PROGRAM

放送作品情報

男の出発(たびだち)【町山智浩撰】

THE CULPEPPER CATTLE CO. 1972年 アメリカ / 94分 西部劇

町山智浩推薦。これがリアル・カウボーイだ!西部劇史上屈指のリアリズムで描かれる、少年カウボーイ成長譚
放送日時
2018年11月07日(水) 深夜 01:00 - 03:30
2018年11月16日(金) 18:45 - 21:00
2018年11月23日(金) 深夜 03:15 - 05:45
解説

町山智浩セレクトのレア映画を町山解説付きでお届け。ひと夏の性春映画の傑作『おもいでの夏』のゲイリー・グライムズ君が、今度はカウボーイになり大人の階段を昇る。リアル・カウボーイ生活の徹底考証再現が出色。

ストーリー

〆た鶏さえ気味悪がるほど臆病な洗濯屋の子ベンは、実はカウボーイに憧れていて、「キャトル・ドライブ」出発前のカルペッパー肉牛会社にコックとして雇われ晴れてカウボーイになれた。キャトル・ドライブとは、数世代前に野生化し大草原で繁殖している畜牛の大群を、遥か遠方の物流集積地まで、砂漠を越え無法地帯を突破し追い立てていく運送業だ。大金は儲かるが死人が出るほど危険な長旅で、同僚は皆むくつけき荒くれ者だった!

出演

ゲイリー・グライムズ
ビリー・グリーン・ブッシュ
ボー・ホプキンス
ルーク・アスキュー
ジェフリー・ルイス
ほか

字幕/吹替
字幕
掲載制限
なし
カラー/白黒
カラー
画面サイズ
ワイド画面
HD
※【ザ・シネマHD】にご加入の方は、
HD画質でご覧頂けます。

オススメキーワード

  • 鑑賞日 2017/10/27

    監督も主役も瑞々しい

    ◎ 40年ほど前に観た時のさわやかな印象が残っている作品である。先日観た『続・激突! カージャック』がスピルバークの劇場用映画初監督作品なら、こちらはカメラマンだったディック・リチャーズの第1回監督作品である。どちらの映画も初々しさが漂い、それが魅力になっている。 ◎ 老いたジョン・ウェインが子供たちを絞るウェスタンとは違い、当時のキャトルドライブの様子がリアルに描かれる。どこへいても「俺が法律だ」という人物ばかり登場し、開拓期のこの国で生きていくのは本当に大変だったろうと思わせる。

  • 鑑賞日 2017/10/10

    少年と少年のようなならず者

    カウボーイにあこがれる少年が、牛追いの旅で様々な経験をしてゆく様を描く西部劇。 アメリカン・ニュー・シネマの一つであり、新しい西部劇である。 劇場公開時に初見。以降、何度か見、ビデオも購入した。私のお気に入りの映画の一つ。 原題は、The Culpepper Cattle Co.「カルペッパーの牛追い」とでもいうところで、素っ気ない。「男の出発(たびだち)」という邦題は、主人公の意思を見事に言い表しており、邦題ベストテンに入る傑作だろう。 初見の時は、私は高校生で、主人公に共感し、ラストのアメージング・グレイスに感動した。早速、ジュディ・コリンズのアルバムを購入し、その歌声に聞き入ったものでる。 それから、半世紀近く経て見直すと、主人公の少年ベンの眼差しとその心根のみずみずしさに、やはり心動かされる。だが、共感というよりも、懐かしさという感覚に近い。 それ以上に、カウボーイのリーダー、カルペッパーの仕事に対する責任感と、リアリストぶりに納得してしまう。 主人公ベンは、カルペッパーの率いる牛追いの一行にコック助手として加わる。そこで、色々な出来事に遭遇する。牛泥棒との対決で、メンバーを失ったため、ラスたち4名が加わる。このラス一派は腕は立つが、癖の強く、銃にモノを言わせるならず者である。 そんな4人が、実はどういう心情なのかが、ラストに浮き上がる仕掛けになっている。 ラストに向かって、強欲な牧場主ピアースとカルペッパー達が対立する。ここでのカルペッパーの判断は、彼の仕事を全うすることが最重要であり、ピアースと喧嘩することは選ばない。これに対して、ベンは自身の心情に従う。 「男の出発」といいながら、彼は少年のまま、純粋である。そして、あの4人も、実は少年のような心持ちなのである。 ラス一派4人が翻意して、カルペッパーから離れて、対決の場に舞い戻る。4人が並んで疾駆する。西部劇らしい胸が高鳴るようなシーンである。 その4人が闘いを前にして笑う。お前、バカやってるな。お前こそ。という声が聞こえてきそうな豪快な、そして自嘲するような笑い声。その後の静寂。彼らの心情を思うと、心が揺れる。 銃撃シーンは、スローモーションを多用して痛々しさがほとばしるが、人の死はとてもあっけない。ベンは茫然とするばかりだ。 この短い旅の中で、ベンは何を感じ、何が変わったのだろうか。彼の心根は変らないのだが、その心に包むものが重くなったように感じる。そんな歩みと乗馬姿で、エンドロールとなる。 主人公ベンは、ゲイリー・グライムス。この若者は、6本の映画に出ただけで、スクリーンから去った。そんなつかの間のムービースターの、これは最高傑作である。

  • 鑑賞日 2017/5/30

    西部劇版「阿呆物語」

    ジェフ少年は愚か者である。でもラストはちょっと成長するのでこれも一つの教養小説的映画なのだろう。 しかしなぜ成長したかというと、人を一人殺し、仲間の死も、仲間が殺すのも何度も見て、ラストは無法な大地主一味を全員殺し、彼に協力するため戻って来た四人の仲間が全員殺されて、なのである。 少年はピストルを捨てて去って行く。悪徳地主一味をやっつけたあと、谷に住み着いていたクリスチャン達が「アメイジング・グレイス」を歌うのはかなり気持ち悪い。ジェフが怒ったようにあのキリスト教徒の特に中心者は基地外だ。 ◎すごくいいのはカウボーイ達、特に題名になったカルペッパーがクールなのだ。「クール」というと誉めすぎだが、変に少年にベタベタしない。他のカウボーイ達もそう。少年を成長させようとか一切考えてない。 ◎少年が助っ人を頼みに行った"Don't stand behind me!"の目に狂気をたたえた男もいい。 ◎悪辣な地主もすごくいい。 ◎埃っぽい西部だが美しいショットがいくつもある。 小品だがユニークな西部劇でした。

  • 鑑賞日

    男の美学

    リアルな描写でカウボーイの仕事はこんなにも大変なのかと思う。いくらなんでも現実にこんなにトラブルに見舞われることはないだろう。映画だから次から次へと事件が起きるのだ。 男の世界だよね。台詞の無い娼婦と開拓団の女、子供を除いたら登場人物は全員男というのが徹底してる。色っぽさは考えてない、潔さに男の美学を見た。

  • 鑑賞日 2017/1/22

    ほろ苦さ

     再見してみてまた印象が変わってしまう。前回見たときは西部劇=スター性ということにこだわり過ぎていたのだろう、出演者の地味さからあまりのめり込めなかったような気がする。でもこれは荒くれ者ばかりのカウボーイの集団に夢を抱いて加わった青年の夢と挫折を描いた物語としてよく出来ていると思い直す。そのような物語にスターは不要なのだ。地味な俳優たちにむしろリアリティがあってカウボーイたちの知られざる生活の様子も詳細に描かれ見ごたえがある。  短い尺の中に多彩なエピソードをコンパクトに詰め込みロードムービー=成長譚という図式を成立させることに成功している。牛泥棒たちからの牛の奪還、助っ人の依頼、馬泥棒への容赦のない仕返し、西部劇に決まって登場してくる横柄な地主との男の意地を賭けた闘いなどといった血なまぐさい経験を積み重ねていくうちに青年の内面に何が大切なことなのかが徐々に見えてくる。その様子をうまく描き出していると思った。それだけに最期のほろ苦い結末があとを引くことになる。

  • 鑑賞日 2017/1/19

    カウボーイに志願した少年が、牛泥棒との銃撃戦を見届け、漁師に拳銃と馬を盗まれ、馬泥棒に頭を殴られ負傷し、人を殺し、他人の拳銃を勝手に触っていさかいを起こしたためにカウボーイ仲間を失い、最後には開拓者の集団を守ろうとしたことで四名の仲間を死なせてしまう。結局、主人公は拳銃を捨て、カウボーイをやめてしまうのだが、この映画を少年の成長物語と受け止めていいのだろうか? むしろカウボーイを兵隊、銃撃戦を戦争に置き換え、反戦映画と解釈するのはさすがに考えすぎか? 観終わった後のやるせなさは戦争もののそれに近いのだが。

  • 鑑賞日 2017/1/18

    ある意味での人間臭さ

    カウボーイ西部劇とあれば、不死身のヒーローがいて敵をバンバン撃ちまくるってのが王道なんでしょうが、この作品のなんとも人間臭さといいリアルな状況といい、見てスカッといくようなストーリーではありませんが、少年はこうやって人間の世界にもまれて大人になっていくんですね。

  • 鑑賞日 2017/1/17

    70年代

    70年代は異色な西部劇が作られた。これもその一つ。華やかなスター俳優は登場しないが、地味に人生のほろ苦さを描いている。ラストの宗教集団の登場と、地主たちとのガンファイトは唐突であまりにも人が死にすぎる。この作品のテーマに沿ってもう少しストーリーを練って欲しかった。

  • 鑑賞日

    本当の出発(たびだち)まで

    カウボーイに憧れる16歳の少年ベン(ゲイリー・グライムス)は、母親の洗濯屋の配達を手伝いながら、秘密で買った拳銃を友だちに自慢していた。そんなある日、カルペッパー(ビリー・グリーン・ブッシュ)をボスとするカウボーイたちが、テキサスからコロラド州フォード・ルイスに牛追いの旅に出ることを知り、ベンはカルペッパーに、どんな仕事でもするから雇ってほしいと泣きついた。カルペッパーは「いい度胸だ」と、ベンをコック(レイモンド・ガス)の助手として雇ってやる。 出発してすぐ、4人の牛泥棒がカルペッパーの牛を暴走させる事件が起こった。一行はすぐにあとを追い、激しい銃撃戦の末、牛泥棒を全滅させたが、3人の仲間を失う。カルペッパーはベンに、1人でカスティーゴ村に行ってコールドウェル(ジョフリー・ルイス)に会い、牛追いの手伝いを依頼してくるよう命じる。 一人前の仕事を言いつけられてベンは喜ぶが、道中で2人の猟師に馬と拳銃を巻き上げられ、歩いて村に辿りつく。そして、コールドウェルに用件を伝え、彼の仲間のルーク(ルーク・アスキュー)、ブリック(ボー・ホプキンズ)、ミズーラ(ウエィン・サザーリン)らと共に村を出発する。彼らは2人の猟師を見つけて惨殺し、ベンの馬と拳銃を取り戻してやる…。 カルペッパーと合流し牛追いの旅は続く中で、ベンは馬泥棒とのいざこざや、横暴な牧場主との戦いなど、過酷で非情な世界を目の当たりにしていく…。 16歳の少年の目を通してカウボーイの世界をとらえ、その中で成長していくベンの姿を描いた作品です。ただ、この作品に登場するカウボーイは、少年の手本になり導いていくような父親代わりの大人ではありません。ボスのカルペッパー(ビリー・グリーン・ブッシュ)は分別も節度もある大人ですが、クールで、牛追いの成功だけを目指す合理的な考えの持ち主。 そして、あとから仲間に加わるコールドウェル(ジョフリー・ルイス)ら4人は、欲しいものがあったり、意に反すればすぐ銃で撃ち殺すというような分別や節度に欠ける無法者(ゴロツキ)。とてもリアルな人物描写です。しかしそんな彼らも、まだ子どもの16歳の少年を大目に見て、彼らなりに手を貸します。 映画終盤で、カルペッパー一行は強欲で腹黒い牧場主ピアース(ジョン・マクリアム)の土地で牛を休ませてしまい、法外な水代を取られ、拳銃を奪われて追い払われる。さらにピアースは、長い旅の末安住の地にたどりついたと言うナサニエル(アンソニー・ジェームズ)の率いる教団の一行(女子どもが多い)に、谷から出て行かなければ全滅させると脅す。 ベンは教団の一行を哀れに思い、1人で残って彼らのために闘うと宣言する。カルペッパー一行はベンを残し出発する。 【結末まで書きます】 しばらく行ったところで、ルークが意を決し、ライフルを手にベンの元へ引き返す。それを見たゴロツキの仲間たちは、1人また1人とルークのあとに続く。だがカルペッパーは引き返さない。出発の時からの仲間と牛を追い行ってしまった。 ゴロツキの4人がベンと教団のところに戻り、牧場主ピアースの一味と激しい銃撃戦が繰り広げられる…。 そして、4人の仲間も牧場主一味も全滅してしまった。ナサニエルの教団は1人も欠けず助かったが、ナサニエルは「血塗られた谷には住めない」と教団を連れて出て行こうとする。 「安住の地だと言ったじゃないか(それを守るために闘ったのに!)」とナサニエルに詰め寄るベン。「埋葬して行け!」とベンは銃を抜いて声を荒げた。 4人を埋葬したベンは、大切にしていた拳銃を地面に投げ捨てた… 茶色がかったトーンで統一された、土煙の匂いがするような映像が美しい作品です。しかし、その中で描かれるカウボーイの姿はとてもリアルで、ベンの目に映る現実には容赦がありません。 自分を庇うために戻ってきてくれた4人のゴロツキのカウボーイが谷を死守したにもかかわらず、教団がその谷を去ると聞いたとき、ベンの心は怒りに満ちたことでしょう。4人が見せた勇気と優しさはいったい何のためだったのかと。撃ち合いの虚しさを思い知り、カウボーイに憧れていた16歳の少年には、過酷すぎる現実と向かい合わなければならなかった… ベンは拳銃を捨て、これから本当の出発(たびだち)をするのでしょう。 「思い出の夏」の主演のゲーリー・グラハムが、現実に直面して成長していくベンを好演しています。 トム・スコットとジェリー・ゴールドスミスの抒情的な音楽が素晴らしいです ぜひぜひご覧ください

  • 鑑賞日 2016/1/17

    地味

     いわゆるスター不在の地味なつくりの西部劇。監督の名前も聞いたことがない。冒頭シーンをセピア調でフォトジェニックに染めてノスタルジーを醸し出すなどの凝ったつくりで始まるけど、いかんせん華がない。西部劇は個性的な、あるいは名の知れた大スターの活躍ぶりを見るのも大きな要素となるのでこれは大きなハンデ。  製作された70年代初頭らしくニューシネマ風なウェスタンといったつくりなのだけどいかんせん地味すぎる。その地味な点を除けば物語はなかなか面白く出来ている。カウボーイ志願の少年ベンの視線からみた西部の男たちの荒々しい生活ぶりが描かれる。終盤にはきっちり決闘シーンもあって溜飲を下げてくれる。敬虔なクリスチャンたちのために男気を見せたベンも彼らの弱腰にほろ苦い思いをする結末となる。この苦さはニュー・シネマのそれだ。

  • 鑑賞日 2000/9/25

    西部劇

     なかなか面白い西部劇でした。なんともほろ苦いというか、なんというか・・・。一人の少年がカウボーイに憧れて、念願のカウボーイになれたのはいいけど、そこからがつらい経験をしていきます。最初は失敗ばかりしているのでイライラしてしまいますけどね(笑)。

  • 鑑賞日 1973/3/19

    日劇文化で。

     地下のATG系?の映画館。   今になってみると、上の日劇で映画を見なかったのは、悔やまれるなぁ。    基本的に映画は上映してなかったと思うけど、「スターウォーズ」やリバイバル?の「ゴジラ」は、やってたんだよね。    映画は、画面の綺麗なニューウエスタン。       題名が、考えてみると恥ずかしいなぁ。

  • 鑑賞日 1975/5/21

    2回目

    1975年5月21日に鑑賞。高知・名画座にて。3本立て。同時上映は「戒厳令」(監督*吉田喜重、主演:三国連太郎)と、「恋人たちは濡れた」。 ディック・リチャーズの傑作である。

  • 鑑賞日 1973/9/15

    傑作

    1973年9月15日に鑑賞。高知・土電ホールにて。前売500円。当時、地方では2本立てで封切られていた。同時上映は同じく20世紀フォックス映画配給の「ポセイドン・アドベンチャー」。 ディック・リチャーズの傑作である。ゲイリー・グライムズいいですね。

  • 鑑賞日 2012/11/16

    16歳のベンが憧れのカウボーイになるために、2000頭の牛の移動に参加する。 決心した少年を何も言わず優しく見送る母親。 旅は過酷で、はやる気持ちを抑えられないベンは失敗を重ねて一行を危険にさらす。 常に命の危険にさらされて、いつ死んでもおかしくない西部の恐ろしさが伝わる。 ならず者のカウボーイが、宗教団体のコミューンを守るため、少年に加勢するのはやはり胸が熱くなる展開だ。 激しい銃撃戦の果てに両者とも全滅するが、少年はついに一人も撃てないまま、一人だけ生き残る。

  • 鑑賞日 2012/5/17

    惜しい!

    BSプレミアムの「BSシネマ」で鑑賞。 途中までは本当に面白くって、「こりゃ凄い映画だ!」って思いながら観てた。 しかしラストへの持っていき方が唐突すぎるんじゃないかなあ。 演出も役者も音楽も素晴らしいだけに、本当に残念。 できることならスクリーンで堪能したい。

  • 鑑賞日 2012/5/22

    最後にかっこ良く死んでいく荒くれ4人組。特に寡黙だが何かとベンに優しく接するナイフの達人ルーク(ルーク・アスキュー)が渋い。助けを求める宗教団体の牧師役が【夜の大捜査線】の変態犯人役のアンソニー・ジェームズの為か変態牧師に見えて仕方ない。