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PROGRAM/放送作品
マーズ・アタック!
ハリウッドスターたちが、奇才T・バートンが描く世界観の中で個性的なキャラを熱演したSFコメディ
現代屈指の奇才T・バートンが特撮工房ILMのSFX技術を得て、火星人による地球襲来を往年のB級SF映画テイスト満点に映像化。主役からチョイ役まで、豪華ハリウッド人気スターたちの悪ノリ演技は必見。
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COLUMN/コラム2023.10.02
ティム・バートン印のポップでキッチュでブラックなSFコメディの傑作!『マーズ・アタック!』
それは友情から始まった 1950年代のB級SF映画と1970年代のディザスター映画にオマージュを捧げた、ティム・バートン監督のシュールでクレイジーな愛すべきSFコメディ映画である。劇場公開時は文字通り賛否両論。アメリカでは3週間で上映が打ち切られるほど客入りが悪かったが、しかしヨーロッパでは反対にロングランの大ヒットを記録。筆者の記憶だと日本でも評判はとても良かったはずだ。まあ、いかにもティム・バートンらしいオタク趣味丸出しのポップでキッチュなビジュアルや、時として残酷なくらいシニカルなブラック・ユーモアのセンスは、なるほど確かに見る人を選ぶであろうことは想像に難くない。 元ネタになったのはベースボール・カードの老舗トップス社が、1962年にアメリカで発売した子供向けトレーディング・カード「Mars Attacks!」。グロテスクな火星人の造形やリアルな残酷描写が子供たちに受けたものの、それゆえ保護者からの猛反発を食らって呆気なく販売が中止されてしまった。その後、「Mars Attacks!」は人気のコレクターズ・アイテムとなり、高額のプレミア価格で取引されるようになったことから、トップス社は’84年と’94年に復刻版をリリース。その’94年の復刻版を購入して、ティム・バートンにプレゼントしたのが脚本家ジョナサン・ジェムズだったのである。 イギリスの著名な劇作家パム・ジェムズを母親に持ち、マイケル・ラドフォード監督の『1984』(’84)と『白い炎の女』(’87)の脚本で頭角を現したジョナサン・ジェムズ。実はティム・バートン監督の出世作『バットマン』(’89)の脚本修正にノークレジットで携わっていた。ロンドン郊外のパインウッド・スタジオで撮影された『バットマン』。撮影中に幾度となく脚本修正の必要が生じたものの、当時ちょうど全米脚本家組合がストライキの最中だったため、オリジナル脚本を手掛けたサム・ハムが手を加えることは許されず、代わりに英国人の脚本家たちが修正に駆り出された。ジェムズはその中のひとりだったのだ。 お互いに趣味や好みの似ていた2人はたちまち意気投合。ほどなくしてロサンゼルスへ活動の拠点を移したジェムズは、バートン監督のもとで幾つも脚本を書いているのだが、残念ながら『マーズ・アタック!』以外は全てお蔵入りになっている。また、バートン監督と恋人リサ・マリーのキューピッド役を務めたのもジェムズ。ロンドンのモデル時代からリサ・マリーを知っているジェムズは、たまたま共通の友人を介してロサンゼルスで彼女と再会し、バツイチの独身だったバートン監督と引き合わせたという。いずれにせよ、当時の2人は無二の親友も同然だったようだ。 ストーリーの下敷きは『タワーリング・インフェルノ』!? 時は1994年の8月。バートン監督への誕生日プレゼント(8月25日が誕生日)を探していたジェムズは、ロサンゼルスのメルローズ通りにあるギフトショップへ入ったところ、そこでトップス社の「Mars Attacks!」と「Dinosaurs Attack!」のトレカ・ボックスを発見。これはティムの好みに違いない!と思った彼は両方とも購入してプレゼントしたという。それから1週間ほどしてバートン監督から連絡を受けたそうだが、当初は「Dinosaurs Attack!」の方を映画化するつもりだったらしい。巨大な恐竜がロサンゼルスの街を破壊するなんて最高にクールじゃん!?と。しかし、打ち合わせを進めるうちに2人は気が付いてしまう。それが『ジュラシック・パーク』の二番煎じであることに。そこでバートン監督は「Mars Attacks!」の映画化に鞍替えし、まずは映画会社ワーナーに提案するためのシノプシスを書くようジェムズに依頼したのである。 その際にバートン監督から指示されたのは、’70年代にアーウィン・アレンが製作したディザスター映画群、中でも『タワーリング・インフェルノ』(’74)を参考にすること。そこから「人々が醜悪な火星人に追いかけられて右往左往するオールスター・キャスト映画」という基本コンセプトが出来上がったという。すぐさま、ハイランド大通りにあった有名なレンタル・ビデオ店ロケット・ビデオで『タワーリング・インフェルノ』のVHSをレンタルしたというバートン監督とジェムズの2人。特に印象的だったのは、ロバート・ワグナーが火だるまになって死ぬシーンだったという。悪役でもない主演級の大物スターが悲惨な死に方をするなんて最高にクールじゃん?と感動したジェムズは、『マーズ・アタック!』でもオールスター・キャストの大半を悲惨な方法で殺すことに(笑)。さらに、『大地震』(’74)や『スウォーム』(’78)などをお手本にして、アメリカ各地に暮らす様々な社会階層の人々が登場する大規模な群像劇に仕上げたのである。 ストーリーは極めてシンプル。ある日突然、火星からのUFO軍団が地球へと飛来する。果たして火星人の目的は何なのか?友好の使者なのか、それとも侵略者なのか。この状況を政治利用しようとするアメリカ大統領、核爆弾による先制攻撃を主張するタカ派軍人、火星人ブーム(?)に乗って一儲けしようとするビジネスマンなど、様々な人々の思惑が交錯する中、いよいよ火星人とのファースト・コンタクトが実現。なんだ、むっちゃ友好的じゃん!とみんながホッと胸をなでおろしたのも束の間、たちまち本性を現した火星人たちの地球侵略攻撃が始まる。 火星人のキャラ造形が極端にグロテスクであることから、地球人のキャラクターも極端なカリカチュアとして描けば、うまい具合にバランスが取れると考えたというジェムズ。メインの登場人物だけでおよそ20名、幾つものプロットが同時進行するという脚本の構成は複雑だが、そこはスタンリー・クレイマー監督のコメディ巨編『おかしなおかしなおかしな世界』(’63)が大いに参考になったという。 テーマはズバリ「権力者を信用するな」。米国大統領にせよ、科学者にせよ、軍人にせよ、はたまたテレビの人気司会者にせよ、本作に登場する権力者たちは揃いも揃って、愚かで浅はかでバカで軽薄なクズばかり。世界の危機を救うどころか事態を悪化させ、いずれも自業自得の悲惨な最期を遂げる。むしろ世界を救うのは、家庭に居場所のない孤独な少年や老人ホームに追いやられた老婆、借金返済のためカジノで働く元プロボクサーなど、名もなき普通の人々。要するに、どこにでもいる平凡で善良なアメリカ市民こそが真のヒーローなのだ。 ギクシャクし始めたスタジオとの関係 およそ1週間でプレゼン用のシノプシスを書き上げたというジェムズ。『マーズ・アタック!』の企画は無事に通り、ワーナーは’95年8月の撮影開始、’96年8月の封切というスケジュールを立てたのだが、しかし制作陣はすぐに大きな壁にぶつかってしまう。というのも、レイ・ハリーハウゼンの特撮映画を熱愛するバートン監督は、本作の特撮もストップモーション・アニメでやろうと考えたのだ。当初は『ナイトメア・ビフォア・クリスマス』(’93)のヘンリー・セリックに任せるつもりだったが、しかし当時のセリックは『ジャイアント・ピーチ』(’96)に取り掛かっていたため都合がつかず、セリックの推薦でイギリスのアニメ作家バリー・パーヴスに白羽の矢が立ったという。 しかし、英国人のパーヴスがアメリカでスタッフを集めて工房を作り、さらにテストフィルムを製作するまでに予想以上の時間がかかってしまった。おかげで、予定していたスケジュールが押してしまうことに。そこでプロデューサーのラリー・フランコがサンフランシスコへ飛び、ジョージ・ルーカスの特撮工房ILMと直談判。ストップモーション風のCGアニメを開発してもらうこととなる。本当にそんなことが出来るのか?とバートン監督は半信半疑だったが、しかしテスト映像の仕上がりを見て大いに納得。結局、CGを使うことでアニメ制作の時間短縮が可能になったが、その代わりに予算も膨れ上がってしまい、この頃から製作陣とワーナーの関係がギクシャクし始めたようだ。 さらに、脚本家ジェムズとワーナーの対立も表面化していく。撮影に向けて脚本のドラフトを書き始めたジェムズ。ワーナー経営陣には「クリエイティブ・チーム」と呼ばれる人々がおり、原稿は全て彼らのチェックを受けなくてはならなかったのだが、そこで様々な意見の相違が出てきたのである。それ自体はよくあることなのだが、しかしあるシーンを巡ってお互いが絶対譲らなくなってしまう。それが、本編冒頭の「燃える牛軍団」シーン。のどかな田舎で火の付いた牛の群れが暴走するという場面なのだが、これをクリエイティブ・チームは「動物愛護法に反する」としてNGにしたのだ。しかし、当然ながら実際に撮影で牛を燃やすわけじゃない。当たり前だが特撮で処理をする。「なにをバカなこと言ってるんだ!?」と呆れたというジェムズ。このシーンは観客にインパクトを与えるためにも絶対に必要だ。そう考えた彼は、何度NGを出されても無視し続けたそうだが、その結果ワーナーからクビを言い渡されてしまった。 ドラフト原稿を提出すること12回。すっかり疲れ切っていたジェムズは、むしろクビになってホッとしたという。代役には『エド・ウッド』(’94)の脚本家コンビ、スコット・アレクサンダーとラリー・カラゼウスキーを推薦。ところが、今度はワーナー経営陣の意向通りに修正した彼らの脚本をバートン監督が気に入らず、クビになってから5週間後にジェムズは呼び戻される。バートン監督の自宅で専用部屋を用意された彼は、なんとたったの5日間で新たな修正版を完成。「燃える牛軍団」シーンもシレッと復活させたのだが、どういうわけかこれが最終的に通ってしまったという。全く、いい加減なもんである(笑)。 あの役は本来ならディカプリオが演じるはずだった! こうしてなんとか脚本を完成させたバートン監督とジェムズだったが、今度はオールスターのキャスティングに難航する。スムースに決まったのは、科学者役のピアース・ブロスナンと大統領補佐官役のマーティン・ショート。どちらもナンセンスで毒っ気のある脚本の趣旨を理解し、最初から出演にとても前向きだったという。世界を救うフローレンスお婆ちゃんは、もともとシルヴィア・シドニーを念頭に置いた役柄。シルヴィア・シドニーと言えば、’30~’40年代にパラマウントの看板スターだった清純派のトップ女優。その一方で、かの大女優ベティ・デイヴィスをして「ハリウッドには私よりもタフな女優が2人だけいる。アイダ・ルピノとシルヴィア・シドニーよ」と言わしめたほどの女傑である。『ビートルジュース』(’88)でもシドニーと組んだバートン監督は、まるで自分の祖母のように彼女を敬愛していたそうだ。 しかし、それ以外のキャストはなかなか決まらなかった。アメリカ大統領役はウォーレン・ベイティに決まりかけたが、しかしワーナーが難色を示したため白紙撤回。成金の不動産業者役をオファーされたジャック・ニコルソンが、アメリカ大統領役も兼ねることで落ち着いた。このニコルソンの出演が決まった途端、ハリウッド中のスターが手のひらを返したように出演を希望するようになったという。恐らく、一歩間違えるとキワモノになりかねない映画だけあって、みんな様子を窺っていたのだろう。 ちなみに、フローレンスお婆ちゃんの孫リッチー役は、なんとレオナルド・ディカプリオが演じるはずだったが、しかし撮影スケジュールが押したせいで出演が不可能になったという。そのディカプリオが代役として推薦したのがルーカス・ハースだった。また、最後のギリギリまで見つからなかったのがフランス大統領役の俳優。撮影前日に「どうしよう!誰か知らない!?」とバートン監督から連絡を受けたジェムズは、たまたまご近所さんだった名匠バーベット・シュローダー監督を推薦。厳密にはスイス人だけとフランス国籍だし、見た目もド・ゴール大統領に似ているから適任だと考えたらしい。ダメもとで連絡してみたところ、自宅まで迎えの車が来るならオッケーとの返答。バートン監督はシュローダーが何者か全く知らなかったらしいが、あまりの芝居の上手さに舌を巻いたそうだ。 こうして当初の予定よりも大幅に遅れたものの、’96年12月に全米公開されることとなった『マーズ・アタック!』。疲労困憊したティム・バートン監督は恋人リサ・マリーとインド旅行へと出かけ、ジョナサン・ジェムズはロサンゼルスで宣伝キャンペーンが始まるのを待っていたが、しかし封切の3週間前になっても何も起こらなかったという。不安になったジェムズはワーナーに問い合わせるも、向こうは「宣伝なら1000万ドル規模の予算をかけてますから!」の一点張り。ようやく1週間前になってサンセット大通りに看板が掲げられ、映画館やテレビでも予告編が流れるようになったが、しかしジェムズに言わせれば遅すぎた。まるで自社作品を潰しにかかっているようだ。そういえば、プレビュー試写でも一般客から大好評だったにもかかわらず、同席したワーナー経営陣の反応は冷ややかだった。最初から売るつもりなどなかったんじゃないか?とジェムズは疑ったが、しかしその理由はいまだに見当がつかないという。 まあ、CGの使用による予算の増額や、脚本を巡るジェムズとの対立などで、ワーナー経営陣の心証を悪くした可能性はあるが、しかしだからといって多額の予算を投じた自社作品の宣伝をあえて放棄するようなことはしないだろう。恐らく、「ワーナー宣伝部はこの映画の売り方を分からなかっただけだ」というバートン監督の見解が正しいかもしれない。たとえ出来損ないの映画でも宣伝が上手ければ成功するが、反対にどれだけ出来の良い映画でも宣伝が下手ならば失敗する。今も昔も変わらぬ鉄則である。■ 『マーズ・アタック!』© Warner Bros. Entertainment Inc.
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PROGRAM/放送作品
ヒート
アル・パチーノvsロバート・デ・ニーロ、男の真っ向勝負をマイケル・マン監督がソリッドに描く!
当代一の男気映画職人マイケル・マン監督が、パチーノとデ・ニーロの二大名優に演技合戦をさせ、二匹の男の宿命的な出会いと対決を描き上げた骨太男気映画の大傑作。中盤の銃撃戦シーンは映画史に残る迫力!
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COLUMN/コラム2021.07.08
アル・パチーノvsロバート・デ・ニーロ ライバルにして友人同士の、初の本格共演作 『ヒート』
2005年10月21日、ビバリーヒルズのホテルで、アル・パチーノを顕彰する催しがあった。その席には彼と共演経験がある者を中心に、綺羅星のようなスター達が出席。「アメリカン・シネマテーク賞」が贈られたパチーノに、次々と賞賛の声を浴びせた。 会場には姿を見せなかったものの、メッセージビデオを寄せた中には、ロバート・デ・ニーロが居た。彼はパチーノに呼び掛けるような、こんな祝いの言葉を贈った。「アル、何年にもわたり、おれたちは役を取り合った。世間のひとたちはおれたちをたがいに比較し、たがいに競わせ、心のなかでばらばらに引き裂いた。正直に言って、おれはそんな比較をしてみたことはない。たしかにおれのほうが背が高い。おれのほうが主役タイプだ。しかし正直に言おう。きみはおれたちの世代で最高の俳優であるかもしれない……ただし、おれをべつにしてだ」 1940年生まれのパチーノと、43年生まれのデ・ニーロ。まさに同世代の中で、長年ライバル同士と目されると同時に、親しい友人関係にあった。そんな2人の仲を、端的に表したメッセージと言えよう。 共に、イタリア系アメリカ人。俳優を志した若き日、ニューヨークでスタニスラフスキー・システムを基にした「メソッド演技法」を学んだのも、同じだ。但し、パチーノの師がアクターズ・スタジオのリー・ストラスバーグであるのに対し、デ・ニーロが学んだのは、かつてストラスバーグと衝突して袂を分かった、ステラ・アドラーであった。 俳優としてのキャリア初期、デ・ニーロは『The Gang That Couldn't Shoot Straight』(71/日本未公開)という作品に出演した。彼が演じたのは、パチーノが『ゴッドファーザー』(72)に出演が決まったため、断った役である。 その『ゴッドファーザー』でパチーノが演じたマイケル・コルレオーネの役は、デ・ニーロも候補として、名が挙がった1人だった。結果的にこの役を得たパチーノは、作品が記録破りの大ヒットになると同時に、スターダムにのし上がり、アカデミー賞助演男優賞の候補にもなった。 2人の初の共演作は、『ゴッドファーザーPARTⅡ』(74)。とはいえこの作品の中で、2人が顔を合わすシーンはない。パチーノが引き続きマイケル・コルレオーネを演じたのに対し、デ・ニーロの役は、マイケルの父であるヴィト―・コルレオーネの若き日であったからだ。 パチーノは今度は、アカデミー賞の主演男優賞候補になる。一方この作品で一躍大きな注目を集めたデ・ニーロは、候補となった助演男優賞のオスカー像を勝ち取った。 これは余談になるが、デ・ニーロが演じたヴィト―の生まれ故郷は、イタリア・シチリア島のコルレオーネ村。実はこの地は、パチーノの祖父の出身地であった。 さて、『ゴッドファーザーPARTⅡ』時には30代前半だった、パチーノとデ・ニーロ。そんな2人が初の本格共演を果たすのには、それから20年以上の歳月、共に50代となるまで、待たなければならなかった。 それが、マイケル・マン製作・監督による本作『ヒート』(95)。パチーノが演じる、ロサンゼルス市警の警部ヴィンセント・ハナと、デ・ニーロが演じる、プロの犯罪者ニール・マッコリ―の対決が描かれる、2時間50分である。 *** ニール・マッコリ―をリーダーに、クリス、チェリト、タウナーらがメンバーの強盗グループの今回のターゲットは、多額の有価証券を積んだ装甲輸送車。大胆不敵な襲撃で輸送車を横転させ、警察の追っ手が掛かる前に証券を手に入れて、現場から立ち去る計画だった。 ところが新顔のメンバーが、ガードマンの1人を無意味に射殺。そのため、目撃者である他のガードマンたちも、葬らざるを得なくなる。 急報を受けてロス市警から、強盗・殺人課のヴィンセント・ハナ警部が駆けつけた、彼は犯行の手口から、強盗のリーダーが、相当に頭が切れるタイプであることを見抜く。 グループの仲間たちが家族持ちなのに対し、ニールは情の部分を断ち切った独り者。しかしある時に出会った、グラフィック・デザイナーのイーディと恋に落ちる。 一方ニールたちを追うヴィンセントは、捜査にのめり込む余り、過去に2度の離婚歴がある。現在は3番目の妻とその連れ子の娘と暮らしているが、またもや関係がギクシャクし始めていた…。 ちょっとした糸口から、ニールたちの正体を割り出したヴィンセントの捜査チームは、強盗グループが犯行に及んだところを、一網打尽にする計画を実行する。ところが犯行途中、捜査チームのちょっとしたミスから、ニールは警察の罠に気付き、企てを中止して引き上げる。 ニールは意趣返しのように、逆に罠を張る。そして、ヴィンセントはじめ捜査チームのメンバーを突き止める。 虚々実々の駆け引きを経て、ヴィンセントとニールが、直接対決する日が近づく。それが2人のどちらかにとっては、最期の日になる。そんな予感を孕んでいた…。 *** デ・ニーロと同年の、1943年生まれのマイケル・マンは、70年代から「刑事スタスキー&ハッチ」「ポリスストーリー」など、TVの有名刑事ドラマの脚本や監督を担当。80年代にはエグゼクティブ・プロデューサーを務めた、「特捜刑事マイアミ・バイス」で大当たりを取った。 映画監督としては、『ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー』(81)でデビュー。本作に至るまでに、『ザ・キープ』(83)『刑事グラハム/凍りついた欲望』(86)『ラスト・オブ・モヒカン』(92)といった作品を手掛けていた。 本作でパチーノが演じた刑事と、デ・ニーロが演じた犯罪者には、実在のモデルが居る。刑事のモデルは、元シカゴ市警の警察官で、退職後に脚本家となったチャック・アダムソン。マンの映画監督デビュー作『ザ・クラッカー』で、脚本及び犯罪に関する専門的なアドバイザーを担当したことがきっかけで、マンの親友となり、「マイアミ・バイス」他のマン作品に深く関わるようになった。 犯罪者のモデルは、アダムソンが警察時代に追っていた、その名もニール・マッコリ―。60年代のシカゴで仲間と共に、深夜の金庫襲撃などを繰り返していた。最終的には食料品チェーン店に強盗に入った際、監視していた警察に追い詰められ、アダムソンとその同僚によって、射殺された。 マンはアダムソンからマッコリ―の話を聞いて、2人の関係をベースにした、刑事と犯罪者の対決の物語を映像化しようと構想を練る。そしてまずは89年に、TVムービーとして、『メイド・イン・L.A.』を完成させる。 この作品は日本の場合、『ヒート』公開後に、VHSやDVDなどのソフトで観た方がほとんどと思われる。そうした順番で鑑賞すると、『メイド・イン・L.A.』は、『ヒート』をスケールダウンして、ノースターで製作した93分のダイジェスト版のように感じられる。 もちろん実際は、その逆。予算のスケールアップはもちろん、パチーノ、デ・ニーロ以外に、脇役にもヴァル・キルマーやジョン・ボイトなどのスターを配し、尺も2倍近くにしたのが、『ヒート』なのである。先に映像化したものが“ダイジェスト”のように感じられるのは、展開がほとんど変わらず、主要な登場人物の数も、ほぼ同じだからであろう。『ヒート』は長尺にした分、各キャラクターの描写が厚くなっている。正直、未消化に終わって、余計に感じられるところも散見するが。 さてアクション以外の見せ場として、両作にあるのが、クライマックスの対決に至る前に、ヴィンセントがニール(『メイド・イン・L.A.』では役名はパトリック)に声を掛け、宿敵同士である刑事と犯罪者が、コーヒーショップで会話をするシーン。これはモデルとなった2人の間に、実際にあった出来事を脚色したエピソードだという。 アダムソンがマッコーリーを尾行していた時に、期せずしてショッピングモールで、顔を合わせてしまった。その時アダムソンは、犯罪者であるマッコーリーの行動を深く理解したいと考え、コーヒーに誘ったのである。そして2人で、多くのことを語り合ったという。 この“実話”を基に、マンはヴィンセントとニールが、「…コインの裏と表のような関係…」であり、「似たもの同士…」であることを表現するシーンを作った。共にワーカホリックで、平穏な家庭生活などは望めない、孤高のプロフェッショナル。それ故に2人は、激しく戦わざるを得ないというわけだ。 作品の本質を表す、屈指の名シーンと言えるが、一方で『ヒート』初公開時にはこのシーンがあるが故に、観客らが「あらぬ疑惑」を抱く事態となった。それについては、後ほど詳述する。 本作でマンが大いにこだわったのが、“リアリティー”。俳優陣には準備段階で、犯罪者の行動原理を学ばせた。 例えば犯罪チームの一員チェリトを演じたトム・サイズモアの場合、刑務所で受刑者の話を聞いたり、営業中の銀行を訪れ、自分が強盗だったらどう狙うかをシミュレーションした。更には実在のギャング団行きつけの店のテーブルで、わざわざ食事までした。 撮影前には3カ月に及ぶ、コンバット・シューティング=実践的射撃術の訓練を実施。犯罪者チームと警官チームは、それぞれ銃の撃ち方や扱いに微妙な違いがあることから、別々のトレーナーを付けて行った。これは、劇中で対立する2つのチームに、馴れ合いの空気を作らせないための工夫でもあったという。 マンは、ロサンゼルスでのオールロケにもこだわった。ロケ場所は実に85箇所にも及んだが、ハイライトはやはり、12分間に渡る白昼の市街戦の舞台。週末にロスのオフィス街の大通りを丸ごと借り切って、映画史に残るような壮大なドンパチを繰り広げた。 主演を務めた2大スター、アル・パチーノとロバート・デ・ニーロについては、マンはその演技を、次のように語っている。「デ・ニーロは役を建築物のように構築する。細部をすこしずつ、信じられないほどこまかく研究する。…一方、アルの役への入りかたはちがう。ピカソが何も描いてないキャンヴァスを何時間もみつめて集中するようにだ。集中したあとで何刷毛か絵筆をふるう。それだけで人物が生きて立ち上がる」 そんな2人が対峙する最大の見せ場が、先に挙げた、コーヒーショップのシーンだった。しかし初公開時は、私も含めて多くの観客の中に、「?」を残す結果となった。具体的には、「パチーノとデ・ニーロ、共演してないのでは?」という疑念が、猛然と沸き上がったのである。 2人の会話シーンは、各々のバストショットの切り返しばかり。同一画面に2人が存在する、そんな2ショットのシーンが、全く存在しなかったのである。 パチーノとデ・ニーロが、いくら親しい友人同士といっても、撮影現場ではお互いTOPスターのプライドなどもあって、そうはいかなかった。だから別々に撮ったのである。そんなもっともらしい解説も、当時耳にした記憶がある。 でも実際は、そんなことはなかった。現場のスチールやメイキングなどから明らかだが、2人はちゃんと共演していたのである。しかもリハーサルなしで撮影したこのシーンは、2人のアドリブも満載に、11テイクも回していた。 では、実際にはカメラに収めた2ショットなどは、なぜ使わなかったのか?「共演してないのでは?」という疑惑を生み出すような編集に、どうしてなったのか? パチーノとデ・ニーロは、視線を合わせたり逸らしたりしながら、セリフの応酬をする。そうした中でお互いが、「似ている人間」であることを理解していく。 それを見せるためには、それぞれの表情がはっきりと映る、バストショットの切り返しが最も有効。交互に見せることで、2人の演技が融合していく。マンと編集者は、そう考えたのである。 初見から25年経って、そのシーンを観返してみて私が思ったのは、「似た者同士」である2人だが、同じ世界での共存は許されない。2ショットを省いたのには、そんなことを表す意図があったようにも思えてきた。この編集だからこそ、刑事と犯罪者、それぞれの“孤高さ”が際立ってくる。『ヒート』で初めて、本格共演を果たしたパチーノとデ・ニーロ。2人はその後、『ボーダー』(2008)『アイリッシュマン』(19)と、ほぼ10年に1度ほどのペースで共演を重ねている。 一方、その後様々な犯罪映画を手掛けたマイケル・マンは、現在ヴィンセントやニールらの、本作以前のストーリーを描く前日譚の小説化や脚本化に取り組んでいると伝えられる。この映像化が実現しても、齢80前後となったパチーノとデ・ニーロが同じ役で再登板することは、ちょっと考えにくいが…。■ 『ヒート』© 1995 Monarchy Enterprises S.a.r.l. in all other territories. All rights reserved.
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PROGRAM/放送作品
ポップスター
忘れられない壮絶な過去…。ナタリー・ポートマンがカリスマ・スターの孤独と苦しみを熱演する音楽ドラマ
孤高のポップスターが壮絶なトラウマに苦しみながら再起に挑む姿を、銃社会アメリカの問題を絡めながら描写。ナタリー・ポートマンが主演と製作総指揮を務め、エモーショナルな演技と華やかなステージで魅了する。
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COLUMN/コラム2014.09.01
2014年9月のシネマ・ソムリエ
■9月7日『ジェーン・エア』過去に何度も映像化、舞台化されてきたシャーロット・ブロンテの名作小説が原作。意思の強い孤児ジェーンと、ある秘密を抱えた貴族ロチェスターの愛の行方を綴る。監督は『闇の列車、光の旅』の日系米国人C・J・フクナガ。英国的な陰鬱さに満ちた田園や荒野でロケを行い、屋敷内の場面にもゴシックムードを漂わせた演出は見事。幸薄いヒロイン役がはまるM・ワシコウスカの可憐な魅力に目が釘付け! M・ファスベンダー、J・デンチという盤石の配役が実現し、一級の文芸ロマンに仕上がった。 ■9月21日『メタルヘッド』 事故で最愛の母親を亡くし、郊外の住宅街で希望なき日々を送る少年TJ。そんな彼の家に正体不明の長髪男ヘッシャーが住みつき、傍若無人の行動を繰り返していく。S・サッサー監督の型破りな長編デビュー作。人気俳優J・ゴードン=レビットが悪魔や堕天使を連想させるヘッシャーに扮し、共演のN・ポートマンが製作を兼任した。謎の怪人ヘッシャーの“荒療治”が、喪失の痛みを負った少年とその家族を再生させていく物語が、実にユニークで刺激的。観る者の心を震わす寓話的なドラマである。 『ジェーン・エア』© RUBY FILMS (JANE EYRE) LTD./THE BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2011. 『メタルヘッド』© 2010 Hesher Productions, LLC.
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PROGRAM/放送作品
聖杯たちの騎士
自分を見失った脚本家が、6人の女との愛によって導かれる。巨匠テレンス・マリック監督の映像叙事詩
心に虚しさを抱える脚本家と6人の女たちとの出会いを、テレンス・マリック監督が8章構成で壮大に綴る。アカデミー賞撮影賞に3度輝いたエマニュエル・ルベツキが撮影監督を務め、観念的な物語を優美に彩る。
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COLUMN/コラム2013.10.27
2013年11月のシネマ・ソムリエ
■11月2日『秋のソナタ[HDデジタルリマスター版]』 大女優I・バーグマン、最後の映画出演作となった人間ドラマ。母国スウェーデンに戻り、巨匠I・ベルイマンとの撮影中の激しい議論の末に完成させた入魂作である。 ノルウェーの田園地帯の牧師館に暮らす中年女性が、国際的なピアニストの母親と7年ぶりに対面。自由奔放な母親と、抑圧されて育った娘の心の断絶が描かれていく。ベルイマンの厳密な演出のもと、バーグマンともうひとりの名女優L・ウルマンが壮絶な演技合戦を披露。母娘が感情を剥き出しにするクライマックスは息をのむ迫力だ。 ■11月9日『夏の夜は三たび微笑む[HDデジタルリマスター版]』 ある夏の日、郊外の別荘に集まった男女が織りなす群像劇。恋愛絡みの問題を抱えた登場人物たちの珍騒動を、軽妙洒脱なタッチで綴るロマンティック・コメディである。「第七の封印」「野いちご」で世界的な名声を確立したI・ベルイマン監督が、その直前に発表した珠玉作。重厚な作風で名高い巨匠の機知に富んだ語り口に魅了される。シェイクスピアの「真夏の夜の夢」を連想させる物語と、北欧の風景が見事にマッチ。その牧歌的なムード漂う映像世界は、カンヌ国際映画祭で詩的ユーモア賞に輝いた。 ■11月16日『女はそれを待っている[HDデジタルリマスター版]』 I・ベルイマン監督は女性を主人公に据え、その内面を探求した映画を数多く遺したが、これもその1本。産科医院で同部屋になった女性3人の出産をめぐる物語である。不仲の夫との子を流産したセシリア、自分を捨てた恋人との子を身ごもったヨルディス、初めての妊娠に胸躍らせるスチーナ。不安や希望が錯綜する3人の思いを描く。皮肉な運命をたどる3人の葛藤を、ドキュメンタリーのようにリアルに描出。出産、すなわち生命の誕生という神秘に直面した女性たちへの畏敬の念も感じられる一作だ。 ■11月30日『バタフライ・エフェクト』 カオス理論のひとつである“バタフライ効果”を題材にしたサスペンス映画。先読みを許さない独創的かつスピーディなプロットが好評を博し、2本の続編が製作された。 幼少期の記憶が一部欠落したまま成長した大学生エヴァン。当時の日記を利用して過去に舞い戻った彼は、愛する幼なじみの女の子を悲惨な運命から救い出そうとする。主人公が過去に戻り、運命を変えようともがくたびに事態が悪化する展開が衝撃的。手に汗握るスリルに加え、人生の暗い一面や愛の切なさを描いたドラマも心に残る。 『秋のソナタ[HDデジタルリマスター版]』©1978 AB Svensk Filmindustri 『夏の夜は三たび微笑む[HDデジタルリマスター版]』©1955 AB Svensk Filmindustri 『女はそれを待っている[HDデジタルリマスター版]』©1958 Folkets Hus och Parker. All Rights Reserved 『マイ・ブラザー』©2009 Brothers Production, LLC. All Rights Reserved. 『バタフライ・エフェクト』© MMIV ALL RIGHTS RESEREVED
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PROGRAM/放送作品
レオン(1994)【オリジナル版】
[PG12相当]リュック・ベッソンが、孤独な殺し屋と少女の純愛を描いたバイオレンス・アクション作
殺し屋と少女の純愛を描く。『グラン・ブルー』でもベッソンと組んだジャン・レノと、当時13歳だったナタリー・ポートマンが主演を務めた。マチルダを演じたナタリー・ポートマンの美しさは世界に衝撃を与えた。
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COLUMN/コラム2012.08.26
2012年9月シネマ・ソムリエ
■9月1日『ブーリン家の姉妹』 16世紀の英国王室を揺るがした一大スキャンダルを映画化。時のイングランド国王、ヘンリー8世の寵愛を受けた新興貴族の姉妹アンとメアリーの数奇な愛憎ドラマだ。野心家で執念深いアンに『ブラック・スワン』のN・ポートマン、心優しい妹メアリーにS・ヨハンソン。この二大女優がほとばしらせる激情が観る者を終始圧倒する。「クィーン」の脚本家ピーター・モーガンらの一流スタッフが参加し、重厚で奥行きある歴史劇を創造。エリザベス1世の時代の幕開けを告げる結末も深い余韻を残す。 ■9月8日『キラー・インサイド・ミー』 米国文学界の異端児ジム・トンプスンの代表作「おれの中の殺人鬼」。この特異な一人称形式の犯罪小説を、M・ウィンターボトム監督がドライなタッチで映画化した。1950年代のテキサスを舞台に、人当たりのいい保安官助手の青年が冷酷な連続殺人鬼に変貌していく姿を描出。人間の不可解さと倒錯的な愛の形が観る者を驚かせる。主人公の殺人衝動を目覚めさせてしまう娼婦役にジェシカ・アルバ。もうひとりのヒロインに扮したケイト・ハドソンとともに、新境地の汚れ役を体当たりで熱演した。 ■9月15日『ルドandクルシ』 メキシコ映画界を代表する才能たちが手を組み、世界に向けて放った一作。同国出身の国際的スター、G・ガルシア・ベルナルとD・ルナが兄弟に扮して主演を務めた。田舎のバナナ農園で働く兄弟が、スカウトに見出されてプロ・サッカー選手に。ルド(乱暴者)とクルシ(自惚れ屋)のあだ名を頂戴した彼らの波乱に満ちた運命を綴る。おおらかで脳天気なコメディ仕立てだが、ちょっぴりほろ苦くて後味は爽やか。兄弟がPKの直接対決に挑む終盤は、メキシカン・サッカーの猥雑な熱気も味わえる。 ■9月22日『CQ』 巨匠フランシス・F・コッポラの息子ロマン・コッポラの監督デビュー作。偉大な父のサポートを得て、CMや音楽ビデオの演出で培ってきた豊かな感性を花開かせた。1969年のパリで、未完成のSF冒険映画の監督に指名されたフィルム編集者ポール。若き主人公の自分探しや映画への夢を、洗練された映像&音楽センスで紡ぎ上げた。観る者の目を奪うのは『バーバレラ』を思わせるレトロポップな劇中劇。スーパーモデルのA・リンドヴァルが惜しみなく披露するセクシーなコスプレもお楽しみあれ! ■9月29日『ワンダーランド』 1981年7月、ハリウッドで男女4人の血まみれ死体が発見された。ポルノ界の伝説的な巨根俳優ジョン・ホームズが関与したとされる“ワンダーランド事件”の映画化だ。 事件発生当時のホームズは麻薬を常用し、ギャングとも親交があったという。『ブギーナイツ』の主人公のモデルにもなったポルノスターの哀れな凋落ぶりが描かれる。謎多き事件の関係者の食い違う証言をフラッシュバックで映像化。ホームズを愛した2人の女との関係も描かれ、クライマックスでは陰惨なバイオレンスが炸裂する。 『ブーリン家の姉妹』© 2008 Columbia Pictures Industries, Inc. and Universal City Studios Productions LLLP and GH Three LLC. All Rights Reserved 『キラー・インサイド・ミー』©Copyright 2010 KIM PRODUCTIONS, LLC ALL RIGHTS RESERVED. 『ルドandクルシ』© 2008 CHA CHA CHA, INC. All rights reserved. 『CQ』© 2001 CQ PRODUCTIONS,LLC.ALL RIGHTS RESERVED 『ワンダーランド』© 2003 Lions Gate Films,Inc. All Rights Reserved.