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COLUMN/コラム2013.08.30
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年9月】うず潮
マフィアに最愛の妻を殺され、ありえないくらい号泣するヴァン・ダムの姿はなかなか見られない!アクションスターが見せる苦悩する姿は、哀愁を感じます。さらに、落ち込むヴァン・ダムを献身的に助ける仲間の友情はぐっときます。でもそこはアクションスター。得意のマーシャルアーツ、バイク&カー・チェイス、銃撃戦で敵をぶった倒すその姿は、ほぼ最強!ハードなアクション映画が見たくなったらこの1本がお勧めです! © UKF3
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COLUMN/コラム2013.08.02
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年8月】招きネコ
映画館で号泣してエンドクレジットが流れる暗闇の中で明るくなる前に必死に涙を拭いた記憶ってありますよね?この作品を映画館で見た25年前のその記憶がまだ鮮明にあります。この作品のエンディングを私は生涯決して忘れないでしょう。 1944年、第二次世界大戦末期のナチス占領下のフランス。パリから田舎のカトリックの寄宿学校に疎開している12歳の少年ジュリアンは、転校生のジャンと仲良くなる。だが、ジャンは実はユダヤ人でナチスの探索の手を逃れて学校に匿われていたのだった。そして、ある事件をきっかけに密告があり、学校にナチスがやってくる・・・。 「死刑台のエレベーター」の巨匠ルイ・マルは自らの少年時代の生涯忘れられない記憶を約半世紀の時を経て遂に映画化しました。彼自身、この体験があまりに重くて、撮影中本当に辛かったと語っています。いわば、この作品はそんな思いをしても映像化しなければならなかった、彼が伝えなければいけないメッセージを持った作品なのです。それは、「戦争のむなしさ」そして「人間の素晴らしさ」。この映画は静かで美しい、一切戦闘シーンのない反戦映画です。殺伐とした昨今の世情の中、ぜひ多くの人に見て欲しい。 © 1987 Nouvelles Editions de Films
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COLUMN/コラム2013.07.27
2013年8月のシネマ・ソムリエ
■8月3日『ミレニアムドラゴン・タトゥーの女』 スティーグ・ラーソンの世界的なベストセラー小説「ミレニアム」3部作の第1作を映画化。原作者の母国スウェーデンなど3ヵ国合作によるオリジナル版である。大財閥一族の少女が40年前に失踪した怪事件。社会や人間の闇に切り込みながら、その解明に挑むジャーナリストと異形の女性天才ハッカー、リスベットの姿を描き出す。リスベットの人物像を強調したハリウッド・リメイク版(11)よりも謎解きのパートが充実。手がかりの写真や暗号の解析場面など、随所に魅惑のサスペンスが宿っている。 ■8月10日『さよなら子供たち』 『死刑台のエレベーター』の名匠ルイ・マルが、ベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した後期の秀作。1944年、ナチス占領下のフランスを舞台にした自伝的な物語である。 主人公は親元を離れ、カトリック系寄宿学校に疎開してきたジュリアン。12歳になっても寝小便の癖が抜けない彼は、偽名を使って転入してきたユダヤ人少年と出会う。あえて劇的な起伏を抑えた詩情豊かな映像世界は、終盤に急展開を迎える。子供の目線にこだわった友情の尊さ、そして戦争の不条理に胸締めつけられずにいられない。 ■8月17日『ブラック・スネーク・モーン』 米国南部を舞台に、妻に捨てられた黒人の元ブルースマンとセックス依存症の若い白人女性の交流を描く異色作。S・L・ジャクソン、C・リッチが衝撃的な役柄に挑んだ。主人公が半狂乱のヒロインを極太の鎖で監禁する場面など、序盤から驚愕シーンが続出。その半面、ブルース音楽や信仰を題材に、愛の喪失と再生を描いた寓話でもある。 ジャクソンが渋い歌声を聴かせ、リッチが血まみれシーンやヌードも辞さない熱演を披露。傷だらけの男女の“魂の叫び”を体現した、彼らの渾身の演技に圧倒される。 ■8月24日『さよなら、僕らの夏』 米国の新人監督J・A・エステスが発表した青春映画である。いじめっ子への復讐のためにボートでの川下りを計画した少年少女5人が、思わぬ悲劇を招き寄せてしまう。 主人公たちが直面するのは、友人の“死”というこのうえなく痛切な現実。夏の陽光きらめくオレゴン州のノスタルジックな情景とのコントラストが鮮烈な印象を残す。 思春期の子供たちの無邪気さと背中合わせの残酷さを、緊迫感をこめて繊細かつリアルに描出。一日の出来事の中に、その劇的な感情の移ろいを刻み込んだ演出が見事だ。 『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』© Yellow Bird Millennium Rights AB, Nordisk Film, Sveriges Television AB, Film I Väst 2009 『さよなら子供たち』© 1987 Nouvelles Editions de Films 『ブラック・スネーク・モーン』COPYRIGHT © 2013 BY PARAMOUNT VANTAGE, A DIVISION OF PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED. 『さよなら、僕らの夏』©2004 Whitewater films
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COLUMN/コラム2013.05.25
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年6月】銀輪次郎
野獣ハンター集団のまとめ役を演じるジョン・ウェイン、彼の男気たっぷりの魅力と小象の可愛らしさを存分に楽しめる作品。野獣ハンターといっても、生きたまま動物を捕まえるハンターですのでご安心を。アフリカの大自然を舞台に、キリンにサイに象やヒョウなど、動物追いかける映像は迫力満点。CGではないリアルな映像作品というところが、今のCG全盛の時代において、逆に魅力を感じる気がします。聞くところによれば、動物の捕獲シーンは全てノースタント。俳優達が体を張って捕獲します。そして、恋や笑いといった要素も盛り込んで、人情味溢れる作品に仕上っているところは、さすがの名匠ハワード・ホークスのなせる業。誰もが聞き覚えのある挿入歌「小象の行進」の他、ヘンリー・マンシーニが生み出す小気味よい音楽も、まさに往年の娯楽映画ならでは。ジョン・ウェインの男気に惚れた方は、ザ・シネマ6月の特集「Mr.アメリカ ジョン・ウェイン」もどうぞご覧ください。 COPYRIGHT © 2013 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
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COLUMN/コラム2013.04.28
2013年5月のシネマ・ソムリエ
■5月4日『野いちご』 ウディ・アレンらに多大な影響を与えてきたI・ベルイマン監督の代表作。ベルリン国際映画祭金熊賞などを受賞し、ベルイマンの世界的な名声を確立した傑作である。名誉博士の称号を授かることになった老教授が、ストックホルムからルンドへ車で向かう。その道中のさまざまな出会い、主人公の胸に去来する苦い思い出を映し出す。とかく哲学的で難解とされるベルイマン作品の中では共感しやすく、老いや孤独といった主題を繊細に紡いだ逸品。冒頭のシュールな“悪夢”は一度観たら忘れられない。 ■5月11日『サイコ リバース』 ネブラスカ州の田舎町を舞台にしたサイコ・スリラー。ある列車事故をきっかけに、地元の銀行に勤める物静かな青年ジョンの驚くべき“秘密”が明らかになっていく。主演は『麦の穂をゆらす風』『レッド・ライト』などのC・マーフィ。実力派の曲者俳優が『サイコ』の殺人鬼ノーマン・ベイツを彷彿とさせる多重人格者を演じた。妙なふたつの顔を持つ主人公の狂気と悲哀が渦巻くドラマが展開。日本では未公開に終わったが、E・ペイジ、S・サランドンらが脇を固めるキャストも充実している。 ■5月18日『処女の泉』 巨匠I・ベルイマンが民間伝承に基づいて撮り上げた深遠なドラマ。中世のスウェーデンを舞台に、3人の羊飼いに殺される少女の悲痛な運命と父親による復讐を描く。製作当時としては衝撃的な暴行シーンを生々しく映像化。殺人とその復讐を通して、神の沈黙や宗教的な赦しなどのテーマを探求した映像世界は今なお色褪せていない。荒涼とした北欧の山間部の風景、登場人物の鬼気迫る表情を捉えたスヴェン・ニクビストのカメラが秀逸。1972年のホラー『鮮血の美学』の元ネタにもなった名作である。 ■5月25日『死刑台のエレベーター』 ルイ・マル監督が弱冠25歳で撮り上げたデビュー作。愛人関係にある男女の完全犯罪が些細なミスから綻び、思わぬ事態へと発展していく様を描く犯罪サスペンスだ。決して手に汗握るスリルに満ちた作品ではないが、全編を覆う物憂げなムードが魅惑的。アンリ・ドカエ撮影の白黒映像とマイルス・デイヴィスの即興音楽が圧巻である。夜のパリをさまようヒロイン役はジャンヌ・モロー。のちにヌーベルバーグのミューズとなる名女優の鮮烈な美貌と、クールな頽廃をまとった情念が忘れえぬ印象を残す。 『野いちご』©1957 AB Svensk Filmindustri 『サイコ リバース』©2009 CORNFIELD PRODUCTIONS, LLC All Rights Reserved. 『処女の泉』©1960 AB Svensk Filmindustri 『死刑台のエレベーター』© 1958 Nouvelles Editions de Film
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COLUMN/コラム2012.11.28
2012年12月のシネマ・ソムリエ
■12月1日『戦場のアリア』 戦況が泥沼化していた第一次世界大戦下、フランス北部の村。そこで対峙するドイツ軍と、フランス&スコットランド連合軍との間に起こった信じがたい実話の映画化。戦場にオペラ歌手の歌声が響き渡ったことをきっかけに、両軍の間でまさかの休戦協定が実現。一触即発の緊迫感と人間臭いユーモアとともに、その顛末が描かれる。澄んだ歌声とバグパイプの音色が、クリスマスを背景にした物語を荘厳に彩る。映画向けの脚色が施されているとはいえ、誠実な反戦メッセージが心に響く一作である。 ■12月8日『ドリーマーズ』 5月革命に揺れるパリのシネマテークで、アメリカ人留学生の青年が双子の姉弟と出会う。映画が縁で意気投合した3人の関係は、危ういアバンチュールに発展していく。巨匠B・ベルトルッチが60年代カルチャーと映画の引用を詰め込んだ青春映画。若者たちが織りなす官能的で遊戯的な映像世界は、まさにはかなくも甘美な“夢”のよう。ベルトルッチがヒロインのイザベル役に抜擢したのは当時新人のエヴァ・グリーン。のちにボンドガールになった美人女優が、惜しげもなく豊麗な肢体を披露している。 ■12月15日『存在の耐えられない軽さ』 チェコ人作家ミラン・クンデラが、1968年の“プラハの春”を背景に紡いだ恋愛小説の映画化。監督は「ライトスタッフ」で名高いアメリカ人のフィリップ・カウフマン。 主人公トマシュは優秀な医師だが、奔放なまでに女好きの独身男。ヒロインのテレーザが、彼の“軽さ”と人生の“重み”を対比させるセリフが題名の意味を表している。3時間に迫らんとする長尺だが、男女の摩訶不思議な関係を掘り下げた物語には得も言われぬ魅惑が横溢。名手スヴェン・ニクヴィスト撮影の詩的な映像美も印象深い。 ■12月22日『ジンジャーとフレッド』 アメリアとピッポは、ハリウッド・ミュージカルの名コンビにあやかった芸名で人気を博した元有名人。30年前に引退した2人は、クリスマスのTV局で再会を果たす。作曲家ニーノ・ロータ亡き後の巨匠フェリーニが発表した晩年の一作。常連俳優M・マストヤンニと監督夫人J・マシーナは、意外にもこれが初めての共演作となった。TVのコマーシャリズムを痛烈に批判しつつ、猥雑なサーカスのようにショーの裏側を映像化。最大の見せ場は、主役2人が終盤に披露する哀歓豊かなダンスである。 ■12月29日『敬愛なるベートーヴェン』 近作「ソハの地下水道」も好評だったポーランドのA・ホランド監督の代表作のひとつ。聴覚障害を抱えた晩年のベートーヴェンと、彼を支えるひとりの女性の交流劇だ。1824年のウィーン。ベートーヴェンのもとに派遣されたアンナは、曲を譜面に書き起こすコピイスト。「第九」の歴史的な初演を間近に控えた2人の創作活動を描く。アンナは歴史上実在しない架空の女性だが、ベートーヴェンの伝記としても、痛切な師弟のドラマとしても見応え十分。中盤の「第九」演奏シーンは心震わす迫力だ。 『戦場のアリア』©2005 Nord-Ouest Production/Photos:Jean-Claude Lother 『ドリーマーズ』©2002 Miramax Film Corporation. All Rights Reserved Initial Entertainment Group 『存在の耐えられない軽さ』©1987 The Saul Zaentz Company. All Rights Reserved. 『ジンジャーとフレッド』© 1985 PEA Produzioni Europee Associate. 『敬愛なるベートーヴェン』© 2006 Film & Entertainment VIP Medienfonds 2 GmbH & Co. KG
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COLUMN/コラム2012.11.28
2012年12月のシネマ・ソムリエ
■12月1日『戦場のアリア』 戦況が泥沼化していた第一次世界大戦下、フランス北部の村。そこで対峙するドイツ軍と、フランス&スコットランド連合軍との間に起こった信じがたい実話の映画化。戦場にオペラ歌手の歌声が響き渡ったことをきっかけに、両軍の間でまさかの休戦協定が実現。一触即発の緊迫感と人間臭いユーモアとともに、その顛末が描かれる。澄んだ歌声とバグパイプの音色が、クリスマスを背景にした物語を荘厳に彩る。映画向けの脚色が施されているとはいえ、誠実な反戦メッセージが心に響く一作である。 ■12月8日『ドリーマーズ』
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COLUMN/コラム2012.10.29
2012年11月のシネマ・ソムリエ
■11月3日『パリ、テキサス』 カンヌ国際映画祭パルムドールに輝くヴィム・ヴェンダース監督のロードムービー。記憶を失い、アメリカ西部をさまよう男を主人公にした家族の断絶と再生の物語だ。放浪の主人公が目ざしていたのは、劇中には登場しないテキサス州パリという実在の町。主人公の孤独を表す荒野の風景、ライ・クーダーの哀愁のギター音楽が心に残る。主人公と息子の微笑ましい交流シーンに加え、観る者の目を奪うのは妻役のナスターシャ・キンスキー。マジックミラーを用いたクライマックスは忘れえぬ名場面である。 ■11月10日『ベルリン・天使の詩』 『パリ、テキサス』と並ぶ名匠ヴィム・ヴェンダースの代表作。東西冷戦末期のベルリンを舞台に、下界の営みを見つめる天使たちの姿を描いたファンタジーである。人間界への憧れを抱く天使ダミエルの心の移り変わりに沿って、白黒からカラーへ移行していく夢幻的な映像美。フランスの名手アンリ・アルカンによる撮影が絶品だ。天使とサーカスの舞姫との愛のドラマに宿ったロマンティシズムも本作の魅力。『刑事コロンボ』でおなじみのピーター・フォークの味わい深い助演もお見逃しなく! ■11月17日『マリリンとアインシュタイン』 マリリン・モンローなど1950年代のアメリカを象徴する4人の歴史的な有名人を模したキャラクターが登場。彼女らの人生が交錯する架空の一夜を映画化した異色作だ。ホテルの一室を舞台にしたシュールなディスカッション劇。『赤い影』などの映像派の鬼才ニコラス・ローグらしい視覚的ギミックやファンタジーがアクセントを添える。アインシュタイン博士を翻弄するモンロー役はローグ監督の夫人テレサ・ラッセル。“無意味”という原題にふさわしいラスト・シーンの大爆発スペクタクルに息をのむ。 ■11月24日『ローズ・イン・タイランド』 テリー・ギリアム版「不思議の国のアリス」というべきファンタジー。ジャンキーの父親の突然死によって、草原の一軒家に取り残された少女の悪夢的な冒険を映し出す。頭だけのバービー人形、草原の下に出現する海など、ギリアム監督ならではの美しくもグロテスクなイメージが噴出。少女の空想が現実をのみ込んでいく、そのスリル!ギリアムの少女愛を感じさせる小さなヒロイン役は「サイレントヒル」のジョデル・フェルランド。朽ち果てゆく死体に扮したジェフ・ブリッジスの怪演も見逃せない。 『パリ、テキサス』© 1984 REVERSE ANGLE LIBRARY GMBH, ARGOS FILMS S.A. and CHRIS SIEVERNICH, PRO-JECT FILMPRODUKTION IM FILMVERLAG DER AUTOREN GMBH & CO. KG 『ベルリン・天使の詩』© 1987 REVERSE ANGLE LIBRARY GMBH and ARGOS FILMS S.A. 『マリリンとアインシュタイン』COPYRIGHT © MCML XXX? ZENITH PRODUCTIONS LIMITED ALL RIGHTS RESERVED 『ローズ・イン・タイドランド』©2005 Recorded Picture Company and Capri Tideland Inc.
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COLUMN/コラム2012.10.29
2012年11月のシネマ・ソムリエ
■11月3日『パリ、テキサス』 カンヌ国際映画祭パルムドールに輝くヴィム・ヴェンダース監督のロードムービー。記憶を失い、アメリカ西部をさまよう男を主人公にした家族の断絶と再生の物語だ。放浪の主人公が目ざしていたのは、劇中には登場しないテキサス州パリという実在の町。主人公の孤独を表す荒野の風景、ライ・クーダーの哀愁のギター音楽が心に残る。主人公と息子の微笑ましい交流シーンに加え、観る者の目を奪うのは妻役のナスターシャ・キンスキー。マジックミラーを用いたクライマックスは忘れえぬ名場面である。 ■11月10日『ベルリン・天使の詩』
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NEWS/ニュース2012.07.03
アクションスター列伝【対テロリスト対決】結果発表!
『ナイトホークス』(シルヴェスター・スタローン)ニューヨークの刑事ディークに扮するシルヴェスター・スタローンが国際テロリストに挑む! VS 『ダブルチーム』(ジャン=クロード・ヴァン・ダム)CIAの対テロ秘密工作員だったクインに扮する、ジャン=クロード・ヴァン・ダムが家族を守るために宿敵に挑む!果敢にテロリストに立ち向かうのはどっちだ!?いざ、対決!今秋劇場公開される『エクスペンダブルズ2』で、待望の共演を果たすシルヴェスター・スタローンとジャン=クロード・ヴァン・ダム。どちらもテロリストと戦うには貫録十分な、マッチョ・ボティのアクション・スター。はたして、勝者はどっちだ!? 今でこそアクション・スターのイメージが強いスタローンだが、『ナイトホークス』に主演した頃は『ロッキー』シリーズが軌道に乗るも、まだ『ランボー』は生まれておらず、いわばキャリアの模索期。ヨーロッパからやってきたカリスマ的なテロリストに挑む、NY市警のおとり捜査官にふんした本作では珍しくヒゲ面で、『ランボー』以後ほどヒロイズムが強調されているワケではなく、むしろ『セルピコ』のアル・パチーノを連想させる血の通ったキャラクターだ。実績を買われてインターポールの特別捜査チームに編入されるが、市警の刑事が切れ者のテロリストと対峙するのは荷が重い。しかも、テロリスト役のルトガー・ハウアーは、この後の『ブレードランナー』でのブレイクが必然であったことを証明するかのように手ごわさを見せつけるのだから。しかし、だからこそスタローンのいつにない人間臭さが光っているのも事実。不器用だがガッツのある主人公像に、見る側の判官びいきも刺激されるというモノだ。■ 対する『ダブルチーム』も、ヴァン・ダムふんする対テロ・エージェントの身重の妻が敵の脅威にさらされ、そのテロリストにミッキー・ロークというクセ者俳優がふんしており、これらの構図だけで面白くなる点は共通する。しかし、こちらはヴァン・ダム出世後の作品だから、誰もが見たがっている彼のアクションを大々的にフィーチャー。得意のマーシャルアーツはもちろん、開脚ポーズをはじめとするアクロバティックな立ち回りをこれでもかと繰り出す。元NBAのスーパースター、デニス・ロッドマンを相棒役に迎え、“ドラッグ・クイーンか!?”と見まがうそのルックスと同様にアクションもトコトン、派手。ローマを旅行中の観光客は銃撃戦の犠牲になり、歴史的な文化遺産も爆破で吹き飛ばしてしまう、やり過ぎなほどの凄まじさだ。人間味の『ナイトホークス』とド派手な『ダブルチーム』。こうもタイプが異なると、正直どちらに軍配を上げるべきか迷ってしまうが、期待どおりの活躍を見せるヴァン・ダムはやや予定調和的だが、スタローンには潜入捜査のための“女装”という驚きがある。そんなアクション・スターらしからぬレアな見せ場があるぶん、スタローンの勝ちとしたい。男臭くなること必至の『エクスペンダブルズ2』で、ヴァン・ダムはおそらく得意の開脚を披露してくれるだろうが、スタローンの女装は、もはやありえないだろうから。以上のように、【対テロリスト対決】を制したのは、「ナイトホークス」のシルヴェスター・スタローン! 明日7/4(水)の『アクションスター列伝』は【復讐対決】!こちらもお見逃しなく!■ © 1981 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved.Copyright © 1997 Mandalay Entertainment. All Rights Reserved.