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COLUMN/コラム2014.05.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2014年6月】にしこ
かわいいルックス+優しくてチャーミングな性格+ものすごい優柔不断→女性にモテる!という女性ならば「悔しい、でもかわいい!」と思ってしまう主人公チャールズを演じるヒュー・グラントのかわいさが絶頂だった無敵のモテ時代のモテ映画です。そんなモテ男の→が向いているのはこれまた問答無用のモテ女・キャリー。ミステリアスで駆け引き上手で美しい。冷静に考えると「やな女!」なのですが、魔性系ながらも暖かみを感じさせ「友達になれそうかも」と思える様なキャリーというキャラクターを作り上げたのはアンディ・マクダウェルのどこか包容力を感じさせる存在感なのでしょうか?1つめの結婚式で運命的に出逢い、3つの結婚式と1つのお葬式を経て、彼らがたどり着いた「自分たちの恋愛の形」とは?わかっているけど、くやしいけれど、チャールズはやっぱり魅力的だし、キャリーはやっぱりいい女なんです。そして脇を固めるチャールズの友人たちのまた魅力的なこと!少し風変わりで、シニカルで、でも愛情深い。「愛」を感じる映画です。ちなみに、3つの結婚式すべてに登場する神父役のローワン・アトキンソンの抱腹絶倒のマスター・オブ・セレモニーっぷりにも注目!!そしてそしてネタバレになってしまうかもしれませんが、1つのお葬式で、登場人物の1人が愛する恋人へ「funeral blues」という詩を捧げるシーンは、本当に胸を打つ映画史に残るお葬式シーンだと思います。必見!! FOUR WEDDINGS AND A FUNERAL © 1994 ORION PICTURES CORPORATION. All Rights Reserved
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COLUMN/コラム2009.12.31
なぜ男はマフィア映画を愛するのか?『フェイク』
男はマフィア映画が好きだ。強さ、たくましさ、切なさ、野心、哀愁、友情…。マフィア映画には、それらすべての要素が入っている。以前、このブログで「女性はおしなべて姫になりたがる」と書いたけれど、「男はおしなべてマフィア映画好き」はそれと対をなすと思う。そして、マフィア映画のスターといえば、筆頭はやはり『ゴッドファーザー』『スカーフェイス』のアル・パチーノだろう。 本作『フェイク』では、うだつのあがらないマフィア、レフティを演じている。アル・パチーノほどの役者が、シケたマフィア役にハマるのか心配だったのだが、観た瞬間にその心配は吹っ飛んでしまう。レフティはどう見てもプライドだけが高い、シケたマフィア。なのに存在感がある。もう一人の主役は、FBIの囮捜査官としてレフティに近づくジョニー・デップ演じるジョー。ジョーは、自らをダニーと名乗ってレフティの弟分になることに成功し、常に行動をともにするようになる。FBI本部からの指令を着実にこなしながらも、レフティに全幅の信頼を置かれるようになるジョー。ところが潜入が長引く間に、ジョーは組織を取り仕切るボスのソニーにまで目をかけられはじめ、レフティを差し置いて出世してしまう。プライドを傷つけられながらも、恨みがましいことをいうわけでもないレフティ。その姿に、ジョーはいつしか潜入捜査官という立場でありながら、友情にも近い感情を抱き始めていた。男はマフィア映画をなぜ愛するのか? 僕が思うに、それは“憧れ”という言葉だけでは片付けられない。もっと強い、いわば共感や同情、自己投影といった感情が近いと思う。現実的には、マフィアの世界はほとんどの人にとって縁遠い。だが、本作『フェイク』をはじめとする多くのマフィア映画で描かれるのは、実は自分たちを取り囲んでいる世界とほとんど変わらない。どれだけ嫌であっても従わなければいけない命令があり、媚びへつらわなければいけない相手がいる。どんなことをしてでも、金を稼がなければいけないときがあり、自分が助かるためには仲間を裏切らなければいけないときもある。後輩に出世で追い抜かれることもあり、それでも野心を失うことのできない自分がいる。マフィア映画は男が生きる社会の縮図そのものだ。それゆえ男たちはマフィア映画に共感し、同情し、自分を重ね合わせる。物語の終盤、ソニーとレフティが、ダニーが潜入捜査官であることを示す証拠写真をFBIに突きつけられた後に語るシーンがたまらなくいい。ソニー「ダニーを知らなきゃ、騙されるとこだ」レフティ「ああ、ダニーを知らなきゃな」ソニーはマフィアのボスらしく、誰に対しても用心深い。ところがそんなソニーでさえ、ダニーが自分たちを裏切るわけがないと全幅の信頼を置いている。レフティもソニーの言葉に同意する。ソニーとレフティだけでなく、ダニーも彼らを信頼していなければ、こんな言葉はでてこない。映画『ユー・ガット・メール』にこんな科白がある。「人生に必要なことは全部『ゴッド・ファーザー』に書いてある」『フェイク』もそんな映画のひとつなのである。■ (奥田高大) Copyright © 1997 Mandalay Entertainment. All Rights Reserved.