さぁ、物語もいよいよ佳境に入る『2』こと『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』です。『二つの塔』とは、冥王サウロンの住むバラド=ドゥア塔と、裏切り者の魔法使いサルマンの本拠地アイゼンガルドにそびえるオルサンク塔のこと。いわば、悪の枢軸みたいなもんですな。

しかし、本作で重要になるのはオルサンク塔の方で、それが『2』のメイン舞台のひとつ(バラド=ドゥア塔は『3』のメイン舞台です)。ここで活躍するのがメリー&ピピンの名コンビです。

一方、もうひとつのメイン舞台が騎馬民族国ローハンで、こちらではアラゴルン、レゴラス、ギムリが活躍します。

フロドとサムの2人は今作ではしゅくしゅくと滅びの山のそびえるモルドール国をめざして歩き続けます。

『1』のラストで旅の仲間は3つに分裂、『2』では各チームがそれぞれの冒険を続けます。以下、TEAMフロド、TEAMメリー&ピピン、TEAMアラゴルンとして、『2』でのそれぞれの動きを追ってきましょう。



警告:以下の文章には、致命的なネタバレ情報が含まれます。映画本編を見る前には、絶対に読まないでください!



【TEAMフロド】
メンバー:フロド、サム、ついでにゴラム

・ 滅びの山がそびえるモルドール国めざして、ドヨーンと暗いムード漂う荒れ地を進む2人(暗いムードすぎてここがすでにモルドール領内かと勘違いする向きもありそうですが、全然モルドールの手前です。モルドール領の陰鬱さはこんなもんじゃありません!)。道中、2人はゴラムの襲撃を受ける。こいつ、現指輪所有者フロドの前の所有者ビルボの、そのまた前のオーナーだった奴で、まだ指輪に未練がある。

※ 補足:なんだけど、そこらへんのいきさつ本編では詳しく描かれてません。描かれてるのが『ホビットの冒険』だってのは前回ブログにて既述のとおり。ゴラムの襲撃を撃退する際、フロドが「この剣は“つらぬき丸(スティング)”だ。見覚えあるだろ、ゴラム」とかミエ切ってますが、この剣も元は養父ビルボの物。『1』の時に“裂け谷”でフロドがビルボから譲られるシーン、ありましたよね。『ホビットの冒険』に、洞窟の中でゴラムがビルボの持つ“つらぬき丸(スティング)”にややビビり気味という記述があるんですが、それ知らなきゃこんなセリフ意味わからんって。
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・ ゴラム、その剣で脅され、指輪の奪回を断念。以後、下手に出てフロドにおもねる。TEAMフロドはこのゴラムを案内役に立てモルドール国を目指すことに。『1』で描かれてたとおり、ゴラムはモルドール国に拉致られて拷問うけた暗い過去があるんで、モルドールへの道はよく知ってる。
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・ 変な沼とかでいろいろあったけど、どうにかモルドール国の玄関口である「黒門」に到着。ただ、どう見ても突破なり潜入なりできるような状態じゃなかったんで、そこからのモルドール入りは断念。ゴラムが「別ルートがある。ヤバい道だけどそっちのがまだ可能性ある」とここにきて初めて明かしたんで、そっちルートに変更。
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・ 新ルートを進んでると、モルドール勢と対抗勢力との小競り合いに巻き込まれ、その対抗勢力の方にTEAMフロドは捕まってしまう。その対抗勢力ってのがゴンドール国。部隊を率いるのは例の死んじゃったボロミアの弟ファラミアだった。ゴンドール国はモルドール国と戦争してるんでTEAMフロドにしてみたら味方サイドのはずだけど、この国の連中、どうも禁じ手とされる「指輪使って一発逆転」狙いたがる悪いクセがあって、今度のファラミア隊長も兄貴のボロミアと同じことを考え、指輪を自国ゴンドールに持って帰ろうとする。
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・ でモルドールとの戦争の最前線にあるゴンドール国の町(といっても今は廃墟)オスギリアス市が攻撃を受けてるってんで、ファラミア隊に連行されてTEAMフロドもそこに行くハメに。ここでの戦闘では指輪の幽鬼ナズグルが翼竜みたいなのに乗って襲いかかってきて、そのさなかにフロドとサムの友情パワーの感動シーンが描かれたりする。その麗しい模様をコッソリ影で見てジーンときちゃったファラミア隊長は、2人を(ってか指輪を)ゴンドール国へ運ぶっていう禁じ手的な企みを断念。滅びの山への旅を続けていいと言い、TEAMフロドは無駄な足止めからやっと解放される。
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・ っていうか結局モルドール国に一歩も足を踏み入れられないまま、『2』終劇!しかもゴラムはしおらしく案内役を努めているようでいて、腹に一物ある模様…。


【TEAMメリー&ピピン】メンバー:メリーとピピン

・ 悪に寝返った魔術師サルマンが放った強化オーク族“ウルク=ハイ”を中心としたオーク部隊に誘拐された(指輪を持ってるフロドと間違われて)2人だが、隙を見て逃げ出す。
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・ で、逃げ込んだ森で、木の精というか生きている樹というか樹木型二足歩行生命体というか、そんな感じのエント族と知り合い、実は死んでなかったガンダルフとも再会を果たす。ガンダルフの依頼で、エント族が2人をかくまうことに。
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・ メリーは、エント族も悪との戦いに加わるよう演説をぶつが、いまひとつ響かず。そこで今度はピピンが一計をめぐらし、エント族を悪に寝返った魔法使いサルマンの根拠地アイゼンガルド近くまで連れて行くことに。
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・ アイゼンガルド周辺はサルマンの富国強兵策によって豊かな森林が伐採され、一部、工業地域化されてた。それを見た森の守護者たるエント族は、ピピンの思惑どおり激ギレ!おりしもアイゼンガルドの10,000を下らないと言われる軍勢は騎馬民族国ローハン攻めのため出払っていて空城同然だった。その空城でエント族は大暴れを始め、堤防を決壊させて水攻めに。アイゼンガルドは床上浸水で復興不能状態、完膚なきまでに叩き壊されちゃう。それを自宅兼事務所(多分)である塔の上からなすすべもなく見てるしかない魔法使いサルマン、泣きそう…。「二つの塔」のうちの一方(オルサンク塔)、陥落!


【TEAMアラゴルン】メンバー:アラゴルン、レゴラス、ギムリ

・ 誘拐されたTEAMメリー&ピピンを助けようと跡を追うが、森の中でガンダルフと再会。「あの2人はもう大丈夫」と聞いて一安心する。自分たちで救出はできなったが、結果よければすべて良しで、TEAMアラゴルンは別の戦いに身を投じることに。めざすは騎馬民族国ローハンだ。
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・ローハン国では国王セオデンが悪の魔法使いサルマンの魔法で廃人同然になっており、憂国の青年将校エオメルを国外追放するよう仕向けられるなど、魔法使いサルマンの意のままに操られてた。
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・ローハン国にやって来たガンダルフの善の魔法によってセオデン王の呪縛が解け、以後、ローハン軍は善の側として戦いに参戦。TEAMアラゴルンもこの軍に加勢する。
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・ 悪の魔法使いサルマンは冥王サウロンの指令に基づき人間絶滅のいくさを本格始動。その手始めに狙われたのが、自分のコントロール下から抜け出し反抗的になった騎馬民族国ローハンだった。ハンパない数の軍勢をローハン国に差し向ける魔法使いサルマン。ローハン国王セオデンは都を捨てて難攻不落の砦がある渓谷に全住民で立てこもると決める。TEAMアラゴルンも同行。ただしガンダルフは、例の追放された青年将校エオメルを呼び戻しに、どっかへ行っちゃう。
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・ アラゴルン、ローハン国の威勢のいいお姫様(セオデン王の姪)に片想いされちゃったり、崖から落ちたりといろいろあった後、渓谷の砦はいよいよ魔法使いサルマンが差し向けた軍勢に包囲される。彼我兵力差、なんと10,000vs300。スパルタ人でもなけりゃまず勝てない!
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・ ローハン国王セオデンは「ウチには親しくしてる国なんて無いから、どうせどこも援軍には来てくれない」と捨て鉢ぎみだったが、 『1』に出てきたエルフ族が善の勢力同士ってよしみだけで援軍に来てくれて、人間のローハン国+エルフ族の混成軍が出来上がる。
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・ でもやっぱ多勢に無勢で勝てない。そもそも騎馬民族に篭城戦は向いてないってことで、最後は残った10騎ぐらいで騎乗カミカゼ特攻を敢行し華々しく散ろうとするが、ちょうどその時、ガンダルフが例の追放された憂国青年将校エオメルとその部隊2,000騎を引き連れて戻って来て敵攻囲軍の後背を突いたんで、形勢逆転!勝った!!


とまぁ、こんな推移で『2』は終わり。『3』ブログに続く。■

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