まる四半世紀前。

  • 鑑賞日 2016/7/12

    重苦しいけど、ラスト、ある種の清々しさカタルシスを感じる

    トム・ハーディってだけでレンタル。 スターリン時代のソ連の暗黒暗部のはなしに殺人事件を絡めた、全編憂いを秘めたように暗く、重苦しい。 もう、途中、何度、観るのをやめようと思ったことか… でも、最後まで観てよかった。 なんか清々しさというかある種のカタルシスを感じた。

  • 鑑賞日 2016/6/20

    原作が面白いから点が辛くなるが、このぐらいなら合格点。主人公と犯人の関係と犯人の動機は大幅に変更されてる。 最も残念だったのはキャスティング。トムハーディは主人公レオのナイーブで純粋なイメージに合わないし、ワシーリー役のジョエル・キナマンは格好良すぎて偏執的な陰険さが全くない。逆の方が良かったんじゃないか?ライーサ役のノオミ・ラパスはまあまあだが、もっと若くて美しい女優の方が説得力が生まれた。ゲーリーオールドマンは原作のネステロフとは外観は全然似てないのに違和感がなかったのはさすがか。

  • 鑑賞日 2016/3/4

    西側のミステリ作家に蹴飛ばされたスターリン体制。

    スターリン体制での猟奇殺人を追う刑事もの、と知って、上下巻の文庫本で読んだ。 西側資本主義では腐敗しきった猟奇殺人は起こっても、 完璧なソビエト社会ではありえない、あってはならない事件。 したがって、どんないヤバい死体でも事故か並みの刑事事件となる。 この観点でミステリを書くというのは値千金。猟奇殺人と恐怖体制の二色刷り。 体制によって捜査基準、人脈が様変わりともなる一党独裁の闇がミステリ度を高める。 家庭内、夫婦間にも一党独裁の力が及び、本音さえ封じ込まれる。 小説では全く気にならないことが、ロシア人が英語をしゃべること。 反面、映画ならではの戦後間もないソ連のリアリティあふれる再現は、 溜息がでるくらい素晴らしい。「ブリッジ・オブ・スパイ」など、 完璧再現が当たり前のように続く。総じて原作通りの映画化のように思える。 ロシア人になり切ったT・ハーディの熱演は、重戦車が邪魔者をなぎ倒すようだ。

  • 鑑賞日

    楽しめたけど

    ちょっと説明不足でモヤモヤする。 トム・ハーディ素敵。 あの時代で生きてても生きた心地がしないんだろうな。 心から幸せを感じた人がいたのかな。

  • 鑑賞日 2016/2/11

    【初見】

    小説原作にはありがちだとおもうけれどちょっと詰め込みすぎた感。もう少しフェーズごとに楽しみたかったです。ゲイリーの前半は久々に厭なおじさんだったし、中盤までの夫婦の関係性も好きでした。

  • 鑑賞日 2016/2/19

    まだまだ知らないことばかり

    まだまだ隠れていることがたくさんあると思うとぞっとする。 でも知らずに生きていくこともぞっとする。

  • 鑑賞日 2016/2/12

     スターリン統治下のソ連、MGB(国家保安省)、孤児院、連続殺人事件・・といった重苦しい要素を絡めたサスペンス映画。いかにも50年代のソビエトらしさを現出させた映像は実によく作りこまれていて、まるでロシア映画を見ている気になる。役者それぞれの表情も強ばっていていかにも共産圏の人物らしく演じられこれがアメリカ映画とは俄かに思えない。交わされる会話が英語であることではじめてロシア映画ではなかったのだと気づく。これだけリアリティをもった映像で旧ソ連時代が描かれているのにそこで使われる言葉が英語では画竜点睛を欠く気もするがそれは仕方がないかもしれない。むしろ「殺人は資本主義の病」であり社会主義国では起こりえないとする指導の徹底性が真相を歪めてしまう恐ろしさにこの国の病を見るべきなのだろう。ただ邦題にあるようなミステリーを期待すると裏切られる。森に消えた子供たちの謎の真相よりも(アメリカが描く)社会主義国の醜さに焦点が当てられた映画だ。しかしこういった体制批判の映画は他国(それも敵対していた大国)が描くよりも自国で作られたものこそがもっとも説得力を持つものなのだなということが今回わかった。

  • 鑑賞日 2016/2/9

    散漫なのか冗漫なのか説明不足なのか

    スターリン政権下のソ連を舞台にしたトム・ロブ・スミスのベストセラーミステリーの映画化。 実在したソ連の連続殺人犯チカチーロの事件(事件は1980年代を中心に起こったが)を題材にし、年代を移して物語を創作したものらしい。 ソ連軍によるベルリン陥落の英雄レオ・デミドフ(トム・ハーディ)は、国家保安省MGBのエリート捜査官。 彼は、ベルリン陥落時に旗を掲げるという象徴的な写真で知られているが、実際に旗を立てたのは別人。 撮影の「都合」により、代役しただけだ。 ある日、同僚の幼い息子の全裸惨殺死体が線路脇で発見されるが、上層部は「理想国家・ソ連には殺人などない」と主張し、事故として処理しようとする。 レオは独自で捜査をしようとしたが、妻ライーサ(ノオミ・ラパス)にスパイ容疑がかけられてしまう。 レオは、妻を保護しながら捜査を続ける・・・というハナシ。 題材は、さまざまな要素が絡み合っていて面白そうなのだが、どうも興が乗らない。 スターリン政権下の窮屈さが随所に感じられ、主題のひとつでもあるが、それがかえって映画をキュークツにしたのか。 それとも、殺人犯を追うものがスパイ(及びスパイ補助)として追われる二重構造がさばきききれていないのか。 または、犯人の動機がよく判らないからか・・・ 複雑な要素が点在するだけで、どうにもこうにも散漫で書き込み不足のような印象を受けました。 特に、レオが事件を追う動機というか、執念の源となるものが、よくわからない。 たぶん、「偽りの英雄」としての自己を否定して、事件解明に真実の自分を賭けているのかもしれませんが。 主役のトム・ハーディの線が細い(というか俳優としての魅力を感じない)ので、そこいらあたりに説得力を感じませんでした。 加えて、連続殺人犯があっさりと見つかってしまうのは、なんともはや。 ゲイリー・オールドマン演じる地方警察署長の頭脳が冴えているのか、トムがボンクラなのか、わからなくなっちゃう。 また、殺人犯が元軍医で、トムと同じように戦場に赴いていたことも意味はあるが、描きかたとしてはあっさりしている。 寒々とした映像などの見どころはあるのですが、ダイジェストしすぎた脚本と力の入れ所がどこなのか判然としない演出で、冗漫に感じてしまいました。 <追記> 出演者がロシアなまりの英語を話しているのは、やはり違和感がありますね。 普通の英語でいいように思うのだけれど。

  • 鑑賞日 2016/1/27

    評価がさほど高くない為、過剰に期待せず観たからか、充分楽しめた。 ただ、ミステリーとしての捻りが弱い点が減点。また、スターリン政権下という時代背景をもっと濃厚に出せば、傑作になったのではないだろうか。

  • 鑑賞日 2016/1/9

    トム・ハーディいいねえー

    50年代ソ連共産党政権下のちょっと異常な社会体制における中での、不可思議な少年連続殺人事件を中心に展開するストーリーですが、こんだけの複雑きわまる内容をここまでわかりやすく映画として楽しませてくれてます。トム・ハーディが渋いしカッコいい!

  • 鑑賞日 2016/1/10

    邦題は置いといて

    頭の意志のまま歪んだ真実に振り回させる男たち。中でも圧巻のトムハーディ。芯のある性格をしっかり植え付けていて、それでいてシーン毎に別人であるかのような振り幅。自身を魅せるシーンでは強く他者を魅せるシーンでは影に潜む。1人2役をやったという新作が楽しみすぎる。

  • 鑑賞日 2015/12/20

    国家の暴力と個人の暴力

    物語は混沌を極めている。映画もどんどん破綻して行く。ソ連という国を使って、アメリカは何を描きたかったのか?自国では駄目だったのか?

  • 鑑賞日 2015/12/20

    北欧俳優がいっぱい

    原作小説は未読。映画を観ている間は、迫力でぐいぐい引き込まれ137分があっという間。ただ、ヴァンサン・カッセルの目的がよくわからなかった。「楽園に殺人はない」という体制の見栄を守りたかったのか。犯人が登場してからは、サスペンスの度合いは弱まり、夫婦探偵の面白さで見せる。ソ連を舞台にしているせいか、ノオミ・ラパスやジョエル・キナマン(新ロボコップ)を始め、デンマーク等の北欧映画の俳優が脇を固めている。原作には2作の続編があるそうだが、その映画化を早くして欲しいものだ。【シネマカーテンコール2015/21世紀のカメレオン俳優・トム・ハーディ:併映「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」】

  • 鑑賞日 2015/12/20

    犯罪を起こすのは人間

    第2次大戦後のスターリン体制での恐怖政治下のソ連、幼い子供たちの死体が次々と発見される。しかし社会主義国家は楽園であり、殺人など起こり得ないのが原理原則。シリアルキラーの存在を疑い、独自捜査を進めようとする秘密警察MGBのレオは上層部の協力も得られず、逆に左遷させられる。 世界中、どこの国でも程度の差はあれ秘密の警察組織は存在し、日本とて例外ではない。旧社会主義国家を絶対悪とみなしていたアメリカで製作された映画だということを、雪解け後ではあるものの忘れてはいけないと思う。 サイコキラーと銃乱射大量射殺犯との間に、いかほどの差異があるのか、社会背景よりも、個々人の在り様だという事に目を向けなくてはいけない。

  • 鑑賞日 2015/7/14

    重苦しい時代の

    ソ連を描いたアメリカの作品。原作が気に入っていたので、観てみました。なのでストーリーは知っているのですが、一番の驚きは何ってどこかのインタヴューでノオミ・ラパスが「弱い女性を演じてます」的なことを言ってた気がしたのにやっぱり彼女が強かったことでしょうか。

  • 鑑賞日 2015/10/22

    国家体制の恐ろしさ

    『チャイルド44 森に消えた子供たち』は、国家体制の恐ろしさを描いている。それは、ひとたび国家が恐怖政治に傾いてしまうことで、国民の誰もが粛清を怖れ、息を潜めて生活せざるを得ない恐ろしさ。 この作品は、国家体制が理想国家を掲げるが故に殺人を認めない困難な状況下での猟奇殺人事件捜査を軸としている。ソビエト史実上、ウクライナ飢饉(=ホロドモール)による孤児であり、先の大戦で功績をあげ、国家保安省の秘密警察のエリート捜査官となったトム・ハーディ演じるレオ。レオに見初められ、秘密警察を恐れるあまり自らの気持に反し、生きるために結婚したノオミ・ラパス演じるライーサ。作品は一方で、この二人が、体制側が仕掛けてくる苦難を乗り越え、心から信頼し合い、愛し合える関係となっていくまでを描いている。 殺人事件を軸にしながらも、受け手に最も訴えかけてくるのは、こうした国家体制下で生きるには、自らの命を守るため人間性を差し出さなければならない現実である。 特筆すべきは、個人であることを否定する国家の中で、事件の真相究明を時に体制に反して、時に体制におもねながら追求して行く主人公レオの人物造形の巧みさ。レオは、痛々しくも現実的なヒーローとして深く心に刻まれることになった。優れたミステリーという以上に、国家体制の恐ろしさというテーマ性が、ストレートに伝わってくる力作である。原作は三部作であり、続編の映像化が期待される。

  • 鑑賞日 2015/10/17

    英雄か殺人者か

    2015年10月17日に鑑賞。シネマスコープ。 トム・ロブ・スミスの原作「チャイルド44」(2008)は、続く「グラーグ57」(2009)、「エージェント6」(2010)の第1作目である。原作小説の出来は、やはり「チャイルド44」が一番いい。 「チャイルド44」は、1978~90年に実在した連続殺人犯アンドレイ・チカチーロを題材とし、設定をスターリン独裁時代の1933年のウクライナの25000人が餓死した「ホロドモール虐殺」から、1945年のベルリン陥落を経て、1953年のモスクワに舞台を移している。 少年少女を52人殺したチカチーロは、ロバート・カレンのノンフィクション「子供たちは森に消えた」を「ロシア52人虐殺犯 チカチーロ」(1995)として映画化されている。 原作小説ではレオ・デミドフのウクライナの子供時代にもう少し焦点が当てられている。主役の2人は、小説のイメージとは少し異なる。特に妻のライーサはもっと美人のような。2人がヴェリスクへ左遷されるまでが約40分である。 1945年のベルリン陥落時に、報道用の写真を撮られる。最初はレオではなく別の本当の「英雄」がソ連国旗を掲げるが、左腕にドイツ人から奪った戦利品の数個の腕時計をしていた為に、レオが国旗を掲げて新聞を飾り、レオが「国家の英雄」となる。 同じくベルリン戦線に軍医として参加した犯人(左脚を引きずっている。戦闘で負傷したのかも)は、医者として再就職することなく工場労働者となっている。犯人「お前は英雄となり、私は連続殺人者となった」。戦場で多数の敵を殺した者は「英雄」となり、一般社会で殺人を犯した者は、連続殺人者と呼ばれる。その矛盾もこの映画のテーマである。「英雄も怪物も同じ人殺しだ」。 もうひとつのテーマは、スターリン独裁下のソ連では「革命によって誕生した理想の国家」であるために「楽園に殺人は存在しない」ということである。「殺人は資本主義の病だ」 レオはKGBの前身のMGBの大尉?(階級の★4つ)となっている。反党行為(スパイ)を疑われた妻の捜査を担当したレオは、妊娠したという妻を「無罪」と報告し、ヴォリスクの民警に左遷される。 レオの両親の部屋で3人が妻の反党行為を告発するかを話し合うシーンが白眉である。レオの父「逆らえば4人全員が殺される。4人か1人が犠牲になるかは明白だ」そこへライーサが来て「妊娠した」と告げる。そこで、妻ライーサとお腹の中の子を救う選択に切り替える。が、ドアの外で立ち聞きしたライーサがウソの妊娠を告げた「死にたくなかったのよ」。 ヴォリスクの民警の署長・将軍にレオが言う「党の方針で殺人を隠蔽したら、犯罪に加担したことになる」。「この国で真相を求めることは危険だ。俺たちはもう死んでいる」 ラスト、MGBの上司の少佐が更迭されてモスクワに復帰したレオは、モスクワ殺人課の新設を要望し、ヴォリスクの民警の署長・将軍を殺人課へ呼ぶ。 ラスト近くのライーサの元同僚の教師イワンの部屋で、イワンが同じ部屋で密告の電話をかけている。その同じ部屋の本棚でライーサが同僚の女性教師が持っていたと同じ禁書を発見し、イワンがMGBの密告者であることを知る場面はもうひと工夫欲しい。イワンが2人の方を見ないで電話をしているのは、いかにも不自然である。2人の方を見て「2人を監視」しながら細心の注意を払って電話するだろう。この場面は、不出来である。

  • 鑑賞日 2015/9/30

    内容的に長編が推測される原作からかなり端折られてる感があるがトム・ハーディの熱演と戦後間もない頃のソ連のダークネスに観入ってしまう。原作ではプロローグ、つまり主人公の少年期が伏線になっているようだが映画ではちょっと不明な点や、精神異常者である犯人の犯行の動機や主人公との関りあいが分かりづらかった点がやや残念。ただ日本映画にありがちなエピソードの羅列に終わってないところは評価できる

  • 鑑賞日 2015/7/25

    薄暗い世界で

    スターリン政権下にある1953年のソ連。9歳から14歳までの少年たちが変死体となって発見される事件が起こる。秘密警察の捜査官レオ(トム・ハーディ)は、親友の息子が犠牲になり、捜査に乗り出したが... 地味だけれど、ハラハラドキドキは満載で引き込まれた。豪快でいかにも秘密警察っぽいレオだったが、だんだん人間らしくなっていく。妻のライーサ(ノオミ・ラパス)の謎も溶けていっていろいろな謎がつながっていく。 左遷先の上司であるゲイリー・オールドマンがまたいい味を出していてよい(≧∇≦)bヴァンサン・カッセルも。 でも、犯人は...ゞ( ̄∇ ̄;)

  • 鑑賞日 2015/9/3

    ソヴィエトというモンスター

    連続殺人鬼の所業のおぞましさや動機よりも、ソヴィエトの闇にそこがないことに絶望しました。まず、「楽園に殺人はありえない」という考え。ソヴィエトは楽園なのだから、殺人は起こらない、起こってはならないという考えがおぞましい。ただ犯人を追いつめるだけでなく、デミトフとライーサ自身もソヴィエトの闇に追いつめられていく様は、2重の緊張感にあふれています。  怪物(モンスター)という単語が、殺人鬼や主人公に対して放たれますが、モンスターはソヴィエトそのものではと思います。  大好きなトム・ハーディは、ロシアン英語で演技の幅を見せます。妻に結婚した理由を暴露されたときの演技がたまらんです。その分、妻ライーサを演じたノオミ・ラパスはそこまでクセのない演技で、意外でした。

  • 鑑賞日 2015/8/20

    なんて濃密な140分。スターリン体制のソ連を舞台に反逆者を弾圧する特高警察のような立場にある主人公トム・ハーディが、身内のスパイ疑惑、幼い子どもの連続殺人事件にぐるんぐるんに巻き込まれていく。 サスペンス要素多いのであんま書けないけど、トム・ハーディとゲイリー・オールドマンの秘密警察、スパイものってだけですでに重厚だし、まあ起こることが濃い、重い。 ハリウッド俳優がソ連もの演じてるので、街に流れるプロパガンダはロシア語、セリフは全編英語というのがどうしても違和感拭えないのだが、なかなかヘビーで上質な作品でした

  • 鑑賞日 2015/8/23

    これは怖い…

    社会体制が与える恐怖を描く作品は多々あって その中にいる人までもが恐怖の歯車ではないという対比で物語が展開して その結果としての残酷さだったりささやかな幸せだったりに一喜一憂しますが この作品もまた…。 体制の与える恐怖と、事件の与える恐怖とが ダブルで迫ってきて、かなりのスリリングさ。 真実を追い求める事がこんなにも難しい世界がある… 結果的に、この体制は崩壊したことを知ってはいるものも その本質までもが変化したのだろうか? 彼らは… 彼らの子供たちは、いつまでも亡霊の魔の手に縛り付けられているんじゃないか? そんなことを考えながら、どのような結末に向かうのかをドキドキしながら見る事が出来ました。

  • 鑑賞日 2015/8/15

    予想通りの重厚なサスペンス。スターリン政権下の抑圧された社会が彩度を抑えた映像で陰鬱に描かれる。見応えあるキャストの中でまたもやトム・ハーディの別の顔が堪能できる。ただ、複雑な原作小説を2時間半に詰め込んだため人物描写に欠けるきらいも。

  • 鑑賞日 2015/8/19

    暗い閉塞感がしっかり表わされていました

     トム・ロブ・スミスの小説の映画化作品。1953年、ソビエトで起こった少年の変死体事件。スターリン政権下で理想の国家では殺人事件が起きるはずがないという上層部の信念により、変死体事件は事故として扱われる。友人の息子がその犠牲者であったレオは秘密警察に属していてその友人や家族が殺人事件だと騒がないよう手配した。しかし、同様の事件があったことを知りそのことや被害者の検死報告を取り寄せようとしているのがわかり、妻がスパイであると嫌疑をかけられた末に田舎の警察署へ左遷となる。そこでも同様の事件が起こっていて、署長の協力の元犯人を割りだそうとする。秘密警察などから追いかけられたりしつつも犯人を見つけ、レオを陥れようとする同僚ともめるうちに犯人も同僚も死んでしまう。そしてレオはモスクワの殺人担当部署新設を認められそこへ配属される。  ソビエト、とくにスターリン政権下の言論統制を背景に、スパイ容疑者の拷問や惨殺、その家族の処遇、そして階級闘争。これらが重なり自由な捜査ができない中で次々に起こる少年の惨殺事件。ほんの半世紀前のこととは思えないけどもしかしたら今でもどこかの国ではこんなあるいはこれ以上にひどい状況なんだろうなあと思ってしまいました。そういった限定された状況下での犯罪は、見つかれば厳罰なんだろうけど、見つかり辛い一面もありそうですね。うまいことすれば、犯罪をおかしてもそれを重ねなければのうのうと暮らしていけそうです。こんな国では暮らしたくないけどね。全体に暗いトーンで、自由に話したり行動したりできない閉塞感を表していたようです。セリフがロシア語だともっとリアリティが出ていたかもしれませんが、ロシアでは作れない映画かもしれません。権力の中枢にいる者たちが偏った考えや精神に侵されていなければ、どの国もいい国になるんだろうけどなあ。

  • 鑑賞日 2015/8/15

    80点

    ミステリーとしても夫婦の物語としても好きです。 トムが最高。

  • 鑑賞日 2015/8/13

    動機の連鎖

    フィクション。原作はおそらく緻密に構成された良質のミステリーなのだと思うが、映画版(137分)では十分にその緻密さが表現できなかったと言うべきだろうか。 物語には行動の動機があって、動機の連鎖が醍醐味なのだが、その動機が十分に描かれているとは言えない。例えばレオ(トム・ハーディ)はなぜ連続殺害事件の真相解明に執着するようになったのか。それが親友の子が犠牲になったからであるとすれば、職務と真相との葛藤が表現されるべきだが、あまり明確ではない。 そして、警察署長(ゲイリー・オールドマン)は当初はレオの拘りに冷淡だったのに、我が子の安全が気がかりとなって、それだけで職権を超えて事件の解明に力を注ごうとしたのか。おそらく、彼の過去や信念に動機があるはずなのだが、それが一切描かれない。惜しいことである。 暴力描写は激しい。不必要とさえ思えるほどに。 犯人が殺される間際に語る言葉は印象深い。「私には合法的な殺人はできない」、それは合法的に殺人を繰り返す秘密警察への批判であると同時に、いやむしろ、病理的に殺人を犯してしまう人間性の否定しがたい暴露。どちらも人間の闇である。

  • 鑑賞日 2015/7/17

    身が凍る飢餓と恐怖

     「犯罪は資本主義の病。理想国家に殺人はありえない」  スターリン体制下の旧ソ連。硬直した思想のひずみが生み出す悲劇と恐怖に身が凍った。  反体制活動を取り締まるエリート捜査官レオ(トム・ハーディ)。角張った体と無表情な顔つきはサイボーグのようだ。飢餓が襲うウクライナの孤児院を脱走し、軍人に拾われて成長した。与えられたのはおもちゃではなく銃と武器。レオの運命を変えたのは、線路脇で見つかった戦友アレクセイの8歳の息子の死体だった。周囲に水はないのに死因は溺死。しかも内臓をえぐり出した跡がある。事故と言い張る当局とは逆に、アレクセイは犯人がいると主張する。目撃者の情報も浮上した。何かある-。左遷先の地方都市ボリスクで真相を探るレオ。次々と明らかになる真実が残酷でせつない。  同じ傷跡がついた子供の死体が次々と見つかる。合わせて44人。犯人は欲望のままに猟奇殺人を繰り返した。普段は温厚な医者なのに、子供を見ると屈折した性癖を抑えられない。真犯人のおいたちにも、レオと同じウクライナ飢餓が暗い影を落としていた。ロシアに潜伏したナチス残党の影もちらつく。  レオ自身も傷ついていた。愛し合って結ばれたと信じていた美人の妻ライーサ(ノオミ・ラパス)は実はユダヤ系で、迫害を逃れるためレオのプロポーズを受けた。「妊娠」も生き延びるためのうそだった。ライーサが頼った教員仲間も実は反体制分子を内偵する潜入捜査員。誰を信じればいいのか。何を信じればいいのか。すべてがゆがめられていく。重苦しい絶望感が心の底に沈殿した。  わが子を殺人鬼から守るために腐敗から目覚め、立ち上がる警察署長ネステロフ(ゲイリー・オールドマン)の姿が唯一の救いだった。  結末。事件を解決したレオはライーサとともに、捜査中にかかわった孤児の姉妹を引き取る。レオと新しい家族の再出発の姿が一筋の希望の光に見えた。

  • 鑑賞日 2015/7/31

    夫婦間にも一党独裁の影

    “楽園では殺人は起こり得ない”というスターリンの言葉から映画は始まります。自らが統治する一党独裁国家を“楽園”と定義し、そこでは殺人は一切認めない、もし殺人事件が起きたとしても事故として処理されるという、独裁者の傲慢。 ウクライナの飢饉で大量に生まれた孤児の一人だった主人公トム・ハーディが、対独戦争で英雄的な活躍をしたことから、MGB(ソ連国家保安省)のエリート捜査官として上官からの信望を厚くしてゆく中、己の孤児としての出自ゆえか、猟奇的に殺された戦友の息子の死に直面して、これは殺人事件だとして捜査を進言するものの、冒頭に記したスターリンの宣言に忠実でなければならぬMGB組織内では、あくまでも事故死として処理される一方、ハーディが摘発に寄与した反国家的知識人ジェイソン・クラークの線から浮かび上がったスパイ容疑者として、ハーディの妻ノオミ・ラパスの名前が挙がり、ハーディは上官ヴァンサン・カッセルから妻を告発するよう命じられるものの、これを拒否したため、ハーディはMGB本部勤務を解かれ妻と共に田舎町の警察署勤務に左遷されると、その左遷先付近で少年の猟奇殺人を疑われる事件が連発していることを知り、その殺人犯探しを始める、という展開を映画は示すのですが、その猟奇殺人犯追跡の本筋は、実はそれほど面白くありません。 わたくしが面白かったのは、スパイとして疑われたハーディの妻ノオミ・ラパスについて、上司から告発を命じられながら拒否したハーディの、その拒否の理由は、ラパスが妊娠していたため、つまり自分の子供を腹に宿した女性を、いくら上官命令だとしても粛清の対象として差し出すことができなかったため、なのですが、それから直後、ラパスの妊娠が嘘だったことが判明し、なぜそんな嘘をついたのかを夫ハーディから追及された際にラパスが漏らす、ハーディのことなど最初から愛してなどおらず、国家保安省のエリートから求婚されて断ったら、どんな粛清に遭うかという恐怖から結婚したのだ、という告白でした。その前の場面で、夫婦生活の営みが描かれた際、妻ラパスがどこか苦痛めいた表情を浮かべていた理由も、それではっきりしたのですが、夫婦という間柄にも、一党独裁の恐怖が反映しているという作劇に、感心しました。 あと面白かったのは、トム・ハーディが戦争の英雄からMGBのエリート階段を登ってゆくのに対して、ハーディとは対独戦争の戦場から一緒で、常にハーディの果敢さや的確さを目の前に見せつけられる一方、己の無力さに直面していた後輩ジョエル・キナマンが、ハーディの妻にスパイ容疑がかかってから、一挙にハーディ追い落としのために必死になり、ハーディの地方左遷以降も執拗にハーディの足を引っ張ろうと画策する、男の嫉妬の醜さの描写でした。これなど、全世界共通の主題として普遍的なのでしょうが、男の嫉妬を作劇の中心に据えていた点は、この映画の面白さだったと思います。

  • 鑑賞日 2015/8/4

    深い闇

    原作は未読だが「このミステリーがすごい!」という触れ込みに惹かれた。実際に本作を観て、旧ソ連のスターリン政権下時代に秘密警察として国家権力側で働くレオ・デミドフ(トム・ハーディ)の歩む波乱万丈な人生を軸とし、彼が関わる事件を通して社会主義国家ソ連のパラダイスのような理念とは裏腹な深い闇を暴いていくという事が描かれているのかと解釈した。連続殺人鬼もこの闇が産んだ怪物。事件より旧ソ連(現ロシアも)という国自体がミステリーだ‼︎ゲイリー・オールドマン(ネステロフ)の活躍が良かった!続編はあるのかな?

  • 鑑賞日 2015/7/28

    チャイルド44 森に消えた子供たち

     「楽園では、殺人事件は起きない。」 ソ連の独裁者スターリンの言葉だ。独裁者のこの発言により、44人の少年が、猟奇的に殺されても、捜査は行われずに、事故として片付けられてしまう。被害者の遺族が殺人を訴えれば、反逆罪と見なされてしまう。これでは、まるで国家が殺人を助長しているようなものだ。 本作の主人公レオは、秘密警察MGBの腕利き捜査官だ。国家に忠誠を尽くしているが、正義感も強い。潜伏中のスパイを追い詰めた時に、部下の若い捜査官が、スパイをかくまった夫婦をその場で射殺した。しかも、二人の幼い姉妹の目の前で。これに腹を立てたレオは、その若い捜査官を殴り、叱責する。しかし、若い捜査官は、レオを逆恨みし、彼を落とし入れ、執拗に命まで狙うようになる。  レオは若い娘に恋をし、強引にプロポーズをする。彼女は受け入れるのだが、実は彼のことを愛していたからではなく、彼がMGBなので、断れば、何をされるかわからないという恐怖心からだった。その妻に、スパイ容疑がかかり、レオは捜査を命ぜられる。家族すら信用できないのだから、最悪だ。彼は妻が無実であると報告したばかりに、任を解かれ、地方の民警に左遷させられる。小学校の教師だった妻も夫と共に地方へ行くが、赴任した学校では、授業を持たせてもらえず、清掃要員だ。  しかし、レオは捜査を諦めない。執念深く捜査を続け、犯人を追い詰めて行く。 殺人犯を逮捕されては、ずさんな捜査が露見してしまうため、MGBは彼に捜査をさせないように、躍起になる。指揮を執るのは、例の若い捜査官だ。この当りの攻防や犯人を追いつめる過程は、サスペンスとしても見応えがある。  原作は、2009年の「このミス」1位作品で、実際の事件を基にしている。ロシアでは発禁本になっているというから、プーチンもスターリンの亡霊に怯えているのかもしれない。

  • 鑑賞日

    妻へのスパイ疑惑、左遷、拷問、スターリン圧制下で連続殺人犯を追う警官に降りかかる信じがたい苦難。パステルナークやソルジェニーツィンの世界そのままだ。ロケを多用した監督の手腕、的確なキャスティングと相まって見応えのある重厚な映画となっている。膨大な原作を巧みにまとめた小説家でもある脚本家リチャード・プライスの功績が大きい。異常な殺人鬼を生み出した歴史的背景、多年にわたる夫婦のドラマなど原作を一歩進めている。原作はロシアでは今でも発禁とのこと。

  • 鑑賞日

    殺人鬼を追うミステリーというより、全体主義の〝人々を殺しながら生かす〟おぞましさを描いた作品として観た。同僚に売られたり、家族を疑い欺くなど、その描写にはとことん気が滅入る。おかげで、劇中で誰かがドアをノックするたびにこちらもビクつく始末。さらに、鉛色の曇り空、無数の枯れ木、水たまり、泥と、これまたテンション下げるアレコレが映し出されるのだからたまらない。七三ツーブロックのT・ハーディは鳥肌実にしか見えず、ロシア訛りの英語セリフは珍妙なだけ。

  • 鑑賞日

    連続猟奇殺人よりも、社会に蔓延する猜疑心と不条理が恐ろしい。恐怖政治が生み出した強烈な怪物がふたり登場するが、そのうちのひとりである(そして相対的に観客の同情を引くであろう)連続殺人犯が、人知れず犯行を繰り返すさまは、あたかも社会の抑圧された部分がうごめいているかのようだ。でも、フリッツ・ラングのように撮れとまでは言わないとしても、アクションシーンの描写はもっと簡潔にすべき。スペクタクルとして魅力的なわけでもないし、緊迫感を削いでしまっている。

  • 鑑賞日 2015/7/24

    詰め込みすぎ

    ロシアの体制であるとか、イデオロギーに対する反発 裏切り、恋愛事情のもつれ、いろいろな事情が詰め込みすぎて 映画内で消化できていない。原作は素晴らしいのだなという ことはあかったのだが、脚本家と、監督の責任責任だとおもう

  • 鑑賞日 2015/7/30

    期待したが。

    スターリン政権下のソビエトを舞台に、子供を標的にした連続殺人事件を描いたミステリーと聞けば期待は高なる。リドリー・スコット製作ならばなおのこと。 共産主義国家の閉鎖性から殺人事件さえ隠蔽される異常事態と、猟奇殺人の異常性。残念なことに、この2つが、相乗効果を上げず、逆に打ち消しあった印象。 ラストまで見ると、今後どう続く(続けたいか)が分かる。

  • 鑑賞日 2015/7/20

    チャイルド44 森に消えた子供たち

    子供の誘拐、残虐な殺人。そして共通する変死体と残されたメッセージとサスペンスファンを魅了する道具は全て揃っている中で製作に巨匠リドリー・スコットが携わっているとなっては期待という言葉以外ないかと思っていたが、残念ながらこのサスペンス劇場のみでは物足りない。ドラマ性も濃くは描かれておらず、殺人事件の背景も薄い。 だが、ここに舞台であるスターリン独裁政権下にあったソビエト連邦と殺人者は野放しにするといった暗黙の了解が国全体に蔓延している国状況がこの物足りない部分を補っている。それどころかあえてこの為に余分な物足りなさを残していたのだろうとも思わせる。主役であるトム・ハーディが演じるレオは秘密警察MGBの中でもエリートの立場。故に暮らしも裕福だが周囲の人々を見れば一目瞭然のようにそれぞれの立場によっての暮らしの格差が激しい。それだけにレオの人生の歯車が狂いだしたときにどうもがいて這い上がるのかという殺人の裏の背景にも見所がある。前述で背景が薄いと言ったがこの時代、この政権下だから成立する設定である。 今作でもトム・ハーディ起用は成功と言えるだろう。情勢が厳しい世界、険悪な顔つきの男しか見当たらない中で「マッド・マックス」で魅せた威圧的な表情が今回も活きている。更にドスのきいた声で会話すれば時代背景にピッタリの男が常に佇み作品のシリアス感も倍増する。反対にそんな高圧的な態度に只々耐えるのみの女性たち。相手がエリート警察官だから裕福になれるなど言語道断。ノオミ・ラパス演じるレオの妻も常に支配される中で最期の悪あがきのような憎しみの言葉が結婚生活の中で幾度も飛び交うのは印象的。

  • 鑑賞日 2015/7/3

    色々恐ろしい。

    ミステリーではあるのだろうが(原作は未読)、てっきりそれが主軸 だと考え、森に消えた44人の子供の行方を捜査するストーリーだと 期待してしまうと、ちょっと肩透かしか。実在した猟奇殺人事件で あるチカチーロ事件をモデルに描かれるのは、スターリン政権下で 独裁国家の闇に翻弄された主人公と家族、さらに彼らの生い立ちに 遡っていく。最近日本で公開作が続いているT・ハーディ祭りの一編。 どうなのよ?ロシア訛りの英語って~と、冒頭から違和感漂う設定 ながらも、さすが舞台で培った演技力を発揮するハーディ。妻役には アナタこそ猟奇だわ~と云わんばかりのN・ラパスが、今回は従順な 妻に扮している。時代が時代なだけに陰鬱とした空気がどんより漂い、 冒頭から酷い仕打ちが散々描かれる。部下が惨殺した両親を目の前に 突然孤児になってしまった子供達に向けられるハーディ演じるレオの 眼差しは、先日あの爆走映画で魅せた彼の瞳に近い。当時どれだけの 孤児が街に溢れていたかを描く冒頭の場面で少年がレオだと語られ、 あーだからか。と思うもののこの伏線がまさか最後まで活かされると は思っていなかった。犯人探しは後半まで持ちこされてしまうので、 その前にレオとその妻までもが容疑をかけられ、追う側が追われる側 となり命を狙われる恐怖が延々と続く。これは結局彼らの話なのかと その辺りで腹を括り行く末を見守ると、意外な展開となり、田舎町の 警察署長で名優G・オールドマンまで登場する。どこまでも豪華共演! さて、テーマは殺人事件へと戻されて、その後はあっけなく真犯人が 登場してしまうので、あららら…とは思うんだけど、とにかく前半で これはドラマですよ。と観せられてきた観客は、あとはあの野郎との 対決か!?と腹を括れる。まぁちょっと…都合良すぎる気もするけど、 ハーディの熱演もあり、最後まで気味悪い作品ながら、感動があった。 (ちょっとテーマが暈けてしまった感アリ。時代の空気感は畏怖絶大)

  • 鑑賞日 2015/7/12

    旧ソ連の体制の中でのミステリー

    ベストセラー・ミステリーの映画化で、旧ソ連のウクライナの飢饉で大量に発生した孤児の出身で、KGBの前身にあたるMGB(ソ連国家保安庁)の捜査官にまで登り詰めた男が、少年ばかりを狙う連続殺人を捜査するが、スターリンの方針で理想国家であるソ連において殺人は資本主義の病理とされて、事件は存在しないことになっていて、それでも捜査しようとしたら、妻にスパイ容疑がかかって、彼女をかばったら地方に左遷されてしまう、という具合に、ミステリーの犯人と事件の真相を追うだけではなく、旧ソ連の特異な体制の中でなんとか犯人を絞り混もうと命懸けで捜査する姿を描いているのが重層的な面白さがあり、主人公の出自や妻との関係、同僚や体制の権化みたいな部下との関係などが絡み合っていくのが面白く、見応えがありましたね。

  • 鑑賞日 2015/7/17

    英国俳優はロシア人を演じるのも上手

    権力闘争と裏切りと粛清の嵐ふきあれるスターリン独裁政権末期の1953年ソ連、MGB(KGBの前身)エリート捜査官レオが自分の地位を脅かされながらも、この世の楽園(!)のはずの社会主義国では起こらないはずの児童連続猟奇殺人の犯人を追うスリラー。捜査が困難を極めることになるその設定が絶妙で、チェコロケでの大規模な時代再現も見ごたえがあり、製作リドリー・スコット、脚本リチャード・プライスの気合の入り方がなかなかのもの。私は途中で挫折した長い原作が相当よくできていたに違いないと思う。レオと犯人の関係は黒澤明の「野良犬」を思わせる。ただ、あまりに多くの要素が詰め込まれているので後半が駆け足になってしまったのは惜しい。

  • 鑑賞日 2015/7/14

    確かに存在した社会

    行き過ぎた社会主義の批判/風刺として、SFのサブジャンルであるところの「ディストピアもの」があるわけだが、なるほど確かにソ連型社会主義とはディストピアの源流に他ならない。 楽園に殺人は存在しない。最も重視されるべきは政府の方針であり、真実の究明はすなわち反逆である。オーウェルやハクスリーが夢想した世界は決して荒唐無稽ではないのだと痛感させられた。この映画自体はフィクションであるものの、その社会はたしかに存在したのだから。 サイコミステリーのていをとりながらも、肝になるのは背景の社会。捜査の過程は平易ながらもここまでの緊張感を持たせるのは、ある種のシチュエーションミステリーであるからだろう。

  • 鑑賞日 2015/7/5

    ハードルが高くなっちゃってます

    「映画が原作を超えるハードルは限りなく高い」セオリーを証明しちゃってます。原作を読んで感じた、組織の恐ろしさ・グロテクスさや、グレイなヒーロー登場に対する新鮮さが、どうしても一般受けを目論むがために、マイルド感いっぱいになっちゃってます。登場人物たちがムリクリ使う、ロシア訛りの英語も、くどく感じちゃいます。おそらく作られるであろう続編「グラーグ57」では、強制収容所のエグさを出しちゃって下さい。

  • 鑑賞日 2015/7/8

    祝!新旧英国美形俳優共演

    とりあえず、二人の共演が幸せ。「裏切りのサーカス」でも共演してるけど、絡みがほとんど無かったので。内容は暗く重く怖くてラストまで血みどろ。トムはこれでもかと肉体的にも精神的にも攻撃を受けるが、「欲望のバージニア」のボンデュラント兄さんのときの様にしぶとかった。どんどん汚くなるけど魅力的。G・オールドマンはイヤな奴で登場。久しぶりの本領発揮するかと思いきや。。。原作が未読なので、読んでからもう一度観てみようっと。それにしても、ロシアが舞台の作品なのに役者が英仏や北欧系。みんなロシア語訛りで、ちょっと違和感。旧ソ連やドイツの暗部を描いた作品だけど、キャストや制作陣にそういう国の人達が加わってたらもっといい作品になっていたかもなーと残念。原作はどうだか分からないが、この映画ではラストで主人公が秘密警察から独立して、警察(政治的なしがらみがない、犯罪をきちんと取締る組織として)を結成する場面で終わる。トップがトムで、その部下がゲイリーなんだけど、その物語も観てみたい♡

  • 鑑賞日 2015/7/9

    決して他人事ではない

     これは、トム・ロブ・スミスの小説「チャイルド44」を、スウェーデン出身のダニエル・エスイノーサが映画化したサスペンス映画。  出演は、最近出演作が相次いで公開されているトム・ハーディーに、スウェーデン出身の女優、ノオミ・ラパス。   物語の舞台となるのは1950年代のソ連。  MGB(国家保安省)のレオは、正義感が強く将来を期待されたエリート捜査官。  ある日、上司に呼び出されたレオは、戦友アレクセイに対して彼の息子が鉄道事故で死んだことを納得させろと命じられる。  状況証拠は他殺を示していたが、”理想国家”のソ連に殺人事件など存在してはいかん、と言う上層部の方針にレオは釈然としないながらも任務を受け入れた。  更に、レオに衝撃を与えたのは、スパイ容疑で逮捕された男の口から協力者としてレオの妻ライーサの名前が出た事。レオは、妻を告発し逮捕するよう求められるが、捜査の上でこれを拒絶してエリートの地位から転落。  左遷され、赴任した地方都市で、レオは再び猟奇的な少年殺人事件に出くわして……  この映画、一見、犯罪ミステリーのような印象ですが、その内容はまるで違います。  映画に登場する連続殺人犯は、実在の殺人鬼、アンドレイ・チカチーロがモデル。実際のチカチーロ事件は1980年代前後に起きているのですが、本作では時代設定を1950年代前半に移しています。それは、ソヴィエト連邦が世界中から「理想国家」と見られていた時代。その“理想社会”の体面を繕うために虐げられる人々の姿と、独裁者の理想の為に多くの犠牲者を出す事を容認する社会体制を描いて行きます。  そんな社会に対する痛烈な批判でもある本作の原作小説は未だロシアでは発禁であり、この映画もロシアからの支援は得られなかったようで、撮影は北欧で行われ、台詞は全て英語になっています。    「楽園に殺人は発生しない」と言う、独裁者・スターリンの意志を実現すべく、恐怖を以て、無理を通して道理を引っ込めさせる国家体制。  刃向かい、異を唱える者は、捕らえられ、処刑されるか左遷されて姿を消してしまいます。  映画は、そんな恐怖による閉塞感に覆われた社会を一種のディストピアとして描きますが、この物語が恐ろしい真の理由は、そんな社会は、絵空事でも、歴史の一コマでもなく、現実の社会、それがこのように変貌を遂げる事があり得る、と言う事を示していること。  現に、ネットによる密告と私刑の横行により、言動や行動、そして社会の様々な事が圧力を受けている現代の日本社会に生きる私たちにとって、この映画の描く内容は決して他人事ではないように思うのです。

  • 鑑賞日 2015/7/8

    独裁政権下の悲劇

    戦争の英雄でありMGBの高官でもある主人公(トム・ハーディ)がスパイの嫌疑をかけられた妻(ノオミ・ラパス)の潔白を主張したことで僻地へ左遷されるが、そこで起きた少年たちの惨殺事件の真相に迫っていくうちに独裁政権の暗部があぶり出されていくサスペンス映画。 楽園では殺人は起きない、という大いなる幻想の元でソ連邦が50年代に抱えていた社会の矛盾を、主人公が体を張って突き崩していくのであるが、独善的恐怖で民衆を支配(主人公の妻がプロポーズを受けた後、一週間泣きはらし恐怖に服従する形で結婚したエピソードが印象的)する秘密警察(MGB)の実態が克明に描かれていたのは見どころのひとつ。 大量殺人に手を染めた部品工場の男の動機と目的がハッキリ描かれていない点は残念。内臓を外科手術で取り出す必要はないはずだが・・・。主人公夫婦が協力しあって困難を乗り越えることで、夫婦愛が強固なものに変わっていく展開(MGBが送り込んだ三人の刺客を列車内で返り討ちにしてしまう大乱闘は必見)は、アメリカ映画が得意とするヒーロー物語の変則と言えそうだ。 森と山を縫うように走る蒸気機関車を空撮で捉えたショットも不思議と印象に残った。MGBの理不尽な処刑によって両親を失くした農家の姉妹を主人公夫婦が施設から引き取り、新しい家族ひいては新しい国家の希望の兆しを象徴させたラストシーンには好感をもった。

  • 鑑賞日 2015/7/4

    不気味で引き込まれる

    スターリン政権下の思想が理不尽しすぎて愉快にも思える。 理想国家にどっぷりとつかってエリートになったトム・ハーディが子供たちの死に疑問を抱く。トム・ハーディの変化、いったい何が起こっているのか。キナマンにはイライラし、何でこんなことが許されるのかムカムカしながら見た。 トム・ハーディが正義に目覚める映画かな。原作を知らないが、目を離すと置いてかれそうになるほど引き込まれた。

  • 鑑賞日 2015/7/5

    キナマンの存在が

    ミステリーとして観るには、ジョエル・キナマンのヴァシーリの存在が探偵映画としての流れをしばしば中断させている。国家あるいは上層部の陰謀としては底が浅い。

  • 鑑賞日 2015/7/4

    ハリボテの楽園

    「楽園に殺人は起こり得ない」 スターリン政権の幻想に、ちょっとした恐怖を感じます。 そういう幻想がシリアルキラーを産む状況になっていたのではないだろうか。 さて、映画の方ですが、ミステリーと思っていたのですが、どちらかというと、夫婦愛の方がメインのように感じました。 殺人事件、スパイ疑惑、夫婦愛と、ちょっと盛り込み過ぎのような気がしました。

  • 鑑賞日 2015/7/5

    作品紹介1(映画.com)より

    2009年版「このミステリーがすごい!」海外編で1位を獲得したトム・ロブ・スミスのミステリー小説「チャイルド44」を映画化。1950年代、スターリン体制下のソ連を舞台に、子どもを狙った連続殺人事件の行く末を、リドリー・スコット製作、トム・ハーディ&ゲイリー・オールドマンの共演で描く。監督は「デンジャラス・ラン」のダニエル・エスピノーサ。53年、ソ連で9歳から14歳の子どもたちが全裸で胃を摘出され、溺死した変死体として発見される。しかし、犯罪なき理想国家を掲げるスターリン政権は、殺人事件は国家の理念に反することから、事故として処理してしまう。秘密警察の捜査官レオは、親友の息子の死をきっかけに、自らが秘密警察に追われる立場になりながらも事件の解明のため捜査を開始するが……。 チャイルド44 森に消えた子供たち Child 44 2015年/アメリカ 配給:ギャガ

  • 鑑賞日 2015/7/4

    “楽園に殺人は存在しない”

    “連続殺人は資本主義社会が生み出した悪”だそうな。 なんという茶番。 でも、茶番を百も承知で受け入れなければ生き延びられない。 異様な“楽園”で生き残るには、職場も家庭の中すら、絶えず何かを演じ、何かを飲み込み、息を殺すほかない。 全て疑心暗鬼な緊迫感が恐ろしい。 連続殺人犯も恐ろしいが、主人公の部下であるワシーリーがみせる主人公への粘着性はすさまじく、彼もまた“楽園”が生んだ怪物なのかと思わされる。 ウクライナで起こった(人工的)大飢饉を背景とする主人公の生い立ちや犯人について、原作と大きな違いがあるけれど、 “個”の物語に終結していった原作に比べ、映画は“国家”というシステムの化け物を際立たせているので、これはこれでよかったと思う。 アメリカ製作なので、毎度のことながらソビエトを描いた作品なのに英語話しているし、資本主義超大国のアメリカに言われたくないだろうなぁとは思うけれど、 トム・ハーディ的には、『マッド・マックス』よりこちらのほうが見応えあります。

  • 鑑賞日 2015/7/4

    ものすごい緊張感。独裁者の支配する社会の恐ろしさが、リアルに伝わってくる。今の日本も、こんな感じになる方向へ進んでる気がする。 ラストシーンはホッとする展開でよかった。

  • 鑑賞日 2015/12/20

    赤いミステリー

    #0690「チャイルド44 森に消えた子供たち」。トム・ロブ・スミスの小説を原作としたミステリー。1950年代のスターリン政権下のウクライナを舞台に子供たちの連続変死事件を国家に妨害されながら捜査する主人公を公開作の相次ぐトム・ハーディが演じている。