PROGRAM

放送作品情報

哀しみの街かど【町山智浩撰】

THE PANIC IN NEEDLE PARK 1971年 アメリカ / 110分 社会派ドラマ

[R15相当]町山智浩推薦。ドラッグに溺れる廃人カップルの目に映る70年代NY最底辺の日常の生々しさ
放送日時
2019年04月11日(木) 06:00 - 08:30
2019年04月15日(月) 07:45 - 10:15
2019年04月23日(火) 深夜 01:45 - 04:00
解説

町山智浩セレクトのレア映画を町山解説付きでお届け。BGMを排したドキュメンタリータッチで、ヘロイン中毒者の日々が極めて生々しく描かれる。この映画のリアルすぎる廃人演技でアル・パチーノは一躍注目された。

ストーリー

堕胎手術を受け衰弱していたヘレンは、同棲相手にヤクを売りに訪ねてきた売人ボビーに優しくいたわられ親しくなる。2人は付き合い始め、ボビーは彼女を、麻薬の注射針が転がっているようなNYの薄汚い小公園、通称“ニードル・パーク”に連れて行く。そこでは中毒者たちがたむろしており、彼らとヘロインの回し打ちなどするうちに、2人は、愛し合いながらも、犯罪、逮捕、売春、裏切りと、とことん堕ちるところまで堕ちていく。

出演

アル・パチーノ
キティ・ウィン
ほか

字幕/吹替
字幕
掲載制限
R15相当
カラー/白黒
カラー
画面サイズ
ワイド画面
HD
※【ザ・シネマHD】にご加入の方は、
HD画質でご覧頂けます。

オススメキーワード

  • 鑑賞日

    夢と希望をなくしたのは自業自得というのが痛い

     原題"The Panic in Needle Park"で、ニードルパークのパニックの意。ジェームズ・ミルズの同名小説が原作。  ニードルパークは1960~70年代、マンハッタンのアッパー・ウエスト・サイドの一角の俗称で、麻薬常習者とディーラーが集まっていた場所。Needleは注射針のこと。Panicは劇中でヘロインの供給が止まってしまうことを指す。  麻薬で身を滅ぼす若者を描く啓発映画としては百点満点の出来だが、制作者はもちろんそんなことは考えてなく、1970年代という若者たちが確かな未来を描けずに麻薬に逃避する時代と退廃を描き、当時の若者たちの心の傷を舐めて精神を慰撫する。  そうした点で全編に渡って70年代の空気が充満していて、一目見てアメリカン・ニューシネマだとわかるのだが、当時の空気を吸った者には懐かしさと共に重苦しさとある種の蹉跌を感じる。  主人公は田舎から出てきた画家の卵の女の子で、ソーホーで男と暮し堕胎。そこに麻薬と窃盗の海図なき青春を送る青年が現れ、その優しさに魅かれて恋人となる。女の子はやがてヘロインに手を出し、麻薬を手に入れるために売春するが、彼女に同情的な刑事は麻薬の元締めを挙げるために逮捕と引き換えに恋人を売らせる。  逮捕され収監された恋人は出所に迎えにきた娘を赦して歩き出すが、二人に希望のないままに終わる。  本作で描かれるのは夢も希望もない人生だが、夢と希望をなくしたのは誰のせいでもなくこの二人自身という自業自得の青春で、彼らの惨めさの背景にベトナム戦争もなければ学園紛争も貧困も人種差別もない。そんな二人に共感するとすれば、せいぜいが潜在的なドロップアウト願望でしかない。

  • 鑑賞日 2019/1/15

    麻薬漬けの日々

    まだブレイク前の若きアル・パチーノの薬漬けジャンキー役ですが、内容は見ていてかなり不快ですが、その演技たるや凄まじいものがありますね。こうやって麻薬中毒は堕ちていくんだよという見本みたいな内容です。だめ、ぜったい、ですね!

  • 鑑賞日 2016/10/5

    不安そうな顔で電車にのるヘレン。 都会に出て夢破れたというような女。 突然言い寄ってきたボビーはヤクの売人で窃盗も日常の事のように自然と行える男だが、陽気でやさしい。 ヘレンはそんなボビーを好きになり、その犯罪仲間をも受け入れるようになる。 ボビーのいうままに犯罪に手を染め落ちて行くヘレンだが、それでも都会でささやかな幸せを求めずにいられない彼女には共感できる。 初めてヘレンが薬を打つシーンはまるで絵画のよう。 薬が十分にある時は二人の間に安らぎが訪れるが、足りなくなると険悪になる。 窃盗を行うボビーの逮捕の場面を警官の影のみで省略したり、演出も鋭い。 麻薬工場の不穏な空気感も恐ろしい。 憎めない所もあるボビーに対して静かに冷酷な兄、ヘレンに愛情を感じているような刑事とか、脇役も印象に残る。 母親が紹介した男を美人局にかけて二人に笑顔が訪れる。 幸せと絶望が一瞬にして切り替わる絶望的な日常。 こんな絶望的な状態でも愛が存在するのが悲しい。

  • 鑑賞日 2016/9/28

    人間失格

    アル・パチーノ目当てで鑑賞。でも、ジャンキーの話はどうにも苦手で入り込めなかった。残念。薬でいい気になっていても、傍から見たら弱者にしか見えないです。なんとなく太宰治の人間失格を思い出した。

  • 鑑賞日 2016/4/14

    「ゴッドファーザー」に出る前のパチーノの初主演作。ギャングや刑事などコワモテ・キャラが多いパチーノだが、「スケアクロウ」に代表されるヘタレ役をやっている方が好き。重度のヤク中カップルの話で、相手役のキティ・ウィンがとにかく美人!この後「エクソシスト」シリーズに出て引退したらしいのが残念。

  • 鑑賞日 2001/1/13

    アル・パチーノ

     この評価はあまり妥当ではないと思いますが、ストーリーがあまりにも好きになれなくて・・・。ジャンキーの話なんですが、人生が上手くいかないでお決まりのコース。人の落ちていく人生を見るのはつらいです。アル・パチーノが若い。当たり前ですが。

  • 鑑賞日 2014/9/29

    ジャンキーの末路

    1971年の映画。ニューヨークを舞台に、ジャンキーのボビー(アルパチーノ)と彼の影響で麻薬にはまったヘレン(キティ・ウィン)の堕落。 麻薬描写がとてもリアルで恐ろしくなる。アル・パチーノが売春婦の部屋で完全にらりってしまったり、キティ・ウィンがどんどん麻薬にはまり、金のために客をとる生活までするようになり、どんどん顔色が悪くなってく恐ろしさ。 様々な人種、警察官を含めて多くの人が町の道を歩く。ジャンキーたちがうごめく街にあって、ジャンキーにならずにいられるのはしっかりした職を持つ人間だけなのかもしれません。とても怖い、人間の欲望が麻薬というかたちで否応なく出てしまう。最後の「行くか」という言葉は何を意味しているのか。こわばった表情がそれを物語る…

  • 鑑賞日 1972/11/10

    「だめ、ぜったい映画」だったが・・・。

     いや~、つらかった。    後年「スケアクロウ」を撮ったシャッツバーグ。

  • 鑑賞日 1980/12/20

    怖い映画

    1980年12月20日、大塚名画座で鑑賞。 アル・パチーノ主演、ジェリー・シャッツバーグ監督作品である。 原題に「Needle Park」とあるように、麻薬の映画だった。 この映画を観ると『麻薬は身を滅ぼす』ということが良く判る。麻薬を小分けにする場面や注射する場面が、リアルさがあって怖い。 アル・パチーノが、かなり若かった。

  • 鑑賞日

    あぶりをやる新人時代のアル・パチーノ

     ちょっと前、「あぶりをやりました」とのクスリで捕まった、ある元アイドルで女優の供述を聞いたとき、真っ先にに思い出したのがこの映画だ。ヘロイン中毒者を描いているこの作品の中で何度も出てくるのが、ヤクを水を浸したスプーンにのせ、下からアルコールランプであぶり、それを注射器に吸い上げて体にうつ、というシーンだ。あの人もこんなことをやっていたんだろうなあ、との想像を容易にすることができる映画なのである。 それはともかく、この作品の見どころは「ゴッドファーザー」で鮮やかに登場する前のアル・パチーノが、うらぶれたヤク中の若者を見事に演じているところだ。この映画の中でアル・パチーノはクスリの魔力に一度とりつかれると、二度と離れることのできない、中毒者の思いや心の内を実に細やかな演技でスクリーン上に見せる。私は、この作品は「ゴッドファーザー」の後に見たが、「ゴッドファーザー」よりも演技そのものは上、と感じたほどだ。 名優と呼ばれる役者さんならば、演技の歴史も見てみたくなる。その意味でこの作品は、とても内容が重く、見ていて辛くなってくるのだが、アル・パシーノという名優が誕生する瞬間が見られる、貴重なものではないかと思う。

  • 鑑賞日 2012/5/25

    1971年カンヌ映画祭主演女優賞受賞

    麻薬に溺れる男女の姿が克明にドライタッチで描かれた異色の青春映画。ジャンキー役のアル・パチーノが鬼気迫る熱演を見せていた。彼が大量摂取によるショック状態に陥る場面は印象的だった。そこに居合わせた売春婦が客を取っている間だけ仲間とトイレに身をひそめて回復を待つ事になるのだが、成行きで預かった赤ん坊の「無垢」とジャンキーたちの「けがれ」のコントラストは強烈そのものであった。恋人から警察に売られたパチーノが出所して、迎えにきた恋人と再会するラストシーンもいい。通常ならそこには何かしらの希望が見え隠れするものだろうが、私には絶望のリフレインしか見出せなかった。アメリカ映画でありながら登場人物の誰一人として「神」を口にしなかった点も珍しいのではないだろうか。