COLUMN & NEWS
コラム・ニュース一覧
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COLUMN/コラム2012.11.28
2012年12月のシネマ・ソムリエ
■12月1日『戦場のアリア』 戦況が泥沼化していた第一次世界大戦下、フランス北部の村。そこで対峙するドイツ軍と、フランス&スコットランド連合軍との間に起こった信じがたい実話の映画化。戦場にオペラ歌手の歌声が響き渡ったことをきっかけに、両軍の間でまさかの休戦協定が実現。一触即発の緊迫感と人間臭いユーモアとともに、その顛末が描かれる。澄んだ歌声とバグパイプの音色が、クリスマスを背景にした物語を荘厳に彩る。映画向けの脚色が施されているとはいえ、誠実な反戦メッセージが心に響く一作である。 ■12月8日『ドリーマーズ』
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COLUMN/コラム2012.11.23
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年12月】銀輪次郎
アーサーさんの牧場で繰り広げられる動物コメディ決定版。牧羊“豚”を目指す主人公ベイブと牧場主のアーサーさんとの心暖まるストーリー。動物たちを見ているだけでも微笑ましく癒される一品。1995年度アカデミー視覚効果賞受賞作です。 「どうせ一昔前のVFX映画なんでしょ?昔のCG映画なんていまさら見ても・・・」と思って、今日まで見ず嫌いのあなた。騙されたと思って一度見てみて下さい。動物たちの自然すぎる演技に、いつの間にかにVFXのことなんて気にならなくなって、「ベイブ」の世界に吸い込まれていくはずです。牧羊“豚”の仕事を任されたベイブは、羊を追い込む極意を教えもらいます。それは牧羊犬のように吠えたり噛み付いたりすることではなく、丁寧にお願いすること。この極意で気持ちいいほど羊たちを従える牧羊豚として活躍を見せ始めるベイブの未来やいかに。ザ・シネマでは、日本語吹き替え版も合わせて放送しますので、ご家族みんなでベイブを応援して下さい! © 1995 Universal City Studios, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.11.23
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年12月】飯森盛良
原題は「サッフォー」。サッフォーとは愛の詩を数多く遺した古代ギリシアのレスボス島(Lesbos)の女流詩人。レズビアンの元祖という伝説もあり、LesbosはLesbianの語源になった。で、本作である。1920年代(=フラッパーなど女性解放時代の幕開け)、サッフォーの名を持つ米国女性がレスボス島を訪れ、白系ロシア美女ヘレンから、古代の性の営みについて教え込まれる。それがいかに自由奔放なものであったか。やがて彼女は古代のサッフォーに自らを重ね、レヘンとともに古代ギリシア的な性を実践していく…ということで、単なるエロ映画ではありません。宗教倫理やら社会通念やらに縛られる前、古典古代のヘレニズム世界における、原初的快楽としての、どこまでも明るくおおらかなセックスを礼賛し、性のルネサンスを図る、時空を超えた壮大なエロ映画、なのであります!もっとも、末路哀れは覚悟の前やで。 © 2008 CROMBIE FILM, LTD.
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COLUMN/コラム2012.11.23
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年12月】招きネコ
大恐慌の時代、仕事を求めて無賃乗車で大陸を渡り歩く季節労働者(ホーボー)たち。そんな彼らが恐れて近づかないのが、殺してでも彼らを乗せまいとする鬼車掌シャックの車両19号。だが、そんなシャックの車両に何度も乗り続け、仲間の尊敬を一心に集める無賃乗車の帝王、Aナンバーワン。 この二人のバトル、知恵比べと文字通りの肉弾戦が延々と繰り広げられる。鬼車掌VS無賃乗車男のプライドを賭けた闘いという意味不明の設定で、これで映画は成立するのかと?正直不思議だが、これがメチャメチャ面白い。走る蒸気機関車を舞台に、リー・マービンとアーネスト・ボーグナインの生身の演技を越えた迫力のアクションの連続に手に汗握り、なぜか共感できてしまう男の意地とプライドにニヤニヤしながら忘れられない1本になりました。再見して以来、もうボーグナインの鬼の形相が悪夢に出てきそうです。この映画と同じような映画は思いつかないオリジナル度300%の映画です。 © 1973 Twentieth Century Fox Film Corporation. Renewed 2001 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved.
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COLUMN/コラム2012.10.29
2012年11月のシネマ・ソムリエ
■11月3日『パリ、テキサス』 カンヌ国際映画祭パルムドールに輝くヴィム・ヴェンダース監督のロードムービー。記憶を失い、アメリカ西部をさまよう男を主人公にした家族の断絶と再生の物語だ。放浪の主人公が目ざしていたのは、劇中には登場しないテキサス州パリという実在の町。主人公の孤独を表す荒野の風景、ライ・クーダーの哀愁のギター音楽が心に残る。主人公と息子の微笑ましい交流シーンに加え、観る者の目を奪うのは妻役のナスターシャ・キンスキー。マジックミラーを用いたクライマックスは忘れえぬ名場面である。 ■11月10日『ベルリン・天使の詩』 『パリ、テキサス』と並ぶ名匠ヴィム・ヴェンダースの代表作。東西冷戦末期のベルリンを舞台に、下界の営みを見つめる天使たちの姿を描いたファンタジーである。人間界への憧れを抱く天使ダミエルの心の移り変わりに沿って、白黒からカラーへ移行していく夢幻的な映像美。フランスの名手アンリ・アルカンによる撮影が絶品だ。天使とサーカスの舞姫との愛のドラマに宿ったロマンティシズムも本作の魅力。『刑事コロンボ』でおなじみのピーター・フォークの味わい深い助演もお見逃しなく! ■11月17日『マリリンとアインシュタイン』 マリリン・モンローなど1950年代のアメリカを象徴する4人の歴史的な有名人を模したキャラクターが登場。彼女らの人生が交錯する架空の一夜を映画化した異色作だ。ホテルの一室を舞台にしたシュールなディスカッション劇。『赤い影』などの映像派の鬼才ニコラス・ローグらしい視覚的ギミックやファンタジーがアクセントを添える。アインシュタイン博士を翻弄するモンロー役はローグ監督の夫人テレサ・ラッセル。“無意味”という原題にふさわしいラスト・シーンの大爆発スペクタクルに息をのむ。 ■11月24日『ローズ・イン・タイランド』 テリー・ギリアム版「不思議の国のアリス」というべきファンタジー。ジャンキーの父親の突然死によって、草原の一軒家に取り残された少女の悪夢的な冒険を映し出す。頭だけのバービー人形、草原の下に出現する海など、ギリアム監督ならではの美しくもグロテスクなイメージが噴出。少女の空想が現実をのみ込んでいく、そのスリル!ギリアムの少女愛を感じさせる小さなヒロイン役は「サイレントヒル」のジョデル・フェルランド。朽ち果てゆく死体に扮したジェフ・ブリッジスの怪演も見逃せない。 『パリ、テキサス』© 1984 REVERSE ANGLE LIBRARY GMBH, ARGOS FILMS S.A. and CHRIS SIEVERNICH, PRO-JECT FILMPRODUKTION IM FILMVERLAG DER AUTOREN GMBH & CO. KG 『ベルリン・天使の詩』© 1987 REVERSE ANGLE LIBRARY GMBH and ARGOS FILMS S.A. 『マリリンとアインシュタイン』COPYRIGHT © MCML XXX? ZENITH PRODUCTIONS LIMITED ALL RIGHTS RESERVED 『ローズ・イン・タイドランド』©2005 Recorded Picture Company and Capri Tideland Inc.
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COLUMN/コラム2012.10.29
2012年11月のシネマ・ソムリエ
■11月3日『パリ、テキサス』 カンヌ国際映画祭パルムドールに輝くヴィム・ヴェンダース監督のロードムービー。記憶を失い、アメリカ西部をさまよう男を主人公にした家族の断絶と再生の物語だ。放浪の主人公が目ざしていたのは、劇中には登場しないテキサス州パリという実在の町。主人公の孤独を表す荒野の風景、ライ・クーダーの哀愁のギター音楽が心に残る。主人公と息子の微笑ましい交流シーンに加え、観る者の目を奪うのは妻役のナスターシャ・キンスキー。マジックミラーを用いたクライマックスは忘れえぬ名場面である。 ■11月10日『ベルリン・天使の詩』
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COLUMN/コラム2012.10.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年11月】飯森盛良
外国で逮捕され劣悪な刑務所で壮絶な体験をする青年の物語だが、主人公、何で捕まるかというと、麻薬の密輸。それが半端ない分量で、どう見ても重罪犯。で懲役30年を喰らうのだが、判決を受けると「お前らの国を恨んでやるー!ブタどもめー!!」と絶叫。…これ、世間でよく言う逆ギレでは? さらにクライマックス、刑務所を出るまでの展開もすごい。罪を償ってなくないか!? だが、アメリカではアカデミー作品賞ノミネート、社会派ドラマの傑作とされる。さて、あなたは、この主人公に同情できるかできないか!? ぜひ吹き替え版で、キャスバル兄さんの声で確かめてみてください。さっきの判決シーンとカノジョ面会シーンでの池田秀一さん、キレ芸と泣き芸、必聴です! Copyright © 1978 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.10.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年11月】銀輪次郎
ヴィム・ヴェンダースが、尊敬する小津安二郎の捉えた風景を探す私的ドキュメンタリー。ヴェンダース自身の東京への旅を通して、東京の映像を収めていく。小津映画に出演した俳優の笠智衆と撮影監督であった厚田雄春への撮影当時のインタビューは必見の内容。 ヘルツォークが、失われた東京の風景について、東京タワーで熱く語るシーンもあります。撮影された時期は、近いようで遠い1983年春。新幹線、地下鉄駅、パチンコ屋、ゴルフ練習場、どれも今もある東京の風景だが、今のそれとは違うような不思議な印象が残る作品。80年代の東京のアーカイブ映像作品としても観るのも一興です。 © 1985 REVERSE ANGLE LIBRARY GMBH, CHRIS SIEVERNICH
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COLUMN/コラム2012.10.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年11月】招きネコ
名作舞台『シカゴ』を手がけたブロードウェイの大物演出家、ボブ・フォッシーが監督した自伝的作品。ミュージカル製作への苦悩と狂乱の私生活の中で生きる猛烈中年男ジョーが過労で倒れ、死の淵をさまよううちに、あの世から、この世の自分の日常と人生を俯瞰するというファンタジーと、エネルギッシュなショウビズ界の活写がダブル構造で描かれます。 初めて見た時、このジョーを演じるロイ・シャイダーが、あの『JAWS』の田舎町の警察署長とは同一人物とは思えぬかっこよさにビックリしました。黒ずくめ、鋼のような細身でセクシーな体型、クールなまなざし、そしてダンス!見事な変身はプロですね。監督フォッシーは、自分をモデルとした役なので、キャスティングにはすごいこだわりがあったらしく、有力候補だったリチャード・ドレイファスには、「俺のイメージじゃない」と大反対。結局、ロイ・シャイダーに決まったことから見て、やっぱり「カッコイイ俺」にこだわったのかな?でもそれで正解だったと思いますよ!! Copyright © 1979 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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COLUMN/コラム2012.10.27
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年11月】山田
映像化不可能といわれたベストセラー小説を、『ロード・オブ・ザ・リング』3部作のピーター・ジャクソン監督が映画化。14歳で殺された少女が、天国から現世の家族と交流を試みるという異色のファンタジー。サスペンス要素も十分に、人間ドラマありSFありで、ピージャクの圧倒的な映像美とあいまって、ファンタジーといえばファンタジーなのだが、色々な意味で“想像を裏切られる”はず。 主演はシアーシャ・ローナン。本作公開時まだ15歳だったが、デビュー作『つぐない』(当時13歳!)で既にアカデミー賞助演女優賞にノミネートされている実力派!11月のザ・シネマでは、「特集:ハリウッド21世紀ヤングスター」と題して、今旬のハリウッド若手スターから大ブレイク間違いなし!?のスター候補生まで、出演作を大特集! Copyright© 2012 DW STUDIOS L.L.C. All Rights Reserved