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PROGRAM/放送作品
ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!
伝説のカルトSFコメディが29年ぶりに復活!中年になってもおバカなコンビが三たび時空を大冒険
カルト的な人気を博したSFコメディの29年ぶりとなるシリーズ第3弾。キアヌ・リーヴスら前2作のキャストと脚本家が結集し、スケールアップしたドタバタ騒動を展開する。豪華アーティストのカメオ出演も必見。
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COLUMN/コラム2013.10.18
「映画はファッションの教科書!」を3倍楽しむための必読ガイド最終回【デザイナー編】
長年モードの世界に身を置かれ、その歴史を見てこられた田口淑子さんに再び解説して頂きます。映画本編の華麗なるファッションの世界のエッセンスがちりばめられた必読ガイドです!! ■ライフスタイルを提案するラルフ・ローレン ラルフ・ローレンのメンズコレクションはミラノで開催されていた。「アルマーニ」や「グッチ」、際立つラグジュアリーブランドが多いミラノメンズの中でも、ラルフ・ローレンの演出は異色だった。門扉をくぐったところからすでに会場の演出は始まっていて、日常とは違う空間が出現する。玄関まで点々とキャンドルが灯され、前庭には布製のソファが点在。黒服のギャルソンが、銀のトレーでウエルカムシャンパンをサービスしてくれる。部屋の壁にはいくつもの肖像写真が飾られ、いたるところが花でいっぱい。客席の椅子も、カーテンも、全てがニューイングランドスタイル。「ギャッツビーの邸宅ようだ」と、私と同じ感想をもった、取材するジャーナリストはきっと多かったことと思う。 「華麗なるギャッツビー」はジャズエイジのアメリカ、ロングアイランドが舞台。女たちのドレスは、ラッフルやフレアのある典型的なフェミニンタイプ。シフォンやデシンの薄い布地にはビーズやフリンジがあしらわれ、キャップ型ヘッドドレス、オーストリッチのストール、シームのある絹のストッキングと、どれもが装飾的でデカダンなスタイルだ。 そしてギャツビーの衣裳はラルフ・ローレンがデザインしている。この映画を観る時は、三つ揃いのスーツの、衿のVゾーンに注目してほしい。シャツ、ネクタイ、ジャケット、三つのアイテムの色の配分とデイテールの遊び心の表現が、着る人によって微妙な違いを見せているのだ。この時代のスーツは今も古くなっていないどころか、アメリカントラッドのお手本の最高峰として、おしゃれ好きな男たちにとっては必見の、永遠の映画なのである。ジュエリーはカルティエが担当した。今年、ミウッチャ・プラダがレディス、ブルックス ブラザーズがメンズ、ジュエリーをティファニーが担当したリメーク版が公開されて話題になった。2つの作品を比較してみると、映画の制作年度である1974年当時と2012年の、それぞれの時代性が、‘20年代のファッションに、複層的に投影されているのがわかってきて興味深い。 ■アートとモードを融合させた石岡瑛子 「ドラキュラ」は石岡瑛子が衣装と美術を担当。冒頭の15世紀、まだ吸血鬼になる前のトランシルバニアの王ドラキュラが戦で装着する甲冑は、流線型の造形が未来的。衣裳というよりはもはやアート作品と言えるだろう。やがて舞台は400年後、19世紀末のロンドンに移る。ウイノナ・ライダー演ずる、ドラキュラが恋したミナのドレスは、いかにも貞淑な良家の子女風の控えめな色とデザイン。男たちの服装も時代考証にほぼ忠実に、フロックコートやシルクハットを再現している。石岡瑛子ならではのアート性を遺憾なく発揮したのが、ミナの友人ルーシーの「死のウエディングドレス」だ。純白のレースの、エリザベスカラーと、長くトレーンを引くヘッドドレスのボリューム感が息をのむほど美しく、「ドラキュラ」が1992年度のアカデミー賞、衣裳デザイン賞を受賞したのも大いにうなづける。 ■女優の衣装を革新した人、イデス・ヘッド 「泥棒成金」のグレース・ケリーの衣装デザインはイデス・ヘッド。彼女は「裏窓」以来の、ヒッチコックのお気に入りで常連スタッフ。オードリー・ヘプバーンの「ローマの休日」や、サブリナパンツが今も若い女性の定番ボトムスになっている、「麗しのサブリナ」の衣裳も彼女の手による。グレース・ケリーのクールビューティを最大限に引き出す、ゴテゴテと飾り立てない衣裳のシンプルさは、当時革命的だったろうと思う。イデスの写真を見ると、もし彼女が今生きていたらコムデギャルソンやヨウジヤマモトの前衛的なクリエーションに共感したに違いないと思わせる、知的で職人的な雰囲気の人だ。 ■トム・フォードの完璧な美学 トム・フォードの初監督作品、「シングルマン」。トムの経歴をたどると、1990年「グッチ」のデザイナーに就任。どちらかというとコンサバティブなハイクラスのマダム御用達だったブランドを、一躍世界のラグジュアリーファッションの筆頭ブランドに変革した立役者だ。その後、自分のブランド「トム・フォード」を設立し、ビジネスの規模を拡大するのが第一のテーマではなく、トム自身の美学のもと、真のラグジュアリーとは何かを追求し続けている。 「シングルマン」でコリン・ファース演ずる大学教授ジョージの隙のないワードローブ。スーツ、シャツ、ナイトガウン。アクセサリーでは、左手小指の指輪、靴、ブリーフケース、眼鏡。全てがトム・フォードならでは完成度だ。トムが自分のブランドで目指していることは、この映画で彼が表現したかったこととぴったりと重なっている。ジョージが着る何気ない白いシャツが、なぜこれほど存在感を持ち、ジョージの個性を表現し、視覚的な美しさを讃えているのか、その答えを映画を見ながら一考してみていただきたい。「シングルマン」はここ数年の映画の中で、最もファッション性が高く表現された作品と言えるだろう。 ■ ■ ■ 【特集「映画はファッションの教科書!」を3倍楽しむための必読ガイド】 10月特集「映画はファッションの教科書!」は10/17(木)-20(日) 【再放送】 10/28(月)-31(木)の日程で 下記11作品でお送りします! ドラキュラ(1992)ロミオとジュリエット(1968)陽のあたる場所英国王のスピーチグロリア(1980)華麗なるギャツビー(1974)ドリームガールズサタデー・ナイト・フィーバーラブソングができるまでシングルマン泥棒成金 コラムで予習、映画本編で答え合わせ!!映画を教科書にして、ご自身の着こなしに取り入れてみてはいかがでしょうか?■
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PROGRAM/放送作品
ジョン・ウィック:パラベラム
[R15+]裏社会を追われた伝説の殺し屋の運命は?キアヌ・リーヴス主演の壮絶アクションシリーズ第3弾
キアヌ・リーヴス演じる伝説の殺し屋が、銃撃とカンフーを融合した“ガン・フー”に加え、馬を操りオートバイ集団と戦うなど派手なアクションを多彩に披露。ハル・ベリーも“ドッグ・フー”の使い手として初参戦。
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COLUMN/コラム2013.10.01
「映画はファッションの教科書!」を3倍楽しむための必読ガイドその1
年に一度の映画界最大の式典といえばアカデミー賞授賞式。その年最高の映画が決まるとともに、その時を代表するセレブ達のトップが決まる授賞式でもある祭典でもある。そこで注目したいのは、そのときどきを刻む衣装。授賞式当日のセレブ達のきらびやかなドレスもそうだけど、最優秀衣装デザイン賞を受賞した作品は、有名デザイナーがデザインした衣装がズラリ。 たとえば、古くは1956年の『泥棒成金』は、『ローマの休日』などの衣装デザインを担当したハリウッド映画衣裳デザインの第一人者であったイデス・ヘッドが担当(彼女は衣装デザイン賞を8回も受賞している)。衣装をポイントにして映画を観ると、その時代のトレンドや、描かれた時代の再解釈、そしてデザイナーの本気が見えてくる。 忘れられないのが、1977年の大ヒット作『サタデー・ナイト・フィーバー』のような作品。この映画で出てきた衣装は70年代アメリカの若者達のトレンドが浮き彫りになったことでも知られる。これは当時の流行のメインではなく、サブカルチャーの中で流行ったものだけど、それが後にメインになり、そして廃れ、また近年のヒップホップシーンにおいて再解釈されていることを考えると、その影響力は計り知れないことがわかるだろう。 同様の作品としては2006年のノミネート作『ドリームガールズ』も60年代アメリカのR&B界のファッションシーンが映し出されているが、これまた流行は一巡して、今観ても新しい衣装に見えるから不思議。また、時代ものの映画はストーリーもさることながら、コスプレならではの華麗な衣装から観た方が、よほど親しみやすいというもの。 オリビア・ハッセー・ブームを巻き起こした1968年の受賞作『ロミオとジュリエット』なんて、衣装の魅力がジュリエットの可憐な美しさを引き立ててるし、2010年のノミネート作『英国王のスピーチ』も今ほどオープンではなかった戦前の英国王室の荘厳さを、宮殿や社交界のシーンで実感できる。 そういった中でも特筆すべきは、石岡瑛子にオスカーをもたらした1992年の『ドラキュラ』は必見作。以後の彼女が手がけた「ザ・セル」やこちらもアカデミー賞衣装デザイン賞にノミネートされた「白雪姫と鏡の女王」にも観られる、西洋のゴシック様式と日本の着物や甲冑からモチーフを得たデザインの原点ともいえる衣装の数々が目にできるのだから。 そして忘れてはならないのは、有名デザイナーたちによる衣装! 今年リメイク版が公開された1974年の受賞作『華麗なるギャツビー』は、ラルフ・ローレンが衣装デザインを担当。1920年代アメリカン上流社会を舞台にしたこの作品は、いかに上流社会の人々の優雅さを表現するかで、我々がよく知るラルフ・ローレンが貢献していたというだけで、興味がわくところ(ちなみにリメイク版はブルックス・ブラザーズとプラダが担当した)。 有名デザイナーが担当してオスカーを得た作品でいえば、当時既にファッション界のカリスマであったエマニュエル・ウンガロが担当した1980年の『グロリア』あたりもチェックを。 また、受賞こそ逃したが、元グッチ、イヴ・サンローランのクリエイティブ・ディレクターで現代ファッション界を代表するトム・フォードが監督と衣装デザインを担当した2009年の『シングルマン』は、ファッション・デザイナーのセンスで描かれた映画だけに、おしゃれ好きの人のマスト・リスト。「これが衣装デザイン賞を逃すなんて、どうかしてるよアカデミー! だって、トム・フォードだよ?」と、授賞式当時は現地マスコミの間でもヤジが飛んだほど。彼が常に提案しているトラッドとセクシーの見事な融合を、一編の映像にまとめた希有な作品だ。映画に詳しくない人も、たくさんは観ていないという人も、衣装から観ると映画、そしてアカデミー賞が楽しく見えてくる。ちょっと視点を変えてみてはいかが?■ ■ ■【特集「映画はファッションの教科書!」を3倍楽しむための必読ガイド】は最終回「デザイナー編」へと続きます。次回の更新は10月16日を予定しております。最終回も、ファッションのプロである田口淑子さんに引き続き、映画とファッションの「深い関係」を解説していただきます。乞うご期待下さい!そして、10月特集「映画はファッションの教科書!」は10/17(木)-20(日) 【再放送】 10/28(月)-31(木)の日程で 下記11作品でお送りします! ドラキュラ(1992)ロミオとジュリエット(1968)陽のあたる場所英国王のスピーチグロリア(1980)華麗なるギャツビー(1974)ドリームガールズサタデー・ナイト・フィーバーラブソングができるまでシングルマン泥棒成金 ぜひ映画本編でも、数々のファッションをお楽しみ下さいませ!■
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PROGRAM/放送作品
ジョン・ウィック:チャプター2
[R15+]最強殺し屋の一撃必殺アクションが進化!キアヌ・リーヴスの魅力が全開する人気シリーズ第2弾
キアヌ・リーヴスが伝説の殺し屋に扮する大ヒット・アクションの続編。格闘と銃撃を組み合わせたガン・フーに続き、カー・フーやナイ・フーなど新たな一撃必殺技を披露する。主人公を狙う曲者揃いの殺し屋にも注目。
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NEWS/ニュース2012.07.09
アクションスター列伝【逃避行対決】結果発表!
『チェーン・リアクション(1996)』(キアヌ・リーヴス)正体不明の凄腕暗殺者ジャッカルに扮するブルース・ウィリス。追われながらもターゲットを追い詰める。 VS 『ジャッカル』(ブルース・ウィリス)正体不明の凄腕暗殺者ジャッカルに扮するブルース・ウィリス。追われながらもターゲットを追い詰める。 追われながらも果敢にミッションを遂行するのはどっちだ!?いざ、対決! キアヌ・リーブスとブルース・ウィリス。かたやアクロバティックにのけぞるマトリックス戦士、かたや不死身のダイハード刑事として、日本でもファンの多いスター同士である。そんな彼らが、ここでは“追われる男”として激突。『チェーン・リアクション』のキアヌも、『ジャッカル』のブルースも、彼らのイメージとはやや異なるキャラクターにふんしているが、軍配はどちらに? 石油に変わるエネルギーを水から生み出すという、画期的なクリーン・エネルギー装置を開発したものの、何者かに命を狙われたあげく、いわれのない殺人容疑をかけられた若き研究者。『チェーン・リアクション』でキアヌがふんするのは、そんなキャラクターだ。頭脳派という点だけで彼には珍しい役(?)だが体型もいつもよりズングリしていて、いかにも科学オタク風。運動能力に乏しそうな人物だけに、迫りくる危険から逃げるストーリーには大いにハラハラさせられる。研究所の大爆破によって迫る爆風からバイクで必死に逃亡し、市街地を走っては逃げ、氷上を滑っては逃げる。もちろん、その過程で陰謀の画策者を探り出すという、これまた難儀なミッションに奔走するワケで、スリリングなことこのうえない。■ 一方、1970年代の社会派サスペンス・アクションの傑作『ジャッカルの日』を大胆に改編した『ジャッカル』でブルース演じるのは、米国要人を暗殺する任務を負った正体不明の殺し屋、通称ジャッカル。追いかける側はリチャード・ギアが演じる、FBIに協力を要請された元IRAテロリストで、彼にとってジャッカルは因縁の宿敵でもある。どちらも諜報活動のプロだから、追いつ追われつの攻防は、やはり緊張感たっぷりだ。ジャッカルは身を隠し、逃げ回りながらもテロ暗殺計画を進めるわけで、彼がどのようにして標的に近づき、その標的が誰なのかというミステリーもドキドキ感をあおる。さてジャッジだが、ブルース演じるジャッカルは名前も国籍さえもわからない、ミステアリスな存在で、それは簡単には敵につかまらないことの表われでもある。変装術も巧みで、ロン毛や金髪、ヒゲ面はもちろんメタボ体型にもなるのだから凄いと言えば凄いのだが、スター・オーラの強い役者が演じているため、一歩引いてみると“どう見てもブルース・ウィリスだよ!”というツッコミも入れたくなる。その点、キアヌは役の上のフツーっぽさもあって、ぜい肉多めの姿で奮闘する姿は、見ていて感情移入しやすい。“追われる者の奮闘”という基準から見て、必死さが伝わってくる後者を勝者としたい。 以上のように、【逃避行対決】を制したのは、「チェーン・リアクション(1996)」のキアヌ・リーヴス! 明日7/10(火)のアクションスター列伝は【ヴァンパイア対決】!こちらもお見逃しなく!■ © 1996 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.© TOHO-TOWA
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PROGRAM/放送作品
ジョン・ウィック
[R15+]復讐に燃える伝説の殺し屋の“ガン・フー”が炸裂!強くてカッコいいK・リーヴスが完全復活!
近年当たり役に恵まれなかったキアヌ・リーヴスが、独特の美学を持つ孤高の殺し屋をクールに演じて完全復活。銃さばきとカンフーを組み合わせたオリジナル挌闘術“ガン・フー”で魅せる一撃必殺アクションは圧巻。
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COLUMN/コラム2009.12.04
憎さあまって可愛さ100倍、『マトリックス』
前回書きかけた、『マトリックス』が大っっっっっっっっキライだった、ということの続きを、今回は書きます。まずワタクシ、基本、エンターテイメントが好きなんです。好きっていうか、スゴいと思う。心から感心する。感動すらする。より多くの人たちに、より満足度の高い娯楽を供給する、っていうミッション・インポッシブルを、商売柄、ワタクシも日々課せられてますんで、常にそれにチャレンジしつづけてる(で、ちゃんと結果だしてる)ハリウッドを、ワタクシ、心底リスペクトしてるのです。100人いたら100人全員を楽しませるってことが、実は一番ムズかしい。逆に、100人全員を楽しませなくていいんだ、って開き直っちゃったような映画、「ミーの高尚なアートがユーに理解できるザマすか?」的な芸術映画だとか、「解るヤツだけオレ様についてこい!ついてこれん落伍者は容赦なく置き去りにするぞ!」的な難解オレ様映画だとかに、まるっきし興味ないです。エゴだよそれは(byアムロ)。そんなワケでして、実はワタクシ、『マトリックス』、好きじゃなかったんです…。公開時にリアルタイムで見てんですが、1は確かに面白かった! 1はまごうかたなきエンターテイメント映画でしたから。お客さんに楽しんでもらって、喜んで映画館から帰ってもらおう、っていうまっとうな商売人としての低姿勢さが、ちゃ~んと感じられた。2で、つまらなくなった。っていうか、監督兄弟が本当にやりたかったのは、エンターテイメントじゃなかったんだ、“オレ様映画”がやりたかったんだ、ってことが、2で分かっちゃった。2公開時、「ストーリー、意味わかんない。でも、最終作の3で全てのナゾが解けるんでしょ?」、的な、むなしい期待論もささやかれてました。でも、そりゃありえないって!とワタクシ思ったもんですわ。もはや明らかに2で方向転換してるじゃんか、「解るヤツだけオレ様についてこい」路線に。で、3公開。ワタクシは期待せずに見に行ったワケですが、案の定、ますますワケわからない状態で、シリーズは終わっちゃった。こうなる未来は2の時すでにワタクシにゃ見えてたのだよ。オラクルのようにね!とまぁ、ここまでは、ワタクシ個人の感想と思い出です。ただ、世間一般的にも、この、「1面白い、2つまらない」という感想は、皆様がかなり共通に抱いたようでして、2がワケわからなすぎて3見る気が失せちゃって、結局、3見ず終い、っつう人が、ワタクシの回りじゃけっこう多かった。ネットで調べてもそういう声は多いようです。今回のザ・シネマでの放送では、そういう人が多いという仮説にのっとり、かつて2まで見てやめちゃった人や、今回初めて『マトリックス』を見るんだけど、やっぱり2で見るのやめちゃうであろう人たちを、いかにして3までつなげるか、という点を、実は当方といたしましては課題としてたんです。 とにかく問題となるのは、2がワケわからなすぎる、ってこと。特に終盤ですよね。アーキテクトなるナゾの白髪翁(マトリックスを作ったヤツ?)が出てきますが、そいつとネオとの、TVモニターがいっぱいある変な部屋(ソース?なにソースって)でのやりとりが、まるで禅問答みたいでMAX意味不明。さらに中盤での、予言者とネオの会話も、かなりワケわかりません。そこらへんが分かって、2で何が描かれ、何が語られたかぜんぶ分かって、はじめて、3を見る気が起こる。3も、見終わった後に意味不明感や消化不良感が残るようじゃ、「面白かった!」という評価にはならんだろ、ここは疑問を残させないぐらいの解説が必要だ!って結論に達したんですわ。そこでまず、シリーズ3本一挙にやる!ことにしました。これ、民放なんかでバラバラに放送されたりしてましたが、ただでさえ難解なものが、それをやっちゃあ致命的に分からなくなる。イッキ見は最低限マストでしょう!! さらに、ウチでは特番つくりました。本編後にはストーリーのおさらいも付けました。あれらは全て、主に、そういう意図にもとづいて作られてたんです。実は、特番などを作るに際し、ワタクシ、『マトリックス』シリーズを通しで8回見ました!1回見ただけじゃ意味分からない。2回目にやっと「そっか!これって、もしかしてこういう意味!?」みたいな発見があり、その漠然とした発見を補強するために、さらに立て続けに見返して、8回目にしてようやく、悟りの境地に達したのであります。後日、番組制作のための打ち合わせの席で、ディレクターの解釈とワタクシの解釈では、かなり喰い違う部分が出てきた。で、そっから議論が勃発!トータルで10時間以上は激論を戦わせましたねぇ。この時から、『マトリックス』はワタクシにとって、映画史上もっとも面白いSF映画となったのです!ディレクターとの激論バトル、これが、何年かぶりぐらいに面白い映画体験だった! そういや学生だった頃、映画ヲタクのワタクシは、よくそんな議論をヲタク仲間どもと繰り広げたもんです。何時間も、とか、夜通し、とか、電話の子機(その時代は家電ってのがあって子機ってもんがあった)の充電が無くなるまで、とかね。映画好きの人の中には、そういう経験がある人って、少なからずいると思うんすよね。ケンケンガクガクの映画談義。いや~、今となっては遠い日の思い出ですわ。でも、社会に出て働きだして、あれやこれやで忙しくなると、そんなことしてるヒマがなくなっちゃった。いや、実は、ヒマなんていくらでもあるのかも。ただ人として萎えてきただけなのかも。 「議論なんか面倒だ」 「疲れるだけだ」 「たかが映画じゃないか」 「映画ごときで声を嗄らして議論するのもバカらしい」…我ながら、イヤ~な年のとり方をしちまいました。悲しいぐらいつまんねーオトナになっちゃってます…。その映画に何が描かれてるか理解するため、全神経を集中させ、頭をフル回転させて、緊張して映画と向き合う。何度も繰り返し見て、どうにかして理解しようと努める。そうやって築いた自分なりの理解も、他人のそれとは喰い違ってるかもしれない。その場合、双方の相違点をとことん徹底的にぶつけ合う。恐れず逃げず、議論する。エキサイティングですよ、これって! っていうか、それがエキサイティングだったっという遠い日の記憶を、ほんと十何年かぶりに思い出させてもらいましたわ、『マトリックス』に!100人中100人を喜ばせるエンターテインメントをリスペクトする、って気持ちは今も変わりません。が、知性を挑発してくるような、知的格闘を強いられるような、“手強い映画”だけが持ってる、楽しさと興奮。そうした楽しさと興奮ってのは、古びる、色褪せる、ってことがありません。『マトリックス』はアクションも売りです。VFXも売りです。ただ残念ながら、それらにゃ賞味期限ってもんがありますよね。特にVFXなんて日進月歩ですから、いずれは色褪せていく運命です。『マトリックス』は作られて10年ぐらいなんで、2009年現在まだ迫力は感じますが、さらに10年、20年、30年と時がたてば、『マトリックス』の特撮やアクションなんて、特に目新しさもなく、大して迫力も感じさせないものなってくことでしょう。でも、知的興奮、知的スリル、その面白さは、けっして賞味期限切れで腐ってくことはない。2020年、2030年、2040年の未来に生きる映画ファンたちも、『マトリックス』が持っている、そうした魅力に興奮させられるだろうことは、間違いないと確信しますね、ワタクシは。『マトリックス』は、まさに、知的に挑発してくる映画です。知的格闘を強いられる映画です。1度見ただけでは分からないと思います(分かったらスゴい!)。けど、2度・3度と見るごとに、どんどんと面白く感じられるようになるハズです。「もう見飽きたよ」ということに、永遠にならない、奇跡のような映画なのです。歴代SF映画のベストに、『マトリックス』を推す人ってのが、けっこういます。つまらない(2以降)という声がある一方、一部で評価が異常に高い!ちなみにアメリカの権威ある映画(などのエンタメ全般)情報誌「エンターテイメント・ウィークリー」誌が、オフィシャルサイトで2007年に選出したベストSF1位も、実は『マトリックス』だったんです。それは、以上のようなワケなんでしょうな。あの、超有名SF大作『×××・××××』も、あの、大ヒットしたSFシリーズ『××××××××』も、ランキング圏外でした。それは、映像の迫力だけに依存しすぎてて、数十年たてば色褪せてくってうら寂しい末路が、なんとなく予想できちゃうからなんでしょう。『マトリックス』は、誰が見ても同じ解釈にはならない映画です。それでいいんです。視聴者の皆々様もきっと、それぞれの解釈(ワタクシのとはまるっきし違う)をお持ちになると思います。それでいいんです。だからこそ、『マトリックス』こそ映画史上最高のSF映画だ、なんです。今日日、ネットで探せば、『マトリックス』の解釈を記してるサイトなんて、山ほど出てきます。そんなのを参考程度に読みつつ、当チャンネルで『マトリックス』シリーズをご覧になった後は、ぜひ、あなた独自の解釈ってのを、試みてみてください。できれば、あなたの解釈を、誰かを相手に、ツバを引っかけ合うような議論でぶっつけてみてください。映画見るってこんなにエキサイティングな行為だったのか!と、『マトリックス』は、あらためて思い出させてくれると思いますよ。■ 『マトリックス レボリューションズ』™ & © Warner Bros. Entertainment Inc.
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PROGRAM/放送作品
リトル・ブッダ
キアヌ・リーヴスの美しさにタメ息…巨匠ベルナルド・ベルトルッチの映像美で綴る壮大な輪廻転生物語
『ラスト・エンペラー』『シェルタリング・スカイ』に続くベルナルド・ベルトルッチ監督のオリエント三部作。キアヌ・リーヴスが熱演するブッダら過去と現在の人々の苦難を、坂本龍一の音楽がドラマチックに彩る。
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PROGRAM/放送作品
(吹)フェイク シティ ある男のルール
[PG-12]犯罪都市で信じられるのは自分だけ。キアヌ・リーヴスが孤高のハードボイルド刑事を演じる
『L.A.コンフィデンシャル』の原作者である犯罪小説の大御所ジェームズ・エルロイがオリジナル脚本を執筆。悪を倒すためなら手段を選ばない孤高のダーティ刑事を、キアヌ・リーヴスが影を帯びた熱演で魅せる。