PROGRAM

放送作品情報

フェンス

FENCES 2016年 アメリカ / 140分 ドラマ

人種差別に夢を阻まれた男が家族を追い詰める…名作舞台劇をデンゼル・ワシントン監督&主演で映画化
放送日時
2019年06月03日(月) 06:30 - 09:00
2019年06月18日(火) 08:00 - 10:30
2019年06月21日(金) 06:00 - 08:30
解説

トニー賞に輝いた同名舞台劇を2010年の再演時に出演したデンゼル・ワシントンの監督・主演で映画化。人種差別の壁に挫折した男とその一家の対立が紡がれる。ヴィオラ・デイヴィスがアカデミー助演女優賞を受賞。

ストーリー

1950年代のピッツバーグ。かつて野球選手として活躍するも、人種の壁に阻まれてメジャーへの道を閉ざされたトロイ。今は清掃局員として働き、妻ローズと高校生の息子コーリーを簿給で養っていた。そんな中、コーリーがアメフトのスカウトの目に留まり、大学推薦の話が舞い込む。ところが、自らの経験から人種の壁を実感しているトロイは、息子には手に職を持った地道な人生を歩んでほしくて進学に反対。家族と激しく衝突する。

出演

デンゼル・ワシントン
ヴィオラ・デイヴィス
スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン
ジョヴァン・アデポ
ほか

字幕/吹替
字幕
掲載制限
なし
カラー/白黒
カラー
画面サイズ
ワイド画面
HD
※【ザ・シネマHD】にご加入の方は、
HD画質でご覧頂けます。

オススメキーワード

  • 鑑賞日 2019/4/18

    こういうダメ親父ものはやめてくれ。。つらい。

  • 鑑賞日 2019/3/21

    『生きる』

    主人公のトロイが死んで葬式当日のシーンに飛ぶ。これはまさに黒澤明監督の『生きる』だ。これはもしかしたら舞台劇なのではないか。登場人物のセリフだけが物語を推進する。人物は限定され、限られた空間、つまりはフェンスの中だけで進行する。あるいは密室劇のような緊張感の中で進行するドラマは『12人の怒れる男』にも似る。お互いの主張だけが物語を進行させる。 母親の違う、父親を同じくする子供。 この設定がユニークなのだが、主人公は極めて理不尽な父親だ。連れ子で結婚した妻と一男を設けるが、浮気相手との間に生まれた娘を押し付ける。浮気相手が出産後死んでしまったからだ。この理不尽さは全く妥協を許さず、切れた次男は兵役に出る。 そして最後の最後に障害のあるトロイの弟が施設から出てきておんぼろのトランペットを吹くが音が出ない。何度か吹いても音が出ない。その傍らで、家の裏木戸が風でパタンと閉まる。(これが演出かどうかはわからないが、、、)それでも弟が吹き続けるとやっと音が出て、曇り空から光が差してくる。この弟はまるでドストエフスキーの『白痴』の主人公だ。純粋さだけが彼の存在価値だ。兄に裏切られ誰からも相手にされず、それでも純粋であり続ける。 話題は変わるが、先ごろニュージーランドで起こった銃乱射事件の後に、時の女性首相(アーデン)が「この犯人の名前すら我々は語らず、絶対に許さない。しかしこの犯人と同じ宗教の人々(ムスリム)が教会に行けなくなるような環境も絶対に作ってはいけない。偏見という罪でこれまで以上に人種や宗教の垣根は作ってはいけない。」と発言し涙を誘った。まだ38歳の美しい女性首相は、会見のときムスリムの女性が着用するヒジャーブを巻いて会見したそうだ。 このことと、世界を取り巻くポピュリズムの嵐、そしてこの映画で示されるフェンスの意味を同じベクトルで見るべきではないだろうか。 映画は淡々と進み、抑揚のないセリフと時に感情的な会話が飛び出すだけで面白みはない。 しかし、最後にこの家の壁にケネディとキングの写真が飾られているシーンがほんのわずかにかすめることで、この映画がついこの間まで起きていたことである事実が押し寄せてくる。 アメリカがハリウッドという映画の中心であることで、アメリカの政治だけが浮き彫りとされる機会は当然多い。ところが偏見や格差や家族の崩壊はどこの国や世界でも起きているのだ。むしろそれを誇張することこそ罪だと思う。 デンゼル・ワシントンはこの映画で監督と主演をつとめる。彼の存在感がすごい。彼がどれほど知的な人物であるか我々はよく知っている。しかし彼は敢えてこのような保守的な父親を演じる。彼の行いは矛盾だらけで理屈が通らない。しかし最後の葬式の日の家族が彼の存在を認識するとき、デンゼル・ワシントンの本当のすごさをも改めて知ることができるのだ。

  • 鑑賞日 2019/1/31

    戯曲の映画化作品という事もあり、セリフがこれでもかって位多く、舞台は殆ど主人公の自宅や庭先。 監督も兼任のデンゼル・ワシントン以下、俳優達の熱演で最後まで観れたとはいえ、重苦しい雰囲気が続きすぎるのが難点。日本未公開だったのは無理もないかもしれないが… キャストでは、デンゼルの妻役ヴィオラ・デイヴィスが素晴らしい。本作でアカデミーやゴールデングローブの助演女優賞を受賞したが、堂々の主演女優と思うけど何故助演なの?

  • 鑑賞日 2018/11/12

    苦しい映画

    人のリアルを描くって意味ではいい映画。デンゼルワシントンが緩みきった体で演じる最低亭主関白浮気男も本当に腹がたつ。 浮気を告白して開き直ったり、浮気相手との赤ちゃんを奥さんに育てさせるとか… それでも、「出て行って」も「出て行く」も言えない女性の弱い立場も苦しい。 息子と父親の確執も。 冒頭のトロイの壮絶な半生がなければ2時間15分観るのやめてたかも。

  • 鑑賞日 2018/8/14

    ツーストライクからのトロイの人生。

    オーガスト・ウィルソンの原作が戯曲であることを含め、アーサー・ミラーの 「セールスマンの死」を思い起こさせる。白人中流家庭の夢にしがみつく ウィリー・ローマンが、貧しい黒人家庭に育ったトロイ・マクソン(D・ワシントン)に 投影された感じがする。当然、黒人のスタートラインははるか後方、1950年代の ピッツバーグのトロイは、家を構え、二人の息子と妻、市の清掃局に職を持つ。 教育がなく、刑務所暮らしも経験したトロイだが、野球に目覚め、二グロリーグで 活躍した経験を持つ。結局、メジャーの夢は叶わなかったが、黒人としては成功者 の部類。弟ガブリエルが第二次大戦の負傷で、精神に異常をきたし、政府から 支給された見舞金が自宅保有の大きなウェイトを占めていた。トロイは子供にも バカにされるガブリエルを支え続ける。 長男はミュージシャンになる夢を追いかけ、苦しい生活が続きトロイに金を無心する。 トロイはそんな甘い長男を嫌う。次男はアメフト選手で進学の夢を追いかける。 トロイはそちらも気に食わず、黒人選手は白人の後塵を浴びるだけだ、と猛反対。 いわゆる戯曲調の動きの少ない構図、あふれる台詞で、いささか前半は退屈だ。 しかしこれがボディブローのように効き、中盤からドラマは重量級のパワーを発揮 する。妻ローズ(V・デイヴィス)、次男コーリーとの葛藤は、黒人家庭が置かれた 厳しい現実とともに、観客の肺腑をぐいぐいとえぐってくる。 題名のフェンスは、トロイが家族を守るために外界から押し寄せてくる邪悪なもの から遮断する意味がある。被害妄想的なトロイの滑稽な思いかもしれないが、 それほど厳しい現実をしのいできた男の生き様が、ありありと蘇る。 結末を司った純粋無垢のガブリエルの魂が美しい。

  • 鑑賞日 2018/3/28

    セリフが長い

    セリフが長いね。にしても、全く共感できない主人公。感想が難しい

  • 鑑賞日 2018/3/8

    地味極まる映画 だが・・・

    デンゼル・ワシントンの監督作ならばこのテイストとしたいという意欲が嬉しい。ヴィオラ・デイヴィスはさすがの演技力だし。葬式での娘のドライなふるまいがかえって涙腺を刺激する。

  • 鑑賞日 2017/10/22

    劇場未公開が話題に

    ビオラ・デイビスがアカデミー助演女優賞を受賞しているのに(作品賞、主演男優賞にもノミネート)、劇場公開されなかったことが話題になった映画。キネ旬2017年8月上旬号の「大高宏雄ファイト・シネクラブ」でもこのことが取り上げられていた。ビオラ・デイビスは、夫の浮気の子供を育てるという展開も含めて熱演なので、アカデミー賞も納得。デンゼル・ワシントンが主演・監督。元は舞台劇なのでセリフが多い。吹替えで観て正解だった。

  • 鑑賞日 2017/12/25

    舞台みたいな映画

    なぜ、この映画が劇場公開されなかったか、 オスカーも、獲って、有名俳優も出ているのに。 これは確かに、見辛い映画である。 基本ずっと、一つの家というか、裏庭だけで話が進む。 そして、基本はずっと会話劇。 それが2時間越え。 商業映画としてはやはりしんどい。 さらに、主人公(?)に一切共感出来ないっていう。 そういう映画は幾つもあるけど、 この映画は特に後半のある展開で裏切られる様な気分にさえなる。 もちろん、それはわざとの展観だが、そら日本では一般受けはしないよ、と。 ただ、トータル観ると悪い映画でもない。 皆が優しいっていうだけでもあるけど。

  • 鑑賞日 2017/12/16

    姿は見えなくなっても

    夫婦や親子の関係を描いたよくあるファミリーものなのだが、今まであまり感じたことのない深い味わいがあった。舞台劇が原作なので、登場人物は少なくセリフが長く、おかげでそれぞれのキャラクターがしっかり生き生きと描き切られていた。若いころは夫婦ものや親子ものはつまならく感じたが、年をとるとこういうrealでraw な作品がとてもしっくりくる。大ヒットはしないがずっと見続けられる作品になるだろう。最後、デンゼル演じる主人公が姿は見えなくなってもその存在感はしっかり残っているくだりは、自分の父親を思い起こさせた。

  • 鑑賞日 2017/11/23

    本当の主役は妻

    デンゼル・ワシントンの演技力というのも本当に素晴らしいものです。 整った顔立ちから、若い頃は清潔感があり、正義感溢れる品行方正な役のイメージが強かったのですが、気づけば謎めいたアウトローから性格のねじ曲がったクソオヤジまで幅広い役柄を実に説得力演じきれる名優になっていました。 今作では一家の大黒柱であることに責任感を持ち、一家のために仕事に励む男を演じています。しかし自分がまともな教育を受けていないこと、そして何よりも黒人であることを受け入れながらも強烈なコンプレックスを持っているが故に傲慢になっている、非常にめんどくさい男です。 こういう男は結構多いものです。自分の生まれの不遇さ故苦労をしたために子供には同じ目に合わせたくはない。そして苦労をしてきて今を築いてきたプライドがある。 その小さなプライド故に逆に子供が同じように苦労をしないで成功をすることには無意識に嫉妬を感じずにはいられず、その成功を邪魔してしまうのでしょう。 愛すべきものを自分の小ささ故に壊してしまう男。 「葛城事件」で三浦友和演じた葛城も似たような男でした。 そんな男を夫にもち、女性であるが故に尽くし、愛そうと努力をし、母としての役割も果たそうとしてきた妻。 アカデミー助演女優賞を受賞しただけあって演じるヴィオラ・デイヴィスの迫真の演技は息を飲むものでした。夫に対しこれまで溜めに溜め込んでいた思いと鬱憤を、涙で鼻水で顔をグチャグチャにしながら吐き出す様は圧巻です。 どれだけ妻が家族の生活のため、家族として成り立つために自らの望みや楽しみを犠牲にし、押し殺し続けてきたかが切々と、ザクザクと突き刺さってきます。そしてその上で夫の不貞の結果生まれた子供を引き取って育てざるを得ないという現実。 正直、助演と言いつつこれはもう主演と言っていいだろうという存在感です。 ただ、ラストにおいてトロイが死んで、彼は凄い人だったんだ、みたいな締め方にするのはちょっと違和感を感じざるを得ません。 死んでしまえば皆思い出になってしまうのかもしれませんが、それにしてもやっぱり駄目なオヤジだったんだと思います。

  • 鑑賞日 2017/10/29

    前時代的考え

    ストーリーや俳優陣の演技は素晴らしいのだけど、内容に全く共感出来ずただただ眠い。何を言ってるんだこの人たちはと‥。 時代背景や境遇を考えるとなんとなくは想像つくのだけど、感情移入できず不快感が半端なかった。

  • 鑑賞日 2017/10/21

    フェンスとは一体何の象徴か。一家の主人であるデンゼルワシントンから見れば、家族を守る柵であろう。14際で家を出てから野球の才能がありながらも黒人であるためにその道を断念し、いまはごみ収集車の荷台から運転手へと昇格しようとしている。仕事後は仲間とつるみ、厳格に子供たちを育て上げる。通りの裏に面した裏庭は、彼が守ってきたアイデンティティや誇りそのものである。 だが、他の家族はそんな父親を憎み嫌っている。だからこそフェンスは夢を追い求める生き方を阻む父親という存在そのものであり、乗り越えるべき存在である。黒人は真面目に働かなければならない、世間はいつか裏切るという自論を振りかざし、恐怖や暴力によって家族を支配しようとする父親。夢を実現しようとする生き方は拒絶され、黒人であるというレッテルの中でどう家族を養うかという生き方だけが承認される。そこには自分は達成できなかった夢を実現しようとする息子たちへの妬みや僻みも含まれているだろう。 でもこの父親の気持ちも分からなくもない。虚言癖があり、何でも野球に例えようとするこの男は、子供ができたにもかかわらず、仕事帰りに仲間とつるんで酒を飲んで帰宅する毎日。そんな彼が実は浮気をしており子供を孕ませ、出産の際に母親が死ぬという事態が発生してしまう。ここでのヴィオラデイビスの私にも夢や人生や居場所があったのに、それを諦めて旦那に尽くしてきたのにと初めて声を荒げる場面が素晴らしい。この男は誰よりも父親らしく子供や妻を型にはめ支配しようとしてきたが、誰よりもこの男が子供なのであり、それは父親になった人間であれば、思い当たる節があるのではないか。

  • 鑑賞日 2017/10/21

    ビデオスルーに訳あり。

     舞台劇の映画化。デンゼルの監督3本目の作だそうな。      デンゼルがとびきり饒舌な男で、膨大なセリフ劇である。      映画として、こなれているかは疑問である。  空間が限定されても、いくらでもモンタージュで映画を感じさせられるものが作れると思うのだが・・・。  あまり映画化に意味を感じなかったと言ったら、言い過ぎか。     デンゼル演じる主人公も、共感を呼ばないわりには、ほんわかした終わり方になっているのもピンと来なかった。  このラストは、何回か見直したが時間の経過がおかしい。俺の頭が悪いのか。    不倫ものを頭から否定してる批評は好きではないが、本作のような角度で描かれてると、「悪」としか言いようがない。    演技だけは、みんな立派だけど・・・。    映画としてはどうでしょう。    

  • 鑑賞日 2017/10/21

    デンゼル・ワシントンの名演技

    ストーリーとしては、平凡な男1人の半生だが、デンゼル・ワシントンと、奥さん役が素晴らしい。 1つ釈然としないのは、浮気して子供まで作って仕舞うところであるが、それだけプレッシャーを受けて日々の生活をしていたという事なのだろう。

  • 鑑賞日 2017/10/19

    囲いを作ろう

    ゴミ収集職員としての一週間の終わりー 金曜日には給金を手に、 一家の長がご機嫌の帰宅だ。 愛する妻、仕事仲間で隣人の友を相手に 会話の主導権は渡さない。 かつて職業野球で活躍した男、 黒人ゆえに時代に埋もれたとの意識は根深い。 裏庭には、木の枝から吊るされたボールが象徴として揺れる。 ワンマン親父は、 30過ぎてもミュージシャンの夢を追う長男には 10ドルだって貸したくない、 フットボールでプロを目指す次男の進学をも許さない。 身の置き場を狭めても、 家庭を築く内助の功にはアカデミー賞こそがふさわしい。

  • 鑑賞日 2017/10/17

     最後に家族が揃って父親(デンゼル・ワシントン)の存在を讃えるような終わり方になっていたが、背景に人種差別があるとはいいながら、息子の夢を一方的につぶしてしまう父親なんて私には共感できなかった。この男が特別に頑なで身勝手な性格なのか、それとも50年代のアメリカの人種差別がこういう人間を生み出してしまうほど過酷だったということだろうか。いずれにしてもこんな家には住みたくない。

  • 鑑賞日 2017/9/20

    ただでもらった招待券なら

    ◎ 作品賞などアカデミーの主だったところに4つもノミネートされ、助演女優賞を見事にゲットしているのに日本では劇場公開されない。観てみるとその理由も分かってくる。舞台劇の映画化で、舞台で主演したデンゼル・ワシントンが映画版でも主演し、監督まで務めているのだが、デンゼルの演出はあまりに真っ正直すぎて、かなり古風なのだ。昭和の時代にみんなが熱心なだけが取り柄の劇団のシリアスなステージの招待券をもらったので、じっと2時間20分付き合ったような雰囲気なのだ。 ◎ 確かに舞台をそっくりスクリーンに移したような映画もあるけれど、この『フェンス』に限って言えば、もっと映画らしくすればそれなりに面白くなったと思う。フェンスのある庭付きの家以外に出てくるのが、とってつけたような職場や酒場のシーンだけというのは、いかにも中途半端だった。

  • 鑑賞日 2017/9/1

    フェンスの外と中

    フェンスの外に出ようとしない、出られない一家の主。彼の生い立ちがもう少し描かれれば、身勝手過ぎるという印象も薄れると思うが。差別の時代を生き抜いたからこそ、あの日常に固執していたのだろう。助演女優賞を取ったヴィオラ・ディヴィス演じる女性はそんな彼を最後まで支える。その姿は素晴らしかった。

  • 鑑賞日 2017/8/4

    日本未公開

    デンゼル・ワシントン3作目の監督作品 原作はオーガスト・ウィルソン 1983年 発表の戯曲『Fences』 舞台は1950年代のピッツバーグ 監督は舞台でも主演を務めたデンゼル・ワシントン 共演は舞台でも同じ役柄を演じた ヴィオラ・デイビス このふたりの演技合戦はみどころのひとつだった 特にヴィオラ・デイビスは 彼女の出演作『ヘルプ』で南部の激しい人種差別のせいで瀕死の息子を助けることができなかった 母親の苦悩 を演じ たちまち 彼女に魅了された 今作では 長い間押し殺してきた夫に対する積もり積もった感情を吐露する場面や夫を支えて生きる強かさと包み込む優しさ更には何気ない日常の会話も1950年代に生きる女を実在感たっぷりに演じた とりわけ 夫の突然の告白により天地がひっくり返るほどの衝撃は 過去の自分の体験と重なり 激しく動揺した その後の夫の独りよがりな言い訳にも怒りよりも呆れ果ててしまった いつの時代もどこの国に置いても なんと自分勝手な生き物よと嘆いた 女として妻として共感できる男の描いたシナリオの彼女の素晴らしさよ

  • 鑑賞日 2017/7/27

    「血と骨」と「恋人たち」を思い出した

    父、男としての役割や威厳から家族を傷つけるという意味では「血と骨」、貧困やそのなかでの繋がりやラストシーンは「恋人たち」のような…辛い映画でした。

  • 鑑賞日 2017/7/1

    50年代米国の黒人中年男性にどう向き合おうかしらん

    1950年代米国ピッツバーグ。 50代の黒人男性トロイ・マクソン(デンゼル・ワシントン)は市のごみ収集作業員。 かつてはベースボールの黒人リーグで強打者として鳴らした彼だが、事件を起こして15年服役した経験がある。 いまは妻のローズ(ヴィオラ・デイヴィス)と息子コーリーとの三人暮らし。 少し前まで弟のゲイブも同居していたが、彼は最近自由を求めて近所の下宿屋に移った・・・ というところから始まるハナシで、50年代の黒人家族の物語。 とにかく、貧乏で虐げられ夢を奪われてきた中年黒人男性の嘆き節を滔々と聞かされる映画で、それが機関銃のようにまくしたてられるのだから、観ている方としては、どうしていいのか困惑してしまう。 さらにまくしたてる様が、自虐的だが陽気で、これまた質が悪い。 で、そんな彼と暮らしている家族はというと、当然のことながら、かなりのプレッシャー・抑圧を感じている。 トロイにしてみれば、一家の長であるのだから、それが当然という態度なので、なんとも居心地が悪い。 いや、単純に居心地が悪いと言っては語弊がある。 心底の諦めからきた無暗な陽気さを伴うトロイの言動は、意外にも憎めなくところもあり、これにまた困る。 さらに、弟のゲイブは、第二次大戦の後遺症で精神を病んでおり、それが無邪気に振る舞い笑いを誘うので、これまた始末に困る。 元は舞台劇で、戯曲作者が映画用に脚本も担当しており、デンゼル・ワシントンもヴィオラ・デイヴィスも舞台で同じ役を演じているとのこと。 なので、なかなか流暢に映画は進んで行くが、最後の最後まで、このトロイという男に、どう対応すればよいのか困った感はぬぐい切れなかった。

  • 鑑賞日 2017/6/19

    自分のオヤジを思い出して…

    2017年度のアカデミー賞の作品賞、主演男優賞、助演女優賞、脚色賞と4部門でノミネート。 ブロードウェイの舞台劇の映画化。 舞台で主演を務めたデンゼル・ワシントンが製作、監督、主演。妻役だったヴィオラ・デイヴィスも同じ役で出演。 1950年代のアメリカ、ピッツバーグの黒人たちの家族ドラマ。うーん、この年は黒人映画の当たり年?豊作だよね。『ムーンライト』が作品賞獲ったし『ライオン 25年目のただいま』は作品賞ほか6部門でノミネートされ『ラビインク 愛という名のふたり』ではルース・ネッガがアカデミー賞主演女優賞にノミネート、まだ日本未公開だけと『ドリーム』も3部門ノミネート。 タイトルのフェンス、そのまま。フェンスの外側に出られないクソ親父の話です。 自分がこうなったのは肌の色のせいだと嘆いてばかり。自分はすごく才能のある野球選手だったがこの色のせいで、輝かしい成功が叶わなかったと今だに未練タラタラに思ってる。そして息子が夢に手が届きそうになると邪魔するのだよ、このオヤジは…僻んでるんだろうけど、違うよね〜。見ていてムカついてきます。 昔のオヤジ独特の威厳を(ないのに)振りまき、怒鳴りちらし、オレが養ってやってんだ!文句があるか!と言わんばかりの振る舞いで、家族を不快にさせまくる。その最たる例が不倫の果てに相手に妊娠させるという暴挙だ。不倫して何が悪い!!!と開き直る。子供の夢を潰し、妻の気持ちを踏みにじる、最悪だ… この時代の、黒人が虐げられていた時代の家族ドラマで、こんな時代があり、オヤジ以外は理不尽に肩身の狭い思いをしていたんだな、と自分の子供時代のことを思い出した。昔のオヤジって多かれ少なかれあんなんだった。うちも例外ではなく。 てか、今回のデンゼル・ワシントンとはいつもと雰囲気がちょっと違う?もともと寡黙な役が多かったためか…?本作は結構、饒舌でお調子者の役なのだ。ま、もともと舞台劇なのでしゃべるシーンが多いってことなのか?いや、それだけぢゃない。それに比べ妻役のヴィオラ・デイヴィスは落ち着いていて、どっしりした安定感というか存在感があり主演を食ってた?そして脇を固めるスティーヴン・マッキンレー・ヘンダーソンやジョヴァン・アデポなども個性的で良かったし、うーん、キャストは悪くないんだけどね…

  • 鑑賞日 2017/4/29

    今年のアカデミー賞で作品賞を含む4部門にノミネートでヴィオラ・デイヴィスが助演女優賞を受賞したにもかかわらず日本では劇場未公開。iTunesで配信が始まったので早速拝見。 デンゼル・ワシントンが主演しトニー賞を受賞した同名舞台劇の映画化で、デンゼル自身が監督も努め、ヴィオラ・デイヴィスと舞台版同様夫婦を演じています。1950年代の米ピッツバーグを舞台に、元プロ野球選手でいまはゴミ収集員として働くトロイと妻ローズ、そしてその息子たちと、アメリカに生きる黒人家族の人生や関係が描かれている。 デンゼル演じる主人公トロイのこじらせ方が尋常じゃない。彼には2人の息子がいるのだが、兄はジャズミュージシャンを夢見て、弟はフットボールで大学からスカウトがが来るほどの選手。自分が肌の色のせいで真っ当な評価をされなかった事を根に持って、息子達が自分が成し得なかった夢を実現することに堪えられず邪魔をするんですね。「俺は家族を養うために地道に働いてきたのに、何故お前達もそうしない。黒人が正当に評価されることなんて無いんだぞ」みたいな感じで。タイトルの「フェンス」は彼が家の周りにフェンス(柵)を作るところから来ているのだが、これは彼が心の中にも壁を作って自分だけの世界に入り込み意固地になっていくことも表している。最初は息子達との間に入ってなんとか親子関係をうまく持っていこうとしてたヴィオラ演じる妻ローズも中盤に夫の衝撃的な告白を聞いて夫婦間にも亀裂が入ってしまうん。この夫婦役2人の演技合戦はさすがでかなり見応えがあった。 ただ、ストーリーラインや描かれている内容そのものは嫌いじゃないが、舞台劇の映画化という事で、どうしても会話中心になっていて、画に動きが無く絵的な面白さに欠けてるところが残念なところ。 この映画は今のアメリカ社会を投影しているとも言われていて、トランプに投票したのはこの映画の主人公トロイのような人達が多いんだそうだ。今のアメリカの礎を作ったのは移民である自分達労働者なのに、教育が無いせいで生活は貧しい。それなのに後からやって来た移民達がいい生活をしているのが我慢ならないということらしい。