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PROGRAM/放送作品
グロリア(1980)
幼い子供を守るため中年女が銃を握る──男よりもタフで強いヒロインに魅せられる傑作ハードボイルド
インディペンデント映画の巨匠ジョン・カサヴェテスが妻ジーナ・ローランズを主演に描くアクション・ドラマ。男よりもタフで強い“闘うヒロイン”は今見ても鮮烈。ヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞。
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COLUMN/コラム2013.08.30
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2013年9月】招きネコ
いきなり銃をぶっ放す、くわえ煙草、勝ち目のない組織との闘い・・・これ全部、ヒロイン、グロリアの挙動。この作品が生んだグロリアというキャラクターは、映画史に残る初の女性ハードボイルド主人公として有名ですが、未見の方は騙されたと思って見て下さい。エマニュエル・ウンガロのワンピースにハイヒール姿で銃を連射する姿は、カッコいいのなんのって岩下志麻も真っ青です。現在の闘うヒロイン、アンジェリーナ・ジョリーやミラ・ジョボビッチなんて足下にも及びません。彼女が組織と闘うのは、愛する男のためではなく、両親を消され組織から追われる見ず知らずの生意気な子供のため。子供嫌いの彼女が、いきがかり上その男の子を見捨てられなくて、悪態をつきながら一緒に逃避行するうちに、彼を守らねばという思いが芽生えていく過程が丁寧に描かれ、姿だけのカッコ良さではない、ハートのカッコ良さに参りました。レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説の名言「タフでなければ生きていけない、優しくなれなければ生きている資格はない」は彼女のためにある言葉だと私は思います。 Copyright © 1980 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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PROGRAM/放送作品
こわれゆく女
精神のバランスを崩していく妻とその家族の姿を、中流階級の現実感溢れる生活とともに描いた人間ドラマ
ジーナ・ローランズ、ピーター・フォーク主演、精神のバランスを崩す妻とその家族の姿をカサヴェテスが描いた人間ドラマ。心を病んでいく妻の姿をジーナ・ローランズが鬼気迫る熱演で見せる。
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COLUMN/コラム2012.03.01
映画の中のニューヨーク
■映画を彩る街・ニューヨーク もしもアカデミー賞にロケーション部門があったら、ニューヨークの街はノミネートのほとんどを独占してしまうことだろう。それだけたくさんの映画の舞台となり、魅力的な姿を映し出して来たニューヨーク。この街のあの場所が描かれて来た舞台裏を知ると、映画の中のニューヨークをより楽しめるようになる。いわゆるニューヨークと呼ばれるエリアは、マンハッタン島を中心に合計5つの区域で成り立っている。中心にあるマンハッタン島と隣のブルックリンには3本の橋が渡っており、最も南に位置し、最も美しいと言われ数々の映画でも描かれてきたのがブルックリン橋(2)。 アメリカで屈指のコメディ俳優、ベン・スティラーが監督した『僕たちのアナ・バナナ』ではマンハッタンから見て橋の向こう側、ダンボ地区にあるブルックリン・ブリッジ・パーク(3)がロケ地として使われている。映画同様、このあたりからはマンハッタンの美しい摩天楼を眺めることができるため、昼夜問わず多くのカップルや観光客が訪れる。 また、『10日間で男を上手にフル方法』にはスタッテン・アイランド(4)へ行くシーンがあるが、マンハッタンからスタッテン・アイランドへは無料のフェリーでしか渡ることができず、ブルックリンとスタッテン・アイランドを渡すペラザノナローズ・ブリッジ(5)が結んでいる。 タクシーで去っていくケイト・ハドソンをマシュー・マコノヒーが走って追いかけるラストシーンはブルックリン橋の上。通常、徒歩や自転車は車道の上にある橋を渡るのだが……。 5月に放送する『セックス・アンド・ザ・シティ』でも、仲違いしたミランダとスティーブがこの橋の上で夫婦としてやり直すことを誓う感動的なシーンが繰り広げられる。 ■マンハッタン内に星の数だけあるホテル群も、映画の舞台として大事な役目を担っている。 例えば『ホーム・アローン2』のザ・プラザ(6)、イーサン・ホーク監督の、タイトルもそのままの『チェルシー・ホテル』(7)など単なるロケ地以上の存在感を示すものも。 その中で、最も多く映画の舞台に使われたホテルのひとつは、間違いなくウォルドルフ=アストリア・ホテル(8)だろう。 ミッドタウン東側のグランド・セントラル駅に近いこの高級ホテルには、そうそうたる人物が宿泊していたとしても有名。マリリン・モンローやフランクリン・D・ルーズベルト大統領、昭和天皇や吉田茂も宿泊者リストに名を連ね、『Jエドガー』(クリント・イーストウッド監督)で映画化されたハーバート・フーヴァーはウォルドルフ=アストリアに居住していたことがある。 いまでもこのホテルでは映画関連の記者会見や取材場所として使われることが多く、ジャンケットと呼ばれる映画のプレスデーが開催される週末には、黒塗りのリムジンがホテル正面玄関に横付けされ、スターたちがホテル入りする。 マンハッタン内でプレスデーが行なわれるホテルは限られており、ウォルドルフ=アストリアで張っていればスターに会える確立も高そうだ。 そういった外交や映画界とのつながりが深いためか、このホテルは映画の中にもたびたび登場する。 フランシス・フォード・コッポラ監督の『ゴッドファーザーPART II』でも使われているが、これは実在したマフィアたちがウォルドルフ=アストリアを定宿にしていたという逸話からきているのだろう。 主演のエディ・マーフィ自身もよくこのホテルに宿泊していたことから『星の王子ニューヨークへ行く』でもアキーム王子が泊まるホテルとして登場する。『メイド・イン・マンハッタン』ではジェニファー・ロペスがメイドとして働くホテルに、『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』ではアル・パチーノ演じる盲目の軍人が宿泊、そして『ウディ・アレンの重罪と軽罪』の舞台にもなった。 そのウディ・アレンは彼が住むアッパーイーストにある高級ホテル、カーライル(9)のバーにて彼が映画の撮影をしていない秋~春にかけて毎週月曜日クラリネットを吹いているので、彼を間近で見るチャンスかも。 ■ ニューヨークの真ん中に位置する巨大な公園、セントラル・パーク(10)も映画の舞台としていろいろな顔を見せて来た。 ここで撮影された映画は数知れず、セントラル・パークのすぐ南に位置するザ・プラザが舞台の『ホーム・アローン2』(6)、公園の西側にある自然史博物館(11)が舞台の『ナイト・ミュージアム』(余談だが、主演のベン・スティラーは子供の頃、この博物館のすぐ近くに住んでいたそうだ)、そして紅葉のセントラル・パークの美しい景色が見られる『オータム・イン・ニューヨーク』など。 『僕たちのアナ・バナナ』でエドワード・ノートンにジェナ・エルフマンが「ニューヨークがこんなに美しいなんて」と言うシーンで、セントラル・パーク内の池にかかるボウ・ブリッジが使われている。ラスト、3人が仲良く歩くシーンはセントラル・パーク東側にあるメトロポリタン美術館(12)の屋上にある彫刻ガーデンだ。 そして、ちょうどセントラル・パークを挟んだ西側の72丁目に位置するのが高級アパートメント、ダコタ・ハウス(13)。この高級アパートの名を世界中に広めたのは1980年12月8日に起きたジョン・レノン銃撃事件だろう。 ジョン亡き後、彼が住んでいた部屋から眺めることができる場所にストロベリー・フィールズのモニュメントが作られた。いまでもこのアパートに住むオノ・ヨーコによって建てられた慰霊の地には多くのファンが訪れ「イマジン」を口ずさんでいる。 ダコタ・ハウスは映画の舞台としても多くの作品に登場しており、ロマン・ポランスキーの『ローズマリーの赤ちゃん』ではミア・ファロー演じるローズマリーと夫(ジョン・カサヴェテス)が引っ越してくるアパートとして、『バニラ・スカイ』ではトム・クルーズが住むアパートとして登場している。 また、同じくニューヨークの高級住宅地を舞台にした『パニック・ルーム』も瀟酒なタウンハウスが舞台となっている。地価の高いニューヨーク、特にマンハッタン内では高層アパートではなく低層のタウンハウスに住むことができるのは限られた極一部の富裕層のみ。こういった家に住む人々の身に起きる奇怪な出来事……というのが「○○○は見た」的な興味を掻き立てる要因のひとつになっているのかもしれない。 ■ ブルックリン橋、高級ホテル、セントラル・パーク、高級アパートメント、そのどれもがニューヨークらしく、ここにしかない情景として映画を物語るのに重要な役割を担っている。 同じロケ地でも全く違った見え方がする映画を見比べてみるのもおもしろい。いつかニューヨークを旅したときに、映画の中で観た景色が思い浮かぶというのも、映画と現実がリンクする素敵な経験となるだろう。■
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PROGRAM/放送作品
ローズマリーの赤ちゃん
悪魔の子供を妊娠させられた…現実か、それとも妄想か?オカルト・ホラーの先駆作にして金字塔
オカルト映画ブームの先駆けとなった名作ホラー。悪魔の子供を妊娠したかもという妄想めいた恐怖を、名匠ロマン・ポランスキーが息詰まる心理描写で紡いでいく。ルース・ゴードンがアカデミー助演女優賞を受賞。
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COLUMN/コラム2012.02.01
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年2月】招きネコ
映画監督としても人気のジョン・カサヴェテスとミア・ファーロー共演。マンハッタンの古びたアパートに引っ越してきた若妻の悪魔の子供を妊娠したかもという妄想めいた恐怖をロマン・ポランスキー監督がジワジワと描くオカルト映画の原点ともいえる作品。この作品の恐怖をひきたてるもうひとつの主役は、ジョン・レノンが暗殺された事件で有名になった有名人の住むダコタ・ハウス。1893年に建てられた重厚なこの由緒ある建物で作品は撮影され、外観だけでなく住人以外は見ることのできない内部のクラシカルな内装や間取りを“見学”できます。いかにも、何か出そう・・・。 COPYRIGHT © 2012 PARAMOUNT PICTURES. ALL RIGHTS RESERVED.
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PROGRAM/放送作品
きみに読む物語
生涯を掛けた純愛に涙が止まらない…ベストセラー小説を映画化したロマンティックな恋物語
ジョン・カサヴェテス監督と、そのミューズであった女優ジーナ・ローランズの息子ニック・カサヴェテスがメガホンを取った本作。両親を彷彿とさせる生涯のベストパートナーとの運命的な恋愛を、感動的に描きあげた。
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PROGRAM/放送作品
ラヴ・ストリームス
米インディーズ映画の父ジョン・カサヴェテス&名優ジーナ・ローランズ。夫唱婦随で描く愛と孤独の物語
劇作家テッド・アレンの同名舞台劇を映画化。『アメリカの影』『オープニング・ナイト』で知られ、斬新な映像で米インディーズ映画の父と呼ばれた鬼才ジョン・カサヴェテスが監督。ベルリン国際映画祭で金熊賞受賞。
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フェイシズ
“インディペンデント映画”というジャンルを確立したカサヴェテスの代表作。破綻する夫婦の36時間を追う
夫婦関係が破綻するまでの36時間を追うジョン・カサヴェテス監督の代表作。ハリウッドから離れ独立資本で製作し、“アメリカン・インディペンデント”というジャンルを確立した1本。
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PROGRAM/放送作品
チャイニーズ・ブッキーを殺した男 [オリジナル版]
カサヴェテスが主人公に自身を投影し、“男”のダンディズムと哀愁を描いたフィルム・ノワールの快作
人生をどう生きるか。やせ我慢をしてまで守るべきものがあるか?“男”のダンディズムと哀愁を描き、切なくもユーモア漂う作品に仕上げたフィルム・ノワールの快作。公開版より27分長いオリジナル版。