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COLUMN/コラム2022.10.11
カトリック牧師のストイックな信念にレジスタンス精神を投影したメルヴィルの異色作『モラン神父』
若き牧師の道義心に共鳴し、やがて惹かれていく未亡人の葛藤 フレンチ・ノワールの巨匠ジャン=ピエール・メルヴィル。マフィアや殺し屋、詐欺師など裏社会で生きる男たちの友情と裏切りと道義心をテーマに、『いぬ』(’63)や『ギャング』(’66)、『サムライ』(’67)、『仁義』(’70)といったノワール映画の名作を世に送り出したわけだが、そんなメルヴィルが第二次世界大戦下のフランスの田舎を舞台に、若い牧師に恋をした女性の戸惑いと葛藤を描いた異色作が、ジャン=ポール・ベルモンドとの初コンビ作ともなった『モラン牧師』(’61)である。 ナチス・ドイツ占領下のフランス。アルプスの麓の小さな田舎町に住む女性バルニー(エマニュエル・リヴァ)は、ユダヤ人の夫を戦場で亡くして幼い娘をひとりで育てる未亡人だ。町に駐留しているイタリア兵は住民に対して友好的ではあるものの、しかし戦時下の日常には様々な不安がつきまとう。女性ばかりの職場で働いている彼女は、美人でやり手の女性上司サビーヌ(ミコル・ミレル)に淡い恋心を寄せることで、日々のストレスを紛らわせていた。 やがて町にドイツ軍がやって来る。最愛の娘にはユダヤ人の血が流れているし、自身も共産主義者であるバルニーは、同じように子供を持つ同志の女性たちと相談し、万が一のことを考えて子供たちにカトリック教会の洗礼を受けさせる。もちろん、あくまでもドイツ軍から我が子を守るためであり、バルニー自身は神の存在など信じていない。自分でも牧師の告解を受けようと考えた彼女は、そこで同世代の若い牧師レオン・モラン(ジャン=ポール・ベルモンド)と知り合う。無神論者であることを隠すことなく、神の存在やカトリック教会への疑問を問いただすバルニー。反発や批判を受けると思った彼女だが、しかしモラン神父はバルニーの疑問のひとつひとつを真摯に受け止め、参考になる本を貸しましょうと彼女を司祭館へと招待する。 振り返って、カトリックの司祭でありながら「宗教はブルジョワの利益のために歪められている」と本音を吐露し、常に弱者の側に立って自らの道義心に従い行動する本作のモラン神父もまた、紛れもないレジスタンス精神の持ち主であると言えよう。それを強く浮き彫りにするのが、ヒロインであるバルニーの存在だ。神の存在を否定する共産主義者であり、娘の安全を守ることが常に最優先だった彼女だが、しかしモラン神父との対話と交流を通じて宗教への理解を深め、我が身の危険も顧みず他者へ手を差し伸べていく。それは恐らく、モラン神父がその言葉と行動で示す「人としての正しさ」、すなわち彼の道義心に強く感化されたのだろう。 さらにモラン神父は自らの美しい容姿や知性によって、バルニーら様々な問題を抱えた女性たちを性的に惹きつける。メルヴィル監督曰く、「レオン・モランはドン・ファン」である。劇中でバルニーやクリスティーヌが察したように、彼は自らが男性として魅力的であることを自覚しており、それを用いて女性たちを夢中にさせるのだが、しかし決して彼女らの期待には応えない。それは聖職者としての節度をわきまえているからというよりも、まるで女性たちへ「誘惑に抵抗して克服する」ための試練を与えているかのようだ。そう考えると、バルニーを特別扱いしているように思えたモラン神父が、いきなり理由もなく彼女を突き放してみせる行動の不可解さも理解できよう。恐らく、他の女性にも同様のことをしているはずだ。これは、政治や思想に左右されることのない道義心を持つ聖職者が、その揺るぎなきレジスタンス精神をもって迷える子羊たちを教え導いていく物語。そういう意味で、やはりメルヴィル監督らしい映画と言えるだろう。 フランス文学界の権威ゴンクール賞に輝くベアトリス・ベックスの原作本に感銘を受け、当時ヨーロッパで最も影響力のある映画製作者のひとりだったカルロ・ポンティに映画化企画を持ち込んだメルヴィル監督。そこでポンティからモラン神父役に勧められたのがジャン=ポール・ベルモンドだった。ご存知の通り、ベルモンドとメルヴィルはジャン=リュック・ゴダール監督の出世作『勝手にしやがれ』(’60)で共演したことのある仲だ。当時、イタリアでポンティが製作するヴィットリオ・デ・シーカ監督の『ふたりの女』(’60)を撮影中だったベルモンドは、現場へ足を運んだメルヴィル監督から直接オファーを受けたものの、当初は出演に後ろ向きだったという。やはり、自分のイメージが聖職者役に合うかどうか懐疑的だったようだ。 『モラン神父』© 1961 STUDIOCANAL - Concordia Compagnia Cinematografica S.P.A. - Tous Droits Reserves
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COLUMN/コラム2020.02.04
11人の名監督は“NY同時多発テロの悲劇”をどう描いたか?『11’09’’01/セプテンバー11』
●「11分9秒1コマ」で描かれる11のエピソード 『11'09''01/セプテンバー11』は、2001年9月11日に起きたアメリカ同時多発テロ事件をモチーフにした短編映画を、11人の映画監督が競作したオムニバスだ。 参加したのは、イギリスからケン・ローチ、フランスからクロード・ルルーシュ、メキシコはアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、アメリカはショーン・ペン、日本からは今は亡き今村昌平ら、そうそうたる顔ぶれ。彼らに課せられたルールは、9・11をテーマにすること、そして11分9秒1コマぴったりに収めること。「11.09.01(2001年9月11日)」の日付にちなんで決められた時間である。 同じルールの上で創作上の自由を与えられた11人の監督たちは、それぞれの立場や作家性を明確に打ち出すことで、世界を震撼さえた大事件に対して11人11様の見方があることを提示してみせた。 短編オムニバスは、参加した映画作家の力量が横並びで陳列されるため、どうしてもクオリティやテイストのバラツキが目立ち、散漫になることが多い。だが『セプテンバー11』は、企画の意図がはっきりしていること、11分強という縛りによって観る側が退屈する前に次のエピソードに切り替わっていくこと、ほとんどの監督が11分でできることにフォーカスして創意工夫を懲らしていることなどから、企画物の短編オムニバスとしてかなりの水準にある。 ここで11作すべてについて解説すると、再現なく文字数を消費してしまうのでやめておく。代わりに、あくまでも筆者の個人的な基準から、特筆すべきだと思う作品をいくつか紹介しておきたい。 ●テロ事件からわずか1年の間に制作された意義と意味 冒頭を飾るのはイランの国民的映画監督モフセン・マフマルバフの長女で、20歳の時に『ブラックボード 背負う人』でカンヌ映画祭審査員特別賞に輝いたサミラ・マフマルバフ。舞台はアフガニスタンとイランの国境近く。アフガニスタンからの難民たちが、米軍の攻撃に供えてシェルターを作ろうと煉瓦を焼いている。そこに学校の先生が現れて、子供たちに呼びかける。「NYで悲惨な事件が起きました、犠牲者に黙祷しましょう」と。しかし外の世界のことを何一つ知らない子供たちには一切響かないのだ。 イギリスきっての社会派として知られる巨匠、ケン・ローチのエッジの立たせ方も凄まじい。ローチは1970年代にチリからロンドンに逃げてきた政治難民の男性(本物)を登場させて、1973年の9月11日にチリで起きたクーデターについて語らせる。ローチが『レディバード・レディバード』でも主演として起用したこと、ミュージシャンのウラジミール・ヴェガである(ヴェガは脚本と音楽も担当している)。 チリでは1970年に国民投票でサルバドール・アジェンデが大統領に選ばれたが、社会主義的な新政権を嫌ったアメリカの後押しを受けて軍部がクーデター起こした。大統領は死に、国中に左派弾圧の嵐が吹き荒れて3万人ものチリ国民が殺されたことを、ヴェガは悲しみを湛えながら静かに語るのだ。ヴェガとローチは、「9・11は決してアメリカだけの“悲劇の日”ではない」という現実を突きつけているのである。 アメリカ代表の監督として参加したショーン・ペンの作品は風変わりで切ないファンタジーだ。アーネスト・ボーグナイン演じる孤独な老人を主人公に、NYの片隅の日常を一種の映像詩に仕上げている。ネタバレを避けるために詳細は書かないが、テロそのものを描くことはせず、非常にパーソナルな物語を通じて社会から見捨てられた底辺の階層に目を向けている。ペンは演技の天才というだけでなく映画作家としても非常に才能のある人物であり、この短編ではあふれる才気と美しい詩情がみごとに融合している。 もしかすると、ショーン・ペンが真正面から9・11を描くことをから逃げたと考える人がいるかも知れない。しかし『セプテンバー11』が発表されたのは2002年の9月11日。つまりニューヨークのツインタワーが倒壊したあの衝撃からわずか一年しか経っておらず、記憶も極めて生々しい時期だった。ペンがあえて視線を市井の一市民に向けたことは、逆説的な意味で非常に政治的だったとも言える。つまりショーン・ペンは、アメリカが9・11の復讐をお題目にしてアフガンに侵攻している最中に、外に敵を求めることよりも、国内の格差社会の歪みを描くことを選択したと考えられるのだ(実際、アメリカがアフガンに続いてイラクに侵攻した際に、ペンほど正面から米政府を非難したハリウッドスターもいない)。 ●アメリカ以外の視点から9・11を相対化 同様に『セプテンバー11』が「ニューヨーク同時多発テロから一年以内に作られた」事実を改めて考えると、前述のケン・ローチやサミラ・マフマルバフらを含む監督陣が、いかに9・11を相対化しようとしていたかが伺い知れる。9・11の同時多発テロが「世界を震撼させた未曾有の悲劇」であったことは間違いない。だが彼らはあくまでも、自分たちの立っている位置から9・11がどう見えるかにこだわったのだ。 その結果、イスラエルのアモス・ギタイも(旧)、ボスニア・ヘルツェゴビナのダニス・タノヴィッチも、ブルキナファソのイドリッサ・ウエドラオゴも、9・11を特別視しようとはせずに、自分たちの抱えている問題と並列させている。同時多発ゼロ事件の直後にアンチ・アメリカ中心主義なアプローチを選択した覚悟と勇気は、20年近く経った今だからこそより冷静に理解できることができるはずだ。 そして11本のどれもがある種の問題作である中で、最大の問題作と呼ぶべきなのは今村昌平が手がけた日本編である。というのも、今回の企画意図を最も拡大解釈したのが今村昌平だったからだ。今村が描いたのは、太平洋戦争で両腕を失った元兵士と、彼を取り巻く家族や村人たちのいびつなブラックコメディであり、9・11と絡めることすらしていないのである。 “日本編”の評価は、観る者によって大きく分かれるだろう。映画作家・今村昌平の自分を押し通すアクの強さに戸惑う人もいるだろうし、逆に日本の歴史と風土を追求することによって普遍性を獲得したという批評も成り立つ。興味深いのは、製作陣が“日本編”を11本の最後に持ってきたこと。この野心的なプロジェクトのトリを務めるのが相応しいと判断されたからか、それとも全体からあまりにも逸脱していて最後に持ってくるしか選択肢がなかったのか。ぜひ本作を観て、それぞれに答えを出してみていただきたい。■ 参考:【筆者の極私的『セプテンバー11』ランキング】 1位 アメリカ(ショーン・ペン監督)上映順:⑩ 2位 イギリス(ケン・ローチ監督)上映順:⑥ 3位 イラン(サミラ・マフマルバフ監督)上映順:① 4位 イスラエル(アモス・ギタイ監督)上映順:⑧ 5位 インド(ミーラー・ナーイル監督)上映順:⑨ 6位 ブルキナファソ(イドリッサ・ウエドラオゴ監督)上映順:⑤ 7位 フランス(クロード・ルルーシュ監督)上映順:② 8位 ボスニア・ヘルツェゴビナ(ダニス・タノヴィッチ監督)上映順:④ 9位 エジプト(ユーセフ・シャヒーン監督)上映順:③ 10位 日本(今村昌平監督)上映順:⑪ 11位 メキシコ(アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督)上映順:⑦ 『11’09”01/セプテンバー11』© 2002 STUDIO CANAL FRANCE -ALL RIGHTS RESERVED.
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NEWS/ニュース2019.08.27
8/26(月)よりタランティーノ監督の解説付き番組を独占放送!タランティーノ&ディカプリオ初2ショット来日!「世紀のクーデターと思う!」
今夜、8/26(月)よりクエンティン・タランティーノ監督の解説付き番組をザ・シネマで独占放送!番組情報はこちら視聴するにはこちら クエンティン・タランティーノ監督とレオナルド・ディカプリオが8月26日、東京都内で開催された映画「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(8月30日公開)の来日記者会見に出席されました。タランティーノ&ディカプリオが揃っての来日は初となります!またプロデューサーのシャノン・マッキントッシュも登壇しました。最初の挨拶でタランティーノが妻の妊娠への祝福に受けて喜びを語り和やかに会見がスタート。ザ・シネマではQ&Aで記者会見をご紹介します!今夜の放送前にぜひ、ご覧ください。 Q:「なぜ、デカプリオ&ブラピをキャスティングしたのか?」 A:タランティーノ「二人がこのキャラクターたちにぴったりだったから。自分が選んだというより彼らがぼくを選んでくれたと思うんです。選んでくれたのはラッキーだったし、沢山送られてくる企画書の中からきっとぼくの脚本が上の方にあったのだと思うし、内容にも個人的にもこのキャスティングができたのが世紀のクーデターと思う!」 Q:「どのように準備したか?」 A:デカプリオ「たくさんの往年の俳優さんたちをリサーチして参考にした。監督はシネフィルで、ものすごい知識の宝庫だから、いろんな作品や俳優を紹介されたよ。ある意味、この映画は、ハリウッド映画界を祝福する作品でもあると思う。このリサーチは素晴らしい経験になった」と、語った。 (※そして、、デカプリオ!シャノンさんに質問ありますか?と記者へ促す紳士ぷりを発揮!!) Q:「撮影でのエピソードは?」 A:シャノン「タランティーノの作品は本当にマジカルなものがあります!まさにファミリー。非常に多くのインスピレーションを受けるのです。撮影の準備など映画の撮影がないときはタランティーノの歴史の授業がはじまっていろんなことを学べるわけです。誰よりも映画をしっていますから。彼のスタッフは他の映画を断ってでも彼の作品に参加したい。喜びとありますし彼の仕事ぶりをみて感じたのは喜びと素晴らしさです!」「テイクを取った後に、タランティーノがOKを出すけどもう一回とるときになぜとながら、全員で「だってみんな映画つくりがすきなんだ!」というのがお決まり。本心で言っている」と貴重なエピソードを披露。 Q、皆さんの身の回りに起こった奇跡はなんですか? A、タランティーノ:「仕事からではなく一人のアーティストして映画を9本の映画が作ることができて、日本にきても自分がだれだか知られていて、ビデオストアで働いていた自分をふりかえると一人のアーティストして自分のみちのりを前にすすむという形で物語と幸運だし、このことを絶対わすれないでいる」 デカプリオ:「ぼくはLAで育ちました。この業界を知っているのでどれだけ俳優でいるのが大変なことがわかります。世界中からこの夢をもってハリウッドにきます。中々夢をかなえられないのが現状だと思うのです。ラッキーにも子供のころからハリウッドにいて学校がおわってオーデションを受けにいく生活ができたんだ、今、仕事があり決定権や選択肢があるのは俳優として奇跡だと思います!日々感謝しています」 シャノン:「大好きな業界で大好きな仕事ができる、そしてこの生活に耐えてくれる夫がいて二人の息子がいることが奇跡だと思います!」 映画作成には沢山のリサーチをした語るタランティーノ。本作の8月30日の公開まえに今夜からスタートする番組を予習にぜひお楽しみください。 <映画> 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』8月30日(金)全国公開 <番組情報> ■8/26(月)放送!タランティーノ監督のコメント到着! 「新作の舞台となった60年代の名作の数々を紹介します。一緒にたのしみましょう!わたしの新作はまもなく公開です。ぜひ、劇場で」★『イージー・ライダー』(※コメント抜粋)「ほぼあらゆる点において、1960年代の映画の最も偉大な例かもしれない」★『…YOU…』 (※コメント抜粋)「大好きな作品!エリオット・グールドの大ファンなんだ!彼の最高傑作の1つだと思うよ。(監督の)リチャード・ラッシュは反体制側の描き方が見事だと思う。」★『ボブ&キャロル&テッド&アリス』(※コメント抜粋)「監督のポール・マザースキーは70年代のコメディー監督の中でも大好きな監督!1969年だからこそ撮れた作品だと思う。“What The World Needs Now Is Love” を歌っちゃうほどお気に入り!」続きは放送で!!!! ■ 「タランティーノ監督が選び語る映画たち!(前解説・後解説付き8作品)」と、ディカプリオ&ブラピ主演2作品も放送! この解説付きの8作品を観ることで『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の理解度が深まります!映画の予習にもぜひ、お楽しみください。 <タランティーノ監督が選び語る!映画たち:放送日> ◎8月26日(月)『イージー・ライダー』23:00~/ 『草原の野獣』深夜01:00~ ◎8月27日(火)『サイレンサー第4弾/破壊部隊』23:00~/ 『 …YOU… 』深夜01:00~ ◎8月28日(水)『 (吹)手錠の男』23:00~/ 『ハマーヘッド』深夜00:30~ ◎8月29日(木)『ボブ&キャロル&テッド&アリス』23:00~/ 『サボテンの花』深夜01:00~ 番組情報はこちら視聴するにはこちらシネ女ちゃんはこちら
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COLUMN/コラム2018.10.11
舞台裏ではスターと監督の軋轢が?有象無象のならず者がメキシコ革命で暴れまわる痛快マカロニウエスタン!『ガンマン大連合』
マカロニウエスタンの巨匠と言えばセルジオ・レオーネだが、もう一人忘れてはならない同名の大御所がいる。それがセルジオ・コルブッチだ。スタイルとリアリズムを追求して独自のバイオレンス美学を打ち立てた芸術家肌のレオーネに対し、シリアスからコメディまでなんでもござれ、荒唐無稽もデタラメも上等!な根っからの娯楽職人だったコルブッチ。多作ゆえに映画の出来不出来もバラつきはあったが、しかし時として『続・荒野の用心棒』(’66)や『殺しが静かにやって来る』(’68)のような、とんでもない傑作・怪作を生み出すこともあった。そんなコルブッチには、メキシコ革命を舞台にした「メキシコ三部作」と一部のマカロニファンから呼ばれる作品群がある。それが『豹/ジャガー』(’68)と『進撃0号作戦』(’73)、そして『ガンマン大連合』(’70)だ。 主人公はスウェーデンからメキシコへ武器を売りにやって来たキザな武器商人ヨドラフ(フランコ・ネロ)と、靴みがきから革命軍のモンゴ将軍(ホセ・ボダーロ)の副官に抜擢されたポンコツのならず者バスコ(トーマス・ミリアン)。国境近くの町サン・ベルナルディーノでは、庶民を苦しめる独裁者ディアス大統領の政府軍と、実は革命に乗じて金儲けがしたいだけだったモンゴ将軍の一味、そして非暴力を掲げて合法的に革命を遂行しようとする理想主義者サントス教授(フェルナンド・レイ)に心酔する若者グループが、3つの勢力に分かれて攻防を繰り広げていた。 モンゴ将軍に呼ばれてサン・ベルナルディーノに到着したヨドラフ。その理由は、町の銀行から押収したスウェーデン製の金庫だった。鍵の暗証番号を知る銀行員を殺してしまったため、スウェーデン人のヨドラフなら開け方が分かるだろうとモンゴ将軍は考えたのだ。成功したら中身の大金は2人でこっそり山分けするという算段。ところが、頑丈な金庫はヨドラフでも手に負えない代物だった。唯一、暗証番号を知っているのはアメリカに身柄を拘束されたサントス教授だけ。そこでモンゴ将軍は、万が一の裏切りを用心してバスコを監視役に付け、アメリカの軍事要塞に捕らわれているサントス教授をメキシコへ連れ戻す使命をヨドラフに託すこととなる。 …ということで、道すがら女革命戦士ローラ(イリス・ベルベン)率いるサントス派の若者たちの妨害工作に遭ったり、ヨドラフに恨みを持つアメリカ人ジョン(ジャック・パランス)の一味に命を狙われつつ、過酷なミッションを遂行しようとするヨドラフとバスコの隠密道中が描かれることとなるわけだ。 ド派手なガンアクションをメインに据えた痛快&豪快なマカロニエンターテインメント。荒々しいリズムに乗ってゴスペル風のコーラスが「殺っちまおう、殺っちまおう、同志たちよ!」と高らかに歌い上げる、エンニオ・モリコーネ作曲の勇壮なテーマ曲がオープニングからテンションを高める。革命の動乱に揺れるメキシコで、有象無象の怪しげな連中が繰り広げる三つ巴、いや四つ巴の仁義なき壮絶バトル。コルブッチのスピード感あふれる演出はまさに絶好調だ。終盤の壮大なバトルシーンでは、『続・荒野の用心棒』を彷彿とさせる強烈なマシンガン乱射で血沸き肉踊り、フランコ・ネロの見事なガンプレイも冴えわたる。コルブッチのフィルモグラフィーの中でも、抜きんでて勢いのある作品だと言えよう。 もともとマカロニウエスタンはロケ地であるスペインの土地や文化が似ている(元宗主国だから文化が似ているのは当たり前だけど)ことから、メキシコを舞台にした映画はとても多いのだが、その中でもメキシコ革命を題材にした作品と言えば、左翼革命世代の申し子ダミアーノ・ダミアーニ監督による社会派西部劇『群盗荒野を裂く』(’66)を思い浮かべるマカロニファンも多いだろう。しかし、コルブッチはダミアーニではない。確かに『豹/ジャガー』は左翼的メッセージがかなり強く出た作品だったが、あれはもともと『アルジェの戦い』(’66)で有名な左翼系社会派の巨匠ジッロ・ポンテコルヴォが監督するはずだった企画で、コルブッチは降板したポンテコルヴォのピンチヒッターだった。政治色が濃くなるのも当然だ。その点、コルブッチ自身が原案を手掛けて脚本にも参加した本作は、基本的に荒唐無稽なエンタメ作品に徹している。世界史に精通していたと言われる博識なコルブッチが、あえてメキシコ革命の史実を無視するような描写を散りばめているのも、その決意表明みたいなものかもしれない。 ただ、脚本の中に政治的な要素が全くないかと言えばそうでもない。金儲けのためなら政府軍にも革命軍にも武器を売る現実主義者ヨドラフ、革命の理想など特に持たず軍隊で威張り散らしたいだけのお調子者バスコ。この火事場泥棒みたいな2人が隠密道中を通じて、市民革命の強い理念に従って行動するサントス教授と若者たちに、少しずつ感化されていく過程が見どころだ。特に、マカロニウエスタンで野卑なメキシコ人を演じさせたら右に出る者のない名優トーマス・ミリアンが演じるバスコのキャラは興味深い。 棚ぼた式にモンゴ将軍の副官となり、虎の威を借る狐のごとくヒーロー気取りで振る舞う、もともと革命の精神とは全く縁のなかった貧しく無教養な男バスコ。「メキシコ人をバカにするな」「外国人と通じている女は罰してやる」「インテリは本と一緒に焼かれろ」。こういう偏った主張をする人間が、政治的混乱に乗じてマウントを取っていい気になるのは、古今東西どこにでもある光景だろう。しかし、そもそもがコンプレックスをこじらせただけのバカであって、根っからの悪人というわけではない。そんな単細胞な男が教養豊かなサントス教授から、本来の革命精神とは相容れない国粋主義の矛盾と欺瞞を説かれ、あれ?俺って実は悪人の側だったわけ?と気づき始め、純粋に自由と正義を信じて革命に殉じていく若者たちに感情移入していく。この視点はなかなか鋭い。 なお、マカロニブームを牽引した2大スターのフランコ・ネロとトーマス・ミリアンだが、映画で共演したのはこれが初めて。ミリアンにとっては意外にも初のコルブッチ作品だった。一方のネロはコルブッチ映画の常連組。監督が彼のアップばかり撮ることに嫉妬したミリアンは、電話でコルブッチに泣きながら抗議したと伝えられている。ただし、イタリア映画の英語版吹替翻訳で有名なアメリカ人ミッキー・ノックスによると、逆にコルブッチがミリアンにばかり気を遣うもんだから、不満に思ったネロがへそを曲げてしまったそうだ。ん~、どっちが本当か分からないが、しかしどっちも本当だという可能性もある。ミリアンがごねる→コルブッチが気を遣う→ネロがへそを曲げる、という流れならあり得るかもしれない。いずれにせよ、コルブッチとネロのコラボレーションはこれが最後となり、当初コルブッチが手掛ける予定だった『新・脱獄の用心棒』(’71)の出演もネロは渋ったという。結局、ドゥッチオ・テッサリが監督に決まったことで引き受けたのだが。いやはや、スターって面倒くさいですね(笑)。 なお、本場ハリウッドの西部劇でもお馴染みのジャック・パランスは、コルブッチの『豹/ジャガー』に続いてマカロニへの出演はこれが2本目。フェルナンド・レイも『さすらいのガンマン』(’66)以来のコルブッチ作品だ。また、ローラ役のイリス・ベルベンはドイツのテレビ女優。『続・荒野の用心棒』以降のコルブッチ作品に欠かせないスペインの悪役俳優エドゥアルド・ファヤルドが冒頭で政府軍の司令官を、ドイツの有名なソフトポルノ女優カリン・シューベルト(後にハードコアへも進出した)がヨドラフと昔なじみの売春婦ザイラを演じている。◾️
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COLUMN/コラム2017.11.30
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2017年12月】にしこ
監督自身、アイルランドからアメリカへ移住し、自らの夢を叶えた人物。作中の様に、奇跡の様な飛び道具キャラクターの存在は実際あったかわかりませんが、当時の自分と家族のもがきを懐かしく、そして同じ様な経験をしたであろう、多くの他国からアメリカへやって来た人たちへの暖かく愛しい目線で描かれる名作です。2人の娘、クリスティとアリエルを連れてカナダ経由でアメリカにやってきたジョニーとサラ夫妻。入国規制が緩いカナダ経由でNYに入ろうとした冒頭から緊迫感が漂います。なぜ彼等はアイルランドからニューヨークへやってきたのか。言葉では言い表せない喪失をなんとか心機一転に変えるためにやってきたその理由は、作中で明かされます。小学校高学年の長女クリスティは長女らしいしっかり者。いつもハンディカムを回して家族を撮影しています。それは彼女が家族を俯瞰で観察し、必要とあればその均衡あやうい絆のバランスを保つため。物語は彼女の目線で語られていきます。一方幼い妹のアリエルは、その天真爛漫さで、新天地であるニューヨークの生活を子供ならではの柔軟性で楽しみ、家族を和ませます。そんな2人と対照的に、両親であるジョニーとサラは、まだぬぐいきれない喪失感と日々の生活の苦しさに余裕のない毎日。サラはジョニーに言います。「幸せなフリをして。子供たちのために。お願い」と。どんなに愛し合っていても、それだけでは超えられない悲しみがある。人には人それぞれの悲しみがあり、それを肩代わりすることはできないから。そんな生活の中、ヤク中患者の巣窟の様なニューヨークの治安の悪い地域のマンションに住む家族は、ハロウィンをきっかけに、謎の隣人マテオと出会う事になります。アリエルが「トリック・オア・トリートをやってみたい!」と言い出した事がきっかけ。これは、アイルランドからやってきた家族、というところに重要な意味が有ります!なんとアイルランドはハロウィン発祥の地でありながら「トリック・オア・トリート」がありません!これは、アメリカで生まれた独自の風習。アイルランド本国ではハロウィンは精霊や妖精が集うお祭りなので、日本でいうとねぶた祭りみたいに、でっかい山車が街を凱旋する。みたいなお祝いの仕方をします。(アイルランド在住1年。ザ・シネマ編成部にしこ体験談。)謎の隣人マテオははたして何者なのか?何者かどうかはさておき、彼との出会いで家族の運命が変わっていきます。学校の課題でハロウィンのコスチュームを作る事になった姉妹。姉のクリスティが「秋」の仮装をしたことを指摘された時に、「autumだね!」という母に「fall」よ!といいます。アイルランドでは秋の事を「オータム」と、アメリカでは「フォール」と言う。こういった文化の違いに子供たちが日々学び、格闘している姿をさらっと描くところも名匠の手腕。そして、クリスティ、アリエル姉妹を演じた実際の姉妹であるボルジャー姉妹。彼女達の純度の高いあの日々しか撮りえなかった瞬間を収めたというだけで、この作品には価値があると思います。クリスティが学校の学芸会で「デスペラード」を独唱するシーンの尊さ。アリエルの底抜けな純真さ。あえていいたい。この作品の主役は彼女達です。この作品の脚本は、監督のジムと娘の共同で書かれたもの。苦しく、懐かしく、そして輝かしかった日々であったことが、この作品を観ればわかります。必見です。■ © 2003 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
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COLUMN/コラム2014.05.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年6月】キャロル
『ラブ・アクチュアリー』のリチャード・カーティス監督が、60年代英国に実在した海賊ラジオ局をモチーフに描く傑作エンターテインメント。個性豊かな8人のDJたちが織りなす自由でクレイジーな日々が、どうしようもなくアホで、カッコ悪くて、気まずいけど、そんな彼らのどこか悲しげな姿が「これぞロック・スピリットだ」と言わんばかりで最高にカッコ良く見えてきます。当然ながら音楽も最高!鑑賞後の後味もスッキリな映画NO.1なので、是非見てほしい一本です。 © 2009 Universal Studios. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2013.09.29
2013年10月のシネマ・ソムリエ
■10月5日『ある結婚の風景[HDデジタルリマスター版]』 研究者のヨハンと弁護士のマリアンヌは、結婚10年目を迎えた夫婦。順風満帆だった彼らの関係にヒビが入り、激しい口論を繰り返したのちに離婚へと至る過程を描く。巨匠I・ベルイマン監督が手がけた5時間のTVシリーズを、劇場向けに再編集した人間ドラマ。ひと組の夫婦の関係性に焦点を絞り、愛の本質を見つめ直した野心作だ。全6章構成のドラマの大半は夫婦の対話シーンで占められる。彼らの感情がすれ違い、エゴをぶつけ合う様は圧巻の迫力で、このうえなくリアルで濃密な心理劇となった。 ■10月12日『第七の封印[HDデジタルリマスター版]』 十字軍の遠征からスウェーデンに帰還した騎士が、疫病や魔女狩りで荒廃した祖国の現実を目の当たりにする。そんな騎士の行く手には不気味な死神が現れるのだった。中世ヨーロッパに死神を出現させ、信仰や人生の意味といった根源的なテーマを問いかける異色作。I・ベルイマン監督のファンに熱狂的に支持されている寓話である。幻想的なイメージと哲学的な思索に富んだ映像世界は、巨匠のフィルモグラフィの中でも異彩を放つ。“死神とのチェス”や“死の舞踏”などの名場面も鮮烈な印象を残す。 ■10月19日『ベティ・ブルー / 愛と劇場の日々[HDデジタルリマスター版]』 海辺のバンガロー暮らしの青年ゾルグと、風変わりなまでに野性的な少女ベティ。仏のJ=J・ベネックス監督が2人の激しくも切ない純愛を綴ったラブ・ストーリー。 当時新人のB・ダル演じるベティは、恋愛映画史上希にみる激情のヒロイン。その一途な愛情表現には異様な凄みがみなぎり、世界的なセンセーションを巻き起こした。ベネックスが斬新な色彩感覚を発揮した映像世界を、監督自身の監修によるHDリマスター版で放映。情熱的な恋人たちが思いがけない運命をたどるラストも衝撃的だ。 ■10月26日『ブラインドネス』 ブラジルのF・メイレレス監督による異色サスペンス。ノーベル賞作家ジョゼ・サラマーゴの小説「白の闇」を原作に、人間を失明させる奇病が蔓延した終末世界を描く。 視力を失った人々は政府によって隔離され、収容所に押し込められる。やがて権力闘争やパニックが勃発する密室内の人間模様を、息づまる緊迫感をこめて映し出す。国際色豊かなキャストが結集し、日本からは伊勢谷友介と木村佳乃が夫婦役で参加。かすかな希望を感じさせながらも、謎めいた余韻を残すエンディングに注目を。 『ある結婚の風景[HDデジタルリマスター版]』©1973 AB Svensk Filmindustri 『第七の封印[HDデジタルリマスター版]』© 1957 AB Svensk Filmindustri 『ベティ・ブルー/愛と激情の日々[HDデジタルリマスター版]』©Cargo Films / Gaumont All Rights Reserved. 『ブラインドネス』(c)2008 Rhombus Media/O2 Filmes/Bee Vine Pictures
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COLUMN/コラム2012.12.22
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年1月】山田
他人とのしがらみを避けるリストラ宣告人に人生の転機が訪れる…。現代人の人間関係を温かくシニカルに問う哀歓ドラマ。名匠アイヴァン・ライトマンの息子ジェイソンが父譲りのユーモア・センスを遺憾なく発揮する本作において、主演のジョージ・クルーニーはまさにはまり役!スーツ姿はバチっとキマり、世界の航空会社のキャビンクルー御用達ブランドtravelpro社製スーツケースを颯爽と転がす姿は、超絶ナイスミドル。企業の人件費削減の流れに伴うリストラの増加や、最近のネット社会からポイントカード依存症まで。複雑な現代社会を生き抜く皆様にとっておきの、“主人公がこれまでの生き方を見つめ直す系ムービー”! Copyright © 2012 DW STUDIOS L.L.C. and COLD SPRING PICTURES. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.05.25
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年6月】山田
国営ラジオでレコードの放送時間が制限されていた'60年代英国に実在した、海賊ラジオ局をモチーフに描く群像劇。そして、ロック(当時はまだ“ポップ・ミュージック”と呼ばれていたらしい)を愛するすべての大人に捧げる青春音楽ドラマ。映画冒頭のキンクス「All Day and All of the Night」。イントロだけで血湧き肉躍る!権利のせいかお金のせいか、ビートルズは残念ながら一曲もかかりませんが、60年代後半の名曲がこれでもかというほど流れます。大音量での鑑賞を強くおすすめします! © 2009 Universal Studios and Medienproduktion Prometheus Filmgesellschaft GmbH & Co. KG. All Rights Reserved.
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NEWS/ニュース2010.03.26
長塚京三さんが語る俳優ジョージ・クルーニーとは、あるいは試写会担当者の雑感
去る3月10日(水)新宿明治安田生命ホールにて、視聴者の皆様をご招待したザ・シネマ主催による新作映画『マイレージ、マイライフ』特別試写会を実施しました!150組300名様ご招待のところ、ナントそのウン十倍の応募数!たくさんのご応募、本当にありがとうございました!今回残念ながら抽選に漏れた方も次の機会にも是非ご応募下さい!さて当日。普段視聴者の方々と直接お会いする事が少ない我々ザ・シネマ編成部員も、この日は貴重な機会としてほぼフルメンバーでスタンバイ!タイトな時間で諸々準備を終えて予定通り18時開場。お客様をお迎えする事が出来ました。いよいよ本番スタート! 今回の試写会では映画上映前のスペシャルイベントとして、長塚京三さんのトークショーを実施。既にご存知の通り、長塚さんは現在ザ・シネマで毎週土曜朝10時からクラシック映画の名作をおおくりする「赤坂シネマ座」で、名作の魅力を紹介するオリジナル解説番組「シネマの中へ 長塚京三 映画の話」のナビゲーター。言わば“ライブ版シネマの中へ”開催です!長塚さんも視聴者の方々に直接お話出来る事に大変喜ばれていて、いつもの番組の雰囲気よりフランクな感じで語り始めました。観客の皆様に純粋な気持ちで映画を楽しんで欲しいと、本作の内容については語らなかった長塚さん。ただし本作主演のジョージ・クルーニーについては「何をやってもブレない。自分自身を笑えるスマートさがある。」と述べ、「平均的なアメリカの明るさを持っているから、彼の映画ならどの作品でも付き合える」と絶賛されました!また、長塚さん自身の“映画体験”についても言及。「3歳ぐらいから父に連れられて映画館に通った。学生の時は家から弁当を持って映画館をハシゴしていました。学校にはほとんど行かず1年に400本近く観てました」という程の映画好きだったそう。 さらには、俳優である自分の師匠も、映画の中のポール・ニューマンやヘンリー・フォンダとのこと。そして一番好きな映画として、ポール・ニューマン主演の『暴力脱獄』(1967年)を上げられていました。映画『マイレージ、マイライフ』は、アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した『JUNO/ジュノ』(2007年)のジェイソン・ライトマン監督最新作。敏腕リストラ宣告人の人生の転機を描く人間ドラマで、ゴールデングローブ賞最優秀脚本賞など60冠以上を獲得した話題作。ただいま全国公開中です!これに合わせてザ・シネマでは、ジョージ・クルーニー主演のサスペンス・アクション大作『ピースメーカー』を4月10日(土)に放送!こちらも是非ご覧下さい!!■ TM & (c) 2009 DREAMWORKS LLC. ALL RIGHTS RESERVED.