(吹)マッドマックス 怒りのデス・ロード

[ザ・シネマ新録版]

【特別年史】マッドマックス宣伝の40年間

1979年にシリーズ1作目が公開されて今年で40年。​
熱狂的人気を誇る「マッドマックス」シリーズを​
日本のメディアがどのように宣伝展開してきたか、​​
その軌跡を【特別年史】としてお届けする。​​
(文/白石知聖)

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40年前に吹き荒れた
「マッドマックス」旋風

 2015年6月に日本公開され、観客、批評家双方から熱い注目を集めた「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(以下MMFR)。
 設定上はシリーズ続編という立ち位置だが「マッドマックス」(79)と「マッドマックス2」(81)の関係と同じく、「MMFR」は独立した一つの作品として、前作関係なく鑑賞する事が可能な作品となった。この点については、主演がメル・ギブソンからトム・ハーディにバトンタッチされた事が功を奏したと言える。
 作品自体の完成度も高く、ハイテンションなライブアクションの数々だけでなく、魅力的な世界観構築&キャラクター設定も評価され、旧来ファンのみならず、新世代のマッドマックスファンを数多く獲得した。
 批評筋からも数多くの称賛が与えられ、オーストラリア本国をはじめ各国の映画賞を席巻。アカデミー賞での6部門受賞は大きな話題となった。一見ストーリー性が希薄に思える内容で、ここまで絶賛され、短期間にカルト人気を獲得したケースは珍しいのではないだろうか。

 日本国内でもスマッシュヒットを達成した「MMFR」。前作「〜サンダードーム」(85)から、実に30年ぶりの“マッドマックス”のプロモーション展開からは、今日の外国映画のプロモらしい、やれる事すべて全方位に向けて、というスタンスが伺えた。そもそもマッドマックス・シリーズは1作目の時点から、時流に沿った派手なプロモーションが実施されてきた歴史がある。
 無名のスタッフ、キャストによって作られた低予算のバイオレンス映画「マッドマックス」1作目は、1979年4月にオーストラリアで公開され、大ヒットを記録した。一見ただの復讐劇ながら、細部に至るまで作り込んだ世界観、魅力的なマシーン群、事故映像を思わせるクラッシュシーンの数々など、見どころ満載の内容である。
 「マッドマックス」のオーストラリア国内ヒットから海外配給の話が動き出し、その先鋒として日本市場が選ばれた。日本で「マッドマックス」の配給を担当する事になったのはワーナーブラザーズ。当時、オーストラリア映画はほとんど日本に輸入されていなかった。キャストも監督も完全に無名。内容的にはイケそうだが、果たして日本の観客たちにどうアピールすればいいのか?

 70年代後半と言えば、角川春樹事務所が映画界に進出し、メディアミックス戦略で数々の話題をさらっていた時期。「犬神家の一族」(76)、「人間の証明」(77)、「野生の証明」(78)、等々、大量のTVスポット投下により映画、その主題歌、原作本をまとめて宣伝し、それぞれがヒットするといった成功例を次々生みだしていた。
 他の配給会社も積極的にCM用に外画の日本版主題歌やイメージソングを制作しはじめ、TVスポットにキャッチーなフレーズの日本版主題歌を乗せるケースが相次いだ。その中から「エーゲ海に捧ぐ」(79)のCMイメージソング「魅せられて」のようなミリオンヒット曲まで誕生していた時期である。
 「マッドマックス」も同じく日本版主題歌を作成する事になった。前年、レース映画「ポールポジション」の日本版主題歌を作った実績を持つ惣領泰則を起用し、英詩主題歌「Rolli’n Into The Night」を作成し、日本公開版本編に挿入。このレコードはTVスポット投下で大量露出した事も手伝い、売上7万枚のヒットとなった。歌唱を担当した当時無名のシンガー、串田アキラはこれを機に名を売り、以後大きく活躍することになる。

 他、主題歌以外に以下のような施策が行われた。

①映画本編で活躍するマシン、インターセプターのレプリカ車両を作成。外観を少し似せただけの即席の作りだったが、映画封切りの時期、都心部の各劇場で車両展示イベントを開催した。
②「マッドマックス」公開に絡めて、アクション映画をテーマにしたTV特番を製作し日曜ゴールデンタイムにオンエアした。
③オリジナル音声はモノラルだが、日本公開では当時流行りの4chステレオを謳った(実態は不明)。
④パンフレット用の情報として“撮影中に2人死亡”、“登場するのは本物の暴走族”といった事実とは異なる盛り付けを行った。

 こうして宣伝サイドは、時に反則技のようなものまで用いて無名の「マッドマックス」を盛り上げ、配収10億円を越える大成功を遂げることになった。数多くのライダーが劇場へ詰めかけ、劇場周辺で本編さながらのパフォーマンスで周囲を威圧した、というエピソードも聴こえてくるくらい、熱狂的な支持も受けた。
 1979年、こうして興行とプロモーションは成功し、“マッドマックス”と日本市場の関係は、実に良好なスタートを切ったのである。 つづく

白石知聖​
個人ブランド「マクラウド」代表。マッドマックスに関連するゲストを日本へ招待しファンとの交流を実現させる「マッドマックス・コンベンション」主催。

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