この平和ボケした日本で暮らしていると想像もつかないようなインドの貧困と階級社会の底辺で生きる少年の過酷な人生と、その中で夢に向かって生きるひたむきさ、ラストに訪れる「奇跡」に胸が熱くなる感動作。インド人しかでてこない、インドのスラムを舞台にしたこの作品が世界的に大ヒットし、アカデミー賞8部門に輝いたとき、不思議だったが公開後見て納得!観客は主人公の思いを共有し、最後に一緒に幸せになれる!人種や国なんて関係ない。こういう映画がお得意なのがイギリス映画。「リトル・ダンサー」や「フルモンティ」がすぐに思い浮かびました。イギリスの「トレイン・スポッティング」のダニー・ボイル監督、「フルモンティ」の脚本家サイモン・ビューフォイが生み出したインドを舞台にした「イギリス流登場人物を心から応援したくなる元気をもらえる映画」がこれ。その上、そこにインド映画が持つとてつもないパワーとエネルギー、色の洪水、音楽、踊りがミックスされて、見たことのない傑作映画が生まれました。この映画自体が「奇跡」だなあ。

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