PROGRAM

放送作品情報

海辺のホテルにて

HOTEL DES AMERIQUES 1981年 フランス / 94分 ドラマ ラブロマンス

亡き恋人の思い出に生きる女と、一途な想いを寄せる男──カトリーヌ・ドヌーヴが魅せる大人の恋物語
放送日時
2020年02月26日(水) 深夜 04:00 - 06:00
2020年03月30日(月) 08:15 - 10:00
解説

大人の円熟味を増したカトリーヌ・ドヌーヴが、撮影翌年に自殺したパトリック・ドヴェールとしっとり紡ぐ大人の恋物語。フランスの避暑地ビアリッツで撮影し、うら寂しい冬の情景が主人公たちの心象を哀切に彩る。

ストーリー

リゾートシーズンを終えて人気の途絶えたフランスの港町ビアリッツ。深夜勤務を終えてアパートまで車を運転していた看護師エレーヌは、車を横切った一人の男をひきそうになってしまう。幸いにも男にケガはなく、ジルという男性はエレーヌの美しさにたちまち惹かれる。ジルはエレーヌに熱烈なアプローチを仕掛けるが、エレーヌは最愛の恋人を海難事故で亡くした心の傷を引きずっていて、ジルの愛を受け入れられず戸惑う。

監督・脚本

アンドレ・テシネ

出演

カトリーヌ・ドヌーヴ
パトリック・ドヴェール
サビーヌ・オードパン
ジョジアーヌ・バラスコ
ほか

字幕/吹替
字幕
掲載制限
なし
カラー/白黒
カラー
画面サイズ
ワイド画面
HD
※【ザ・シネマHD】にご加入の方は、
HD画質でご覧頂けます。

オススメキーワード

  • 鑑賞日 2019/10/17

    年上の女と年下の男による恋愛もの。 相手役の男が自分勝手でワガママなバカ男なので、大人の女性がこんなの相手にするとは思えない。 主演の30代後半になるカトリーヌ・ドヌーヴがとにかく美しく、20代や50代の頃よりも勝っているくらい。 トホホな物語ではあるが、フィリップ・サルドの美しい音楽とドヌーヴの美貌を拝む価値はある。

  • 鑑賞日 2019/10/9

    ドヌーブは無表情がよく似合う

    他の女優が演じたら鼻持ちならないだろう。この頃のスタイルを維持して欲しかった。

  • 鑑賞日 2015/10/11

    冷たいドヌーヴと冬のビアリッツ

    1981年のアンドレ・テシネ監督作品。彼は70年代から活躍していて、国際的に知られるようになったのはイザベル・アジャーニ主演の『バロッコ(1976)』あたりからだろう。夜のアムステルダムという舞台設定、死んだ恋人と瓜二つの男の登場といった、ミステリ好きを唸らせるような雰囲気を持つ犯罪映画であった。テシネ監督のフィルモグラフィを眺めると『夜を殺した女(1986)』『深夜カフェのピエール(1991)』『夜の子供たち(1996)』といった具合に「夜」という字が、原題とは無関係に(例えば『夜の子供たち』の原題は『泥棒たち』)入れられているのが発見できる。これは内容や映像のルック的に、日本公開用のタイトルに「夜」を入れたいという衝動に駆られる作品が多いからだろう。そういう意味ではアンドレ・テシネ監督は夜の映画作家と言えるかもしれない。 本作の主要キャストはカトリーヌ・ドヌーヴとパトリック・ドベール。ドヌーヴに関してはフランス映画好きには、もはや説明不要ではあるのだけれど、80年代のドヌーヴはやはり素晴らしい。フランソワ・トリュフォー監督作品『終電車(1980)』との出会いや、『終電車』でのセザール賞主演女優賞受賞は、間違いなくターニングポイントとなっていて、演技開眼した大人のドヌーヴが見られるのが本作である。 そしてパトリック・ドベールは1974年のベルトラン・ブリエ監督作品『バルスーズ』でジェラール・ドパルデューと共に主演し、その無軌道で暴力的で、しかしながら繊細で神経症的な演技はフランス映画界に衝撃を与えた。新しいスタイルのフランス人スターの登場を確信させたが、『海辺のホテルにて』の公開の翌年、1982年に35歳で自ら命を絶ってしまった。日本で公開された作品は決して多くはないけれど、彼についてのドキュメンタリー映画が作られたり、彼の名前を冠した新人俳優賞がつくられたりと、フランスでは今尚大切にされている俳優である。 映画は疾走する車の視点で、カーブを曲がり、トンネルを抜け、海辺の道を走る映像で始まる。夜の映画作家らしくオープニングから深夜(あるいは夜明け前)のようで、他の車も歩行者も全くいない。それもそのはず、この映画の舞台はスペインにほど近い避暑地ビアリッツで、季節はシーズンオフの冬ということで閑散としているのだ。タイヤをキーキーといわせながら運転するのは仕事帰りの看護師エレーヌ(カトリーヌ・ドヌーヴ)、そこに突然人影が現れて、車を避けるために道路に転んでしまう男がジル(パトリック・ドベール)で、こうして男女が出会うのである。 車に轢かれそうになった男が、轢きそうになった女の魅力に惹かれているのは明白で、起き上がるとすぐにお茶に誘うほどの一目惚れだ。レストランではエレーヌは事故について何かテーブルで書いているということもあり、ほとんど顔を上げず、目を見つめながらベラベラと喋るジルとは対照的である。エレーヌは顔を上げても、ジルが「あなたは目が眩むほど美しい」などと言うと、また顔を逸らしてしまう。エレーヌはただ単に相手の好意を退けるというより、自分が彼を好きになってしまわないようにブレーキをかけているようだ。それには理由があり、彼女はこの近くの海で建築家だった恋人を事故で亡くしていて、まだその過去を引きずっているのである。過去の傷が癒えていない女性と、母が経営する海辺のホテルで働く男性が次第に近づいていき、そして……という物語である。 デビュー当初から、冷たいとか、演技に熱がないという批判を受けてきたドヌーヴの、その冷たさというものを、過去を背負った暗さとして利用し演出するテシネ監督の手腕、そして自分に貼られたレッテルを分かった上で自覚的に冷たさを、つまりドヌーヴらしさを表現した彼女の女優魂は見ものである。 テシネ監督の作品は『ブロンテ姉妹(1979)』や『かげろう(2003)』や本作のように地方を舞台として、そこでなければならない映画がいくつかある。本作の場合、舞台をパリや夏のビアリッツに置き換えると、映画的に明らかに弱くなるのだ。エレーヌとジルの関係性やエレーヌの精神状態を、台詞など無しで映像だけで表現するには、うら寂しいシーズンオフのビアリッツの風景が一番なのである。そこにフィリップ・サルドの哀愁漂うメロディが流れると、男と女が立っているだけで、2人の状況やその後の展開も予測できるほど、冬のビアリッツは多くを物語っている。 本作では死んでしまったエレーヌの元恋人が、彼女のために建てた邸宅が出てくる。エレーヌは恋人の死後誰も入れず、門を閉ざしていた邸宅の前に、ジルを連れて行く。その時ジルは急用を思い出して帰ってしまうのだけれど、次は中に入り、2人で掃除などをする。門を閉ざした邸宅が彼女の心のメタファーになっているのは明白で、恋人の死後初めてジルはエレーヌの心に入るのだ。そして、「ここで一緒に暮らそう」とまで言っていた2人だけれど、エレーヌの心である邸宅の鍵を、ジルが最終的にどのように扱うかが文字通り物語のキーとなるだろう。 本作は地方のうら寂しさや俳優の個性を最大限に活かした佳作であり、ラストカットのパトリック・ドベールの表情がこの映画の全てである。

  • 鑑賞日 1984/7/13

    アンドレ・テシネ

    1984年7月13日に鑑賞。大阪・サンケイホールにて。 アンドレ・テシネ、カトリーヌ・ドヌーブの佳作である。