PROGRAM

放送作品情報

灼熱

ZVIZDAN 2015年 クロアチア スロヴェニア セルビア / 124分 社会派ドラマ

[PG12相当]ユーゴ紛争の深い傷を斬新な手法で描いて、カンヌ映画祭“ある視点”部門の審査員賞を受賞
放送日時
2019年06月09日(日) 深夜 01:30 - 03:45
2019年06月13日(木) 深夜 02:00 - 04:15
2019年06月26日(水) 08:15 - 10:30
解説

一つの国だったユーゴスラヴィアが民族対立で分裂、隣人同士が殺し合った1991年のユーゴ紛争。その91年と、爪痕深く残る2001年、2011年の3時代を、同じ俳優に別役を演じさせて描く3話のオムニバス。

ストーリー

[1]91年。隣町のカップル。女はセルビア人男はクロアチア人だが、紛争が勃発。ヘイト感情が高まり、女の兄は妹を淫売売国奴呼ばわりし家に監禁する。[2]01年の紛争終結後。故郷の廃墟に帰還したセルビア人母娘は家の修築に大工の青年を雇う。彼はクロアチア人だった…[3]11年。帰省したクロアチア人男子大学生。実は彼はセルビア人の恋人を妊娠させ、ヘイトに駆られた家族の反対で彼女を捨て進学した後悔があった。

出演

ティハナ・ラゾヴィッチ
ゴーラン・マルコヴィッチ
ニヴェス・イヴァンコヴィッチ
ダド・チョーシッチ
ほか

字幕/吹替
字幕
掲載制限
PG12相当
カラー/白黒
カラー
画面サイズ
ワイド画面
HD
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オススメキーワード

  • 鑑賞日 2019/2/7

    民族間に横たわる因縁や差別がテーマ。 オムニバス形式で見やすい仕組みになっている。 ただ残念なことに、時代性というものがイマイチだしきれてなかったように思う。 1991年も2011年も同じタイミングで撮ったようにしか見えなかったし、もう少し工夫が必要だったように思う。 1、2個目のように3個目でも同じ川が出てくるとか、3つの時代ともに同じ人物が出てくるとか。 トーンもいまいち乗り切らない微妙なトーン。 ダルデンヌ的惹きつけ方を真似しようとして失敗したような感じ。 同じ役者が三役演じてたのもわかりづらい。

  • 鑑賞日 2018/10/12

    民族の記憶と意識

    三つの恋の物語に民族の違いによる内紛が濃い影を落とす。 エピソード3は中盤から無言劇に近い。 緊迫した状況を通過して辛さを内包して生きる。 国の内なる事情は異なるので理解することは難しいし、ほとんど説明もない。 情感たっぷりで、空気感と雰囲気は備わった作品。

  • 鑑賞日 2018/12/12

    民族を超えた愛は実るか?

    1991年に始まった、クロアチア紛争の陰に隠れたセウビア人女性とクロアチア人男性の民族を超えた愛。1991年から紛争後まで10年毎の3つの愛を同じ役者が異なる人物を演じていると言う面白い構成。男女間の愛は深いが、兄や親などが民族間の紛争の悲劇にあったことで心のわだかまりを持ち続けることが悲しい。一地域に6つもの人種が存在した旧ユーゴスラビアの歴史を事前勉強の必要がある。

  • 鑑賞日 2018/11/18

    旧ユーゴの豊かな自然と暗澹たる感情

    劇場での公開を見逃していたもののNETFLIXに追加されていたので視聴。 構成としては1991年・2001年・2011年とそれぞれの時代を舞台として、旧ユーゴの民族対立によって引き裂かれる男女の恋愛劇をオムニバス形式で描く。 ユーゴ紛争を題材にして恋愛劇を描くと基本的に「ロミオとジュリエット」的な構造になる(気がする)。アンジェリーナ・ジョリーの『最愛の大地』が特にそれだが、個人的な感想としては民族間対立をロミジュリ構造に落とし込みことには強い違和感を覚えるので、この映画も視聴開始から大まかな流れが明らかになったところで少しだけ諦観気味になってしまった。 けれども、この映画は私のその浅薄な先入観をいい形で裏切ってくれた。 まず第一に音の演出が非常に良かった。BGMを入れるシーンもところどころあるが、基本的にはカメラの中の音楽に絞り、鳥や虫の鳴き声、水と風のせせらぎ、金槌を打つ音、食器のぶつかる音と、環境音がかすかに響く。言葉数の少ない登場人物たちの内面はわずかな動作とそこに生じる音に表現されていく。 そして時に亀裂を破って暗い感情が噴き出す。この環境音に表現される心情と、静寂を破って吐き出される内面・トラウマが良い効果を出している。 異なる時代の行き来しつつ陰惨な歴史を描くという点においてはクリスティアン・ミリッチの『沈黙の戦場』と共通するところがある、安直だけど。こちらも静寂性を用いた音の表現が秀逸でクロアチア映画は音の演出に強いのかとなんとなく思った。 光の演出も良い。稜線に隠れる太陽から空に広がるグラデーション、木々の枝葉を縫う陽光、どこか薄暗い室内、ユーゴの豊かな自然の下で苦悩する人々という構図。水が重要な演出に用いられたり、この映画は自然の描写にかなり拘っているし、だからこそそこに生きる人々の機微が活きたのかもしれない。バルカンの素朴な田舎が見られるという点でも個人的に高評価。 ラスト、ロミジュリ的と言うと最期は結局悲劇だけれど、最終話のラストシーンはそこまで素直でない。ここで素直なままだったら凡作だったろうが、あのわずかなラストシーンがあることでその前の二話が活きるのではないだろうか。

  • 鑑賞日 2018/9/20

    3つの時代を男女の恋愛物語を同一俳優が演じるのが見所

     クロアチア人とセルビア人の人種闘争によるクロアチア紛争が勃発した1991年を皮切りに紛争終結後の2001年、そして現代の2011年という3つの時代を男女の恋愛物語を通して描いた作品。  面白いのは異なるエピソードなのに各時代のカップルなどを同じ俳優たちが演じている点だ。男性俳優はどの時代でも同じ風貌,表情に見えるのだが、女優は時代ごと、役ごとに七変化して、同じ俳優に見えないのにびっくりした。  単一民族国家と言われている日本人には人種(多分に宗教が関係しているのかもしれないが)による内戦はあまり理解しにくい。年月が経過して、潜在的な根深いものが払拭できないということが本作を観るとよくわかる。    

  • 鑑賞日 2018/5/20

    クロアチア紛争を描く傑作

    セルビアとクロアチアの戦争・対立を背景に、91年、01年、11年の3組の男女を同じ俳優で描く、斬新だがシリアスな映画。WOWOWの斉藤工と板谷由夏の「映画工房」で取り上げられていたので観たが、カンヌ映画祭での受賞も納得の傑作。

  • 鑑賞日 2017/8/5

    クロアチアの内戦は民族間の骨肉の争いが拡大したものであるだけに、強制的に異なる民族をシャッフルして隣り合わせになるよう移住させた故チトー大統領のチェコスロバキア国家政策の無理が国家の崩壊とともに一気に噴き出した、近親憎悪の根深い内戦だったなかで、若者たちの愛と憎しみを三世代に亘って描いたこの作品では、世代間におけるこの内戦の意義に対する想いの変化を見ることが出来た。

  • 鑑賞日 2017/11/20

    それでも、男と女は愛し合わずにはいられない

    ある3世代の恋人たちを通して、民族紛争が落とす影を感じさせるドラマ。戦場シーンといった不穏なシーンはほとんどないにもかかわらず、彼らの間にわだかまるもので民族間で起こったことのどす黒いものが見え隠れする。時には直接的に、時には親を通して間接的に。それでも、男と女は愛し合わずにはいられないし、許しあって、二人の間に子を作りたいと思うのだ。

  • 鑑賞日 2017/10/27

    オムニバス

     民族間の対立による憎しみや虚しさを、それぞれ三つの時代に生きる男女を通して描き出すオムニバス形式の社会派ドラマ。それぞれの時代の男女を、すべて同じ役者によって演じさせるという異色の発想。10年の時を隔てて、同じ役者が異なる役柄で登場することで、観る者はまるで輪廻のような生まれ変わりの錯覚を憶える。 その都度、二人の間に走る、民族の違いによる深い亀裂が意識され、憎しみの根深さと執拗さを目の当たりにすることになる。紛争がいかに長い間、多くの人々を苦しめてきたかが改めて実感される。面白い構成だと思う。  「サラエボの花」を始めとしてクロアチア紛争やボスニア紛争の悲劇を描いた映画もいくつかあるけれど、そこにまた悲しい物語が新たに加わることになった。  映画は最後まで説明的には陥らず、印象的なショットの積み重ねによって男女の置かれている立場や関係を浮き上がらせていく。  第一話の「イェレナとイヴァン」では紛争の燻りによって、切り裂かれる愛を悲劇的に描き出す。民族の違いによって隔てられる二人はあたかもロミオとジュリエットのようだ(実際にこの紛争はそう呼ばれていたらしい)。  第二話の「ナタシャとアンテ」では紛争集結後の荒んだ男女の関係が、痛々しく描かれている。兄を殺された遺恨を持つナタシャは憎しみの目でアンテを見る。それでも家の修理に精を出すアンテに次第になびいていく。憎しみと愛情の綯交ぜになったナタシャをティハナ・サゾヴィッチが見事に演じていて印象深い。それまでの抑圧を吹き飛ばすようにしてアンテにしゃぶりつく姿が痛々しい。  最後の「マリアとルカ」の話は私には鎮魂の物語のように思えた。紛争も過去の話となり街並みは平穏を取り戻している。その故郷に帰ってきたルカの表情は浮かない。紛争の暗い影を引きずっている。対立民族であるマリアとの間に子をもうけたことで家族から非難され、引き裂かれた過去。マリアの心も固く閉ざされている。傷心のルカは仲間とのドラッグパーティーで踊り狂う。嫌な過去を振り切ろうとする。でもできない。このディスコの喧騒シーンから画面は一転静謐なトーンとなる。玄関先で佇むルカにそっと寄り添うマリア。暖かい陽射しが二人を包んでいる。この静かなトーンに忌まわしい過去の鎮魂と未来へ向けた再生を感じるのだ。

  • 鑑賞日 2017/8/10

    音の映画

  • 鑑賞日 2017/4/23

    期待しすぎたかな…?

    クロアチア人の男とセルビア人の女。3つの時代それぞれの男女の姿を3部構成で映し取っている。 主役の2人はイケメンでも美女でもないが、これが普遍的な物語であることを考えるとそこは良かったんじゃないかと思う。10年経っても20年経っても、民族の対立は続いている。紛争終結後の、崩壊した家屋、夥しい銃弾の跡を残す壁。穏やかな昼下がり、郷愁を誘う音楽に不似合いなその光景は強く印象を残す。ほかにも良いシーンは幾つかあったけど、今ひとつもどかしく、退屈感が否めなかったのが残念。

  • 鑑賞日 2016/12/26

    田舎の村でのレイブパーティって何

     クロアチア人の男とセルビア人の女の3つの愛の物語。1991年イェレナとイヴァン。セルビア人の娘イェレナとクロアチア人の青年イヴァンは、国内で民族対立が激化するため二人で戦火を逃れザグレブへ行こうとしていた。しかしイェレナは兄サーシャから反対される。イヴァンのもとに駆け付けたイェレナだったが、追いかけてきたサーシャに連れ戻され、それを追いかけたイヴァンは村境でセルビア兵に足止めされる。ラッパを吹いて音楽を奏でながら近づくイヴァンをセルビア兵が射殺してしまう。2001年ナタシャとアンテ。紛争終結後久しぶりに帰郷したナタシャとその母ゾルカ。荒れ果てた自宅の修繕するため雇ったクロアチア人のアンテは物静かで黙々と仕事を片付ける好青年だった。ゾルカはアンテを気に入るがナタシャは兄を殺したクロアチア人を受け入れられなかった。しかし最終日にアンテの車に乗って懐かしい街へ向かうナタシャ。二人は求めあい愛し合い、求愛するアンテだったが一度きりと言い拒絶するナタシャだった。2011年マリヤとルカ。ザグレブの大学に通うルカは友人と共に故郷へ向かう。海岸でのパーティを抜け出したルカは実家へ向かうが、両親との和解は出来なかった。かつてセルビア人の女性マリヤを愛し妊娠までしたが両親の反対で別れさせられ逃げるように大学へ行ったという経緯があった。隣町に住むマリヤを訪ねるが拒絶される。しかしパーティが終わった後、ルカは再びマリヤを訪れる。家の前でうずくまるルカを認めたマリヤは静かにドアを開けるのだった。  3つの時代の3組の男女を同じ俳優が演じるオムニバス映画でした。クロアチア人とセルビア人の対立と融和の映画はいくつか見ましたが、顔だちだけではその区別がつかないし、その対立の深さがわからないため、いまひとつピンと来ないのですが、いわばロミオとジュリエット的なあるいはウエストサイド物語のような、対立する集団なのに愛し合ってしまう男と女の現代版物語なのでしょう。集団の対立が個人に影響し、それが悲劇を生むのはいつの時代も同じ。そんな悲劇を繰り返さないようにとみんなが願うのに、なぜ対立が起こってしまうのでしょう。民族にしろ国家にしろ宗教にしろ、本来は個人を守るべき集団が個人をないがしろにしたり多少はみ出るものを切り捨てたりすることに疑問を抱かない集団の幹部って、視野が狭くなっていることに気付けないんだろうなあ。個人の感情って、割と集団に影響されますがはみ出し者を容認できない世界ってかなしいなあ。

  • 鑑賞日 2016/11/27

    やるせない民族紛争の土地

    映画は10年単位、同じ土地、でも別の三つの違う話が繰り広げられる3部構成。時がいつであれ、民族間の問題は変わらない。カタチや激しさは変われどもいつまでも、お互いを信用せず、すれ違う。実は、これも地球のあちこちで存在する現実。初めの話も何ともやりきれないラストだが、3つ目の話の最後に貸し借りを作らない矜持を示したストーリーも深い。

  • 鑑賞日 2016/12/16

    内容としても作品としても。

    同じ俳優が3つの違うお話に登場することで、違う役柄として出てきてもテーマ性が一貫していました。このテーマ性、民族間の問題はなかなか日本で生きていると直接感じることも理解することも難しいので、このような作品に触れるのはいい機会だと思っています。それにしても昨今の東欧作品は熱い!

  • 鑑賞日 2016/11/27

    10年ごとのクロアチア

    1991年はユーゴスラビア紛争が起こった年。 2001年は終結直後。 そのような時代時代での様々な変化を一組のカップルで描く作品。 ・・・だと思ってみていたのだけれど、いまひとつ・・・・。 1991年のエピソードはともかく、2001年のエピソードが、言いたいことはわからなくもないが、他の描き方がなかったのかな?と思う。1991年と2011年のエピソードを比べても、もっともっと言いたいことあるんじゃない??と思ってしまう。 クロアチアという国が辿ってきた歴史がすさまじいだけに、つ伝えたいことはこれでいいの?と物足りなく思ってしまうのは、やっぱり私が遠く離れた平和な国からただのヤジウマとして彼の国を見ているというだけなのかな。

  • 鑑賞日 2016/11/25

    終盤突如フリーセックス推奨ムービーになった瞬間は驚いたが、民族紛争と言う重いテーマを扱う割には、あまりにも内容が希薄だったと思う。果たして時代を3つ分割する必要があったか?一人の役者に三役やらせる必要があったか?まったく功を奏したとは思えない、全て後一歩のところで終わってしまっていて、非常にもったいない。主演女優賞のお乳を盛んにアピールするその姿勢は買いたいところだが、残念ながら顔も全然可愛くないし、スタイルも全く良くない、これも単に逆効果。結局のところ「愛だろ?愛。」な作品だとは思うが、それがSEXに行き着くのもあまりにも短絡的。『みかんの丘』(『とうもろこしの島』は未見)の方が、よっぽど内容も、メッセージ性も強く、観た後に心に残る作品だった。

  • 鑑賞日 2016/11/20

    3つの時代の恋人たち

    1991年、2001年、2011年と、3つの時代を同じ役者が別人を演じ、同じ場所で、それぞれ別のストーリーを紡ぎ出す。 脇役まで同じキャストなので、コンセプトを理解した上で見ないと混乱必至です。 同じキャスト、同じ場所で、繰り返し訴えてくる変わらないテーマ。 しかし、それぞれのエピソードには意味があり、時代を越えてのメッセージが素晴らしかったです。 1991年から1995年まで続いたクロアチア紛争。 正直なところ私が歴史に疎く、平和ボケしていることもあり、民族紛争というものにピンとくるものがありません。 1995年に紛争が終結したといっても、本作を見る限り、未だにセルビア人とクロアチア人の間に憎悪の念が残っているのに驚きがありました。 その戦争の爪痕は、思いの外、深いのだと思います。 原題は「灼熱の太陽」。 観賞しながらもわかるのですが、とにかく自然光をふんだんに取り入れて、光と影で人物の心を演出しております。 特に太陽は何度も映し出されるため、原題を知らなくても印象に残ります。 2011年のエピソードより、未来を明るく照らす太陽なんだと思いました。

  • 鑑賞日 2016/11/20

    期待しすぎましたが、

    ちょっと期待しすぎちゃったかなと思いつつ、 クロアチアってこんな表現力があって美しい映画を撮れる国だったんですね…!浅学でお恥ずかしい… 壊滅的なまでに女主人公(と言っていいのか?特に二章)が嫌いだったので、二章は不愉快にすら感じました〜。演技はちょっとオーバーすぎてクサいな〜と感じましたが、セックスシーンすら綺麗なスポーツのように見える演出は素晴らしかった。 劇場出た時聞こえたんですが、一章が昼、二章が夕方、三章が夜でラストで夜が明けるのが印象的だったと他のお客さんが言ってて、あーなるほどと思いました。時代は移り変わり生きる人が生まれ死んでも、人間は同じ人間で、同じ大地に住み、同じ空を見て生きてるのね。どんな事があっても夜は明け、時代は巡り続けるのね、と。 今年のTIFFワールドフォーカスもこの調子で通常興行してほしいです。

  • 鑑賞日 2016/11/19

    未だ癒えぬ紛争の傷

    #1004 シアター・イメージフォーラム「灼熱」。2015年の第68回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞を受賞したクロアチア出身のダリボル・マタニッチ監督作品。1991年から10年おきに3つの異なるエピソードを並べ、未だに癒えぬクロアチア紛争の民族間対立を浮き彫りにしたクストリッツァの次世代の作品である。