PROGRAM

放送作品情報

オン・ザ・ミルキー・ロード

ON THE MILKY ROAD 2016年 セルビア イギリス アメリカ / 126分 ファンタジー ドラマ ラブロマンス

戦火の恋を通じて戦争の愚かさを叫ぶ──東欧の巨匠エミール・クストリッツァ監督が描く愛の逃避行
放送日時
2019年09月13日(金) 06:00 - 08:30
2019年10月05日(土) 06:15 - 08:45
2019年10月09日(水) 06:00 - 08:30
2019年10月21日(月) 08:00 - 10:30
解説

カンヌ国際映画祭に2度輝いたエミール・クストリッツァ監督が、初めて主演も兼ねた8年ぶりの新作。音楽担当である息子ストリボールがバルカン音楽を独自にアレンジし、戦争と愛を狂騒的に彩っていく。

ストーリー

隣国と戦争を続ける某国の村。牛乳配達人のコスタは、銃弾が飛び交う前線の兵士たちへ毎日ロバに乗ってミルクを届けていた。そんなある日、村の英雄ジャガの花嫁になるため村にやって来た絶世の美女に一目惚れする。その折に隣国同士が休戦協定を結んで束の間の平和が訪れるが、英国将校が多国籍軍を連れて彼女を追ってきて、多くの村人が犠牲になる。辛うじて生き残ったコスタは、花嫁を連れて逃避行を開始する。

出演

モニカ・ベルッチ
エミール・クストリッツァ
プレドラグ・マノイロヴィッチ
スロボダ・ミチャロヴィッチ
ほか

字幕/吹替
字幕
掲載制限
なし
カラー/白黒
カラー
画面サイズ
ワイド画面
HD
※【ザ・シネマHD】にご加入の方は、
HD画質でご覧頂けます。

オススメキーワード

  • 鑑賞日 2019/9/15

    ボスニア戦争を背景にした、戦時中メロドラマ。 家畜系が殆どではあるが、これほど多くの種類の動物が出て来る映画も珍しい。序盤の血まみれガチョウなんて、エグすぎる描写に少しドン引き。 主人公の二人の女性他、音楽好きな村人達のパワフルさに圧倒される前半から、村の焼き討ちなど悲惨な雰囲気になる後半と展開が激しく変わる。エピローグは逆に哀しい静けさが漂う。 撮影で本物は使ってないと思うが、終盤に地雷の犠牲になる羊達が可哀相だった。

  • 鑑賞日 2019/9/7

    エミールクストリッツァ監督です。そして主演です。アンダーグラウンドに近い。監督らしい音楽、踊りのシーンや水の中のシーンは楽しく美しいですが、ラストは悲しく、空しく、グッとくる。

  • 鑑賞日 2017/10/7

    支配されざる者か、クストリッツァ

    恥ずかしながら(といっていいだろうが)初めてクストリッツァの映画を観た。というより体感した。ボスニア戦争をあんなにブラックなユーモアでファンタジックに描いていたのに、俄然、逃げる男と女は熾烈なサバイバルに巻き込まれていく。誰も黙々と石を積んでいく主人公を止めることは出来ない。我々がこの映画を支配できないように。

  • 鑑賞日 2018/12/10

    悲惨だけどユーモラス。

    ロバに乗り、肩にハヤブサを乗せて、銃弾飛び交う戦場をポクポク進む主人公。悲惨だけどユーモラス、平和な情景の中の残虐なその絵にあっという間に引き込まれた。戦場が日常と化しているそこで、愛を謳歌する二人。ハッピーエンドを祈らずにはいられなかった。あと、動物たちが奇跡の演技が、物語の寓話性を高めている。すごい。

  • 鑑賞日 2018/11/1

    クストリッツァ監督

    戦争下の中ロバに乗り、肩にハヤブサを乗せミルクを運ぶ男。ローマから来た美女に焦がれる男。母国の悲惨な状況の中でもユーモアを描く監督。最期愛する女性を地雷で失い、ひたすら大地に砕いた岩を敷き詰める。日本の恐山の石積みで、亡くなった人との再開を願う姿を想像させる。

  • 鑑賞日 2018/6/9

    残された人間には宿命があるのですね。

    動物や虫達と共存しているんだこの世界は、と改めて感じました、戦争という人間達の勝手な都合にはがっかりというか、呆れるくらい。 不思議な感じが救いですが、ちょっと重い。

  • 鑑賞日 2018/6/3

    天才的な動物たち

    こんな新作撮ってたんだな、クストリッツァ監督。 相変わらず、冒頭から動物たちの演技が天才的。天才ロバ、天才ヘビ、天才ガチョウたち、天才熊、天才羊たち、 天才猛禽類も。(笑) そして珍しく監督本人が出演しています。もしかしてモニカ・ベルッチと恋人役をやりたかったんじゃないの~? というかベルッチは普通にペルシャ語を喋ってイランの映画に出たりしてたけど、この映画では何語なんだろう。 監督は風貌が、監督のほかの映画の雰囲気と違って割と深刻顔なので、いつもより映画にちょっぴりシリアス感があります。 監督&モニカが小屋で過ごす雷の夜、ベッドインと同時に小屋がバーン!と崩壊した瞬間、何かを思い出した・・・・わかった、「八時だよ!全員集合」だ。セットが崩れ去って廻り舞台が動き出し、チャーラッチャチャッチャラッチャという音楽が流れる。この監督の作品に一番似ている日本の映画人はドリフターズである、みたいな。 主役が監督とベルッチであることに馴染めないままだったので、いつもの市井の人々(っぽい俳優)の映画ほど楽しめなかったけど、変で楽しい世界でした。

  • 鑑賞日 2018/5/17

    戦場のロバとヘビとハヤブサ。

    メタファーは隠喩とか暗喩と訳されるるけれど、これほどメタファーに満ちている 作品はめずらしい。監督の意図した映像を作るためにはCG描写を加えても 強烈に上書きする。なにやらマジック・リアリズムという言葉さえ思い浮かべる。 クストリッツァ監督の感性で濾過された某国の戦争の中の人々が描かれる。 コスタは乳牛からミルクをしぼり、ロバに乗せ戦場の仲間に送っている。銃弾を 浴びても、いくらかプッツンしている分ユーモラスでもある。村自体もいささか奇矯。 おんぼろ時計でケガをする老婆と娘の美貌のミレナのエピソードはスラップスティック ・コメディだ。しかもこのミレナはコスタに想いを寄せ、戦争が終われば兄のジャガと 一緒にダブル結婚式を挙げるのが夢だった。そのジャガの相手の花嫁が村に やって来た。ところがこの花嫁は英国の将軍の想い人、しかも村ではコスタに 秋波を送る。コスタ自身も若いミレナより熟女の花嫁に心を寄せる。 戦争が終わり、村はお祭り騒ぎ、ジャガも帰還しダブル結婚式に沸く。ところが 村には黒づくめの特殊部隊がヘリで降下、将軍のために花嫁奪還作戦、村を 焼き尽くし虐殺。神秘的なヘビのお陰で生き延びたコスタと花嫁は、特殊部隊の 足音を聴きながら、必死の逃避行となる。 一気に映画のトーンはサスペンスフルに展開される。水中戦、強風の崖っぷち、 そして羊の群れに潜み、地雷原での悲劇へ一直線で進む。羊が地雷に引っかかり 爆殺されるシーンは、人間と同様に心に突き刺さる。戦争の歯車が回り出すと、 停まることを知らない。殺す者がいなくなれば、羊でも殺す。焼き尽くしても、 焼き尽くしても、戦争は終わらない。なんという結末か。 ボスニアの内戦を経験したクストリッツァ監督の心情が、石を積むコスタに 投影されている。鎮魂か、石に埋め尽くさそうになるわずかなスペース、これを 何と受け止めるかが、観客のお仕事となる。

  • 鑑賞日 2018/4/21

    醜い人間の行いを寓話的に

     ユーゴ内戦下、互いに暗い過去を引きずった男女の数奇な運命を寓話的、あるいは神話的とも言える演出で描いたファンタジックな物語。  ハヤブサとかロバ、蛇、ガチョウなどといった動物たちが、良いアクセントになっていて画面を楽しませてくれるし、映画の寓話性を高めることにもなっている。  「アンダーグラウンド」の時もそうだったけど、監督自身、自国の悲惨な戦争の歴史に深い傷を負っているのだろう。執拗にその主題を追いかけることで内面に蓄積された澱のようなものを吐き出しているようにも思える。  戦時下での悲恋を描いたものだけど、そのアプローチは感傷的なものではなく、どこかユーモアさえも感じさせる。制御の効かない大時計に巻き込まれる老婆と娘、銃弾が飛び交う中を飄々とミルクを運ぶコスタ(クリストッツァ)の場違いな姿などなど。元新体操の選手だったらしい娘のミレナの弾けっぷりなど凄まじい。彼女と妖艶な美女(ベルッチ)に求愛されるコスタ。両手に花(ならぬ鍋で水漏れを受ける)状態。監督・主演の役得であろう。  義兄の嫁となるはずだった謎の美女がコスタと駆け落ちするところから、ファンタジックな逃走劇が始まる。意表をつく展開と映像の連続に時を忘れる。実に映画的な手法によって画面に釘付けにされる。それでいてしっかりと戦争の傍若無人な暴力も描き込まれている。ラストの俯瞰ショットには男の永遠に続く悲しみが溢れ出す。人間たちの醜い行いと対峙される動物たちの無垢な姿に癒された。

  • 鑑賞日 2018/4/15

    映画の長さは適切か

    正直長かった。意味のある長さに感じられなかったのはなぜだろう。 おとぎ話と戦争ばかりする人類の風刺とがまざったようなストーリーで、狂った女とその家族が出ている間は楽しめた。 CGもあるけれど、動物を使った演出が素敵で、グロいのになんだか可愛らしい。

  • 鑑賞日 2018/4/13

    そうきたか

    結局、しっかり記憶に残る映画になってるんだよなぁ〜

  • 鑑賞日 2018/3/21

    豚の血にまみれたアヒルとマトンの地雷焼き

    春分の日、神戸新開地の名画座パルシネマ、「パターソン」を観に来たら一緒にやっていた、ベルッチさんが出ているので帰らず観ました。相変わらず色っぽいです。(日本の男もその気になれる色っぽさです。) 全体を覆うずれた感じ、即興的というか思いつきのような唐突でシュールなイメージ、30代のころに観たアンダーグラウンドみたいだなあと思って家へ帰って調べたら、おんなじ監督でした。 アンダーグラウンドのころは、フェリーニみたいな大掛かりなセットでホラを吹いていましたが、今回はCGでたくさんの動物に演技させ、妙に緊迫感がある砲撃で映画を盛り上げていました。 内戦の銃撃砲撃では誰も傷つかないのに、黒い特殊部隊の方々の降臨以後、血みどろとなっていきます。 平和ボケの日本人には、わからない地域のどうしようもない状況を表現したいのはわかるけど、それが地雷で吹き飛ぶ内蔵のはみ出たリアルな羊じゃ、観ているほうが困ってしまします。 ファンタジー映画の血しぶき表現としては、キングスマンのほうが正しいかも。

  • 鑑賞日 2017/12/10

    久々のクストリッツァ

     のどかで平和そうな空気に見えながら、ガチョウが赤い血に染まる所から不穏を感じさせ、やがて鳥が飛ぶ平和そうな空にヘリが飛んできて空気が一変して爆撃が始まり平穏が崩されていくというように、のっけからこの映画全体の平和の不安定さを象徴させている。  そんな中で牛乳配達をしている勇気があるのか変人なのかよくわからないがアクの強いコスタを他人には任せられないとばかりに監督のエミール・クストリッツァが自ら自身を彷彿させるように演じている。対して、花嫁に扮するのが『マレーナ』でも男たちを狂わせていたモニカ・ベルッチが扮している。この映画でも男たちを狂わせていくベルッチだが、男たちに翻弄されあまり感情を表さず笑顔もほとんど見せない人形の様なマレーナと違って、花嫁ははっきりとコスタへの愛情をはっきりと表し、笑顔を見せ生き生きと演じられている。  最初は男女の四角関係というクストリッツァ映画特有のおかしな人間たちのおかしな人間模様が展開していくが、中盤になると物語が急展開してトーンが変わっていく。平和が訪れたはずの村が一人のストーカー的狂気の英国将校が送り込んだ兵士によって虐殺されてしまい、この犯罪的行為に対してコスタと花嫁だけが生き延びて二人の生きるための戦いが始まる。二人にとっては生き延びることがこの戦いの勝利であり、逃げ隠れしながらも兵士たちを倒していくが、花嫁も死んでしまいこの物語はハッピーエンドにはならない。しかし、コスタは花嫁の死を嘆き自殺しようとしながらも止められて生き延びる。やはりコスタがここで死んでしまっては完全に戦いに負けてしまうので生き延びなくてはならないのだ。        ラストでは生き延びたコスタが花嫁の死んだ地雷原にあたり一面石を敷き詰めているが、これは花嫁の墓を作ろうとしているのだろうが、もっと広義で言うと地雷原を石で埋めてしまうことによって本当に戦争で死ぬ人が出ない世の中が来ることへの願いにも思えてしまうのである。

  • 鑑賞日 2018/1/14

    ヘビやらテントウ虫やら

    クストリッツァの動物好きが炸裂! はやぶさ、ヘビ、蝶、テントウ虫、ロバ、ヒツジが寓話を紡いでゆく。

  • 鑑賞日 2018/1/14

    戦争が続く国で

    エミール・クストリッツァ監督(主演も)は、旧ユーゴスラビアのサラエヴォ出身。描かれている戦争は、ボスニア紛争か。映画の最初に「3つの実話と多くのファンタジー」とタイトルが出るが、基になっている3つの実話がわからないので、今ひとつこの映画を理解できなかった。モニカ・ベルッチとの愛の逃避行は面白かったが。動物の映像は、どこまでが本物でどこがCGかわからなかった。モニカ・ベルッチはやや老けたが、やはりきれいだ。【エミール・クストリッツア×ファティ・アキン ボーダーラインを超えていけ:併映「50年後のボクたちは」】

  • 鑑賞日 2018/1/13

    原作も、映像的には面白いけれどどこかふわっと掴みづらいお話だったけど、映画になってもそこは変わらないなあ。動物大活躍ぶりは相変わらずのクストリッツァで、そこは楽しいんだけど、後半はのどかさがなくなって血みどろに…。つらい。 思えばクストリッツァ映画でこんなに血や死体がはっきりと出てきたのは初めてじゃないかしらん。火がついたまま空を飛ぶガチョウとか、地雷原を走り回って次々吹っ飛ばされていく羊とか、むしろホドロフスキーを想起した…(どちらも動物よく使いますけど使い方は正反対ですよね) 最後宗教方面に行ってしまう辺りもちょっとそれっぽい…。それはさておき、シーソーみたいな時計や、展開図よろしく唐突に開いて分解していく家とか、そういうびっくりギミックや、鏡の前でジャンプし続けるニワトリや、牛乳飲んで巨大化して人助けする蛇とか、そういう細かい要素はクスターの魅力爆発。 しかし、今回は不思議なくらい音楽が印象に残らなかったなあ。今までのクスター映画は、全部サントラ買っちゃうくらい印象強かったのに。別の人に任せたのかしら…と思ったら、息子のストリボルたんでしたか。そうでしたか。うーん、まあ、うん、パパよりは好みじゃないのは確かだけど…あれー? あと、ミキ・マノイロヴィチおじちゃんも出てたのね…。ちゃんと顔見てたけどぜんぜん気づかなかったよ…。だってクスター映画でおじちゃん出てきてまじめな役なんて初めてだったから…(好きです)(でもあのもじゃもじゃ頭がないと私はおじちゃんを認識できない気がしてきた)(でも好きです)

  • 鑑賞日 2017/9/22

    ほかの誰にも似ていないクストリッツァの世界

    クストリッツァの新作「オン・ザ・ミルキー・ロード」は、長らく戦争下にあるらしい欧州の某村を舞台に、ミルク運びをしているクストリッツァ扮する主人公が体験する奇妙な恋愛冒険を巡るお話で、前半は動物たちが見せるパフォーマンスに笑わされるものの、後半は戦争・殺し合いへの怒りと鎮魂が込められ、トータルとしてはファンタジーに彩られながらも、観る者を厳粛な思いに誘う映画でした。 クストリッツァは、確か旧ユーゴスラヴィアの人ですから、セルビアとボスニア・ヘルツェゴヴィナの内戦が創作の基だと思われ、新作の舞台となる戦争渦中の村も、同一国家内での内戦がイメージされているのでしょうが、前半は、どこか牧歌的で長閑な空気が流れ、人々はまるで戦争状態を楽しんですらいるようです。 主人公になついている猛禽ハヤブサ、行進した末に屠殺された豚の血を嬉々として浴びるアヒルたち、鏡の前でジャンプし続ける鶏、主人公が道にこぼしたミルクを飲んで巨大化し、恩返しとばかりに人助けをするヘビなどが笑いを呼ぶ一方、後半は、地雷原で次々と命を落としてゆく哀しき羊が、痛々しいのでした。 とにかくほかの誰にも似ていない、クストリッツァにしか発想できないお話と作れない映像が、観る者に独特の時間を与えてくれる映画体験。今年2017年で63歳になる初老のクストリッツァと53歳になる中年女モニカ・ベルッチが恋人同士を演じ、それが瑞々しく見えてしまうというクストリッツァ的詐術。お見事です。 わたくしはクストリッツァの映画を「アンダーグラウンド」しか観ておらず、というのも彼の映画が次々と入ってきた90年代は映画と距離を置いた生活をしていたからで、「パパは出張中!」も「黒猫・白猫」も観ていないのですが、いつかまとめて観たいものだと思います。

  • 鑑賞日 2017/12/15

    結構面白かった

    話自体は面白かったか何故おの戦場をミルクをヤギで運ぶ必要があるのかが伝わってこなかった。

  • 鑑賞日 2017/9/23

    土着的リアリズムのあるファンタジー

    エミール・クストリッツァ監督の新作で、紛争中の某国の最前線で牛乳配達をしている男が、何か過去がありそうで紛争の英雄と結婚することになっている女性に惚れて、ひょんなことから実力者でもある英雄のところを飛び出し、二人で逃避行をする、というお話しで、場所を特定していないので、土着的リアリズムのあるファンタジーにも見えて、場面転換が唐突に見えるのもそのためだろうと思いますが、いわゆる愛の逃避行をこのような形で描いているのはクストリッツァの独壇場と言えるでしょうね。ヒロインをモニカ・ベルッチが熱演しているのもいいですね。

  • 鑑賞日 2017/11/19

    ミルキーって可愛いイメージだけど映画は濃厚。濃厚牛乳。

    とにかく濃いんです。映像も物語もモニカ・ベルッチも。密度が濃い。語るべきことは多いんですが、処理できない。 最初に井戸が出てくるシーンで、井戸からふわっと蝶が舞い上がる。そこで泣いちゃった。天から舞い降りた天使ならぬ、この日常的な戦火の中で地下から舞い上がった蝶に泣いちゃった。たぶん、戦争と蝶は相性がいいんですよ(そうか?) この映画、冒頭から動物さんたち大集合だワイワイ、ウンパッパのブンブンで、蝶もその一つなんです。 ロバも蛇も隼も、いや動物だけじゃない、雷も滝も夜の闇も、雄大な自然、世界の生命全てが「奇跡」につながっているのです。 戦火の下での人々の営み。追い詰められる主人公たちを救う奇跡。 人の命を奪う人。人の命を救う自然。 この世界に生を受けたのも奇跡なら、二人が出会ったのも奇跡。 この映画は、時計の止まった世界の寓話なのです。 この聖書的寓話に彩られた世界の中で、私は奇跡を信じたよ。信じちゃったよ。

  • 鑑賞日 2017/11/19

    クストリッツァの9年ぶりの監督作ということだけど前作がドキュメンタリーだったので劇映画としては10年ぶり? 動物や音楽の使い方などいつものクストリッツァ節を堪能できるが、こんなものでは全然食い足りない。前半は良かったが将軍の手先がやって来ての逃避行からの後半はややパワーダウン。 クヅトリッツァ自身も言ってるように主役は他の役者にやらせたほうが良かったかも。

  • 鑑賞日 2017/9/22

    ハヤブサ可愛過ぎ!

    戦時下の絶え間ない砲撃と、あまりにもかけ離れた緊張感のない人々の生活。目を背けてしまうリアルな現実と美しく幻想的なファンタジーの世界、ユーモラスで憎めない寓話的な動物たち、そして情熱的な歌と踊りとエロス、そんな色んなテイストが幾重にも折り重なり語られる愛の物語は、最高に心地良く、美しく幻想的は映像に心を奪われます!今のとこ今年No.1の映画です!!もうハヤブサが可愛過ぎる。鳥好きは必見ですよ!

  • 鑑賞日 2017/10/17

    これは気になりながらもタイミングが合わずにいるうちに上映が終わりそうになってきたので駆けつけたけど、こんなに面白い映画を先送りしてたなんて後悔、見逃さずに済んでよかった! まずは画面に溢れるような動物たちの種類の多いこと、クストリッツァ監督によると蛇に巻かれるシーン以外は全てCGではないそうで口移しで熊にミカンあげるとかビックリなシーンも盛りだくさん、鳥やロバ、羊、犬、熊などなどが人間と同等な目線で描かれていて、“3つの実話に沢山の寓話を盛り込んだ”展開は一見荒唐無稽なようでいて、終わってみれば、生き残りの悲しみと“愛の記憶”の物語だった。 ボスニア・ヘルツェゴビナの歴史的背景を知ってから観たらもっと深いところまで理解できたと思うけど、クストリッツァ監督が演じる主人公コスタの相棒であるハヤブサもツボ、動物好き、鳥好きにはたまらないかも。

  • 鑑賞日 2017/10/9

    私の美しさとあなたの優しさは

    ガツンと打ちのめされる。 さすがクストリツッァ。 野蛮なほどに生命力がほとばしるクストリツッァ節からの大殺戮、そして逃避行。 美しさゆえに不幸な女。 優しさゆえに壊れた男。 ほんのひと時ふたりきりの幸せな時間。 熟年になってもやっぱり美しいモニカ・ベルッチはともかく、クストリッツァが頼もしくカッコよくみえてくるから不思議だ。 世の悪意に終わりはなく、強者は弱者を平気で踏みにじる。 銃弾が、地雷が、羊を、人間を吹き飛ばす。 それでも生き続けなきゃいけない。 なぜ。 全てなかったことになってしまうから。 人々の営みも、愛も。 敷き詰められた石の数、数。その白さ。 抱え込んだ絶望と、それでも消えない愛と。 今回、監督が主演も務めているせいか、彼のまなざしからそのメッセージがより直接的に響いてきた。 そしてやっぱり音楽が素晴らしい。 クストリツッァのもうひとつの主役である動物たちも見事だった。 幕開け、解体された豚の血にガチョウが飛び込む。 1羽2羽・・・。バスタブいっぱいの血まみれガチョウ。 バスタブから上がり血が乾き始めたガチョウにブンブンと羽音を立ててハエがたかる。 それをうるさそうに振り払い、パクッと食べるガチョウ。 きっと観客は思うだろう。ああ、クストリツッァだなぁ。と。 そしてハヤブサ。かわいいよ、ハヤブサ。なんて芸達者。

  • 鑑賞日 2017/10/8

    コミカルだけど残酷

     セルビア映画。隣国と戦争中の村で、ミルク運びのコスタは毎日ロバに乗りハヤブサをかたに乗せ前線までミルクを運んでいた。村ではミルク売りのミレナがコスタと結婚しようと目論んでおり、兄が帰ってきたら嫁にするためイタリアから来た女性を迎えていた。ミレナのアプローチにも関わらずコスタはイタリアから来た花嫁に惹かれていたし花嫁もまたコスタに惹かれていた。停戦が結ばれ平和が訪れダブル結婚式が予定されていたが、花嫁に横恋慕している多国籍軍のイギリス人将校が花嫁を連れ去ろうと特殊部隊を村に送り込んできた。コスタは蛇のおかげで難をまのがれたが、特殊部隊により村は焼き尽くされていた。花嫁は井戸に隠れていて無事だったため二人の逃避行が始まる。しかし地雷原近くで追いつめられ、羊の群れに紛れて地雷原に入った二人だったが誤って花嫁が地雷に触れて死んでしまう。それから10数年後、石を詰めた袋を引き摺って山を登るコスタがいた。コスタは石を広大な地雷原に敷き詰めていたのだった。  アンダーグラウンドに比べてわかりやすい作品でした。戦争の愚かしさをコメディタッチながら残酷な映像で味付けした作品となっていました。花嫁に横恋慕するイギリス人将校の異常な行動も戦争のせいなんだろうかとも思うけど、少なくとも部下を使って村まで焼き払うような行動は戦争以外の何物でもないし、山間の地雷原というのも逃げ場を塞ぐための戦争の結果なんでしょうから、戦争の愚かしさの一つなんでしょうね。それにしても焼き払われた村で焼け焦げた死体となったミレナやその家族は悲惨な戦争の足跡なんでしょうね。停戦協定下の特殊部隊の蛮行はありえないことのように思うけど、停戦監視がしっかりしていないとあり得ることなのかもしれません。映画前半ののんびりした田舎の風景や銃弾をかいくぐるコスタとロバのコミカルな足取りといった優しい雰囲気は、逃避行のはじまる後半でガラッと変わってしまった。そのあたりはクストリッツァ監督ならではかもしれません。

  • 鑑賞日 2017/10/14

    三つの実話と多数の寓話

    ハヤブサを肩に乗せ牛乳配達の仕事をしている主人公(エミール・クストリッツァ)と将軍からストーカーのように追い回される絶世の美女(モニカ・ベルッチ)との命がけの逃避行をユーゴ紛争を背景に描くヒューマンドラマ。あまた登場する動物たちの中でも主人公の命を救う大蛇が印象的であった。 主人公は父親が斬首されるところを見た過去があり、それ以降精神的にどこか不安定になっている。ほとんど笑わないし怒りを押し殺しているようでもある。彼の周りで次々と不思議な事が起こる。まるで生きているような大きなからくり時計に母娘が翻弄されたり、「フラッシュダンス」のテーマ曲に合わせて元体操選手の女性がアクロバットな動きで主人公の肩に飛び乗ったり、落雷の鳴る夜に追っ手を逃れて大木に身を隠していた主人公と花嫁が魔法がかかったように天空に舞い上がったり、全編がメルヘンチックなテイストであった。 一方で非常に生々しい描写もあった。主人公と花嫁を殺しにきた三人の兵士に追い詰められ二人は川の中に潜る。土を掘り起こして水を濁した直後一人の兵士を捉えてナイフで刺殺する。当然川の水は真っ赤になるものの水を濁していたせいで誰にも気付かれることなく逃げおおせるのだ。さらにクライマックスで羊の群れが地雷原になだれ込み次々と爆死する場面も怖かった。 花嫁も地雷に触れて爆死する。それから15年後、大きな袋を引きずって険しい山道を登り花嫁の爆死した場所へ日参している主人公の姿が映される。袋から取り出した大量の石を主人公は地雷原に今日も敷き詰めていく。上空からの映像によりその範囲は尋常でないくらいの広がりだとわかる。愛した女性への鎮魂と祖国の平和への祈り。この二つを凝縮させたインパクトの強い名場面であった。

  • 鑑賞日 2017/10/14

    ふーん。観てみないとわからんもんやね。改めて。 観る予定無かたけど^^; 結構、好き。 グッとくる。 相変わらずほぼ予告編知識だけで観たけど、 予告編から想像してたのと全然違ぅてた。 丁度、時期を同じくして アーミーマン?とかやってるけど、 そっち系かと思ってたのよね。 まぁ、深い系かな。けど決っして重くは無い!みたいな。

  • 鑑賞日 2017/9/23

    『アンダーグラウンド』の鬼才エミール・クストリッツァ監督の9年ぶりの新作! ということでめちゃめちゃ期待して行ったんですが、これがもう、相変わらずクストリッツァ監督にしか撮れない作品というか 鬼才の健在っぷりを見せつけてくれる一本でした。 僕がクストリッツァ作品の何が好きかと言うと、基本はスラップスティックなコメディ(喜劇)でありながら、戦争の悲劇と人間の愚かさが等価で同居し、虚実を超えるマジックリアリズム、有無を言わせぬパワー(バルカン半島の音楽も込みで)と縦横無尽なストーリーテリングを経て、最後にはわけがわからないけど涙が出るほど凄い場所に連れていかれるというところですね。 というわけで今作もその作風は一切変わらず、いくつものギアチェンジを経て、悲しくも美しい境地に辿り着きます。 集大成感があるゆえに突き抜け方では『アンダーグラウンド』を超えてはいないかなーとも思ったんですけど、それでも「クストリッツァやっぱすげえ」と圧倒されるには充分なものでした。 ちなみに、映画好きの人でクストリッツァ作品をまだ観たことがないという人は『アンダーグラウンド』だけは一生に一度は絶対に観ておいてください。 ユーゴスラヴィアというかつてあった国の歴史を、油の乗り切ったクストリッツァが凄まじいパワーと笑いと執念で描き切った、映画史に残る圧倒的な一本なので。

  • 鑑賞日

    クストリッツァの責任感か

    わたしはクストリッツァの『アンダーグラウンド』が大好きである。ラストの「悲しみと喜びなくては伝えられない。むかし、あるところに国があった、と。」という台詞と、徐々に離れていく浮島でのお祭り騒ぎに、途方もなく感動したのを、強烈に覚えている。 そんな『アンダーグラウンド』から約25年。そのラストに対する責任感のようなものを本作のラストから感じたのである。クストリッツァ自身が主演しているからこそ、余計にそう思ったのだが、あのラストは『アンダーグラウンド』ありきで考えると、とてつもない感動をよぶ。 愛するモニカ・ベルッチの死を追おうとしたクストリッツァに対して、羊飼いの言うのは「(お前が死んだら)誰が彼女を思い出すんだ?愛を繋げ」ということだった。映画はそれで終わらずに、15年もの間、愛を忘れないクストリッツァの姿までもが描かれる。浮島のように幻想的に終わらせずに、あるひとつの結果として風景を撮りきったクストリッツァの気概。これに感動せずにはいられない。愛するモニカ・ベルッチを殺したのは、妬みであり戦争状態であり地雷である。終われる苦しみは亡国の苦しみ。争いを生むのは妬み。休戦というのは国の決め事であり、そこに住民はいない。考えればクストリッツァがこの映画 に込めたファンタジーにきりはない。3つの事実とは何だろう?少なくとも、クストリッツァが示した映画の在り方、その結末は、愛するモニカ・ベルッチを殺した地雷原を白い石で覆い隠すこと。白い石を積み上げること。これを安易に邪推すると、愛する人の死の上に建国があるということだろう。『アンダーグラウンド』の浮島を、浮島というファンタジーにはせず、堂々と事実の上に築いているのだ。クストリッツァの責任感というのは違うかもしれないが、この映画は『アンダーグラウンド』のその先にある。クストリッツァの生き様が刻印された傑作が本作だ。 相変わらずのはちゃめちゃ加減に笑い、クストリッツァ動物園に驚き、ウンザウンザ音楽を楽しむ。いつものクストリッツァ映画の面白さも、いつものようにあるので、娯楽作品としても一級品。というか、クストリッツァが好きなら、当然のように好きになってしまうような映画である。見事。素晴らしい。わたしは大好きである。

  • 鑑賞日 2017/10/9

    かくも牧歌的でかつ残酷で陽気な愛の逃避行は観たことがない

    動物たちの素晴らしい演技、イイ顔揃いの脇役陣、ノーメイクのモニカ・ベルッチの美しさ。エミール・クストリッツァにしか描けない世界がここにある。かくも牧歌的でかつ残酷で陽気な愛の逃避行は未だかつて観たことがない。

  • 鑑賞日 2017/9/25

    まっすぐな愛に隠された鎮魂歌

    エミール・クストリッツァ監督の『アンダーグランド』は独創的な発想で思わず見せるといった感覚の現代史だった。今回もその流れに期待を膨らませて観た。政治的な主張は後退したものの、あいも変わらない圧倒的なエネルギー量に思わずのけ反った。戦争。この醜い人間の意思に基づく行為の傍にいつもながらの無垢な動物を配し、時に演じさせている。 ある国の戦時下、もう若くない男女の出会い、女の抱えている事情から生じる二人の逃避行を描いている。 女をイタリア出身の女優モニカ・ベルッチ、男をクストリッツァ自身が演じている。 クストリッツァ作品は、先が見えない。しかるに読めないのが特徴。「われわれはどこに持っていかれるか?」そこが読めないのだが、逃避行のあげく男は、最愛の彼女を失う。愛する彼女のあとを追って地雷を踏んで自殺しようとする男に居合わせた老人がしがみつくようにして止める。そのときのセリフがいい。「今お前がいなくなったら彼女のことを誰が思い出してやるんだ? 」とは泣かせる。 クストリッツァのこの独特の狂騒性や奇想天外性は一体何によって形成されたのだろう?。ラストかつて地雷が埋まり多くの命を奪った大地に敷き詰められていく真っ白な石。これは、出家して喪に服した彼がリュックに詰めて山を越えコツコツと敷き詰めていったもの。その行為は、失われた同胞たちへの鎮魂か?クストリッツァ自身が内戦に翻弄された過去へのピリオドか?奇想天外と言えども語っていることは実にシビアな現実だ。

  • 鑑賞日 2017/9/29

    動物・音楽・ファンタジー

    観ていて『アンダーグラウンド』みたいな映画だと思っていたら、鑑賞後に同じ監督だと知って納得。終始狂いながら奇妙で美しい。まるで白昼夢のような映画。

  • 鑑賞日 2017/9/27

    クストリッツァの過去作を (まさにアンダーグラウンドや黒猫 白猫) 観たいのにレンタルショップにも置いていなくて なかなか機会がないまま 今作が初クストリッツァになった。 動物たち!バルカン音楽! 陽気な空間のすぐ隣りには戦争 キテレツで異様な世界観は なかなかに癖になる。 エネルギッシュな絶望、 そこにある愛。 後半の「逃避行」はハラハラとしつつ とにかく生きて!と2人を見守った。 購入したパンフレットのデザインも好み◎ 今からゆっくり読もう。

  • 鑑賞日 2017/9/26

    エミール・クストリッツァ監督作品 圧倒的な映像表現に心を奪われた。本当の名作は映画が始まったと同時にそれと判るという事だ。 今年観た作品の中でダントツの一番である(今年はもう、これを超える作品は出ないだろう)。 来月には、アンダーグラウンドが完全版で再上映されるのでそれも楽しみだ。

  • 鑑賞日 2017/9/19

    ハチャメチャ×ドタバタの馬鹿馬鹿しさはいつの間にか戦争の狂気の影に飲み込まれ意味を無くし、意味のなさが極まったとき、無意味という意味のかくも崇高な行いに昇華される! 「愛さえあれば、ほかに何がいるっていうんだ!」

  • 鑑賞日 2017/9/25

    銃弾が飛び交う中での牧歌的とも言える日常

    銃弾が飛び交う中での牧歌的とも言える日常が現実を超越してまるでファンタジーのようだが、後半の逃避行はハラハラしながらも束の間の幸せを感じさせて愛し合う2人が愛おしくなる。ノリのいいバルカンミュージックや演技をしているような動物たちと、相変わらずの混沌としたクストリッツァ・ワールドも満喫した。

  • 鑑賞日 2017/9/25

    乗り越えてみましょうその愛で…

    隣国と戦争中だが、休戦と戦争を繰り返して膠着状態のとある国。 ハヤブサを肩に乗せ、山羊の乳を配達するコスタ。 コスタに想いを寄せるミレナはイタリアから移民の兄嫁を引取るが、彼女とコスタが惹かれ合うようになります。 前半は戦争や花嫁のシーンで、後半は二人の多国籍軍からの逃避行が描かれます。 なぜこれほどまで執拗に追跡されるのか疑問も残りましたが、イギリス軍の派遣兵とのことで、東欧の自由を抑圧し続けた西欧へのしっぺ返しなのでしょう。 様々な動物が多く使用されていますが、コスタや花嫁が大蛇に絡まれる以外はCGを用いなかったというだけあって、長い年月をかけて動物の世界に人間が見事に融合していて見ごたえ充分です。 人間の象徴としての動物で寓話的な世界を構築していますが、多くの羊などの犠牲の上で救われた人間の命など、宗教的な救済も連想させられました。 悲劇と喜劇とが混然一体となり、戦争・迫害からの自由、愛の尊さを高らかに謳いあげた大いに変わったラブストーリーでした。

  • 鑑賞日 2017/9/24

    ダンスをするハヤブサ、血まみれのガチョウ、鏡の前で跳ねながら卵を産むニワトリ、歌うロバ、ミルクを飲むヘビ、個性的な動物が人間よりも自己主張をする、印象深い映画。

  • 鑑賞日

    これでいいのだ

    ことしのいちばん

  • 鑑賞日 2017/9/17

    終わらない戦争。

    映像、音楽、人物の描き方、エミール・クストリッツァ監督の作品はやはり興味があります。後半かなりのロードムービーとなりましたが、時に織り込まれるファンタジー要素、突然の残酷シーン等、展開もまったく先が読めず、機会があるたびに何度でも観たいと思ってしまうのです。飽きない!

  • 鑑賞日 2017/9/19

    クストリッツァの新作は、狂奏曲のような賑やかさとけたたましさ、そこから生み出される圧倒的なエネルギーは健在であるが、戦争が終わらない街、そして永遠に追ってくる敵から逃げるクストリッツァとモニカベルッチの愛の逃避行であり、サバイバル的な趣もある。ファンタジックであると同時に、そこに永遠に侵食してくる戦争の影。逃げても付きまとう影を、大自然と動物が道しるべとなり危機を回避していく。 終盤の展開に驚きを隠せない。驚異的な動物の演出を施し、動物と人間を等価として一つの世界を構築するクストリッツァが、寓話的とはいえ、動物の命を木端微塵にしてしまう。それでも生き残ろうとした男=クストリッツァは、その重い重い十字架を背負い、人生をどう捧げようとしたのか。その生き様はもはや聖人にも見える。圧倒的な俯瞰で映し出される光景に圧倒され、胸が締め付けられる。

  • 鑑賞日 2017/9/18

    帰ってきたクストリッツァ動物園

    ‪#0715 TOHOシネマズシャンテ「オン・ザ・ミルキー・ロード」。エミール・クストリッツァの「マラドーナ」以来となる監督作品。監督自ら主演を務めユーゴスラビア紛争の中でモニカ・ベルッチ演じるイタリア女性との逃避行を描いている。今回も動物への拘りは尋常でなく多分に暗喩を含んでいる‬。

  • 鑑賞日 2017/9/18

    いま我々にできることは

    教科書的な映画作りの観点からだと、主人公のパートナーであるハヤブサほか羊、蛇、アヒル、蠅などなど動物たちの描写は丁寧すぎるだろうし、後半の愛の逃避行の顛末もやはり長いし非現実的すぎるように感じられるかもしれない。でも、人種間の憎しみ、テロと戦争が当たり前になってしまった我らの世界を表現するにはこれしかないのだろう。E・クストリツア監督自身が演じる寡黙な男が渾身で見せる愛と悲劇に素直に笑い泣きできる2時間だった。いまだに美しいモニカ・ベルッチが出演すると映画の格が上がるなあ。

  • 鑑賞日 2017/9/17

    クストリッツァらしいかなあ?

    生命と戦争、戦争と隣り合わせの生活、終わらない戦争、というようなクストリッツァのメッセージは変わらずあるものの、本作はそこにある純愛 というのが、なんとも身勝手で、素直に受け取れなかった。クストリッツァファンは諸手を挙げて受け入れていると、映画評にはあるけれど、本当にそうなのかなあ…。少なくとも私は無理。いかなるメタファーがあろうとも、あの羊で引いてしまいました。そんな人だと思わなかったよ…

  • 鑑賞日 2017/9/17

    比喩がたくさん

    比喩が、多くあり、日本人には分かりにくい気がした。さかも、ちょっと長すぎ。羊は、気の毒。モニカベルッチは、綺麗だがかなり歳をとってしまった。

  • 鑑賞日 2017/9/17

    前半と後半の対比。

    クストリッツァの描く世界はいつだって動物たちが大騒ぎ。鏡を見ながら興奮して卵を産む雌鶏、豚の血で水浴びするガチョウ、音楽に合わせて肩を揺らすハヤブサ等々。すぐそこで戦争をやってるのにどこか呑気でユーモラスな村人たちの暮らしが織りなす前半が、村が焼き払われ跡形もなくなる後半により暗く悲惨な影を落とす。あの蛇は、旧約聖書でアダムとイヴが楽園を追放される原因となった蛇だろう。ほかにもよくは分からないけどこれは何かの暗喩だろうなと思ったシーンが多々あり。 自分たちの利害のために争いを繰り返す人間たちは全く救いのない存在だが、そんな世界でも、ひとりひとりができることはあるかもしれない。ラストシーンがそう言っていたような気がする。 2人の女が眠るオンボロの病院で、コスタが両手に鍋を持って雨漏りを受け止めるシーンが優しくて好き。

  • 鑑賞日 2017/9/16

    動物たちに拍手!何せ人間たちより演技が上手い!

    自分にとっては久しぶりのエミール・クストリッツァ。独特のユーモアで面白いんだけど、感覚的には引っかかりあり。恐らくは後半の愛の逃避行がやや中だるみだと思うが。それでも登場する動物たちには驚かされるし、笑わせてくれる。これだけでも一見の価値あり!

  • 鑑賞日 2017/9/15

    愛の逃避行

    3つの事実と多くの寓話というコメントから始まる本作。 3つの事実のうち、ひとつは戦争だとは思うのですが、後のふたつが何なのか気になりました。 その戦争という殺伐とした中で、ファンタジックでユーモアを忘れない不思議な作品でした。 そのユーモアのひとつが俳優並に活躍する動物たち。 CGなしとは言っておりましたが、蛇は間違いなくCGでしょう。 熊に注目されがちですが、私は音楽に合わせてダンスするハヤブサや鏡を見ながら卵を産むニワトリの方が面白かったです。 また、残酷な戦争の一面を描きながらも、情熱的な音楽やダンスが明日への生きる希望と思わせる。 戦火の中を掻い潜る愛の逃避行もスリリングで、切なる愛が盛り上がりました。 ヒロインにはモニカ・ベルッチ。 老けてもモニカ・ベルッチはモニカ・ベルッチでしかなく、宝石の輝きが失っておりません。 監督自ら主演もはたし、ちょっとおいしかったか!?