(吹)マッドマックス 怒りのデス・ロード

[ザ・シネマ新録版]

【特別年史】マッドマックス宣伝の40年間

1979年にシリーズ1作目が公開されて今年で40年。​
熱狂的人気を誇る「マッドマックス」シリーズを​
日本のメディアがどのように宣伝展開してきたか、​​
その軌跡を【特別年史】としてお届けする。​​
(文/白石知聖)

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世紀末映画の金字塔
「マッドマックス2」から「サンダードーム」へ

 様々な宣伝の仕掛けが功を奏してか、1979年末、お正月映画として配収11億円を達成した「マッドマックス」。このヒットに気を良くした日本のワーナーは、翌10月にオーストラリア製のカーチェイス映画「チェーン・リアクション」(80)を輸入。81年2月には日本ヘラルド映画もオーストラリア国内で過去に大ヒットしたバイカー映画「マッドストーン」(74)を公開した。「マッドマックス」のキャストが多数出演しているのが両作の共通点。こうしてこれまでほとんど日本国内に紹介される事がなかったオーストラリア映画に、「マッドマックス」がきっかけとなってスポットが当たり始める。
 最終的に世界市場で大成功を遂げた「マッドマックス」は、監督ジョージ・ミラー、製作バイロン・ケネディ、主演メル・ギブソンという主要メンバーそのままに、81年、続編を製作する事となった。
 撮影場所はオーストラリア内陸部にある、かつて鉱業で栄えた町ブロークンヒル。法秩序が失われつつある近未来世界が舞台だった前作から雰囲気もガラリと変わり、続編は不毛の荒野で西部劇さながらのカーバトルが繰り広げられる斬新な趣向となった。
 この現場へ、日本からワーナー宣伝部、雑誌社カメラマン、日本テレビ撮影班からなる取材チームが派遣された。それほどに日本におけるマッドマックス続編への興行的な期待は高かったのだ。撮影班のディレクターは後の「釣りバカ日誌」シリーズ監督・栗山富夫。通訳は戸田奈津子という、今にして思えば豪華な顔ぶれだった。

 こうして周到な仕込みを経て、待望のシリーズ第二弾「マッドマックス2」は81年末、日本公開を迎える事になる。日本版主題歌こそ作らなかったものの、作品のスケールアップに歩調を合わせるが如く、前作以上のプロモーションが展開された。

①本予告編の前に、現地取材映像を用いたティザー予告編を劇場で公開。スタントマンの負傷事故映像を交えて、更に激しくなったアクションシーンをアピール
②12/19日世界最速公開(オーストラリアは12/24公開)
③公開直前にメイキング映像満載のテレビ特番「カースタントに賭ける男たち」(60分番組)を放映
④主演メル・ギブソンの来日キャンペーン
⑤前作のようにインターセプター・レプリカ車両を作成。今回は札幌から福岡まで何時間何分で走破できるかを当てる、全国縦断高速ツーリング・クイズをチラシ裏面にて告知
⑥プロモアイテムとして、ワーナーは、チラシ2タイプに加えて、大判の情報紙「マッドマックス新聞」、ステッカー、トレーナーなどを作成した

「2」の国内配収は前作に及ばず10億円弱だったとされているが、この後、シリーズ2作品カップリング番組「マッドマックス大会」が全国各地で上映されており、ロードショー終了後も継続して人気を博した。そして前作に対してまったく別物に仕上がった「2」は、数多くの追随する模倣作、いわゆる“世紀末もの”を生み出すほどの影響力を全世界規模で発揮する事になり、日本においても、公開から2年後、その影響下にあるコミック「北斗の拳」が誕生する事になる。
 周到なプロモを仕掛けた「2」の興行的成功により更に日本とマッドマックス・シリーズの関係は強固なものとなった。そしてこの4年後、1985年夏にシリーズ第三弾「マッドマックス サンダードーム」がやってくる。
 「サンダードーム」は前作に対して3倍の予算規模の大作となった。「2」の成功により各国で模倣作が多数作られた影響からか、「サンダードーム」の撮影は秘密裏に進められたようで、前作のように日本の取材チームが撮影現場に同行するような事はなかった。

 また、「2」同様に日本が全世界先行公開となったものの、作品の完成がギリギリだったのだろうか、マスコミ向け試写すら行われなかったという逸話が残っている。今回のプロモーションは以下のようになった。

①6/29世界最速公開(米が7/10、豪は8/8公開)
②公開前にメル・ギブソンとジョージ・ミラー監督の来日キャンペーン実施。メル・ギブソンは人気番組「笑っていいとも」に出演し「サンダードーム」をアピール
③前売り券の特典として特製メダルが付属

 過去2作と比較すると、監督・主演が来日してのキャンペーンは華やかだが、いかんせん手数の少なさは否めない。もちろん世界先行公開の弊害で、前情報が少なすぎた、という事情があったかもしれない。
 しかしメル・ギブソン=マッドマックスがネームバリューを獲得してしまったが故、逆にプロモーションから“内容の凄まじさ、面白さを訴えて勝負する”という仕掛けが大幅に減衰してしまった感があった…。 つづく

白石知聖​
個人ブランド「マクラウド」代表。マッドマックスに関連するゲストを日本へ招待しファンとの交流を実現させる「マッドマックス・コンベンション」主催。

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