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PROGRAM/放送作品
エンゼル・ハート
“悪魔のバイブル”と称された小説を映像化。スタイリッシュな映像美が秀逸なオカルト・ミステリー
“悪魔のバイブル”と評された戦慄オカルト小説を、社会派サスペンスが得意なアラン・パーカーが、フィルム・ノワールを思わせるスタイリッシュな映像美で映画化。ロバート・デ・ニーロの怪演も必見。
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COLUMN/コラム2014.07.14
【未DVD化】スリットから覗くダナウェイの太股と、70年代ディスコサウンドが刺激的な、『目』がテーマのサイコスリラー『アイズ』
映画製作の裏側が映画みたいに面白いことはよくある。『アイズ』(78)も然り。まず、原案はジョン・カーペンターが『ダーク・スター』(74)で長編監督デビュー直後に、バーブラ・ストライサンドのために書いたもの。まだ、"モダンホラーの旗手"という形容詞が付く前のカーペンターが自分から映画会社に売り込んだストーリーに目を付けたのは、当時、バーブラ主演の『スター誕生』(76)を大ヒットさせて俄然若手プロデューサーとして勢いを増していたジョン・ピータース。映画界に進出する前(と言うか元は子役出身)、人気ヘアドレッサーとして数多くのセリブと親交があったピータースは、 L.A.のロデオ・ドライブに構えていたヘアサロンの上顧客だったバーブラとは恋人関係にあり、脚本と主演女優を同時にゲット、したかに見えた。。。 ところが、ピータースはやる気満々のバーブラを説き伏せ、フェイ・ダナウェイを主役に据えてしまう。確かに、自らに備わった予知能力に苦しむセクシーな女性フォトグラファー役は、『俺たちに明日はない』(67)で衝撃のメジャーデビューを飾って以来、演技派女優としてばかりか、ファッション・アイコンとしても認知されていたダナウェイの方が、断然適役。少なくてもワーストドレッサーの常連だったバーブラより。こうして、バーブラは映画の主題歌"Prisoner"(冒頭のタイトルバックとエンディングに流れる)のみを歌い、出演はナシ。結果、『アイズ』は彼女が主題歌を担当した映画の中で、唯一出演しなかった作品として映画史に名を刻むことになる。それはそれで凄いことなのだが。 さて、舞台裏はこれくらいにして、映画の中身に移ろう。物語は、マンハッタンの高級アパートに暮らすローラ・マース(ダナウェイ)が、深夜、突如殺人シーンの幻影に脅えまくるシーンから始まる。彼女が見てしまうのは、殺人者の視点で展開する犯行までのプロセスとその瞬間だ。そして、殺される相手はローラの写真集を担当した女性編集者ではないか!?ローラはおぞましい光景に視界を遮られつつも、何とか編集者の家に電話をかけるが、時すでに遅し。なぜ、ローラはそんな悪夢に苦しめられなければならないのか?犯人の正体は?殺人の動機は?一気に浮かぶ疑問を引き摺りつつ、さらに第2、第3の殺人がローラの視界に写し出されていく。 最大の見せ場は、映画が始まっておよそ20分後に訪れる。ローラがニューヨークのコロンバス・サークルに停車したトレーラーを訪れ、ヘアメイクに余念がないモデルたちと軽く挨拶を交わした後、やがてシューティングにGOサインを出すと、衝突し、炎上する車をバックに下着&毛皮のモデルたちがポージングを開始。すると、地面すれすれにしゃがみ込み、指示を出すローラの美しい太股がスカートの深いスリットを割って露わになる。フェイ・ダナウェイの脚線美がモノを言う瞬間だ。何しろ、彼女が穿いているスカートはしゃがむと左右の太股が自然に外に飛び出す2本スリット。カメラマン仕様とも言えるこのスカートに始まり、劇中でダナウェイが着る服全般を担当しているのは、『アメリカン・ジゴロ』(80)でローレン・ハットンの服を受け持った衣装デザイナーのBernadene C.Man。彼女の服選びが余程気に入ったのか、ダナウェイは後に『愛と憎しみの伝説』(81)でも再起用している。 ファッションだけではない。ローラが渾身のシャッターを切るフォトスタジオで気分を盛り上げるのは、K.C.&サンシャインバンドの"シェイク・ユア・ブーティ"や、マイケル・ゼーガー・バンドの"レッツ・オール・チャント(チャンタでいこう)"等の70年代ディスコ・サウンド。あの時代に毎週末イケイケだった世代は勿論、今、ファレル・ウィリアムズが巧みにスコアに織り込んでいるディスコテイストが分かる人にも、この映画のBGMはお薦めだ。 ダナウェイを囲む配役も70年代世代には堪らない顔ぶれ。ローラの運転手で犯罪歴があるトミーを演じるのは、『エクソシスト』(73)等の脇役を経て『カッコーの巣の上で』(75)でオスカー候補になったブラッド・ダリフ。『アイズ』では『カッコー~』で演じた繊細な精神病患者のイメージを踏襲したエキセントリックなキャラクターを好演し、推理好きの興味を惹きつける。また、ローラのマネージャー、ドナルド役は70年代から現在に至るまで第一線で活躍し続ける名バイブレーヤーのルネ・オーベルジョノワ。『スタスキー&ハッチ』(78)や『ザ・ホワイト・ハウス』(99~)等で海外ドラマファンにとってはお馴染みの顔だ。今は亡き名優、ロイド・ブリッジスとルックスがそっくりで、劇中で顔真似する場面があるのでお見逃しなく。 しかし、何と言ってもビックリなのは、事件の担当刑事、ネビルに扮して颯爽と登場するトミー・リー・ジョーンズではないだろうか!?横一線で繋がった濃い眉毛こそ今と同じだが、ロングヘアに筋肉質のボディでローラに接近し、いつしかベッドインしてしまうイケメン刑事ぶりは、今、主にCMで彼を見ている若い視聴者には意外に映るはず。断っておくけれど、1970年代のトミー・リーはれっきとしたセックスシンボルだったのだ!! カーペンターのオリジナル版をリライトした脚本は、特に、ラストで真犯人が告白するアイデンティティーと殺人の動機に関して大幅に変更されたとか。それは、観客が第1の殺人を受けて抱く疑問に答えるものだが、恐らく、事前に予知できる人は少ないと思う。もう1つの、なぜ、ローラに予知能力が備わったかという疑問は、結局、最後まで謎のまま。『アイズ』というタイトルが示すように、殺人をテーマに衝撃的な写真を撮り続けるローラの目が、同時に、本物の殺人まで垣間見てしまうという皮肉なギミック。それが、もしかしてこのサイコスリラーの隠れたテーマなのだと深読みできなくもない。 『アイズ』は推理そのものより、むしろ、音楽とファッション、そして、1970年代後半のハリウッドで最も光り輝いていた女優の1人であるフェイ・ダナウェイの、最後の美貌(その後、諸々の整形手術で別人に変貌)を楽しむべき作品。そして、世紀のディーバ、バーブラ・ストライサイドの歌声(2000年にライブ活動から引退)を堪能すべき、未DVDリリース作品の中でもレアな1本。因みに、当時、ショービズ界で最も扱いづらい女2人を手玉に取ったと業界中を驚嘆させたジョン・ピータースは、そんな2人を尻目に、その後、『レインマン』(88)、『バットマン』(89)、『マン・オブ・スティール』(13)とメガヒットを連発。ロデオ・ドライブのヘアドレッサーは、今や押しも押されぬヒットメーカーとして映画界に君臨している。■ © 1978 Columbia Pictures Industries, Inc. All Rights Reserved.
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PROGRAM/放送作品
ひかりのまち
希代の才能で世界中から注目されるマイケル・ウィンターボトム監督が描く、愛と幸福!
スタイリッシュな映像美と、秀でた音楽センスで注目されるマイケル・ウィンターボトム監督がおくる心温まるヒューマン・ドラマ。音楽は『ピアノ・レッスン』の巨匠マイケル・ナイマン。
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COLUMN/コラム2012.08.03
個人的に熱烈推薦!編成部スタッフ1人1本レコメンド 【2012年8月】招きネコ
アイリッシュ系マフィアと新興イタリア系マフィアの抗争を舞台に、男と男、男と女の愛と友情と裏切りが描かれるギャング映画と言うと、全くもって普通に聞こえるかも知れませんが、コーエン兄弟ワールドなので、かっこいいけど、おかしいんです。人間って真面目であればあるほど、客観的に見ると可笑しく見えるというのがよくわかります。この映画にはまっていた当時、「迷惑なヤツ」という代名詞として、この作品でジョン・タトゥーロが演じる主役でもない「バーニー」を隠語として友達と使っていたくらい、脇役から主役まで人間くさく愛すべきキャラがそろい、アルバート・フィニーやガブリエル・バーンら、普段あまり主役をやらない個性派俳優たちが輝いています。コーエン兄弟作品の魅力である、カメラワークと音楽による名シーンも満載。アルバート・フィニーがマシンガンを撃ちまくり、「ダニー・ボーイ」が流れる場面は映画史に残る名シーンだと思います。 (C)1990 Twentieth Century Fox Film Corporation. All rights reserved
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PROGRAM/放送作品
ガルシアの首
憎き黒幕を探し出せ!ガルシアの首をめぐる死闘を描く、傑作バイオレンス映画!
『荒野のガンマン』『ワイルドバンチ』などの西部劇をはじめ『ゲッタウェイ』など、バイオレンス映画で高い評価を受けた巨匠サム・ペキンパー監督が、原案と脚本も手がけたスタイリッシュな快作!
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COLUMN/コラム2020.09.28
安易な理解を否定する、 オーソン・ウェルズ監督の悪夢のような映像とイメージが満載!
今回お勧めするのは、オーソン・ウェルズ監督の『審判』(62年)です。 これは有名な作家フランツ・カフカの同名傑作小説の映画化ですね。 監督のウェルズと言えば、映画史上の傑作のひとつ『市民ケーン』(41年) の監督です。彼は26歳で老新聞王ケーンを演じながら監督も兼任して、 様々な撮影テクニックを開発していま す。たとえば「パンフォーカス」。画面の近くにいる人物も遠くの背景にも同時にピントが合っているという肉眼 ではありえない映像ですね。 『市民ケーン』は、それ以降のあらゆる 映画に影響を与えたものすごい傑作ですが、アカデミー作品賞は獲れませんでした。ケーンのモデルは、当時の実在の新聞王ウィリアム・ランドルフ・ハーストで、彼を茶化した内容だったため、ハーストが反『市民ケーン』キャンペーンを行い、アカデミー賞で9部門にノミネ ートされながら、脚本賞のみの受賞に終わっています。これ以降もウェルズはハリウッドでなかなか映画を作れなくなり、作品数は少ないのですが、ヨーロッパで撮ったのがこの『審判』です。 原作がカフカの小説だと聞くと、重々しい映画じゃないの? と思う人も多いでしょうが、これコメディです。 映画は「K」という銀行員。保険会社で働いてたカフカ自身ですね。彼は、ある日突然“起訴”されてしまいます。 何の罪でかというと判らないんです よ。判らないまま裁判にかけられて......という、本来なら怖い話ですが、 本作は怖さよりもシュールさが強調されています。ウェルズ監督が冒頭で「こ れは悪夢(の理論)である」と説明しているように、つげ義春の『ねじ式』みたいな映画になっています。 たとえば「K」が勤めている会社では地平線の彼方まで机が並んでいて、物凄い数の従業員がタイプライターを打ち続けているんです。CGじゃなくて 実際に何百人ものエキストラとタイプライターを集めて撮影しています。こうい うありえない悪夢的なイメージはテリ ー・ギリアムの『未来世紀ブラジル』(85年)に明らかに影響を与えています。 主人公「K」を演じるのはカフカに顔が似ているアンソニー・パーキンス。彼は本作の前に、アルフレッド・ヒッチコック監督の『サイコ』(60年)で 変態殺人鬼の役を演じて、世界中で大当たりしたために、その後は変態殺人鬼役ばかりオファーされたんですね。彼はそれが嫌でハリウッドからヨーロッパへ逃げ出して、そのころに出た作品です。 その「K」は次々に美女に誘惑されます。夢には願望が出てきますから。なかでもロミー・シュナイダーがやたらエロくて可愛くて困ってしまいま す。美女たちにキスされて、ふにゃふにゃと反応するアンソニー・パーキンスは『アンダー・ザ・シルバー・レイク』(18年)のアンドリュー・ガーフィールドそっくりです。 オーソン・ウェルズ自身も「K」の弁護士役で出てきます。「私に任せとけ」と言うだけで何もしてくれない、実にウェルズらしいインチキくさい役 ですね。 『審判』というタイトルは仰々しいですが、ダークでエロチックなコメディですので、リラックスして悪夢をお楽しみください。 (談/町山智浩) MORE★INFO.●1960年にオーソン・ウェルズが、独立プロデューサーのアレクサンダー・サルキンドから、パブリックドメイン(PD)の文芸作品から何か映画を作らないか? と持ちかけられたのがそもそもの始まり。●ウェルズはフランツ・カフカの『審判』の映画化に決めたが、後に原作はPDではないことが発覚、訴訟に発展した。●ウェルズは、主役に当初ジャッキー・グ リースンを求めていた。●ウェルズは映画中で11人の声を自ら吹替えている。●本作と『シベールの日曜日』(共に62年) で使われた『アルビノーニのアダージョ』は、そもそもレモ・ジャゾットによる偽作で、トマゾ・アルビノーニとは直接的に関係はない。 (C) 1963-1984 Cantharus Productions N.V.
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PROGRAM/放送作品
ロボコップ2
ロボコップは愛する者の夢を見るか?人間マーフィの葛藤を描く、シリーズ第2作!
ド迫力の銃撃戦や爆発シーンがすさまじい、アクション最高潮のシリーズ第2作!魔性の美人科学者により開発されたロボコップ2号が、人間の心をもつロボコップ、マーフィの宿敵となる!
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PROGRAM/放送作品
ブリジット・バルドー ~フランスのアイコン~
コケティッシュなフランスのセックス・シンボル、ブリジット・バルドーのバイオグラフィ
セックス・シンボルとしてスターになったバルドーの半生を描くドキュメンタリー。一流監督との仕事、世界的名声、そして華麗なる男性遍歴や動物愛護活動家となった今日までをたどる30分。
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PROGRAM/放送作品
ゴーストワールド
おしゃれでキッチュでどこか切ない青春模様。人気・個性とも若手屈指の女優2人の魅力に首ったけ
人気急上昇女優S・ヨハンソンと実力派T・バーチが、今どきのティーンを演じた青春映画。彼女たちのおしゃれでキッチュなファッション、さらにオタク中年男を悲哀タップリに体現するスティーヴ・ブシェミは必見。
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PROGRAM/放送作品
ホステージ
[PG-12]人質事件のプロフェッショナルの家族が人質に!ブルース・ウィリス主演の二重人質サスペンス
プロデューサーも務めたブルース・ウィリスが、痛快アクション『スズメバチ』を撮ったフランス人監督を大抜擢。交渉人×パニック・ルームの面白さにスタイリッシュな映像美をプラスした、密室クライム・サスペンス。