私立探偵イージー・ローリンズを描くウォルター・モズレイの超人気ハードボイルド小説を映画化。主演はデンゼル・ワシントン、製作総指揮は『羊たちの沈黙』の名監督ジョナサン・デミ、ヒロインを演じるのは『フラッシュ・ダンス』のジェニファー・ビールス。

1995年製作のこの映画、見ごたえがあって実に面白い。物語のはじめでは、主人公の人柄や置かれた状況、いよいよ事件に巻き込まれる様が、適度な緊張感を保ちながらもじっくりと描かれ、あっという間に引き込まれてしまう。さらに、事件の鍵を握る女が一体どれほどの女なのか否が応でも期待が高まる中、ついに登場する“青いドレスの女”ジェニファー・ビールスの神々しい美しさときたら。

最近の映画ってものすごくカットが短い上に、展開がとにかく早い。勢いに任せて見せられてしまう感じがあって、面白かったとしてもすぐに忘れてしまうことが多いような気がしている。そんな折、偶然出逢った本作は、私の中で何日も何週間も、ずっといい後味を残している。6月のザ・シネマで、是非ご覧下さい。■

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